JPH06262635A - 結晶性プラスチック成形品における成形条件の設定方法および結晶性プラスチック成形品の成形方法 - Google Patents

結晶性プラスチック成形品における成形条件の設定方法および結晶性プラスチック成形品の成形方法

Info

Publication number
JPH06262635A
JPH06262635A JP5396893A JP5396893A JPH06262635A JP H06262635 A JPH06262635 A JP H06262635A JP 5396893 A JP5396893 A JP 5396893A JP 5396893 A JP5396893 A JP 5396893A JP H06262635 A JPH06262635 A JP H06262635A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molding
temperature
mold
time
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5396893A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Kawana
武 川名
Yoichiro Tamoto
洋一郎 田本
Yuji Enomoto
裕治 榎本
Kyoko Kurahashi
恭子 倉橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP5396893A priority Critical patent/JPH06262635A/ja
Publication of JPH06262635A publication Critical patent/JPH06262635A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C45/78Measuring, controlling or regulating of temperature
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C45/766Measuring, controlling or regulating the setting or resetting of moulding conditions, e.g. before starting a cycle
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C45/7693Measuring, controlling or regulating using rheological models of the material in the mould, e.g. finite elements method

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶性プラスチック成形品の成形において、
成形条件の最適化を図り得る結晶性プラスチック成形品
における成形条件の設定方法を提供すること。 【構成】 核発生速度式・球晶成長速度式をAvram
iの式に代入して樹脂の結晶成長速度を時間と温度の関
数として求め、一方金型d内の樹脂温度をシミュレーシ
ョンなどの手法により時間の関数として求め、その両者
から結晶化度の累積値を求めることにより、金型温度・
樹脂温度・冷却固化時間の設定を最適化するように構成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、結晶性プラスチック成
形品の成形において、成形条件の最適化を図るために好
適な結晶性プラスチック成形品における成形条件の設定
方法、および結晶性プラスチック成形品の成形方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】エンジニアリング・プラスチックとして
精密機構部品に使用されるポリアセタール・ナイロン・
ポリカーボネートなどは、いずれも結晶性プラスチック
成形品であって、その成形寸法精度・機械的強度・耐薬
品性は結晶化度に左右される。結晶化度はポリアセター
ルで約80%、ナイロン6で20〜50%、ポリカーボ
ネートで20〜30%であり、この結晶化度を一定に保
持することが成形品の品質維持上必要である。しかし、
成形の生産性向上のため、品質を維持しつつ成形時間を
短縮すること、すなわちハイサイクル化が求められてい
る。
【0003】これを実現するための成形条件としては、
樹脂メーカーの資料あるいは文献(例えば、松谷・各務
著:プラスチック技術総合資料集(1987)、715
〜716ページ)に記載される標準的条件に従うのが一
般的である。また、樹脂の流動および冷却に関する解析
あるいは計算機を利用した解析プログラムが発表されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
のうち標準的条件は、個別の場合に最適な条件を提示す
るものではなく、解析プログラムは成形品の特性に影響
の大きい結晶化度まで求めるものではなく、温度解析に
当たり溶解潜熱を無視するものもある。実務上、成形条
件はこれらを基礎にして、実験的・経験的・ノウハウ的
に定められている。
【0005】本発明の目的は、結晶性プラスチック成形
品の成形において、結晶化度の到達値を定量化しつつ成
形条件の最適化を図り得る結晶性プラスチック成形品に
おける成形条件の設定方法および結晶性プラスチック成
形品の成形方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的は、核発生速度
式・球晶成長速度式をAvramiの式に代入して樹脂
の結晶成長速度を時間と温度の関数として求め、一方金
型内の樹脂温度をシミュレーションなどの手法により時
間の関数として求め、その両者から結晶化度の累積値を
算出して、それが一定の値に達した条件を成形条件とす
ることにより、達成される。
【0007】また、前記目的は樹脂注入時から固化冷却
し金型から成形品を取り出すまでの金型温度を、成形対
象物の結晶化の進み特性に対応させて制御することによ
り、達成される。
【0008】そして、前記目的は前記成形条件の設定方
法を、結晶性プラスチック成形品の射出成形に適用した
ことにより、また前記成形条件の設定方法を、結晶性プ
ラスチック成形品の圧縮成形に適用したことにより、さ
らには前記成形条件の設定方法を、プラスチック成形品
の設計・製造を支援するためのCAEに組み込んだこと
により、達成される。
【0009】その詳細を以下に説明する。
【0010】高分子の結晶化は、aを未結晶の容積分
率、tを時間、nとkを球晶発生機構と成長速度によっ
て定まる定数とすると、次に示すAvramiの式に従
う(山本編:結晶工学ハンドブック、共立出版、(19
71)、227ページ参照)。
【0011】
【数1】
【0012】nとkは結晶成長の態様によって理論的に
与えられ(同上参照)、ポリアセタール樹脂(ポリオキ
シメチレン)など3次元的に成長するものでは、nは
4、kはAを核発生速度、Gを球晶成長速度であるとす
ると、次式で表される。
【0013】
【数2】
【0014】したがって、AとGが求められれば結晶化
の速度を求めることができることになるが、文献(N.
OKUI:Theoretical Aspect o
fCrystallization Temperat
ure at Maximum Crystal Gr
owth Rate,Polymer Journa
l,19,11(1971)1309〜1315)によ
れば、次式で与えられる。ここで、ΔEは液相から結晶
へ移動する際の流れのエネルギー、Rはガス定数、Tは
絶対温度、ΔTは(Tm−T)であってTmは融点、K
1とK2は境界面の自由エネルギーの関数で温度に依存
しない定数、A0とG0は温度に依存しない定数である。
【0015】
【数3】
【0016】
【数4】
【0017】K1とK2については、前記文献等に測定
例があり、それによれば、例えばポリアセタール樹脂に
対しては、次式のように表される。
【0018】
【数5】
【0019】
【数6】
【0020】一方、AとGについては文献(M.INO
UE and T.TAKAYANAGI:Kinet
cs of Bulk Crystallizatio
nin Polyoxymethilene,J.of
Polymer Science,47,149(1
960)498〜502)等に測定例があり、これより
0とG0を定めることができる。無論、測定することも
可能である。以上により、結晶成長の速度が温度と時間
の関数として求められる。
【0021】結晶化の予測には、はじめに成形時の温度
の推移を求めることが必要となる。この温度の推移は、
数式によっても求められるが、結晶性樹脂の場合融解熱
(潜熱)も含めた非線形解析となること、形状が一般的
に複雑であることから、電子計算機を用いた有限要素法
または境界要素法によるシミュレーションが便宜であ
る。その例を図2,図3および図4により説明する。
【0022】図3は厚さ2mmの板状成形品を成形する場
合の2次元モデルであって、板に対し対称であるから、
板厚の半分のみを対象としている。したがって、A点は
板厚の中央(深さ1mm)、B点は深さ0.6mmである。
成形する樹脂はポリアセタール樹脂(融点は165
℃)、射出時の温度は190℃、金型温度は60℃と
し、これ以外の物性値・設定値は簡単化を図るため省略
する。
【0023】図4はシミュレーションの結果であって、
図3のA点およびB点の温度推移を例示したものであ
る。融点の165℃において融解熱が放出されるため、
温度下降が一時停止するのが特徴的である。
【0024】ついで、結晶化の累積値を求める方法を図
1,図2および図4により説明する。
【0025】図1の樹脂温度推移は、図4と同様に求め
た成形品の一点の温度推移であるとし、融点で温度下降
の一時停止がある。図2は数1に示される結晶成長速度
式の定数kを模式的に示したもので、結晶が成長する上
限温度がTa、下限温度がTbである。したがって、図
1で結晶が成長するのは、温度Ta,Tbに対応する時
間ta,tb間であることになる。結晶化の累積値は、
樹脂温度推移および数1から、図1に示すように定量的
に算出できることになる。
【0026】以上の方法により、特定の成形品の形状・
金型構造に対し、金型温度・樹脂温度を設定すると、こ
れにより得られる結晶化度および冷却固化時間の予測が
可能となり、その逐次計算によって成形条件の最適設定
が可能となる。また、ハイサイクル化、すなわち樹脂の
結晶化を確保しつつ成形時の樹脂温度からできるだけ早
く冷却させる金型温度および冷却時間を設定することの
限界も求めることができる。
【0027】
【作用】以上のように、本発明では核発生速度式・球晶
成長速度式をAvramiの式に代入して樹脂の結晶成
長速度を時間と温度の関数として求め、一方金型内の樹
脂温度をシミュレーションなどの手法により時間の関数
として求め、その両者から結晶化度の累積値を求めるこ
とにより、金型温度・樹脂温度・冷却固化時間の設定を
最適化するようにしているので、一定の結晶化度を得る
ために必要な金型温度・樹脂温度・冷却固化時間等の成
形条件の設定が、定形的な手法により求めることが可能
となる。
【0028】また、本発明では樹脂注入時から固化冷却
し金型から成形品を取り出すまでの金型温度を、成形対
象物の結晶化の進み特性に対応させて制御するようにし
ているので、小物・薄肉品等の成形品の特性を活かし
て、結晶性プラスチックによる成形品を有効に成形する
ことが可能である。
【0029】さらに、本発明では前記成形条件の設定方
法を結晶性プラスチック成形品の射出成形に適用してお
り、また前記成形条件の設定方法を結晶性プラスチック
成形品の圧縮成形に適用しており、さらには前記成形条
件の設定方法をプラスチック成形品の設計・製造を支援
するためのCAEに組み込んでいるので、それぞれ結晶
性プラスチックによる成形品を的確に成形することがで
きる。
【0030】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面により説明す
る。
【0031】図5は本発明方法の一実施対象であるプラ
スチック部品用の加工組立複合ユニットの構成を示す
図、図6は本発明方法の処理手順を示すフローチャート
である。
【0032】(プラスチック部品用の加工組立複合ユニ
ットの主要部)この加工組立複合ユニットは、射出成形
と組立の複合した機能を有するもので、射出成形部M
と、組立部Aと、検査部Cとを備えて構成されている。
さらに、射出成形部Mは材料供給部fと、加熱部hと、
押出部pと、金型dと、型締部cとにより構成されてい
る。なお、この加工組立複合ユニットは、生産ラインの
要求に応じ、1個単位で成形することを目的としてい
る。
【0033】(材料供給部f)この材料供給部fは、1
個単位での成形を目指しているところから、ペレットの
供給においても1個分の供給を行う。そして、原料ペレ
ット6のホッパ1は振分部2の中央上部に固定されてい
る。振分部2の中には、パルスモータ3で回転駆動する
送りねじ4が支持されている。振分部2の左右両端に
は、供給管5a,5bが加熱シリンダ7の上方に位置す
るように取り付けられている。前記ホッパ1内に蓄えら
れた原料ペレット6は、振分部2内の送りねじ4を正
転,逆転させることにより左右に振り分けられて供給さ
れる。
【0034】(加熱部h)この加熱部hは、原則として
部品1個単位の成形を可能にするため、加熱シリンダと
してスクリュー方式ではなくプランジャ方式を採用し、
タクトタイムの短縮を図るため、加熱シリンダを2個備
えている。また、ペレットの溶融のための加熱には、射
出筒以外の高温度化を防止するため、誘導加熱方式を用
いている。
【0035】すなわち、図3において、左右に水平移動
可能に架台に取り付けられた加熱ホルダ8に、2個並列
に加熱シリンダ7が固定され、その加熱シリンダ7の周
りに樹脂溶融のための誘導加熱コイル9が巻かれてい
る。加熱シリンダ7の中心軸上には、加熱時間の短縮を
目的とする加熱柱10が立てられ、先端には射出時以外
では溶融樹脂が漏れないように加熱ピン11が上下にス
ライド可能に取り付けられている。これは、加熱シリン
ダ7が下降して金型dに接するときに一定の距離だけ上
昇して溶融した原料ペレット6を押し出し可能にするも
のである。
【0036】この加熱部hでは、加熱ホルダ8が水平移
動することにより、位置を変えて材料供給部fからの原
料ペレット6の供給と、溶融した樹脂の押し出しを同時
に行うことができる。
【0037】(押出部p)この押出部pは、図5におい
て、架台に取り付けられたステージ14と、低騒音化を
図るため採用したACサーボモータ12で駆動されかつ
ステージ14を上下動させるボールねじ13と、ステー
ジ14に固定されたプランジャ15とにより構成されて
いる。ステージ14には、プランジャ15を上下に加振
するためのピエゾ振動子16が取り付けられている。
【0038】そして、材料供給部fより供給された原料
ペレット6を加熱シリンダ7の中で一定時間加熱溶融さ
せた後、金型dの上方に加熱ホルダ8を水平移動させて
プランジャ15を下降させることにより、押出部pは樹
脂を金型d内に押し出す。
【0039】(金型d)この金型dは、図5において、
固定型17と、可動型18と、これらの型から抜き出し
可能な中間金型19と、この中間金型19と一緒に成形
品27を抜き出すロボットハンド20とで構成されてい
る。前記ロボットハンド20は、組立部Aの一部でもあ
る。前記可動型18は、型締部cにより左右方向に開閉
する。
【0040】(型締部c)この型締部cは図5におい
て、架台および可動型18に端部を支持されたダブルト
グル機構21と、ダブルトグル機構21の一点に接続さ
れたラック22と、このラック22を動かすトルクモー
タ23とにより構成されている。この実施例では、機構
の簡素化および駆動源の小動力化を目的として、ダブル
トグル機構21を採用している。型締め方向は水平方向
としており、これはハンドリングにおいて、チャッキン
グを水平方向にしたことに対応させたものである。
【0041】(組立部A)この組立部Aは、射出成形部
Mで成形した部品を、この加工組立複合ユニットの前面
に想定するコンベアライン上のワークに組み付けるもの
である。金型からの成形品の取り出しおよび組み付け
は、前述のように、組立部のロボットハンドが成形時に
は金型の一部をなすことにより行う。したがって、金型
内の成形品は、組立時の姿勢で配置することを原則とす
る。
【0042】図5に示す組立部Aは、組立ロボット24
と、この組立ロボット24により3軸方向に駆動される
アーム25と、前述のごとく金型の一部である中間金型
19を有するロボットハンド20とにより構成されてい
る。前記アーム25の中には、検査部Cである質量セン
サ26が組み込まれ、ロボットハンド20とその中に把
持された成形品27の質量を計量して検査を行う。
【0043】金型dからの成形品27の取り出しおよび
組み付けは、成形品27と金型の一部である中間金型1
9とを取り外せる構造としておき、その中間金型19を
用いて行う、またはその中間金型19を組立部Aの一部
に固定しておく、言い換えれば組立部Aのロボットハン
ド20が成形時には金型の一部を構成することにより行
う。
【0044】(検査部C)成形の良否は質量の計測によ
り判別できる。この質量の計測は、部品を把持したまま
計測することが望ましい。したがって、中間金型および
ロボットハンドの一部の質量を含めて部品の質量を計測
することが必要となる。
【0045】そこで、この実施例では高分解能で計測可
能な電磁力平衡式質量計測方式の質量センサ26を用い
ている。
【0046】(この実施例による処理手順)ついで、前
述のごとく構成したプラスチック部品用の加工組立複合
ユニットの動作に関連して、本発明方法の一実施例を、
図6のフローチャートにより説明する。
【0047】はじめに、ステップ1で成形品の材質・形
状を設定し、ついでステップ2で金型の構造・温度調節
方式の設定を行い、ステップ3で溶融樹脂温度・金型温
度の設定など成形条件の仮設定を行う。成形に用いる樹
脂がポリアセタール樹脂の場合、溶融樹脂温度としては
190℃、金型温度としては60℃が標準的である。
【0048】次に、以上の成形条件の評価を行う。ま
ず、ステップ4で金型内で樹脂が冷却する際の温度推移
を算出する。さきに述べたように、有限要素法または境
界要素法によるシミュレーションが便宜である。さら
に、ステップ5で結晶化の累積値の推移の算出を行う。
算出方法は、さきに図1,図2および図4により説明し
た通りである。この結果より、ステップ6で設定された
成形条件の下で必要な冷却固化時間が一定結晶化度に至
る時間として求められる。一定結晶化度とは、ポリアセ
タール樹脂で約80%、ナイロン6で20〜50%、ポ
リカーボネートで20〜30%である。
【0049】ステップ7で成形条件を評価する。(a)
結晶化しない、(b)結晶化度が一定値に達しない、
(c)必要な冷却固化時間が長過ぎる、(d)結晶化度
が成形品内で均一でないなど、成形品または成形条件に
満足できない場合には、ステップ3に戻り溶融樹脂温度
・金型温度の再設定を行い、前述のステップを繰り返
す。さらに、必要がある場合には、ステップ1の成形品
の形状、ステップ2の金型の構造・温度調節方式まで戻
る。これらも、温度推移および結晶化度に影響を及ぼす
からである。
【0050】さらに、発明者等が実施対象とする前記プ
ラスチック部品用の加工組立複合ユニットにおいては、
小物・薄肉の成形品を成形対象とする。この場合、金型
温度として標準的な60℃程度に設定すると冷却速度が
大となり、図2において結晶化速度大の領域の通過速度
が大となって、結晶化が進まない結果となる。
【0051】これは金型の温度が一定であることが原因
と言える。したがって、小物・薄肉品の成形において
は、樹脂注入時から一定時間、金型の温度を100℃程
度に保持し、結晶化が進んだ後に標準的な60℃程度ま
たはそれ以下に設定することにより、良好な成形を行う
ことができることになる。
【0052】通常、金型の熱容量は大で、その温度を変
化させることは困難である。しかし、前記加工組立複合
ユニットでは、小物・薄肉品を対象とし、生産ラインの
要求に応じて1個単位で成形することを目的としている
ところから、小形かつ1個取りで熱容量小の金型を用い
ている。したがって、熱容量小であって、金型温度の成
形中の変更を容易に行うことができる。
【0053】そして、樹脂注入時から固化冷却し金型か
ら成形品を取り出すまで、金型の設定温度を一定にせ
ず、段階的または連続的に金型温度を変化させること
は、成形品の特性を向上させるうえで効果的である。
【0054】また、本発明の前記処理手順による成形条
件の最適化方法は、射出成形のみならず、圧縮成形にも
適用し得ること勿論である。
【0055】さらに、近年、プラスチック成形品の設計
・製造を支援するためにCAEシステムが多く利用され
るに至っているが、本発明による成形条件の最適化方法
は、前記CAEに組み込んで用いることにより、その重
要な要素となり得るものである。
【0056】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、核発生速
度式・球晶成長速度式をAvramiの式に代入して樹
脂の結晶成長速度を時間と温度の関数として求め、一方
金型内の樹脂温度をシミュレーションなどの手法により
時間の関数として求め、その両者から結晶化度の累積値
を求めることにより、金型温度・樹脂温度・冷却固化時
間の設定を最適化するようにしているので、次のような
効果がある。
【0057】(1)一定の結晶化度を有する特性の良い
成形品を得ることができる。
【0058】(2)試行錯誤的実験または経験的ノウハ
ウの蓄積に依存することなく、最適な成形条件を設定す
ることが可能となる。
【0059】(3)成形品の形状、金型構造の可否を判
断することができる。
【0060】(4)ハイサイクル化の限界を求めること
ができる。
【0061】(5)新しい結晶性樹脂、成形経験のない
樹脂であっても、その結晶成長速度式の定数が分かれ
ば、(1)〜(4)が可能となる。
【0062】また、本発明によれば樹脂注入時から固化
冷却し金型から成形品を取り出すまでの金型温度を、成
形対象物の結晶化の進み特性に対応させて制御するよう
にしているので、小物・薄肉品等の成形品の特性を活か
して、結晶性プラスチックによる成形品を有効に成形し
得る効果がある。
【0063】さらに、本発明によれば前記成形条件の設
定方法を結晶性プラスチック成形品の射出成形に適用し
ており、また前記成形条件の設定方法を結晶性プラスチ
ック成形品の圧縮成形に適用しており、さらには前記成
形条件の設定方法をプラスチック成形品の設計・製造を
支援するためのCAEに組み込んでいるので、それぞれ
結晶性プラスチックによる成形品を的確に成形し得る効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の基本思想の説明図である。
【図2】結晶成長速度の例を示す図である。
【図3】冷却時の樹脂温度シミュレーションのモデルを
示す図である。
【図4】シミュレーションによる冷却時の樹脂温度の推
移を示す図である。
【図5】本発明方法の一実施対象であるプラスチック部
品用の加工組立複合ユニットの構成を示す図である。
【図6】本発明方法の処理手順を示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
A…組立部、C…検査部、M…射出成形部、p…押出
部、d…金型、c…型締部、1…ホッパ、2…振分部、
6…原料ペレット、7…加熱シリンダ、15…プランジ
ャ、17…金型の固定型、17…同じく可動型、19…
同じく中間金型、20…ロボットハンド、21…型締部
のダブルトグル機構、24…組立ロボット、26…質量
センサ、27…成形品。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉橋 恭子 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核発生速度式・球晶成長速度式をAvr
    amiの式に代入して樹脂の結晶成長速度を時間と温度
    の関数として求め、一方金型内の樹脂温度をシミュレー
    ションなどの手法により時間の関数として求め、その両
    者から結晶化度の累積値を求めることにより、金型温度
    ・樹脂温度・冷却固化時間の設定を最適化することを特
    徴とする結晶性プラスチック成形品における成形条件の
    設定方法。
  2. 【請求項2】 樹脂注入時から固化冷却し金型から成形
    品を取り出すまでの金型温度を、成形対象物の結晶化の
    進み特性に対応させて制御することを特徴とする結晶性
    プラスチック成形品における成形条件の設定方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1または請求項2記載の成形
    条件の設定方法を、結晶性プラスチック成形品の射出成
    形に適用したことを特徴とする結晶性プラスチック成形
    品の成形方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項1または請求項2記載の成形
    条件の設定方法を、結晶性プラスチック成形品の圧縮成
    形に適用したことを特徴とする結晶性プラスチック成形
    品の成形方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項1または請求項2記載の成形
    条件の設定方法を、プラスチック成形品の設計・製造を
    支援するためのCAE(ComputerAided
    Engineering)に組み込んだことを特徴とす
    る結晶性プラスチック成形品の成形方法。
JP5396893A 1993-03-15 1993-03-15 結晶性プラスチック成形品における成形条件の設定方法および結晶性プラスチック成形品の成形方法 Pending JPH06262635A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5396893A JPH06262635A (ja) 1993-03-15 1993-03-15 結晶性プラスチック成形品における成形条件の設定方法および結晶性プラスチック成形品の成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5396893A JPH06262635A (ja) 1993-03-15 1993-03-15 結晶性プラスチック成形品における成形条件の設定方法および結晶性プラスチック成形品の成形方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06262635A true JPH06262635A (ja) 1994-09-20

Family

ID=12957467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5396893A Pending JPH06262635A (ja) 1993-03-15 1993-03-15 結晶性プラスチック成形品における成形条件の設定方法および結晶性プラスチック成形品の成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06262635A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103038037A (zh) * 2010-06-14 2013-04-10 宝理塑料株式会社 模具的制造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103038037A (zh) * 2010-06-14 2013-04-10 宝理塑料株式会社 模具的制造方法
CN103038037B (zh) * 2010-06-14 2015-07-22 宝理塑料株式会社 模具的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103240883B (zh) 基于多段温度控制的熔丝沉积成型3d打印喷头及温控方法
NL2010182C2 (nl) Inrichting en werkwijze voor rotatiegieten van kunststof.
CN102642286A (zh) 全电动超高速注塑成型pvt在线测控方法
WO2018191266A1 (en) Method and apparatus for determining extrudate flow in three-dimensional (3d) pringting
CN110871544B (zh) 一种科学注塑可视化技术
CN110494266A (zh) 注射模制部件排出准备状态的模内非时间依赖的确定
JP5839491B2 (ja) 射出成形機
CN106182653B (zh) 注射成型机
CN101544043B (zh) 注塑成型过程分析方法
TW587009B (en) Method for controlling an injection molding machine capable of reducing variations in weight of molded products
JPH01156032A (ja) 射出成形機の経時後の与圧変化制御方法および射出成形機
JP2639552B2 (ja) 半溶融金属射出成形装置
CN103889682B (zh) 注塑成型机中的热塑性树脂的温度控制方法
JPH06262635A (ja) 結晶性プラスチック成形品における成形条件の設定方法および結晶性プラスチック成形品の成形方法
CN207086908U (zh) 一种金属熔融挤出成型3d打印设备
CN103264492A (zh) 差动传动的微型注塑机的注射装置及方法
EP0202372B1 (en) Method and device for injection moulding thermoplastic materials
JPS634925A (ja) 射出成形品の良否判別モニタリング方法
JP5210543B2 (ja) 射出成形機
WO2020068066A1 (en) Method and apparatus for determining extrudate flow in three-dimensional (3d) printing
Hao et al. Extrusion behavior of chocolate for additive layer manufacturing
JP4648076B2 (ja) 射出成形機の制御装置
Eyercioğlu et al. Effect of different amounts of carbon fiber additive ABS on thermal distortion and cooling time
CN103358497A (zh) 注射成型机
JP3835853B2 (ja) 熱的非平衡状態における結晶性材料の物性予測方法