JPH06218559A - 拡散接合用材料 - Google Patents

拡散接合用材料

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JPH06218559A
JPH06218559A JP18871993A JP18871993A JPH06218559A JP H06218559 A JPH06218559 A JP H06218559A JP 18871993 A JP18871993 A JP 18871993A JP 18871993 A JP18871993 A JP 18871993A JP H06218559 A JPH06218559 A JP H06218559A
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康人 深田
Takao Ko
隆夫 高
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文雄 樫本
Kazuhiro Ogawa
和博 小川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インサート材を用いた拡散接合において、イ
ンサート材の取り扱いを不要にする。インサート材の挿
入忘れおよび脱落を防ぐ。 【構成】 拡散接合される接合母材の接合面にインサー
ト材としてメッキ膜1を形成する。メッキ膜1は、重量
比でB:1〜10%、P:10%以下、Fe:50%以
下、Cr:30%以下のうちのBを必須とする1種また
は2種以上を含み、残部がNiおよび不可避的不純物か
らなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート建造物の
建造に使用される鉄筋、各種配管に使用される鋼管等と
して用いられる拡散接合用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】橋脚等の大型コンクリート建造物の建造
では、多数本の鉄筋を継ぎ足しながら工事が進められ
る。従って、鉄筋を能率よく接合することが、工期短縮
等を図る上で非常に重要となる。
【0003】従来より、この鉄筋の接合には主としてガ
ス圧接が用いられている。この接合法は、鉄筋を突き合
わせ、突き合わせ部をガスバーナの還元炎で充分に加熱
した後、油圧でアプセットを加えて突き合わせ部が充分
な脹らみをもつ形状に仕上げる方法である。
【0004】しかし、従来のガス圧接による接合では、
その殆どのプロセスが手作業で行われており、能率が非
常に悪かった。また、作業に熟練を要し、接合部の品質
が安定しないという問題があった。
【0005】このような問題を解決するために、母材よ
り低融点のインサート材を接合面間に挟んで、母材同士
を突き合わせ、その突き合わせ部を加圧しつつ母材の融
点未満、インサート材の融点以上に加熱する液相拡散接
合が、鉄筋の接合に導入され始めた(特開平2−754
78号公報、特開平2−241677号公報、特開平3
−230874号公報、特開平4−75734〜6号公
報)。
【0006】この方法では、加熱中にインサート材に含
まれた融点降下元素が母材中に拡散して行くことにより
インサート材の融点が徐々に上昇し、最終的に等温凝固
により接合完了する。そのため、鉄筋接合のような大面
積の接合に対しても一度で接合を完了させることができ
る利点がある。
【0007】しかし、この方法ではインサート材の取り
扱いが問題となる。即ち、液相拡散接合に使用されるイ
ンサート材は薄い箔体であり、その取り扱いに手間がか
かる上に、突き合わせ部にインサート材を挿入し忘れた
り、突き合わせ部にインサート材を挿入し終わるまでの
間にインサート材が脱落したりすることにより、インサ
ート材なしで接合が行われる危険性がある。一旦接合が
行われると、接合後にインサート材の有無を判定するこ
とが困難であるため、インサート材の挿入忘れや脱落に
起因する接合品質不良が生じるおそれがある。
【0008】また、この方法では、インサート材との接
合面との間で濡れ現象を発生させる必要がある。即ち、
接合過程で溶融したインサート材が接合面に対して濡れ
不良を生じると、その箇所は接合欠陥となり、継手性能
の劣化を招くのである。しかし、インサート材のしわや
接合面の粗度により、濡れ不良を生じる危険性が高く、
これもインサート材の使用に伴う大きな問題と言える。
【0009】インサート材の使用に伴う問題を解決する
ために、特開平4−75734〜6号公報には、接合す
べき一対の条材の接合面の全体を覆った上で、少なくと
も一部において接合面より外側へ突出する突起をもつイ
ンサート材を使用すること、接合すべき一対の条材の少
なくとも一方と係合して、その接合面上にインサート材
を保持する保持部材をインサート材の周囲に設けるこ
と、接合すべき一対の条材を突き合わせる前に、一方の
条材の接合面にインサート材を接着、粘着、スポット溶
接または磁着により予め固定することが開示されてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの対策
には次のような問題がある。
【0011】突起付きのインサート材は、その突起が接
合後にダレとなって接合部の外に残ることにより、接合
後のインサート材の有無を判定することが可能である。
しかし、インサート材が箔体である以上、取り扱い性や
濡れ不良の問題は解決されない。
【0012】インサート材の周囲に保持部材を設ける対
策では、その保持部材がインサート材と一体の場合は、
インサート材に強度がないため、充分な保持機能が得ら
れず、保持部材がインサート材とは別の部材の場合は、
保持機能は得られても、保持部材の着脱に余分の手間を
必要とすることから、作業性の低下を招く。また、イン
サート材を保持する以外の機能、即ち、取り扱い性や濡
れ性は何ら改善されない。
【0013】同様に接合面にインサート材を固定する対
策では、インサート材を保持する以外の機能は何ら改善
されない。その上、接着や粘着では接着剤や粘着剤が接
合面間に介在するため、接合品質の低下を招くおそれが
ある。スポット接合ではその溶接に手間がかかり、作業
性の低下を招く。また、磁着では鉄筋が非磁性体の場合
は適用不能となる。
【0014】このように従来の対策ではインサート材の
使用に伴う取り扱い性、インサート材の保持、脱落、濡
れ性等の問題を全て解決することは不可能であり、対策
によっては異物介在による接合不良等の二次弊害を招く
おそれがある。
【0015】本発明の目的は、インサート材の使用に伴
う問題を全て解決し、しかも異物介在による接合不良等
の二次弊害を生じるおそれがない拡散接合用材料を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の拡散接合用材料
は、拡散接合される接合母材の接合面に、重量比でB:
1〜10%、P:10%以下、Fe:50%以下、C
r:30%以下のうちのBを必須とする1種または2種
以上を含み、残部がNiおよび不可避的不純物からなる
厚さが2〜100μmのメッキ膜を形成したことを特徴
とする。
【0017】
【作用】本発明の拡散接合用材料においては、接合母材
の接合面にインサート材をメッキ膜として一体的に設け
たので、接合現場でインサート材を挿入する工程が不要
となる。そのため、挿入忘れや脱落の危険が皆無とな
り、確実な接合が行われると共に、接合作業性が著しく
向上する。また、接着剤や粘着剤を使用した場合に問題
となる接合品質低下のおそれがなく、スポット溶接を行
うような手間も必要としない。また、接合母材が非磁性
体の場合も適用が可能である。また、メッキ膜は接合母
材の接合面との間で濡れを生じているため、濡れ不良に
よる接合性低下が防止される。
【0018】以下に本発明の拡散接合用材料における接
合母材およびメッキ膜、更にその接合方法について詳述
する。
【0019】接合母材 接合母材は特に限定せず、例えば鉄筋等の条材、管材等
が適用可能であり、材質に関しても低合金鋼、ステンレ
ス鋼はもとより金属材料全般が適用可能である。
【0020】メッキ膜 メッキ膜は接合母材の接合面にインサート材の機能を付
与する。また、その接合面に密着し、接合界面での濡れ
不良を防ぐ。一般に多用されるインサート材の組成はN
i−Si−B系であるが、これはメッキ膜として形成す
ることが困難と判明したため、本発明におけるメッキ膜
の組成はNi−B(−P−α)系とした。αはFe,C
rである。その成分限定理由は次のとおりである。
【0021】Bはメッキ膜と母材またはメッキ膜同士の
接合時の濡れ性を確保するために不可欠の元素である。
これが1%未満では濡れ性が不充分となり、10%を超
えると拡散に長時間を要し、接合部の耐食性低下等を招
く。従ってBは1〜10%とした。
【0022】Pはメッキ膜の融点を低下させる作用があ
る。しかし拡散が遅く、脆化層を形成しやすい。そのた
めPは必要に応じて10%以下の添加とした。
【0023】Feはメッキ膜を母材組成に近づける作用
がある。しかし、過多の添加は接合時の濡れ性を損なう
ばかりでなく、耐食性も劣化させる。従ってFeは必要
に応じて50%以下の添加とした。
【0024】Crは接合部の耐食性向上に有効である
が、過多の添加は接合部を脆化させる。従って、Crは
必要に応じて30%以下の添加とした。
【0025】メッキ膜は拡散接合される一対の接合母材
の一方の接合面に形成してもよいし、両方の接合面に形
成してもよい。一方の接合面に形成した場合は、図1
(A)に示すように、そのメッキ膜1を同方向に向けて
材料2を並べることにより、各突き合わせ部にメッキ膜
1を介在させる。
【0026】両方の接合面に形成した場合は、図1
(B)(C)に示すように、メッキ膜付きの材料2を順
番に並べてもよいし、メッキ膜を有しない材料3を挟み
ながらメッキ膜付き材料2を並べてもよい。また、図1
(D)(E)に示すように、短尺のメッキ膜付き材料2
を中間継手として使用することができる。いずれの場合
も突き合わせ部に1又は2のメッキ膜が介在する。
【0027】メッキ膜の形成法としては、硫酸ニッケル
又は塩化ニッケルの水溶液にホウ酸及びホウ化物(例え
ばトリメチルアミンボラン)さらに場合によってはリン
酸を混合したものをメッキ液とする電解メッキが望まし
い。また無電解メッキでも良い。
【0028】膜厚は、インサート材としての機能を発現
させるために2μm以上を必要とする。厚くなると、膜
形成に長時間を要し、経済性を損なうのみならず、拡散
時間が長くなり、加熱時間の延長も招くので、100μ
mを最大とする。なお、メッキ膜が重ねられる場合は、
その合計厚が100μm以下となるようにするのが望ま
しい。
【0029】接合方法 接合に際しては、前述したように、少なくとも一方にメ
ッキ膜付きの材料を配し、突き合わせ部に1又は2のメ
ッキ膜が介在するように材料同士を突き合わせる。次い
で、図2に示すように、材料同士を治具4で拘束し、高
周波加熱コイル5等により突き合わせ部を加熱する。
【0030】加熱温度は1200℃以上が望ましい。こ
れは短時間での接合を実現するためである。融点の極め
て低いメッキ膜を用いれば、1200℃未満の温度でも
接合は可能であるが、メッキ膜中のB等を十分に母材中
へ拡散させて健全な接合部を得るには、長時間の加熱が
必要となり実用的でない。
【0031】加熱時間は、メッキ膜中のB等を充分に拡
散させるために、60秒以上とするのが良い。
【0032】加熱の際には突き合わせ部を加圧するのが
良い。加圧力が10MPa未満では拡散に長時間を要
し、経済性を損なう。また、40MPaを超えると接合
部の変形が過大となる。従って、加圧力は10〜40M
Paが望ましい。なお、接合母材によっては変形が生じ
ても支障のない場合があるが、その場合は40MPaを
超える加圧力を付与してもよい。
【0033】接合雰囲気は非酸化性雰囲気とする。これ
は酸化性雰囲気の場合、接合母材およびメッキ膜の酸化
により濡れ不良が発生し、健全な接合部が得られないた
めである。非酸化性雰囲気を得る方法としては、例えば
加熱コイルより接合部に不活性ガス、窒素ガス等を放出
させる。管材では更にその内部に不活性ガス、窒素ガス
等を供給する。
【0034】半導体製造設備用等の高清浄度が要求され
る用途は配管用として用いられるクリーンパイプでは、
外面側は非酸化性雰囲気だけでよいが、内面側について
は、更にその露点を−70℃以下にする必要がある。内
面側の雰囲気の露点が−70℃を超えると、接合部内面
に酸化スケールが生成して耐食性が劣化する。なお、外
面側の雰囲気についても、その露点を−70℃以下に管
理することは差し支えないが、通常は、管外面に要求さ
れる耐食性が低いので、そこまでの露点管理は必要とし
ない。
【0035】外面側に必要な雰囲気は、例えば、純度が
99.99%以上のArガスを2リットル/min 以上の流量で
供給することにより得られる。内面側に必要な雰囲気
は、例えば、パイプ内に純度が99.999%以上のAr
ガスをクリーンな配管を用いて2リットル/min 以上の流量
で接合の3分間以上前から接合中にかけて流したり、パ
イプ内を高真空に脱気することで得られる。
【0036】
【実施例】次に本発明の実施例および比較例を説明す
る。
【0037】実施例1(条材接合例) JIS G3112 SD345に規定された呼び径D
51の異形鉄筋(長さ300mm)の両端面を面粗さR
max 50μmに仕上げ、その両端面に電解メッキを施し
た。また、長さが10mmの前記鉄筋の両端面を面粗さ
Rmax 50μmに仕上げ、その両端面に電解メッキを施
して中間継手とした。
【0038】電解メッキではNiSO4 +NiCl2
3 BO4 +(CH3 3 NBH3もしくはこれにリン
酸、クロム酸を加えた溶液中で通電を行い、液組成、電
流、通電時間を変えることにより、種々の組成および厚
さのメッキ膜を形成した。
【0039】そして、両端面にメッキ膜を形成した2
本の鉄筋を突き合わせて、治具により拘束し、その突き
合わせ部を加圧しつつ高周波誘導加熱した(図1
(B))。両端面にメッキ膜を形成した鉄筋と、両端
面にメッキ膜を有しない鉄筋とを突き合わせて、同様に
接合した(図1(C))。両端面にメッキ膜を形成し
た2本の鉄筋の間に、両端面にメッキ膜を形成した長さ
10mmの鉄筋(中間継手)を挟んで、同時接合した
(図1(D))。両端面にメッキ膜を有しない2本の
鉄筋の間に、両端面にメッキ膜を形成した長さ10mm
の鉄筋(中間継手)を挟んで、同時接合した(図1
(E))。
【0040】各接合では、加熱コイルを通して突き合わ
せ部に窒素ガスを100リットル/分の流量で吹き付けた。
【0041】比較のために、メッキ膜を有しない2本の
鉄筋を、箔状のインサート材を使用して接合した。イン
サート材の組成は、Ni−7%Cr−3%Fe−4.5%
Si−3.2%B、厚みは25μmとした。
【0042】各条件で100本の接合を行い、接合後の
継手をそのままの形状で引張試験および曲げ試験に供
し、各試験での合格率を求めた。なお、引張試験では、
接合部破断したものを不合格とし、曲げ試験では、接合
部破断あるいは接合部に割れ等が発生したものを不合格
とした。接合条件および合格率を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】No. 1〜11は、メッキ膜をインサート材
として用いた本発明例である。引張試験および曲げ試験
の両方で100%の合格率を示した。接合すべき鉄筋の
端面にメッキ膜を形成した場合(No. 1〜9)は、イン
サート材の使用忘れがなく、その脱落も生じない。中間
継手を使用した場合(No. 10,11)は、その中間継
手の挿入忘れや脱落があれば、その外観に大きな差が生
じるので、接合後にその有無を正確に判定できる。
【0045】No. 12は箔状のインサート材を使用した
従来例である。実験室での接合のため、濡れ不良による
接合性劣化は生じてない。しかし、現場接合では濡れ不
足による接合不良が懸念される。
【0046】No. 13はインサート材のない場合の接合
例である。合格率は非常に低い。しかし、少ない本数で
はあるが合格する場合が生じる。その接合部の外観は、
インサート材を用いたものと同じである。従って、No.
12のように箔状のインサート材を使用した場合は、試
験を行っても接合後にインサート材の有無を正確に判定
することは不可能である。
【0047】No. 14〜18はインサート材としてメッ
キ膜を用いた例であるが、メッキ膜の組成あるいはそれ
以外の接合条件が不適なため、No. 17を除き合格率が
低い。
【0048】No. 17は高い合格率を示すが、それはメ
ッキ膜の厚みを考慮した30分の加熱を行っているため
であり、長時間の加熱のために能率は非常に低い。ちな
みに、3分程度の加熱時間ではNo. 16のように合格率
は低い。
【0049】実施例2(管材接合例) 表2に示すステンレス鋼管および表3に示す炭素鋼管の
両端面に電解メッキを施し、その鋼管を図1(B)に示
す形態で接合した。SGPはJIS G3452に規定
された配管用炭素鋼管で外径34mm×肉厚3.2mm、
STS38はJIS G3455に規定された高圧配管
用炭素鋼管で外径28mm×肉厚4.0mm、STKSは
JIS G3441に規定された構造用合金鋼からなる
炭素鋼管で外径50.8mm×肉厚2.3mmである。ま
た、ステンレス鋼管はいずれも外径34mm×肉厚1.2
mmである。接合後の継手を実施例1と同様に評価した
結果を表4に示す。条件が適正であれば、メッキ膜は管
材の接合にも有効である。
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】実施例3(クリーンパイプの接合例) SUS316L、高合金N10276およびS3125
4(表5)からなり、内外面の電解研磨により特に内面
の最大粗さを0.6μm以下とした外径6mm、肉厚1m
m、長さ300mmのクリーンパイプの端面を面粗度Rm
ax×10μm以下に加工し、その両端面に電解メッキを
施した。
【0054】電解メッキではNiSO4 +NiCl2
3 BO4 +(CH3 3 NBH3もしくはこれにリン
酸、クロム酸を加えた溶液中で通電を行い、液組成、電
流、通電時間を変えることにより、種々の組成および厚
さのメッキ膜を形成した。
【0055】
【表5】
【0056】次いで、両端面にメッキ膜が形成された2
本のクリーンパイプを突き合わせて治具により拘束し、
その突き合わせ部を高周波誘導加熱した。このとき、突
き合わせ部外面は、加熱コイルを通して供給する純度9
9.99%のArガス(5リットル/min )によりシール
ドした。また、バイプ内には、純度99.999%のAr
ガスを5リットル/min 流して、露点が−70℃以下の
雰囲気を形成した。加熱温度は非接触型温度計によりモ
ニターして温度制御に利用した。
【0057】接合を終えたクリーンパイプの接合部に曲
げ半径24mmの曲試験を行って接合部の強度を評価し
た。また、接合部およびその近傍から採取した試験片を
用いて接合部の内面平坦度および耐食性を調査した。耐
食性の調査では、2%または30%濃度のFeCl3
6H2 O水溶液に浸した3×20mmの濾紙を接合部内
面に密着させ、25℃の雰囲気に6時間保持して、孔食
の発生の有無を調べた。結果を表2に示す。耐食性Sは
30%FeCl3 で孔食発生せず、Aは2%FeCl3
で孔食発生せず、Bは2%FeCl3 で孔食発生をそれ
ぞれ表わす。
【0058】なお、比較のために、クリーンパイプ用T
IG溶接機により溶接した接合部についても同様の評価
を行った。
【0059】B1はTIG溶接による接合である。接合
性は問題ないが、裏波ビードのために接合部内面の平坦
度が低く、清浄性に問題がある。B2は拡散接合である
が、パイプ端面にメッキ膜を有しないために接合が不完
全である。B3〜B5は、パイプ端面にメッキ膜を形成
して溶融拡散接合を行った場合である。しかし、B3お
よびB4ではメッキ膜の組成に問題があるため、接合が
不完全となり、B6ではパイプ内面側の雰囲気の露点が
高いために、接合部の耐食性が低下した。
【0060】これらに対し、本発明例であるA1〜A9
は接合に問題がなく、接合部内面の平坦度および耐食性
も良好である。
【0061】
【表6】
【0062】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明の拡散接合
用材料は、インサート材をメッキ膜として母材接合面に
一体的に有しているので、接合現場でのインサート材の
取り扱いを不要とし、接合施工性に優れる。しかも、イ
ンサート材の挿入忘れおよび脱落のおそれがない。従っ
て、鉄筋の接合のような現場接合でも確実な接合を能率
よく行うことができる。また、母材接合面とインサート
材の濡れ性に優れ、この面からも接合性の向上が期待で
きる。更に、接着や粘着、スポット溶接、磁着を用いた
場合のような二次的弊害も一切ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明材料を接合する際の材料配置例を示す模
式図である。
【図2】本発明材料の接合方法の一例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1 メッキ膜 2 メッキ膜付きの材料 3 メッキ膜なしの材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樫本 文雄 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 小川 和博 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 拡散接合される接合母材の接合面に、重
    量比でB:1〜10%、P:10%以下、Fe:50%
    以下、Cr:30%以下のうちのBを必須とする1種ま
    たは2種以上を含み、残部がNiおよび不可避的不純物
    からなる厚さが2〜100μmのメッキ膜を形成したこ
    とを特徴とする接合拡散用材料。
JP5188719A 1992-12-04 1993-06-30 管棒材の拡散接合方法 Expired - Fee Related JP2746066B2 (ja)

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