JPH06200246A - アルカリハライド蛍光体 - Google Patents

アルカリハライド蛍光体

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JPH06200246A
JPH06200246A JP5254376A JP25437693A JPH06200246A JP H06200246 A JPH06200246 A JP H06200246A JP 5254376 A JP5254376 A JP 5254376A JP 25437693 A JP25437693 A JP 25437693A JP H06200246 A JPH06200246 A JP H06200246A
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久憲 土野
Akiko Kano
亜紀子 加野
Kuniaki Nakano
中野  邦昭
Koji Amitani
幸二 網谷
Fumio Shimada
文生 島田
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  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 例えばX線増感紙、イメージインテンシファ
イアのX線変換面、輝尽を利用したX線量計、輝尽を利
用した赤外線検出器及び放射線画像変換パネル等に好適
に用いられる、新規なアルカリハライド蛍光体を提供す
る。 【構成】 下記一般式(I)で示されることを特徴とす
るアルカリハライド蛍光体。一般式(I) MIX・aMIIX′2:bTl [但し、MIはNa、K、Rb及びCsから選ばれる少なくとも
1種のアルカリ金属である。MIIはMg、Ca、Sr、Ba、Z
n、Cd、Cu及びNiから選ばれる少なくとも1種の2価金
属である。X及びX′はF、Cl、Br及びIから選ばれる
少なくとも1種のハロゲンである。またaは0<a≦4.
0の範囲の数値であり、bは0<b≦0.2の範囲の数値で
ある。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばX線増感紙、イ
メージインテンシファイアのX線変換面、輝尽を利用し
たX線量計、輝尽を利用した赤外線検出器及び放射線画
像変換パネル等に好適に用いられる、新規なアルカリハ
ライド蛍光体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、X線増感紙、イメージインテンシ
ファイア等にはX線を吸収し、吸収したX線量に応じて
蛍光を発する蛍光体が採用されている。これらに対して
は、X線技師、患者あるいは機器取り扱者の被曝線量を
少なくするという要請から、X線照射量が微小であって
も発光強度が大きい、即ち、X線に対する感度が大きい
蛍光体の開発が常に望まれている。
【0003】一方、銀塩を使用した放射線写真法にかわ
る、被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収せしめ、し
かる後この蛍光体をある種のエネルギーで励起してこの
蛍光体が蓄積している放射線エネルギーを輝尽発光して
放射せしめ、この輝尽発光を検出して画像化する方法と
して、支持体上に光輝尽蛍光体層を形成したパネルを用
い、輝尽励起エネルギーとして可視光線および赤外線の
一方または両方を用いる放射線画像変換方法が知られて
いる(米国特許3,859,527号)。
【0004】そして、該輝尽性蛍光体としては、KCl:T
l、特開昭59-75200号等に記載のBaFX:Eu系(X:Cl,B
r,I)蛍光体等が知られている。
【0005】ところで前記放射線画像変換方法が医療診
断を目的とするX線画像変換に用いられる場合には、患
者の被曝線量を少なくするためにその方法は出来るだけ
高感度であることが望ましく、従って輝尽性蛍光体は輝
尽励起による発光輝度が出来るだけ高いのが望ましい。
【0006】また前記方法において、システムとしての
運転効率を高めるためには放射線画像の読取速度を高速
化する必要があり、従ってその方法に用いられる輝尽性
蛍光体は輝尽励起光に対する輝尽発光の応答速度が速い
ことが望ましい。
【0007】また前記方法において、一般に放射線画像
変換パネルは前回の使用による残像を消去した後繰り返
して使用されるが、システムとしての運転効率を高める
ためには前記放射線画像変換パネルの残像消去時間が短
いことが望ましく、その方法に用いられる輝尽性蛍光体
は残像消去速度が速いことが望ましい。
【0008】しかし、従来公知の輝尽性蛍光体は、輝尽
発光輝度、輝尽発光の応答速度および残像消去速度の点
すべてにおいて十分満足のいくものではなく、これらの
改良が望まれている。
【0009】さらに前記方法において、放射線画像を読
取る読取装置は、小型,低価格、および簡便であること
が望ましく、その為には輝尽励起光源として、Ar+レー
ザやHe−Neレーザ等のガスレーザを用いるよりも半導体
レーザを用いることが不可欠であり、従ってその方法に
用いられる輝尽性蛍光体は半導体レーザの発振波長(75
0nm以上)に適合した輝尽励起スペクトルを有すること
が望ましい。
【0010】しかし、従来公知の輝尽性蛍光体は半導体
レーザの発振波長に対し殆ど輝尽発光を示さず、輝尽励
起スペクトルの長波長化が望まれている。
【0011】加えて、上記の要請を満たし得る輝尽性蛍
光体は輝尽を利用したX線量計及び輝尽を利用した赤外
線検出器等にも優れた性能を付与し得るものとなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
基づいてなされたものであり、X線に対する感度に優れ
新規で有用なアルカリハライド蛍光体を提供することを
第1の目的とし、また、被写体を透過した放射線を輝尽
性蛍光体に吸収せしめ、しかる後この輝尽性蛍光体を可
視光線および/または赤外線の範囲にある電磁波で励起
してこの輝尽性蛍光体が蓄積している放射線エネルギー
を輝尽発光として放射せしめ、この輝尽発光を検出する
放射線画像変換方法に好適に用いられる新規なアルカリ
ハライド蛍光体を提供することを第2の目的とする。
【0013】さらに本発明は、X線増感紙、イメージイ
ンテンシファイアのX線変換面、輝尽を利用したX線量
計、輝尽を利用した赤外線検出器等にも優れた性能を付
与し得る新規なアルカリハライド蛍光体を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記本発明
の目的に沿って蛍光体について種々検討した結果本発明
を完成した。本発明は、下記一般式(I)で表されるア
ルカリハライド蛍光体であり、これらの構成によって前
記本発明の目的を達成される。
【0015】一般式(I) MIX・aMIIX′2:bTl 但し、MIはNa、K、Rb及びCsから選ばれる少なくとも1
種のアルカリ金属である。
【0016】MIIはMg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Cu及びNi
から選ばれる少なくとも1種の2価金属である。
【0017】X及びX′はF、Cl、Br及びIから選ばれ
る少なくとも1種のハロゲンである。またaは0<a≦
4.0の範囲の数値であり、bは0<b≦0.2の範囲の数値
である。即ち本発明組成に係わる輝尽性蛍光体は可視か
ら赤外の領域の電磁波で励起すると従来公知の輝尽性蛍
光体よりも高輝度の輝尽発光を示し、しかも近赤外領域
で特に実用的に高感度なものである。
【0018】本発明の蛍光体の利用形態の一例として、
本発明に係わる輝尽性蛍光体を含有する放射線画像変換
パネルを用いる放射線画像変換方法について説明する。
【0019】放射線画像変換パネルは、基本的には支持
体と、その片面あるいは両面に設けられた少なくとも一
層の輝尽性蛍光体層とからなるものである。また一般
に、この輝尽性蛍光体層の支持体とは反対側の表面には
輝尽性蛍光体層を化学的あるいは物理的に保護するため
の保護層が設けられている。
【0020】前記一般式(I)に係わる輝尽性蛍光体は
X線などの放射線を吸収した後、可視あるいは赤外領域
の光、好ましくは500〜900nmの波長領域の光(輝尽励起
光)の照射を受けると輝尽発光を示す。従って、被写体
を透過した、あるいは被写体から発せられた放射線は、
その放射線量に比例して放射線画像変換パネルの輝尽性
蛍光体層に含まれる輝尽性蛍光体に吸収され、前記放射
線画像変換パネル上に被写体の放射線画像が、放射線エ
ネルギーを蓄積した潜像として形成される。この潜像
は、500nm以上の波長領域の輝尽励起光で励起すること
により、蓄積した放射線エネルギーに比例した輝尽発光
を示し、この輝尽発光を光電的に読取ることにより、放
射線エネルギーを蓄積した潜像を可視画像化することが
可能となる。
【0021】図1は、本発明に係わる輝尽性蛍光体の輝
尽励起光に対する応答特性を従来の蛍光体と比較して示
す。
【0022】図1において(a)は本発明の蛍光体の輝
尽励起光に対する応答特性であり、(b)及び(c)は
従来公知の蛍光体BaFBr:Eu及びBaFCl:Euの応答特性で
ある。また破線は強度が矩形状に変化する輝尽励起光の
様子を示している。
【0023】図1から明らかなように、本発明の蛍光体
は、輝尽励起光に対する応答特性が著しく優れており、
放射線画像の読取速度を高速化することが可能である。
【0024】図2は本発明の蛍光体を放射線画像変換方
法に用いた時の残像消去特性を従来の蛍光体のそれと比
較して示す。
【0025】図2において(d)は本発明の蛍光体に放
射線を一定量照射した後、タングステンランプ光で蓄積
エネルギーを消去した時の蓄積エネルギーの減衰特性を
半導体レーザ(780nm)で輝尽励起して輝尽発光輝度を
検出することによって求めたものであり、(e)は輝尽
励起光源として半導体レーザの代わりにHe−Neレーザ
(633nm)を使用すること以外は前記と同様にして測定
した場合の蓄積エネルギーの減衰特性であり、(f)及
び(g)は従来公知の輝尽性蛍光体BaFBr:Eu及びBaFC
l:Euを輝尽励起光源としてHe−Neレーザ(633nm)を使
用して、前記と同様にして測定した場合の蓄積エネルギ
ーの減衰特性である。
【0026】図2から明らかなように、本発明の蛍光体
は蓄積エネルギー(残像)の減衰速度が大きく、残像の
消去時間を短縮することが可能である。
【0027】図3は、本発明の蛍光体を放射線画像変換
パネルの形態で用いる実施態様例の概略を示す。
【0028】図3において11は放射線発生装置、12は被
写体、13は輝尽性蛍光体を含有する可視光ないし赤外光
輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネル、14は放
射線画像変換パネル13の放射線潜像を輝尽発光として放
出させるための輝尽励起光源、15は放射線画像変換パネ
ル13より放出された輝尽発光を検出する光電変換装置、
16は光電変換装置15で検出された光電変換信号を画像と
して再生する装置、17は再生された画像を表示する装
置、18は光源14からの反射光をカットし、放射線画像変
換パネル13より放出された光のみを透過させるためのフ
ィルタである。尚、図3は被写体の放射線透過像を得る
場合の例であるが、被写体12自体が放射線を放射する場
合には、前記放射線発生装置11は特に必要ない。また、
光電変換装置15以降は放射線画像変換パネル13からの光
情報を何らかの形で画像として再生できるものであれば
よく、前記に限定されるものではない。図3に示される
ように、被写体12を放射線発生装置11と放射線画像変換
パネル13の間に配置し放射線を照射すると、放射線は被
写体12の各部の放射線透過率の変化に従って透過し、そ
の透過像(すなわち放射線の強弱の像)が放射線画像変
換パネル13に入射する。この入射した透過像は放射線画
像変換パネル13の輝尽性蛍光体層に吸収され、これによ
って輝尽性蛍光体層中に吸収された放射線量に比例した
数の電子及び/または正孔が発生し、これが輝尽性蛍光
体のトラップレベルに蓄積される。すなわち放射線透過
像のエネルギーを蓄積した潜像が形成される。次にこの
潜像を光エネルギーで励起して顕在化する。すなわち可
視あるいは赤外領域の光を照射する光源14によって輝尽
性蛍光体層に照射してトラップレベルに蓄積された電子
及び/または正孔を追い出し、蓄積されたエネルギーを
輝尽発光として放出せしめる。この放出された輝尽発光
の強弱は蓄積された電子及び/または正孔の数、すなわ
ち放射線画像変換パネル13の輝尽性蛍光体層に吸収され
た放射線エネルギーの強弱に比例しており、この光信号
を例えば光電子増倍管等の光電変換装置15で電気信号に
変換し、画像処理装置16によって画像として再生し、画
像表示装置17によってこの画像を表示する。画像処理装
置16は単に電気信号を画像信号として再生するのみでな
く、いわゆる画像処理や画像の演算,画像の記憶,保存
等が出来るものを使用するとより有効である。
【0029】また光エネルギーで励起する際、輝尽励起
光の反射光と輝尽性蛍光体層から放出される輝尽発光と
を分離する必要があることと、輝尽性蛍光体層から放出
される発光を受光する光電変換器は一般に600nm以下の
短波長の光エネルギーに対して感度が高くなるという理
由から、輝尽性蛍光体層から放射される輝尽発光はでき
るだけ短波長領域にスペクトル分布を持ったものが望ま
しい。本発明に係わる輝尽性蛍光体の発光波長域は300
〜500nmであり、一方輝尽励起波長域は500〜900nmであ
るので前記の条件を同時に満たすものである。
【0030】すなわち、本発明に係わる輝尽性蛍光体は
いずれも500nm以下に主ピークを有する発光を示し、輝
尽励起光の分離が容易でしかも受光器の分光感度とよく
一致するため、効率よく受光できる結果、受像系の感度
を固めることができる。
【0031】輝尽励起光源14としては、放射線画像変換
パネル13に使用される輝尽性蛍光体の輝尽励起波長を含
む光源が使用される。特にレーザ光を用いると光学系が
簡単になり、又、輝尽励起光強度を大きくすることがで
きるために輝尽発光効率をあげることができ、より好ま
しい結果が得られる。
【0032】レーザとしては、He−Neレーザ、He−Cdレ
ーザ、Arイオンレーザ、Krイオンレーザ、N2レーザ、YA
Gレーザ及びその第2高調波、ルビーレーザ、半導体レ
ーザ、各主の色素レーザ、銅蒸気レーザ等の金属蒸気レ
ーザ等がある。通常はHe−NeレーザやArイオンレーザの
ような連続発振のレーザが望ましいが、パネル1画素の
走査時間とパルスを同期させればパルス発振のレーザを
用いることもできる。又、フィルタ18を用いずに特開昭
59-22046号に示される発光の遅れを利用して分離する方
法によるときは、連続発振レーザを用いて変調するより
もパルス発振のレーザを用いる方が好ましい。
【0033】上記の各種レーザ光源の中で、半導体レー
ザは小型で安価であり、しかも変調器が不要であるので
特に好ましい。
【0034】フィルタ18としては放射線画像変換パネル
13から放射される輝尽発光を透過し、輝尽励起光をカッ
トするものであるから、これは放射線画像変換パネル13
に含有する輝尽性蛍光体の輝尽発光波長と輝尽励起光源
14の波長の組合わせによって決定される。
【0035】例えば、輝尽励起波長が500〜900nmで輝尽
発光波長が300〜500nmにあるような実用上好ましい組合
わせの場合、フィルタとしては例えば東芝社製C−39,
C−40,V−40,V−42,V−44,コーニング社製7−
54,7−59,スペクトロフィルム社製BG−1,BG−
3,BG−25,BG−37,BG−38等の紫〜青色ガラス
フィルタを用いることができる。又、干渉フィルタを用
いると、ある程度、任意の特性のフィルタを選択して使
用できる。
【0036】光電変換装置15としては、光電管、光電子
倍増管、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽
電池、光導電素子等光量の変化を電子信号の変化に変換
し得るものなら何れでもよい。
【0037】本発明の一般式(I)で表される蛍光体の
うち輝尽性蛍光体としては、MIとしては、Na,K,Rbお
よびCsから選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属、特
にRbおよびCsから選ばれる少なくとも一種のアルカリ土
類金属の場合、MIIとしては、Mg,Ca,SrおよびBaか
ら選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属の場合、
XおよびX1としては、F,Cl及びBrから選ばれる少な
くとも一種のハロゲンの場合が輝尽発光輝度の高いこと
から好ましい。MIIX′2の含有率を表すa値及び付活金
属Tlの含有率を表すb値はそれぞれ、0<a≦4.0およ
び0<b≦0.2の範囲から選ばれる。a値がa>4.0の場
合には輝尽発光輝度が急激に低下する。
【0038】本発明に係る蛍光体MIX・aMIIX′2:bTl
は、例えば以下に述べる製造方法によって製造される。
【0039】まず蛍光体原料として、 I)NaF,NaCl,NaBr,NaI,KF,KCl,KBr,KI,RbF,Rb
Cl,RbBr,RbI,CsF,CsCl,CsBr,CsIのうちの1種も
しくは2種以上、 II)MgF2,MgCl2,MgBr2,MgI2,CaF2,CaCl2,CaBr2
CaI2,SrF2,SrCI2,SrBr2,SrI2,BaF2,BaCl2,BaB
r2,BaBr2・2H2O,BaI2,ZnF2,ZnCl2,ZnBr2,ZnI2,C
dF2,CdCl2,CdBr2,CdI2,CuF2,CuCl2,CuBr2,CuI,
NiF2,NiCl2,NiBr2,NiI2のうち1種もしくは2種以
上、及び III)Tl化合物群付活剤原料が用いられる。
【0040】化学量論的に一般式(I)で示されるMIX・
aMIIX′2:bTlにおいて、 0<a≦4 好ましくは 0 <a≦1.0、 0≦b≦0.2 好ましくは 10-6<b<0.1 の混合組成になるように前記I)〜III)の蛍光体原料を
秤量し、乳鉢、ボールミル、ミキサーミル等を用いて充
分に混合する。
【0041】次に、得られた原料混合物を石英ルツボ或
いはアルミナルツボ等の耐熱性容器に充填して電気炉中
で焼成を行う。焼成温度は500乃至1000℃が適当であ
る。焼成時間は原料混合物の充填量、焼成温度等によっ
て異なるが、一般には0.5乃至6時間が適当である。焼
成雰囲気としては少量の水素ガスを含む窒素ガス雰囲
気、少量の一酸化炭素を含む炭酸ガス雰囲気等の弱還元
性雰囲気、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等の中
性雰囲気或いは少量の酸素ガスを含む弱酸化性雰囲気が
好ましい。尚、前記の焼成条件で一度焼成した後、焼成
物を電気炉から取り出して粉砕し、しかる後焼成物粉末
を再び耐熱性容器に充填して電気炉に入れ、前記と同じ
焼成条件で再焼成を行えば蛍光体の発光輝度を更に高め
ることができる、また、焼成物を焼成温度より室温に冷
却する際、焼成物を電気炉から取り出して空気中で放冷
することによっても所望の蛍光体を得ることができる
が、焼成時と同じ、弱還元性雰囲気もしくは中性雰囲気
のままで冷却してもよい。また、焼成物を電気炉内で加
熱部より冷却部へ移動させて、弱還元性雰囲気、中性雰
囲気もしくは弱酸化性雰囲気で急冷することにより、得
られた蛍光体の輝尽による発光輝度をより一層高めるこ
とができる。
【0042】焼成後得られる蛍光体を粉砕し、その後洗
浄、乾燥、篩い分け等の蛍光体製造に於いて一般に採用
されている各種操作によって処理して本発明の蛍光体を
得る。
【0043】以上のようにしてえられた本発明に係る輝
尽性蛍光体MIX・aMIIX′2:bTlの輝尽の発光スペクトル
を図4に例示した。該スペクトルを与える具体的蛍光体
組成は下記の通りである。
【0044】(a)RbBr・0.5BaFBr:0.001Tl (b)0.99RbBr・0.01CsF・0.2BaFCl:0.001Tl (c)CsBr・BaFCl:0.002Tl これらの輝尽性蛍光体に80KVpのX線を照射した後、該
蛍光体を発振波長が780nmの半導体レーザで輝尽励起す
ることによって測定した発光スペクトルである。
【0045】また図5に本発明に係る輝尽性蛍光体MIX
・aMIIX′2:bTlの輝尽の励起スペクトルを例示した。8
0KVpのX線が照射された前記輝尽性蛍光体(a),
(b)及び(c)の輝尽の励起スペクトルである。
【0046】本発明に係わる輝尽性蛍光体を放射線画像
変換パネル13に使用する場合の平均粒子径は、通常、放
射線画像変換パネル13の感度と粒状性を考慮して、平均
粒子径0.1〜100μmの範囲において適宜選択される。さ
らに好ましくは、平均粒子径が1〜30μmのものが使用
される。
【0047】放射線画像変換パネル13において、一般的
には、輝尽性蛍光体は適当な結着剤中に分散され、支持
体に塗布される。結着剤としては、例えばゼラチンのよ
うな蛋白質、デキストランのようなポリサッカライド又
はアラビアゴム、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニ
ル、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニリ
デン-塩化ビニルコポリマー、ポリメチルメタクリレー
ト、塩化ビニル-酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタ
ン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアル
コール等のような、通常、層形成に用いられる結着剤が
使用される。
【0048】一般に、結着剤は、輝尽性蛍光体1重量部
に対して0.041〜1重量部に範囲で使用される。しかし
ながら、得られる放射線画像変換パネル13の感度と鮮鋭
度の点では、結着剤は少ない方が好ましく、塗布の容易
さとの兼ね合いから0.03〜0.2重量部の範囲がより好ま
しい。
【0049】次に、放射線画像変換パネル13の製造法の
一例として蛍光体塗布液を塗設する製造法を以下に示
す。
【0050】まず粉砕された輝尽性蛍光体粉末と結着剤
及び溶剤を混合し充分に混練し輝尽性蛍光体の均一分散
した塗布液を調合する。
【0051】前記溶剤として、メタノール、エタノー
ル、n-プロパノール、n-ブタノール等の低級アルコール
類、メチレンクロライド、エチレンクロライド等の塩素
含有炭素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等の低級エステル類、ジオキサン、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。尚
これら溶剤は混合して使用してもよい。
【0052】さらに塗布液中の輝尽性蛍光体の分散性を
補完するための分散剤或いは塗布乾燥後の結着剤の該蛍
光体粒子保着性を保証するための可塑剤等の有用な種々
の添加剤が添加されてもよい。
【0053】前記分散剤としては、フタル酸、ステアリ
ン酸、カプロン酸或いは親油性表面活性剤が挙げられ
る。
【0054】前記可塑剤としては、燐酸トリフェニル、
燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニル等の燐酸エステル
類、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等フ
タル酸エステル類、グリコール酸エチルフタリルエチ
ル、グリコール酸ブチルフタクリルブチル等のグリコー
ル酸エステル類、更にトリエチレングリコール-アジピ
ン酸ポリエステル、ジエチレングリコール-コハク酸ポ
リエステル等のポリエチレングリコール-脂肪族二塩基
酸ポリエステル類等を挙げることができる。
【0055】前記のように調合された塗布液は一般に行
われる塗布方法例えばロールコータ法、ブレードドクタ
ー法等により支持体上に均一に塗布され輝尽性蛍光体層
が形成される。
【0056】支持体としては、各重合成樹脂シート(例
えばセルロースアセテート、ポリエステル、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、トリアセ
テート、ポリカーボネイト等のシート)、各種金属シー
ト(例えばアルミニウム、アルミニウム合金等のシー
ト)、各種紙シート(例えばバライタ紙、レジンコート
紙、ピグメント紙等のシート)等を挙げることができ
る。
【0057】前記輝尽性蛍光体層の乾燥厚みは、放射線
画像変換パネルの使用目的によって、また輝尽性蛍光体
の種類、結着剤と輝尽性蛍光体との混合比等により変化
するが、一般には、10μm乃至1000μmが適当であり、好
ましくは80μm乃至600μmである。
【0058】尚、放射線画像変換パネル13に形成される
画像の鮮鋭性を高めるために、例えば特開昭55-146447
号に記載されているように輝尽性蛍光体層に白色粉末を
分散されるようにしてもよいし、特開昭55-163500号に
記載されているように輝尽性蛍光体層に輝尽励起光を吸
収するような着色剤を分散させるようにして輝尽性蛍光
体層の画像の鮮鋭性を高めたり、輝尽励起光を吸収させ
るために適度に着色してもよい。さらに、この放射線画
像変換パネル13の鮮鋭性及び感度を向上させる目的で特
開昭56-11393号に開示されているように支持体と輝尽性
蛍光体層との間に光反射層を設けるようにしてもよい。
【0059】また、輝尽性蛍光体層は気相堆積法によっ
て形成されてもよい。
【0060】輝尽性蛍光体の気相堆積法としては蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、その
他を用いることができる。
【0061】第1の方法としての蒸着法においては、ま
ず支持体を蒸着装置内に設置した後装置内を排気して10
-6Torr程度の真空度とする。次いで、前記輝尽性蛍光体
の少なくとも一つを抵抗加熱法、エレクトロンビーム法
等の方法で加熱蒸発させて前記支持体表面に輝尽性蛍光
体を所望の厚さに堆積させる。
【0062】この結果、結着剤を含有しない輝尽性蛍光
体層が形成されるが、前記蒸着工程では複数回に分けて
輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。また、前
記蒸着工程では複数の抵抗加熱器あるいはエレクトロン
ビームを用いて共蒸着し、支持体上で目的とする輝尽性
蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層を形成するこ
とも可能である。
【0063】蒸着終了後、必要に応じて前記輝尽性蛍光
体層の支持体側とは反対の側に保護層を設けることによ
り本発明の放射線画像変換パネルが製造される。尚、保
護層上に輝尽性蛍光体層を形成した後、支持体を設ける
手順をとってもよい。
【0064】さらに前記蒸着法においては、蒸着時、必
要に応じて被蒸着物(支持体あるいは保護層)を冷却あ
るいは加熱してもよい。また、蒸着終了後輝尽性蛍光体
層を加熱処理してもよい。また、前記蒸着法に於いては
必要に応じてO2,H2等のガスを導入して反応性蒸着を行
ってもよい。
【0065】第2の方法としてのスパッタリング法にお
いては、蒸着法と同様に支持体をスパッタリング装置内
に設置した後装置内を一旦排気して10-6Torr程度の真空
度とし、次いでスパッタリング用のガスとしてAr,Ne等
の不活性ガスをスパッタリング装置内に導入して10-3To
rr程度のガス圧とする。
【0066】次に、前記輝尽性蛍光体をターゲットとし
て、スパッタリングすることにより、前記支持体表面に
輝尽性蛍光体層を所望の厚さに堆積させる。
【0067】前記スパッタリング工程では蒸着法と同様
に各種の応用処理を用いることができる。
【0068】第3の方法としてCVD法がある。また、
第4の方法としてイオンプレーティング法がある。
【0069】また、前記気相堆積における輝尽性蛍光体
層の堆積速度は0.05μm/分〜300μm/分であることが
好ましい。堆積速度が0.05μm/分未満の場合には本発
明の放射線画像変換パネルの生産性が低く好ましくな
い。また堆積速度が300μm/分を越える場合には堆積速
度のコントロールがむずかしく好ましくない。
【0070】放射線画像変換パネルを、前述の真空蒸着
法、スパッタリイング法などにより得る場合には、結着
剤が存在しないので輝尽性蛍光体の充填密度を増大で
き、感度、解像力の上で好ましい放射線画像変換パネル
が得られる。
【0071】又、保護層は、保護層用塗布液を輝尽性蛍
光体層上に直接塗布して形成してもよいし、あらかじめ
別途形成した保護層を輝尽性蛍光体層上に接着してもよ
い。あるいは別途形成した保護層上に輝尽性蛍光体層を
形成する手順を取ってもよい。保護層の材料としては酢
酸セルロース、ニトロセルロース、ポリメチルメタクリ
レート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー
ル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ナ
イロン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化-塩化エ
チレン、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合
体、塩化ビニリデン-塩化ビニル共重合体、塩化ビニリ
デン-アクリロニトリル共重合体等の通常の保護層用材
料が用いられる。また、この保護層は蒸着法、スパッタ
リング法等により、SiC,SiO2,SiN,Al2O3などの無機
物質を積層して形成してもよい。これらの保護層の層厚
は一般的には0.1μm〜100μm程度が好ましい。
【0072】
【実施例】次に実施例によって本発明を説明する。
【0073】実施例1 各蛍光体原料を下記(1)〜(32)に示されるように秤
量した後、ボールミルを用いて充分に混合して32種類の
輝尽性蛍光体原料混合物を調合した。
【0074】 (1) RbBr 165.4g (1モル) BaF2 17.54g (0.1モル) BaBr2・2H2O 33.31g (0.1モル) Tl2O 0.212g (0.0005モル) (2) RbBr 165.4g (1モル) BaF2 35.08g (0.2モル) BaBr2・2H2O 66.63g (0.2モル) Tl2O 0.424g (0.001モル) (3) RbBr 165.4g (1モル) BaF2 17.54g (0.1モル) TlBr 0.284g (0.001モル) (4) RbBr 157.1g (0.95モル) CsF 7.60g (0.05モル) BaF2 17.54g (0.1モル) Tl2O 0.212g (0.0005モル) (5) RbBr 165.4g (1モル) SrBr2 98.97g (0.4モル) Tl2O3 0.228g (0.0005モル) (6) Rbl 212.4g (1モル) MgF2 49.84g (0.8モル) Tl2O 0.212g (0.0005モル) (7) RbBr 148.9g (0.9モル) Rbl 21.24g (0.1モル) BaI2 39.10g (0.1モル) TlBr 0.284g (0.001モル) (8) CsBr 212.8g (1モル) BaF2 17.54g (0.1モル) BaBr2 29.71g (0.1モル) Tl2O 0.212g (0.0005モル) (9) CsBr 212.8g (1モル) BaF2 35.08g (0.2モル) BaCl2 41.64g (0.2モル) Tl2O 0.212g (0.0005モル) (10) CsBr 106.4g (0.5モル) RbBr 82.7g (0.5モル) BaF2 70.16g (0.4モル) Tl2O 0.212g (0.0005モル) (11) CsBr 212.8g (1モル) BaBr2 29.71g (0.1モル) Tl2O 0.212g (0.0005モル) (12) CsBr 212.8g (1モル) CaBr2 99.94g (0.5モル) Tl2O 0.212g (0.0005モル) (13) RbBr 148.9g (0.9モル) CsI 25.98g (0.1モル) TlBr 0.142g (0.0005モル) (14) RbBr 165.4g (1モル) ZnCl2 68.14g (0.5モル) Tl2O 0.212g (0.0005モル) (15) RbBr 149.9g (0.9モル) RbI 21.24g (0.1モル) ZnBr2 180.2g (0.8モル) TlBr2 0.142g (0.0005モル) (16) RbI 212.4g (1モル) CdBr2 108.9g (0.4モル) Tl2O 0.212g (0.0005モル) (17) RbI 212.4g (1モル) CdI2 73.24g (0.2モル) Tl2O 0.212g (0.0005モル) (18) RbBr 148.9g (0.9モル) CsI 25.98g (0.1モル) CuCl2 161.3g (1.2モル) TlBr 0.142g (0.0005モル) (19) RbBr 148.9g (0.9モル) CsI 25.98g (0.1モル) CuBr2 89.34g (0.4モル) TlBr 0.142g (0.0005モル) (20) RbBr 148.9g (0.9モル) RbI 21.24g (0.1モル) NiCl2 25.92g (0.2モル) TlBr 0.142g (0.0005モル) (21) RbBr 148.9g (0.9モル) RbI 21.24g (0.1モル) NiF2 29.01g (0.3モル) Tl2O 0.424g (0.001モル) (22) KCl 59.64g (0.8モル) RbBr 33.08g (0.2モル) CuCl2 26.89g (0.2モル) TlBr 0.142g (0.0005モル) (23) KI 166.0g (1モル) CuI2 31.73g (0.1モル) TlCl 0.240g (0.001モル) (24) KBr 119.0g (1モル) CuCl2 26.89g (0.2モル) TlCl 0.240g (0.001モル) (25) KF 29.05g (0.5モル) RbBr 82.70g (0.5モル) CdBr2 108.9g (0.4モル) TlBr 0.142g (0.0005モル) (26) KI 116.2g (0.7モル) RbI 63.72g (0.3モル) ZnCl2 40.88g (0.3モル) Tl2O 0.212g (0.0005モル) (27) NaI 149.9g (1モル) NiCl2 25.92g (0.2モル) TlBr 0.284g (0.001モル) (28) NaI 104.9g (0.7モル) RbI 63.72g (0.3モル) NiBr2 65.56g (0.2モル) TlBr 0.284g (0.001モル) (29) NaBr 72.03g (0.7モル) RbI 63.72g (0.3モル) CdCl2 73.32g (0.4モル) Tl2O 0.424g (0.001モル) (30) NaCl 29.22g (0.5モル) RbBr 82.70g (0.5モル) ZnBr2 90.10g (0.4モル) TlBr 0.284g (0.0005モル) (31) CsBr 212.8g (1モル) ZnCl2 68.14g (0.2モル) TlBr 0.142g (0.0005モル) (32) CsI 233.8g (0.9モル) RbI 21.24g (0.1モル) NiCl2 25.92g (0.2モル) Tl2O 0.212g (0.0005モル) 次に前記32種類の輝尽性蛍光体原料混合物をそれぞれ石
英ボートに詰めて電気炉に入れ焼成を行った。焼成は10
容量%の酸素ガスを含む窒素ガスを流速500cc/分で流
しながら650℃で2時間行い、その後室温まで放冷し
た。
【0075】得られた焼成物をボールミルを用いて粉砕
した後、150メッシュの篩にかけて粒子径をそろえ、そ
れぞれの輝尽姓蛍光体を得た。
【0076】次に前記32種類の輝尽性蛍光体を用いて放
射線画像変換パネルを製造した。いずれの放射線画像変
換パネルも以下のように製造した。
【0077】まず輝尽性蛍光体8重量部をポリビニルブ
チラール(結着剤)1重量部にアセトンと酢酸エチルを
等量混合した溶剤を用いて分散させ、これを水平に置い
たポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)上に
ワイヤーバーを用いて均一に塗布し自然乾燥させること
によって膜層厚が約300μmの本発明の放射線画像変換パ
ネルを作成した。
【0078】この32種類の放射線画像変換パネルをX線
管球焦点から100cmの距離において管電圧80KVp、管電流
100mAのX線を0.1秒照射し、その時に発生する瞬時発光
の強度を光検出器で測定した。続いて、このパネルを半
導体レーザ光(780nm、10mW)で励起し、その輝尽性蛍
光体層から放射される輝尽による発光を光検出器で測定
した。結果を表1に示す。
【0079】比較例1 実施例1において輝尽性蛍光体原料をBaF175.4g(1
モル)、BaBr2・2H2O 333.3g(1モル)およびEu2O3 0.
352g(0.001モル)としたこと以外は実施例1と同様に
して輝尽性蛍光体BaFBr:0.001 Eu を得た。この輝尽性
蛍光体を用いて実施例1と同様にして比較の放射線画像
変換パネルを作製し、実施例1と同様にして瞬時発光の
強度と、半導体レーザ(780nm、10mV)を用いて輝尽発
光輝度を測定した。結果を表に併記する。
【0080】比較例2 比較例1において半導体レーザを用いる代わりにHe−Ne
レーザ(633nm、10mV)を用いた以外は比較例1と
同様にして輝尽発光輝度を測定した。結果を表に併記す
る。
【0081】
【表1】
【0082】表より明らかなように、本発明に係る前記
試料(1)〜(32)の輝尽性蛍光体を用いて製造した
放射線画像変換パネルの輝尽発光輝度は、比較例1に示
した、従来の輝尽性蛍光体BaFBr:Euを用いて製造した
放射線画像変換パネルの同一条件で測定した輝尽発光輝
度よりも著しく高く、高感度の放射線画像変換方法を提
供できる。
【0083】ところで比較例1で取り上げた、従来の輝
尽性蛍光体BaFBr:Euは輝尽励起スペクトルのピーク波
長が600nm付近にあり、輝尽励起光源としては、He−Ne
レーザ光(633nm)が特に好ましいとされている(特開
昭55-15025等)。そこで、BaFBr:Euを用いて製造した
比較の放射線画像変換パネルについては、前記輝尽発光
輝度の測定方法において、半導体レーザ(780nm)をHe
−Neレーザ(633nm)に変え、それ以外は同一条件で測
定して比較例2として前記表に示したが、比較の放射線
画像変換パネルは本発明に係わるいずれの放射線画像変
換パネルよりも輝尽発光輝度が低かった。
【0084】又、本発明の蛍光体を用いた場合、X線照
射時の発光強度も大きく、これにより高感度のX線増感
紙等の形成を期待できる。
【0085】実施例2 実施例1で作成した輝尽性蛍光体(2),(6),
(8)及び(13)を用いた放射線画像変換パネルに実施
例1と同様にX線を照射した後、強度が矩形状に変化す
る励起光としてのHe−Neレーザを10μsec間照射し、輝
尽性蛍光体層から放射される輝尽発光の輝度変化を光検
出器で測定した。輝尽発光の輝度変化が10%から90%ま
で変化するのに要する時間を輝尽性蛍光体の輝尽励起光
に対する応答速度として求め表2に示す。
【0086】比較例3 実施例2において本発明の放射線画像変換パネルを用い
る代わりに比較例1で作成した比較の放射線画像変換パ
ネルを用いた以外は実施例2と同様にして応答速度を求
めた。
【0087】結果を表2に示す。
【0088】
【表2】
【0089】表2より、本発明に係る輝尽性蛍光体は比
較の輝尽性蛍光体に比べ応答速度が約3倍以上速く、本
発明に係る輝尽性蛍光体を用いる放射線画像変換方法に
おける放射線画像の読取速度を比較の輝尽性蛍光体を用
いる時よりも3倍以上高速にすることが可能である。
【0090】実施例3 実施例2で使用した本発明の蛍光体を用いた放射線画像
変換パネルに実施例1と同様にX線を照射した後、1万
ルックスのハロゲンランプで10秒間蓄積エネルギーを消
去した。次にこれを半導体レーザ(780nm,10mW)で輝
尽励起して輝尽性蛍光体層から放射される輝尽発光輝度
を光検出器で測定した。測定結果は、ハロゲンランプに
よる消去前の輝尽発光輝度を1として表3に示す。
【0091】実施例4 実施例3において、半導体レーザの代わりにHe−Neレー
ザ(633nm,10mW)を用いた以外は実施例3と同様にし
て輝尽発光輝度を測定した。測定結果は実施例3と同様
に、ハロゲンランプによる消去前の輝尽発光輝度を1と
して表3に示す。
【0092】比較例4 実施例4において、本発明の蛍光体を用いた放射線画像
変換パネルを用いる代わりに比較例1で作成した比較の
放射線画像変換パネルを用いた以外は実施例4と同様に
して輝尽発光輝度を測定した。測定結果は実施例4と同
様に、ハロゲンランプによる消去前の輝尽発光輝度を1
として表3に示す。
【0093】
【表3】
【0094】表3より、本発明に係る輝尽性蛍光体は比
較の輝尽性蛍光体に比べ蓄積エネルギー(残像)の消去
速度が約1000倍以上速く、本発明に係る輝尽性蛍光体を
用いる放射線画像変換方法における残像消去時間を比較
の輝尽性蛍光体を用いる時よりも1/1000以下に短縮す
ることが可能である。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の蛍光体は
放射線に対する感度が高く、輝尽発光強度も大きいた
め、被写体、X線技師及び機器取り扱い者等のX線被曝
量を低減することが可能となる。
【0096】また本発明に係る輝尽性蛍光体は輝尽励起
光に対する応答速度および蓄積エネルギー(残光)の消
去速度が速いため、放射線画像変換における放射線画像
読取速度を高速化し、残像の消去時間を短縮して診断シ
ステムの運転効率を向上させることが可能である。
【0097】さらにまた、本発明に係る輝尽性蛍光体の
輝尽励起スペクトルは半導体レーザの発振波長領域にま
で拡大しているので半導体レーザによる輝尽励起が可能
であり、放射線画像読取装置の小型化、低価格化、簡略
化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】輝尽性蛍光体の応答特性を示す図。
【図2】輝尽性蛍光体の残像消去特性を示す図。
【図3】本発明の蛍光体の利用形態例の概要を示す説明
図。
【図4】本発明に係る輝尽性蛍光体例の輝尽発光スペク
トル。
【図5】該蛍光体例の輝尽励起スペクトル。
【符号の説明】
11 放射線発生装置 12 被写体 13 放射線画像変換パネル 14 輝尽励起光源 15 光電変換装置 18 フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 網谷 幸二 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 島田 文生 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されることを特徴
    とするアルカリハライド蛍光体。一般式(I) MIX・aMIIX′2:bTl [但し、MIはNa、K、Rb及びCsから選ばれる少なくとも
    1種のアルカリ金属である。MIIはMg、Ca、Sr、Ba、Z
    n、Cd、Cu及びNiから選ばれる少なくとも1種の2価金
    属である。X及びX′はF、Cl、Br及びIから選ばれる
    少なくとも1種のハロゲンである。またaは0<a≦4.
    0の範囲の数値であり、bは0<b≦0.2の範囲の数値で
    ある。]
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)におけるMIIがMg、Ca、
    Sr及びBaから選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金
    属であることを特徴とする請求項1のアルカリハライド
    蛍光体。
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)におけるaが0<a≦
    1.0であることを特徴とする請求項1又は2のアルカリ
    ハライド蛍光体。
  4. 【請求項4】 前記一般式(I)におけるMIがRb及びCs
    から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属であること
    を特徴とする請求項1乃至3のアルカリハライド蛍光
    体。
  5. 【請求項5】 前記一般式(I)におけるXがBr及びI
    から選ばれる少なくとも1種のハロゲンであることを特
    徴とする請求項1乃至4のアルカリハライド蛍光体。
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