JPH06221174A - 過給機付エンジンの過給圧制御装置 - Google Patents

過給機付エンジンの過給圧制御装置

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JPH06221174A
JPH06221174A JP5031265A JP3126593A JPH06221174A JP H06221174 A JPH06221174 A JP H06221174A JP 5031265 A JP5031265 A JP 5031265A JP 3126593 A JP3126593 A JP 3126593A JP H06221174 A JPH06221174 A JP H06221174A
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JP
Japan
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supercharging pressure
control amount
value
feedback control
feedback
Prior art date
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Pending
Application number
JP5031265A
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English (en)
Inventor
Shigeru Nakagawa
滋 中川
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP5031265A priority Critical patent/JPH06221174A/ja
Publication of JPH06221174A publication Critical patent/JPH06221174A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所定の条件下で過給圧をフィードバック制御
するようにした過給付エンジンにおいて、フィードバッ
ク制御量の構成要素として積分項を設ける場合において
も、常に良好な制御応答性が得られるようにすることを
目的とする。 【構成】 過給圧を調節するウエストゲートバルブ12
に連結したアクチュエータ14に供給する制御圧を、デ
ューティソレノイドバルブ15を用いてデューティ制御
することにより、ウエストゲートバルブ15の開度を調
節するようにする。その場合に、ウエストゲートバルブ
15の動作範囲を逸脱するような目標過給圧が設定され
る場合に、例えばデューティ上限値からベースデューテ
ィ値及び電圧補正デューティ値を減算した値と0とを比
較し、両者の大きい方を最終フィードバックデューティ
値として選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は過給機付エンジンの過
給圧制御装置、特に過給圧を所定の条件下でフィードバ
ック制御するようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用などのエンジンにおいては、燃
焼室への吸気充填効率を増大させるために過給機が備え
られることがあり、この種の過給機としては、排気ガス
のエネルギーによって駆動される排気ターボ過給機や、
エンジン出力により駆動される機械式過給機などが実用
化されている。
【0003】このうち前者の排気ターボ過給機は、排気
通路に設置したタービンと、吸気通路に設置したコンプ
レッサと、両者を連結する連結軸とを備え、燃焼後の排
気ガスが持つ運動力によりタービンを回転させ、その回
転力によってコンプレッサを駆動することにより、吸気
を強制的に圧縮するように構成したものであるが、この
種の過給機においては、過過給を防止するために、例え
ば排気通路におけるタービンの上流部と下流部とをバイ
パスさせた通路に、排気ガスを逃がすウエストゲートバ
ルブを設置する場合がある。このウエストゲートバルブ
は、一般にはコンプレッサの下流側における圧力が予め
設定されたリリーフ圧を超えたときに開かれて、余剰の
排気ガスをタービンを迂回して排出させるようになって
いるが、その場合にウエストゲートバルブが開かれるリ
リーフ圧は安全性を考慮して低めに設定されるのが通例
である。
【0004】しかし、このようにウエストゲートバルブ
のリリーフ圧を低めに設定すると、過給機の能力を有効
に利用しえないことになる。
【0005】そこで、近年においては、エンジンの耐久
性を確保しつつ最大限の出力性能を発揮させるために、
例えば特開平2−163419号公報に記載されている
ように、過給機で生成される過給圧を所定の条件下でフ
ィードバック制御する場合がある。
【0006】これは、ウエストゲートバルブに連結した
ダイヤフラムとコンプレッサの下流側の吸気通路とを結
ぶ通路に、大気開放されたデューティソレノイドバルブ
を設置すると共に、エンジンの運転状態に応じて設定さ
れた目標過給圧と実際の過給圧(実過給圧)とを比較し
て、その差圧が解消するようにフィードバック制御量を
設定し、更にこのフィードバック制御量とエンジンの運
転状態に応じて設定した基本制御量とから上記デューテ
ィソレノイドバルブに出力するデューティ値を決定し
て、該デューティ値に従って上記デューティソレノイド
バルブを作動させるようにしたものである。これによれ
ば、上記リリーフ圧を限界付近まで上昇させることが可
能となって、過給機の能力をフルに活用することが期待
される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に過給圧のフィードバック制御を行う場合に比例積分制
御が採用されることがある。これは、実過給圧の目標過
給圧に対する偏差に対応する比例値と、上記偏差に対応
する積分因子を積分した積分値とでフィードバック制御
量を構成するようにしたもので、上記偏差が頻繁に反転
しても積分値がほぼ一定に保たれることから、この種フ
ィードバック制御の安定性が向上するという利点があ
る。
【0008】このように過給圧のフィードバック制御に
比例積分制御を採用することにより制御の安定性が向上
するという利点がある反面、次のような不都合を生じる
場合がある。
【0009】つまり、ウエストゲートバルブの動作範囲
は最大限でも全開状態から全閉状態に限定される。そし
て、該ウエストゲートバルブを駆動するダイヤフラムの
動作量と、該ダイヤフラムの動作量を制御するデューテ
ィソレノイドバルブに出力される制御信号のデューティ
値とが1対1に対応しているものとすると、該デューテ
ィソレノイドバルブを作動させる出力制御量の有効範囲
は、最大限でもデューティ値に換算して0〜100%に
制限される。
【0010】ところで、エンジンの運転状態によって
は、ウエストゲートバルブを全閉開度に制御した際に得
られる過給圧よりも高圧側に目標過給圧が設定される場
合がある。このような場合には、ウエストゲートバルブ
の動作はは休止した状態となり、フィードバック制御量
の演算だけが行われることになる。その場合に、フィー
ドバック制御量の一部を構成する比例値は、実過給圧が
目標過給圧に近づくに従って次第に減少することになる
が、他方の積分値は積分因子が加算されることにより実
過給圧が目標過給圧に近づくに伴って増大することにな
り、フィードバック制御量としてみればデューティ値に
換算して100%に収束していくと共に、フィードバッ
ク制御量に占める積分値の割合も次第に増加していく。
【0011】このようにフィードバック制御量に占める
積分値の割合が大きい状態で、エンジンの運転状態の変
化などによって目標過給圧が上記ウエストゲートバルブ
の動作範囲で達成される過給圧制御領域内に設定され
て、実過給圧が目標過給圧に到達したとする。この場合
には、実過給圧は目標過給圧を一旦オーバーシュートし
た後、目標過給圧に収束されることになるのであるが、
その場合に実過給圧が目標過給圧に到達した時点におけ
る積分値が過大であることからフィードバック制御量が
なかなか反転しないことになる。したがって、フィード
バック制御量が出力制御量に反映されるのが遅れて、過
給圧が目標過給圧を必要以上にオーバーシュートしてし
まうなど、制御応答性の点で問題を生じることになる。
特に、基本制御量がデューティ値に換算して100%の
付近に設定されている場合には、フィードバック制御量
が出力制御量に反映されるのが益々遅れて、制御応答性
を更に悪化させることになる。
【0012】また、ウエストゲートバルブを全閉開度に
制御した際に得られる過給圧よりも低圧側に目標過給圧
が設定された場合においても、エンジンの運転状態の変
化などによって目標過給圧が上記ウエストゲートバルブ
の動作範囲で達成される過給圧制御領域に移行するまで
に長時間を要する場合には、過給圧が目標過給圧に到達
した時点における積分値が過大なものとなって上記と同
様な問題が発生することになる。
【0013】そして、デューティソレノイドバルブの信
頼性を担保するために、出力制御量に上限または下限の
ガードを設定している場合には、上記の問題が特に顕著
に現れることになる。
【0014】この発明は、所定の条件下で過給圧をフィ
ードバック制御するようにした過給付エンジンにおける
上記の問題に対処するもので、フィードバック制御量の
構成要素として積分項を設ける場合においても、良好な
制御応答性が得られるようにすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1の発明(以下、第1発明という)に係る過給機付エン
ジンの過給圧制御装置は、エンジンの吸気通路に設置さ
れた過給機で生成される過給圧を所定の条件下でフィー
ドバック制御するようにした過給付エンジンにおいて、
上記過給機で生成される過給圧を調整する過給圧調整手
段と、エンジンの運転状態に基づいて目標過給圧を設定
する目標過給圧設定手段と、上記過給機で生成される過
給圧を検出する過給圧検出手段と、該検出手段で検出さ
れた実際の過給圧の目標過給圧に対する偏差を算出する
偏差算出手段と、該算出手段で算出された過給圧の偏差
に応じて、該偏差が解消するように少なくとも積分項を
構成要素とするフィードバック制御量を設定するフィー
ドバック制御量設定手段と、上記過給圧調整手段に対す
る出力制御量をその動作範囲に対応した所定の上限値と
下限値との間に制限する出力制御量制限手段と、上記過
給圧調整手段の動作範囲を逸脱するような目標過給圧が
上記目標過給圧設定手段によって設定される場合に、上
記制限手段で制限される前の出力制御量が上記上限値も
しくは下限値となるようにフィードバック制御量を規制
するフィードバック制御量規制手段とを設けたことを特
徴とする。
【0016】そして、本願の請求項2の発明(以下、第
2発明という)に係る過給機付エンジンの過給圧制御装
置は、エンジンの吸気通路に設置された過給機で生成さ
れる過給圧を所定の条件下でフィードバック制御するよ
うにした過給付エンジンにおいて、上記過給機で生成さ
れる過給圧を調整する過給圧調整手段と、エンジンの運
転状態に基づいて目標過給圧を設定する目標過給圧設定
手段と、上記過給機で生成される過給圧を検出する過給
圧検出手段と、該検出手段で検出された実際の過給圧の
目標過給圧に対する偏差を算出する偏差算出手段と、該
算出手段で算出された過給圧の偏差に応じて、該偏差が
解消するように少なくとも積分項を構成要素とするフィ
ードバック制御量を設定するフィードバック制御量設定
手段と、上記過給圧調整手段に対する出力制御量をその
動作範囲に対応した所定の上限値と下限値との間に制限
する出力制御量制限手段と、上記過給圧調整手段の動作
範囲を逸脱するような目標過給圧が上記目標過給圧設定
手段によって設定される場合に、上記制限手段で制限さ
れる前の出力制御量が上記上限値もしくは下限値となる
ようにフィードバック制御量を規制するフィードバック
制御量規制手段と、該規制手段により規制される前のフ
ィードバック制御量から規制後のフィードバック制御量
を減算した値を、規制前のフィードバック制御量を構成
する上記積分項の今回値から減算することによりフィー
ドバック制御量を更新するフィードバック制御量更新手
段とを設けたことを特徴とする。
【0017】
【作用】上記の構成によれば次のような作用が得られ
る。
【0018】すなわち、第1、第2発明のいずれにおい
ても、エンジンの運転状態に基づいて設定された目標過
給圧と、上記過給機で生成される実際の過給圧とが異な
る場合には、その偏差が解消されるようにフィードバッ
ク制御量が設定される。そして、そのフィードバック制
御量には、構成要素として積分項が設けられていること
から、過給圧調整手段に対する出力制御量が、その動作
範囲に対応した所定の上、下限値の間に含まれるときに
は、上記偏差が頻繁に反転しても積分項がほぼ一定に保
たれることから、この種フィードバック制御の安定性が
向上することになる。
【0019】また、上記過給圧調整手段の動作範囲を逸
脱するような目標過給圧が設定される場合には、出力制
御量制限手段で制限される前の出力制御量が上記上限値
もしくは下限値となるようにフィードバック制御量が規
制される。これにより、実際の過給圧が目標過給圧に到
達したときには、出力制御量にフィードバック制御量が
可及的速やかに反映されることになって、良好な応答性
が得られることになる。
【0020】そして、第2発明によれば、規制前のフィ
ードバック制御量から規制後のフィードバック制御量を
減算した値を、規制前のフィードバック制御量を構成す
る積分項の今回値から減算することによりフィードバッ
ク制御量を更新するようにしているので、実際の過給圧
が目標過給圧に到達した時点における積分項が著しく小
さいものとなり、更に良好な応答性が得られることにな
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0022】図1に示すように、エンジン1にはエアク
リーナ2から吸入した空気を各気筒の燃焼室に供給する
吸気通路3と、燃焼後の排気ガスを排出させる排気通路
4とが設けられている。そして、吸気通路3には、上流
側から、吸入空気量を検出するエアフローセンサ5と、
過給機6を構成するコンプレッサ6aと、該コンプレッ
サ6aで加圧された空気を冷却するインタークーラー7
と、エンジン出力ないし吸入空気量を調節するスロット
ルバルブ8と、サージタンク9とが設けられていると共
に、該サージタンク9と各気筒との間に設けられた独立
吸気通路には、それぞれ燃料噴射弁10…10が設置さ
れている。
【0023】一方、上記排気通路4には、上記コンプレ
ッサ6aと共に過給機6を構成するタービン6bが設置
されている。そして、このタービン6bとコンプレッサ
6aとがタービンシャフト6cを介して連結されている
ことにより、燃焼後の排気ガスが持つ運動力によって回
転するタービン6bの回転力が、該シャフト6cを介し
てコンプレッサ6aに伝達され、これにより該コンプレ
ッサ6aが高速で回転して上記エアクリーナ2から吸入
した空気を各気筒の燃焼室に加圧送給するようになって
いる。
【0024】また、このエンジン1には、上記排気通路
4におけるタービン6bの上流部と下流部とをバイパス
するバイパス通路11と、該バイパス通路11を開閉す
るウエストゲートバルブ12と、該ウエストゲートバル
ブ12をリンク機構13を介して開閉駆動するダイヤフ
ラム式のアクチュエータ14とが備えられている。
【0025】このアクチュエータ14には、上記吸気通
路3におけるサージタンク9からデューティソレノイド
バルブ15を介して導かれた制御圧通路16が接続され
ていると共に、上記デューティソレノイドバルブ15に
接続された圧力開放通路17が上記エアフローセンサ5
の下流側で吸気通路3に接続されている。そして、デュ
ーティソレノイドバルブ15に出力するデューティ値
(ON,OFF時間のON時間比率)を変更することに
より、上記アクチュエータ14に供給する制御圧を変え
てウエストゲートバルブ12の開度を調節するようにな
っている。ここで、上記デューティ値は、これが大きく
なるほど制御圧が大きくなり、それに伴ってウエストゲ
ートバルブ12の開度が小さくなるようになっている。
そして、最大のデューティ値を出力したときには、ウエ
ストゲートバルブ12が全閉状態となり、また最小のデ
ューティ値を出力したときにはウエストゲートバルブ1
2が全開状態となるように各部のパラメータが設定され
ている。
【0026】さらに、このエンジン1には、過給圧など
の制御を行うコントロールユニット(以下、ECUとい
う)20が備えられている。このECU20には、エア
フローセンサ5からの信号、スロットルバルブ8の開度
を検出するスロットル開度センサ21からの信号、エン
ジン回転数を検出するエンジン回転センサ22からの信
号、吸気通路3のサージタンク9に設置された圧力セン
サ23からの信号、当該自動車に搭載されたバッテリの
電圧を検出するバッテリ電圧センサ24からの信号など
が入力される。そして、ECU20は上記信号に基づい
て燃料噴射弁10…10からの燃料噴射量の制御や、上
記デューティソレノイドバルブ15を用いた過給圧制御
を行うようになっている。
【0027】次に、本実施例に係る過給圧制御を図2〜
図8のフローチャートを用いて説明する。
【0028】まず、図2に示したメインルーチンを示す
フローチャートに従って過給圧制御のアウトラインを説
明すると、ECU20はステップS0で各種信号を読み
込んだ上で、ステップS1で所定のサブルーチンに従っ
て目標過給圧を算出すると共に、ステップS3で所定の
サブルーチンに従ってベースデューティ値を算出する。
そして、ステップS3で所定のサブルーチンに従って電
圧補正デューティ値を算出し、またステップS4で所定
のサブルーチンに従ってフィードバックデューティ値を
算出した後、ステップS5で所定のサブルーチンに従っ
て最終デューティ値を算出すると共に、ステップS6で
該最終デューティ値に応じた駆動信号をデューティソレ
ノイドバルブ15に出力する。これにより、ウエストゲ
ートバルブ12は上記最終デューティ値に対応した開度
に調節されることになる。
【0029】そして、上記ステップS1における目標過
給圧算出処理は、具体的には図3のフローチャートに従
って次のように行われる。すなわち、ECU20はステ
ップS10で各種信号を読み込んだ上で、ステップS1
1で予め設定された目標過給圧BMのマップにエンジン
回転センサ22及びスロットル開度センサ21からの信
号が示す現実のエンジン回転数neとスロットル開度θ
とを当てはめて、対応する値を目標過給圧bmとしてセ
ットする。
【0030】また、上記ベースデューティ値の算出処理
は、図4のフローチャートに従って次のように行われ
る。つまり、ECU20はステップS20で各種信号を
読み込んだ上で、ステップS21で予め設定されたデュ
ーティ値が0に対応する基準目標過給圧BM0のマップ
に、上記エンジン回転数neとスロットル開度θとを当
てはめて、対応する値を基準目標過給圧b0として読み
込むと共に、さらにステップS23を実行して上記目標
過給圧bmから基準目標過給圧b0を減算した値を目標
過給圧偏差量△bmとしてセットする。そして、ステッ
プS24を実行して、予め設定されたベースデューティ
値DBのマップに、上記目標過給圧偏差量△bmとエン
ジン回転数neとスロットル開度θとを当てはめて、対
応する値をベースデューティ値dbとしてセットする。
【0031】さらに、電圧補正デューティ値の算出処理
は、図5のフローチャートに従って次のように行われ
る。すなわち、ECU20はステップS30で各種信号
を読み込んだ上で、予め設定された電圧補正デューティ
値DVのテーブルに、バッテリ電圧センサ24からの信
号が示すバッテリ電圧vbを当てはめて、対応する値を
電圧補正デューティ値dvとしてセットする。
【0032】そして、本発明の特徴部分であるフィード
バックデューティ値の算出処理は、具体的には図6及び
図7のフローチャートに示すサブルーチンに従って次の
ように行われる。
【0033】すなわち、ECU20はステップS40で
各種信号を読み込んだ上で、ステップS41を実行して
エンジン1の運転状態に応じて設定された目標過給圧b
mから上記圧力センサ23からの信号が示す実過給圧b
rを減算した値を圧力偏差量△bとしてセットする。そ
して、ステップS42で予め設定された比例値Pのテー
ブルに上記圧力偏差量△bを当てはめて、対応する値を
比例値pとしてセットすると共に、ステップS43で予
め設定された積分因子△Iのテーブルに上記圧力偏差量
△bを当てはめて、対応する値を積分因子△iとしてセ
ットする。
【0034】次に、ECU20はステップS44に進ん
で、更新用積分値iの前回値i’に上記積分因子△iを
加算した値と−100と100とを比較し、3者の中間
の値をF/B演算用積分値i0としてセットする。つま
り、更新用積分値iの前回値i’に上記積分因子△iを
加算した値が、−100と100との間に含まれるとき
には、その値がF/B演算用積分値i0として選択され
ることになる。
【0035】ECU20は、次にステップS45を実行
してエンジン回転数neが所定値Noよりも大きいか否
かを判定し、YESと判定するとステップS46に進ん
でスロットル開度θが所定値Θoよりも大きいか否かを
判定して、YESと判定したときにのみステップS47
に進んで、上記比例値pにF/B演算用積分値i0を加
算した値と所定のフィードバック上限値FBMX(例え
ば40%)とフィードバック下限値FBMN(例えば−
40%)とを比較し、3者の中間の値を基本フィードバ
ックデューティ値dfb0として選択した上で、図7の
フローチャートのステップS48に進んでベースデュー
ティ値dbと基本フィードバックデューティ値dfb0
と電圧補正デューティ値dvとを加算した値を第1変数
v1としてセットする。なお、上記ステップS45、4
6でNOと判定したときには、ステップS49に移って
基本フィードバックデューティ値dfb0として0をセ
ットする。
【0036】次に、ECU20はステップS50に進
み、第1変数v1がデューティ下限値DMN(例えば5
%)よりも小さいか否かを判定し、YESと判定したと
きにはステップS51に進んで上記基本フィードバック
デューティ値dfb0が0よりも小さな否かを判定し
て、YESと判定したときにはステップS52に進ん
で、上記デューテ下限値DMNからベースデューティ値
db及び電圧補正デューティ値dvを減算した値と0と
を比較し、両者の小さい方を最終フィードバックデュー
ティ値dfbとして選択した上で、ステップS53に進
んで上記比例値pにF/B演算用積分値i0を加算した
値を第2変数v2としてセットする。
【0037】なお、ECU20は上記ステップS51に
おいて基本フィードバックデューティ値dfb0が0よ
りも小さくないと判定したときには、ステップS54に
移って基本フィードバックデューティ値dfb0をその
まま最終フィードバックデューティ値dfbとしてセッ
トする。
【0038】また、ECU20は上記ステップS50に
おいて、第1変数v1がデューティ下限値DMNよりも
小さくないと判定したときには、ステップS55に移っ
て今度は該第1変数v1がデューティ上限値DMX(例
えば95%)よりも大きいか否かを判定し、YESと判
定したときにはステップS56に進んで基本フィードバ
ックデューティ値dfb0が0よりも大きいか否かを判
定する。そして、基本フィードバックデューティ値df
b0が0よりも大きいと判定したときにはステップS5
7に進んで、上記デューティ上限値DMXからベースデ
ューティ値db及び電圧補正デューティ値dvを減算し
た値と0とを比較し、両者の大きい方を最終フィードバ
ックデューティ値dfbとして選択し、また基本フィー
ドバックデューティ値dfb0が0よりも大きくないと
判定したときには、ステップS58に移って基本フィー
ドバックデューティ値dfb0を最終フィードバックデ
ューティ値dfbとしてセットする。
【0039】なお、ECU20は、上記ステップS55
において第1変数v1がデューティ上限値DMXよりも
大きくないと判定したとき、つまりベースデューティ値
dbと基本フィードバックデューティ値dfb0と電圧
補正デューティ値dvとを加算した値がデューティ上限
値DMXとデューティ下限値DMNとの間に含まれると
判定したときにも、上記ステップS58を実行して基本
フィードバックデューティ値dfb0を最終フィードバ
ックデューティ値dfbとしてセットするようになって
いる。
【0040】以上のようにして最終フィードバックデュ
ーティ値dfbを設定すると、ECU20はステップS
59に進んで上記ステップS53において設定した第2
変数v2が最終フィードバックデューティ値dfbより
も小さいか否かを判定して、YESと判定するステップ
S60を実行して最終フィードバックデューティ値df
bから第2変数v2を減算した値を第3変数v3として
セットすると共に、ステップS61で上記基本フィード
バックデューティ値dfb0が0よりも小さいか否かを
判定する。そして、基本フィードバックデューティ値d
fb0が0よりも小さいと判定したときには、次にステ
ップS62に進んで基本フィードバックデューティ値d
fb0に上記第3変数v3を加算した値が0よりも大き
いか否かを判定して、YESと判定したときにはステッ
プS64で更新用積分値iとして0をセットすると共
に、NOと判定したときにはステップS63でF/B演
算用積分値i0に上記第3変数v3を加算した値を更新
用積分値iとしてセットする。
【0041】また、ECU20は上記ステップS61に
おいて基本フィードバックデューティ値dfb0が0よ
りも小さくないと判定したときには、ステップS65に
移ってF/B演算用積分値i0をそのまま更新用積分値
iとしてセットする。
【0042】一方、ECU20は、上記ステップS59
において第2変数v2が最終フィードバックデューティ
値dfbよりも小さくないと判定したときには、ステッ
プS66に移って第2変数v2が最終フィードバックデ
ューティ値dfbよりも大きいか否かを判定して、YE
Sと判定するステップS67を実行して今度は第2変数
v2から最終フィードバックデューティ値dfbを減算
した値を第3変数v3としてセットすると共に、ステッ
プS68で上記基本フィードバックデューティ値dfb
0が0よりも大きいか否かを判定する。そして、基本フ
ィードバックデューティ値dfb0が0よりも大きいと
判定したときには、次にステップS69に進んで基本フ
ィードバックデューティ値dfb0から上記第3変数v
3を減算した値が0よりも小さいか否かを判定して、Y
ESと判定したときにはステップS71で更新用積分値
iとして0をセットすると共に、NOと判定したときに
はステップS70でF/B演算用積分値i0に上記第3
変数v3を加算した値を更新用積分値iとしてセットす
る。
【0043】また、ECU20は上記ステップS68に
おいて基本フィードバックデューティ値dfb0が0よ
りも大きくないと判定するか、ステップS66で第2変
数v2が最終フィードバックデューティ値dfbよりも
大きくないと判定したときには、ステップS72に移っ
て上記ステップS65と同様にF/B演算用積分値i0
をそのまま更新用積分値iとしてセットする。
【0044】そして、以上のようにして設定された更新
用積分値iが、次回にF/B演算用積分値i0を更新す
る際に用いられる。
【0045】また、上記図2のフローチャートにおける
ステップS5の最終デューティ値の算出処理は、具体的
には図8にフローチャートを示したサブルーチンに従っ
て次のように行われる。つまり、ECU20はステップ
S80で各種信号を読み込んだ上で、ステップS81を
実行して、ベースデューティ値db、最終フィードバッ
クデューティ値dfb及び電圧補正デューティ値dvを
加算した値とデューティ下限値DMNとデューティ上限
値DMXとを比較し、3者の中間の値を最終デューティ
値dyとして選択する。これにより、デューティソレノ
イドバルブ15に出力される最終デューティ値dyは、
上記デューティ下限値DMNとデューティ上限値DMX
との間に制限されることになる。
【0046】次に、実施例の作用を説明する。
【0047】今、図9(a)(e)に示すように、最終
デューティ値dyがデューティ上限値DMXに制限され
る状態が長く続いて、その間実過給圧brよりも高圧側
に目標過給圧bmが設定されているものとする。そし
て、ベースデューティ値dbが100%に、また電圧補
正デューティ値dvが5%に設定されているものと仮定
する。
【0048】このような場合には、従来においては、実
過給圧brが目標過給圧bmに接近するに従って積分値
が増大することから、同図(c)の鎖線で示すようにフ
ィードバックデューティ値dfbがフィードバック上限
値FBMXに張り付いた状態となる。この場合、実過給
圧brが目標過給圧bmに接近するに伴って比例値が減
少することから、実過給圧brが目標過給圧bmに到達
した時点におけるフィードバックデューティ値dfbは
積分値のみとなる。したがって、実過給圧brが目標過
給圧bmを超えて、圧力低下方向に比例値や積分因子が
加算されたとしてもフィードバックデューティ値dfb
が零点を超えてマイナス側に減少するまでに長時間を要
することになり、このため同図(e)に示すように最終
デューティ値dyが減少し始めるまでにタイムラグが生
じることになるのである。
【0049】これに対して、この実施例においては、デ
ューティ上限値DMXからベースデューティ値db及び
電圧補正デューティ値dvを減算した値と0とを比較
し、両者の大きい方を最終フィードバックデューティ値
dfbとして選択するようになっているので、例えば実
過給圧brが目標過給圧bmに到達した時点におけるベ
ースデューティ値dbを80%とすると、デューティ上
限値DMXの95%からベースデューティ値dbの80
%及び電圧補正デューティ値dvの5%を減算した値は
10%となる。そして、その10%が最終フィードバッ
クデューティ値dfbとして設定されることになる。つ
まり、ガードがかけられる前の各デューティ値の合計が
上記デューティ上限値DMXとなるようにフィードバッ
クデューティ値dfbが規制されることになるのであ
る。したがって、実過給圧brが目標過給圧bmを超え
たときには、基本フィードバックデューティ値dfb0
ないし最終フィードバックデューティ値dfbの減少に
伴って最終デューティ値dyが減少することになり、良
好な応答性が得られることになる。
【0050】特に、実施例のように基本フィードバック
デューティ値dfb0から最終フィードバックデューテ
ィ値dfbを減算した値を、F/B演算用積分値i0か
ら減算することにより更新用積分値iを設定するように
しているので、更に良好な応答性が得られることにな
る。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、過給圧調
整手段の動作範囲を逸脱するような目標過給圧が設定さ
れる場合には、出力制御量制限手段で制限される前の出
力制御量が上記上限値もしくは下限値となるようにフィ
ードバック制御量が規制されるので、実際の過給圧が目
標過給圧に到達したときには、出力制御量にフィードバ
ック制御量が可及的速やかに反映されることになって、
良好な応答性が得られることになる。
【0052】そして、実施例のように、規制前のフィー
ドバック制御量から規制後のフィードバック制御量を減
算した値を、規制前のフィードバック制御量を構成する
積分項の今回値から減算してフィードバック制御量を更
新するようにすれば、実際の過給圧が目標過給圧に到達
した時点における積分項が著しく小さいものとなり、更
に良好な応答性が得られることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に係るエンジンの制御システム図であ
る。
【図2】 過給圧制御のメインルーチンを示すフローチ
ャート図である。
【図3】 目標過給圧算出処理を示すフローチャート図
である。
【図4】 ベースデューティ値算出処理を示すフローチ
ャート図である。
【図5】 電圧補正デューティ値算出処理を示すフロー
チャート図である。
【図6】 フィードバックデューティ値算出処理の一部
を示すフローチャート図である。
【図7】 同じくフィードバックデューティ値算出処理
の一部を示すフローチャート図である。
【図8】 最終デューティ値算出処理を示すフローチャ
ート図である。
【図9】 実施例の作用を示すタイムチャート図であ
る。
【符号の説明】
1 エンジン 6 過給機 12 ウエストゲートバルブ 14 アクチュエータ 15 デューティソレノイドバルブ 20 ECU 23 圧力センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの吸気通路に設置された過給機
    で生成される過給圧を所定の条件下でフィードバック制
    御するようにした過給付エンジンの過給圧制御装置であ
    って、上記過給機で生成される過給圧を調整する過給圧
    調整手段と、エンジンの運転状態に基づいて目標過給圧
    を設定する目標過給圧設定手段と、上記過給機で生成さ
    れる過給圧を検出する過給圧検出手段と、該検出手段で
    検出された実際の過給圧の目標過給圧に対する偏差を算
    出する偏差算出手段と、該算出手段で算出された過給圧
    の偏差に応じて、該偏差が解消するように少なくとも積
    分項を構成要素とするフィードバック制御量を設定する
    フィードバック制御量設定手段と、上記過給圧調整手段
    に対する出力制御量をその動作範囲に対応した所定の上
    限値と下限値との間に制限する出力制御量制限手段と、
    上記過給圧調整手段の動作範囲を逸脱するような目標過
    給圧が設定される場合に、上記制限手段で制限される前
    の出力制御量が上記上限値もしくは下限値となるように
    フィードバック制御量を規制するフィードバック制御量
    規制手段とが設けられていることを特徴とする過給機付
    エンジンの過給圧制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジンの吸気通路に設置された過給機
    で生成される過給圧を所定の条件下でフィードバック制
    御するようにした過給付エンジンの過給圧制御装置であ
    って、上記過給機で生成される過給圧を調整する過給圧
    調整手段と、エンジンの運転状態に基づいて目標過給圧
    を設定する目標過給圧設定手段と、上記過給機で生成さ
    れる過給圧を検出する過給圧検出手段と、該検出手段で
    検出された実際の過給圧の目標過給圧に対する偏差を算
    出する偏差算出手段と、該算出手段で算出された過給圧
    の偏差に応じて、該偏差が解消するように少なくとも積
    分項を構成要素とするフィードバック制御量を設定する
    フィードバック制御量設定手段と、上記過給圧調整手段
    に対する出力制御量をその動作範囲に対応した所定の上
    限値と下限値との間に制限する出力制御量制限手段と、
    上記過給圧調整手段の動作範囲を逸脱するような目標過
    給圧が設定される場合に、上記制限手段で制限される前
    の出力制御量が上記上限値もしくは下限値となるように
    フィードバック制御量を規制するフィードバック制御量
    規制手段と、該規制手段により規制される前のフィード
    バック制御量から規制後のフィードバック制御量を減算
    した値を、規制前のフィードバック制御量を構成する上
    記積分項の今回値から減算することによりフィードバッ
    ク制御量を更新するフィードバック制御量更新手段とが
    設けられていることを特徴とする過給機付エンジンの過
    給圧制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6382195B1 (en) 2000-02-18 2002-05-07 Borgwarner Inc. Exhaust gas recirculation system for an internal combustion engine having an integrated valve position sensor
JP2008151006A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Toyota Motor Corp ターボチャージャの制御装置
JP2015129469A (ja) * 2014-01-08 2015-07-16 トヨタ自動車株式会社 過給機付きエンジンの制御装置
JP2021076088A (ja) * 2019-11-12 2021-05-20 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

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