JPH06248503A - 衣服の立体形状計算方法 - Google Patents

衣服の立体形状計算方法

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JPH06248503A
JPH06248503A JP3197993A JP3197993A JPH06248503A JP H06248503 A JPH06248503 A JP H06248503A JP 3197993 A JP3197993 A JP 3197993A JP 3197993 A JP3197993 A JP 3197993A JP H06248503 A JPH06248503 A JP H06248503A
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cloth
equation
shape
calculation
clothes
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Yoshiyuki Sakaguchi
嘉之 坂口
Shigeru Komai
茂 駒井
Yozo Yamada
陽三 山田
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 衣服の着用状態の予測表示を正確に、しかも
衣服の三次元立体形状評価並びに立体裁断計算が容易に
行える方法を提供する。 【構成】 計算機によって、衣類の人体への着用状態を
予測表示する方法において、衣類素材の力学的特性とし
ては、非線形ヒステリシスを示すデータを用いて、布の
運動方程式の解を修正計算する動的な布形状計算方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、衣類の設計、製造工程
における型紙の設計から、生地の裁断、縫製、試着型紙
の修正までの過程を計算によりシミュレーションするた
めの動的な布の形状計算方法に関するものであり、衣服
の人体着用状態を実際に衣服を仕立てることなく立体的
な衣服形状を評価、修正することが出来るものである。
また本発明は、アニメーションやコマーシャルフイルム
の登場人物の衣服の作成や布状物体の変形によるイメー
ジの作製、TC電話での衣服の合成等にも利用できる。
【0002】
【従来の技術】衣服の着用状態もしくは、仕立て上がり
状態を予測表示する装置としては、特開昭55−938
08号公報[衣服の仕立て上がり状態表示方式]、特開
昭59−106068号公報[服飾デザイン表示装
置]、特開昭59−199802号公報[ベストドレス
ティチャー]、特開平2−292675号公報[ドレス
コーディネート方法]等がある。これらは、計算機を利
用して衣服形状並びに仕立て上がりをディスプレイに表
示させ、その衣服形状や着用時の出来映えを評価するた
めに考案されたものといえる。これらの方法、装置に共
通していえることは、布地のもつ力学的な特性(引張り
特性、曲げ特性、せん断特性など)が考慮されておら
ず、ただ幾何学的に変更しているだけである。このよう
な布のモデルは幾何モデルと呼ばれる。幾何モデルで
は、見た目が実物らしい印象を与えるものであるとして
も、着装状態での衣服の寸法やしわ、ゆとり等を正確に
表示しているとは言えない。一方、幾何モデルの他に物
理的な法則のもとに布形状、さらには衣服形状を計算す
る手法がある。これらは物理モデルと呼ばれる。布の物
理モデルは、布の最終形状のみを求める静的モデルと布
の動きを順次計算していく動的モデルに分けられる。静
的モデルとしては、繊維高分子研究所報告第142号
(1984)[コンピュータによるドレープ現象の構造
解析]、[面要素を用いた衣服の立体性の予測法]、特
開昭63−303106号公報[衣類の着用状態を予測
表示する方法等]がある。これらは、布の動きを計算す
る方法ではなく、初期位置からのエネルギー関数の安定
状態を計算することにより、着装状態を計算するもので
あり計算結果は、その初期位置に依存する。そして現実
の衣服と同程度の計算結果が得られる初期位置の設定は
一般的に困難であることが多かった。初期位置の問題を
回避するには、布が辿った変形過程を順次計算すれば良
い。布の動きを順次計算し、最終的に安定な形状を算出
するような布の計算モデルを動的モデルと呼ぶ。従来の
動的モデルは、布を微少な小片に分割し、その小片同士
をバネ要素で連結し、各小片間での伸び縮みに対応した
バネの回復力と、小片にかかる外部からの力の釣合を求
めるものであった。例を挙げると、DemetriTerzopoulos
etal, “Elastically Deformable Models ” Computer
Graphics,Vol 21, no 4, 1984がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】動的モデルで布を計算
する場合、非線形な物理特性を持つ要素をバネのような
線形要素に近似することになるために、非線形な実布の
物理特性の実測値からバネ係数を求めることが困難であ
り、また、仮に適当なバネ係数を与えられたとしても、
計算で求める布の動きはバネのように伸び縮みをするた
めに、布に局所的な振動や寸法変化が現れ、現実の布と
著しく異なった結果となることがあった。この種の従来
手法は、コンピュータグラフィック(CG)等のアニメ
ーションに利用する事を想定して研究されたもので、適
当なパラメータを選択することにより、それなりに布ら
しくみえる動画を作成する用途には有用である。しかし
現実の布の物理特性の測定値をそのまま計算に取り込む
ことが出来ないために、布の物理特性を議論の対象とす
るようなアパレルの用途には不適であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記した問題
点を解決するために、現実の布を測定して得られる非線
形ヒステリシスループの力学的な特性を直接計算に取り
込める布の計算モデルを構築し、数値データからなる衣
服の型紙を格子状の微少な小片に分割し、布の力学特性
と布の動きを計算して、CGによって形状変化を見なが
ら操作を加え、かつ数値データからなる人体形状に着せ
付け、衣服の着用状態を予測表示し、型紙の不具合な個
所を評価、修正することのできる立体裁断をシミュレー
ションする動的な布形状計算方法を提供しようとするも
のである。
【0005】
【作用】布に関する計算モデルを、従来の動的なモデル
で使用されているバネと定めず、実際の布を測定して得
られる非線形ヒステリシスをもつ力学特性の測定値その
ものを有効に利用したために、計算機によって衣服着用
状態での衣服寸法やしわ、ゆとりなどを正しく評価で
き、かつ型紙の修正を実際の衣服を仕立てることなく実
行することが可能となる。以下本発明の一実施例を図1
−図13により詳細に説明する。
【0006】
【実施例】まず本発明の主要部をなす衣服の立体形状計
算方法を説明する。布のもつ力学的特性を測定する手法
の一つに、繊維業界で広く使われているKES(Kawabat
a's Evaluation System for fabric) がある。KESの
詳細については、繊維機械学会誌 Vol26. NO10 (1973)
[風合い計量のための布の力学特性のキャラクタリゼ
ーション、およびその計測システムについて]に述べら
れているが、本発明に関わる部分について簡単に説明を
加える。KESの手段によって測定された布の力学特性
値は現在の繊維業界で標準化されたものであり、かつ今
までの測定データの蓄積もあって、このKESデータの
測定値を用いる利点は大きい。KESによる測定項目に
は、1)引張り特性、2)曲げ特性、3)表面特性、
4)せん断特性、5)圧縮特性、6)厚み、重量があ
る。この中で、本発明の布計算モデルに必要なものは
(1)引張り特性(2)せん断特性(3)曲げ特性の3
種である。それぞれの測定値はヒステリシス(履歴曲
線)をもつ非線形なものであり、これらを動的な布計算
モデルに取り込むために、上記(3種)のKESの測定
内容を定式化する。定式化に用いる座標系を図1に示
す。三次元座標系の原点からのベクトルをrとし、布の
物体座標系を横糸方向にμ、縦糸方向にvとする。布の
変化はpで表す。引張り試験は、幅20cm、縦5cmの長
方形の布を用いて、4.0×10-3cm/sec のひずみ速
度で最大荷重500gf/cmまで引張り、変形回復過程
に移しその伸び率を測定する。測定は縦糸方向(v)と
横糸方向(μ)で行う。(図1)布に加わる力をfcと
するとこの測定は式1中の(1)(2)式で表現でき
る。ここで、Pは変位であり、A、Bは縦糸方向(v)
と横糸方向(μ)の初期長である。図2に布が綿の場合
の引張り試験の結果の一例を示す。なお記述が煩雑にな
るので以後、(1)(2)式をそれぞれ表1中の(3)
(4)式で表現する。
【0007】せん断試験には、幅20cm、縦5cmの長方
形の布を用いて、縦方向に10gf/cmの荷重をかけ
て、横方向に0.00834 cm/sec のせん断ひずみ速度でせ
ん断変形を与え、せん断角度を測定する。この測定は式
1中の(5)(6)式で表現できる。rは、布中の点の
3次元座標(x(t)、y(t)、z(t))であり、
nは、布表面の法線ベクトルである。なお(6)式も式
1中の(7)式で表すことにする。また図3にせん断試
験結果の一例を示す。曲げ試験は、長さ2.5cm幅1cm
の布の両端を把持し±2.5cm-1の曲率を与え、固定端
での回転モーメントを測定する。つまり、ある曲率で曲
がった布が発生する回復力を測定しているので式1中の
(8)式のように書ける。kuは、横糸方向の曲率であ
り、kuは縦糸方向の曲率である。これも式1中の
(9)式のように表す。また図4に曲げ試験結果の一例
を示す。引張り、せん断の測定値を用いれば、外部力か
ら布の形状を推定出来るが、布の形状から形状復元力は
推定できない。これは、測定値の中に形状復元力と形状
復元に寄与しない塑性による抵抗力とが入り交じってい
るためである。しかし曲げ回復力は布の形状から推定可
能である。
【0008】
【数1】
【0009】次に布の変形計算モデルについて説明す
る。布の形状を決定する支配方程式は、ラグランジェの
運動方程式により式2中の(10)式とする。μは布の
質量を表し、cは振動係数を表す。fcloth (r)は布
形状から定まる回復力でありfext (r)は外部からの
力である。fcloth (r)は式2中の(11)式に示す
ように粘弾塑性の成分からなる。ここで、fstretch
(r)は、伸び回復力であり、fshare (r)は、せん
断回復力、fbend (r)は、曲げ回復力、fvisco (
r)は粘性抵抗力、fplas(r)は、塑性力、fetc
(r)はその他の力を表している。fcloth (r)を計
算する手法として、弾性体理論では微小変形理論の枠組
みでテンソルを計算するが、本発明では、前記したKE
Sによる測定データを取り込むことを考える。(11)
式中の成分で実測値が得られているのは、fbend
(r)のみである。引張り、せん断に関しては、外部力
による布形状の拘束条件しか得られていないことにな
る。そこで、曲げ回復力のみfcloth (r)の成分と
し、まず推定初期速度v(o)を算出する。不足する成
分の影響については、布にかかる力に対応した布形状に
なるように推定初期速度に修正を加えることとする。図
5に本手法の概念図を示す。まずfcloth (r)=fbe
nd (r)として(10)式を書き換えると式2中の
(12)式になる。次に式2中の(13)式を用いて
(12)式を陽に差分近似すると。式2中の(14)式
となる。(14)式中における、式2中の(5)式は、
慣性力、外部力、曲げ回復力からなる布にかかる力であ
る。また(14)式は、式2中の(16)式とも書け
る。v(0)は、t時から t+△時に移る時の速度ベ
クトルの初期推定値である。v(0)には、引張り、せ
ん断による影響が欠けているので式2中の(17)(1
8)(19)式が成立するまで修正する必要がある。
【0010】
【数2】
【0011】具体的に速度ベクトルの修正方法について
説明する。布の形状は、速度に応じて変化する(式3中
の(20)式)。ここでCは、(16)式の速度v
(0)からn回の修正を行ったことを示す。速度の修正
は式3中の(21)式で行う。ep は修正ゲインであ
り、dp は修正方向を表す単位ベクトルである。kは定
数であり通常は k<1.0である。要素間の方向ベク
トルdkl は式3中の(22)式と書ける。サフィック
ス(k 、l )を表1に従って(s)に直す。図示すれ
ば、図6のようになる。
【0012】
【表1】
【0013】それぞれの、要素間の長さ sは、式3中
の(23)式であり、要素間の単位ベクトルus は、式
3中の(24)式となる。さて伸びに関する修正は、伸
び量が修正ゲインεs 式3中の(25)式になる。D
は、初期長である。修正方向は、要素間ベクトル方向u
s である。速度の修正は式3中の(26)式となる。図
7にそれぞれのベクトルを示す。次にせん断に関する速
度の修正は、図8に示すようにθ1 とθ2 の2角の修正
になる。せん断修正方向ベクトルcs は、要素間ベクト
ルと直交する。(式3中の(27)式) ここでnは布上の法線を表す。修正ゲイン(ε′s )
は、式3中の(28)式となる。θmは誤差角であり、
式3中の(29)式と書ける。式中のmとsの関係を表
2に示す。
【0014】
【表2】
【0015】速度の修正は、式3中の(30)式とな
る。図8にそれぞれのベクトルを示す。
【0016】
【数3】
【0017】次に曲げ回復力は、布の曲率を小さくする
布表面の法線方向に作用すると考える。(式4中の(3
1)式)誤差角度Φmは式4中の(32)式、曲率は式
4中の(33)式となる。曲げ角の重みとして、式4中
の(34)式が考えられる。この重みにより、法線方向
と直交していない方向ほど多く修正される。曲げ回復力
は式4中の(35)式となる。図9にそれぞれの関係を
図示する。
【0018】
【数4】
【0019】以上のように布の動的な変形過程を計算す
る方法について、詳述したが、本手法を要約して述べる
と (1)布を微少な質点の格子状集合体(曲げ方向の回復
力はある)として、質点の運動方程式を解く。 (2)質点は相互に連結しているものなので、布形状が
測定値と合致するまで運動方程式の解を修正する。 と言うことになる。従って布の力学特性の内、伸びとせ
ん断特性が拘束条件となっているが、この拘束条件を満
たすことで三角形の二辺とその挟まれる角が拘束される
ために面積が保存されることにより、布が大変形を起こ
しても形状精度を保証することが出来る。さらに、この
拘束条件は線形関数でなければならないと言うことはな
く、ヒステリシスをもつ非線形な測定結果を直接的に、
形状変形計算に用いることが出来るので、実際の布形状
に近い形状を計算で求めることが出来る。このような手
法は、運動方程式に含めることが困難であるような布固
有の特別な性質をも、拘束条件下における解の修正とし
て取り入れることが出来るので拡張性も広く、またバネ
の力による伸び回復が起こらないために、計算の安定性
が良く大きな時間幅で動きを計算できるので、高速な計
算も可能になる。
【0020】本発明による布形状の変形計算の有効性を
確かめるために、JISのドレープテストに準じた数値
計算シミニレーションを行った。計算に用いた布は、直
径63.5cmのドーナツ型で、内径が25.4cmであ
り、内径上の要素点を固定している。ドレープを顕著に
出現させるために、実際のJIS規格(直径50.8c
m)よりも大きめの布を用いた。ドレープは、布の曲げ
特性に大きく依存していることが従来よりよく知られて
いる。そこで曲げ回復力の大きさによってドレープがど
のように変化するのかを調べた。ドレープは、布の曲げ
特性に大きく依存していることが従来よりよく知られて
いる。そこで曲げ回復力の大きさによってドレープがど
のように変化するのかを調べた。布の初期形を平坦にと
り、重力による自由落下が安定するまで形状の変形計算
を行った。Δtは、0.01secとし、250回繰り
返し計算を行い、2.5sec後の形状を求めた。形状
誤差は、εu,εv =±3%、εuv=±5degとした。
なお分割要素数は5×36であり、10度きざみとし
た。(図10)布の力学特性は、KESで得られた綿の
測定値を用い、曲げ回復力の影響を詳しく観察するため
に、曲げ回復力のみK倍して実験した。図11にその結
果を示す。この実験から、出現可能なドレープパターン
がすべて生成できることが確かめられた。初期形状が全
く平坦であった場合には、ドレープは計算誤差のような
些細な原因で発生し大きく成長していくように思われ
る。そこで、布の初期形状に周期関数による小さなしわ
を与えて同様の計算を行ったところ、変形過程において
いくつかのドレープで融合が起こり、最終的なドレープ
の数は初期形状が平坦な場合と同じになった。このこと
より、ドレープテストにおいては、本手法による布の計
算モデルは、ドレープ数がしわのような初期形状には依
存せず、実際の布と良く一致していることが確認でき
た。
【0021】次に実際の布と計算結果との比較を図12
に示す。用いた布は、綿、ポリエステルウールの3種類
である。この実験では、要素分割数を60×5としてい
る。計算結果のドレープ数は、実際の布の代表的なドレ
ープ数と一致している。
【0022】次に上記で説明した衣服立体形状計算手法
に基づく立体裁断計算装置について詳述する。本装置
は、アパレルの分野で行われている型紙の設計におけ
る、トワレチェックに用いることでアパレルの自動化に
寄与し、かつ型紙の設計効率を促進して試作工程を削減
しようとするものである。装置の概略構成図を図13に
示す。本装置は、大きく3つの部分に分けられる。 (1)高速グラフィックス表示装置を持つ表示部分 (2)高速演算装置と記憶装置および通信装置からなる
演算部分 (3)操作入力のための3次元ベクトル入力装置と立体
視のための液晶シャッターめがねからなる操作部分 このような構成により、次のような機能を実現してい
る。すなわち、表示部分の画像と操作部分の液晶シャッ
ターめがねとは同期してしており、操作者は、表示部分
の画像を3次元的な立体像としてとらえることが出来
る。また、3次元ベクトル入力装置(データグローブ
等)によって、画像中に示される自分の手を動かし、衣
服の一端を捕まえて動かしたりする等の操作が可能であ
る。このような操作により、前合わせや重着のような衣
服特有の形状を計算することができる。操作部分の実際
の操作は、表示部分に示されるメニューを選択すること
により、衣服を掴んだりする操作から、衣服を切断する
こと、布同士を縫製すること、布を必要な個所に固定す
るといった操作等が可能である。さらに実空間上では決
して起こり得ない重力を零にしたり、逆重力状態を作り
出したり、空中浮遊状態で衣服を眺めたりといった非現
実的なことまで行う事が可能である。
【0023】本装置の基本的な動作(使用方法)につい
て、操作者(この例ではパタンナー)がトワレチェック
(トワレと呼ばれる特別な布地を用いて人台に合わせて
いくことにより型紙を設計、修正する作業のこと)を行
う状況について説明する。まず本装置の画面上のメニュ
ーでトワレチェックを選択するとディスプレイには人台
(三次元人体形状モデル)が仮想的な三次元空間に置か
れている状況が描画される。次に必要な型紙のデータを
呼出し、幾何学的な手法(移動、回転、拡大、縮小等)
で人台近くに配置する。型紙の配置が完了したら、使用
する型紙の各々に格子点を形成する。これは別途型紙格
子点形成メニューを選択し、実行するが、この型紙に格
子点形成する方法については、坂口・美濃・池田[着装
シミュレーションのための型紙要素分割法]電子情報通
信学会春季全国大会 D−635(1991)に従って
行う。次にこれらの型紙に布特性を与える。布の力学特
性値もメニュー形式で選択する。例えば、綿、ポリエス
テル、ウールといった具合である。さらに重力パラメー
タを変更し、実際の重力よりも小さめに設定しておく
と、布を操作することで起こる布のまとわりつきを防ぐ
ことができ、操作が容易となる。次に三次元マウス(三
次元ベクトル入力装置)の操作によって、画面中に表示
されている自分の仮想的な手で配置された型紙の一端を
掴み、望みの場所に移動する。この移動時に布の変形が
生じる。この時前述した布の動的な計算方法に従って、
画面に表示されている布(型紙)形状が変化する。ま
た、布と人台とが衝突した場合にも、布はその衝突の影
響を受けて変形する。このような過程を経て、型紙の布
を人台の望みの場所まで移動し、布の変形が収まった時
点で、キーボード操作により型紙を人台に固定する。こ
れは人台に型紙を合わせて仮止めする要領である。さら
に、別の型紙についても同様の操作を行い、衣服に必要
な型紙を人台に張り付けていく。この作業が終わった
ら、次に型紙の仮止めをはずし、かわりに型紙の縫製情
報を与える。この縫製情報はあらかじめ設定したもので
あるが、その場で縫製情報を順次与えていくことも可能
である。この時点になって、現実的な重力を与え、自由
落下をさせる。そうすると、型紙は衣服となり、しわや
ドレープといった人台に着用した状態収束する。衣服形
状が安定したなら計算精度の設定を変更し、さらに高精
度に形状を計算する。高速演算部分がこの処理を繰り返
し、最終的にディスプレイ上には、衣服を着用した人台
が表示されることになる。
【0024】この衣服は、視点を変更することによっ
て、三次元的に任意の位置から観察することができ、必
要なだけ衣服形状評価が行える。またファンクションイ
メージモードの選択から布の伸び率や人台との接触圧な
どを類似カラー表示することもできる。これらは操作者
に不可視な情報までも仮想的に可視化して与えようとす
るものである。さてパタンナーによるトワレチェック
は、人台に衣服を着せてから修正を行う。本装置でも、
操作者がこれらの情報を基に型紙の修正を考える。具体
的には、表示されている衣服の一端を掴んでダーツ量を
見積もったり、ゆとり量や着付け具合を調整する。そし
て、2次元的な型紙をCAD操作の要領で修正すると型
紙の修正が、ただちに立体表示結果に反映される。この
ために、試行錯誤的に型紙を修正することが出来る。ま
た、立体形状の方に修正操作を加えれば、型紙にその操
作結果が反映される。例えば、丈の長さの短縮、伸長ま
たは、衣服全体の大きさの拡大縮小、ダーツ量やプリー
ツ変更などがある。以上の操作から、最終的にパタンナ
ーが必要とする衣服の着用状態の予測表示が完了し、か
つその状態を実現する型紙寸法が得られることになる。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明によれは、布の動的
な変形過程を、実際の布の力学的特性特に、KESによ
る測定値である非線形ヒステリシスデータを、そのまま
取り込んだ計算方法によって、求めることが出来るため
に、衣服の着用状態の予測表示が正確となり、かつ三次
元ベクトル入力装置による型紙修正操作が可能であるた
め、衣服の立体形状評価ならびに立体裁断計算が容易に
行える方法となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】KES測定値を定式化するための座標系
【図2】引張り特性関数例
【図3】せん断特性関数例
【図4】曲げ回復力の一例
【図5】速度ベクトル修正方法
【図6】速度修正ベクトルの表現
【図7】伸び方向での速度の修正
【図8】せん断の修正
【図9】曲げ方向の回復力
【図10】計算モデルの布初期形状
【図11】曲げ回復力によるドレープの変化
【図12】実物と計算結果の比較
【図13】立体裁断計算装置の概略構成図
【符号の説明】
1:表示装置 4:液晶シャッターめがね 2:演算装置 5:3次元ベクター入力装置 3:外部記憶装置 6:出力装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数値データからなる衣服の型紙を格子状
    の微少な小片に分割し、布物理特性と布の動きを計算し
    て、コンピュータグラフィックスによって形状の変化を
    見ながら操作を加え、数値データからなる人体形状に着
    せ付け、衣服の着用状態を予測表示し、型紙の不具合な
    箇所を評価、修正することの出来る立体裁断をシミュレ
    ーションする動的な布形状計算方法において、非線形ヒ
    ステリシスを持つ布物理特性の測定値を拘束条件とし、
    布の運動方程式の解を修正計算することを特徴とする動
    的な衣服の立体形状計算方法。
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JP2003511576A (ja) * 1999-10-08 2003-03-25 レクトラ、ソシエテ、アノニム 仕立屋用ダミーの着付けをシミュレートおよび表現する方法および装置
JP2005188015A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Toshio Hagiwara 衣服の型紙作成を設計支援するシステム
JP2008242666A (ja) * 2007-03-26 2008-10-09 Kanazawa Univ シミュレーション装置、及びシミュレーション方法
JP2008299473A (ja) * 2007-05-30 2008-12-11 Dainippon Printing Co Ltd 物体の三次元形状データの作成装置および作成方法

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