JPH0618854Y2 - 軌道回路用受信器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、区分された軌道上に列車が存在するか否か
を検出する軌道回路用受信器に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、軌道上に列車が存在するか否かを検知するには第
３図に示すように軌道１を軌道絶縁装置２によつて複数
の区画に区分し、その区分された軌道の一端に例えば商
用電源を基にして発生した交流信号（以下、この信号を
局部信号と称する）を供給し、列車が存在しないとき、
区分された軌道の他端から得られる軌道信号の位相を位
相調整器３によつて所定の値に調整し、局部信号と軌道
信号の位相差を所定の値にしたとき軌道リレー４にトル
クが生じ、そのリレーの付勢によつて列車が存在しない
ことを検出していた。そして、列車が存在するときは車
軸によつて線路間が接続され、軌道信号の位相が変化し
電圧が減少する。このため軌道リレー４のトルクが減少
してそのリレーが消勢され、このことによつて列車の存
在を検出している。

なお、５は中継トランス、６は軌道トランス、７は抵抗
である。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながらこのような従来の装置は、軌道信号のトラ
ンジエントに対して動作し易く、また電磁エネルギを機
械エネルギに変換しているので、レベルの規定が難かし
い等の問題を有していた。

〔問題点を解決するための手段〕

このような問題を解決するためにこの考案は、局部信号
および軌道信号を矩形波に変換する変換器と、軌道信号
をサンプリングして局部信号が「1」レベルのときの軌道
信号レベルのサンプリングデータと局部信号が「0」レベ
ルのときの軌道信号レベルのサンプリングデータとが区
分された軌道に列車が存在しないときのデータから所定
値以上変化したとき出力信号を発生する検出器を備えた
ものである。

〔作用〕

区分された軌道に列車が存在するときは軌道信号の位相
が変化し、サンプリングデータも変化する。

〔実施例〕

第１図はこの考案の一実施例を示すブロツク図である。
図において、軌道信号はフイルタ回路１１を介してシユ
ミツト回路１２に供給されて第２図(b)に示す矩形波に
変換され、サンプリング回路１３に供給される。一方、
局部信号はシユミツト回路１４で、第２図(a)に示す矩
形波に変換され、サンプリング回路１３およびサンプリ
ング値計数管理回路１５に供給される。

なおフイルタ回路１１の出力はレベル判定回路１６にも
供給されており、その回路を介してサンプリング値計数
管理回路１５に供給され軌道信号レベルが所定値以下の
ときはサンプリング値計数値にかかわらず列車有りと判
定する用途に供せられ、またサンプリング回路１３に供
給される信号のうち、サンプリング値計数管理回路１５
からの信号はサンプリング用の基準パルスとしての用途
に使われる。

なお、商用電源ＡＣ１００Ｖから中継トランス５を介し
て供給された交流信号は送信側のトランス１７を介して
軌道１に供給され、軌道１によって受端に供給された交
流信号はトランス１８を介して受信側の中継トランス５
に供給される。

このように構成された装置はサンプリング回路１３にお
いて軌道信号がその周期より十分に短かいサンプリング
周期でサンプリングされる。サンプリング値計数管理回
路１５はこのサンプリングされたデータを取り込み、局
部信号が「1」レベルのときのサンプリングした論理レベ
ル「1」を計数し、また局部信号が「0」のときも同様に、サ
ンプリングした論理レベル「1」を計数する。なおこれは
論理レベル「0」を計数しても良い。次に、区分された軌
道に列車が存在しないときこれらのデータを基準信号の
数周期分にわたり平均化し、基準データとして固定す
る。この基準データの作成は電源投入時および回路リセ
ット時に行なう。

ここで区分された軌道に列車が進入すると、車軸によつ
て軌道間が短絡されるので、軌道信号はそのレベルが減
少するとともにその位相が変化する。このため局部信号
と軌道信号との位相関係が変化し、サンプリング値計数
管理回路１５で計数される値が基準データより外れるの
で、外れた値が所定値以上となつたとき区分された軌道
区間に列車が存在することが検知される。

〔考案の効果〕

以上説明したようにこの考案は、軌道信号および局部信
号を矩形波に変換し、局部信号のレベルに応じて軌道信
号をサンプリングし、列車が区分された軌道区間に存在
するときのサンプリングデータからの変化量が所定値以
上変化したか否かで列車の有無を検知するものであるた
め、従来の欠点を除去でき、安定に動作させることがで
きるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すブロツク図、第２図
は矩形波に変換された軌道信号および局部信号の波形を
示す図、第３図は従来の装置を示す図である。 １……軌道、２……軌道絶縁装置、４……軌道リレー、
１１……フイルタ回路、１２、１４……シユミツト回
路、１３……サンプリング回路、１５……サンプリング
値計数管理回路、１６……レベル判定回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】両端が絶縁された軌道（１）の一端に供給
   した交流入力信号を軌道（１）の他端から交流出力信号
   として取り出して、その取り出した交流出力信号と前記
   交流入力信号の位相差を検出することによって車両がそ
   の軌道（１）に在線しているか否かの在線状態を検出す
   る軌道回路用受信器であって、 第１の波形整形手段（１２）と、第２の波形整形手段
   （１４）と、サンプリング手段（１３）と、サンプリン
   グ値計数管理回路（１５）とから構成され、 第１の波形整形手段（１２）は、前記交流出力信号を矩
   形波に変換してサンプリング手段（１３）に供給するも
   のであり、 サンプリング手段（１３）は、第１の波形整形手段（１
   ２）の出力信号をその周期よりも十分短い周期でサンプ
   リングして、そのサンプリングした結果である「１」ま
   たは「０」のサンプリングデータをサンプリング値計数
   管理回路（１５）の第１の端子に供給するものであり、 第２の波形整形手段（１４）は、軌道（１）の一端に供
   給する信号を分岐したものを矩形波に変換してサンプリ
   ング値計数管理回路（１５）の第２の端子に供給するも
   のであり、 サンプリング値計数管理回路（１５）は、軌道に列車が
   存在しないときにおける第２の波形整形手段（１４）の
   矩形波信号中の「１」または「０」レベルのいずれかの
   期間中におけるサンプリングデータのうち「１」または
   「０」レベルのいずれか一方を計数して、その計数値を
   第２の矩形波成形手段（１４）の数周期分平均したもの
   を電源投入時または回路リセット時に基準データとして
   固定し、前記サンプリングデータの特定レベル（「１」
   または「０」）の計数値が前記基準データより所定値以
   上ずれたとき軌道（１）に列車が在線していると判断す
   るものであることを特徴とする軌道回路用受信器。