JPH06182611A - 深孔穿孔ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 親機へ取り付けられ、親機の主軸で駆動され
る穿孔工具へ最少の圧力損失で高圧の切削液を送り込む
ことのできる深孔穿孔ユニットを得ることにある。 【構成】 親機へ取り付けるための固着手段を備えたユ
ニットフレームを設け、そのユニットフレームに親機の
主軸に連結される入力軸、および、その入力軸と略同軸
に配置された工具軸を設け、それら入力軸と工具軸とを
歯車列を介してそれらの側方に配置した補助軸によって
連結すると共に、前記工具軸と入力軸との間にスィーベ
ルジョイントを配し、そのスィーベルジョイントと工具
軸に設けた切削液通路とを油密に連結したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はガンドリルのような深
孔を穿孔する特殊工具を、ラジアルボール盤その他の汎
用工作機械（以下、親機という）に取り付けて使用する
ための深孔穿孔ユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、親機に特殊な加工工具をアタッ
チメントとして取り付け、親機の機能を増強して親機の
能力を越えた加工を可能にすることは慣用的に行われて
いる。また、ガンドリルは真直度の優れた深い小孔を穿
孔できる工具として知られている。すなわち、ガンドリ
ルは細長い硬質のシャンクの先端に刃具が設けられたも
ので、先端部に超硬合金からなる刃具が設けられて極め
て高速の穿削が可能になっている。そして、先端の刃具
で穿孔を行いつゝ、同時に工具の先端から被工作物に穿
孔した孔の最深部に高圧の切削液を圧送して、従来の切
削液のように切削のための潤滑や冷却を行う他、切削屑
を効率よく孔の外へ押し出す格別に優れた切屑の排除機
能を持っている。

【０００３】他方、この種の穿孔工具は軸芯に切削液を
刃先まで送る給液孔が設けられているので、通常は工具
自体か工具を保持する駆動軸の軸芯の部分に軸方向から
切削液を供給することが行われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、親機へ
取り付けられる工具ユニットは工具軸を親機の工具軸へ
連結し、親機から駆動するため、切削液を工具あるいは
工具駆動軸の軸芯から送り込むことが極めて困難であ
る。また、その困難を克服すべく切削液を工具や工具軸
の外周から求心方向へ向けて切削液を送り込むことも考
慮されたが、工具や工具軸が所定の切削速度を得べく高
速で回転しているため、それによって生じる大きな遠心
力に打ち勝って送り込むことよる圧力損失が大きくなる
不具合があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は上記した課題
を解消し、穿孔工具の軸芯に設けた給液孔へ最少の圧力
損失で切削液を送り込むことのできる深孔穿孔ユニット
を得ることを目的とするもので、親機へ取り付けるため
の固着手段を備えたユニットフレームに、親機の主軸に
連結される入力軸、および、その入力軸と空間を隔てて
略同軸に配置された工具軸を設け、それら入力軸と工具
軸とを歯車列を介して側方に配置した補助軸によって連
動可能に連結すると共に、前記工具軸と入力軸との空間
にスィーベルジョイントを配し、そのスィーベルジョイ
ントと工具軸に設けた切削液通路とを液密に連結した点
に特徴がある。

【０００６】

【作用】深孔穿孔ユニットは固着手段によって親機へ取
り付けられると、その入力軸も親機の主軸へ連結され
る。入力軸と工具軸とは軸方向に若干の距離だけ隔たっ
ているものゝ同軸に配置されており、両者は側方に配置
した補助軸によって連結されている。よって、入力軸が
親機によって駆動されると工具軸も回転する。前記入力
軸と工具軸との空間にはスィーベルジョイントが配置さ
れており、切削液は工具軸の軸芯へ軸方向から送り込ま
れる。また、入力軸と工具軸を含む軸線の周りには、工
具軸を挟んで両側にガイドバーなどのガイド部材が配置
され、それら軸方向に長い部材が工具軸の周りに集中的
に配置され、無駄な空間を省いている。

【０００７】

【実施例】以下、図示の実施例によって、この発明を説
明する。図中、１０は親機たるラジアルボール盤であ
る。ラジアルボール盤は直立する主柱１１の外周面にラ
ジアル方向に伸びる回転アーム１２が上下摺動自在に支
持されている。回転アーム１２には主軸台１３が半径方
向へ摺動自在に支持され、主軸台１３には鉛直方向に配
置された主軸筒（クイル）１３ａが昇降自在に支持され
ている。２０は深孔の穿孔ユニットであり、前記主軸筒
１３ａの下部に取り付けられ、主軸筒１３ａと共に上下
動する。１４は昇圧機であり、親機１０の液源１５から
送られる切削液の圧力を昇圧させ、配管１６を通して後
述するスィーベルジョイント３１へ送り、そこを通して
穿孔ユニット２０へ送り出す。

【０００８】穿孔ユニット２０は図３、図４で示すよう
に、アルミニウム合金の鋳造によって作られたユニット
フレーム２１を備えている。ユニットフレーム２１は独
立した３個の部材２１ａ、２１ｂ、および２１ｃをボル
トによって連結して一体化したものである。そして、そ
の一端に設けた固着手段２２により、親機１０の主軸台
１３に締着されている。固着手段２２は分割されたリン
グ状の部材とボルトとからなる縛着形のもので、それ自
体が新規というわけではない。ユニットフレーム２１上
には親機１０の主軸１７へ係合する入力軸２３と工具２
４たるガンドリルを支持するための工具軸２５が同芯上
に、且つ、空間４０を隔てゝ配置されており、それらの
側方に補助軸２６が平行に配置されている。斯して、入
力軸２３と工具軸２５は歯車列２７、２８によって補助
軸２６に連結され、主軸１７の回転は入力軸２３と補助
軸２６を経て工具軸２５へ伝動される。２９は補助軸２
６の軸受けである。

【０００９】入力軸２３の一端は、そこに形成したモー
ルステーパ部分３２によって、前記親機１０の主軸１７
へ係合する一方、他側に前記歯車列２７をなす歯車が連
結されている。前記歯車列２７、２８はいずれも増速歯
車列であり、よって、工具軸２５は主軸１７に比して３
倍に近い高速で駆動される。

【００１０】工具軸２５は軸受３３によってユニットフ
レーム２１に支持されている。工具軸２５には軸孔３４
が設けられ、その一端の大径部に工具２４であるガンド
リルが取付けられている。工具２４にはその先端部に通
じる給液孔３５が設けられている。工具軸２５の他端に
は、スィーベルジョイント３１の連結筒が挿通され、工
具軸２５とスィーベルジョイント３１との間に切削液の
通路が形成される。すなわち、切削液はスィーベルジョ
イント３１を通して工具軸２５の軸芯部分へ軸方向に送
り込まれる。

【００１１】スィーベルジョイント３１は図２、図３お
よび図５で示すように、入力軸２３と工具軸２５との間
に配置されており、ユニットフレーム２１に支持されて
回転しない外筒３６と前記した連結筒３７とを有する。
連結筒３７は外筒３６によって回動自在に支持されてお
り、外筒３６に形成された求心方向の流路３８と連結筒
３７とは内部で連結されている。

【００１２】前記工具軸２５と入力軸２３、および補助
軸２６は同一平面Ｐ内に配置されている。そして、工具
軸２５の両側にはそれを挟んで２本のガイド軸３９が平
行に配置され、両ガイド軸３９を含む平面Ｆは前記平面
Ｐと直交するように構成されている。従って、補助軸２
６の他、２本のガイド軸３９などの細長い部材が工具軸
２５を含む軸線の周りに配置され、無駄な空間が生じる
のを防いでいる。前記ガイド軸３９は図４で示すよう
に、ユニットフレーム２１に設けた軸孔３４に軸受メタ
ル４４を介して摺動可能に挿通されており、背面のばね
４１の弾力で常に下方の突出位置に突出している。２本
のガイド軸３９の前端部はクロス部材４２によって互い
に連結されており、それらの中間に支持したガイドブシ
ュ４３によって前記工具２４を支持し、送り抵抗による
座屈を防止している。

【００１３】この穿孔ユニット２０は以上のように構成
されているので、親機１０の主軸１７が回転すると、切
削液源１５から送られた切削液は昇圧機１４によって昇
圧される。そして、スィーベルジョイント３１を経て工
具軸２５の軸孔３４へ軸方向から送り込まれ、少ない圧
力損失のため高い圧力を維持して工具２４の刃先へ案内
される。同時に、主軸台１３内の主軸筒１３ａが下降を
開始し、穿孔ユニット２０から突出したクロス部材４２
が被工作物（図示してない）に当接する。穿孔ユニット
２０が引き続き下降すると、クロス部材４２はガイド軸
３９と共にばね４１を圧縮しつゝ後退するので、工具２
４の先端がクロス部材４２に設けたガイドブシュ４３か
ら下方へ突出し、被工作物の加工を開始する。切削が開
始されると切削液は給油孔から穿孔された内部へ噴出し
て切削部分を冷却する。そして、そこで発生する切屑と
共に穿孔された孔と工具２４のシャンクによって形成さ
れる狭い断面扇状の空間を通して外部へ流出する。

【００１４】

【発明の効果】この発明は以上のように、工具軸２５と
入力軸２３とを軸方向に隔離し、それらの間に配置した
スィーベルジョイント３１を通して、工具軸２５の軸芯
へ切削液給送するから、圧力損失が少なく、工具２４の
刃先へ高い圧力の切削液を送ることができる。また、同
軸に配置された工具軸２５と入力軸２３との周りにガイ
ド軸３９のや補助軸２６を平行に配置したから、全体を
コンパクトに構成することができるなどの効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示す装置の構成を示す構
成図である。

【図２】その半部を断面して示す下面図である。

【図３】そのＩＩＩ−ＩＩＩ断面図である。

【図４】そのＩＶ−ＩＶ断面図である。

【図５】図３のＶ−Ｖ断面図である。

【符号の説明】

１０ 親機（ラジアルボール盤） ２０ 深孔の穿孔ユニット ２２ 固着手段 ２３ 入力軸 ２４ 工具（ガンドリル） ２５ 工具軸 ２６ 補助軸 ２７、２８ 歯車列 ３１ スィーベルジョイント ３９ ガイド軸 ４２ クロス部材 ４３ ガイドブシュ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 親機へ取り付けるための固着手段を備え
   たユニットフレームに、親機の主軸に連結される入力
   軸、および、その入力軸と空間を隔てて略同軸に配置さ
   れた工具軸を設け、それら入力軸と工具軸とを歯車列を
   介して側方に配置した補助軸によって連動可能に連結す
   ると共に、前記工具軸と入力軸との空間にスィーベルジ
   ョイントを配し、そのスィーベルジョイントと工具軸に
   設けた切削液通路とを液密に連結してなる深孔穿孔ユニ
   ット。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記入力軸と工具軸
   および補助軸とが同一平面内に設けられる一方、その平
   面と直交する平面内に位置して前記工具軸の両側に工具
   軸と平行にガイド軸を並設し、そのガイド軸に背面のバ
   ネで押されて前方へ付勢されたガイド部材を支持すると
   共に、そのガイド部材に工具のためのガイドブシュを支
   持してなる深孔穿孔ユニット。