JPH06247972A - 5−フェニル−ピロロ−1,4−ベンゾオキサジン−および−トリアジン−誘導体、その製造方法およびその製造のための中間体、およびそれを含有する抗アレルギー作用を有する医薬 - Google Patents

5−フェニル−ピロロ−1,4−ベンゾオキサジン−および−トリアジン−誘導体、その製造方法およびその製造のための中間体、およびそれを含有する抗アレルギー作用を有する医薬

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JPH06247972A
JPH06247972A JP6018371A JP1837194A JPH06247972A JP H06247972 A JPH06247972 A JP H06247972A JP 6018371 A JP6018371 A JP 6018371A JP 1837194 A JP1837194 A JP 1837194A JP H06247972 A JPH06247972 A JP H06247972A
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Patrice Demonchaux
デモンショ パトリス
Patrick Lenoir
ルノワール パトリク
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    • C07D513/06Peri-condensed systems
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    • AHUMAN NECESSITIES
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式I: 【化1】 [式中、R1は水素または低級アルキル、R6は水素また
は低級アルキル、Yは酸素または硫黄、nは1〜3の
数、Zは結合、CO基またはCH2基、Qは窒素または
CH基、R7はQが窒素の場合に、場合により置換され
ているピリジル基またはフェニル基、QがCH基の場合
に、N−メチル−N−(4−オキソ−3H−ピリジン−
2−イル)アミノ基を表わす]で示され、フェニル環に
おいて置換されていてもよい薬理学的に有効な化合物お
よびその酸付加塩ならびにそれを製造するための方法お
よび中間体。 【効果】 抗炎症性に有効な作用物質および抗アレルギ
ー薬として、炎症性またはアレルギー性疾患の治療のた
めに適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、環骨格の2位に1個の
置換ピペラジノアルキル−またはピペリジノアルキル基
を有する新規5−フェニル−ピロロ−1,4−ベンゾオ
キサジン−および−チアジン−誘導体、およびその塩な
らびにその化合物を含有する調剤学的組成物およびこの
化合物の製造方法およびこの化合物を製造するための中
間体に関する。
【0002】
【従来の技術】欧州特許出願公開第0322016号明
細書(EP 0 322 016 A1)から、1,7
−縮合インドール−2−カルボン酸誘導体および環状ア
ルコールまたは環状アミンのエステルおよびアミドは公
知であり、これらは、神経細胞の5−HTレセプターの
選択的アンタゴニストであり、このレセプターの過剰刺
激により誘導されるたとえば胃腸管領域における疾患の
治療に適している。
【0003】欧州特許出願公開第0387618号明細
書(EP 0 387 618 A1)から、1,7−
縮合インドール−2−カルボン酸誘導体と、3−アミノ
−1,4−ベンゾジアゼピン誘導体とのアミドが公知で
ある。この化合物は、胃の排出を促進する作用成分を伴
うCCK拮抗作用を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、新規
の抗アレルギー薬として使用可能な調剤学的作用物質を
開発することであった。さらに、本発明の課題は、有用
な生理学的特性を有する1,7−縮合インドール化合物
の新規の誘導体を製造することであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明に
より、新規5−フェニル−ピロロ−1,4−ベンゾオキ
サジン−および−トリアジン−誘導体が有用な薬理特性
を有し、抗アレルギー作用を示し、かつわずかな毒性お
よび良好な適合性を備えた有効な作用プロフィールを有
することが見出されたことにより解決される。この作用
プロフィールに基づき、本発明による物質は、抗炎症性
に有効な作用物質および抗アレルギー薬として、炎症性
またはアレルギー性疾患の治療のために適している。
【0006】本発明は、新規の、一般式I:
【0007】
【化25】
【0008】[式中、R1は、水素または低級アルキル
を表わし、R2は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低
級アルコキシ、ベンジルオキシまたはヒドロキシを表わ
し、R3は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級アル
コキシまたはヒドロキシを表わし、R4は、水素、低級
アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシを表わし、
5は、水素、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒ
ドロキシを表わし、R6は、水素または低級アルキルを
表わし、Yは、酸素または硫黄を表わし、nは1〜3の
数を表わし、Zは結合、CO基またはCH2基を表わ
し、Qは、窒素またはCH基を表わし、R7は、Qが窒
素を表わす場合、低級アルキルまたはハロゲンにより置
換されていてもよいピリジル基またはフェニル基を表わ
し、QがCH基を表わす場合、N−メチル−N−(4−
オキソ−3H−ピリミジン−2−イル)−アミノ基を表
わす]で示される化合物および生理学的に認容性の酸付
加塩に関する。
【0009】式Iの化合物中で、置換基が低級アルキル
基を表わすまたは含有する場合、このアルキル基は直鎖
または分枝鎖であることができ、特に1〜4個、有利に
1〜2個の炭素原子を含有し、有利にメチルである。置
換基がハロゲンを表わすかまたはハロゲン置換基を含有
する場合、特にフッ素、塩素または臭素、有利にフッ素
または塩素が挙げられる。
【0010】置換基R1は、水素または低級アルキルを
表わし、有利に低級アルキル、特にメチルを表わす。三
環式環骨格のベンゼン環は、有利に非置換であるか、ま
たは7または8位に1箇所置換されている。置換基とし
て、特に、低級アルコキシ、有利にメトキシ、ヒドロキ
シ、または同様にハロゲン、有利に塩素またはフッ素が
適している。5−フェニル置換基は有利に4位で遊離ヒ
ドロキシ基を有する。従って、R6は有利に水素を表わ
す。R6が低級アルキルを表わす場合、これは有利にメ
チルである。環員のYは有利に酸素を表わす。
【0011】(CH2n−Z−鎖は、有利に2〜3個の
炭素原子を有する鎖、特にエチレン鎖またはプロピレン
鎖またはオキソプロピレン鎖を表わす。
【0012】置換基R7がピリジル基を表わす場合、こ
れは非置換であるかまたは低級アルキルまたはハロゲン
により置換されていてもよい。たとえば低級アルキル、
特にメチルにより置換されたかまたは非置換のピリジル
基が有利である。ピリジン−2−イル基が有利に挙げら
れ、これは場合により置換されていてもよい。特に有利
であるのは4−メチルピリジン−2−イルである。
【0013】式Iの化合物は、環骨格の2位にキラル炭
素原子を含有し、多様な光学活性鏡像体形でまたはラセ
ミ体として存在する。本発明は、式Iの化合物のラセミ
混合物ならびに純粋な光学活性異性体を包括する。
【0014】本発明により、式Iの新規の化合物および
その酸付加塩は、次の公知の方法により得られる: a) 一般式Ia:
【0015】
【化26】
【0016】[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
n、Y、QおよびR7は前記のものを表わし、Z′は、
結合またはCH2基を表わす]で示される化合物の製造
のために、一般式IIa:
【0017】
【化27】
【0018】[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
n、Z′およびYは前記のものを表わし、Xはアミノリ
シスにより分割可能な脱離基を表わす]で示される化合
物を、一般式III:
【0019】
【化28】
【0020】[式中、QおよびR7は前記したものを表
わす]で示される化合物と反応させるかまたは b) 一般式Ib:
【0021】
【化29】
【0022】[式中、R2、R3、R4、R5、R6、Y、
n、QおよびR7は前記のものを表わし、R1′は低級ア
ルキルを表わす]で示される化合物の製造のために、一
般式IVa:
【0023】
【化30】
【0024】[式中、R1′、R2、R3、R4、R5
6、Yおよびnは前記のものを表わす]で示される化
合物を、式IIIの化合物と反応させるかまたは c) 一般式Ic:
【0025】
【化31】
【0026】[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
Yおよびnは前記のものを表わし、R7′は場合により
低級アルキルまたはハロゲンにより置換されたピリジル
基またはフェニル基を表わす]で示される化合物の製造
のために、一般式Id:
【0027】
【化32】
【0028】[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6
Y、nおよびR7′は前記のものを表わす]で示される
化合物を還元するかまたは d) 一般式Ie:
【0029】
【化33】
【0030】[式中、R2、R3、R4、R5、R6、Y、
n、Z、QおよびR7は前記のものを表わす]で示され
る化合物の製造のために、一般式V:
【0031】
【化34】
【0032】[式中、R2、R3、R4、R5、R6、Y、
n、Z、QおよびR7は前記のものを表わし、R8は低級
アルキルを表わす]で示される化合物から、COOR8
基を分割するかまたは e) 一般式If:
【0033】
【化35】
【0034】[式中、R1′、R2、R3、R4、R5
6、Y、n、Z、QおよびR7′は前記のものを表わ
す]で示される化合物の製造する場合、一般式VI:
【0035】
【化36】
【0036】[式中、R2、R3、Y、n、Zおよび
7′は前記のものを表わす]で示される化合物を、一
般式VIIa:
【0037】
【化37】
【0038】[式中、R1′、R4、R5およびR6は前記
のものを表わす]で示される化合物と反応させ、式Iの
得られた化合物において、所望の場合、メトキシ置換基
2、R3、R4、R5、および/またはOR6をヒドロキ
シに変換するおよび/またはベンジルオキシ置換基R2
をヒドロキシに変換し、式Iの得られた化合物を、所望
の場合、その酸付加塩に変換するか、またはその酸付加
塩を式Iの遊離化合物に変換する。
【0039】次に記載する反応の場合、一般に、出発化
合物中の遊離フェノール性ヒドロキシ基を、反応の間
に、再度容易に分割可能な保護基により保護し、引き続
きこの保護基を再度分割するのが有利である。保護基と
して、引き続き公知の方法で、加溶媒分解的または加水
分解的に再度分割することができる公知の保護基を選択
することができる。フェノール性OH基に対して再度容
易に分割可能な有利な保護基は、たとえば、E.マクオ
ミー「有機化学における保護基」プレンナム出版、19
71年(E. McOmie "Protective Groups in Organic Ch
emistry" PlenumPress 1971)に記載されている。場合
によるフェノール性ヒドロキシ基のための保護基とし
て、たとえば公知のエーテル保護基、たとえば低級アル
キル基または場合により置換されたベンジル基を選択す
ることができる。保護基はもちろん、保護すべき化合物
中に含まれる他の基を配慮しながら、引き続き分子中に
含まれる他の基を攻撃しない条件下で、保護基を容易に
分割することができるように選択しなければならない。
【0040】方法a)による式IIaの化合物と、式I
IIの化合物との反応は、アミンのアルキル化について
常用の方法により実施することができる。この反応は、
有利に反応条件下で不活性な有機溶剤中で、塩基性の条
件下で実施される。
【0041】式IIaの化合物中のアミノリシスにより
分割可能な基として、ハロゲン、たとえば塩素、臭素ま
たはヨウ素またはアシルオキシ基O−E(その際、Eは
低級アルカノイル基または有機スルホン酸基を表わ
す)、たとえば低級アルカンスルホン酸基、たとえばメ
タンスルホン酸基または芳香族スルホン酸基、たとえば
ベンゼンスルホン酸基または低級アルキルまたはハロゲ
ンにより置換されたベンゼンスルホン酸基またはブロモ
ベンゼンスルホン酸基が適している。たとえばトルエン
スルホン酸基が特に適している。不活性有機溶剤とし
て、特に非プロトン性溶剤、有利にジメチルホルムアミ
ドおよびたとえば芳香族炭化水素、たとえばトルエン、
キシレンまたはベンゼン、環状エーテル、たとえばジオ
キサン、低級アルカノール、たとえばエタノールまたは
前記した溶剤からの混合物が適している。有利に高めた
温度、たとえば50〜120℃の温度で作業する。有利
にこの反応は、生成する酸の捕捉のために十分な量の有
機または無機塩基を添加しながら実施する。しかし、式
IIIの化合物の過剰量を使用することもでき、これは
不活性塩基として利用される。たとえば適当な有機塩基
は、第3級有機アミン、特に第3級低級アルキルアミ
ン、たとえばトリエチルアミン、トリプロピルアミン、
N−低級アルキルモルホリンまたはN−低級アルキルピ
ペラジンである。適当な有機塩基は、特にアルカリ金属
炭酸塩またはアルカリ金属重炭酸塩である。
【0042】式IVaの酸と、式IIIのアミンとの反
応は、アミノアシル化によるアミド原子団の形成のため
に常用の方法により実施することができる。このよう
に、式IIIのアミノ化合物と、式IVaの酸との反応
は、有利にアミド形成のために適当なペプチド化学から
公知のカップリング試薬の存在で実施することができ
る。遊離酸を用いたアミド形成を、反応性酸誘導体の形
成下でその場で酸と反応させることにより促進するカプ
リング試薬の例として、特に前記のカルボニルジイミダ
ゾールまたはアルキルカルボジイミド、たとえばシクロ
アルキルカルボジイミド、たとえばジシクロヘキシルカ
ルボジイミドおよびN−低級アルキル−2−ハロゲンピ
リジニウム塩、特に、ハロゲン化物またはトシレート、
たとえばN−メチル−2−クロロピリジニウムヨージド
(たとえば、Mukajama in Angew. Chemie 91 789-812参
照)、またはクロロギ酸低級アルキルエステルである。
カプリング試薬の存在での反応は、有利に−30℃〜+
50℃の温度で、有利に室温付近で、非極性、非プロト
ン性有機溶剤、たとえばハロゲン化炭化水素、たとえば
ジクロロメタンおよび/または環状エーテル、たとえば
テトラヒドロフランおよび/または芳香族溶剤中で、場
合により酸結合アミンの存在で実施することができる。
所望の場合に、式IVaの酸は、まず公知の方法で反応
性酸誘導体、特に酸ハロゲン化物、混合酸無水物または
エステルに変換され、次に、これを公知の方法で式II
Iの化合物と反応させることができる。
【0043】方法c)による式Idのアミド化合物の還
元は、アミドの還元のために通常の方法により行うこと
ができる。還元剤として、アミド還元に有効な錯体の金
属水素化物、特にボラン錯体、特にテトラヒドロフラン
中のボラン/テトラヒドロフラン錯体、または同様に水
素化アルミニウム、たとえば水素化アルミニウムリチウ
ムまたはナトリウム−ビス(2−メトキシエトキシ)ア
ルミニウムヒドリドまたは水素化ホウ素リチウムが適し
ている。この反応は、反応条件下で不活性の十分に水不
含の有機溶剤中で行われる。溶剤として、たとえば環状
エーテル、たとえばテトラヒドロフランまたはジオキサ
ンまたは開鎖エーテル、たとえばジエチルエーテル、エ
チレングリコールジメチルエーテルまたはジエチレング
リコールジメチルエーテルが、場合により、芳香族炭化
水素、たとえばベンゼンまたはトルエンとの混合物の形
で適している。この反応温度は、使用する還元剤の種類
に応じて、0〜反応混合物の沸点まで変えることができ
る。たとえば、テトラヒドロフラン中での、室温から反
応混合物の沸点までの温度でのボラン/テトラヒドロフ
ラン錯体を用いた還元が有利である。
【0044】方法d)による一般式Vの化合物からのC
OOR8基の分割は、公知の方法で、COOR8基をまず
塩基性条件下で加水分解し、引き続きこの加水分解生成
物を脱炭酸する。COOR8基の加水分解は、有利に式
Vの化合物を、無機塩基、たとえばアルカリ金属水酸化
物と、プロトン性溶剤、たとえば低級アルコール、たと
えばエタノールまたはアルコール水混合物中で行う。加
水分解のための反応温度は、室温と溶剤の沸点との間に
ある。得られた酸は、引き続き150〜200℃の間の
温度で加熱することにより脱炭酸する。この脱炭酸は、
溶剤なしでまたは相応する高沸点溶剤中で実施される。
この反応時間は1〜12時間である。三環式環骨格の2
位にある側鎖中での場合によるアミド原子団は、塩基性
加水分解および引き続く脱炭酸の前記の条件下で攻撃さ
れない。
【0045】方法e)による式VIのヒドラジン化合物
と、式VIIaのカルボニル化合物との反応は、公知の
方法で、たとえばこれらの化合物をフィッシャーのイン
ドール合成の条件下で相互に反応させる。この反応は、
酸性媒体中で50〜100℃の間の温度で加熱すること
により行うことができる。たとえばこの反応は、水と混
合可能の酸含有有機溶剤中で、たとえば水性塩酸、臭化
水素酸、硫酸またはリン酸を用いて、または同様に有機
酸、たとえば有機スルホン酸、たとえばトルエンスルホ
ン酸を用いて酸性にされた有機溶剤、たとえば低級アル
コールまたは酢酸中で実施される。この反応温度は、約
25〜90℃の間にある。
【0046】R6O基および/または置換基R2、R3
4および/またはR5がメトキシを表わす式Iの化合物
において、メトキシ基はメトキシアリールエーテルの分
割のために適した方法を用いて、公知の方法でヒドロキ
シ基に分割される。たとえばエーテル分解は、酸不含有
機溶剤、特にハロゲン化炭化水素、たとえばジクロロメ
タンまたは低沸点脂肪族炭化水素、たとえばn−ペンタ
ン中の三臭化ホウ素を用いた処理により行うことができ
る。脱メチルは、他の脱メチル化剤、たとえばヨードト
リメチルシラン、ルイス酸、たとえば三塩化アルミニウ
ム、または三フッ化ホウ素ジメチルチオエーテル錯体を
用いて、ハロゲン含有炭化水素、たとえばジクロロメタ
ンまたはクロロホルム中で実施することもできる。ベン
ジルオキシ基R2は、所望の場合に、公知の方法で、た
とえば触媒的加水分解によりヒドロキシ基に変換するこ
とができる。
【0047】式Iの化合物は、公知の方法により、反応
混合物から単離し、精製することができる。酸付加塩
は、通常の方法で、遊離塩基に変換することができ、所
望の場合に、この遊離塩基は薬理学的に認容性に酸付加
塩に変換することができる。
【0048】式Iの化合物の薬理学的に許容できる酸付
加塩として、無機酸、たとえばハロゲン化水素酸、特に
塩酸、硫酸またはリン酸または有機酸、たとえば低級脂
肪族モノ−またはジカルボン酸、たとえばマレイン酸、
フマル酸、乳酸、酒石酸または酢酸、スルホン酸、たと
えば低級アルカンスルホン酸、たとえばメタンスルホン
酸または場合によりベンゼン環中でハロゲンまたは低級
アルキルにより置換されたベンゼンスルホン酸、たとえ
ばp−トルエンスルホン酸またはシクロヘキシルアミン
スルホン酸が適している。
【0049】式Iの化合物の合成の際に式IIa、IV
a、VまたはVIの出発化合物のラセミ体を使用する場
合、式Iの化合物はラセミ体の形で得られる。出発化合
物の光学活性形から出発すると、式Iの光学活性化合物
が得られる。式Iのこの光学活性化合物は、ラセミ混合
物から公知の方法で得ることもできる、たとえばキラル
分離材料でのクロマトグラフィーによる分離により、ま
たはZが結合またはCH2基を表わす式Iの化合物の場
合、適当な光学活性酸、たとえば酒石酸、マンデル酸ま
たは10−ショウノウスルホン酸と反応させ、引き続き
得られた塩を分別晶出することによりその光学活性対掌
体に分離する。次に、これは再度遊離塩基に変換するこ
とができる。ZがCO基を表わす場合、式Iの光学活性
化合物の製造のために、光学活性中間生成物から出発す
ることが有利である。中間生成物として利用する光学活
性酸誘導体、たとえば式IVの化合物は、適当な光学活
性アルコール、たとえばメタノールまたはオクタノー
ル、または光学活性アミン、たとえば1−(1−ナフチ
ル)エチルアミンまたは2−メチルベンジルアミンと反
応させることにより、相応するジアステレオ異性体のエ
ステル、アミドまたはアンモニウム塩を製造し、これを
公知の方法でクロマトグラフィーにより分離し、得られ
た鏡像体を再度遊離酸の形に変換することによりその酸
誘導体のラセミ混合物から公知の方法で得ることがで
る。
【0050】式II:
【0051】
【化38】
【0052】[式中、R2、R3、R4、R5、R6、Y、
n、Z′およびXは前記のものを表わし、R1″はR1
記載したものを表わすかまたは低級アルコキシカルボニ
ル基COOR8、その際、R8は前記のものを表わす]で
示される化合物は、新規の化合物であり、これは薬理学
的に有効な化合物、たとえば式Iの化合物を製造するた
めの有用な中間体である。
【0053】式IIの化合物は、公知の方法で、一般式
VIII:
【0054】
【化39】
【0055】[式中、R1″、R2、R3、R4、R5
6、Y、nおよびZ′は前記のものを表わす]で示さ
れる相応するアルコールから出発し、ヒドロキシ基を公
知の方法で脱離基に変換することにより得られる。従っ
て、式VIIIの化合物は、たとえばハロゲン基Xの導
入のために、塩化チオニルまたはリン酸ハロゲン化物、
たとえば三臭化リンを用いて、公知のように、反応条件
下で不活性の溶剤、たとえばハロゲン化炭化水素、たと
えばクロロホルム中で反応させることができる。スルホ
ン酸基Xは、公知のように、式VIIIの化合物をスル
ホン酸クロリド、有利にp−トルエンスルホン酸クロリ
ドを用いてアシル化することにより導入することができ
る。
【0056】式VIIIのアルコールは、新規の化合物
であり、これは薬理学的に活性の化合物の製造のための
有用な中間体である。一般式VIIIa:
【0057】
【化40】
【0058】[式中、R2、R3、R4、R5、R6、Y、
nおよびZ′は前記のものを表わし、R1″′は低級ア
ルキルまたはCOOR8基を表わす]で示されるアルコ
ールは、公知のように、一般式IX:
【0059】
【化41】
【0060】[式中、R2、R3、Y、nおよびZ′は前
記のものを表わす]で示されるヒドラジン化合物を、一
般式VII:
【0061】
【化42】
【0062】[式中、R1″′、R4、R5およびR6は前
記のものを表わす]で示されるカルボニル化合物と公知
のように縮合させることにより得られる。式IXの化合
物と、式VIIの化合物との反応は、たとえば、式VI
の化合物と式VIIaの化合物との反応のための方法
e)について前記した反応条件下で実施することができ
る。
【0063】R1″は水素を表わす式VIIIの化合物
の製造のために、場合によるCOOR8基を式VIII
aの化合物から公知のように分割することができる。こ
の分割は、たとえば方法d)による式Ieの化合物の製
造のために記載した方法で行われる。
【0064】一般式VIIIb:
【0065】
【化43】
【0066】[式中、R1′、R2、R3、R4、R5
6、Yおよびnは前記したものを表わす]で示される
アルコールは、一般式X:
【0067】
【化44】
【0068】[式中、R1′、R2、R3、R4、R5
6、Yおよびnは前記したものを表わす]で示される
相応するニトリル化合物から出発し、CN基を公知のよ
うにCH2OH基に変換することにより製造することが
できる。このため、式Xのニトリル化合物をまず公知の
ように、低級アルコール中での酸性の加溶媒分解によ
り、一般式XXa:
【0069】
【化45】
【0070】[式中、R1′、R2、R3、R4、R5
6、Yおよびnは前記のものを表わし、R9は低級アル
キルを表わす]で示される相応するエステルの形に変換
される。このため、低級アルコール中での式Xの化合物
の溶液を、有利にハロゲン水素ガスとして溶液中へ導通
させる酸、たとえばハロゲン水素酸で処理することがで
きる。
【0071】こうして得られた式XXaの化合物を、引
き続き公知のように還元することができる。還元剤とし
て、たとえばエステルをアルコールに還元することがで
きる水素化還元剤、たとえば式Idの化合物の還元のた
めに方法c)に記載したような還元剤、特に水素化アル
ミニウムリチウムまたはナトリウム−ビス(2−メトキ
シエトキシ)アルミニウムヒドリドが適している。この
還元は、通常の方法により、たとえば方法c)による式
Idの化合物の還元のために記載した反応条件で実施す
ることができる。特に、テトラヒドロフラン中での水素
化アルミニウムリチウムを用いた還元が有利である。
【0072】式IXの化合物は、公知のように、一般式
XI:
【0073】
【化46】
【0074】[式中、R2、R3、Y、nおよびZ′は前
記したものを表わす]で示される化合物から出発して得
ることができる。このため、式XIの化合物は、公知の
ように、亜硝酸ナトリウムを用いて処理することにより
一般式XII:
【0075】
【化47】
【0076】[式中、R2、R3、Y、nおよびZ′は前
記したものを表わす]で示される相応するN−ニトロソ
化合物に変換し、引き続きこれを式XIのヒドラジン化
合物に還元することができる。式XIIのニトロソ化合
物の還元のために、ニトロソ化合物を相応するヒドラジ
ン化合物に還元するために公知の全ての還元方法を使用
することができる。還元剤として、たとえばテトラヒド
ロフラン中での水素化アルミニウムリチウムまたは酸の
存在での金属の亜鉛粉末または亜二チオン酸ナトリウム
が適している。同様に、ニトロソ化合物を式IXのヒド
ラジンへ触媒により還元することもできる。式IXの化
合物は、一般式XIII:
【0077】
【化48】
【0078】[式中、R2、R3、YおよびR9は前記し
たものを表わし、n′は0〜3を表わす]で示されるエ
ステル化合物から出発し、まずこれを公知のように亜硝
酸ナトリウムを用いて処理することで、一般式XXX:
【0079】
【化49】
【0080】[式中、R2、R3、Y、n′およびR9
前記のものを表わす]で示される相応するN−ニトロソ
化合物に変換し、これを引き続き式IXのヒドラジン化
合物に還元することにより得ることもできる。式XXX
のニトロソ化合物の還元のために、ニトロソ官能基なら
びにカルボニル官能基を還元することができる還元剤が
使用される。特に水素化アルミニウムリチウムが挙げら
れる。式XXXの化合物中で、まずニトロソ官能基だけ
が、カルボニル官能基を攻撃しない還元剤、たとえば酸
の存在での金属亜鉛粉末を用いて還元され、引き続き、
こうして得られた一般式XXI:
【0081】
【化50】
【0082】[式中、R2、R3、Y、n′およびR9
前記のものを表わす]で示される化合物中のカルボニル
官能基を公知のように、たとえば水素化アルミニウムリ
チウムを用いてCH2OH基に還元する。
【0083】式XIのアルコールは、式XIIIのエス
テル化合物を公知のように還元することにより得ること
ができる。この還元は、たとえば式XXaのエステル化
合物の式VIIIbのアルコールへの還元について記載
した条件下で実施することができる。
【0084】一般式XIa:
【0085】
【化51】
【0086】[式中、R2、R3、Yおよびnは前記のも
のを表わす]で示されるアルコール化合物は、一般式X
IV:
【0087】
【化52】
【0088】[式中、R2、R3、Y、nおよびR9は前
記のものを表わす]で示される化合物を還元することに
より得ることもできる。この還元は、公知のように、エ
ステルを相応するアルコールに還元するために適した還
元剤を用いて行うことができる。たとえば環状エーテ
ル、たとえばテトラヒドロフラン中で、高めた温度、た
とえば反応混合物の沸騰温度で、水素化アルミニウムリ
チウムを用いて還元を実施することができる。この条件
で、環骨格のエステル基ならびにオキソ基が還元され
る。
【0089】一般式XIIIa:
【0090】
【化53】
【0091】[式中、R2、R3、YおよびR9は前記の
ものを表わす]で示されるエステル化合物は、式XIV
の化合物から、環骨格のオキソ基の選択的還元により得
ることができる。選択的還元剤として、たとえばジボラ
ンまたはテトラヒドロフラン中の水素化ホウ素/テトラ
ヒドロフラン錯体が適している。
【0092】一般式XIIIb:
【0093】
【化54】
【0094】[式中、R2、R3、YおよびR9は前記の
ものを表わす]で示される化合物は、一般式XV:
【0095】
【化55】
【0096】[式中、R2、R3およびYは前記のものを
表わす]で示される2−アミノフェノールまたは−チオ
フェノールから出発して、これを、一般式XVI:
【0097】
【化56】
【0098】[式中、R9は前記のものを表わす]で示
される2,3−ジブロモプロピオン酸低級アルキルエス
テルと反応させることにより得ることができる。この反
応は、公知のように、反応条件下で不活性な有機溶剤、
たとえばジメチルホルムアミド中で行うことができる。
この反応は、有利に、遊離酸の捕捉のために十分な量の
塩基、たとえばアルカリ金属炭酸塩を添加しながら実施
する。この反応温度は、室温と60℃との間にある。
【0099】式XIVの化合物は、一般式XVII:
【0100】
【化57】
【0101】[式中、R2、R3およびYは前記したもの
を表わす]で示される2−ニトロフェノールもしくはニ
トロチオフェノールから出発して、これを、まず一般式
XVIII:
【0102】
【化58】
【0103】[式中、nおよびR9は前記のものを表わ
す]で示される化合物と反応させて一般式XIX:
【0104】
【化59】
【0105】[式中、R2、R3、Y、nおよびR9は前
記のものを表わす]で示される化合物にし、引き続きこ
れを、水素化条件下で環化する。式XVIIの化合物と
式XVIIIの化合物との反応は、公知のように、フェ
ノールエーテル形成のために通常の条件下で行うことが
できる。式XIXの化合物の引き続く環化は、公知のよ
うに、触媒的水素化の条件下で行うことができる。この
ように、反応条件下で不活性な有機溶剤、有利に低級ア
ルコール中の化合物を、水素化触媒の存在で、水素と反
応させることができる。水素化触媒として、パラジウム
触媒、特にパラジウム/炭素、または白金触媒またはロ
ジウム触媒が適している。置換基R2′および/または
3がハロゲンであるような場合にとって、後者のもの
が有利である。
【0106】一般式XIVa:
【0107】
【化60】
【0108】[式中、R2、R3、YおよびR9は前記の
ものを表わす]で示される化合物は、式XVのアミノフ
ェノールもしくはアミノチオフェノールから出発し、こ
れを低級アルコールR9OH中で無水マレイン酸と反応
させることにより得られる。この反応は、有機塩基、た
とえば第3級低級アルキルアミンの存在で、高めた温
度、有利に反応混合物の沸点で実施することができる。
【0109】式XVのアミノフェノールおよびアミノチ
オフェノールは、公知であり、公知のように、たとえば
式XVIIの相応するニトロフェノールまたはニトロチ
オフェノールの反応により得ることができる。式XVI
Iの化合物は公知であり、公知のように、公知のフェノ
ールまたはチオフェノールのニトロ化により得ることが
できる。
【0110】式IIIの化合物は公知であり、公知のよ
うにまたは公知の方法と同様に製造することができる。
【0111】一般式IV:
【0112】
【化61】
【0113】[式中、R1″′、R2、R3、R4、R5
6、Yおよびnは前記のものを表わす]で示される酸
およびその酸誘導体は、薬理学的に活性の化合物、たと
えば式Iの化合物の製造のために有用な中間生成物であ
る新規の化合物である。式IVの酸は、公知のように、
一般式XX:
【0114】
【化62】
【0115】[式中、R1″′、R2、R3、R4、R5
6、Y、nおよびR9は前記のものを表わす]で示され
る相応するエステルの加水分解により得られる。
1″′が、COOR8基を表わす場合、側鎖中のエステ
ル基COOR9の加水分解のための反応条件は、環結合
COOR8基の同時の加水分解を避けるように温和に選
択しなければならない。
【0116】式XXの化合物は、一般式XXIa:
【0117】
【化63】
【0118】[式中、R2、R3、Y、nおよびR9は前
記のものを表わす]で示される化合物を、式VIIの化
合物と反応させることにより得ることができる。この反
応は、公知のように、式VIの化合物を式VIIaの化
合物と反応させる方法e)に記載した反応条件下で実施
することができる。式XX(式中、R1″′が低級アル
キルを表わす)の化合物は、式Xの相応するニトリルか
ら得られる。
【0119】式Vの化合物は、薬理学的に活性の化合
物、たとえば式Iの化合物の製造のための有用な中間体
を表わす新規の化合物である。この化合物は公知の方法
により製造することができる。
【0120】一般式Va:
【0121】
【化64】
【0122】[式中、R2、R3、R4、R5、R6、Y、
n、Z′、Q、R7およびR8は前記のものを表わす]で
示される化合物は、式IIb:
【0123】
【化65】
【0124】[式中、R2、R3、R4、R5、R6、Y、
n、Z′、R8およびXは前記のものを表わす]で示さ
れる化合物を、式IIIの化合物と反応させることによ
り得ることができる。この反応は、アミノアルキル化の
ために通常の方法により、たとえば、式IIaの化合物
と式IIIの化合物との反応について方法a)に記載さ
れた条件下で実施することができる。
【0125】一般式Vb:
【0126】
【化66】
【0127】[式中、R2、R3、R4、R5、R6、Y、
n、Q、R7およびR8は前記のものを表わす]で示され
る化合物は、一般式IVb:
【0128】
【化67】
【0129】[式中、R2、R3、R4、R5、R6、Y、
nおよびR8は前記のものを表わす]で示される酸を、
式IIIの化合物と反応させることにより得られる。こ
の反応はアミド形成のために通常の方法により、たとえ
ば方法b)で式IVaの化合物と式IIIの化合物との
反応について記載した条件下で行うことができる。
【0130】Z′がメチレン基を表わす式Vaの化合物
をテトラヒドロフラン中でジボランまたは水素化ホウ素
/テトラヒドロフラン錯体を用いて還元することにより
得られる。この反応条件下でCOOR8基は攻撃されな
い。
【0131】一般式Vc:
【0132】
【化68】
【0133】[式中、R2、R3、R4、R5、R6、Y、
n、Z、R7′およびR8は前記のものを表わす]で示さ
れる化合物は、式VIの化合物と一般式IVb:
【0134】
【化69】
【0135】[式中、R4、R5、R6およびR8は前記の
ものを表わす]で示される化合物とを反応させることに
より得ることもできる。この反応は、方法e)による式
VIの化合物と、式VIIaの化合物との反応のために
記載した条件下で行うことができる。
【0136】式VIの化合物は、薬理学的に活性の化合
物を製造するための有用な中間体を表わす新規の化合物
である。この化合物は公知の方により製造することがで
きる。たとえば式VIの化合物は、一般式XXII:
【0137】
【化70】
【0138】[式中、R2、R3、Y、n、Zおよび
7′は前記のものを表わす]で示される化合物から出
発して得ることができる。このため、式XXIIの化合
物を、公知のように、亜硝酸ナトリウムで処理すること
により相応するN−ニトロソ化合物に変換し、引き続き
これを還元して式VIのヒドラジン化合物にする。ニト
ロソ化合物の生成および引き続く還元は、公知のよう
に、式XIの化合物から出発する式IXの化合物の製造
および式XIIIの化合物から出発して式XXIの化合
物の製造のために前記した条件下で行うことができる。
【0139】一般式XXIIa:
【0140】
【化71】
【0141】[式中、R2、R3、Y、nおよびR7′は
前記のものを表わす]で示される化合物は、一般式XX
III:
【0142】
【化72】
【0143】[式中、R2、R3、Y、nおよびR7′は
前記のものを表わし、Z″はCH2基またはCO基を表
わす]で示される化合物を還元することにより得ること
ができる。この還元は、公知の方法により、前記した式
XIVの化合物を式XIIIaの化合物に還元するため
に記載した条件下でジボランまたはテトラヒドロフラン
中の水素化ホウ素/テトラヒドロフラン錯体を用いて行
うことができる。この還元の場合、場合によるCO基の
Z″は同様に還元される。
【0144】式XXIIb:
【0145】
【化73】
【0146】[式中、R2、R3、Y、n、Z′およびR
7′は前記のものを表わす]で示される化合物は、一般
式XXIV:
【0147】
【化74】
【0148】[式中、R2、R3、Y、nおよびZ′は前
記のものを表わし、X′はハロゲン、有利に臭素を表わ
す]で示される化合物を、一般式IIIa:
【0149】
【化75】
【0150】[式中、R7′は前記のものを表わす]で
示される化合物と反応させることにより得ることができ
る。この反応は、アミノアルキル化のために通常の方法
により行うことができ、たとえば式IIaの化合物を式
IIIの化合物と方法a)により反応させるために記載
された反応条件下で実施することができる。
【0151】ZがCO基を表わす式XXIIの化合物
は、式XIIIaのエステルを加水分解して相応する酸
にし、これを式IIIaの化合物と反応させることによ
り得ることができる。
【0152】Z″が(CH2)基を表わす式XXIII
の化合物は、一般式XXV:
【0153】
【化76】
【0154】[式中、R2、R3、Y、nおよびX′は前
記のものを表わす]で示される化合物を、式IIIaの
化合物とアミノアルキル化のために通常の条件下で反応
させることにより得ることができる。
【0155】Z″がCO基を表わす式XXIIIの化合
物は、式XIVのエステルを加水分解することにより得
られた酸から、式IIIaの化合物を用いて、アミノア
シル化のために通常の条件下で、たとえば方法b)に記
載した条件下で反応させることにより得ることができ
る。
【0156】式XXVの化合物は、式XVのアミノフェ
ノールもしくはアミノチオフェノールを、一般式XXV
I:
【0157】
【化77】
【0158】[式中、R9、nおよびX′は前記のもの
を表わす]で示される化合物と反応させることにより得
ることができる。この反応は、公知のように、反応条件
下で不活性の有機溶剤、たとえばアセトン中で実施する
ことができる。遊離する酸を捕捉するために適した無機
塩基、たとえばアルカリ金属炭酸塩を添加することは有
利であり、この反応は高めた温度で、たとえば反応混合
物の沸点で実施される。
【0159】式XXIVの化合物は、式XIIIの化合
物を還元して、一般式XXVII:
【0160】
【化78】
【0161】[式中、R2、R3、nおよびZ′は前記の
ものを表わす]で示される相応するアルコールにし、こ
の化合物中のヒドロキシ基を公知の方法でX′に変換す
ることにより得ることができる。式XIIIの化合物を
式XXVIIのアルコールに還元することは、たとえ
ば、式XXaの化合物から式VIIIbのアルコールを
製造するために記載した反応条件下で実施することがで
きる。ハロゲン基X′の導入は、式VIIIのアルコー
ルから式IIの化合物を製造するために記載した反応条
件下で実施することができる。
【0162】式VIIの化合物は公知であり、公知の方
法によりまたは公知の方法と同様に、たとえば一般式X
XIX:
【0163】
【化79】
【0164】[式中、R4、R5およびR6は前記のもの
を表わす]で示される化合物を、一般式XXVIII:
【0165】
【化80】
【0166】[式中、R1″′は前記のものを表わす]
で示される酸塩化物と反応させることにより製造するこ
とができる。
【0167】式XXIXの化合物中のR6が水素を表わ
す場合、式XXVIIIの酸塩化物との反応の際に、ま
ず相応するフェノール基が生成され、これを引き続き公
知のようにフリース転位の条件下で、たとえばニトロメ
タン中での塩化アルミニウムを用いて処理し、式VII
の化合物に変換することができる。
【0168】式Iの化合物およびその薬理学的に認容性
の酸付加塩は、有用な薬理特性により優れており、抗炎
症性および抗アレルギー性作用を有する。特に、この化
合物は、わずかな毒性および良好な適合性を有する喘息
性疾患の治療のために有効な作用プロフィールを示す。
【0169】喘息は、慢性の炎症性の肺疾患であり、こ
れは一時的に生じる気道の可逆的阻害により特徴付けら
れる。一般に、喘息性疾患および発作の誘発は、マスト
細胞として公知の実質性および間質性細胞タイプから出
発すると解されている。このマスト細胞には、あらかじ
め形成された炎症媒介物および痙攣発起点、特にヒスタ
ミンが含まれる。これは一連の膜脂質から誘導される媒
介物を新規に合成することもできる。マスト細胞は多数
の同伴細胞も共同して作用し、これらの全ての細胞は炎
症性および前炎症性媒介物を合成することができる。
【0170】アレルギーを引き起こす条件が存在しない
限り、マスト細胞はほとんど関与しない休止状態にあ
る。アレルギー性反応に対する鍵は、マスト細胞上の膜
結合IgE抗体に関する抗原の形成にある。この形成は
多様なIgE抗原を架橋させ、これがマスト細胞の活性
化を引き起こす。マスト細胞は、さらにあらかじめ形成
された媒介物、たとえばヒスタミンを放出し、新規の媒
介物、たとえばロイコトリエンを合成する。
【0171】喘息が炎症性の閉塞性の肺疾患であるた
め、この治療法は主に2つの方法に支持される:たとえ
ばβ−交感神経興奮剤、キサンチン誘導体およびコリン
作動抑制剤のような気管支拡張剤の投与;ジナトリウム
クロモグリシネートおよびステロイドのような抗炎症作
用物質の投与による;およびたとえばヒスタミンのよう
な特異的媒介物に対して標的を設定した治療による症候
性疾患の軽減である。この症候的疾患の緩和のための治
療は、喘息患者の約50%に適当であるが、しかし、そ
の原因である炎症を緩和することには寄与していない。
抗炎症性作用物質は炎症を阻止するが、しばしば不所望
な副作用を有し、これはしばしば気管支拡張剤と同時に
投与される。一つの特異的な媒介物に照準を合せた治療
は、完全に不十分である、それというのも多数の媒介物
が存在するためである。
【0172】本発明による物質は、抗炎症性に有効であ
り、急性気管支痙攣ばかりでなく、慢性の炎症の維持に
関与している一つ以上の3種類の媒介物タイプ、ヒスタ
ミン、ロイコトリエンおよび血小板凝集因子に照準を合
せて作用するか、または該当するターゲット細胞に対し
て媒介物特異的レセプターを介しても有効であることを
特徴とする。この場合、前記物質は、ロイコトリエンに
対する優れた作用成分により特徴付けられている所望の
作用プロフィールを示す。
【0173】この化合物の抗炎症性および抗アレルギー
性特性は、試験管内および生体内の薬理学的標準試験方
法において証明することができる。
【0174】試験方法の記載 1. ヒスタミンにより誘導されたアナフィラキシー様
の皮膚反応の阻害の測定ヒスタミンにより誘導されたア
ナフィラキシー様の皮膚反応の阻害の測定を、150〜
180gの体重を有するスプレージ−ダウレイ(Spragu
e-Dawley)ラットに関して行った。
【0175】ヒスタミン誘導性アナフィラキシー様皮膚
反応の測定のために、動物の脇腹にヒスタミン0.8m
g/mlを含有する生理食塩水50μlを注射した。そ
の直後、この動物に青色染料(Evan's Blue)26.4
mg/kgの溶液を静脈内に投与した。
【0176】試験物質を、ジメチルホルムアミド1容量
%および Tween(登録商標)20(=ポリオキシエチレン
(20)ソルビタンモノラウレート)1容量%を含有す
る蒸留水中に溶かした。ヒスタミン注射の1時間前にそ
れぞれの動物は、溶液0.5ml中の試験物質2×10
-5モル/kgを経口で適用された。対照グループはこれ
に対して溶剤のみを与えられた。
【0177】青色染料の浮腫、腫脹および滲出により示
されるヒスタミン誘導されたアナフィラキシー様の反応
は、ヒスタミン注射による刺激の30分後に評価した。
これは、浮腫形成箇所の青色染料の滲出の程度を視覚的
に測定することにより行った。比較スケールを用いて、
試験物質により引き起こされたアナフィラキシー様の反
応の阻害率を、試験物質を用いて治療していない対照動
物の反応と比較して測定した。
【0178】式Iの化合物を用いた前記の試験方法によ
り得られた結果を、次の表Aに記載した。式Iの化合物
について記載された実施例番号は、後に記載した製造実
施例に関連している。
【0179】 2. 最少毒性投与量の測定 20〜25gの体重のオスのマウスに、経口で試験物質
300mg/kgの最大投与量を投与した。この動物に
ついて3時間の間、注意深く毒性症状を観察した。投与
後の24時間にわたり、付加的に全ての症状および死亡
例を記録した。随伴症状も同様に観察し、記録した。死
亡かまたは著しい毒性症状が観察された場合、他のマウ
スはさらにより少ない投与量を投与される。死亡または
著しい毒性症状を引き起こす最少の投与量を、最少毒性
投与量として次の表Bに記載した。
【0180】 3. 試験管内での抗−P.A.F.−作用の測定 P.A.F.(=血小板活性因子=血小板凝集因子)は
リン脂質系の媒介物であり、これは多数の作用を有して
いる。血小板凝集の活性化は長期持続性の気管支収縮お
よび気道の過剰反応を誘導する。
【0181】この試験において、Mikashima et al.によ
り記載された方法(Jap. J. Pharmacol. 44 (1987) 387
-391)により、ウサギの血液から得られた血小板懸濁液
中でのP.A.F.の添加により誘導された血小板凝集
に関する試験物質の作用を試験した。
【0182】ウサギの血液から由来する血小板の懸濁液
を使用し、この懸濁液はpH7.4に調節された変性タ
イロード緩衝液(=CaCl21.3mM/lおよびゼ
ラチン2.5g/lを添加したタイロード溶液)中で4
×109の血小板を含有する。タイロード溶液とは、1
リットルあたりNaCl136.9mmol、KCl
2.68mmol、CaCl22.31mmol、Mg
Cl21.0mmol、NaHCO31.45mmol、
NaH2PO41.45mmolおよびグルコース5.5
5mmolを含有する水溶液である。血小板はそれぞれ
3匹のウサギ(ニュージーランドハイブリッド、体重3
〜4kg)の10mlの血液試料から濃縮した。このた
め、血液試料はエチレンジアミンテトラ酢酸で処理し、
Artley etal. (Brit. J. Haematol. 19 (1970), 7-1
7)の方法により洗浄した。その後、遠心分離(400
×gで20分間)により、最初に血小板に富んだ血漿を
分離した。1400×gで15分間のもう一度の遠心分
離により、血漿から血小板を分離した。遠心分離後に堆
積物中に残留する血小板をタイロード緩衝液(しかし、
カルシウムなし)中に再懸濁させる。その後、リシンア
セチルサリチレート0.4mmolを添加し、15分後
に血小板を再度堆積させる。この堆積物を前記した変性
タイロード緩衝液中に再懸濁させ、得られた懸濁液中の
血小板の数を、所望の含量に調節する。
【0183】40×10-9モルのP.A.F.溶液を試
薬として使用する。この溶液をクロロホルム中の1.8
×10-3モルの原液から製造する。このため、原液の1
0μlの試料を蒸発乾固し、再度、脂質不含のウシ血清
アルブミン0.25%を添加した変性タイロード緩衝液
180μlに溶かした。これから次に10-5モルの作業
溶液を製造し、凍結して保存する。試験のために、この
溶液の試料は相応して希釈される。
【0184】試験の実施のために、小さな磁気攪拌機を
備えた凝集管中で、変性タイロード緩衝液330μl
に、攪拌(1000UpM)しながら血小板溶液50μ
lおよび試験すべき化合物40×10-5モル溶液10μ
lを添加した。これは10-5モル/lの試験物質の最終
濃度に相当する。90秒の前インキュベート時間の後
で、P.A.F.調製物10μlを添加した。4〜5分
間に、凝集管中で生じた凝集を、コンピューター処理さ
れるアグレゴメーター(Aggregometer)を用いて測定し
た。
【0185】血小板懸濁液のみを含有する試験管中で生
じた凝集は、0%として評価する。P.A.F.により
誘導された血小板凝集の増大が生じる血小板懸濁液およ
びP.A.F.調製物を含有する試験管中で引き起こさ
れる凝集を100%として評価する。試験物質の添加後
に生じる凝集が測定され、これからP.A.F.により
誘導された凝集の増大の阻害率を%で算定した。
【0186】式Iの化合物を用いて前記した方法により
得られた結果を、次の表Cに記載した。
【0187】 表C 試験管内での抗−P.A.F.作用 試験物質 10-5モル/lの試験物質濃度で、ウサギの血液からの血小板の 例番号 P.A.F.により誘導された凝集の阻害率% 1 80 2 97 3 92 4 99 5 100 6 100 9 67 12 93 13 94 14 100 15 100 17 99 18 78 19 71 20 92 22 84 23 66 25 91 26 82 28 83 29 50 30 69 31 52 32 79 33 43 34 77 37 48 41 99 42 40 43 95 44 99 48 69 51 65 54 65 63 80 65 52 67 97 68 96 69 97 70 93 71 84 72 79 4. 5−リポキシゲナーゼ阻害の試験管内測定 4a. ラットの多形核白血球中の5−リポキシゲナー
ゼ活性の阻害の試験管内測定 細胞膜中に含有されるアラキドン酸が、多形核白血球
(=PMN)の活性後に放出される。その際、酵素5−
リポキシゲナーゼ(=5−LO)の作用下で、アラキド
ン酸代謝物が合成され、この代謝物はLTA4−ヒドロ
ラーゼによりロイコトリエンB4(=LTB4)に変換さ
れる。LTB4は、炎症性の刺激により酵素5−LOの
活性化の際に細胞膜中で進行するアラキドン酸物質代謝
の主要代謝物である。試験管内系中で、この代謝物はP
MNから分泌される。
【0188】5−リポキシゲナーゼ阻害特性の調査のた
めに、ラットの腹腔PNMに関するアラキドン酸誘導体
のロイコトリエンB4(=LTB4)の生合成に関する試
験物質の阻害作用を試験管内で測定した。このため、ラ
ットの腹腔PMNの培養基中のLTB4の含量を、J. Gi
llard et al., Can. J. Physiol. Pharmacol. 67 (198
9), 17に記載されたようにカルシマイシン(=カルシウ
ム−イオノフォアA23187)による刺激によって測
定された。
【0189】オスのスプレージ−ダウレイ(Sprague-Da
wley)ラットの腹腔PMN(体重200〜250g)を
含有する細胞懸濁液を、公知のように、次のように得
る:動物にナトリウムチオグリコラート27.9g/l
を含有する溶液6mlを腹腔内に注射し、炎症性の刺激
によりPMN移入を刺激する。22時間後に、動物を致
死のエーテル麻酔により殺した。その後、腹腔内へ、ハ
ンク(=Hank's Balanced Salt Solution=HBSS)によ
るが、Ca++−およびMg++イオンを含まず、クエン酸
ナトリウム0.2重量%を含有する塩溶液20mlを注
射した。蓄積した細胞の懸濁液を腹腔から取り出し、こ
の細胞を遠心分離(400×gで10分)により分離し
た。Ficoll-Paque(登録商標)(=メトリゾイン酸調製物
(Metrizoinsaeurezubereitung)、d=1077、Pharma
cia社の製品)の存在で再度遠心分離することにより細
胞が精製され、その後、Ca++−およびMg++イオンを
含有するHBSSで2回洗浄し、Hepes(=Hydrox
yethylpiperazinoethansulfonsaeure)10mMで緩衝
されたCa++−およびMg++イオンを含有するHBSS
に再懸濁させた。
【0190】試験の実施のために、プラスチック試験管
中で、ジメチルホルムアミド中の試験物質10μMを有
するPMN懸濁液(=5×106細胞)または対照試験
としてジメチルホルムアミドだけを有するもの0.7m
lのそれぞれの試料を、22℃で15分間インキュベー
トした。LTB4合成を試料中でカルシマイシン(最終
濃度5μM)の添加により開始させ、22℃で10分間
インキュベートした。対照の空試料には溶剤だけを添加
した。10分後に、この反応を冷たいメタノール0.3
mlの添加により停止させる。この試料を4℃で1時間
保持し、次いで遠心分離(10000×gで5分間)し
た。残留した液体を、逆相を用いる高圧液体クロマトグ
ラフィー(逆相HPLC)を用いてLTB4の含量を調
査した。このため、吸着体として5μM−C18−シラ
ン化したシリカゲルカラム(Hichrom(登録商標) ODS2
250×4.6mm)、溶離剤としてアンモニアでpH
5.7に調節したメタノール/水/酢酸の混合物(7
2:28:0.02v/v/v)を1ml/分の流動速
度で使用した。LTB4を、同じ時間で溶離する真の標
準溶液と比較することにより同定し、270nmの波長
で測定した。LTB4含量を校正した標準溶液との比較
から測定し、それから試験物質の阻害効果を、試験物質
を含有しない対照試料と比較してLTB4合成の阻害率
(%)を算定した。この試験法により得られた結果を次
の表Dに記載した。
【0191】 表D 試験物質 10-5モル/l試験物質濃度で、カルシウム−イオノフォア 例番号 A23187により刺激されたラット−PMNにおいての LTB4形成に関する試験管内での阻害作用(%) 2 89 3 96 4 100 9 86 12 100 13 98 14 90 15 94 16 60 19 45 20 75 21 42 23 92 24 73 26 67 27 90 28 48 30 100 31 81 32 98 33 90 34 95 35 79 36 89 37 100 38 97 39 98 40 82 41 100 43 66 44 100 49 88 52 53 55 63 56 76 57 85 58 64 62 66 65 64 67 100 68 90 69 100 70 68 71 100 72 100 73 100 74 100 75 51 4b モルモットの腹腔PMNから増殖した5−リポキ
シゲナーゼの阻害作用の試験管内測定 5−リポキシゲナーゼ阻害は、酵素に関する物質の直接
の阻害によりおよび/または酵素の活性化の妨害により
引き起こされる。試験4aにおいてラットのPMN細胞
中の物質の5−リポキシゲナーゼ阻害を調査する一方
で、試験4bにおいて、モルモットのPMN細胞から増
殖させた遊離5−LOに関する物質の阻害作用を、D. A
harony et al., J. Biol. Chem. 261(1986),11512-1151
9 (1986)の方法により試験した。
【0192】5−LOは、公知のように、ダンキン−ハ
ートレイ(Dunkin-Hartley)モルモット(体重400〜
500g)のPMNから次のように増殖した。これらの
動物にナトリウムチオグリコレート27.9g/lを含
有する溶液10mlを腹腔内注射し、この炎症性の刺激
によりPMN移入を刺激した。22時間後、これらの動
物を致死のエーテル麻酔により殺した。次に、腹腔中へ
Ca++イオンおよびMg++イオンを含まずかつクエン酸
ナトリウム0.2重量%を有するHBSS70mlを注
射した。細胞懸濁液(細胞の>80%がPNMである)
を腹腔から取り出し、チーズ用の濾布で濾過し、エチレ
ンジアミンテトラ酢酸0.5mM、ゼラチン1重量%お
よびインドメタシン20μMを含有するpH7.4のリ
ン酸カリウム緩衝溶液50mMで2回洗浄した。この細
胞を再懸濁させ、108細胞/mlを含有するPMN懸
濁液を氷浴で15秒につき3回、ラブソニック(Labson
ic(登録商標))のタイプの高速に調節したホモジナイ
ザ−中でホモジナイズドした。得られた懸濁液を4℃で
遠心分離した(10000xgで15分)。上澄液を、
遊離5−LO−酵素の溶液として試験のために使用し
た。
【0193】この試験はこの溶液の試料0.625ml
を用いて、37℃で7分間実施した。この試験のため
に、酵素溶液(=2.5×107個の細胞の当量)およ
び塩化カルシウム0.3mMを試験管内に入れた。この
試料に、試験物質10μモルを、ジメチルホルムアミド
がそれぞれの試験管内で0.5%の濃度になるような量
のジメチルホルムアミドに溶かして添加した。対照試料
はジメチルホルムアミドだけを添加した。2分後に、5
−(S)−ヒドロキシ6,8,11,14−エイコサテ
トラエノン酸(5−HETE)の形成が、アラキドン酸
10μMの添加により引き起こされた。5分後に、この
反応を酢酸メチル/メタノール/0.2Mクエン酸の混
合物(15:2:0.5v/v/v)0.625mlの
添加により停止させた。5−HETEをこの溶剤混合物
を使用しながら2回抽出した。5−HETE含有層を合
せ、窒素雰囲気下で蒸発乾固させた。この残分を、pH
5.7を有するメタノール/水/酢酸(75:21:
0.02v/v/v)の混合物中に収容し、この溶液を
逆相HPLCを用いて5−HETEに関する含量を調査
した。このため、吸着剤として、5μM−C18−シラ
ン化ケイ酸カラム(Hichrom(登録商標) ODS2, 250×
4.6 mm)および溶離剤としてアンモニアを用いてpH
5.7に調節したメタノール/水/酢酸(75:21:
0.02)の混合物を1ml/分の流動速度で使用し
た。20分後に1つのピークとして溶離した5−HET
Eを、同じ時間で溶離した標準溶液と比較することによ
り同定し、UV線検出器を使用しながら、235nmの
波長で測定した。量的測定は、得られたピーク−面と検
定した標準溶液の場合に生じたピーク−面との比較によ
り行った。試料の測定した5−HETE含量から、5−
HETE合成の%阻害で試験物質の阻害作用を、試験物
質を含有していない対照試料と比較して計算した。この
比較法を用いて得られた結果は、次の表Eに記載した。
【0194】 4c ヒトの血液中での5−リポキシゲナーゼ−阻害の
試験管内測定 ヒトの総合血液中でのカルシマイシン(Calcimycin)に
よる刺激により生じる5−LO活性に関する試験物質の
阻害を、P. Gresele et al. (Biochem. Biophys. Commu
n. 137 (1986), 334)に記載された方法により試験し
た。
【0195】試験の実施のために、ヒトの血液を、1m
lの血液あたり10単位のヘパリン含有する滅菌した5
0ml試験管中に集め、5〜10分間37℃でインキュ
ベートした。この血液の試料2mlに、それぞれ10μ
lのジメチルホルムアミドに溶かした試験物質を、試料
中で10μlモル/lの試験物質の最終濃度が達成され
るような量で添加した。対照試料に、10μlの溶剤だ
けが添加された。次いで、試料を10分間37℃でイン
キュベートした。LTB4−合成の刺激のために、次
に、試料に血漿200μlに溶かしたカルシマイシン
を、60μモル/lのカルシマイシン濃度が達成される
ような量で添加し、この試料をさらに30分間37℃で
インキュベートした。次いで、エチレングリコールテト
ラアセテート溶液200μl(100mmol/lの試
料中のエチレングリコールアセテートの濃度に相当)を
添加することにより反応を終了させた。この試料を10
分間氷浴中に保ち、次いで遠心分離した(1000×g
で5分)。反応時間の間に生成したLTB4を含有する
上澄液をそれぞれ分離し、その中に含有するタンパク質
を沈殿させるためにアセトン3mlを添加し、45分間
4℃で保持した。次いで、もう一度遠心分離し(150
0×gで5分)、上澄液を分離し、その中のLTB4
量を酵素によるイムノアッセイ(=EIA)を用いて公
知のように測定した。測定されたLTB4値から、LT
4合成の%阻害の形で、ヒトの総合血液中の試験物質
の阻害作用が、試験物質を含有しない対照試料との比較
して算定される。このテスト方法を用いて得られた結果
を次の表Fに記載した。
【0196】 前記したその作用に基づき、式Iの化合物は、大型の哺
乳動物、特にヒトのための抗炎症性および抗アレルギー
性作用の医薬として、炎症およびアレルギー疾患の治療
のために適している。本発明による経口で有効な化合物
は、多くの点で有効であることができる、それというの
もこの化合物は、炎症性の症状および喘息性の疾患に関
して関与している多様な主要な媒体に対して有効であ
る。
【0197】この作用プロフィールに基づき、本発明に
よる化合物は、アレルギー性の原因のおよび非アレルギ
ー性の原因の喘息疾患の治療の範囲内で、喘息性疾患と
結び付く症候群だけでなく、それと結び付く炎症をも減
少させることができる。使用すべき投与量は、個々に異
なることができ、もちろん治療すべき状態の種類、使用
する物質および適用形に応じて変えることができる。た
とえば、腸管外の調製剤は、一般に、経口の製剤よりも
少ない作用物質を含有する。しかし、一般に、大型の哺
乳動物、特にヒトに適用するために、1回の投与あたり
10〜250mgの作用物質含量を有する医薬形が適し
ている。
【0198】治療剤として、式Iの化合物は、常用の調
剤学的助剤と一緒にガレヌス調製剤、たとえば錠剤、カ
プセル剤、坐剤または溶液中に含有することができる。
これらのガレヌス調製剤は、公知の方法により、常用の
固体担持剤、たとえば乳糖、デンプンまたはタルク、ま
たは液体パラフィンを使用して、および常用の調剤学的
助剤、たとえば錠剤崩壊剤、溶解助剤または保存剤を使
用して製造することができる。
【0199】
【実施例】次の実施例は、本発明を詳細に説明するが、
本発明の範囲を制限するものではない。
【0200】新規物質の構造は、スペクトル分析調査に
より、特にIRおよびNMRスペクトルの分析によりお
よび元素分析により保証された。中間体の純度は薄層ク
ロマトグラフィーにより監視した。
【0201】例1:2,3−ジヒドロ−5−(4−メト
シキフェニル)−6−メチル−2−[2−(4−(4−
メチルピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル)
エチル]−ピロロ[1,2,3−de]−1,4−ベン
ゾオキサジン A) メタノール1l中の2−アミノフェノール76.
4gおよび無水マレイン酸68.6gの混合物を、室温
で攪拌した。トリエチルアミン100mlの添加後に、
黄色の物質が溶解し、この溶液を7時間還流温度で加熱
した。次いで、メタノールを減圧下で蒸発させ、残留し
た油状物を氷水中に注ぎ込んだ。この混合物をジクロロ
メタンで抽出し、有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥さ
せ、蒸発させた。残留した残分をエタノールから再結晶
させた。この場合、(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−
4H−1,4−ベンゾオキサジン−2−イル)酢酸メチ
ルエステル47.5gが、140℃の融点を有する白色
結晶として得られた。
【0202】B) 水素化アルミニウムリチウム12g
をテトラヒドロフラン300ml中に0℃に冷却しなが
らゆっくりと注ぎ込んだ。次いで、前の工程で得られた
エステル18gのテトラヒドロフラン200ml中の溶
液に滴加した。この反応混合物を、引き続き2時間加熱
還流させた。後処理のために、水12mlをゆっくり
と、引き続きテトラヒドロフラン100ml、4N水酸
化ナトリウム溶液12mlおよびもう1回水30mlを
添加した。この溶液を濾過し、残分をジエチルエーテル
で後洗浄した。この濾液を濃縮し、残留した残分をジク
ロロメタン中に溶かした。この溶液を硫酸ナトリウムで
乾燥し、濾過し、この溶剤を蒸発させた。4−H−2,
3−ジヒドロ−2−(2−ヒドロキシエチル)−1,4
−ベンゾオキサジン14.1gが油状物として得られ
た。
【0203】C) 前の工程で得られたアルコール12
gを、水100ml、氷50gおよび12N塩酸溶液1
0mlからなる混合物に注ぎ込んだ。この溶液に、0〜
5℃に冷却しながら、水10ml中の亜硝酸ナトリウム
4.3gの溶液を滴加した。添加の終了後に、反応混合
物の温度は20℃に上昇した。得られたペーストをトル
エンで抽出し、オレンジ色の抽出物を硫酸ナトリウムで
乾燥し、濃縮した。2,3−ジヒドロ−2−(2−ヒド
ロキシエチル)−4−ニトロソ−1,4−ベンゾオキサ
ジン14.6gが油状物として得られた。
【0204】D) 前の工程で得られたニトロソ化合物
を21gを、水素化アルミニウムリチウム8gを含有す
るテトラヒドロフラン100ml中に注ぎ込んだ。この
反応混合物を30分間室温で攪拌し、次いで、−10℃
に冷却した。後処理のために、順番に、水8ml、テト
ラヒドロフラン10mlおよび10%の水酸化ナトリウ
ム溶液15mlを添加した。この溶液を濾過し、残分を
ジクロロメタンで後洗浄した。濾液を硫酸ナトリウムで
乾燥し、濃縮した。4−アミノ−2,3−ジヒドロ−2
−(2−ヒドロキシエチル)−1,4−ベンゾオキサジ
ン17.3gが黄色の油状物として得られた。
【0205】E) 前の工程で得られたヒドラジン化合
物17.3gおよび4−メトシキプロピオフェノン1
6.1gをエタノール60ml中に溶かした。反応混合
物を2.5時間窒素雰囲気下で加熱還流させた。次い
で、この還流温度で12N塩酸溶液を、30分間にわた
り分配して滴加した。引き続き、この反応混合物を冷却
した。後処理のために、水100mlを添加し、ジクロ
ロメタンで抽出した。ジクロロメタン抽出液を硫酸ナト
リウムで乾燥させ、濃縮させた。2,3−ジヒドロ−2
−(2−ヒドロキシエチル)−5−(4−メトシキフェ
ニル)−6−メチル−ピロロ[1,2,3−de]−
1,4−ベンゾオキサジン16gが油状物として得られ
た。
【0206】F) ピリジン80ml中の前の工程で得
られたアルコール34gの約0℃に冷却した溶液に、塩
化トシル25gを添加した。次いで、この反応混合物を
5時間で60℃に加熱した。後処理のために、この反応
混合物を水に注ぎ込み、ジクロロメタンで抽出した。こ
の抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮させた。
2,3−ジヒドロ−2−[2−(p−トルエンスルホニ
ルオキシ)−エチル]−5−(4−メトシキフェニル)
−6−メチルピロロ[1,2,3−de]−1,4−ベ
ンゾオキサジン47.5gが油状物として得られた。
【0207】G) 前の工程で得られたトシル化合物1
5.5gおよび1−(4−メチルピリジン−2−イル)
−ピペラジン6gからの混合物を、ジメチルホルムアミ
ド5ml中で6時間で90℃に加熱した。次いで、後処
理のためにこの反応混合物を水50mlに注ぎ込んだ。
目的化合物を、この混合物からジクロロメタンを用いて
抽出し、酢酸エチル/シクロヘキサン1:1を使用して
カラムクロマトグラフィーにより精製し、引き続きエタ
ノールから晶出させた。目的化合物2.3gが165℃
の融点を有する白色粉末として得られた。
【0208】例2:2,3−ジヒドロ−5−(4−ヒド
ロキシフェニル)−6−メチル−2−[2−(4−(4
−メチルピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イ
ル)エチル]−ピロロ[1,2,3−de]−1,4−
ベンゾオキサジン 2,3−ジヒドロ−5−(4−メトシキフェニル)−6
−メチル−2−[2−(4−(4−メチルピリジン−2
−イル)ピペラジン−1−イル)−エチル]−ピロロ
[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジン(製
造は例1を参照)を、無水のジクロロメタン5ml中で
窒素雰囲気下で溶かした。この溶液を0〜5℃に冷却
し、次いで三臭化ホウ素1.5gを1回で添加した。こ
の反応混合物を、引き続き3時間室温で攪拌した。次い
で反応混合物を再度0〜5℃に冷却し、メタノール10
mlを添加し、この反応混合物をもう一度30分間室温
で攪拌し、次いで蒸発させた。残分をアンモニア水溶液
(pH=8/9)20ml中に溶かし、この溶液をジク
ロロメタンで抽出した。抽出液を乾燥し、濾過し、濃縮
した。残分として残留した粗製目的化合物をカラムクロ
マトグラフィーによりトルエン/エタノール95:5を
用いて精製し、イソプロパノールから晶出させた。2,
3−ジヒドロ−5−(4−ヒドロキシフェニル)−6−
メチル−2−[2−(4−(4−メチルピリジン−2−
イル)−ピペラジン−1−イル)−エチル]−ピロロ
[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジン0.
5H2O1.5gが、213〜214℃の融点を有する
白色粉末として得られた。
【0209】例3:2,3−ジヒドロ−5−(4−ヒド
ロキシフェニル)−7−メトシキ−6−メチル−2−
[2−(4−(4−メチルピリジン−2−イル)−ピペ
ラジン−1−イル)−エチル]−ピロロ[1,2,3−
de]−1,4−ベンゾオキサジン A) テトラヒドロフラン120ml中の4−メトシキ
フェノール12.4gを、室温で攪拌しながら硝酸6.
3gに滴加した。次いで、反応混合物を30分間攪拌し
た。引き続き溶剤を蒸発させ、残留した残分を、クロマ
トグラフィーにより溶離剤としてジクロロメタンを使用
して精製した。2−ニトロ−4−メトシキフェノール
6.2gが72℃の融点を有する黄色の粉末として得ら
れた。
【0210】B) 2−ニトロ−4−メトシキフェノー
ル40gを、窒素雰囲気下で遮光して、水200mlお
よび35%の水酸化ナトリウム溶液200mlの混合物
中で攪拌した。この反応混合物にナトリウムチオスルフ
ェート100gを添加し、この混合物をさらに2時間室
温で攪拌した。後処理のために、この反応混合物を12
N塩酸の添加により中和し、酢酸エチル500mlで数
回抽出した。有機抽出液を水500mlで2回洗浄し、
乾燥し、濾過し、蒸発させた。2−アミノ−4−メトシ
キフェノール30gが残分として得られ、さらに精製せ
ずに継続処理した。
【0211】C) 2−アミノ−4−メトシキフェノー
ル30gをマレイン酸無水物と、例1A)に記載した方
法により反応させた。(6−メトシキ−3−オキソ−
2,3−ジヒドロ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−
2−イル)−酢酸メチルエステルが油状物として得られ
た。
【0212】D) 前の工程で得られたエステル13g
を、例1B)に記載した方法により、水素化アルミニウ
ムリチウムを用いてテトラヒドロフラン中で還元した。
4H−2,3−ジヒドロ−2−(2−ヒドロキシエチ
ル)−6−メトシキ−1,4−ベンゾオキサジン10.
5gが油状物として得られた。
【0213】E) 前の工程で得られた生成物10.5
gを、例1C)に記載した方法によりニトロソ化した。
2,3−ジヒドロ−2−(2−ヒドロキシエチル)−6
−メトシキ−4−ニトロソ−1,4−ベンゾオキサジン
8gが油状物として得られた。
【0214】F) 前の工程で得られたニトロソ化合物
8gを、例1D)に記載された方法により還元した。4
−アミノ−2,3−ジヒドロ−2−(2−ヒドロキシエ
チル)−6−メトシキ−1,4−ベンゾオキサジン4g
が粘着性の化合物として得られた。
【0215】G) 前の工程で得られたヒドラジン化合
物4gを4−ヒドロキシプロピオフェノンと、例1E)
に記載した方法により反応させた。2,3−ジヒドロ−
2−(2−ヒドロキシエチル)−5−(4−ヒドロキシ
フェニル)−7−メトシキ−6−メチル−ピロロ[1,
2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジン2.4g
が、190℃の融点を有する白色の固体として得られ
た。
【0216】H) 前の工程で得られたアルコール2.
4gを、例1F)に記載した方法により相応するトシレ
ートに変換した。2,3−ジヒドロ−5−(4−ヒドロ
キシフェニル)−7−メトシキ−6−メチル−2−(2
−(p−トルエンスルホニルオキシ)−エチル)−ピロ
ロ[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジン
2.3gが油状物として得られた。
【0217】I) 前の工程で得られた生成物2.3g
を、例1G)に記載した方法により、1−[2−(4−
メチルピリジル)ピペラジンと反応させた。得られた粗
製目的化合物をジエチルエーテルから晶出させた。目的
化合物0.3gが、193〜195℃の融点を有する黄
色の粉末として得られた。
【0218】例4:2,3−ジヒドロ−7−ヒドロキシ
−5−(4−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−2−
[4−(4−メチルピリジン−2−イル)−ピペラジン
−1−イル)−エチル]−ピロロ[1,2,3−de]
−1,4−ベンゾオキサジン 2,3−ジヒドロ−5−(4−ヒドロキシフェニル)−
7−メトシキ−6−メチル−2−[2−(4−(4−メ
チルピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル)−
エチル]−ピロロ[1,2,3−de]−1,4−ベン
ゾオキサジン(製造は例3参照)0.1gを、例2に記
載した方法により、三臭化ホウ素で処理することにより
脱メチルした。目的化合物0.03gが、250℃の融
点(分解)を有する白色粉末として得られた。
【0219】例5:2,3−ジヒドロ−5−(4−メト
シキフェニル)−6−メチル−2−[4−(4−メチル
ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イルメチル]
−ピロロ[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオキサ
ジン A) 2−アミノフェノール68gを炭酸カリウム43
0gおよびジメチルホルムアミド1lからの混合物に添
加した。反応混合物を30分間室温で攪拌した。次いで
2,3−ジブロモプロピオン酸エチルエステル208g
を滴加し、引き続き反応混合物をさらに12時間45℃
の温度で攪拌した。後処理のために、この反応混合物を
濾過し、濾液を水2lに注ぎ込んだ。この混合物を酢酸
エチル800mlで3回抽出し、有機抽出物を乾燥し、
濾過しおよび蒸発させた。4H−2,3−ジヒドロ−
1,4−ベンゾオキサジン−2−カルボン酸エチルエス
テル110gが油状物として得られた。
【0220】B) 前の工程で得られたエステル100
gを、例1B)に記載した方法と同様に、テトラヒドロ
フラン中で水素化アルミニウムリチウムを用いて還元さ
れた。4H−2,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシメチル
−1,4−ベンゾオキサジン56gが油状物として得ら
れた。
【0221】C) 前の工程で得られた生成物56g
を、例1C)に記載した方法によりニトロソ化した。
2,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシメチル−4−ニトロ
ソ−1,4−ベンゾオキサジン40gが油状物として得
られた。
【0222】D) 前の工程で得られたニトロソ化合物
40gを例1D)に記載した方法により、テトラヒドロ
フラン中の水素化アルミニウムリチウムを用いて還元し
た。4−アミノ−2,3−ジヒドロ−2−ヒドロキシメ
チル−1,4−ベンゾオキサジン24.5gが粘着性の
化合物として得られた。
【0223】E) 前の工程で得られたヒドラジン化合
物24.5gを例1E)に記載した方法により、4−メ
トシキプロピオフェノンと反応させた。2,3−ジヒド
ロ−2−ヒドロキシメチル−5−(4−メトシキフェニ
ル)−6−メチル−ピロロ[1,2,3−de]−1,
4−ベンゾオキサジン34gが油状物として得られた。
【0224】F) 前の工程で得られたアルコール34
gを、例1F)に記載した方法により、相応するトシレ
ートに変換した。2,3−ジヒドロ−5−(4−メトシ
キフェニル)−6−メチル−2−(p−トルエンスルホ
ニルオキシメチル)−ピロロ[1,2,3−de]−
1,4−ベンゾオキサジン50gが油状物として得られ
た。
【0225】G) 前の工程で得られたトシル化合物1
2gを、例1G)に記載した方法により、1−(4−メ
チルピリジン−2−イル)−ピペラジンと反応させた。
目的化合物5gが260℃の融点を有する白色粉末とし
て得られた。
【0226】例6:2,3−ジヒドロ−5−(4−メト
シキフェニル)−6−メチル−2−[3−(4−(4−
メチルピリジン−2−イル)−3−オキソプロピル]−
ピロロ[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジ
ン A) 2,3−ジヒドロ−2−[2−(p−トルエンス
ルホニルオキシ)−エチル]−5−(4−メトシキフェ
ニル)−6−メチル−ピロロ[1,2,3−de]−
1,4−ベンゾオキサジン(製造は例1F)参照)1
3.7gを、熱いジメチルスルホキシド50ml中に窒
素雰囲気下で溶かした。80℃に加熱した反応混合物
に、カリウムシアニド2.2gを添加し、この混合物を
さらに6時間攪拌した。後処理のために、反応混合物を
冷却した後に氷水に注ぎ込んだ。生じた褐色の固体を濾
過し、ジクロロメタンに溶かした。有機溶液を水で洗浄
し、乾燥し、蒸発させた。残分として残留した粗製生成
物を、カラムクロマトグラフィーにより、溶離剤として
ジクロロメタンを用いて精製した。2,3−ジヒドロ−
2−(2−シアノエチル)−5−(4−メトシキフェニ
ル)−6−メチルピロロ[1,2,3−de]−1,4
−ベンゾオキサジン9.1gが、113〜114℃の融
点を有する白色固体として得られた。
【0227】B) エタノール15ml中の前の工程で
得られたニトリル化合物1.9gの溶液中に、ガス状の
塩化水素を導通し、反応混合物を2時間還流で煮沸し
た。次いで、水3mlを添加し、さらに5時間攪拌しな
がら加熱還流させた。後処理のために、この混合物に、
室温に冷却した後に水50mlを添加した。反応生成物
をジクロロメタンで抽出し、カラムクロマトグラフィー
により、溶離剤として石油エーテル/ジエチルエーテル
70:30を用いて精製した。3−[2,3−ジヒドロ
−5−(4−メトシキフェニル)−6−メチル−ピロロ
[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジン−2
−イル]−プロピオン酸エチルエステル2.2gが、1
54℃の融点を有する白色固体として得られた。
【0228】C) エタノール10ml中の前の工程で
得られたエステル2.2gの溶液に、水2ml中の水酸
化カリウム3.5gの溶液を添加した。この反応混合物
を1時間加熱還流させた。次いで、この反応混合物を室
温に冷却し、水20mlで希釈した。得られた溶液を1
0%の塩酸の添加により酸性にし、ジクロロメタンで抽
出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させ
た。3−[2,3−ジヒドロ−5−(4−メトシキフェ
ニル)−6−メチル−ピロロ[1,2,3−de]−
1,4−ベンゾオキサジン−2−イル]−プロピオン酸
1.6gが白色固体として得られた。
【0229】D) 前の工程で得られた酸1.6gを、
窒素雰囲気下で無水のジクロロメタン10ml中に溶か
した。この溶液にカルボニルジイミダゾール0.73g
を添加し、次いで、この反応混合物を室温で1時間攪拌
した。引き続き、1−(4−メチルピリド−2−イル)
−ピペラジン1gを添加し、この反応混合物を1時間加
熱還流させた。次いで、この反応混合物を室温で冷却
し、アルカリ性に調節した水(pH=12)で洗浄し
た。引き続き、有機相を乾燥させ、濾過し、濃縮した。
残留した残分を、カラムクロマトグラフィー(溶離剤:
1〜8容量%に増加する量のエタノールを含有するジク
ロロメタン)により精製した。2,3−ジヒドロ−5−
(4−メトシキフェニル)−6−メチル−2−[3−
(4−(4−メチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジ
ン−1−イル)−3−オキソプロピル]−ピロロ[1,
2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジン0.2H2
O2gが、82〜83℃の融点を有する白色結晶として
得られた。
【0230】例7:2,3−ジヒドロ−5−(4−メト
シキフェニル)−6−メチル−2−[3−(4−(4−
メチルピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル)
−プロピル]−ピロロ[1,2,3−de]−1,4−
ベンゾオキサジン 2,3−ジヒドロ−5−(4−メトシキフェニル)−6
−メチル−2−[3−(4−(4−メチルピリジン−2
−イル)−ピペラジン−1−イル)−3−オキソプロピ
ル]−ピロロ[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオ
キサジン(製造は例6参照)1gを、窒素雰囲気下で、
水不含のテトラヒドロフラン15ml中に溶かした。こ
の溶液に、1モルのボラン−テトラヒドロフラン錯体1
2mlを添加した。この反応混合物を攪拌し、2時間加
熱還流させた。次いで、6N塩酸溶液25mlを添加
し、この反応混合物を24時間攪拌した。形成された沈
殿物をアルカリ性に調節した水(pH=12)中に溶か
し、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出液を乾燥さ
せ、蒸発させた。残留した粗製生成物をカラムクロマト
グラフィーにより2%エタノールを含有するジクロロメ
タンを溶離剤として用いて精製した。精製された目的化
合物を、そのジヒドロクロリド塩に変換するために、3
Nイソプロパノール性塩酸溶液中に注ぎ込んだ。2,3
−ジヒドロ−5−(4−メトシキフェニル)−6−メチ
ル−2−[3−(4−(4−メチルピリジン−2−イ
ル)ピペラジン−1−イル)−プロピル]−ピロロ
[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジン2H
Cl0.7H2Oが、248〜249℃の融点を有する
黄色の結晶として得られた。
【0231】例8:2,3−ジヒドロ−5−(4−メト
シキフェニル)−6−メチル−2−[2−(4−(4−
メチルピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル)
−2−オキソエチル]−ピロロ[1,2,3−de]−
1,4−ベンゾオキサジン A) (3−オキソ−2,3−ジヒドロ−4H−1,4
−ベンゾオキサジン−2−イル)−酢酸メチルエステル
(製造は例1A参照)92gを、ジクロロメタン300
ml中に懸濁させた。この懸濁液に、テトラヒドロフラ
ン中のボランテトラヒドロフラン錯体の1モル溶液43
0mlを添加した。この反応混合物を室温で48時間攪
拌した。次いで、35%の塩酸溶液250mlを反応混
合物に添加し、さらに2時間攪拌した。この反応混合物
を、10%のアンモニア溶液の添加により中和し、ジク
ロロメタンで抽出した。有機抽出物を水で洗浄し、乾燥
させ、濾過し、濃縮した。残分として残留した油状物を
アセトン500mlに溶かした。イソプロパノール性塩
酸溶液を添加し、+5℃に冷却することにより、溶液か
ら(2,3−ジヒドロ−4H−ベンゾオキサジン−2−
イル)酢酸メチルエステル−ヒドロクロリドが生じた。
このヒドロクロリド70gは結晶性固形物として得られ
た。
【0232】B) 前記した化合物70gを、例1C)
において記載した方法によりニトロソ化した。(2,3
−ジヒドロ−4−ニトロソ−1,4−ベンゾオキサジン
−2−イル)−酢酸メチルエステル65gが油状物とし
て得られた。
【0233】C) 水150ml中の亜鉛60gの懸濁
液に、酢酸700ml中の前の工程で得られたニトロソ
化合物60gの溶液を添加し、この反応混合物を12時
間攪拌した。引き続き、蒸発させ、残留した残分をジク
ロロメタン1lに溶かした。有機溶液をアルカリ性に調
節された水(pH=9)500mlで2回、引き続き中
性の水1lで2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾
過し、濃縮した。残留した粗製生成物をカラムクロマト
グラフィーにより1〜10容量%に増加する量のメタノ
ールを含有するジクロロメタンを溶離剤として使用して
精製した。(4−アミノ−2,3−ジヒドロ−1,4−
ベンゾオキサジン−2−イル)−酢酸メチルエステル2
5gが油状物として得られた。
【0234】D) 前の工程で得られたヒドラジン化合
物25gを、例1E)に記載した方法により、4−メト
シキプロピオフェノンと反応させ、その際、反応媒体と
してメタノールを使用した。この反応混合物を例1E)
に記載したように後処理した。(2,3−ジヒドロ−5
−(4−メトシキフェニル)−6−メチル−ピロロ
[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジン−2
−イル)−酢酸メチルエステル10gが油状物として得
られた。
【0235】E) 前の工程で得られたエステル10g
を例6C)に記載された方法により加水分解した。得ら
れた酸をカラムクロマトグラフィーにより0〜10容量
%に増加する量のメタノールを含有する酢酸エチルを溶
離剤として使用して精製した。2,3−ジヒドロ−5−
(4−メトシキフェニル)−6−メチルピロロ[1,
2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジン−2−イ
ル)−酢酸3.2gが粘着性の残留物として得られた。
【0236】F) 前の工程で得られた酸3.2gを例
6D)に記載した方法により1−(4−メチルピリジン
−2−イル)]ピペラジン3gと反応させた。得られた
赤色の目的化合物をカラムクロマトグラフィーにより0
〜10容量%に増加する量のメタノールを含有する酢酸
エチルを用いて精製した。目的化合物1.7gが油状物
として得られた。NMRスペクトル(60MHz、s=
一重線、d=二重線、m=多重線、br=広幅): 7.9
ppm (d,1H), 7.4 - 6.1 ppm (m,9H), 4.7 ppm (br s,3
H), 3.8 ppm (s,3H), 3.6 - 3 ppm (m,8H), 2.7 - 2.5
ppm (m,2H), 2.3- 2 ppm (2s,6H)。
【0237】例9:2,3−ジヒドロ−5−(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−2
−[4−(4−(4−メチルピリジン−2−イル)−ピ
ペラジン−1−イル)−4−オキソブチル]−ピロロ
[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジン A) ジメチルホルムアミド100ml中の2−ニトロ
フェノール15.4g、2−ブロモアジピン酸ジメチル
エステル31g(アジピン酸ジメチルエステルをテトラ
クロロメタン中のN−ブロモスクシンイミドを用いて過
酸化ベンゾイルの存在で、J. Org. Chem. 18 (1953) 6
49 - 652に記載した方法により製造)および炭酸カリウ
ム46gからなる混合物を40℃で4時間攪拌しながら
加熱した。後処理のために、この反応混合物を濾過し、
濾液を水200ml中に注ぎ込み、反応生成物を酢酸エ
チル100mlでそれぞれ3回抽出し、カラムクロマト
グラフィーによりジクロロメタンを溶離剤として使用し
て精製した。2−(2−ニトロフェノキシ)−アジピン
酸ジメチルエステル28gが油状物として得られた。
【0238】B) メタノール300ml中の前の工程
で得られた生成物13.5gの溶液に、パラジウム/炭
素−触媒0.7g(炭素上の10%の触媒)を添加し
た。次いで、室温で4バールの水素圧で5時間水素化し
た。引き続き、この反応混合物を触媒から濾別し、蒸発
させた。4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−4H−
1,4−ベンゾオキサジン−2−イル)酪酸メチルエス
テル9gが油状物として得られた。
【0239】C) 前の工程で得られた生成物11.5
gを、例8A)に記載した方法により、ホウ素テトラヒ
ドロフラン錯体を用いて還元した。4−(2,3−ジヒ
ドロ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−2−イル)酪
酸メチルエステル5gが油状物として得られた。
【0240】D) 前の工程で得られた生成物5gを例
1C)で記載した方法により、亜硫酸ナトリウムを用い
て反応させることによりニトロソ化した。4−(2,3
−ジヒドロ−4−ニトロソ−1,4−ベンゾオキサジン
−2−イル)−酪酸メチルエステル5gが油状物として
得られた。
【0241】E) 前の工程で得られたニトロソ生成物
5gを、例8C)に記載した方法により亜鉛/酢酸で還
元した。4−(4−アミノ−2,3−ジヒドロ−1,4
−ベンゾオキサジン−2−イル)酪酸メチルエステル
4.5gが粘着性の化合物として得られた。
【0242】F) 前の工程で得られた生成物4.5g
を、(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ)プロピオフ
ェノン(Bul. Soc. Chim. Fra., 1977, 901 - 905 R.
Martinに記載された方法により、2,6−ジメチルフェ
ノールを、ジクロロメタン中で、トリエチルアミンの存
在で、プロピオン酸クロリドと反応させ、引き続き、精
製した2,6−ジメチルフェノール−プロピオン酸エス
テルを、ニトロメタン中で三塩化アルミニウムで処理す
ることにより製造)と、例1E)に記載した方法により
反応させた。4−[2,3−ジヒドロ−5−(3,5−
ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−ピ
ロロ[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジン
−2−イル]−酪酸2gが粘着性の生成物として得られ
た。
【0243】H) 前の工程で得られた酸2gを1−
(4−メトシキピリジン−2−イル)−ピペラジンと、
例6D)に記載した方法により、ジクロロメタン中で、
カルボニルジイミダゾールの存在で反応させた。目的化
合物0.8gが112℃の融点を有する白色結晶として
得られた。
【0244】例10:2,3−ジヒドロ−5−(4−メ
トシキフェニル)−2−[2−(4−(4−メチルピリ
ジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)エチル]−ピ
ロロ[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジン A) ジクロロメタン120ml中のメトシキベンゼン
7.2gの溶液を氷浴中で0℃にれ脚した。次いで、ゆ
っくりと三塩化アルミニウム22gを添加した。溶液の
色が黄色からロゼ色に変化した。引き続き、マロン酸モ
ノエチルエステルクロリド10gを添加し、その際、溶
液の色はロゼ色から褐色に変化した。この反応混合物を
30分間加熱還流させ、次いで氷/水混合物中に注ぎ込
み、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出液を水で洗浄
し、乾燥し、濾過し、蒸発させた。3−(4−メトシキ
フェニル)−3−オキソプロピオン酸エチルエステル
4.5gが油状物として得られた。
【0245】B) 前の工程で得られたエステル9g
を、4−アミノ−2,3−ジヒドロ−2−(2−ヒドロ
キシエチル)−1,4−ベンゾオキサジン8g(製造は
例1D参照)と例1E)に記載された方法により反応さ
せた。得られた粗製生成物を、カラムクロマトグラフィ
ーにより1%のエタノール含有ジクロロメタンを溶離剤
として使用して精製した。2,3−ジヒドロ−2−(2
−ヒドロキシエチル−5−(4−メトシキフェニル)−
ピロロ[1,2,3−de]−ベンゾオキサジン−6−
カルボン酸メチルエステル6gが油状物として得られ
た。
【0246】C) 前の工程で得られた化合物6gを例
1F)に記載された方法により、ピリジン中でp−トル
エンスルホン酸クロリドと反応させた。粗製の2,3−
ジヒドロ−5−(4−メトシキフェニル)−2−[2−
(p−トルエンスルホニルオキシ)エチル]−ピロロ
[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジン−6
−カルボン酸エチルエステル8gが、粘着性の固体とし
て得られ、これはさらに精製せずに継続処理された。
【0247】D) 前の工程で得られたトシレート8g
を、例1G)に記載した方法により、1−(4−メチル
ピリジン−2−イル)−ピペラジン4gと、ジメチルホ
ルムアミド中で反応させた。得られた反応生成物を、ジ
エチルエーテルからの晶出により精製した。2,3−ジ
ヒドロ−5−(4−メトシキフェニル)−2−[2−
(4−(4−メチルピリジン−2−イル)−ピペラジン
−1−イル)−エチル]−ピロロ[1,2,3−de]
−1,4−ベンゾオキサジン−6−カルボン酸エチルエ
ステル1.8gが、149〜150℃の融点を有する白
色粉末として得られた。
【0248】E) 前の工程で得られたエステル0.5
gを、エタノール10ml中の水酸化カリウム0.1g
と共に3時間加熱還流させた。引き続き、溶剤を蒸発さ
せ、残留した残分を170℃で8時間加熱した。次い
で、残分を酢酸エチル20ml中に溶かし、この溶液を
水10mlでそれぞれ2回洗浄し、カラムクロマトグラ
フィーにより精製した。こうして得られた目的化合物
を、3Nイソプロパノール性の塩酸で処理してそのジヒ
ドロクロリドに変換した。2,3−ジヒドロ−5−(4
−メトシキフェニル)−2−[2−(4−(4−メチル
ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル)−エチ
ル]−ピロロ[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオ
キサジン2HCl1.5H2O0.3gが、200℃の
融点(分解)を有する褐色粉末として得られた。
【0249】例11:2,3−ジヒドロ−5−(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−
2−[3−(4−(4−メチルピリジン−2−イル)−
ピペラジン−1−イル)−プロピル]1,4−ベンゾオ
キサジン A) 2−アミノフェノール24g、2,5−ジブロモ
吉草酸メチルエステル55gおよび炭酸カリウム30g
をアセトン250ml中で5時間加熱還流させた。後処
理のために、この反応混合物をジエチルエーテル250
mlで希釈し、水200mlで洗浄し、12N塩酸溶液
でpH=1にまで酸性にした。有機相を分離し、水10
0mlでそれぞれ2回洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残
分をメタノールから晶出させた。2−(3−ブロモプロ
ピル)−2H−1,4−ベンゾオキサジン−3(4H)
−オン11gが得られた。
【0250】B) 前の工程で得られた生成物8.5g
を、1−(4−メチルピリジン−2−イル)−ピペラジ
ン5.6gおよびトルエン80ml中のトリエチルアミ
ン3.5gと一緒に1時間加熱還流させた。後処理のた
めに、反応混合物を水50mlで2回洗浄し、濃縮し
た。残留した残分を、カラムクロマトグラフィーにより
溶離剤として酢酸エチルを使用して精製した。2−[3
−(4−(4−メチルピリジン−2−イル)−ピペラジ
ン−1−イル)−プロピル]−2H−1,4−ベンゾオ
キサジン−3(4H)−オン10gが、粘着性の化合物
として得られた。
【0251】C) 前の工程で得られた化合物10g
を、例1B)に記載した方法により、テトラヒドロフラ
ン中の水素化アルミニウムリチウムを用いて還元した。
4H−2,3−ジヒドロ−2−[3−(4−(4−メチ
ルピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル)−プ
ロピル]−1,4−ベンゾオキサジン9gが油状物とし
て得られた。
【0252】D) 前の工程で得られた化合物9gを、
亜硝酸ナトリウムを用いて、例1C)に記載された方法
によりニトロソ化した。2,3−ジヒドロ−2−[3−
(4−(4−メチルピリジン−2−イル)−ピペラジン
−1−イル)−プロピル]−4−ニトロソ−1,4−ベ
ンゾオキサジン8gが油状物として得られた。
【0253】E) 前の工程で得られた化合物8gを、
例1D)に記載された方法により、テトラヒドロフラン
中で水素化アルミニウムリチウムで還元した。4−アミ
ノ−2,3−ジヒドロ−2−[3−(4−(4−メチル
ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル)−プロ
ピル]−1,4−ベンゾオキサジン6gが得られた。
【0254】F) 前の工程で得られた生成物6gおよ
び(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ)−4−プロピ
オフェノン3gをエタノール60ml中に溶かした。こ
の反応混合物を窒素雰囲気下で2.5時間加熱還流させ
た。次いで、同じ温度で12N塩酸溶液10mlをを、
1時間にわたり分配して滴加した。後処理のために、反
応混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有
機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮させ
た。得られた粗製生成物を、ジエチルエーテル/N−ヘ
キサン1:1の混合物から晶出させた。目的化合物5g
が110℃の融点を有する白色粉末として得られた。
【0255】前記した例において記載さ入れた方法に従
って、次の表1に記載された式Iの化合物も製造するこ
とができる。
【0256】
【表1】
【0257】
【表2】
【0258】
【表3】
【0259】
【表4】
【0260】
【表5】
【0261】
【表6】
【0262】前記表中、pyrid-2=ピリジン−2−イ
ル、bi=結合、phen=フェニル、opyrim=4−オキソ−
3H−ピリミジン−2−イル、BA=塩基、HCl=ヒドロ
クロリド、Z=分解を表わす。
【0263】例I:2,3−ジヒドロ−5−(4−ヒド
ロキシフェニル)−6−メチル−2−[2−(4−(4
−メチル−ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イ
ル)−エチル]−ピロロ[1,2,3−de]−1,4
−ベンジルオキサジンを含有する錠剤 錠剤を、錠剤1個あたり次の組成で製造した: 2,3−ジヒドロ−5−(4−ヒドロキシフェニル)−6−メチル−2−[2 −(4−(4−メチルピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル)−エチル] −ピロロ[1,2,3−de]−1,4−ベンゾオキサジン 20mg コーンスターチ 60mg 乳糖 135mg ゼラチン(10%溶液として) 6mg 作用物質、コーンスターチおよび乳糖を10%ゼラチン
溶液で濃厚にした。このペーストを粉砕し、生じた顆粒
を適当なドラムに入れ、45℃で乾燥させた。乾燥した
顆粒を粉砕機に導入し、ミキサー中で次の助剤と混合し
た: タルク 5mg ステアリン酸マグネシウム 5mg コーンスターチ 9mg 次にこれを240mgの錠剤にプレス成形した。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0194
【補正方法】変更
【補正内容】
【0194】 4c ヒトの血液中での5−リポキシゲナーゼ−阻害の
試験管内測定 ヒトの総合血液中でのカルシマイシン(Calcimy
cin)による刺激により生じる5−LO活性に関する
試験物質の阻害を、P.Gresele etal.
(Biochem.Biophys.Commun.1
37(1986),334)に記載された方法により試
験した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 513/06 8415−4C (72)発明者 パトリス デモンショ フランス国 シャタラン シュール シャ ラロン アヴェニュ クレマン デゾルメ 27 (72)発明者 パトリク ルノワール フランス国 ロマーン レ ブリュイェー ル (番地なし)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式I: 【化1】 [式中、R1は、水素または低級アルキルを表わし、R2
    は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、
    ベンジルオキシまたはヒドロキシを表わし、R3は、水
    素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒ
    ドロキシを表わし、R4は、水素、低級アルキル、低級
    アルコキシまたはヒドロキシを表わし、R5は、水素、
    低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシを表わ
    し、R6は、水素または低級アルキルを表わし、Yは、
    酸素または硫黄を表わし、nは1〜3の数を表わし、Z
    は結合、CO基またはCH2基を表わし、Qは、窒素ま
    たはCH基を表わし、R7は、Qが窒素を表わす場合、
    低級アルキルまたはハロゲンにより置換されていてもよ
    いピリジル基またはフェニル基を表わし、QがCH基を
    表わす場合、N−メチル−N−(4−オキソ−3H−ピ
    リミジン−2−イル)−アミノ基を表わす]で示される
    化合物および生理学的に認容性の酸付加塩。
  2. 【請求項2】 R2は水素、ハロゲン、低級アルキル、
    低級アルコキシまたはヒドロキシを表わす請求項1記載
    の化合物。
  3. 【請求項3】 R6は水素を表わす請求項1または2記
    載の化合物。
  4. 【請求項4】 Yは酸素原子を表わす請求項1から3ま
    でのいずれか1項記載の化合物。
  5. 【請求項5】 R1は低級アルキルを表わす請求項1か
    ら4までのいずれか1項記載の化合物。
  6. 【請求項6】 Qは窒素を表わし、R7は低級アルキル
    またはハロゲンにより置換されていてもよいピリジル基
    を表わす請求項1から5までのいずれか1項記載の化合
    物。
  7. 【請求項7】 R7が4−メチルピリジ−2−イル基を
    表わす請求項6記載の化合物。
  8. 【請求項8】 薬理作用量の請求項1記載の化合物およ
    び調剤学的に常用の助剤および/または担持剤を含有す
    る抗アレルギー作用を有する医薬。
  9. 【請求項9】 一般式I: 【化2】 [式中、R1は、水素または低級アルキルを表わし、R2
    は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、
    ベンジルオキシまたはヒドロキシを表わし、R3は、水
    素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒ
    ドロキシを表わし、R4は、水素、低級アルキル、低級
    アルコキシまたはヒドロキシを表わし、R5は、水素、
    低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシを表わ
    し、R6は、水素または低級アルキルを表わし、Yは、
    酸素または硫黄を表わし、nは1〜3の数を表わし、Z
    は結合、CO基またはCH2基を表わし、Qは、窒素ま
    たはCH基を表わし、R7は、Qが窒素を表わす場合、
    低級アルキルまたはハロゲンにより置換されていてもよ
    いピリジル基またはフェニル基を表わし、QがCH基を
    表わす場合、N−メチル−N−(4−オキソ−3H−ピ
    リミジン−2−イル)−アミノ基を表わす]で示される
    化合物およびその生理学的に認容性の酸付加塩の製造方
    法において、一般式Ia: 【化3】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、n、Y、Qお
    よびR7は前記のものを表わし、Z′は結合またはCH2
    基を表わす化合物を製造するために、一般式IIa: 【化4】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、n、Z′およ
    びYは前記のものを表わし、Xはアミノリシスにより分
    割可能な脱離基を表わす]で示される化合物を一般式I
    II: 【化5】 [式中、QおよびR7は前記のものを表わす]で示され
    る化合物と反応させ、得られた式Iの化合物中で、所望
    の場合に、メトキシ置換基R2、R3、R4、R5および/
    またはOR6をヒドロキシに変換し、および/またはベ
    ンジルオキシ置換基R2をヒドロキシに変換し、および
    得られた式Iの化合物を、所望の場合に、その酸付加塩
    に変換し、またはその酸付加塩を式Iの遊離化合物に変
    換することを特徴とする一般式Iの化合物の製造方法。
  10. 【請求項10】 一般式I: 【化6】 [式中、R1は、水素または低級アルキルを表わし、R2
    は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、
    ベンジルオキシまたはヒドロキシを表わし、R3は、水
    素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒ
    ドロキシを表わし、R4は、水素、低級アルキル、低級
    アルコキシまたはヒドロキシを表わし、R5は、水素、
    低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシを表わ
    し、R6は、水素または低級アルキルを表わし、Yは、
    酸素または硫黄を表わし、nは1〜3の数を表わし、Z
    は結合、CO基またはCH2基を表わし、Qは、窒素ま
    たはCH基を表わし、R7は、Qが窒素を表わす場合、
    低級アルキルまたはハロゲンにより置換されていてもよ
    いピリジル基またはフェニル基を表わし、QがCH基を
    表わす場合、N−メチル−N−(4−オキソ−3H−ピ
    リミジン−2−イル)−アミノ基を表わす]で示される
    化合物およびその生理学的に認容性の酸付加塩の製造方
    法において、一般式Ib: 【化7】 [式中、R2、R3、R4、R5、R6、Y、n、Qおよび
    7は前記のものを表わし、R1′は低級アルキル基を表
    わす]で示される化合物を製造するために、一般式IV
    a: 【化8】 [式中、R1′、R2、R3、R4、R5、R6、Yおよびn
    は前記のものを表わす]の化合物を、一般式III: 【化9】 [式中、QおよびR7は前記のものを表わす]で示され
    る化合物と反応させ、得られた式Iの化合物中で、所望
    の場合に、メトキシ置換基R2、R3、R4、R5および/
    またはOR6をヒドロキシに変換し、および/またはベ
    ンジルオキシ置換基R2をヒドロキシに変換し、および
    得られた式Iの化合物を、所望の場合に、その酸付加塩
    に変換し、またはその酸付加塩を式Iの遊離化合物に変
    換することを特徴とする一般式Iの化合物の製造方法。
  11. 【請求項11】 一般式I: 【化10】 [式中、R1は、水素または低級アルキルを表わし、R2
    は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、
    ベンジルオキシまたはヒドロキシを表わし、R3は、水
    素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒ
    ドロキシを表わし、R4は、水素、低級アルキル、低級
    アルコキシまたはヒドロキシを表わし、R5は、水素、
    低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシを表わ
    し、R6は、水素または低級アルキルを表わし、Yは、
    酸素または硫黄を表わし、nは1〜3の数を表わし、Z
    は結合、CO基またはCH2基を表わし、Qは、窒素ま
    たはCH基を表わし、R7は、Qが窒素を表わす場合、
    低級アルキルまたはハロゲンにより置換されていてもよ
    いピリジル基またはフェニル基を表わし、QがCH基を
    表わす場合、N−メチル−N−(4−オキソ−3H−ピ
    リミジン−2−イル)−アミノ基を表わす]で示される
    化合物およびその生理学的に認容性の酸付加塩の製造方
    法において、一般式Ic: 【化11】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、Yおよびnは
    前記のものを表わし、R7′は低級アルキルまたはハロ
    ゲンにより置換されていてもよいピリジル基またはフェ
    ニル基を表わす]で示される化合物を製造するために、
    一般式Id: 【化12】 [式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、Y、nおよび
    7′は前記のものを表わすで]示される化合物を還元
    し、得られた式Iの化合物中で、所望の場合に、メトキ
    シ置換基R2、R3、R4、R5および/またはOR6をヒ
    ドロキシに変換し、および/またはベンジルオキシ置換
    基R2をヒドロキシに変換し、および得られた式Iの化
    合物を、所望の場合に、その酸付加塩に変換し、または
    その酸付加塩を式Iの遊離化合物に変換することを特徴
    とする一般式Iの化合物の製造方法。
  12. 【請求項12】 一般式I: 【化13】 [式中、R1は、水素または低級アルキルを表わし、R2
    は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、
    ベンジルオキシまたはヒドロキシを表わし、R3は、水
    素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒ
    ドロキシを表わし、R4は、水素、低級アルキル、低級
    アルコキシまたはヒドロキシを表わし、R5は、水素、
    低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシを表わ
    し、R6は、水素または低級アルキルを表わし、Yは、
    酸素または硫黄を表わし、nは1〜3の数を表わし、Z
    は結合、CO基またはCH2基を表わし、Qは、窒素ま
    たはCH基を表わし、R7は、Qが窒素を表わす場合、
    低級アルキルまたはハロゲンにより置換されていてもよ
    いピリジル基またはフェニル基を表わし、QがCH基を
    表わす場合、N−メチル−N−(4−オキソ−3H−ピ
    リミジン−2−イル)−アミノ基を表わす]で示される
    化合物およびその生理学的に認容性の酸付加塩の製造方
    法において、一般式Ie: 【化14】 [式中、R2、R3、R4、R5、R6、Y、n、Z、Qお
    よびR7は前記のものを表わす]で示される化合物を製
    造するために、一般式V: 【化15】 [式中、R2、R3、R4、R5、R6、Y、n、Z、Qお
    よびR7は前記のものを表わし、R8は低級アルキルを表
    わす]で示される化合物から、COOR8基を分割し、
    得られた式Iの化合物中で、所望の場合に、メトキシ置
    換基R2、R3、R4、R5および/またはOR6をヒドロ
    キシに変換し、および/またはベンジルオキシ置換基R
    2をヒドロキシに変換し、および得られた式Iの化合物
    を、所望の場合に、その酸付加塩に変換し、またはその
    酸付加塩を式Iの遊離化合物に変換することを特徴とす
    る一般式Iの化合物の製造方法。
  13. 【請求項13】 一般式I: 【化16】 [式中、R1は、水素または低級アルキルを表わし、R2
    は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、
    ベンジルオキシまたはヒドロキシを表わし、R3は、水
    素、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒ
    ドロキシを表わし、R4は、水素、低級アルキル、低級
    アルコキシまたはヒドロキシを表わし、R5は、水素、
    低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシを表わ
    し、R6は、水素または低級アルキルを表わし、Yは、
    酸素または硫黄を表わし、nは1〜3の数を表わし、Z
    は結合、CO基またはCH2基を表わし、Qは、窒素ま
    たはCH基を表わし、R7は、Qが窒素を表わす場合、
    低級アルキルまたはハロゲンにより置換されていてもよ
    いピリジル基またはフェニル基を表わし、QがCH基を
    表わす場合、N−メチル−N−(4−オキソ−3H−ピ
    リミジン−2−イル)−アミノ基を表わす]で示される
    化合物およびその生理学的に認容性の酸付加塩の製造方
    法において、一般式If: 【化17】 [式中、R1′、R2、R3、R4、R5、R6、Y、n、Z
    およびR7′は前記のものを表わす]で示される化合物
    を製造するために、一般式VI: 【化18】 [式中、R2、R3、Y、n、ZおよびR7′は前記した
    ものを表わす]で示される化合物を、一般式VIIa: 【化19】 [式中、R1′、R4、R5およびR6は前記したものを表
    わす]で示される化合物と反応させ、得られた式Iの化
    合物中で、所望の場合に、メトキシ置換基R2、R3、R
    4、R5および/またはOR6をヒドロキシに変換し、お
    よび/またはベンジルオキシ置換基R2をヒドロキシに
    変換し、および得られた式Iの化合物を、所望の場合
    に、その酸付加塩に変換し、またはその酸付加塩を式I
    の遊離化合物に変換することを特徴とする一般式Iの化
    合物の製造方法。
  14. 【請求項14】 一般式II: 【化20】 [式中、R1″は、水素、低級アルキルまたはアルコキ
    シカルボニル基COOR8を表わし、その際R8は低級ア
    ルキルを表わし、R2は、水素、ハロゲン、低級アルキ
    ル、低級アルコキシ、ベンジルオキシまたはヒドロキシ
    を表わし、R3は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低
    級アルコキシまたはヒドロキシを表わし、R4は、水
    素、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシを
    表わし、R5は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ
    またはヒドロキシを表わし、R6は、水素または低級ア
    ルキルを表わし、Yは、酸素または硫黄を表わし、n
    は、1〜3までの数を表わし、Z′は、結合またはCH
    2基を表わし、およびXは、アミノリシスにより分割可
    能な脱離基、有利にハロゲンまたはアルカノイル基O−
    Eを表わし、その際、Eは低級アルカノイル基または有
    機スルホン酸基を表わす]で示される化合物。
  15. 【請求項15】 一般式VIII: 【化21】 [式中、R1″は、水素、低級アルキルまたはアルコキ
    シカルボニル基COOR8を表わし、その際、R8は低級
    アルキルを表わし、R2は、水素、ハロゲン、低級アル
    キル、低級アルコキシ、ベンジルオキシまたはヒドロキ
    シを表わし、R3は、水素、ハロゲン、低級アルキル、
    低級アルコキシまたはヒドロキシを表わし、R4は、水
    素、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシを
    表わし、R5は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ
    またはヒドロキシを表わし、R6は、水素または低級ア
    ルキルを表わし、Yは、酸素または硫黄を表わし、n
    は、1〜3までの数を表わし、Z′は、結合、CO基ま
    たはCH2基を表わす]で示される化合物。
  16. 【請求項16】 一般式IV: 【化22】 [式中、R1″′は、低級アルキルまたはアルコキシカ
    ルボニル基COOR8を表わし、その際、R8は低級アル
    キルを表わし、R2は、水素、ハロゲン、低級アルキ
    ル、低級アルコキシ、ベンジルオキシまたはヒドロキシ
    を表わし、R3は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低
    級アルコキシまたはヒドロキシを表わし、R4は、水
    素、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシを
    表わし、R5は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ
    またはヒドロキシを表わし、R6は、水素または低級ア
    ルキルを表わし、Yは、酸素または硫黄を表わし、およ
    びnは、1〜3までの数を表わす]で示される化合物。
  17. 【請求項17】 一般式V: 【化23】 [式中、R8は、低級アルキルを表わし、R2は、水素、
    ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシ、ベンジルオ
    キシまたはヒドロキシを表わし、R3は、水素、ハロゲ
    ン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシを
    表わし、R4は、水素、低級アルキル、低級アルコキシ
    またはヒドロキシを表わし、R5は、水素、低級アルキ
    ル、低級アルコキシまたはヒドロキシを表わし、R
    6は、水素または低級アルキルを表わし、Yは、酸素ま
    たは硫黄を表わし、nは、1〜3までの数を表わし、Z
    は、結合、CO基またはCH2基を表わし、Qは、窒素
    またはCH基を表わし、R7は、Qが窒素を表わす場
    合、低級アルキルまたはハロゲンにより置換されていて
    もよいピリジル基またはフェニル基を表わし、またはQ
    がCH基を表わす場合、N−メチル−N−(4−オキソ
    −3H−ピリミジン−2−イル)−アミノ基を表わす]
    で示される化合物。
  18. 【請求項18】 一般式VI: 【化24】 [式中、R2は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級
    アルコキシ、ベンジルオキシまたはヒドロキシを表わ
    し、R3は、水素、ハロゲン、低級アルキル、低級アル
    コキシまたはヒドロキシを表わし、Yは、酸素または硫
    黄を表わし、nは、1〜3までの数を表わし、Zは、結
    合、CO基またはCH2基を表わし、R7′は、低級アル
    キルまたはハロゲンにより置換されていてもよいピリジ
    ル基またはフェニル基を表わす]で示される化合物。
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