JPH06252482A - 波長可変モード同期レーザ装置 - Google Patents

波長可変モード同期レーザ装置

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JPH06252482A
JPH06252482A JP5040195A JP4019593A JPH06252482A JP H06252482 A JPH06252482 A JP H06252482A JP 5040195 A JP5040195 A JP 5040195A JP 4019593 A JP4019593 A JP 4019593A JP H06252482 A JPH06252482 A JP H06252482A
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Hidehiko Takara
秀彦 高良
Satoki Kawanishi
悟基 川西
Masatoshi Saruwatari
正俊 猿渡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 波長可変モード同期レーザ装置において、繰
り返し周波数を変化させることなく、発振波長を変化さ
せることができるようにする。 【構成】 リング形共振器あるいはファブリペロ形共振
器をもつ波長可変モード同期レーザ装置の共振器の光路
長を変化させる光遅延手段108を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信および光計測等
に使用される波長可変モード同期のパルスレーザ装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】モード同期レーザ装置は、フェムト秒領
域の超短光パルス発生や、トランスフォームリミットな
光パルス(時間バンド幅が最小となる光パルス)発生が
可能である等の利点がある。特に波長可変性を有するモ
ード同期レーザ装置は、大容量、長距離光通信や高速光
計測等の応用に有望であり、これまで活発に研究開発が
進められている。
【0003】図9は従来の波長可変モード同期レーザ装
置の構成の一例を示すものである(参考文献 R.P. Dav
ey et al. :"High-speed mode-locked,tunable,integra
tedErbium fiber laser", Electron.Lett.,1992,28,pp.
482-484)。
【0004】この波長可変モード同期レーザ装置は、光
の損失あるいは位相を所定の周波数で変調する光変調手
段101 、この光変調手段101 で変調された光パルスを増
幅する光増幅手段102 、光パルスの進行方向を規定し反
射戻り光を遮断する光アイソレータ103 、増幅された光
パルスを外部に取り出すための光分岐手段104 、透過波
長を光増幅手段102 の利得スペクトル幅内で変化させる
波長可変手段107 、これらの各デバイスを光学的に結合
する光結合手段105 で構成され、リング型のモード同期
レーザ装置を構成する。なお、図10で符号106 は光変調
手段101 の駆動電源を示す。
【0005】ここで、光変調手段101 としては、 LiNbO
3 等の電気光学効果を利用した変調器や半導体を用いた
半導体レーザ増幅器や電界吸収型変調器等が用いられ
る。また、光増幅器102 としては、主にエルビウム(E
r)やネオジウム(Nd)等の希土類を添加した希土類ド
ープ光ファイバ増幅器や半導体レーザ増幅器が主として
用いられる。
【0006】図11は、希土類ドープ光ファイバ増幅器を
示すもので、(a)は、後方励起型、(b)は前方励起
型、(c)は双方向励起型の場合を示す。ここで、符号
801は希土類ドープ光ファイバを示し、符号802 は、希
土類ドープ光ファイバ801 を励起する励起光源を、符号
803 は励起光源802 からの励起光と光パルスを合波して
希土類ドープ光ファイバ801 に入射する波長合波器を示
す。
【0007】図12は、半導体レーザ増幅器の構成を示す
ものであり、半導体レーザ増幅器901 とこの半導体レー
ザ増幅器901 の励起電流源902 から構成されている。
【0008】光結合手段105 としては、光ファイバや平
面基板に形成されたチャネル型光導波路(参考文献 Y.H
ibino et al.:"Silica-based optical waveguide ring
la-ser integrated with semicunductor laser amplifi
er on Si substrate", E-lectron.Lett.,1992,28,pp.19
32-1933)が使用できる。
【0009】ここで図10を参照して、従来のモード同期
レーザの動作原理を説明する。図10(a)は、モード同
期で得られる代表的なスペクトル特性を表す図であり、
図10(b)はその時間特性を表す図である。
【0010】図9に示すように、光変調手段101 、光増
幅手段102 、光アイソレータ103 、光分岐手段104 、波
長可変手段107 は光結合手段105 を介してリング状に結
合され、リング共振器が構成される。ここで、リング共
振器の光路長Rは、リング共振器の各構成要素の物理長
をLとし、屈折率をnとすると、それぞれの屈折率ni
にそれぞれの物理長Li を乗した値(それぞれの光路
長)の和である。
【0011】 R=Σni i …(1) さて、リング共振器では、次式 fm =fr =c/R …(2) で与えられる周波数間隔をもつ多数の縦モード(fr
c/R:cは光速度)が存在する。ここで、リング共振
器内の光変調手段101 で縦モード周波数間隔と同じ繰り
返し周波数の光変調を加えると、図14(a)に示すよう
に、周波数間隔fr の全ての縦モードの位相が揃うモー
ド同期発振状態となり、図14 (b)に示すように繰り
返し周期1/fr の光パルス列が得られる。なお、パル
ス幅は、多数の縦モードスペクトルの包絡線で定まる発
振スペクトル幅δνの逆数に対応し、このスペクトル包
絡線の中心が中心波長(周波数ν0 )となる。また、f
m がfr の整数倍の場合は、高調波のモード同期条件 fm =N・fr =N・c/R …(3) が成立し、繰り返し周期1/(N・fr )の光パルス列
が得られる。ここでNは自然数である。
【0012】一般に、このモード同期レーザ装置で得ら
れる光増幅手段102 の利得スペクトル幅(共振器全体の
利得が1以上となる波長帯域)はこの発振スペクトル幅
δνに比べて広い。例えばエルビウムドープファイバ増
幅器を用いた場合、発振スペクトル幅がδνが 1.5μm
帯で 100GHz程度(波長にすると約1nm)に対して
利得スペクトルは2THz以上(波長にすると約20n
m以上)である。この光増幅手段102 が有する広帯域の
利得スペクトル幅内の任意の波長で発振を可能とするた
め、波長可変手段107 が用いられる。この波長可変手段
107 としては、誘電体多層膜からなる光学バンドパスフ
ィルタが用いられる。
【0013】図13は誘電体多層膜フィルタを用いた波長
可変手段の一構成例であり、この図を用いて波長可変の
原理を説明する。図中、符号1001が誘電体多層膜フィル
タであり、二つの光学レンズ202 の間に設けられる。図
面でθは光の進行方向に垂直な面と誘電体多層膜フィル
タ1001とのなす角度である。光学レンズ202 は入力側の
光結合手段105 からの出力光を平行光線にした後に集光
して出力側の光結合手段105 に入射する。
【0014】図14の(a)、(b)はそれぞれこの波長
可変手段への入射光および出射光のスペクトルである。
エルビウムドープ光ファイバ増幅器の場合、その利得ス
ペクトル幅は約20nmであって、光増幅手段102 の利得
スペクトル幅が広いため、図14(a)に示すように発振
前の光は広いスペクトルを有する。一方、誘電体多層膜
フィルタ1001は、ある波長をピークとした有限のバンド
幅(一般に波長0.5 〜3nm程度)を有する透過特性を
有する。したがって、この広スペクトル光が誘電体多層
膜フィルタ1001を透過すると、図14(b)に示されるよ
うに入射光のスペクトル特性と誘電体多層膜フィルタ10
01の透過特性の積に比例したスペクトル特性を持つ出力
光が得られる。また、入射角度θを変化すると、図14
(c)に示したように透過ピーク波長λpは変化する。
一般に可変波長幅50nm程度が可能である。したがっ
て、モード同期レーザ装置において、この波長可変手段
を用いることにより、発振波長を透過ピーク波長λpに
設定することができ、光増幅手段2の利得スペクトル幅
内で発振波長を変化させることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述の波長可変手段に
より波長を選択することができるが、各波長において
(2)式または(3)式のモード同期条件を満足しなけ
ればならない。波長が変化すると共振器の屈折率nの波
長分散によって光路長Rが変化する。すると縦モード周
波数間隔fr が変化するため、光変調器の繰り返し周波
数fm と一致しなくなり、モード同期条件からずれる。
従来の方法では、図9に示した駆動電源106により繰り
返し周波数fm をfr と一致するように調整することに
よりモード同期条件を達成していた。
【0016】しかし、繰り返し周波数fm が変化する
と、発生光パルスの繰り返し周波数が変化し、外部との
同期もとれないため、所望の繰り返し周波数を必要とす
る上述の光通信や光計測への応用が困難である問題があ
った。
【0017】本発明はこのような従来の問題点に着目し
てなされたもので、繰り返し周波数fm を変化すること
なく、発振波長を変化させることができる波長可変モー
ド同期レーザ装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】第一の発明は、リング共
振型モード同期レーザ装置に係り、光の損失または位相
を所定の周波数で変調する光変調手段と、変調された光
パルスを増幅する光増幅手段と、前記光パルスを外部に
取り出す光分岐手段と、透過波長を光増幅手段の利得ス
ペクトル幅内で変化させる波長可変手段と、前記各手段
を互いに光学的に結合してリング型共振器を形成する光
結合手段とを備えたリング型波長可変モード同期レーザ
装置において、前記共振器内に共振器の光路長を変化さ
せる光遅延手段を備えたことを特徴とする。
【0019】第二の発明はファブリペロ型波長可変モー
ド同期レーザ装置に係り、光の損失または位相を所定の
周波数で変調する光変調手段と、変調された光パルスを
増幅する光増幅手段と、入射光の大部分を反射する2つ
の光反射手段と、透過波長を光増幅手段の利得スペクト
ル幅内で変化させる波長可変手段と、前記2つの光反射
手段を両端に配置し、その間に前記光変調手段および光
増幅手段を配置して光学的に結合したファブリペロ型共
振器を形成する光結合手段とを備えたファブリペロ型波
長可変モード同期レーザ装置において、前記共振器内に
共振器の光路長を変化させる光遅延手段を備えたことを
特徴とする。
【0020】
【作用】光遅延手段により、光変調手段の繰り返し周波
数と共振器の光路長とがモード同期条件を満足するよう
にその共振器の光路長を調整する。これにより繰り返し
周波数を変化させることなくモード同期レーザ装置の発
振波長を光増幅手段の利得スペクトル幅内で変化させる
ことができる。
【0021】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。
【0022】(第一実施例)図1は本発明第一実施例の
構成を示す図であり、リング型の波長可変モード同期光
ファイバレーザ装置の実施例を示す。
【0023】ここにおいて、本実施例は、光の損失また
は位相を所定の周波数で変調する光変調手段101 と、変
調された光パルスを増幅する光増幅手段102 と、前記光
パルスを外部に取り出す光分岐手段104 と、透過波長を
光増幅手段の利得スペクトル幅内で変化させる波長可変
手段107 と、前記各手段を互いに光学的に結合してリン
グ型共振器を形成する光結合手段105 とを備えたリング
型波長可変モード同期レーザ装置において、本発明の特
徴として共振器内に共振器の光路長のパラメータである
物理長L1 または屈折率n1 を変化することができる光
遅延手段108 を備えている。
【0024】さらに本実施例を詳しく説明する。
【0025】繰り返し周波数fm を固定して発振波長を
変化する場合、モード同期条件を満足するためには、波
長変化に対して(2)式または(3)式の分母である光
路長Rを一定としなければならない。本発明では、図1
に示したように共振器内に光遅延手段108 を配置するこ
とによりR=一定の条件を満足することができる。この
光遅延手段108 の物理長をn1 、屈折率をL1 とし、そ
れ以外の共振器の物理長をL0 、屈折率をL0 とする
と、R=一定の条件は次の(5)式に書き換えられる。
【0026】 R=n0 ・L0 +n1 ・L1 =一定 …(5) (5)式の両辺を波長λで微分し、L0 が波長により変
化しない(dL0 /dλ=0)であることを考慮すると
次の(6)式が導かれる。
【0027】 L0 (dn0 /dλ)+n1 (dL1 /dλ)+L1 (dn1 /dλ)=0 …(6) (6)式を成立させるためには、光遅延手段108 の物理
長L1 または屈折率n1を制御する二つの方法がある。
【0028】まず、共振器の物理長Lを制御する方法に
ついて説明する。(6)式をdL1/dλについて解く
と次の(7)式が導かれる。
【0029】 dL1 /dλ=-(L0 /n1 )(dn0 /dλ)-( L1 /n1 )(dn1 /dλ) …(7) つまり(7)式は、波長の変化にともない共振器の屈折
率n0 、n1 が変化するが、光遅延手段108 の物理長L
1 を適当に変化させることによりモード同期条件が成立
することを意味している。したがって、図1に示した光
遅延手段108 として物理長L1 が可変なものを用いるこ
とにより、光変調器の繰り返し周波数fmを固定したま
ま、波長可変のモード同期発振を達成することができ
る。
【0030】例えば、共振器の屈折率の波長分散の値が
通常の光ファイバと同じ(dn0 /dλ=dn1 /dλ
〜1×10-5(nm-1))とし、L0 =15m、L1 =0.1
m、n0 =n1 =1.5 とすると、dL1 /dλ〜10
-4(m/nm)となる。すなわち、波長を1nm長くす
る場合、共振器の物理長を0.1 mm長くできればよい。
光増幅手段として利得波長帯域幅20nmの希土類ドープ
光ファイバを使用する場合は、共振器長を2mm以上変
化できる光遅延手段を用いることにより利得波長帯域内
の任意の波長でモード同期発振が可能となる。
【0031】図2は光遅延手段の一例の光学的に結合し
ている二つの光導波路を用いた例を示す。ここで、符号
201 は可動ステージであり、この可動ステージ201 上に
光学レンズ202 で光結合手段である光導波路205 を結合
する。また他方の光導波路205 も光学レンズ202 で結合
される。この光遅延手段は、光学レンズ202 を二つ使用
することにより、二つの光導波路105 間の光を平行ビー
ムとしている。入射側または出射側の光学レンズ202 と
光導波路205 は同一の可動ステージ201 に固定してあ
る。したがって、この可動ステージ201 を光線方向に沿
って移動させることにより、結合損失をほとんど変化さ
せることなく二つの光導波路205 間の物理長を変化させ
ることができる。
【0032】図3は光遅延手段を光学的に結合している
二つの光導波路を用いた他の例を示す。この光遅延手段
は、光学レンズ202 および三角プリズムを用いた直角ミ
ラー203 で構成され、平行に並べた二つの光導波路105
を光学的に結合している。この場合も直角ミラー203 を
光線方向に沿って移動することにより図2と同様に光路
長を調節することが可能である。
【0033】図4は光遅延手段の別の構成であって、張
力により光導波路を伸張して光路長を可変にする構成で
ある。この例は光ファイバ等の比較的長尺の光導波路を
ピエゾ素子で作られたドラム301 に巻きつけ、ドラム30
1 の径を電圧で変化させることで光ファイバの張力を変
えて光路長を変化させるものである。この他、引っ張り
装置を使用して光ファイバに直接機械的な張力を加える
方法や、光導波路の線膨張率を利用して温度によって物
理量を変化させる方法もある。
【0034】次に共振器の屈折率nを制御することによ
りモード同期条件を達成する方法について説明する。こ
の場合、共振器の物理長が波長により変化しない、すな
わちdL0 /dλ=dL1 /dλ=0であることを考慮
して、(6)式をdn1 /dλについて解くと次の
(8)式が導かれる。
【0035】 dn1 /dλ=−(L0 /L1 )(dn0 /dλ) …(8) この(8)式は、波長の変化にともない光遅延手段108
以外の共振器の屈折率n0 が変化するが、光遅延手段10
8 の屈折率n1 を適当に調節することによりモード同期
条件が成立することを意味している。したがって、図1
に示した光遅延手段108 として屈折率n1 が可変なもの
を用いることにより、波長を変化してもモード同期条件
を達成することができる。例えば、光遅延手段108 以外
の共振器の屈折率の波長分散の値が通常の光ファイバと
同じとなる。例えば、dn0 /dλ〜1×10-5(n
-1)とし、L0 /L1 =102 とすると、dn1 /dλ
〜10-3(nm-1)となる。したがって、波長を1nm長
くする場合、屈折率を0.001 大きくすればよい。光増幅
手段として利得波長帯域幅が20nm程度の希土類ドープ
光ファイバを使用する場合は、屈折率を0.02以上変化で
きる光遅延手段を用いることにより利得波長帯域中の任
意の波長でモード同期発振が可能となる。
【0036】屈折率を変化させる光遅延手段108 として
液晶を用いる方法を説明する。
【0037】図5は、液晶を用いた光遅延手段の一例を
示す構成図である。この液晶光遅延手段は液晶401 を透
明電極402 を有する2枚のガラス板403 間に封入したも
のである。液晶の屈折率n1 は透明電極402 により液晶
401 に電圧Vを印加することにより変化することができ
る。現在、波長1.5 μm帯で屈折率が1.55±0.01の範囲
で変化する液晶がある。例えば、光増幅手段102 および
共振器の光結合手段105 として第一実施例に述べた半導
体レーザ光増幅器および平面基板に形成されたチャネル
型光導波路を用いて共振器を短尺化し、L0 =0.1 m、
1 =0.001 mとすると、dn1 /dλ〜10-3(n
-1)となり、上述の波長範囲でのモード同期発振が可
能となる。この液晶を用いた方法は、電圧Vにより屈折
率n1 を変化することができるため、その制御性に優れ
ている。また、機械的な可動部分がないため、光遅延手
段の小型化ができる。さらにその他の構成要素との集積
化が可能であって装置化に適したものである。その他液
晶のほかにも電気光学効果を有する非線形光学材料を用
いてもよい。
【0038】また、従来、波長可変手段107 として誘電
体多層膜フィルタが用いられていたが、上述の液晶波長
可変フィルタを波長可変手段107 として使用することが
できる。
【0039】図6は、液晶波長可変フィルタの構成の一
例を示すものである(参考文献 平林 他、「600 チャ
ネル選択可能な液晶可変波長フィルタ、1992年電子情報
通信学会秋季大会講演論文集、C-246)。図に示すよう
に、この液晶波長可変フィルタは、液晶をミラー501 お
よび透明電極402 を有した2枚のガラス板403 間に封入
したファブリペロエタロン型の光フィルタである。この
ファブリペロエタロン型光フィルタの透過ピーク波長λ
pは、2枚のミラー501 間の光学的な長さ(物理長×屈
折率)により決定され、次の(9)式で表される。
【0040】 λp=2n′L′/m …(9) ここで、n′、L′はそれぞれ液晶401 の屈折率および
物理長を示す。mは1以上の整数である。液晶波長可変
フィルタの場合、透明電極402 により液晶に電圧Vを印
加することにより、液晶の屈折率n′を変化することが
できるため、図7に示すようにファブリペロエタロン型
光フィルタの透過ピーク波長λpも変化できる。バンド
幅および可変波長幅は、それぞれ0.1 〜3nm程度、14
0 nm程度である。したがって液晶波長可変フィルタを
用いた場合も、モード同期レーザ装置において、発振波
長を光増幅手段102 の利得スペクトル幅内で変化するこ
とができる。特に、この液晶波長可変フィルタを用いた
場合は、上述のように電圧Vにより透過ピーク波長λp
を変化することができるため制御性が優れており、機械
的な可動部分がないため、小型化、集積化が可能であり
装置化に適している。
【0041】(第二実施例)図8は、本発明第二実施例
のファブリペロ型の波長可変モード同期レーザ装置の構
成例を示す。この実施例は、第一実施例と同じく、光の
損失あるいは位相を所定の周波数で変調する光変調手段
101 、この光変調手段101 に繰り返し周波数fm を与え
る光変調手段駆動電源106 、変調された光パルスを増幅
する光増幅手段102 と入射の大部分を反射させる2つの
光反射手段601 、透過波長を光増幅手段102 の利得スペ
クトル幅内で変化させる波長可変手段107 、光反射手段
601 をその両端に配置してその間に光変調手段101 およ
び光増幅手段102 を配置し光学的に結合してファブリペ
ロ型共振器を形成する光結合手段105 で構成されたファ
ブリペロ型モード同期レーザ装置において、本発明の特
徴としてこの共振器内に共振器の光路長を変化させる光
遅延手段108 を備えている。
【0042】この実施例は共振器構成がファブリペロ型
であること以外は第一実施例とその作用は同じであり、
第一実施例と同様な原理により発振波長を変化させるこ
とが可能である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、光変調
手段の繰り返し周波数すなわち、出力光パルス列の繰り
返し周波数を変化することなく、モード同期レーザ装置
の発振波長を光増幅手段の利得スペクトル幅内で変化す
ることができる。また、波長可変手段および光遅延手段
に液晶を用いた場合には、電圧による発振波長の制御が
可能であり、モード同期レーザ装置を小型化できる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例の構成図。
【図2】2本の光導波路を用いた光遅延手段の構成図。
【図3】2本の光導波路を用いた光遅延手段の構成図。
【図4】張力を光導波路に加える光遅延手段の構成図。
【図5】液晶を用いた光遅延手段の構成図。
【図6】液晶波長可変フィルタの構成を示す図。
【図7】液晶波長可変フィルタの波長可変特性を示す
図。
【図8】本発明第二実施例の構成図。
【図9】従来の波長可変モード同期光ファイバレーザ装
置の構成図。
【図10】(a)は従来の波長可変モード同期光ファイ
バレーザ装置の代表的なスペクトル特性を示す図、
(b)はその時間特性を示す図。
【図11】希土類ドープ光ファイバ増幅器の構成図。
【図12】半導体レーザ増幅器の構成図。
【図13】誘電体多層膜を用いた波長可変フィルタの構
成図。
【図14】誘電体多層膜を用いた波長可変フィルタの波
長可変特性を示す図。
【符号の説明】
101 光変調手段 102 光増幅手段 103 光アイソレータ 104 光分岐手段 105 光結合手段 106 光変調手段駆動電源 107 波長可変手段 108 光遅延手段 201 可動ステージ 202 光学レンズ 203 直角ミラー 205 光導波路 401 液晶 402 透明電極 403 ガラス板 501 ミラー 601 光反射手段 801 希土類ドープ光ファイバ 802 励起光源 803 波長合波器 901 半導体レーザ増幅器 902 励起電流源 1001 誘電体多層膜フィルタ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光の損失または位相を所定の周波数で変
    調する光変調手段と、 変調された光パルスを増幅する光増幅手段と、 前記光パルスを外部に取り出す光分岐手段と、 透過波長を光増幅手段の利得スペクトル幅内で変化させ
    る波長可変手段と、 前記各手段を互いに光学的に結合してリング型共振器を
    形成する光結合手段とを備えたリング型波長可変モード
    同期レーザ装置において、 前記共振器内に共振器の光路長を変化させる光遅延手段
    を備えたことを特徴とする波長可変モード同期レーザ装
    置。
  2. 【請求項2】 光の損失または位相を所定の周波数で変
    調する光変調手段と、 変調された光パルスを増幅する光増幅手段と、 入射光の大部分を反射する2つの光反射手段と、 透過波長を光増幅手段の利得スペクトル幅内で変化させ
    る波長可変手段と、 前記2つの光反射手段を両端に配置し、その間に前記光
    変調手段および光増幅手段を配置して光学的に結合した
    ファブリペロ型共振器を形成する光結合手段とを備えた
    ファブリペロ型波長可変モード同期レーザ装置におい
    て、 前記共振器内に共振器の光路長を変化させる光遅延手段
    を備えたことを特徴とする波長可変モード同期レーザ装
    置。
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