JPH06177702A

JPH06177702A - 表面実装用の多段型水晶フィルタ

Info

Publication number: JPH06177702A
Application number: JP34201591A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Fujii; 浩藤井
Original assignee: Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Current assignee: Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
Priority date: 1991-11-30
Filing date: 1991-11-30
Publication date: 1994-06-24

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】各水晶フィルタ間の漏れ信号を防止して保証
減衰量を良好に維持するとともに、回路基板に対する装
着作業を良好にする表面実装用の多段型フィルタを提供
する。【構成】リード線を導出した金属ベースとカバーとか
らなる金属容器内に水晶片を封入した水晶フィルタの１
ａ，１ｂをその幅方向に並設し、基板上に表面実装する
ための固定具１６に装着した多段型水晶フィルタにおい
て、上記水晶フィルタの隣接するもの同士を、リード線
の導出方向が互いに反対方向となるように並設して構成
する。または、水晶フィルタの２個を従続接続して形成
される多段型水晶フィルタにおいて、前記水晶フィルタ
を長さ方向に並べて、前記リード線を反対方向に導出し
た構成とする。あるいは、水晶フィルタを厚み方向に積
層して、前記リード線を反対方向に導出した構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は多段型水晶フィルタ（多
段型フィルタとする）を利用分野とし、特に表面実装用
とした接続方法に関する。

【０００２】

【発明の背景】水晶フィルタ「通称ＭＣＦ（Monolithic
Crystal Filter）」は、圧電材としての水晶片に生ず
る二つの振動モードを音響的に結合して形成され、通信
機器等にフィルタ素子として有用されている。そして、
これらのものでは、その伝送特性（帯域特性）の特に減
衰傾度を高めるために、縦続接続して多段型にすること
が行われている。一般には、これらの多段型フィルタを
実装用固定具により一体的にし、さらに表面実装用とし
たものがある。

【０００３】

【従来技術】第７図乃至第１０図はこのような実装用固
定具を用いた多段型フィルタの一従来例を説明する図で
ある。水晶フィルタ１は金属ベース２とカバー３とを抵
抗溶接してなる金属容器４内に水晶片５を密閉封入して
なる。水晶片５は例えばＡＴカットとし、他主面に入出
力電極６、７を、他主面に共通電極８を形成する。そし
て、これらの各電極６、７、８と電気的に接続する３本
のリード線９、１０、１１を、サポータ１２、１３及び
ワイヤ１４を経由して、金属ベース２から導出する。一
般には、３本のリード線中、入出力用９、１０は両側
に、基準電位用１１は中央とする「第７図の断面図」。
多段型フィルタは、このような水晶フィルタ１の例えば
２個を前段用１ａ、後段用１ｂとし、例えばＬＣの同調
回路１５を介在させ、縦続接続して形成される。そし
て、前段フィルタ１ａの入力用リード線９を入力端（ｉ
ｎ）とし、後段の出力用リード線１０を出力端（ｏｕ
ｔ）とする「第８図の回路図」。そして、例えば第９図
に示したように実装用固定具１６を用いて、前段の水晶
フィルタ（前段フィルタとする）１ａと後段の水晶フィ
ルタ（後段フィルタとする）１ｂとを幅方向に並設して
一体的に保持するようにしている。実装用固定具１６
は、例えば金属平板からなり、両端側の外部抑止部１７
ａ、１７ｂと中央に切り起こして設けた内部抑止部１８
ａ、１８ｂとにより、各水晶フィルタ１（ａｂ）の金属
カバー３の側周面を保持するようにしている。そして、
例えばリード線９、１０、１１を折曲加工し、回路基板
に形成された導電路（未図示）に電気的に接続して表面
実装する。なお、第９図（ａ）は装着図、同図（ｂ）は
実装用固定具の図である。あるいは、実装用固定具１６
をさらに改良して端子部１９等を設け、表面実装をやり
易くする「第１０図の装着図」。なお、多段型フィルタ
は、前段フィルタ１ａと後段フィルタ１ｂの中心周波数
が微小に異なるため、例えば一方にマーキング（未図
示）してそれらを区別している。そして、マーキングに
基づき、通常では、前段フィルタ１ａを左側、後段フィ
ルタ１ｂを右側とするとともに、各リード線を、それぞ
れ入力用９、基準電位用１１、出力用１０の順番とし
て、実装用固定具１６に装着している。

【０００４】

【従来技術の問題点】しかしながら、上記構成の多段型
フィルタでは、実装用固定具１６に対して各水晶フィル
タ１（ａｂ）における各リード線９、１０、１１の導出
方向を同一方向とするため、前段フィルタ１ａの出力用
リード線１０と、後段フィルタ１ｂの入力用リード線９
とが隣接する。したがって、前段フィルタ１ａの出力用
リード線１０と後段フィルタ１ｂの入力用リード線９と
の間における電気的な結合により、漏れ信号を生じて保
証減衰量を低下させる問題があった。また、このような
ことに付随して、合計６本のリード線９、１０、１１が
同方向に導出するため、リード線９、１０、１１の回路
基板（未図示）に対する装着作業を煩雑にする問題があ
った。特に、近年の小型化指向が高まる中では、前後段
フィルタ１（ａｂ）の間隔も小さくなり、その問題を大
きくする。

【０００５】

【発明の目的】本発明は、各水晶フィルタ間の漏れ信号
を防止して保証減衰量を良好に維持するとともに、回路
基板に対する装着作業を良好にする表面実装用の多段型
フィルタを提供することを目的とする。

【０００６】

【解決手段】本発明は、多段型フィルタを構成する各水
晶フィルタの隣接するもの同士を、金属ベースからのリ
ード線の導出方向が互いに反対方向となるように、実装
用固定具に並設して表面実装用としたことを解決手段と
する。以下、本発明の一実施例を説明する。

【０００７】

【実施例】第１図は本発明の一実施例を説明する多段型
水晶フィルタの図である。なお、前従来例図と同一部分
には同番合を付与してその説明は簡略する。水晶フィル
タ１は、前従来例と同様に、金属容器４内に水晶片５を
密閉封入し、入出力用リード線９、１０は両側に、基準
電位用リード線１１は中央として導出する（前第７図参
照）。多段型フィルタは、このような構成の前段フィル
タ１ａと後段フィルタ１ｂとを、前述した実装用固定具
１６を用いて一体化する。そして、この実施例では、前
段フィルタ１ａと後段フィルタ１ｂを実装用固定具１６
に対し、互いに逆方向にして、すなわちリード線９、１
０、１１の導出方向を互いに反対方向として並設する
「第１図」。第２図及び第３図ははこのように構成した
多段型フィルタの、従来例に比較した帯域特性図であ
る。なお、第２図は本実施例、第３図は従来例とした場
合の帯域である。そして、図の横軸は周波数（ＭＨ
ｚ）、縦軸は減衰量（ｄＢ）であり、帯域特性の中心周
波数を約９０ＭＨｚとしたものである。この図から明か
なように、本実施例（第２図）のものでは約８５ｄＢの
減衰量を得るが、従来例（第３図）のものでは８２ｄＢ
となる。したがって、本実施例では、減衰量を３ｄＢ向
上する。すなわち、本実施例では、前段フィルタ１ａと
後段フィルタ１ｂとを逆方向として、前段フィルタ１ａ
の出力リード線１０と後段フィルタ１ｂの入力用リード
線９とを離間させたので、両者間の電気的な結合を防止
する。したがって、これによる保証減衰量の低下を防止
して、従来例よりも良好な帯域特性を得ることができ
る。また、両者の各リード線９、１０、１１が反対方向
に導出するので、少なくとも前段フィルタ１ａの出力用
リード線１０と後段フィルタ１ｂの入力用リード線９と
の接近を防止し、回路基板に対する装着作業を容易にす
る。特に、近年の小型化指向が高まる中では、有効とな
る。

【０００８】

【他の事項】上記実施例では、実装用固定具１６として
前述した第９図のものを利用して説明したが、例えば同
第１０図のものでもよい。そして、この場合、水晶フィ
ルタ１の離脱を防止する係止片２０を、互いに反対方向
となるベース側の端子部１９に設けてもよい「第４図
（ａｂ）」。このように、本発明ではその実装用固定具
１６の形態には限定されず、その都度任意のものを利用
することができる。そして、リード線９、１０、１１を
表面実装用とするために、適宜自在に折曲加工を施して
もよい。また、水晶フィルタ１のリード線は入出力用
９、１０と基準電位用１１との３本を導出したが、例え
ば基準電位用のリード線１１を除去して、基準電位であ
る金属容器４と結合する実装用固定具（例えば第４図の
端子部１９）を、回路基板の基準電位に接続してもよ
い。このようにした場合には、水晶フィルタ自身のリー
ド線９、１０間も大きくなり、さらに装着作業を容易に
する。また、水晶フィルタ１のリード線は、入力用９、
基準電位用１１、出力用１０の順番として並設したが、
この順番は前後段フィルタ１（ａｂ）間においていずれ
であっても、その導出方向が反対方向であれば実施例同
様の効果を期待できるものである。また、水晶フィルタ
１は２個の場合を説明したが、３個以上を多段に接続す
る場合であっても適用できることは勿論である。そし
て、水晶フィルタ１はその幅方向に並設して説明した
が、例えば前後段の２個の場合には、その長さ方向に並
べても「第５図（ａｂ）」、あるいは積層しても「第６
図」よく、本発明はその主旨を逸脱しない範囲ないで適
宜利用できるものである。

【０００９】

【発明の効果】本発明は、多段型フィルタを構成する各
水晶フィルタの隣接するもの同士を、金属ベースからの
リード線の導出方向が互いに反対方向となるように、実
装用固定具に並設して表面実装用としたので、各水晶フ
ィルタ間の漏れ信号を防止して保証減衰量を良好に維持
するとともに、回路基板に対する装着作業を向上する表
面実装用の多段型フィルタを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【第１図】本発明の一実施例を説明する多段型フィルタ
の図である。

【第２図】本発明の一実施例の作用効果を説明する帯域
特性図である。

【第３図】本発明の一実施例の作用効果と比較する従来
例の帯域特性図である。

【第４図】同図（ａ）は本発明の一実施例を説明するた
めの他の実装用固定具の図、同図（ｂ）は端子部の一部
図である。

【第５図】同図（ａ）は他の実施例を説明する多段型フ
ィルタの配置図、同図（ｂ）はそのための実装用固定具
の図である。

【第６図】本発明の他の実施例を説明する多段型フィル
タの配置図である。

【第７図】従来例を説明する水晶フィルタの断面図であ
る。

【第８図】従来例を説明する水晶フィルタの回路図であ
る。

【第９図】同図（ａ）を従来例を説明する多段型フィル
タの図、同図（ｂ）は実装用固定具の図である。

【第１０図】他の従来例を説明する多段型フィルタの図
である。

【符号の説明】

１水晶フィルタ、１ａ前段フィルタ、１ｂ後段フ
ィルタ、２金属ベース、３金属カバー、４金属ケ
ース、５水晶片、６入力電極、７出力電極、８
共通電極、９入力用リード線、１０出力用リード
線、１１基準電位用リード線、１２、１３サポー
タ、１４ワイヤ、１５同調回路、１６実装用固定
具、１７外部抑止部、１８内部抑止部、１９端子
部、２０係止具２１．

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成５年１０月９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】全図

【補正方法】変更

【補正内容】

【第６図】

【第７図】

【第１０図】

【第１図】

【第２図】

【第３図】

【第４図】

【第５図】

【第８図】

【第９図】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】リード線の導出した金属ベースとカバー
とからなる金属容器内に水晶片を封入して形成される水
晶フィルタの複数個をその幅方向に並設し、該複数個の
水晶フィルタを回路基板上に表面実装するための表面実
装用固定具に装着した多段型水晶フィルタにおいて、上記水晶フィルタの隣接するもの同士を、上記金属ベー
スからのリード線の導出方向が互いに反対方向となるよ
うに並設して構成したことを特徴とする表面実装用の多
段型水晶フィルタ。
【請求項２】リード線の導出した金属ベースとカバー
とからなる金属容器内に水晶片を封入した水晶フィルタ
の２個を従属接続して形成される多段型水晶フィルタに
おいて、前記水晶フィルタを長さ方向に並べて、前記リ
ード線を反対方向に導出したことを特徴とする表面実装
用の多段型水晶フィルタ。
【請求項３】リード線の導出した金属ベースとカバー
とからなる金属容器内に水晶片を封入した水晶フィルタ
の２個を従属接続して形成される多段型水晶フィルタに
おいて、前記水晶フィルタを厚み方向に積層して、前記
リード線を反対方向に導出したことを特徴とする表面実
装用の多段型水晶フィルタ。