JPH0626130A - 吸音体 - Google Patents

吸音体

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JPH0626130A
JPH0626130A JP4140082A JP14008292A JPH0626130A JP H0626130 A JPH0626130 A JP H0626130A JP 4140082 A JP4140082 A JP 4140082A JP 14008292 A JP14008292 A JP 14008292A JP H0626130 A JPH0626130 A JP H0626130A
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acoustic
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恭司 藤原
Naoyuki Furuta
直行 古田
Shinta Yamamura
信太 山村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 室内の音響設計、屋外の騒音防止等に使用さ
れる箱形吸音体に関し、特に低周波数域において高い吸
音率を示し、且つ、箱の厚さの薄い吸音体を提供する。 【構成】 両端を開口した一定長さの筒状空間を多数形
成した上部ユニット31と、所定位置に穴及びパイプ1
8を多数設けた隔壁ユニット32と、上端を開口し下端
を端壁で閉じた一定長さの筒状空間を多数形成した下部
ユニット33とを積層して一体化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室内の音響設計、屋外
の騒音防止等に使用される吸音体に関し、特に低周波数
域において高い吸音率を示す吸音体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の吸音材料が使用されて
いるが、いずれも高周波数域において良好な吸音率を示
すものであり、315Hz以下という低周波数域におい
ては吸音率が極めて低下していた。従って、従来の吸音
材料をそのまま使用しても低周波数域の吸音にはあまり
効果がなかった。
【0003】そこで、本出願人は先に、一端が開口し、
他端が閉塞した長さの異なる筒状空間からなる音響管を
多数、その開口部が同一面となるように、且つその長さ
がランダムになるように、好適には平方余剰系列に従う
ように配列してなる吸音体を開発し、特許出願した(特
開平3−33897号)。この特許出願に提案の吸音体
の代表的なものは図12、図13に示す構造のものであ
る。即ち、全体を参照符号1で示す吸音体は、壁2で囲
まれ一端(図面では上端)が開口し、他端が閉塞した筒
状空間からなる音響管3を多数、開口部が同一面となる
ように二次元配列したものであり、開口端を並べた面が
吸音面となる。多数の音響管3は同一断面積のものであ
るが、その長さは異なっており、異なる長さのものがラ
ンダムに配列され、更に図13に示すように、長さの長
い音響管の一部は折曲して、長さの短い音響管の背後に
配置され、これによって吸音体の厚みJを小さくしてい
る。
【0004】ここで、異なる長さの音響管3をランダム
に配列する方法としては、音響管3の長さを、或る単位
長さhを基準とし、この単位長さの整数倍とし、かつそ
の配列を平方剰余系列に従って定めることが好ましく、
図12、図13の吸音体もこの平方剰余系列による配列
を採用している。以下、平方剰余系列を簡単に説明す
る。
【0005】pを素数、aをpと互いに素な整数とす
る。二次の合同方程式 x2 ≡a(mod p) が解をもつとき、aはpを法として平方剰余であるとい
う。
【0006】例として、素数p=7の場合の平方剰余系
列は次のようになる。 x2 ≡a(mod 7) x=0 → 02 ≡0 x=1 → 12 ≡1 x=2 → 22 ≡4 x=3 → 32 ≡2 ( 9=1×7+) x=4 → 42 ≡2 (16=2×7+) x=5 → 52 ≡4 (25=3×7+) x=6 → 62 ≡1 (36=5×7+
【0007】以上から、素数p=7の場合の平方剰余系
列は、一次元で、0、1、4、2、2、4、1、0、
1、4、2、2、4、1、──となる。二次元では表1
に示す7×7のマトリックスの繰り返しとなる。ここ
で、横の第1行及び縦の第1列(左端の列)は上記一次
元配列の数値であり、その他の部分は、対応する第1行
と第1列の数値の和(7より小さい場合)又はその和
(7より大きい場合)から7の倍数を引いた数値とな
る。
【0008】
【表1】
【0009】図12に示す吸音体1における音響管3の
深さは、上記の平方剰余系列の二次元配列によって定め
られており、図13において音響管3の開口部に記載し
た数値は、表1の数値である。この数値は音響管の深さ
の比を示すもので、例えば、図13において、数値
“2”で示す深さは2h、数値“3”で示す深さは3
h、数値“6”で示す深さは6hである。具体的な数値
例としては、例えば、音響管3の断面が70×70m
m、h=70mmを挙げることができる。
【0010】この吸音体1は、多数の音響管3の開口部
を配列した面が吸音面として作用し、その吸音面に入射
した音波、特に低周波数域の音波を吸音でき、低周波数
域の音波の吸音体として極めて有効である。これは、吸
音体の吸音面に入射して反射する音波の位相が、反射位
置の音響管3の深さによって変化し、そのため位相の異
なる音波同士が干渉することとなり、この干渉によって
吸音効果を生じるものと考えられる。
【0011】しかしながら、この吸音体1は厚さが厚
く、例えば上記したh=70mmの例では厚さJが約2
8cmもあり、また、内部の空間が非常に複雑で製作が
容易ではないという問題点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点に鑑みて為されたもので、上記開発の吸音体よりも吸
音体の厚さを薄くでき、製作が容易であり、しかも低周
波数域での吸音特性を更に向上させた吸音体を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決すべく鋭意検討の結果、一端が開口した筒状空間か
らなる音響管の終端に、隔壁とその背後の密閉空間と隔
壁に取付けた単一のパイプとからなる単一共鳴器(密閉
空間に対する開口が単一である共鳴器)を取付けること
により、全体の長さを短くしながら、共鳴器を有してい
ない長い音響管と同等の共鳴周波数を得ることができ、
しかも、その単一共鳴器のパイプの長さを調整すること
で容易に共鳴周波数を変えることができることを見いだ
し、従来の共鳴器を有していない長い音響管に代えて、
共鳴器を備えた短い音響管を用いることにより、上記開
発の吸音体よりも全体の厚さを薄くした吸音体を構成し
うることに着目し、本発明を完成した。
【0014】すなわち、本発明は、二次元配列された多
数の音響管を有し、前記多数の音響管のうち、一部の音
響管が、一端が開口し他端が閉鎖した筒状空間からなる
共鳴器無し音響管であり、他の音響管が、一端が開口し
他端が共鳴器により終端された筒状空間からなる共鳴器
付音響管であり、その共鳴器付音響管に使用している共
鳴器のうち、一部の共鳴器は、隔壁とその隔壁の背後の
密閉空間と前記隔壁を貫通して設けられた単一のパイプ
とを有する単一共鳴器であることを特徴とする吸音体を
要旨とする。
【0015】以下、本発明を、図面の実施例を参照して
更に詳細に説明する。図2は本発明の一実施例による吸
音体11を吸音面側から見た概略平面図、図1(a)、
(b)はそれぞれ図2の吸音体11のA−A矢視断面
図、B−B矢視断面図である。この実施例に見られるよ
うに、吸音体11は、異なる形式の音響管12A、12
B、12Cを多数、二次元配列したものである。ここ
で、音響管12Aは、板材13によって囲まれ、一端が
開口し他端が閉鎖した筒状空間14Aからなる共鳴器無
し音響管であり、図13に示す従来と同一構成のもので
ある。音響管12Bは、図5、図6に示すように、板材
13によって囲まれ、一端が開口し他端が共鳴器15B
により終端された筒状空間14Bからなる共鳴器付音響
管である。ここで使用される共鳴器15Bは、隔壁16
と、その背後の密閉空間17と、隔壁16を貫通して設
けられた単一のパイプ18とを有する単一共鳴器であ
る。音響管12Cは、図7に示すように、板材13によ
って囲まれ、一端が開口し他端が共鳴器15Cにより終
端された筒状空間14Cからなる共鳴器付音響管であ
る。ここで使用される共鳴器15Cは、単一の穴19を
有する隔壁16と、その背後の密閉空間17からなる単
一共鳴器であり、図5に示す単一共鳴器15Bのパイプ
18の長さを隔壁16の厚さに等しくしたものと等価で
ある。
【0016】このような単一共鳴器15B、15Cを備
えた音響管12B、12Cは、図8に示す一端を開口
し、他端を閉じた筒状空間からなる音響管3に対して、
全長を短くしながら、等価な特性を発揮しうるものであ
る。以下、その点を説明する。
【0017】図3に示すような長さLl の共鳴器無し音
響管3の開口部4から見た音響インピーダンスZm
は、 Zm ′=jρc・cot(kLl )──(1) で与えられる。また、図5、図6に示す共鳴器付音響管
12Bの終端に位置する単一共鳴器15Bの共鳴器入口
から見た音響インピーダンスZ1 は、 Z1 =−j〔ωm/p+ρc{γcot(kL)−co
t(γkL)}〕──(2) で与えられる。
【0018】ここで、m=ρ(T+δ)、 γ=ω/ω0 、 k0 =ω0 /c、 δ=1.70r(1−0.43r/a)、 r= (S/π)、 a= (Ss )、 p=S/Ss であり、Lは共鳴器の長さ、Ss は音響管の断面積、S
は共鳴器のパイプ18の断面積、kは波数、Tは共鳴器
のパイプ18の長さ、cは音速、そしてω0 は、(T+
δ)/(pL)=cot(k0 L)/k0 Lの根であ
る。
【0019】終端インピーダンスがZ1 の音響管のイン
ピーダンス、すなわち、長さDの音響管の終端に単一共
鳴器15Bが取付けられている音響管の開口部20から
内部を見た音響インピーダンスZm は、 Zm =ρc{Z1 cos(kD)−jρc・sin(kD)}/{−jZ1 s in(kD)+ρc・cos(kD)}──(3)
【0020】ここで、Zm ′とZm の極小となる周波数
即ち第一共鳴周波数が同じになるように、T、Sを調整
してやれば、長い共鳴器無し音響管と同等の特性を持つ
短い共鳴器付音響管12Bを得ることができる。例え
ば、図13に示す従来の音響管3のうち、長さが6h
(例えば、42cm)の音響管と同等の特性を、長さが
約2h(例えば、14cm程度)の共鳴器付音響管12
Bで得ることができる。
【0021】共鳴器付音響管12Cも、共鳴器付音響管
12Bと同じ式により、音響インピーダンスZm を求め
ることができる。ただし、この場合にはパイプ長Tに代
えて、隔壁の厚さT′を用いる。この場合にも、T′、
Sを調整することにより、長い共鳴器無し音響管と同等
の特性を持つ短い共鳴器付音響管12Cを得ることがで
きる。
【0022】本発明の吸音体は、先に開発した吸音体、
即ち長さの異なる共鳴器無し音響管を多数、ランダムに
配列してなる吸音体において、長さの短い共鳴器無し音
響管はそのまま用いるが、長さの長い共鳴器無し音響管
のところではそれに代えてそれと同じ第一共鳴周波数を
持った短い共鳴器付音響管12Bを用いることを特徴と
するものである。また、その際、比較的短い共鳴器無し
音響管に代えて、共鳴器付音響管12Cを併用すること
も可能である。これにより、吸音体を構成する音響管の
長さを短くでき、全体を薄くすることが可能となる。
【0023】本発明の好適な形態においては、図12、
図13に示すように、多数の共鳴器無し音響管をその長
さが、平方余剰系列の二次元配列になるようにした吸音
体において、その長さの長い(例えば長さが3以上の)
音響管に代えて、同一特性の短い共鳴器付音響管を用い
る。
【0024】
【作用】上記構成の吸音体は、多数の音響管の開口部側
の面が吸音面として作用し、その吸音面に入射した音
波、特に低周波数域の音波が吸音される。これは、吸音
体の吸音面に入射して反射する音波の位相が、反射位置
の音響管の音響インピーダンスに応じて変化し、そのた
め位相の異なる音波同士が干渉することとなり、この干
渉によって吸音効果を生じるものと考えられる。しか
も、実験したところ、従来の共鳴器無しの音響管のみで
構成したものに比べ、低周波数での吸音特性が優れてい
た。
【0025】本発明の吸音体は、基本的には音響管を構
成する板材、端壁、隔壁等の材料自体の吸音効果を利用
するものではないので、上記の音響管を形成する材料に
は、音波の内部損失のない鋼板のような剛性の高い金属
材料を用いることができ、この場合は、耐候性、衛生上
の問題がなく、屋外への設置、或いは病院、食品工場へ
の使用が可能である。しかし、この構成材料は、剛体に
限定されるものではない。
【0026】前記の吸音体は、吸音面に多数の音響管が
開口した構成であるので、音響管内にごみ、ほこり等が
侵入しやすく、且つ清掃が難しい。そこで、その吸音面
(音響管の開口部)をステンレス箔、アルミ箔等の金属
製薄膜或いはプラスチックシート等の薄膜で被覆しても
よい。このような薄膜の被覆を施しても低周波数域での
吸音効果はあまり影響を受けることがないことが確認さ
れた。薄膜被覆を施した吸音体は、清掃が容易で衛生的
であるので、病院の手術室、食品工場等の騒音防止に特
に好適である。
【0027】更に、吸音体の吸音面を被覆する薄膜に換
えて、グラスウール板、ロックウール板、焼結金属板、
金属繊維板等の吸音材を配置することも可能である。こ
の吸音材を設けない吸音体では、周波数によって吸音率
が変動する傾向があるが、吸音材を設けると、周波数に
よる吸音率の変動を防止でき、好ましい。この吸音材
は、そのままで配置してもよいが、その外周をPVF
(ポリフッ化ビニールフィルム)等のプラスチックフィ
ルムで被覆して用いると、取り扱い、清掃が容易となる
ので好ましい。
【0028】
【実施例】図1、図2に示す実施例による吸音体11
は、前記したように、3種類の音響管12A、12B、
12Cを二次元配列したものであり、しかも、全部の音
響管が同じ長さとなるように配列されている。なお、図
2において、左上の角部の符号22で示す部分は、深さ
0のもの、すなわち、先端に隔壁を設けたもので、音響
管を構成していない。
【0029】この構造の吸音体11は、図3、図4に示
すように、両端を開口した一定長さの筒状空間を多数形
成した上部ユニット31と、所定位置に穴及びパイプ1
8を多数設けた隔壁ユニット32と、上端を開口し下端
を端壁で閉じた一定長さの筒状空間を多数形成した下部
ユニット33を積層することにより、容易に製造でき
る。吸音体11を構成する板材13、端壁、隔壁16等
の材料としては、鋼板、アルミ等の金属材、プラスチッ
ク材等を使用できる。
【0030】次に本実施例の吸音体11の各部寸法及び
音響管の配列を説明する。この実施例の吸音体11は、
音響管12A、12B、12Cを、図12、図13に示
すように、共鳴器無し音響管3をその長さが平方余剰系
列に従うように配列した吸音体1と同じ特性を持つよう
に製作したものである。表2は、素数7に対する平方余
剰系列に従う長さを持つ吸音体の各音響管の長さ(深
さ)を示すものであり、表中の数値は音響管の長さに比
例した値を示している。単位深さをここでは7cmとす
る。
【0031】
【表2】
【0032】図1、図2に示す吸音体11は、上記表2
の構造の吸音体を、深さ2よりも少し長い構造体(上段
の長さを6.7cm、下段の長さを12.7cm)で実
現したものである。表2の長さ1の共鳴器無し音響管の
位置には、本実施例においても、共鳴器無し音響管12
Aを採用している。なお、長さが若干異なるが、特に支
障はない。
【0033】表2の長さ2、3の共鳴器無し音響管の位
置には、本実施例においては、共鳴器付音響管12Cを
採用している。ここで、長さ2、3とそれぞれ同じ音響
インピーダンスを得るため、隔壁16に形成している穴
19の直径を異ならせている。表2の長さ4、5、6の
共鳴器無し音響管の位置には、本実施例においては、共
鳴器付音響管12Bを採用している。ここで、長さ4、
5、6とそれぞれ同じ音響インピーダンスを得るため、
隔壁16に取り付けているパイプ18の長さを異なら
せ、その内径は一定としている。
【0034】表2に示す共鳴器無し音響管の長さと、そ
れに対応する共鳴器付音響管12B、12Cとの関係を
示すと表3の通りである。なお、図5、図7において、
共鳴器付音響管12B、12Cの筒状空間13の長さD
=6.7cm、隔壁16の厚さT′=1cm、共鳴器1
5の長さL=12.7cmである。
【0035】
【表3】
【0036】図1、図2に示す実施例の吸音体11は、
表2、表3に基づいて、多数の音響管12A、12B、
12Cを二次元配列したものである。従って全体の厚さ
は約20cmである。
【0037】この吸音体11は、多数を並べることによ
って、防音壁を形成するように使用される。その際、吸
音体11の吸音面(各音響管の開口部)はそのままの状
態(開口した状態のまま)としてもよいし、或いは吸音
面にステンレス、アルミ等の金属製薄膜、プラスチック
シート等の薄膜を配置し、音響管の開口を覆って使用す
ることも可能である。このように薄膜を配置することに
より、清掃が容易となる。
【0038】また、吸音体の吸音面を、多孔質板等の吸
音材で覆って使用することも可能である。ここで使用す
る吸音材としては、グラスウール板、ロックウール板、
焼結金属板、金属繊維板等をそのまま、或いはプラスチ
ックフィルムで覆って使用することができる。また、そ
の他に、ハードボード、石こうボード、合板等からなる
穴あき板材料を使用してもよい。
【0039】次に、上記構造の吸音体11による吸音テ
ストを行った結果を示す。図1〜図4に示す構造の吸音
体11を、プラスチック板(アクリル板)で製作し、実
施例1とした。また、同じ吸音体11の吸音面に、図9
に示すように、吸音材として、アルミフェルト35(厚
さ1.6mm)を取り付け、実施例2とした。更に、同
じ吸音体11の吸音面に、図10に示すように、吸音材
として、アルミフェルト35(厚さ1.6mm)と、グ
ラスウール36(厚さ50mm、密度32kg/m3
を取り付け、実施例3とした。これらの吸音体につい
て、JIS−A1405に従って垂直入射吸音率を測定
した結果を図11に示す。
【0040】図11より良く判るように、実施例1〜3
のいずれの吸音体も、低周波数域でも良好な吸音率を示
している。このうち、吸音面に吸音材を有していない実
施例1による吸音材では、吸音率が周波数によって大き
く変動している。これは共振周波数域があるためと考え
られる。しかしながら、この吸音体に対して、その表面
に吸音材を付与することにより(実施例2、実施例
3)、低周波数から高周波数に渡ってフラットな吸音特
性を持つ吸音体を実現できた。このようなフラットな吸
音特性は、吸音壁の設計を容易とするので好ましい。ま
た、実施例3の垂直入射吸音率からパリスの式により統
計吸音率(ランダム入射吸音率に近似)を求めたとこ
ろ、図11に示したように、63Hz〜500Hzまで
約75%前後の値を示しており、従って、周辺効果の現
れる残響室法吸音率では、90〜100%が期待でき
る。
【0041】なお、以上に説明した実施例では、吸音体
に形成する音響管として、断面が正方形のものを示して
いるが、この断面は正方形に限らず、長方形、三角形、
円形等任意である。また、音響管の長さや、共鳴器に用
いるパイプ18や穴19の内径、長さ等の寸法も上記実
施例はその1例を示したに過ぎず、適宜変更可能であ
る。更に、上記実施例では、図1から良く分かるよう
に、多数の音響管12A、12B、12Cの全体として
の長さが等しく、且つ開口部が同一面となるように配置
され、しかも隔壁が同じ高さ位置に形成されている。こ
の構成は製造を容易とする利点があるが、本発明はこの
構成に限らず、音響管の全体の長さを多少異ならせても
よいし、また各音響管の先端の開口部を上下にずらせて
配列してもよい。
【0042】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の吸音体
は、音響管の終端に共鳴器を配置することにより、音響
管の長さを短くしながら低周波数域での良好な吸音効果
を得ることができ、特に、共鳴器として隔壁にその厚さ
よりも長い長さの単一のパイプを取付けた単一共鳴器を
用いたことにより、共鳴器無し音響管のみからなる吸音
体よりも、低周波数域での吸音効果が高いという効果を
有している。また、材料的にも、プラスチック材料が使
用できるので、製作が容易で軽量化を図ることが可能で
あり、また、鋼板、アルミ板等の金属材料等を使用する
ことも可能であり、その場合には耐候性に優れた吸音体
を提供できる。更に、吸音体表面に吸音材を組み合わせ
ることにより、広い周波数範囲で良好な吸音率を発揮で
きる。このように、本発明の吸音体は、屋内、屋外の低
周波数域の吸音構造に極めて有効に使用できるという効
果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は図2に示す吸音体のA−A矢視断面図 (b)は図2に示す吸音体のB−B矢視断面図
【図2】本発明の一実施例による吸音体を吸音面側から
見た概略平面図
【図3】その吸音体の概略斜視図
【図4】その吸音体の分解斜視図
【図5】上記実施例の吸音体に用いる共鳴器付音響管1
2Bを示す概略断面図
【図6】その正面図
【図7】上記実施例の吸音体に用いる共鳴器付音響管1
2Cを示す概略断面図
【図8】共鳴器無し音響管の概略断面図
【図9】本発明の他の実施例による吸音体を示す概略断
面図
【図10】本発明の更に他の実施例による吸音体を示す
概略断面図
【図11】上記実施例の吸音体の垂直入射吸音率の測定
結果及び統計吸音率(計算値)を示すグラフ
【図12】先に開発して特許出願した吸音体を示す概略
斜視図
【図13】図12に示す吸音体のC−C矢視断面図
【符号の説明】
11 吸音体 12A 共鳴器無し音響管 12B、12C 共鳴器付音響管 13 板材 14A、14B、14C 筒状空間 15B、15C 共鳴器(単一共鳴器) 16 隔壁 17 密閉空間 18 パイプ 19 穴 20 開口部 31 上部ユニット 32 隔壁ユニット 33 下部ユニット 35 アルミフェルト 36 グラスウール

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二次元配列された多数の音響管を有し、
    前記多数の音響管のうち、一部の音響管が、一端が開口
    し他端が閉鎖した筒状空間からなる共鳴器無し音響管で
    あり、他の音響管が、一端が開口し他端が共鳴器により
    終端された筒状空間からなる共鳴器付音響管であり、そ
    の共鳴器付音響管に使用している共鳴器のうち、一部の
    共鳴器は、隔壁とその隔壁の背後の密閉空間と前記隔壁
    を貫通して設けられた単一のパイプを有する単一共鳴器
    であることを特徴とする吸音体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の吸音体において、前記多
    数の音響管をその第一共鳴周波数が、多数の共鳴器無し
    音響管をその長さが平方余剰系列に従うように配列した
    吸音体における対応する音響管の第一共鳴周波数に一致
    するように配列したことを特徴とする吸音体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の吸音体において、
    前記多数の音響管の先端に、吸音材を設けたことを特徴
    とする吸音体。
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