JPH0626888U - 容器兼用注射器用のガスケット移動防止具 - Google Patents

容器兼用注射器用のガスケット移動防止具

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JPH0626888U
JPH0626888U JP6910592U JP6910592U JPH0626888U JP H0626888 U JPH0626888 U JP H0626888U JP 6910592 U JP6910592 U JP 6910592U JP 6910592 U JP6910592 U JP 6910592U JP H0626888 U JPH0626888 U JP H0626888U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 容器兼用注射器のガラスカートリッジ内に密
嵌されているガスケットが該注射器の使用以前に針基の
内室に向かって移動させられて、ガスケットの一部又は
全部が針基の内室内に至るのを未然に防止することがで
き、かつ、容器兼用注射器への着脱が容易なガスケット
移動防止具を提供する。 【構成】 容器兼用注射器1における針基2のキャップ
取付部14に密嵌され得るキャップ状のストッパー基1
01の内側頂部から、針基2の薬剤吐出孔15を貫通し
得る棒状のストッパー102を、ストッパー基101が
キャップ取付部14に密嵌された状態でストッパー10
2が薬剤吐出孔15を貫通するように突設させる。スト
ッパー102における薬剤吐出孔15を貫通する部位の
長さNを、針基2における内室12の軸方向の長さLよ
り長くする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、容器兼用注射器のガラスカートリッジ内に密嵌されているガスケッ トの移動防止具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開昭62−5357号公報・特公昭62−58745号公報等で公知である 容器兼用注射器の一例は図3に示されており、合成樹脂製の針基2と合成樹脂製 のフィンガーグリップ3と円筒状のガラスカートリッジ4からシリンジ5が形成 されており、シリンジ5のガラスカートリッジ4内におけるゴム製のガスケット 6とゴム製のプランジャー7との間に所定量の薬剤8が充填・密閉された後、蒸 気滅菌等の滅菌処理がシリンジ5に施されて、ガラスカートリッジ4内に所定量 の薬剤8が予め無菌状態で密閉された状態で出荷されている。
【0003】 ところで、図3に示されるように、容器兼用注射器1の針基2では、円筒状の 周壁部10の一部にガラスカートリッジ4が密嵌されて、周壁部10の残りの部 分及び底部11によって内室12が形成されており、底部11における外壁面1 3にキャップ取付部14が突設され、該取付部14の中央部先端から内室12に 至る薬剤吐出孔15が貫設され、該吐出孔15から放射状に走るバイパス溝16 が内室12を形成する内壁面17に凹設され(図4参照)、内室12の軸方向の 長さLがガスケット6の厚さMより長く設定されている。なお、図3において、 符号20はキャップを示している。
【0004】 このため、図3の容器兼用注射器1ではその使用に際して、図5に示されるよ うに(シリンジ5の一部図示省略)、プランジャー7にプランジャーロッド21 (一部図示省略)を取り付け、キャップ取付部14にキャップ付注射針22を取 り付けて、プランジャーロッド21を押進させると、ガスケット6が薬剤8を介 して針基2の内室12内に移動させられて、薬剤8が、バイパス溝16及び薬剤 吐出孔15を通って、キャップ付注射針22から吐出される。
【0005】 従って、図3の容器兼用注射器1は、通常の注射器と比べて、医療現場で薬剤 8を所定量だけシリンジ5内へ充填する手間がかからず、該充填時に薬剤8が空 気中の細菌等で汚染される危険性がない等の利点を有している。
【0006】 しかし、図3の容器兼用注射器1には、該注射器1の使用以前に次に説明する ような状況でガスケット6が針基2の内室12に向かって移動させられて、ガス ケット6の一部又は全部が内室12内に至り、ガラスカートリッジ4内に予め無 菌状態で密閉されている薬剤8が薬剤吐出孔15から漏出する危険性や、薬剤8 の無菌性が消失してしまう危険性がある。
【0007】 (イ) ガラスカートリッジ4内に充填・密閉される薬剤8によっては、蒸気滅 菌による加熱や外気温の上昇によって膨張して、ガスケット6を針基2の内室1 2に向かって押進させる。 (ロ) ガラスカートリッジ4内に充填・密閉される薬剤8によっては、薬剤8 の成分を容器兼用注射器1の使用時まで安定させる目的で不活性ガスと共にガラ スカートリッジ4内に充填・密閉されるが、該不活性ガスが、蒸気滅菌による加 熱や外気温の上昇によって膨張して、ガスケット6を針基2の内室12に向かっ て押進させる。 (ハ) 製品の輸送中等に発生する振動が薬剤8に付加されて、ガスケット6に 予想以上の重量が加わり、ガスケット6が針基2の内室12に向かって移動させ られる。
【0008】 なお、容器兼用注射器の他の一例である図6の容器兼用注射器30は、シリン ジ31がガラスの一体成形品とされており、シリンジ31の薬剤吐出孔32がゴ ム製のガスケット33によって常に密閉されているため、図3の容器兼用注射器 1が有するところの前述した危険性がない。しかし、図6の容器兼用注射器30 には、図7に示されるように、使用時に両針注射針34の導通針35でガスケッ ト33を刺し貫く必要があるため、該刺し貫く際にガスケット33が導通針35 によって削り取られて、ガスケット33の削り屑が薬剤36と共に患者の体内に 注入される危険性がある。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
従来技術の前記危険性に鑑み、本考案では、図3に示されるような容器兼用注 射器において、該注射器のガラスカートリッジ内に密嵌されているガスケットが 該注射器の使用以前に針基の内室に向かって移動させられて、ガスケットの一部 又は全部が内室内に至るのを未然に防止することができ、かつ、容器兼用注射器 への着脱が容易なガスケット移動防止具を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として、本考案では、容器兼用注射器における 針基のキャップ取付部に着脱自在に嵌着させ得るキャップ状のストッパー基にお ける内側頂部から、前記針基の薬剤吐出孔を貫通し得る棒状のストッパーが、前 記ストッパー基が前記キャップ取付部に嵌着させられた状態で前記薬剤吐出孔を 貫通するように突設されており、前記ストッパーにおける前記薬剤吐出孔を貫通 し前記容器兼用注射器のシリンジ内に突出する部位の長さが、前記針基における 内室の軸方向の長さより長く選定されている、という構成を採用している。
【0011】
【作用】
本考案は前記構成とされているので、図2に示すように、キャップ状のストッ パー基101の内側頂部から突設されている棒状のストッパー102を容器兼用 注射器1における針基2の薬剤吐出孔15に挿入させながら、ストッパー基10 1を針基2のキャップ取付部14に嵌着させると、ストッパー102の一部は薬 剤吐出孔15を貫通して容器兼用注射器1のシリンジ5内に突出する。
【0012】 このとき、本考案では、ストッパー102における薬剤吐出孔15を貫通し容 器兼用注射器1のシリンジ5内に突出する部位の長さNが、針基2における内室 12の軸方向の長さLより長く選定されているので、ストッパー102の先端が 、針基2の内室12を通過してガラスカートリッジ4内に至っている。
【0013】 このため、ガラスカートリッジ4内に密嵌されているガスケット110は、何 らかの原因によって容器兼用注射器1の使用以前に針基2の内室12に向かって 移動させられても、ストッパー102の先端に当接して、ガスケット110全体 がガラスカートリッジ4内に密嵌されている状態で前記移動を停止させられる。
【0014】 なお、図2に示されるガスケット110は、ストッパー102の先端に当接さ せられる部位にストッパー受け111を有しているが、該ストッパー受け111 は、ガスケットが硬質ゴム製である場合には不要である。ストッパー受け111 は、ストッパー102の先端がガスケット内に食い込んでガスケットの削り屑を 発生させる危険性を無くするためのものであり、該危険性は、ガスケットが硬質 ゴム製である場合には生じないからである。
【0015】
【実施例】
本考案の実施の一例を図1及び図2に基づいて以下に説明する。なお、図1は 実施の一例を示す斜視図であり、図2は、図1に示されるものを図3の容器兼用 注射器1に装着した状態を示す一部省略縦断面図(容器兼用注射器1におけるシ リンジ5の一部図示省略)であって、図2に示される容器兼用注射器1における ガスケット以外の各部位は、図3に示されるものと同一であるので、図3と同一 の符号及び名称を使用しており、該各部位の説明は、従来技術の項で図3につい て既に行なっているので、行なわない。
【0016】 図1及び図2に示されるように、本考案の実施の一例であるガスケット移動防 止具100は、容器兼用注射器1における針基2のキャップ取付部14に着脱自 在に嵌着させ得る合成樹脂製でキャップ状のストッパー基101における内側頂 部から、針基2の薬剤吐出孔15を貫通し得るステンレス製で棒状のストッパー 102が、ストッパー基101がキャップ取付部14に嵌着させられた状態で薬 剤吐出孔15を貫通するように突設されており、ストッパー102における薬剤 吐出孔15を貫通し容器兼用注射器1のシリンジ5内に突出する部位の長さNが 、針基2における内室12の軸方向の長さLより長く選定されている。
【0017】 ところで、図2に示されるように、ガラスカートリッジ4内に密嵌されている ガスケット110は、合成樹脂製で円板状のストッパー受け111が、アンダー カット構造112による凹凸嵌合によってゴム製の本体113に嵌着させられて 、ストッパー102の先端と対向させられており、ストッパー受け111におけ るストッパー102の先端が当接させられる部位には、凹部114が形成されて いる。
【0018】 このため、図2のガスケット110には、ストッパー102の先端がゴム製の 本体113内に食い込んで、ゴムの削り屑を発生させる危険性が無い。ただし、 ガスケットが、前記危険性が生じない程硬質のゴム製である場合には、図2に示 されるようなストッパー受けは不要である。
【0019】 なお、図2のガスケット110では、ストッパー受け111がゴム製の本体1 13に接着剤を使用しない嵌着によって取り付けられているが、該取り付けは、 凹凸嵌合等の嵌着に限定されず、接着剤による接着等であっても良い。また、ス トッパー受けの材質は、合成樹脂に限定されずステンレス等の金属であっても良 く、ストッパー受けの構造も、図示構造に限定されず、凹部114を有しない構 造等であっても良い。
【0020】 ところで、図示実施例では、ストッパー基101が、その底部における互いに 対向する部位に鍔部103を有している。このため、容器兼用注射器1における 2条ネジを有するルアーロック型のキャップ取付部14への螺合による嵌着が可 能になり、単に嵌着のみによる装着の場合と比べて、ストッパー基101が容器 兼用注射器1のキャップ取付部14から輸送途中の振動等によって外れる危険性 が減少する。
【0021】 しかし、本考案に係る容器兼用注射器用のガスケット移動防止具では、ストッ パー基における鍔部の有無が限定されていない。該鍔部が無くても、ガスケット 移動防止具における容器兼用注射器のキャップ取付部への着脱は可能だからであ る。ただし、容器兼用注射器のキャップ取付部の構造が、単にキャップを嵌着さ せ得るだけのルアーテーパ型の構造ではなく、図2に示されるように螺合を加味 したルアーロック型の構造である場合には、ストッパー基は鍔部を有する方が、 容器兼用注射器のキャップ取付部から外れる危険性が減少するので、好ましい。
【0022】 また、図示実施例では、ストッパー基101がその頂部に円柱状のツマミ10 4を有しており、かつ、該ツマミ104の周壁面には摩擦係数を大きくするため の複数の凹部105が軸方向に形成されている。このため、容器兼用注射器1の キャップ取付部14への着脱が容易になっている。
【0023】 しかし、本考案に係る容器兼用注射器用のガスケット移動防止具では、ストッ パー基におけるツマミの有無が限定されていない。該ツマミが無くても、ガスケ ット移動防止具における容器兼用注射器のキャップ取付部への着脱は可能だから である。ただし、ストッパー基は、ツマミを有する方が、前記着脱が容易である ので好ましい。
【0024】 なお、図示実施例では、ストッパー基101が合成樹脂製とされ、ストッパー 102がステンレス製とされているが、本考案に係る容器兼用注射器用のガスケ ット移動防止具では、ストッパー基の材質が合成樹脂に限定されず、例えばアル ミ等の金属であっても良く、ストッパーの材質もステンレスに限定されず、例え ば鉄等の金属や合成樹脂等であっても良い。
【0025】
【考案の効果】
本考案は以上説明した構成・作用を有しており、本考案に係るガスケット移動 防止具を容器兼用注射器へ装着した場合には、容器兼用注射器のガラスカートリ ッジ内に密嵌されているガスケットが、何らかの原因によって容器兼用注射器の 使用以前に針基の内室に向かって移動させられても、ストッパーの先端に当接し て、ガスケット全体がガラスカートリッジ内に密嵌されている状態で前記移動を 停止させられるので、容器兼用注射器の使用以前にガスケットの一部又は全部が 針基の内室内に至るのを未然に防止することができ、該防止を行なわないときに 生じるところの、ガラスカートリッジ内に予め無菌状態で密閉されている薬剤が 針基の薬剤吐出孔から漏出する危険性や、該薬剤の無菌性が消失してしまう危険 性をなくすことができる。
【0026】 また、本考案は以上説明した構成とされているので、容器兼用注射器における 針基の薬剤吐出孔に棒状のストッパーを挿入させながら、針基のキャップ取付部 にキャップ状のストッパー基を嵌着させることによって、本考案に係るガスケッ ト移動防止具を容器兼用注射器へ装着でき、ストッパー基を針基のキャップ取付 部から離脱させ、ストッパーを針基の薬剤吐出孔から引き抜くことによって、本 考案に係るガスケット移動防止具を容器兼用注射器から取り外すことができる。 従って、本考案に係るガスケット移動防止具は容器兼用注射器への着脱が容易で ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の一例を示す斜視図である。
【図2】図1に示されるものを図3の容器兼用注射器に
装着した状態を示す一部省略縦断面図である。
【図3】容器兼用注射器の一例を示す縦断面図である。
【図4】図3に示されるもののA−A線断面図である。
【図5】図3に示されるものを使用する際の状態を示す
一部省略縦断面図である。
【図6】容器兼用注射器の他の一例を示す縦断面図であ
る。
【図7】図7に示されるものを使用する際の状態を示す
一部省略縦断面図である。
【符号の説明】
1 容器兼用注射器 2 針基 5 シリンジ 12 内室 14 キャップ取付部 15 薬剤吐出孔 100 ガスケット移動防止具 101 ストッパー基 102 ストッパー L 内室の軸方向の長さ N ストッパーにおける薬剤吐出孔を貫通し容器兼用注
射器のシリンジ内に突出する部位の長さ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器兼用注射器における針基のキャップ
    取付部に着脱自在に嵌着させ得るキャップ状のストッパ
    ー基における内側頂部から、前記針基の薬剤吐出孔を貫
    通し得る棒状のストッパーが、前記ストッパー基が前記
    キャップ取付部に嵌着させられた状態で前記薬剤吐出孔
    を貫通するように突設されており、前記ストッパーにお
    ける前記薬剤吐出孔を貫通し前記容器兼用注射器のシリ
    ンジ内に突出する部位の長さが、前記針基における内室
    の軸方向の長さより長く選定されている前記容器兼用注
    射器用のガスケット移動防止具。
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