JPH06205618A - カンゾウ属植物の栽培方法 - Google Patents

カンゾウ属植物の栽培方法

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JPH06205618A
JPH06205618A JP31A JP17021791A JPH06205618A JP H06205618 A JPH06205618 A JP H06205618A JP 31 A JP31 A JP 31A JP 17021791 A JP17021791 A JP 17021791A JP H06205618 A JPH06205618 A JP H06205618A
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JP
Japan
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licorice
plant
culture solution
nitrogen
glycyrrhizin
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JP31A
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Akira Fujii
亮 藤井
Hitoshi Watanabe
斉 渡辺
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カンゾウ属植物の養液栽培において、培養液の
pHおよび窒素源組成を調整することによって根部の伸
長およびグリチルリチン含量増大を図る。 【構成】カンゾウ属植物をpH3.5〜4.5の培養液
または(および)硝酸態窒素とアンモニア態窒素との比
が0.5以下の培養液で養液栽培する。 【効果】根の著しい伸長と、グリチルリチン含量の増
加。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い生理作用を有し甘
味料としての使用量も多いグリチルリチンおよびその他
の有用成分の供給材料として有用なカンゾウ属植物の養
液栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カンゾウ属植物はマメ科に属し、中国、
欧州などの乾燥地帯においてのみ自生する多年生植物で
ある。その根および根茎を乾燥させたものは甘草と称
し、漢方で古くから鎮けい、緩和、鎮痛、鎮咳、去たん
薬として汎用されているが、その主成分としてはトリテ
ルペノイド系サポニンであるグリチルリチン(C4262
16)の存在が知られている。このグリチルリチンには
抗アレルギ−作用や副腎皮質ホルモン様作用、さらには
最近では抗エイズ作用などが認められており、医薬品と
して有用なものであることが知られている。また、グリ
チルリチンはショ糖の約150倍という独特な甘味を有
しており、醤油や菓子などの矯味原料としても大量に消
費されている。にもかかわらず、市場に流通しているカ
ンゾウ属植物はほとんどすべてが野生品でまかなわれて
おり、トルコ、アフガニスタン、中国、ソ連などからの
輸入に頼っている。しかし、近年これらの地域での資源
の枯渇が問題になりつつある。また、カンゾウ属植物の
圃場栽培においても栽培地域、天候等の影響によりグリ
チルリチンの含量に差が生じるため、安定にかつ大量に
生産することは困難であると考えられている。そこで、
グリチルリチンの効率良い大量生産を可能にすることが
できる新しいカンゾウ属植物の栽培方法が検討されてい
る。このような状況の下、特開平01−102092に
おいて、甘草をpHが約5〜10で、硝酸態窒素とアン
モニア態窒素との比が5以上の培養液で養液栽培し、得
られた甘草の根および根茎からグリチルリチンを採取す
るグリチルリチンの製造法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】ところが、この様な
方法で養液栽培された植物は根毛ばかりが発達し、かつ
有用成分含量が低いことが知られており、そのためカン
ゾウ属植物のように有用成分を肥大根に含む植物の養液
栽培方法としては適当ではない。そこで、肥大根に有用
成分のグリチルリチン等を含有するカンゾウ属植物にお
いては、有用成分含量が高くかつ伸長肥大した根を作ら
せることが必要であるが、有効な方法はまだ報告されて
いない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、グリチル
リチンをはじめとした有用成分を大量にしかも短期間で
得るため、まず湛液式水耕栽培に付したスペインカンゾ
ウを用いて、根の太さ(根、mm)とグリチルリチンの
含量(重量%)の関係を調べた。その結果、根径0.5
mm以下の根(以下細根)にはグリチルリチンが全く含
まれていなかったが、それ以上に太い根(以下主・側
根)では根径が大きくなるにしたがいグリチルリチンの
含量(重量%)も高まることが判明した。たとえば、根
径が0.5mm以上1.0mm未満の根は0.34%、
1.0mm以上3.0mm未満の根は1.19%であっ
た。したがって、カンゾウ属植物を養液栽培してグリチ
ルリチンを大量に得るには、主・側根部を肥大させる必
要があり、さらにこれらの根が長いほどグリチルリチン
の収量は上がると推測した。そこで、我々は種々検討の
結果、カンゾウ属植物の養液栽培において生育初期に培
養液のpHを3.5〜4.5に調整すると、予想外にも
主・側根部が著しく伸長すること、また硝酸態窒素とア
ンモニア態窒素との比が0.5以下の培養液で養液栽培
すると、予想外にもグリチルリチンなどの有用成分含量
が増大することを見出し、これに基づいて本発明を完成
した。即ち、本発明は、(1)カンゾウ属植物をpH
3.5〜4.5の培養液で養液栽培することを特徴とす
るカンゾウ属植物の栽培方法、(2)カンゾウ属植物を
硝酸態窒素とアンモニア態窒素との比が0.5以下の培
養液で養液栽培することを特徴とするカンゾウ属植物の
栽培方法、(3)カンゾウ属植物がスペインカンゾウで
ある第(1)または第(2)項記載の栽培方法、(4)
カンゾウ属植物の苗を用いる第(1)項記載の栽培方
法、(5)硫酸または水酸化ナトリウムで培養液のpH
を調整する第(1)項記載の栽培方法、および(6)カ
ンゾウ属植物をpH3.5〜4.5の培養液で養液栽培
後、硝酸態窒素とアンモニア態窒素との比が0.5以下
の培養液で養液栽培することを特徴とするカンゾウ属植
物の栽培方法に関する。
【0005】本発明は、カンゾウ属植物をpH3.5〜
4.5の培養液で養液栽培することによって行うことが
できる。用いられるカンゾウ属植物としては、根部にグ
リチルリチンを生成するものであればいずれのものでも
よく、たとえばスペインカンゾウ、ロシアカンゾウ、ウ
ラルカンゾウ、シナカンゾウ、ナンキンカンゾウ、ペル
シャカンゾウなどがあり、好ましくはたとえばスペイン
カンゾウ、ウラルカンゾウ、シナカンゾウなどが用いら
れる。pH3.5〜4.5の培養液で養液栽培する場合
は、これらのカンゾウ属植物の生育初期のものを用いる
のがよく、たとえば芽が約3cm程度に伸長し、長さ約
10cm程度の主根が10本ほど発生した苗などが用い
られ、好ましくはたとえば挿し木後約10〜20日後の
発根した苗などが用いられる。培養液としては、通常養
液栽培で一般的に用いられる培養液をpH約3.5〜
4.5、好ましくは4.0前後に調整したものなどを用
いることができる。たとえば大塚ハウス肥料(大塚化学
(株)製、たとえば大塚ハウス1ないし8号またはそれ
らの混合物など)、ハイポネックス(ハイポネックス社
(株)製)、住化ミネラップ液肥(住友化学工業(株)
製)、たとえば特開平1−102092、特願平2−1
15973などに記載の培養液またはそれらの混合物な
どを適宜pH3.5〜4.5に調整したものなどを用い
てもよい。たとえば大塚ハウス肥料(大塚ハウス1号、
2号の混合水溶液、大塚ハウス2ないし7号の混合水溶
液など)などをpH3.5〜4.5に調整した培養液な
どが好ましい。pHの調整剤としては、養液栽培に支障
のない酸、塩基または緩衝液などが用いられ、たとえば
硫酸、塩酸、硝酸、リン酸などの鉱酸、たとえば水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金
属、アンモニア水などの塩基、たとえばpH調整剤アッ
プ、pH調整剤ダウン(以上大塚化学(株)製)などの
緩衝液などが用いられるほか、たとえば特願平2−11
5971に記載のアンモニア態窒素を主体とするpH調
整剤などが用いられる。これらのpH調整剤は、水で適
宜の濃度に希釈した水溶液として用いることもできる。
好ましいpH調整剤としては、たとえば硫酸などの鉱
酸、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物な
どが用いられる。上記特定pH条件下の養液栽培方法と
しては、養液栽培一般に用いられる方法、たとえば水
耕、水気耕、噴霧耕などを用いることができる。具体的
には、湛液式水耕栽培の場合、1株あたり通常3〜50
l、好ましくは5〜30 lの培養液を用いる。培養温
度は支障のない限り限定されないが通常0〜40℃、好
ましくは20〜35℃、培養期間は通常1〜20カ月、
好ましくは2〜10カ月である。具体的には25〜35
℃で2〜4カ月培養する。培養液は15〜30日毎にす
べてを交換するかまたは培養液中に不足しているイオン
を足せばよい。また、栽培中にエア−ポンプなどで根に
酸素を供給するのがよく、好ましい結果が得られる。ま
た、噴霧耕栽培の場合には培養液を通常15〜120
分、好ましくは30〜60分に1度、30秒〜2分間噴
霧すればよい。1株あたりの培養液の使用量、培養温
度、培養期間は上記湛液式水耕栽培と同様である。
【0006】また、本発明はカンゾウ属植物を硝酸態窒
素とアンモニア態窒素との比が0.5以下の培養液で養
液栽培することにより行われる。この硝酸態窒素とアン
モニア態窒素との比とは、硝酸態窒素の供給源中の窒素
のモル数とアンモニア態窒素の供給源中の窒素のモル数
との比(モル比)を意味する。用いられるカンゾウ属植
物としては、上記に述べたものなどが用いられる。この
養液栽培においては、カンゾウ属植物の生育初期のもの
を用いるよりも主・側根部がある程度生育したものを用
いるのが有利で、たとえば発根後40〜180日経過し
たカンゾウ属植物を用いるのがよい。たとえば、前述の
方法に従ってカンゾウ属植物の苗をpH3.5〜4.5
の培養液でより好ましくは60〜120日間栽培して主
・側根部がある程度生育したものを得て、これを硝酸態
窒素とアンモニア態窒素との比が0.5以下の培養液で
さらに養液栽培するのが良い。硝酸態窒素とアンモニア
態窒素との特定比率下での培養のための培養液として
は、養液栽培で一般的に用いられている培養液、たとえ
ば大塚ハウス肥料(大塚化学(株)製、たとえば大塚ハ
ウス1ないし8号またはそれらの混合物など)などに硝
酸態窒素の窒素源または(および)アンモニア態窒素の
窒素源を適宜添加して、硝酸態窒素とアンモニア態窒素
との比が0.5以下になるように調整したものなどを用
いることができる。好ましくは、培養液中の窒素のでき
るだけ多くあるいはすべてをアンモニア態窒素にするこ
とによって主・側根部のグリチルリチン含量(重量%)
を著しく増加させることができる。培養液中の窒素のす
べてをアンモニア態窒素とした培養液は、たとえば培養
液の製造に一般に用いられる成分で硝酸態窒素を含まな
いものを適宜配合して製造することもできる。ここにお
いて、硝酸態窒素の供給源としては、たとえば硝酸ナト
リウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウムなどの硝酸のア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属塩などを、アンモニ
ア態窒素の供給源としては、たとえば硫酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アン
モニウムなど鉱酸のアンモニウム塩などを用いることが
できる。なかでも、硝酸態窒素とアンモニア態窒素との
比を調整するために、硝酸ナトリウム、硫酸アンモニウ
ムなどを用いるのが好ましい。また、この様に調整した
培養液中の総窒素含有量は、2〜32ミリモル/l、好
ましくは4〜16ミリモル/lである。また、培養液に
一般的に用いられる添加剤、たとえばリン酸イオンや金
属イオンなどを添加してもよい。金属イオンとしては、
たとえばカリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシ
ウムイオン、鉄イオン、ホウ酸イオン、マンガンイオ
ン、亜鉛イオン、銅イオン、モリブテンイオンなどが用
いられ、なかでもたとえばカリウムイオン、カルシウム
イオン、マグネシウムイオンなどを添加すると好ましい
結果が得られる。
【0007】上記の硝酸態窒素とアンモニア態窒素との
特定比率下での養液栽培方法としては、養液栽培一般に
用いられる方法たとえば水耕、水気耕、噴霧耕などの養
液栽培方法のいずれも用いることができる。具体的に
は、上記pH3.5〜4.5の培養液での養液栽培で述
べたような方法のいずれも用いることができ、培養液の
使用量、培養温度も同様に本方法で適用できる。本方法
によれば、培養後通常5〜30日好ましくは8〜20日
ほどでグリチルリチン含量(重量%)を増加させれる。
本発明方法は、上記の特定pH条件下での養液栽培法と
上記の硝酸態窒素とアンモニア態窒素との特定比率下で
の養液栽培法とのいずれか一方のみで行われてもよい
し、両者を組み合わせて実施されてもよい。後者の場
合、特定pH条件下での養液栽培法に続いて、硝酸態窒
素とアンモニア態窒素との特定比率下での養液栽培法を
実施するのが好ましい。このように、本発明を用いるこ
とによってカンゾウ属植物の主・側根部を伸長させるこ
とができ、かつ有用成分のグリチルリチンの含量(重量
%)を増大せしめることができ、結果としてグリチルリ
チンを大量生産することができる。また、カンゾウ属植
物に含まれる他の有用成分、たとえばフラボノイド類な
どの増産も可能にする。かくして得られる主・側根部が
伸長し、有用成分含量の増大したカンゾウ属植物からグ
リチルリチンを抽出するには常法に従って行うことがで
き、たとえば収穫したスペインカンゾウの根部を40〜
80℃、好ましくは70℃で24〜72時間、好ましく
は約48時間電気熱風乾燥機などを用いて乾燥し破砕し
たものから水、親水性有機溶媒、またはこれらの混合物
を用いて抽出する方法などがある。この時、直径0.5
mm未満の細い根にはグリチルリチンはほとんど含まれ
ないので、地下部を指で櫛けずるようにして除いたほう
がグリチルリチンの抽出効率は良くなる。
【0008】抽出されたグリチルリチンは、副腎皮質の
水電解質若しくは糖質ホルモン様作用、エストロゲン様
作用、鎮咳作用、抗炎症作用、抗アレルギ−作用、解毒
作用、高脂血症改善作用、胃粘膜細胞内サイクリックA
MP濃度増加作用、実験的肝障害回復作用、ホスホリパ
−ゼA2阻害作用、抗ウイルス作用、インタ−フェロン
誘起作用、抗う蝕作用、抗エイズ作用などを有している
ので、ヒトなどの哺乳動物の安全な漢方処方用薬として
用いられる。たとえば、風邪薬、解熱鎮痛消炎薬、鎮痛
鎮けい薬、鎮咳去たん薬、健胃消化薬、止瀉整腸薬など
の処方に配合して用いる。たとえば、安中散、胃苓湯な
どの漢方処方に用いられる。一般に、常法で得られる粉
末、エキスの形で用いられ、経口投与される。たとえ
ば、激しい咳、咽喉痛の寛解に、大人1日量5gを水約
600mlで煎じ、食前又は食間に3回服用すればよ
い。
【0009】
【実施例】
実施例1 スペインカンゾウ(根茎をバ−ミキュライトに伏せて発
根させ、草丈1mに生育させたもの)の茎を1〜3節ず
つに切断して得た挿穂を、切り口に発根促進剤ル−トン
(石原産業(株)製)をごく少量塗布した後、バ−ミキ
ュライに挿し木し、高湿度(相対湿度80%以上)の自
然日長下で14日間発根させて苗を得た。得られた苗を
発泡スチロ−ル板(縦57cm、横57cm、厚さ3c
m)に開けた直径3cmの穴に差し込み、これを培養液
30 lの入った発泡スチロ−ル製の容器(内寸縦28
cm、横58cm、高さ20cm)に浮かべて栽培し
た。根に酸素を供給するためにエア−ポンプで常時培養
液に通気した。培養液として、大塚ハウス1号(大塚化
学(株)製)1500gと大塚ハウス2号(大塚化学
(株)製)1000gとを水1000 lに溶解したも
のを、0.5N硫酸または0.5N水酸化ナトリウムを
用いてpH3.5〜4.5、4.5〜5.5、5.5〜
6.5、6.5〜7.5にそれぞれ調整した(それぞれ
pH4,pH5,pH6,およびpH7区とした)もの
を用い、定植時に30 l供 給した。培養液の交換は1
5日間に1度30 l用いて行い、43日間養液栽培 し
た。上記栽培方法でスペインカンゾウを栽培して得られ
た結果を下記の表1に示した。
【表1】 表1より、培養液のpHが酸性側に移行するほど栽培し
たスペインカンゾウの主・側根部が伸長し、本発明のp
H4区(pH3.5〜4.5)の培養液で栽培したもの
はpH5、6および7区(pH4.5〜7.5)の培養
液で栽培したものと比較すると、主・側根部の長さが約
50〜80%も増加していることがわかる。
【0010】実施例2 実施例1で用いた苗を、発泡スチロ−ル板(縦57c
m、横57cm、厚さ3cm)に開けた直径3cmの穴
に差し込み、これを培養液30 lの入った発泡スチロ
−ル製の容器(内寸縦28cm、横58cm、高さ20
cm)に浮かべて栽培した。根に酸素を供給するために
エア−ポンプで常時培養液に通気した。培養液として
は、大塚ハウス5号(大塚化学(株)製)、リン酸カリ
ウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウ
ム、硝酸ナトリウム、硫酸アンモニウムを下記の表2に
示したような割合で含有するものを用いた。
【表2】 培養液中の窒素の総含有量は8ミリモル/lに調整され
ており、硝酸態窒素とアンモニア態窒素との濃度比(N
3-N/NH4-N)がそれぞれ8/0、6/2、4/
4、2/6、0/8となる5区を設けた(それぞれ8/
0、6/2、4/4、2/6、0/8区とした)。この
培養液のpHは、0.5N硫酸あるいは0.5N水酸化
ナトリウムを用いて約6に調整したものを定植時に30
l供給した。培養液の交換は30、55および68日
目に各々30 lを用いて行い、75日間養液栽培し
た。なお、8/0区では培養液のpHが上昇する傾向に
あったので、0.5N硫酸を用いてpH約6になるよう
に調整した。上記の栽培方法で栽培したスペインカンゾ
ウの主・側根部を0.5mm以上で1mm未満、1mm
以上で3mm未満、3mm以上で5mm未満、5mm以
上で7mm未満、7mm以上で10mm未満の5つに区
分して、各々のグリチルリチン含量(重量%)をつぎの
様にして測定した。まず、収穫した主・側根部を70℃
で48時間電気乾燥した。これを100メッシュに粉砕
した。得られた粉砕物100mgに10%メタノ−ルを
24ml加え、1時間超音波(波長42kHz)を当て
た。さらに、10%メタノ−ルを加え全量25mlとし
た後、メンブランフィルタ−(東洋濾紙(株)製)を用
いてろ過した。得られたろ液中のグリチルリチン含量
(重量%)を高速液体クロマトグラフィ−(HPLC)
で測定した。なお、HPLCの測定条件は以下を用い
た。得られた結果を表3に示した。
【0011】HPLC条件 検出器:可変波長UVモニタ−(島津製作所(株)製,
SPD−2AS) 固定相:TSKゲルODS120T(東ソ−,φ4.6
×150mm) 移動相:水−アセトニトリル−塩化テトラn-プロピル
アンモニウム(320:190:0.75g),1ml
/min 検出波長:254nm
【表3】 表3より、本発明の硝酸態窒素とアンモニア態窒素との
比が0.5以下の第0/8と2/6区ではグリチルリチ
ン含量(重量%)の著しい増加が見られ、特に0/8区
の根径が5mm以上7mm未満の部分では、硝酸態窒素
とアンモニア態窒素との比が1以上である8/0、6/
2、4/4区の2倍以上にも増加していることがわか
る。
【0012】
【発明の効果】本発明カンゾウ属植物の養液栽培は、根
を著しく伸長させ、グリチルリチン含量を増加させるこ
とができるので、グリチルリチンの安定供給に役立つ。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カンゾウ属植物をpH3.5〜4.5の培
    養液で養液栽培することを特徴とするカンゾウ属植物の
    栽培方法。
  2. 【請求項2】カンゾウ属植物を硝酸態窒素とアンモニア
    態窒素との比が0.5以下の培養液で養液栽培すること
    を特徴とするカンゾウ属植物の栽培方法。
  3. 【請求項3】カンゾウ属植物がスペインカンゾウである
    請求項1または2記載の栽培方法。
  4. 【請求項4】カンゾウ属植物の苗を用いる請求項1記載
    の栽培方法。
  5. 【請求項5】硫酸または水酸化ナトリウムで培養液のp
    Hを調整する請求項1記載の栽培方法。
  6. 【請求項6】カンゾウ属植物をpH3.5〜4.5の培
    養液で養液栽培後、硝酸態窒素とアンモニア態窒素との
    比が0.5以下の培養液で養液栽培することを特徴とす
    るカンゾウ属植物の栽培方法。
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Cited By (6)

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