JPH06259445A - 物体の地理的位置を管理するシステムの端末装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 広域に散在する物体の移動状況を管理するシ
ステムおよびその端末装置を提供する。 【構成】 広域に散在することになる物体に、あらかじ
めバーコード・ラベルを装着しておく。バーコード・リ
ーダー、ＧＰＳ受信機およびボードコンピュータより成
る端末装置（バーコード・ポジショナ）のバーコード・
リーダーにより、被管理物体の識別コードを読み取り、
ＧＰＳ受信機により当該物体の地理的位置を測定し、ボ
ードコンピュータのカレンダ時計により、前記測定の時
を年月日時刻で検出し、これらの情報を１つのデータに
まとめて、ボードコンピュータのメモリに格納し、必要
に応じて通信回線を通して、他のコンピュータにデータ
を転送する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、広域に散在する可動
の物体（例えばコンテナやレンタカーなど）の識別記号
をバーコード・リーダーで読み込み、それと同期して読
み込み時の年月日時刻と前記物体の地理的所在位置を端
末装置内のメモリに自動的に格納し、当該端末装置を汎
用コンピュータの通信端子に直接、または電話回線を通
して接続することによって、前記データを汎用コンピュ
ータに伝送し、前記汎用コンピュータは、必要に応じて
ネットワーク通信回線を通して他のコンピュータに前記
データを転送し、広域に散在する物体の地理的所在の情
報をコンピュータ間で通信することによって、散在して
いる可動物体の管理を行うシステム及び当該システムに
おける端末装置に関するものである。

【０００２】より詳細に述べるならば、この発明はバー
コード・リーダー、ＧＰＳ受信機及びボードコンピュー
タより構成される端末装置であって、前記バーコード・
リーダーにより物体に装着されているバーコード・ラベ
ルにおけるバーコードで示される識別記号を読み取り、
前記ＧＰＳ受信機により当該物体の地理的所在位置を検
出し、前記ボードコンピュータのカレンダ時計にて、当
該検出時の年月日時刻を特定し、前記物体の識別記号、
所在位置及び位置検出の年月日時刻を前記ボードコンピ
ュータのメモリに自動的に格納し、以上のことを必要に
応じて複数の物体について繰り返した後、格納したデー
タを通信回線を通して、汎用コンピュータにデータを転
送するための可搬型のコンピュータ用端末装置及びこれ
を端末装置とするシステムに関するものである。

【０００３】

【従来の技術】広域に散在する可動の物体、例えば貨物
輸送用のコンテナは輸送目的に応じて、その地理的所在
位置が変わり、サービスに提供された後発送地に必ずし
も返却されるとは限らない。従来、どこに所在するコン
テナを選び、どこに発送し、どの管理場所に返却する
か、保管簿を目で確認し、コンピュータ端末に手入力
し、他の管理場所に電話連絡するなど極めて手間がかか
る効率の悪い方法がとられている。特に、従来常時移動
する物体の正確な地理的所在位置をデータ化してコンピ
ュータ間でネットワーク通信を行い情報を交換する方法
が、技術的に困難であったため行われていない。従来
は、地理的所在位置を人為的に細分する方法（例えば、
千代田区を郵便番号１０１でコード化する方法）がとら
れているところ、地域を細分するのに比例してコード化
が複雑になり、詳細な地理的所在位置をコンピュータで
処理できるようにデータ化することが実質不可能になっ
ている。その結果、常時移動し広域に散在するコンテナ
やレンタカーなどの物体の地理的所在位置をコンピュー
タ・ネットワークを通して中央管理事務所で把握し統括
管理することができず、物体の所在管理は地区の管理事
務所にまかされたままになっている。特に、コンテナや
レンタカーの場合その所在管理が統合的に行われていな
いため、紛失が問題になっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする問題】前記のような従来技術
における不都合を解決し、移動する物体の所在管理を統
合的にコンピュータで行うためには、物体の地理的所在
位置を、その物体の識別番号と所在確認時の年月日時刻
と相関させてコンピュータで処理できるようにデータ化
することが必要である。又、地理的所在位置を示すデー
タは、データ量をできるだけ小さくし、位置の測定精度
を高く、かつ地上、海上を含めて全地球的に利用できね
ばならない。しかして、前記地理的所在位置を示すデー
タは、全ての国が共通の尺度を持つ数値データでなけれ
ばならない。前記のデータ化は小形で可搬型の端末装置
で全て自動的に行い、基本的に人が手入力することを排
除せねばならない。この物体の識別記号と地理的所在位
置と所在確認時の年月日時刻を含むデータは、当該端末
装置のメモリに逐次格納するが、できるだけ多くの物体
のデータを長時間格納できるメモリ容量が必要である。
当該端末装置は開放型で任意の汎用コンピュータの通信
端子または電話回線を通して接続しデータ転送ができ、
前記汎用コンピュータのネットワーク通信回線を通し
て、前記データを他のコンピュータに転送でき、このよ
うにして中央管理事務所の主コンピュータは、端末の管
理事務所のコンピュータからのデータを集めて広域に散
在する物体の所在位置を統合管理することができねばな
らない。

【０００５】この発明は、上記の問題を解決するため、
バーコード・リーダー、ＧＰＳ受信機及びボードコンピ
ュータより成る端末装置（以下「バーコード・ポジショ
ナ」と呼ぶ。）を利用する移動物体管理システム及び前
記端末装置としてのバーコード・ポジショナを提供する
ことを目的とする。

【０００６】

【問題を解決するための手段】この発明におけるバーコ
ード・ポジショナは、バーコード・リーダー、ＧＰＳ受
信機及びボードコンピュータより成る。各物体にその識
別番号を示すバーコード・ラベルを装着し、前記バーコ
ード・ポジショナを端末装置とし、これを汎用コンピュ
ータの通信回線に接続することにより、この発明の物体
の所在管理システムを構築することができる。

【０００７】

【実施例】本発明のバーコード・ポジショナは、バーコ
ード・リーダー、ＧＰＳ受信機及びボードコンピュータ
より成り、その機能ブロック図の１例は、図１に示すと
おりである。バーコード・リーダーは、物体に装着され
たバーコード・ラベルに記入されている物体の識別記号
を読み取り、ボードコンピュータに入力させる装置であ
る。図２に示すとおり、スキャナ部、プロセッサ部及び
通信インターフェイス部より成る。種々の型のものが市
販されており、本発明のバーコード・ポジショナの製作
には市販のものを適宜選択して使用することができる。

【０００８】前記市販品は、図２に示すとおり、表示器
及び手入力キーを併わせて備えているのが一般である。
表示器はバーコードから読み取る情報を表示するもの
で、バーコード内容の目視に利用される。バーコードが
汚れていて、バーコード・スキャナを通して読み取りで
きない場合には、前記手入力キーを以って、バーコード
内容を入力する。バーコードの入力は、当該物体のバー
コード・ラベルに数値、文字表示にて添記されている識
別記号によりなされる。その際、表示器は入力データを
表示し、誤りがあれば入力訂正を可能にする。

【０００９】ＧＰＳ受信機は、グローバル・ポジショニ
ング・システム（以下「ＧＰＳ」）における受信装置で
ある。現在稼働しているＧＰＳは、地球上約２万kmの６
個の軌道上に、合計２５個程の人工衛星を配置し、その
うち少なくとも４個の衛星からの正確な時刻信号を受信
することによって、地球上のいずれの位置においても３
次元の高精度な位置を求めることができるように設計さ
れているものに基づく。ＧＰＳ受信機には高精度な電子
時計が搭載されており、原理的には４個の衛星に搭載さ
れている高精度な原子時計の時刻を受信して、各衛星の
時刻のオフセットを計算することにより、受信機の位置
を地球の緯度及び経度で求めることができる。

【００１０】図３は、現在計画されているＧＰＳ衛星配
置図を示す。（「ＧＰＳ −人工衛星による精密測位シ
ステム−」 194頁〔編著・日本測地学会、日本測量協会
出版〕より引用）。ＧＰＳのシステム及びＧＰＳ受信機
の原理及び構成は、例えば前記文献に記載されている。
ＧＰＳのシステムの利用は、一般に開放されている。Ｇ
ＰＳ受信機は、各種市販されており、これを適宜選択し
て本発明のバーコード・ポジショナを製作するのに使用
することができる。

【００１１】図４は、ＧＰＳ受信機の機能ブロック図の
１例を示す。市販のＧＰＳ受信機は、アンテナ及び表示
器を備えているのが一般的である。表示器は、ＧＰＳ受
信機が算出した緯度及び経度を表示する。ＧＰＳ受信機
が算出する緯度及び経度は、地理学で定められた万国共
通の数値データとして利用されており、それぞれ秒単位
（１度の 3,600分の１）まで計測し、表示することがで
きる。秒により表示される長さは、約３０ｍである。例
えば７バイトで表わせるこの短い数値データは、万国で
使用される地図または海図の緯度および経度に対応し、
必要に応じ前記地図または海図上で約３０ｍの精度で位
置の確定ができる。この地球上の位置を示す数値データ
は、ＧＰＳ受信機の平常稼働時、一秒に一回の割合で算
出される。前記数値データは、後述するように、他のデ
ータを付加した１つのデータとして当該端末装置のメモ
リ内に格納され、このデータは端末装置から汎用コンピ
ュータへまたはコンピュータ間のデータ通信を通して非
常に短い時間で転送することができる。

【００１２】ボードコンピュータは、電池バックアップ
・メモリ、カレンダ時計及び通信回線を備えたものを利
用する。比較的小型のものを使用するのが便利であり、
図４は、その１例を示す機能ブロック図である。本発明
のバーコード・ポジショナの製作には、市販のボードコ
ンピュータを、適宜選択して使用することもできる。

【００１３】

【作用】本発明のバーコード・ポジショナは、以上のモ
ジュールを一体化し、できるだけ小型に携帯用としてま
とめ、電池で稼働するのが便利である。１個の電池によ
りバーコード・スキャナ、ＧＰＳ受信機およびボードコ
ンピュータのすべてを稼動させることも可能である。

【００１４】管理形態の１例を示せば、本発明のバーコ
ード・ポジショナは、前記のように携帯用になってお
り、全領域を区分した地区管理事務所に１台または所望
の台数備えられる。管理区域の広さに応じて、バーコー
ド・ポジショナの台数を増すことが便利な場合がある。
前記地区管理事務所の操作員がこれを携帯して、管理区
域内に置かれている物体の場所におもむき、前記物体に
装着されているバーコード・ラベルにスキャナを当てて
その物体の識別番号を読み取れば、バーコードの識別記
号はボードコンピュータのメモリに自動的に読み込まれ
る。他方ＧＰＳ受信機は、毎秒１回の割合で自己の地理
上の位置を算出して、その位置情報のデータをボードコ
ンピュータに出力する。ボードコンピュータは、バーコ
ード・リーダーから、物体の識別記号が入力された時点
で、その直後のＧＰＳ受信機の地理的位置情報、データ
を読み込み、同時に前記ボードコンピュータに搭載され
ているカレンダ時計の出力データである年月日時刻を、
前記物体の識別記号に付加して一つのまとまったデータ
として、メモリに格納する。以上の操作は、バーコード
・スキャナをバーコード・ラベルに当てるだけで、全自
動的に行われる。前記一つのまとまったデータが正しく
メモリに格納されたかを、ボードコンピュータが判断
し、ビープ音を発生して操作員に知らせる方式にするの
が便利である。

【００１５】以上の操作は、各物体ごとに行われ、物体
ごとのデータは順次メモリに格納されて行く。できるだ
け多くのデータを長時間格納できるメモリ領域を持つ方
が便利である。

【００１６】バーコード・ポジショナは、当該地区管理
事務所の汎用コンピュータの通信用コネクタに接続す
る。物体所在現場と前記管理事務所間の距離が遠い場合
などは電話回線を通すことによって、各端末装置に集め
たデータを管理事務所の汎用コンピュータに転送するこ
とができる。前記汎用コンピュータは物体の所在管理フ
ァイルとして格納できる。以上のようにして集められた
管理地区毎の物体の位置情報に関するデータは、必要に
応じて中央管理事務所の主コンピュータにネットワーク
通信を通して転送でき、前記主コンピュータは、管轄下
の地区管理事務所の全てのデータを集めて、全領域の物
体の位置情報を正確に把握することができる。中央管理
事務所は、これらのデータを使って、管轄下の全ての物
体の所在管理を行うことができる。例えば、荷卸し後の
コンテナの所在や個数を把握し、具体的なコンテナ需要
に応じ、それが所在している地区管理事務所にサービス
提供の指示を出すことができる。

【００１７】サービスに提供されるコンテナは、必要な
書類等の作成作業と連動して、中央コンピュータ及び地
区管理事務所のコンピュータの所在管理ファイルからサ
ービスファイルに自動的に移される。サービスに提供さ
れたコンテナは、サービスが終了したら、前記中央コン
ピュータから指示された返却場所である地区管理事務所
に返却し、そこで、そのコンテナは当該バーコード・ポ
ジショナまたはコンピュータ端末入力により、そこの所
在管理ファイルに登録され、同時に前記中央コンピュー
タに返却されたことを報告する。そこで中央コンピュー
タは、返却されたコンテナを自己の所在管理ファイルに
登録する。このようにすれば、一定の期間サービスに提
供されたコンテナの中、所在管理ファイルに移されない
コンテナを検出でき、コンテナの紛失を防止することが
できる。

【００１８】以上がコンテナの場合の管理形態の一例を
示したものである。この発明はコンテナの管理のほか、
レンタカーやコンテナによりまたはよらずに運送される
貨物の管理等にも有効である。

【００１９】

【効果】この発明のバーコード・ポジショナによれば、
物、地理的位置および年月日時刻が、コンピュータに自
動的に入力されるので、操作効率が高く、かつ、操作が
正確である。地理的位置が緯度、経度の数値で統一され
るので、そのままコンピュータ・コードとして利用でき
る。地理的位置の精度を、地球上の大部分において、約
３０ｍまで高めることができ、高精度である。例えば、
７バイトで示すことができる緯度、経度の地理的位置デ
ータは、どのコンピュータ間でも共通のパラメータとし
て、高速通信交換できる。かくして、コンピュータ間の
ネットワーク通信が自由に可能となる。管理システムを
地球規模まで拡大することができる。緯度、経度から文
字列による地理的位置表記への変換のためのデータベー
スを、容易に作成することができる等の効果を得ること
ができる。この発明のバーコード・ポジショナを用いる
システムは、被管理物体にはバーコード・ラベルを装着
するだけで足りる。バーコード・ラベルは極めて安価で
あるので、比較的低い価格にて管理システムを構築する
ことが可能である。更にメンテナンスが極めて容易であ
り、故障は少なく、システムの維持のコストを押さえる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】バーコード・ポジショナの機能ブロック図であ
る。

【図２】バーコード・リーダーの機能ブロック図であ
る。

【図３】ＧＰＳ衛星の配置図を示す説明図である。

【図４】ＧＰＳ受信機の機能ブロック図である。

【図５】ボードコンピュータ機能ブロック図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バーコード・リーダー、ＧＰＳ受信機及
   びボードコンピュータより成る可動の物体の地理的所在
   位置を特定する装置であって、前記バーコード・リーダ
   ーにより、当該物体に装着されているバーコード・ラベ
   ルにおける物体の識別記号のバーコードを読み取り、前
   記ＧＰＳ受信機により当該物体の前記バーコード読み取
   り時の地理的位置を検出し、前記ボードコンピュータの
   カレンダ時計にて、当該検出した年月日時刻を特定し、
   前記物体の識別記号、地理的位置及び位置検出の年月日
   時刻を前記ボードコンピュータのメモリに格納し、通信
   回線を通して他のコンピュータにデータを伝送する可搬
   型のコンピュータ用端末装置。