JPH06201369A - 走査プローブ顕微鏡のマルチプローブヘッド - Google Patents

走査プローブ顕微鏡のマルチプローブヘッド

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JPH06201369A
JPH06201369A JP34798492A JP34798492A JPH06201369A JP H06201369 A JPH06201369 A JP H06201369A JP 34798492 A JP34798492 A JP 34798492A JP 34798492 A JP34798492 A JP 34798492A JP H06201369 A JPH06201369 A JP H06201369A
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JP
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probe
probes
electrodes
thin film
sample
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JP34798492A
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English (en)
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Shigeto Shibaike
成人 芝池
Satoshi Matsumoto
松本  聡
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料各部の表面を多角的に観察できる走査フ゜
ローフ゛顕微鏡のマルチフ゜ローフ゛ヘット゛の提供。 【構成】 マルチフ゜ローフ゛ヘット゛10は、シリコン基板11上に円周上
に配置されている6本のフ゜ローフ゛12〜17で構成され、駆動
回路18〜23が設けられており、配線も含めて、シリコン基板
11上に各フ゜ローフ゛12〜17とともに半導体プロセスを用いて
作製した。アーム24〜29の先端には、各々探針30〜35が設
けられている。各フ゜ローフ゛12〜17は点対称位置に設けられ
ているが、各々少しだけ回転することができ、試料を走
査するフ゜ローフ゛を取り替えて異なる方式で測定、同時にい
ろいろなホ゜イントを測定等、多角的に試料を観察できる。
各フ゜ローフ゛12〜17は、各々の周囲に設けた電極に電圧を印
加して静電的に回転駆動される。また、各アーム24〜29は
各々に形成したピエゾ素子により圧電駆動され、先端の
各探針30〜35の精密な位置決めを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばエッチングやリ
ソグラフィなどの半導体プロセスによって作製されるマ
イクロアクチュエータに関し、特にその応用展開の1つ
として考えられる走査プローブ顕微鏡のマルチプローブ
ヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】STM(走査型トンネル顕微鏡)に代表
される走査プローブ顕微鏡は、分解能が高く原理的に測
定環境を選ばないことから、試料表面の微細形状の観察
手段として近年急速に普及してきている。
【0003】中でもSTMの進歩は著しく、探針やカン
チレバーをシリコン微細加工を用いて作製する研究も盛
んに行なわれている。これは、機構部を超小型化して装
置を小型化するとともに、機構部の共振周波数を高くす
ることで防振特性の向上をめざすものである。
【0004】この探針やカンチレバーを総称してプロー
ブと呼ぶが、通常は別途配備したピエゾ素子により微小
駆動される。そのためプローブが小さくなっても機構部
全体はピエゾ素子の大きさで決定してしまう。
【0005】そこで最近では、カンチレバー上に薄膜ピ
エゾ素子を作製し、カンチレバーそのものを微小変形さ
せることも研究されはじめており、既にいくつか研究成
果も発表されている。
【0006】この従来の走査プローブ顕微鏡のプローブ
としては、例えば Akamineらの論文("A planar Proces
s for Microfabrication of a Scanning TunnelingMicr
oscope", Sensors & Actuators, A21-23, pp.964-970,
1990. )に示されている薄膜プローブが挙げられる。
【0007】図23はこの従来の薄膜プローブの構成を
示している。図23において、1はシリコン基板、2は
カンチレバーであり、その先端には探針3が設けられて
いる。カンチレバー2の寸法は、8(厚み)×200
(幅)×1000(長さ)μmである。
【0008】カンチレバー2は、基本的に薄膜ピエゾ素
子4および5からなるバイモルフ構造である。薄膜ピエ
ゾ素子4の上には電極6a〜6cが設けられ、また、薄
膜ピエゾ素子5の下には電極6a、6bとほぼ同一形状
の電極7a、7bが設けられている。なお、薄膜ピエゾ
素子4、5の間にも電極8が設けられ、探針3は電極6
c上に構成されている。
【0009】各電極6a〜6c、7a、7b、8には、
図に示すようにそれぞれ配線がなされており、各パッド
を通して任意に電圧を印加することができる。
【0010】図24〜図28は以下に説明するこの薄膜
プローブの作製工程(a)〜(e)を示す図である。作
製にはエッチングやリソグラフィなどの一般的な半導体
プロセスが用いられる。以下、工程図にしたがって簡単
に作製方法を説明する。
【0011】(a)図24に示すように、シリコン基板
1に裏面より異方性エッチングを用いて50〜70μm
厚のメンブレン9を形成する。
【0012】(b)図25に示すように、第1のAl薄
膜を0.5μm厚だけ電子ビーム蒸着し、パターンニン
グを行なって、電極7a、7b(図示せず)を形成す
る。
【0013】(c)図26に示すように、電極7a、7
bの上に、PECVDにより0.2μm厚の第1の窒化
膜と、反応性スパッタリングにより3μm厚の第1の酸
化亜鉛膜と、再び同様に0.2μm厚の第2の窒化膜と
を重ねることによって、薄膜ピエゾ素子5を形成する。
そして、窒化膜にはプラズマエッチングを、酸化亜鉛膜
にはウェットエッチングをそれぞれ用いてパターンニン
グを行なう。
【0014】(d)図27に示すように、この薄膜ピエ
ゾ素子5の上に、(b)と同様にして第2のAl薄膜を
蒸着して電極8を形成し、その上に、(b)と同様にし
てPECVD及び反応性スパッタリングにより、第3の
窒化膜と第2の酸化亜鉛膜と第4の窒化膜とを重ねて薄
膜ピエゾ素子4を形成する。さらにその上に、(b)と
同様にして第3のAl膜を蒸着して電極6a〜6c(6
a以外図示せず)を形成する。
【0015】(e)図28に示すように、最後にメンブ
レン9をプラズマエッチングにより裏面から取り去っ
て、図23に示すような構成が完成する。
【0016】次に、この薄膜プローブの動作を図29〜
図32を用いて簡単に説明する。周知の如くピエゾ素子
は電界の方向に応じて伸長または収縮する性質を持つた
め、電極8を接地した状態に保持しておき、電極6a、
6b、7a、7bに正負の電圧を適当に印加することに
より、薄膜ピエゾ素子4および5に与えられる電界を制
御してカンチレバー2を自由に変形させることができ
る。
【0017】例えば図29に示すように、電極6a、6
b、7a、7bに同極性の電圧を印加し、薄膜ピエゾ素
子4と5に同じ方向の電界を与えると、カンチレバー2
全体がその長手方向(矢印X)に伸縮することになる。
【0018】また、図30〜図32に斜線で示す(例え
ば右上がりの細かい斜線を正、右下がりの粗い斜線を
負)ように、各々の電極に正負の電圧を印加して薄膜ピ
エゾ素子4と5に与える電界を制御すれば、左右方向へ
の変形(図30、矢印Y)、上下方向への変形(図3
1、矢印Z)、あるいはねじり(図32、矢印M)とい
うように自由度の高い動きをカンチレバー2に与えるこ
とができる。
【0019】以上のように電極6a、6b、7a、7b
に印加する電圧を制御することでカンチレバー2を自由
に伸縮、変形させ、しかもピエゾ素子がきわめて高い分
解能を持つことから、その先端の探針3を精密に駆動し
て、試料の走査をすることができる。
【0020】この結果、半導体プロセスを用いてシリコ
ン基板上にピエゾ素子を積層した走査プローブ顕微鏡用
の薄膜プローブを構成できることになり、走査プローブ
顕微鏡の超小型化や高機能化に大きく貢献するものと期
待されている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成では、試料の異なる部分を測定するには薄膜
プローブ全体をシリコン基板1ごと移動するか、試料を
移動させる必要がある。またSTMだけではなく例えば
AFM(原子間力顕微鏡)やMFM(磁気顕微鏡)とい
った他の方式の走査プローブ顕微鏡用の薄膜プローブを
用いて、同一試料の同一表面を多角的に観察することは
できないという課題を有していた。
【0022】本発明はかかる点に鑑み、超小型化や量産
性に優れた半導体プロセスを用いて作製でき、移動可能
な複数の薄膜プローブを同時に使用して、試料を移動さ
せることなく、試料各部の表面を多角的に観察できる走
査プローブ顕微鏡のマルチプローブヘッドを提供するこ
とを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、先端に探針を形成し且つピエゾ素子を積層したアー
ム部と内側を基板上に支持されたリング部とからなり、
このリング部の外周に配した複数の電極に順次静電気的
に吸着されることで転動可能な複数のプローブを円周状
に配置したマルチプローブヘッドであって、複数のプロ
ーブが各々転動動作によって回転移動し、試料上の複数
の点においてピエゾ素子を駆動して探針が試料を走査す
ることを特徴とする走査プローブ顕微鏡のマルチプロー
ブヘッドである。
【0024】
【作用】請求項1に記載の発明は、リング部の外周に配
した電極に選択的に電圧を印加してリング部を転動さ
せ、プローブ全体を回転移動させる。このときアーム部
の先端に設けた探針はほぼ直線状の軌跡を描きながら移
動する。したがって、試料上で探針が簡単に移動できる
ことになり、円周状に配置された複数のプローブを効率
よく取り替えたり、試料上で移動して複数の点を走査し
たりできる。
【0025】
【実施例】以下本発明の一実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0026】図1は本発明の実施例における走査プロー
ブ顕微鏡のマルチプローブヘッドの構成を表わす平面図
であり、図2はその動作を説明する拡大平面図である。
大きさとしては、全体の外径で2〜3mmという大変小
さなものである。
【0027】図1に示すようにマルチプローブヘッド1
0は、シリコン基板11上に6本のプローブ12〜17
が円周上に配置されている。各々のプローブ12〜17
には駆動回路18〜23が設けられており、配線も含め
て、シリコン基板11上に各プローブ12〜17ととも
に半導体プロセスを用いて作製されている。
【0028】11aはシリコン基板11の中央部分に設
けられたキャビティであり、各プローブ12〜17のア
ーム24〜29の移動に支障が無いように構成されてい
る。また、各アーム24〜29の先端には各々探針30
〜35が設けられている。
【0029】図に示すように、各プローブ12〜17は
点対称な位置に設けられているが、各々少しだけ回転す
ることができる。図ではプローブ15だけが反時計方向
に約8度回転した状態を示しており、この結果、アーム
27の先端に形成された探針34がちょうどキャビティ
11aの中心点に存在している。この位置で探針34に
よる試料(図示せず)の測定が可能である。他の探針3
0〜33、35は一点鎖線で示された円周上に位置して
おり測定待機状態にある。
【0030】もちろん、各プローブ12〜17の全てに
ついて同様の操作が可能であり、プローブ15を時計方
向に約8度回転させ、今度は例えばプローブ13を反時
計方向に約8度回転して、アーム25の先端の探針32
を中心点に移動させ、試料の測定を行なうことができ
る。
【0031】すなわち、プローブ13をプローブ15と
異なる方式のプローブ(例えばプローブ13がSTM、
プローブ15をAFM)として用意すれば、同一試料の
同一場所を多角的に観察することが可能になる。
【0032】さて、この回転移動に関しては後に詳しく
説明するが、駆動回路18〜23によって各プローブ1
2〜17の位置をかなり自由にコントロールできること
を示している。しかも、回転移動経路の途中の点でも位
置決めが可能であり、6本の探針30〜35を試料のい
ろいろな点に同時に移動させることもできる。
【0033】図2にその様子を拡大して示すが、各アー
ム24〜29がその探針30〜35の位置を各々設定し
ており、この場合はたとえ全てのプローブ12〜17が
同じ方式であったとしても、きわめてダイナミックな観
察が可能になる。(図ではプローブ14及び15が図1
と同じ状態であり、プローブ14、すなわちアーム26
の先端に設けられた探針33だけは依然として待機状態
である。)次に図3〜図5を用いて各プローブ12〜1
7の構成を詳細に説明するが、各々のプローブは12〜
17はすべて同じ構成であるので、代表してプローブ1
2のみについて説明を行なう。
【0034】図3はプローブ12の構成を表わす平面図
である。また、図4は図3に示す切断線POQに関する
T方向断面図であり、図5は同じく図3に示す切断線R
Sに関するU方向断面図である。
【0035】図3〜図5に示したように、プローブ12
は導電性を有する薄い板状の部材であり、鈎の手状に曲
がったアーム24と一体的にリング36が設けられてい
る。前記したようにプローブ12はその全体が回転する
が、これはこのリング36において静電的に回転駆動さ
れることによる。なお、アーム24は後述するピエゾ素
子により圧電駆動される。
【0036】まずリング36周辺の構成を説明する。リ
ング36の内周には幅が細く同一螺旋形状の3本の梁3
7a〜37cが120度間隔で点対称に配置され、これ
らは一端をシリコン基板11上に植立したアンカー38
に固定されている。つまりプローブ12は梁37a〜3
7cによってアンカー38に弾性支持されることにな
る。
【0037】リング36外周のシリコン基板11上に
は、リング36と僅かな間隙を開けて円周状に9個の電
極39a〜39i(図4では39eのみ呈示)が設けら
れている。各電極の内周は39aを除いて全て同一の円
弧形状をしている。ただし各電極は一定のピッチ角では
配置されていない。
【0038】直線OB〜OHは隣接する2つの電極の線
対称となる基準線を表わすが、そのピッチ角である∠A
OB、∠BOC、∠COD、∠DOE、∠EOF、∠F
OG、∠GOHは一定ではない。なお、電極39a〜3
9iにはそれぞれ駆動回路18から配線がなされてお
り、電圧印加手段(図示せず)より任意に選択して電圧
を印加することができる。
【0039】プローブ12は電極39aと対向する部分
に凹状の位置規制部40を備えている。また電極39a
もこの位置規制部40と係合し、プローブ12を案内す
るような凸形状を有する案内部41を備えている。さら
に、電極39a〜39iの内周には絶縁膜42a〜42
iが設けられ、リング36と直接電気的に接触しないよ
うになっている。
【0040】また、アンカー38とシリコン基板11と
の間にはリング36と略同一形状かつ導電性のシールド
層43が設けられ、リング36との間で常に電気的な導
通が得られるようになっている。なお、シリコン基板1
1の表面には絶縁層48が形成されている。
【0041】次にアーム24周辺の構成を説明するが、
基本的な構成は従来例と等しい。すなわち、アーム24
にはこれを上下から挟み込むように薄膜ピエゾ素子44
および45が設けられている。さらに、薄膜ピエゾ素子
44の上には電極46a〜46cが設けられ、薄膜ピエ
ゾ素子45の下には電極46aおよび46bとほぼ同一
形状の電極47aおよび47bが設けられている。ま
た、電極46c上には円錐状の探針31が構成されてい
る。
【0042】なお、電極46a〜46c及び47a〜4
7bには、図は省略するが電圧印加手段よりそれぞれ配
線がされており、任意に選択して電圧を印加することが
できるように構成されている。
【0043】図6〜図19は以下に説明するこのプロー
ブ12の作製工程(a)〜(o)を示す図である。作製
にはエッチングやリソグラフィなどの一般的な半導体プ
ロセスが用いられる。以下、工程図にしたがって簡単に
作製方法を説明する。
【0044】(a)図6に示すように、シリコン基板1
1の表面に、熱成長させた1μm厚の酸化シリコン膜お
よびプラズマCVDで堆積させた1μm厚の窒化シリコ
ン膜とを重ねることによって絶縁層48を形成する。
【0045】(b)図7に示すように、この絶縁層48
の上にリンを十分に拡散させた0.35μm厚のLPC
VD多結晶シリコン薄膜からなる導電層を形成し、パタ
ーンニングを行なってシールド層43とする。
【0046】(c)図8に示すように、犠牲層となる
2.2μm厚の酸化シリコン膜49を堆積させる。
【0047】(d)図9に示すように、Alを0.5μ
m厚だけ電子ビーム蒸着し、パターンニングを行なっ
て、電極47a、47b(図示せず)を形成する。
【0048】(e)図10に示すように、電極47a、
47bの上に、プラズマCVDにより0.2μm厚の窒
化膜と、反応性スパッタリングにより3μm厚の酸化亜
鉛膜と、再び同様に0.2μm厚の窒化膜とを重ねるこ
とによって、薄膜ピエゾ素子45を形成する。そして、
窒化膜にはプラズマエッチングを、酸化亜鉛膜にはウェ
ットエッチングをそれぞれ用いてパターンニングを行な
う。
【0049】(f)図11に示すように、犠牲層である
酸化シリコン膜49に対して、電極固定部50とアンカ
ー固定部51のパターニングを行なう。
【0050】(g)図12に示すように、リンを十分に
拡散させた2.5μm厚の多結晶シリコン層52をLP
CVDにより堆積させる。
【0051】(h)図13に示すように、多結晶シリコ
ン層52の上に、再びプラズマCVD及び反応性スパッ
タリングにより、0.2μm厚の窒化膜と3μm厚の酸
化亜鉛膜と0.2μm厚の窒化膜とを重ねて薄膜ピエゾ
素子44を形成する。そして同様に、プラズマエッチン
グあるいはウェットエッチングを用いてパターンニング
を行なう。
【0052】(i)図14に示すように、0.5μm厚
のAl膜を形成し、パターンニングを行なって、電極4
6a〜46c(46bは図示せず)とを形成する。
【0053】(j)図15に示すように、電極46cの
先端に、リフトオフ法によって円錐状の探針31を形成
する。
【0054】(k)図16に示すように、反応性イオン
エッチング(RIE)を用いて、多結晶シリコン層52
をパターンニングし、図3、図4に示すプローブ12、
梁37a〜37c、アンカー38と電極39a〜39i
(図示は39eのみ)を形成する。このとき、アンカー
38および電極39a〜39iはシリコン基板11上に
固定される。マスクにはパターンニングされた熱酸化膜
を用いるため、この段階でプローブ12や梁37a〜3
7c、および電極39a〜39iの厚みは2.2μm程
度になっている。また電極39a〜39iの内径は、後
の工程で形成される絶縁膜42a〜42iの分だけ大き
く設定されている。
【0055】(l)図17に示すように、0.1μmの
高温酸化膜とその上に0.34μm厚の窒化シリコン層
を堆積させ、電極39a〜39iの内周に絶縁膜42a
〜42i(図示は42eのみ)を形成するように、RI
Eによりパターンニングする。この段階でリング36と
電極39a〜39iとの設定クリアランスが得られるこ
とになる。
【0056】(m)図18に示すように、犠牲層である
酸化シリコン膜49を緩衝フッ酸(HF)で溶解し、プ
ローブ12と梁37a〜37cとをシリコン基板11か
らリリースする。このとき、ここでは特に詳述しない
が、薄膜ピエゾ素子44および45と絶縁膜42a〜4
2iの周辺をあらかじめ被覆しておき、緩衝フッ酸によ
る溶解を未然に防止する。
【0057】(n)図19に示すように、最後にアーム
24の下のシリコン基板11をエッチングしてキャビテ
ィ11a形成することにより、図4に示すような構成が
完成する。
【0058】次に、以上のように構成されたプローブ1
2の動作を図20〜図22を用いて説明する。
【0059】まず、図20に示すように、電極39a、
39bに同じ電圧を印加し励起すると、プローブ12の
リング36はこれら2つの電極39、39bに同時に静
電気的に吸引され、OA方向に絶縁膜42a、42bと
接触するまで移動する。
【0060】このとき、プローブ12の位置規制部40
が電極39aに設けた案内部41と当接し、また、リン
グ36外周が電極39a、39bと密着することによ
り、プローブ12は所定の位置に案内され初期化され
る。この結果、アーム24の先端に設けられた探針31
は、図に示した53aの位置、すなわち、図1及び図2
における測定待機状態(一点鎖線で示した円周上)の位
置に案内される。
【0061】次に、図21に示すように、電極39aの
励起を解除し電極39b、39cに電圧を印加すると、
リング36は新たに励起された2つの電極39b、39
cに静電気的に吸引され、直線OBに関して対称な位置
に転がりながら移動する。このとき、探針31は図に示
した53bの位置、すなわち、図1及び図2における測
定可能な状態(一点鎖線で示した円の内側)の位置に案
内される。
【0062】このように励起する電極の組を1電極分だ
け順にずらしていくと、リング36は励起された2つの
電極に順次吸引されながら矢印J方向に公転する。しか
し、リング36は電極39a〜39iに対して転がり接
触しながら移動するため、その外周と電極39a〜39
iの内周との長さの差の分だけ自転することになる。そ
して、その自転方向は公転方向とは逆の矢印K方向とな
る。
【0063】この動作はいわゆるウォブル駆動方式であ
り、公転に対して自転の回転数が非常に小さくなるた
め、減速されたのと同じ効果が得られ、自転に関する回
転トルクがその減速比に比例して大きくなるという特徴
がある。
【0064】そして、図22に示すように、最終的に電
極39h、39iに電圧を印加すると、リング36は直
線OHに関して対称な位置まで移動する。このとき、探
針31は図に示した53hの位置、すなわち、図1及び
図2における測定可能な状態の中心位置(一点鎖線で示
した円の中心)まで案内される。このように、リング3
6の転動運動がアーム24先端の略直線運動に効率よく
変換される。
【0065】ここで、電極39b〜39iが同一円弧形
状であるため、隣接する電極に同じ大きさの電圧を印加
すれば、リング36はこの2つの電極のほぼ中心に静電
吸引されることになる。したがって、励起する電極の組
を1電極分だけずらすことにより、リング36をステッ
プ状に回転駆動することができる。
【0066】さらに、隣接する電極のピッチ角を変化さ
せ、リング36の回転角を適宜変化させることで、アー
ム24の先端を所定の方向(例えば図のL方向)に対し
て等ピッチで送ることも可能となる。このようにして、
探針31を図22に示す53a(待機位置)〜53h
(中心位置)に、L方向に関して等ピッチで案内する確
実な位置決め機構を実現することができる。
【0067】また、リング36が電極39a〜39iと
転がり接触しながら回転駆動されるウォブル駆動方式で
あるため、摩擦の影響が極めて小さくなり、摩耗に伴う
特性劣化も少なく長寿命化が図れる。
【0068】なお、リング36は梁37a〜37cによ
りアンカー38に弾性的に支持されているが、梁37a
〜37cが変形することで所定角度分だけ自転すること
ができる。図に示したように、梁37a〜37cの幅を
細くして剛性を下げ、形状を螺旋状として十分に長さを
確保すれば、これらの弾性変形は可能となる。
【0069】この弾性的な付勢力を持つ梁37a〜37
cには、プローブ12を常に安定した状態に保つ効果が
期待できる。すなわち、適度な付勢力による運動の安定
性と各電極39a〜39iへの通電を遮断した場合の元
の位置への復帰動作である。しかも、図4に示したよう
にプローブ12とシリコン基板11上のシールド層43
との導通が梁37a〜37cを通じて確実に得られるた
め、プローブ12とシールド層43とが常時同電位に保
たれ、信頼性の高い駆動特性が得られるという利点も生
じる。
【0070】このように、リング36を所定の角度だけ
回転駆動してプローブ12全体の位置決めを行なった
後、こんどは薄膜ピエゾ素子44、45を駆動してアー
ム24先端の微細な位置決めを行なう。
【0071】以下に再び図5を用いてその動作を簡単に
説明するが、この部分に関しては、構成もそうであった
ように基本的に従来例と同じである。
【0072】すなわち、アーム24を接地し、電極46
a、46b、47a、47bに印加する電圧を制御する
ことにより、薄膜ピエゾ素子44、45を自由に変形さ
せ、アーム24の先端に設けた探針31の位置決めを行
なう。
【0073】例えば、薄膜ピエゾ素子44、45にそれ
ぞれ反対方向の電界を与えると、アーム24は上下方向
にたわみ、探針31をシリコン基板11に垂直な方向に
対して高精度に位置決めすることができる。
【0074】また、薄膜ピエゾ素子44、45に同方向
の電界を与えれば、アーム24はその長手方向に伸縮
し、薄膜ピエゾ素子44、45の左右でそれぞれ反対方
向の電界を与えれば、アーム24を左右に変形すること
ができるので、探針31をシリコン基板11と平行な平
面内において高精度に位置決めすることもできる。
【0075】この結果、プローブ12の位置決めを行な
うとともに、薄膜ピエゾ素子44、45による、探針3
1の任意の位置への微細な位置決めが可能になる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成によ
れば、超小型化や量産性に優れた半導体プロセスを用い
て作製でき、移動可能な複数の薄膜プローブを同時に使
用して、試料を移動させることなく、試料各部の表面を
多角的に観察できる走査プローブ顕微鏡のマルチプロー
ブヘッドを提供することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走査プローブ顕微鏡のマルチプローブ
ヘッドの一実施例の構成を示す平面図
【図2】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の動作
を説明する示す拡大平面図
【図3】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構成
要素であるプローブの構成を示す平面図
【図4】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構成
要素であるプローブの断面図
【図5】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構成
要素であるプローブの断面図
【図6】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構成
要素であるプローブの作製工程図
【図7】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構成
要素であるプローブの作製工程図
【図8】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構成
要素であるプローブの作製工程図
【図9】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構成
要素であるプローブの作製工程図
【図10】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構
成要素であるプローブの作製工程図
【図11】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構
成要素であるプローブの作製工程図
【図12】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構
成要素であるプローブの作製工程図
【図13】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構
成要素であるプローブの作製工程図
【図14】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構
成要素であるプローブの作製工程図
【図15】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構
成要素であるプローブの作製工程図
【図16】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構
成要素であるプローブの作製工程図
【図17】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構
成要素であるプローブの作製工程図
【図18】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構
成要素であるプローブの作製工程図
【図19】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例の構
成要素であるプローブの作製工程図
【図20】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例のプ
ローブの動作説明図
【図21】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例のプ
ローブの動作説明図
【図22】本発明の走査プローブ顕微鏡の一実施例のプ
ローブの動作説明図
【図23】従来の薄膜プローブの構成図
【図24】従来例の薄膜プローブの作製工程図
【図25】従来例の薄膜プローブの作製工程図
【図26】従来例の薄膜プローブの作製工程図
【図27】従来例の薄膜プローブの作製工程図
【図28】従来例の薄膜プローブの作製工程図
【図29】従来例の薄膜プローブの動作説明図
【図30】従来例の薄膜プローブの動作説明図
【図31】従来例の薄膜プローブの動作説明図
【図32】従来例の薄膜プローブの動作説明図
【符号の説明】
10 マルチプローブヘッド 12、13、14、15、16、17 プローブ 24、25、26、27、28、29 アーム 30、31、32、33、34、35 探針 36 リング 37a、37b、37c 梁 39a、39b、39c、39d、39e、39f、3
9g、39h、39i、46a、46b、46c、47
a、47b 電極 44、45 薄膜ピエゾ素子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先端に探針を形成し且つピエゾ素子を積層
    したアーム部と内側を基板上に支持されたリング部とか
    らなり、このリング部の外周に配した複数の電極に順次
    静電気的に吸着されることで転動可能な複数のプローブ
    を円周状に配置したマルチプローブヘッドであって、前
    記複数のプローブが各々前記転動動作によって回転移動
    し、試料上の複数の点において前記ピエゾ素子を駆動し
    て前記探針が試料を走査することを特徴とする走査プロ
    ーブ顕微鏡のマルチプローブヘッド。
  2. 【請求項2】リング部の内側に、点対称に配され基板上
    に固定端を有する同一螺旋形状の複数の梁を備えたこと
    を特徴とする請求項1記載の走査プローブ顕微鏡のマル
    チプローブヘッド。
JP34798492A 1992-07-10 1992-12-28 走査プローブ顕微鏡のマルチプローブヘッド Pending JPH06201369A (ja)

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EP93110880A EP0578228B1 (en) 1992-07-10 1993-07-07 Microactuator
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005532555A (ja) * 2002-07-08 2005-10-27 マルチプローブ・インコーポレーテッド 複数の走査プローブのソフトウエア同期化
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