JPH06224026A - 超電導コイル装置 - Google Patents

超電導コイル装置

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Publication number
JPH06224026A
JPH06224026A JP1277593A JP1277593A JPH06224026A JP H06224026 A JPH06224026 A JP H06224026A JP 1277593 A JP1277593 A JP 1277593A JP 1277593 A JP1277593 A JP 1277593A JP H06224026 A JPH06224026 A JP H06224026A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
fibers
superconducting coil
coil device
superconducting
Prior art date
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Pending
Application number
JP1277593A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Kashima
俊弘 鹿島
Hidetomo Inui
秀朋 乾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP1277593A priority Critical patent/JPH06224026A/ja
Publication of JPH06224026A publication Critical patent/JPH06224026A/ja
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  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トレーニング回数が少く、最大電流値が高
い安定且つ高性能の超電導コイルを提供する。 【構成】 筒又は柱状の巻枠にタテ糸に融点が160
℃以上の負膨張繊維を、ヨコ糸に正膨張繊維を配した構
造体をタテ糸が軸に対して±40〜90度になる様に巻
き樹脂と一体成形してなる超電導コイル装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は極低温に冷却して用いら
れる超電導コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】超電導コイル装置は超電導導体を巻枠に
巻回し、層間にスペーサを介して形成されるか外周面に
彫られたラセン溝に沿って超電導導体を巻回した層コイ
ル要素を順次同心的に複数層重ねて構成される。従来こ
の巻枠としてはアルミニウム等の金属又はガラス繊維強
化プラスチックが用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】超電導コイルの用途は
多岐に亙るが、いずれも超電導線の電流密度を高くする
ことが、コイル自体の性能を上げるためには極めて重要
である。そして、これは巻枠に巻回した超電導線の安定
性に大きく依存する。超電導線を巻枠に巻回した状態で
の物理的安定性は超電導コイル自体の電気的な安定性と
深く関わっている。通常巻枠としてはアルミニウム等の
金属又はガラス繊維強化プラスチック(GFRP)が用
いられるが、これらは室温で巻回して液体窒素(LN
T)又は液体ヘリウム温度(LHeT)迄冷却した時、
いずれも巻枠の周方向に大きく収縮し、軸方向に小さく
収縮する。一方超電導線は、極低温で励磁した時、周方
向には、ローレンツ力に由来する反発力により膨張し、
巻線は、巻枠から離れる方向に動くことになる。また軸
方向には極低温になると超電導線の垂直方向の正膨張に
由来する大きな収縮のため巻枠軸方向の小さな収縮以上
に寸法変化することになる。この両者の動きが相まって
超電導線間にミクロな相互の動きが生じ、表面の摩擦発
熱に伴う擾乱が生じ超電導コイルはクエンチに至る。こ
のためコイルは不安定でありコイルを励磁する時のトレ
ーニング時、最大電流値が得られるまでの作業回数が多
く、能率が悪い。加えてコイルの性能を左右する最大電
流値が低くなるという問題が生じる。またアルミ枠の場
合は導電性であるため、特に交流では渦電流に伴うジュ
ール発熱が生ずるため不安定となる。この発明は以上の
問題点を解消するためになされたものであり、高性能且
つ安定な超電導コイルを得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために筒又は柱状の巻枠に超電導線を巻回して
極低温で使用する超電導コイル装置において、前記巻枠
が繊維材料としてタテ糸に負膨張繊維をヨコ糸に正膨張
繊維を配した繊維構造体をタテ糸が軸に対して±40度
から90度の角度となる様に巻き、樹脂と一体成形して
なる繊維強化プラスチックよりなることを特徴とする超
電導コイル装置。
【0005】
【作用】本発明において用いられる、負膨張(低温にな
るにつれて膨張する)繊維としては融点が160℃以上
の高強力、高弾性率繊維であり、アラミド、ポリアリレ
ート(全芳香族ポリエステル)、PBZポリマー(ポリ
ベンツビスオキサゾール、ポリベンツビスチアゾールな
ど)及びカーボン等の繊維が挙げられる。これらの繊維
はいずれも低温になるにつれて、膨張するという特異な
性質を持つとともにガラス繊維に比べてはるかに低比重
であるため、高比強度、高比弾性率であり且つ軽い補強
繊維を得ることができる。ここで融点が160℃以下の
例えばポリエチレン繊維などはマトリックスである指摘
の成形条件に成形条件に制限があり、負膨張の程度が大
きく且つ耐クラック性に優れた成形体を得ることができ
ない。これに対して、正膨張繊維としてはポリエステ
ル、ナイロン、ビニロン、低次配向ポリエチレン、ポリ
プロピレン、アクリル、塩化ビニル、フッ化ビニル、ポ
リフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリエーテルケトンチトン、ポリアミドイミド、ポ
リイミドなどの有機繊維、ガラス、アルミナ、シリカ、
ジルコニア、チタニア、シリコンカーバイド、シリコン
ナイトライドなどのセラミクス繊維及びアルミ、銅、ス
テンレス等の金属繊維を挙げることができる。これら負
膨張及び正膨張繊維の熱膨張特性を図1に示す。
【0006】上記繊維の形態としては縒糸、紡績糸等の
各種の糸で、平織、縒織、朱子織、袋織、バスケット等
の公知の形態の織物が繊維構造体として利用できる。ま
たタテ糸及びヨコ糸の各々に直交する方向に第3の糸を
配した三次元織物を利用することもできる。第3の糸と
しては負膨張繊維を使用することが望ましい。また多く
の特性をすべて満足させるためには、2種以上の負膨張
繊維又は正膨張繊維を混合して使用することもできる。
また負膨張繊維と、正膨張繊維を成形体中でタテ糸、ヨ
コ糸に配する方法として各々の糸を用いてエポキシ樹脂
などをマトリクスとし、一方向強化のプリプレグを作成
しておき、これをマンドレル上に例えば交互に巻回しな
がら積層することによっても繊維構造体を得ることがで
きる。
【0007】ここで使用されるマトリックスとしては、
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステ
ル樹脂、ウレタン樹脂、ウレタンアクリレート樹脂など
が使用できるが特に好ましいのは、エポキシ樹脂であ
る。これらのマトリクス樹脂はいずれも正膨張を示す
が、負膨張及び正膨張繊維よりなる織物又はプリプレグ
を巻回することにより成形した筒又は柱状の繊維強化プ
ラスチックは周方向に大きな負膨張率を軸方向には正膨
張率を持つことができる。従ってこれよりなる巻枠を用
いた超伝導コイルは安定で、耐クエンチ性が高く電流密
度の大きな高性能コイルとすることができる。
【0008】GFRPを超電導コイルの巻枠として使用
する場合、最大の問題点は周方向の大きな収縮に伴う超
電導線のゆるみによりコイルが容易にクエンチすること
である。このためコイルを励磁する時のトレーニング回
数を多く必要とし最大電流値も高い値を得ることはでき
ない。本発明では、ポリエチレン、アラミド、ポリアリ
レート、カーボンなどの高強力、高弾性率で且つ負膨張
率を有する有機繊組をタテ糸に、正膨張繊維をヨコ糸に
した織物又はプリプレグを用いて、筒又は柱状の強化プ
ラスチックを作成することにより、極低温下で耐クエン
チ性の高い超電導コイル用巻枠を提供しようとするもの
である。ここで通常使用されるマトリクス樹脂はいずれ
も正膨張を示すが、負膨張及び正膨張繊維をタテ及びヨ
コ糸にした繊維材料うち負膨張を示す繊維の巻き角度を
適当に選んで、巻回して成形した筒又は柱状の繊維強化
プラスチックは周方向に対して大きな負膨張率を示す、
そしてその値は繊維自身の持つ負膨張率よりはるかに高
い値となる。配向角は成形体の軸方向に対して±40度
から90度が適当であるが望ましくは±45度と90度
の間である。角度が40度未満では周方向の正膨張(低
温になるに従い収縮する)が大きくなる。一方、GFR
Pの場合はガラス繊維及びマトリクス樹脂とも正膨張で
あるので巻き角度に無関係に、周方向には正膨張という
通常の材料に見られる特性しか得られない。これにより
超電導コイルの巻枠として耐クエンチ牲に優れたものを
得ることができる。
【0009】成形法としては、織物にマトリクス樹脂を
含浸しながらマンドレル上に巻き付けるシートワインデ
ィング法、織物又はフイラメントであらかじめプリプレ
グを作成した後巻きつけるシート又はテープワインディ
ング法などが挙げられる。上記複合材中の繊維とマトリ
ックス樹脂の混合比率は、繊維の体積分率(Vf)とし
て35〜85%が好ましく、より好ましいのは40〜7
0%である。繊維のVfが35%より少ないと繊維の補
強効果が発現せず、85%を超えるとマトリックス樹脂
と含浸しにくくなり複合材料としての機械的特性が悪化
するため好ましくない。
【0010】
【実施例】本発明の負及び正膨張繊維よりなる筒状繊維
強化プラスチツクは以下の様に作成した。負膨張繊維と
しては、アラミド繊維(日本アラミド繊維、トワロンH
M、1550d)、ポリアリレート繊維(クラレ、ベク
トラン、1500d)を正膨張としてはガラス繊維(日
東紡)、280tex)を用いて、各々負膨張繊維と正
膨張繊維をタテ及びヨコ糸とし、その打込み本数割合が
体積で6/4となる様にした平織物を作成した。また、
比較としてタテ糸/ヨコ糸が両者ともアラミド繊維及び
ガラス繊維の織物及びタテ糸/ヨコ糸がガラス繊維/ア
ラミド繊維など各種織物を作成した。目付量はいずれも
180g/m2 となる様に調製した。これを用いて実施
例1〜5、比較例6〜10の合計10種類の円筒状繊維
強化プラスチックをシートワインディング法により作成
した。マトリックスとしてはエポキシ樹脂を使用し以下
の配合により、均一混合し樹脂ドープを作成した。 エピコート−827(油化シエル) 100 エピキュアーYH−300(油化シエル) 80 EMI−24(油化シエル) 1 次に各種繊維にエポキシ樹脂を含浸させながらマンドレ
ルに巻き付け、円筒状とした。この時負膨張繊維は、円
筒の軸に対して90度で巻いた。これに対して負膨張繊
維を40度以上90度未満の角度をつけて巻く試料はあ
らかじめ、以下のエポキシ配合によりプリプレグを作成
し所定の角度に切り出したシートを作成してマンドレル
に巻いて円筒状とした。 次にこれをマンドレル上に保持したまま100℃×2h
r、その後130℃×3hrにて硬化成形し繊維体積含
有率65%、外径100mm×長さ500mm、肉厚5
mmの成形体を得た。この様にして得られた各円筒に、
GFRPよりなるフランジを接着し、コイル用巻枠を得
た。これに1.2mmφの超電導導体をテンション10
kgにて、5層巻回した後、前述シートワインデング用
エポキシ樹脂を含浸し、100℃×4hr、更に130
℃×3hr加熱硬化し超電導コイルを完成させた。これ
らの評価結果を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】(熱膨張率)巻枠の外周面にストレインゲ
ージをはり付け後、液体N2 中に浸積し円周方向及び軸
方向の寸法変化を測定した。 (クエンチ電流)超電導コイル装置を液体He中に浸漬
し、クエンチ電流を測定した。結果は繰返しのトレーニ
ングにより到達した最大電流密度とその時のトレーニン
グ回数により示す。
【0013】
【発明の効果】本発明によるとトレーニング回数が少
く、最大電流値が高い、安定且つ高性能な超電導コイル
を提供することを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】各種繊維の熱膨張特性を示す図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒又は粒状の巻枠に超電導線を巻回して
    極低温で使用する超電導コイル装置において、前記巻枠
    が繊維材料としてタテ糸に融点が160℃以上の負膨張
    繊維を、ヨコ糸に正膨張繊維を配した繊維構造体をタテ
    糸が軸に対して±40度から90度の角度となる様に巻
    き樹脂と一体成形してなる繊維強化プラスチックよりな
    ることを特徴とする超電導コイル装置。
JP1277593A 1993-01-28 1993-01-28 超電導コイル装置 Pending JPH06224026A (ja)

Priority Applications (1)

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JP1277593A JPH06224026A (ja) 1993-01-28 1993-01-28 超電導コイル装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1277593A JPH06224026A (ja) 1993-01-28 1993-01-28 超電導コイル装置

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JPH06224026A true JPH06224026A (ja) 1994-08-12

Family

ID=11814787

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1277593A Pending JPH06224026A (ja) 1993-01-28 1993-01-28 超電導コイル装置

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JP (1) JPH06224026A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015141988A (ja) * 2014-01-28 2015-08-03 公益財団法人鉄道総合技術研究所 超電導コイル用巻軸及びその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015141988A (ja) * 2014-01-28 2015-08-03 公益財団法人鉄道総合技術研究所 超電導コイル用巻軸及びその製造方法

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