JPH06237771A - Dnaの抽出方法 - Google Patents

Dnaの抽出方法

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JPH06237771A
JPH06237771A JP2567393A JP2567393A JPH06237771A JP H06237771 A JPH06237771 A JP H06237771A JP 2567393 A JP2567393 A JP 2567393A JP 2567393 A JP2567393 A JP 2567393A JP H06237771 A JPH06237771 A JP H06237771A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 土壌から高収率で、かつ所望としないDNA
の混入なしに土壌微生物由来のDNAを高純度で回収で
きる方法を提供すること。 【構成】 土壌微生物からDNAを抽出する前に、微生
物に保持されているDNAは保護しつつ、土壌に含まれ
るDANを分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土壌中に含まれる微生
物由来のDNAを土壌試料から簡便な操作で直接抽出で
きる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】土壌中には多種多様な微生物が存在して
いるが、その極一部のものしか同定されておらず、その
大部分についてが未知のままである。更に、そのほとん
どのものについての分離培養に必要な条件すら知られて
いない。このような土壌中の未知の微生物の同定、ポピ
ュレーションの把握は、土壌という特殊な環境からくる
多くの困難をともない、このことが微生物生態学の研究
を阻んでいる。これまでにも、微生物の分離培養法に改
良を加えることにより土壌微生物生態学上の研究が進め
られてきているが、これまでの方法では分離培養が困難
で、かつ、それらの活動が生態学的に重要な微生物がな
お数多く土壌中に存在しているとみられている。実際に
土壌微生物でその分離培養法が確立しているものは、土
壌微生物のたかだか0.1%であるといわれている。従
って、分離培養の困難な微生物の生態を把握すること
は、基礎科学のみならず、排水処理、環境浄化などの応
用技術の分野においてもとりわけ重要な課題の一つであ
るといえる。
【0003】近年、芳香族炭化水素、パラフィン、ナフ
テンなどの脂肪族炭化水素、あるいはトリクロロエチレ
ンなどの有機塩素系化合物などによる環境汚染が問題な
っており、これらの物質による環境の汚染の拡大を防止
するとともに、すでに汚染されてしまった環境を浄化
し、もとの状態に修復する技術の確立が強く求められて
いる。この環境修復技術としては、例えば曝気処理、天
日処理、真空釜での処理、真空抽出処理等の物理化学的
手段があるが、コスト、操作性、投下エネルギー量、処
理範囲や、有機塩素系化合物を単に抽出しているだけで
あって、無害な化合物に変換するものではない等の観点
から必ずしも実用的であるとはいえない。そこで、上記
の物理化学的方法に対して、微生物を利用した処理が実
用的な汚染環境の修復方法を提供できるものとして期待
されている。
【0004】例えば、土壌汚染を引き起こしている芳香
族炭化水素や有機塩素系化合物等の難分解性化合物を分
解する種々の微生物が土壌中に見出されており、これら
の微生物を汚染土壌に撒くことによる土壌中の汚染物質
の分解が検討されている。またDNA組換えにより分解
活性を向上させた組換え微生物の土壌への散布も検討さ
れている。このように、微生物を利用した環境浄化事業
を普及させ、これを実用的かつ社会的に有用な技術とし
て定着させていくためにはさまざまな有用微生物の開発
とともに、それらを導入した土壌における有用微生物の
活動、増殖、生残性の把握が重要な課題となる。
【0005】また、土壌を利用する農業生産活動におい
ても、利用する土壌内に固有の、あるいはそこに導入し
た微生物の活動、増殖、生残性の把握は重要な課題であ
る。土壌中の微生物の活動、増殖、生残性などを把握す
る方法としては、例えば、土壌の一部を培地に加えて培
養して所望の微生物の生菌数を測定する方法がある。し
かしながら、この方法は土壌から分離培養の困難な微生
物には適用できず、また分離培養が可能な微生物を検出
対象とする場合でも、土壌中には多種多様の微生物が存
在し検出対象の微生物を特定することが困難な場合もあ
る。更に、生菌数測定方法自体の測定精度に限界がある
という問題もある。
【0006】また、組換え微生物の導入における場合に
は、従来より抗生物質耐性や色素生産性などのマーカー
遺伝子を組み込み生菌数を把握する手法が利用されてき
たが、マーカー遺伝子の脱落や突然変異が生じた場合の
測定誤差が大きいという問題があり、またそれ以前に抗
生物質耐性を有する微生物の野外放出には疫学上の問題
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、分子生物学の進
展とともに、微生物の検出手段として、微生物から抽出
したDNAを分析して、検出対象の微生物に特徴的なD
NA配列の有無を検出する方法が開発されるに至ってい
る。
【0008】このDNAを利用した微生物の検出方法で
は、まず土壌等の環境試料から目的微生物由来のDNA
を抽出する必要がある。例えば、土壌からの微生物由来
のDNAの抽出、回収方法には、菌体抽出法と直接溶菌
法がある。菌体抽出法は土壌より微生物菌体を含む画分
を分離した後、集菌した菌体よりDNAを抽出、回収す
る方法である。これに対して、直接溶菌法は土壌試料に
菌体溶菌処理を直接施して菌体からDNAを放出させ、
それを土壌試料から回収する方法である。
【0009】ここで、菌体抽出法では、土壌や目的微生
物の種類に応じて菌体の土壌からの回収率が大きくばら
つくという問題がある。例えば、土壌からの細菌の回収
では、回収率が40%以上の土壌もあれば、10%強の
土壌もある。また、この方法では回収されたDNAの起
源が明らかであり、純度も高いという利点があるもの
の、得られるDNAの量が、例えば100gの土壌から
最高で100μg程度、少ない場合では1〜2μgと非
常に少なく、検査に必要な十分な量のDNAが得られな
かったり、微量のためその取り扱いを特に慎重に行わな
ければならないといった問題もある。
【0010】これに対して、直接溶菌法は、DNA回収
量が例えば土壌100gあたり1〜2mgと菌体抽出法
に比べ10〜100倍も高いという特長を有するが、土
壌にフリーの状態で残存しているDNA、例えば起源の
不明な死滅した細菌、糸状菌、原生動物や植物等に由来
するDNAが混入してくる場合が多く、それが測定の妨
げとなるという問題がある。
【0011】このように、DNA分析法を土壌微生物の
検出手段として利用していくためには、土壌から目的と
する菌体に由来するDNAを回収する手法が不可欠であ
るが、従来用いられてきた手法には上述のように一長一
短があり、高回収率とともに回収されたDNAの純度も
満足できるDNAの土壌からの抽出方法が強く求められ
ている。
【0012】本発明は、上記の従来技術における問題に
鑑みなされたものであり、土壌から高収率で、かつ所望
としないDNAの混入なしに土壌微生物由来のDNAを
回収できる方法を提供することをその目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のDNAの抽出方
法は、微生物を含む土壌試料の懸濁液を調製する過程
(a)と、該懸濁液中に含まれる遊離のDNAを分解す
る過程(b)と、該過程(b)を経た該懸濁液に含まれ
る微生物から該懸濁液中にDNAを抽出する過程(c)
と、該抽出DNAを該懸濁液の上清から回収する過程
(d)とを有することを特徴とする。
【0014】本発明によれば、上記過程(b)におい
て、微生物細胞(菌体)内にあるDNAは保持したまま
で、土壌中に残存、蓄積しているむきだしの所望としな
いDNA、すなわち遊離のDNAのみを選択的に分解、
除去することにより、回収された目的とするDNAの純
度を挙げることが可能となる。すなわち、本発明によれ
ば、回収率の良好な直接溶菌法における問題、すなわ
ち、過去に死滅した細菌、糸状菌、原生動物などのあり
とあらゆる微生物や植物に由来し、土壌中において分解
されずに残存している所望としないDNAが、土壌中の
微生物から回収した目的とするDNAに混入するという
はなはだ不都合な問題を、上述の過程(b)を導入する
ことで解決するものである。
【0015】以下に本発明をより具体的に説明する。本
発明の方法の過程(b)におけるDNAの分解手段とし
ては、例えば、酸処理や各種酵素を利用した処理を用い
ることができる。酸処理剤としては、DNAの分解に用
いられている各種の酸を含む溶液が利用できるが、例え
ばTris−Cl(pH8.0)等を用いることができ
る。酵素処理に用いることのできる具体的な酵素として
は、例えば、一本鎖DNA及び二本鎖DNAを同程度
に、かつ非特異的に分解するデオキシリボヌクレアーゼ
(deoxyribonuclease)、一本鎖DNA及び二本鎖DN
Aを両端から非特異的に分解するBal 31 ヌクレ
アーゼ(Bal 31 nuclease)、一本鎖DNA及び二本鎖
DNA中の一本鎖部分(ニック)を非特異的に分解する
S1 ヌクレアーゼ(S1 nuclease)やマング ビーン
ヌクレアーゼ(Mung Bean nuclease)、及び一本鎖D
NAを非特異的に分解するヌクレアーゼP1(nuclease
P1)などを挙げることができる。
【0016】過程(b)において処理される土壌懸濁液
は、試験する土壌を緩衝液等の水性媒体に加えて、土壌
粒子や土壌中の微生物を分散、懸濁させることによって
得ることができる。ここで用いる水性媒体としては、回
収しようとする目的のDNAの種類や過程(b)の分解
処理に用いるDNA分解酵素の種類などに応じて適宜選
択できる。
【0017】このようにして調製した土壌懸濁液の組成
等を、必要であれば、DNAの分解処理の種類に応じて
更に調整して、DNA分解処理(過程b)を行う。例え
ば、DNA分解酵素を用いる場合は、必要に応じて土壌
懸濁液に酵素活性に必要な金属イオン等を補添し、また
pH、塩濃度等の条件を用いる酵素の種類に応じて適宜
調整してからDNA分解酵素の適量を加えて、用いた酵
素の種類に応じた温度等の条件でDNA分解処理を行
う。なお、土壌におけるプロテアーゼ活性が強く、DN
A分解酵素活性を有効に作用させることができない場合
には、土壌懸濁液に例えば70℃程度の加熱処理等のプ
ロテアーゼを失活させる前処理を行うと良い。また、二
本鎖DNAを一本鎖DNAにして分解する場合には、二
本鎖DNAを一本鎖化するための加熱処理等を行ってお
く。
【0018】DNA分解酵素での処理が終了したところ
で、後続の過程(c)で微生物から抽出された目的のD
NAが用いたDNA分解酵素の残存活性で分解されない
ように、このDNA分解酵素を失活させるための処理を
行う。この処理としては、界面活性剤の存在下で70℃
程度に土壌懸濁液を加熱する方法などが利用できる。な
お、この過程(c)において小断片化されたDNAは、
後述のDNA抽出処理後にゲルろ過などの手段により、
これを目的のDNAと分離できる。
【0019】過程(b)におけるDNA分解処理が終了
したところで、土壌懸濁液中において、そこに含まれる
微生物からのDNAの抽出処理を行う(過程c)。この
DNA抽出処理には、ガラスビーズを利用した細胞破砕
法、超音波処理、ホモジナイザー処理、加圧型細胞破砕
装置(フレンチプレスなど)処理、凍結融解法等を利用
することができる。
【0020】微生物からのDNA抽出処理が終了したと
ころで、遠心分離や濾過等の手段によって、土壌懸濁液
の上清を分取し、更にこの上清からDNAをポリエチレ
ングリコールによる沈澱法等の常法により回収し、更に
常法により精製して目的のDNAを得る。このDNAを
目的に応じた分析にかける。例えば微生物の種類に特異
的な塩基配列を有するものがあるかどうか分析すること
で、土壌中におけるその微生物の分布を確認できる。
【0021】なお、土壌懸濁液の調製、微生物からのD
NAの抽出、上清の分取、上清からのDNAの回収及び
精製の操作、すなわちDNAの分解処理以外は、例えば
Steffanら(Appl. Environ. Microbiol. 54: 2908-2915
(1988))に記載の直接溶菌法における操作が利用でき
る。
【0022】
【実施例】
実施例1 (デオキシリボヌクレアーゼIを用いたDNA分解処理
を利用するDNA抽出法)土壌サンプル5gに10ml
の0.12Mりん酸ナトリウム緩衝液(pH8)を加
え、ブレンダーを用いて懸濁させた。この懸濁液を70
℃で30分間加温、保持した後、室温に冷却してから、
MgCl2を終濃度20mM、CaCl2を終濃度20m
M、デオキシリボヌクレアーゼI(シグマ;DN−2
5)を終濃度1mg/ml)となるように加え、37℃
で2時間反応を行った。酵素反応終了後、ドデシル硫酸
ナトリウム(SDS)を0.2gこれに加え、70℃で
1時間処理の後、5gのガラスビーズを更に加えてか
ら、Bead-Beater(Bio-Spec Products, Bartlesville O
kland USA)で5分間処理し、細胞を破砕した。
【0023】次に、土壌、ガラスビーズ混合物から遠心
処理により上清を分取し、更に遠心で得られた沈澱物を
10mlの0.12Mりん酸ナトリウム緩衝液(pH
8)で2回洗い、それぞれの洗浄で得られた上清を先の
上清と合わせ、これに塩化ナトリウムを終濃度0.5M
になるように加え、更に50%のポリエチレングリコー
ル(PEG)8000を全容量の0.5容量分加え、4
℃で一晩放置した。遠心処理により得られた沈澱物を集
め、常法によりDNAを精製した。
【0024】実施例2 (Bal 31 ヌクレアーゼを用いたDNA分解処理
を利用するDNA抽出法)土壌サンプル5gに10ml
の0.12Mりん酸ナトリウム緩衝液(pH8)を加
え、ブレンダーを用いて懸濁させた。この懸濁液を70
℃で30分間加温、保持した後、室温に冷却してから、
MgCl2を終濃度20mM、CaCl2を終濃度20m
M、NaClを終濃度600mM、Bal 31 ヌク
レアーゼ(東洋紡)を10単位加え、30℃で2時間反
応を行った。酵素反応終了後、ドデシル硫酸ナトリウム
(SDS)を0.2gこれに加え、70℃で1時間処理
の後、5gのガラスビーズを更に加えてから、Bead-Bea
ter(Bio-Spec Products, Bartlesville Okland USA)
で5分間処理し、細胞を破砕した。
【0025】次に、土壌、ガラスビーズ混合物から遠心
処理により上清を分取し、更に遠心で得られた沈澱物を
10mlの0.12Mりん酸ナトリウム緩衝液(pH
8)で2回洗い、それぞれの洗浄で得られた上清を先の
上清と合わせ、これに塩化ナトリウムを終濃度0.5M
になるように加え、更に50%のポリエチレングリコー
ル(PEG)8000を全容量の0.5容量分加え、4
℃で一晩放置した。遠心処理により得られた沈澱物を集
め、常法によりDNAを精製した。
【0026】実施例3 (ヌクレアーゼP1を用いたDNA分解処理を利用する
DNA抽出法)土壌サンプル5gに10mlの0.12
Mりん酸ナトリウム緩衝液(pH5.3)を加え、ブレ
ンダーを用いて懸濁させた。この懸濁液を95℃で5分
間加温、保持した。この加温処理した土壌懸濁液を氷浴
により急冷することにより、そこに含まれる二本鎖DN
Aを変性させて一本鎖化した後、これにヌクレアーゼP
1(ニッポンジーン)を100単位加え、37℃で2時
間反応を行った。酵素反応の後、ドデシル硫酸ナトリウ
ム(SDS)を0.2gこれに加え、70℃で1時間処
理の後、5gのガラスビーズを更に加えてから、Bead-B
eater(Bio-SpecProducts, Bartlesville Okland USA)
で5分間処理し、細胞を破砕した。
【0027】次に、土壌、ガラスビーズ混合物から遠心
処理により上清を分取し、更に遠心で得られた沈澱物を
10mlの0.12Mりん酸ナトリウム緩衝液(pH
8)で2回洗い、それぞれの洗浄で得られた上清を先の
上清と合わせ、これに塩化ナトリウムを終濃度0.5M
になるように加え、更に50%のポリエチレングリコー
ル(PEG)8000を全容量の0.5容量分加え、4
℃で一晩放置した。遠心処理により得られた沈澱物を集
め、常法によりDNAを精製した。
【0028】実施例4 (トリチウムラベルしたチミジンを用いた土壌回収DN
Aの純度の評価)土壌中の微生物の菌体に対してSteffa
nら(Appl. Environ. Microbiol. 54: 2908-2915 (198
8))の手法を用いてトリチウム標識を行った。すなわ
ち、乾燥重量100gの土壌サンプルに水を加え、完全
に水で飽和させた後、これに5mlの滅菌したリン酸ナ
トリウム緩衝液(pH4.5)中の100μCiのトリ
チウムラベルされたチミジン(1mCi/ml;Dupon
t, NEN Research Products)を加え、25℃で8時間激
しく浸とうすることによりチミジンを菌体内に取込ませ
た。
【0029】このようにして放射標識化した土壌サンプ
ルを用いて、実施例1と同様の方法によりDNAを抽
出、精製した。なお、精製は、土壌懸濁液からの上清か
らPEG沈澱で得られた沈澱を回収し、これを、エタノ
ール沈澱、ゲルろ過、塩化セシウム平衡密度勾配遠心法
にかけて精製DNAを得た。なお、菌体に取込まれなか
かった標識チミジンはDNAの抽出及び精製過程で排除
された。
【0030】得られた精製DNA中のトリチウム標識チ
ミジン量を放射線計測器を用いて計量し、電気泳動法を
用いた定量により得られたDNA量に対するチミジン量
の割合を算出して、DNAの純度を評価した。得られた
結果を表1に示す。
【0031】比較例1 デオキリボヌクレアーゼIによる処理を行わない以外は
実施例4と同様にして精製DNAの純度を評価した。得
られた結果を表1に示す。
【0032】
【表1】 実施例5 (酸処理を用いたDNA分解処理を利用するDNA抽出
法)土壌サンプル5gに10mlの0.2N塩酸を加
え、ブレンダーを用いて懸濁させ、5分間放置した。こ
の懸濁液に水酸化ナトリウムを加え中和の後、1MのT
ris−Cl(pH8.0)を終濃度0.1Mとなるよ
うに加え、さらに、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)
を0.2gこれに加え、70℃で1時間処理の後、5g
のガラスビーズを更に加えてから、Bead-Beater(Bio-S
pec Products,Bartlesville Okland USA)で5分間処理
し、細胞を破砕した。
【0033】次に、土壌、ガラスビーズ混合物から遠心
処理により上清を分取し、更に遠心で得られた沈澱物を
10mlの0.12Mりん酸ナトリウム緩衝液(pH
8)で2回洗い、それぞれの洗浄で得られた上清を先の
上清と合わせ、これに塩化ナトリウムを終濃度0.5M
になるように加え、更に50%のポリエチレングリコー
ル(PEG)8000を全容量の0.5容量分加え、4
℃で一晩放置した。遠心処理により得られた沈澱物を集
め、常法によりDNAを精製した。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、土壌微生物からの目的
とするDNAの抽出の前に、土壌にフリーの状態で含ま
れる所望としないDNAを分解する過程を導入したこと
で、微生物の細胞内に保持されているDNAは保護した
まま、未分解で土壌中に残存、蓄積している起源不明の
むきだしのDNA等が選択的に分解されるので、土壌微
生物からのDNAの回収率を良好に維持しつつ、その純
度、すなわち得られたDNA中に含まれる土壌微生物由
来のDNAの量の割合を高めることが可能となる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物を含む土壌試料の懸濁液を調製す
    る過程(a)と、該懸濁液中に含まれる遊離のDNAを
    分解する過程(b)と、該過程(b)を経た該懸濁液に
    含まれる微生物から該懸濁液中にDNAを抽出する過程
    (c)と、該抽出DNAを該懸濁液の上清から回収する
    過程(d)とを有することを特徴とする土壌中の微生物
    からのDNAの抽出方法。
  2. 【請求項2】 過程(b)におけるDNAの分解を、酵
    素を利用して行う請求項1に記載のDNAの抽出方法。
  3. 【請求項3】 過程(b)におけるDNAの分解を、デ
    オキシリボヌクレアーゼ、Bal31ヌクレアーゼ、S
    1ヌクレアーゼ、Mung Bean ヌクレアーゼ、
    ヌクレアーゼP1からなる群より選択された1以上によ
    り行う請求項2に記載のDNAの抽出方法。
  4. 【請求項4】 過程(b)におけるDNAの分解が、D
    NAの変性処理を行った後の一本鎖DNAの分解処理に
    より行われる請求項1に記載のDNAの抽出方法。
  5. 【請求項5】 DNAの変性処理が、DNAの熱変性処
    理である請求項4に記載のDNAの抽出方法。
  6. 【請求項6】 過程(b)におけるDNAの分解を、酸
    処理することにより行う請求項1に記載のDNAの抽出
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100410377C (zh) * 2006-08-29 2008-08-13 中国科学院南海海洋研究所 从土壤中提取微生物基因组dna的试剂盒及方法

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