JPH0617437A - 埋め込み杭の引き抜き試験方法およびそれに用いる引き抜き試験装置 - Google Patents
埋め込み杭の引き抜き試験方法およびそれに用いる引き抜き試験装置Info
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- JPH0617437A JPH0617437A JP20063092A JP20063092A JPH0617437A JP H0617437 A JPH0617437 A JP H0617437A JP 20063092 A JP20063092 A JP 20063092A JP 20063092 A JP20063092 A JP 20063092A JP H0617437 A JPH0617437 A JP H0617437A
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- Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
- Placing Or Removing Of Piles Or Sheet Piles, Or Accessories Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 埋め込み杭の引き抜き耐力を実情に即した状
態で判断できるようにする。 【構成】 支持杭に取り付け固定する第1および第2の
支持材1a,1bの上方に引き抜き用ジャッキ5を設け
るとともに下方に圧縮用ジャッキ6を設け、引き抜き用
ジャッキ5の駆動力を受ける第1の受圧部材3と、圧縮
用ジャッキ6の駆動力を受けるとともに埋め込み杭10
に一体連結する第2の受圧部材6とを一体的に変位する
ように連結し、引き抜き用ジャッキ5による引き抜き荷
重と圧縮用ジャッキ6による圧縮荷重とを埋め込み杭1
0に繰り返して載荷し、それに伴う埋め込み杭の変位量
を計測して埋め込み杭10の引き抜き耐力を判断する。
態で判断できるようにする。 【構成】 支持杭に取り付け固定する第1および第2の
支持材1a,1bの上方に引き抜き用ジャッキ5を設け
るとともに下方に圧縮用ジャッキ6を設け、引き抜き用
ジャッキ5の駆動力を受ける第1の受圧部材3と、圧縮
用ジャッキ6の駆動力を受けるとともに埋め込み杭10
に一体連結する第2の受圧部材6とを一体的に変位する
ように連結し、引き抜き用ジャッキ5による引き抜き荷
重と圧縮用ジャッキ6による圧縮荷重とを埋め込み杭1
0に繰り返して載荷し、それに伴う埋め込み杭の変位量
を計測して埋め込み杭10の引き抜き耐力を判断する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、埋め込み杭の引き抜き
耐力を判断するための埋め込み杭の引き抜き試験方法お
よびそれに用いる引き抜き試験装置に関する。
耐力を判断するための埋め込み杭の引き抜き試験方法お
よびそれに用いる引き抜き試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】そして、埋め込み杭の引き抜き試験を行
う場合、従来では、図10の全体平面図および図11の
一部切欠全体側面図それぞれに示すように、支持杭01
…にわたらせて第1の支持梁02,02を取り付け固定
するとともに、試験をしようとする埋め込み杭03(例
えば、長さが7m、杭直径が 300mmで根入れ長さが 6.5
m)の上方に相当する箇所において、両第1の支持梁0
2,02にわたらせて第2の支持梁04を取り付け固定
する。
う場合、従来では、図10の全体平面図および図11の
一部切欠全体側面図それぞれに示すように、支持杭01
…にわたらせて第1の支持梁02,02を取り付け固定
するとともに、試験をしようとする埋め込み杭03(例
えば、長さが7m、杭直径が 300mmで根入れ長さが 6.5
m)の上方に相当する箇所において、両第1の支持梁0
2,02にわたらせて第2の支持梁04を取り付け固定
する。
【0003】第2の支持梁04上に油圧ジャッキ05を
設けるとともに、その油圧ジャッキ05の駆動力を受け
る受圧板06と埋め込み杭03とを高張力ボルト07…
を介して連結し、かつ、油圧ジャッキ05と受圧板06
との間に載荷荷重を計測するロードセル08を介装す
る。
設けるとともに、その油圧ジャッキ05の駆動力を受け
る受圧板06と埋め込み杭03とを高張力ボルト07…
を介して連結し、かつ、油圧ジャッキ05と受圧板06
との間に載荷荷重を計測するロードセル08を介装す
る。
【0004】また、埋め込み杭03内に案内管12(図
3および図4参照)を嵌入するとともに、その案内管1
2内に杭先端の変位量を測定するための測定用パイプ1
3を挿入し、その測定用パイプ13の先端に2個の変位
計14を取り付け、一方、埋め込み杭03の頭部位置に
周方向に等しい間隔を隔てて4個の変位計15を取り付
ける。
3および図4参照)を嵌入するとともに、その案内管1
2内に杭先端の変位量を測定するための測定用パイプ1
3を挿入し、その測定用パイプ13の先端に2個の変位
計14を取り付け、一方、埋め込み杭03の頭部位置に
周方向に等しい間隔を隔てて4個の変位計15を取り付
ける。
【0005】そして、ロードセル08で計測される載荷
荷重が設定荷重(ton) になるように油圧ジャッキ05を
駆動して埋め込み杭03に引き抜き力を付与するととも
に、その設定荷重の状態を所定時間(例えば、3分間な
ど)維持する。更に、設定荷重を、例えば、0−5−10
−15−20−25−30−35−40−45−50−45−40−35−30−
25−20−15−10−5−0と5ton づつなど増減させ、各
荷重を載荷した状態で所定時間保持しながら、所定時間
ごとに、杭頭部および杭先端それぞれの変位量を測定し
ていた。
荷重が設定荷重(ton) になるように油圧ジャッキ05を
駆動して埋め込み杭03に引き抜き力を付与するととも
に、その設定荷重の状態を所定時間(例えば、3分間な
ど)維持する。更に、設定荷重を、例えば、0−5−10
−15−20−25−30−35−40−45−50−45−40−35−30−
25−20−15−10−5−0と5ton づつなど増減させ、各
荷重を載荷した状態で所定時間保持しながら、所定時間
ごとに、杭頭部および杭先端それぞれの変位量を測定し
ていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、地震を
想定した場合に、杭上の建築構造体の揺れに伴って、杭
には引き抜き力と圧縮力とがかかるにもかかわらず、従
来例では、一方向の載荷による試験であるため、実情に
合わない欠点があった。
想定した場合に、杭上の建築構造体の揺れに伴って、杭
には引き抜き力と圧縮力とがかかるにもかかわらず、従
来例では、一方向の載荷による試験であるため、実情に
合わない欠点があった。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、請求項1に係る発明の埋め込み杭の引
き抜き試験方法は、埋め込み杭の引き抜き耐力を実情に
即した状態で判断できるようにすることを目的とし、そ
して、請求項2に係る発明の埋め込み杭の引き抜き試験
装置は、引き抜き試験を容易に行うことができる装置を
提供することを目的とする。
たものであって、請求項1に係る発明の埋め込み杭の引
き抜き試験方法は、埋め込み杭の引き抜き耐力を実情に
即した状態で判断できるようにすることを目的とし、そ
して、請求項2に係る発明の埋め込み杭の引き抜き試験
装置は、引き抜き試験を容易に行うことができる装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の埋
め込み杭の引き抜き試験方法は、上述のような目的を達
成するために、埋め込み杭に設定された引き抜き荷重と
圧縮荷重とを繰り返して載荷し、埋め込み杭の変位量を
測定することを特徴としている。
め込み杭の引き抜き試験方法は、上述のような目的を達
成するために、埋め込み杭に設定された引き抜き荷重と
圧縮荷重とを繰り返して載荷し、埋め込み杭の変位量を
測定することを特徴としている。
【0009】請求項2に係る発明の埋め込み杭の引き抜
き試験装置は、上述のような目的を達成するために、支
持杭に取り付け固定する支持材の上方に引き抜き用ジャ
ッキを設けるとともに前記支持材の下方に圧縮用ジャッ
キを設け、前記引き抜き用ジャッキの駆動力を受ける第
1の受圧部材と、前記圧縮用ジャッキの駆動力を受ける
とともに埋め込み杭に一体連結する第2の受圧部材とを
一体的に変位するように連結し、前記引き抜き用ジャッ
キと前記支持材または第1の受圧部材との間、および、
前記圧縮用ジャッキと前記支持材または第2の受圧部材
との間それぞれに載荷荷重を計測する荷重計を設けて構
成する。
き試験装置は、上述のような目的を達成するために、支
持杭に取り付け固定する支持材の上方に引き抜き用ジャ
ッキを設けるとともに前記支持材の下方に圧縮用ジャッ
キを設け、前記引き抜き用ジャッキの駆動力を受ける第
1の受圧部材と、前記圧縮用ジャッキの駆動力を受ける
とともに埋め込み杭に一体連結する第2の受圧部材とを
一体的に変位するように連結し、前記引き抜き用ジャッ
キと前記支持材または第1の受圧部材との間、および、
前記圧縮用ジャッキと前記支持材または第2の受圧部材
との間それぞれに載荷荷重を計測する荷重計を設けて構
成する。
【0010】
【作用】請求項1に係る発明の埋め込み杭の引き抜き試
験方法の構成によれば、引き抜き荷重と圧縮荷重とを繰
り返して載荷することにより、建築構造体が地震発生時
に揺れることに起因してその建築構造体を支持する杭に
かかる鉛直方向の上下両方からの荷重と同等の荷重を載
荷することができる。
験方法の構成によれば、引き抜き荷重と圧縮荷重とを繰
り返して載荷することにより、建築構造体が地震発生時
に揺れることに起因してその建築構造体を支持する杭に
かかる鉛直方向の上下両方からの荷重と同等の荷重を載
荷することができる。
【0011】また、請求項2に係る発明の埋め込み杭の
引き抜き試験装置の構成によれば、支持材を支持杭に取
り付け固定するとともに、第2の受圧部材を埋め込み杭
に一体連結し、計測される載荷荷重を荷重計によって確
認しながら、引き抜き用ジャッキまたは圧縮用ジャッキ
を作動し、所定の引き抜き荷重と圧縮荷重とを繰り返し
て載荷することができる。
引き抜き試験装置の構成によれば、支持材を支持杭に取
り付け固定するとともに、第2の受圧部材を埋め込み杭
に一体連結し、計測される載荷荷重を荷重計によって確
認しながら、引き抜き用ジャッキまたは圧縮用ジャッキ
を作動し、所定の引き抜き荷重と圧縮荷重とを繰り返し
て載荷することができる。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳述
する。
する。
【0013】図1は、本発明に係る埋め込み杭の引き抜
き試験装置の全体平面図、図2はその一部切欠全体側面
図であり、一対の第1の支持材1a,1aとその第1の
支持材1a,1aにわたって第2の支持材1bが一体連
接され、その第2の支持材1bを挟んで、4本の高張力
ボルト2…によって一体的に変位するように連結された
第1の受圧部材3と第2の受圧部材4とが設けられてい
る。
き試験装置の全体平面図、図2はその一部切欠全体側面
図であり、一対の第1の支持材1a,1aとその第1の
支持材1a,1aにわたって第2の支持材1bが一体連
接され、その第2の支持材1bを挟んで、4本の高張力
ボルト2…によって一体的に変位するように連結された
第1の受圧部材3と第2の受圧部材4とが設けられてい
る。
【0014】第2の支持材1bの上方に引き抜き用ジャ
ッキ5が設けられるとともに、下側の第2の受圧部材4
上に圧縮用ジャッキ6が設けられ、かつ、引き抜き用ジ
ャッキ5の上方に、荷重計としての第1のロードセル7
が付設されるとともに、圧縮用ジャッキ6の上方に、荷
重計としての第2のロードセル8が付設されている。
ッキ5が設けられるとともに、下側の第2の受圧部材4
上に圧縮用ジャッキ6が設けられ、かつ、引き抜き用ジ
ャッキ5の上方に、荷重計としての第1のロードセル7
が付設されるとともに、圧縮用ジャッキ6の上方に、荷
重計としての第2のロードセル8が付設されている。
【0015】このように構成した埋め込み杭の引き抜き
試験装置を設置するときには、反力杭としての支持杭9
…に第1の支持材1a,1aを取り付け固定するととも
に、第2の受圧部材1bと埋め込み杭10とを一体的に
連結する。
試験装置を設置するときには、反力杭としての支持杭9
…に第1の支持材1a,1aを取り付け固定するととも
に、第2の受圧部材1bと埋め込み杭10とを一体的に
連結する。
【0016】これにより、引き抜き用ジャッキ5を作動
するに伴い、その駆動力を第1の受圧部材3に受けさせ
て埋め込み杭10に引き抜き力を付与するとともに、そ
の引き抜き荷重を第1のロードセル7で計測し、一方、
圧縮用ジャッキ6を作動するに伴い、その駆動力を第2
の受圧部材4に受けさせて埋め込み杭10に圧縮を付与
するとともに、その圧縮荷重を第2のロードセル8で計
測することができるように構成されている。
するに伴い、その駆動力を第1の受圧部材3に受けさせ
て埋め込み杭10に引き抜き力を付与するとともに、そ
の引き抜き荷重を第1のロードセル7で計測し、一方、
圧縮用ジャッキ6を作動するに伴い、その駆動力を第2
の受圧部材4に受けさせて埋め込み杭10に圧縮を付与
するとともに、その圧縮荷重を第2のロードセル8で計
測することができるように構成されている。
【0017】次に、上記埋め込み杭の引き抜き試験装置
を用いて行う埋め込み杭の引き抜き試験方法について説
明する。
を用いて行う埋め込み杭の引き抜き試験方法について説
明する。
【0018】図3の要部の一部省略縦断面図および図4
要部の平面図に示すように、埋め込み杭10内に、長手
方向に所定間隔を隔ててふれ止め部材11…を取り付け
た案内管12を嵌入するとともに、その案内管12内に
杭先端の変位量を測定するための測定用パイプ13を挿
入し、その測定用パイプ13の先端に、杭先端の変位量
を測定する2個の杭先端用変位計14,14を取り付
け、一方、埋め込み杭10の頭部位置に周方向に等しい
間隔を隔てて杭頭部の変位量を測定する4個の杭頭用変
位計15…を取り付ける。
要部の平面図に示すように、埋め込み杭10内に、長手
方向に所定間隔を隔ててふれ止め部材11…を取り付け
た案内管12を嵌入するとともに、その案内管12内に
杭先端の変位量を測定するための測定用パイプ13を挿
入し、その測定用パイプ13の先端に、杭先端の変位量
を測定する2個の杭先端用変位計14,14を取り付
け、一方、埋め込み杭10の頭部位置に周方向に等しい
間隔を隔てて杭頭部の変位量を測定する4個の杭頭用変
位計15…を取り付ける。
【0019】埋め込み杭10の壁厚内に埋設されたPC
鋼線16に、図5の縦断面図、および、図6の要部に拡
大図に示すように、歪みゲージ17を取り付けた丸鋼棒
18が結束線19…によって一体的に取り付けられると
ともに、防湿材20と防湿テープ21,21によって被
覆され、更に、歪みゲージ17に接続された電気コード
22がPC鋼線16に沿わせて取り付けられている。こ
の歪みゲージ17は、埋め込み杭10の長手方向に1m
おきなどに取り付けられる。
鋼線16に、図5の縦断面図、および、図6の要部に拡
大図に示すように、歪みゲージ17を取り付けた丸鋼棒
18が結束線19…によって一体的に取り付けられると
ともに、防湿材20と防湿テープ21,21によって被
覆され、更に、歪みゲージ17に接続された電気コード
22がPC鋼線16に沿わせて取り付けられている。こ
の歪みゲージ17は、埋め込み杭10の長手方向に1m
おきなどに取り付けられる。
【0020】次に、実施例の引き抜き試験装置を用いて
行った引き抜き試験と従来例による引き抜き試験との比
較試験結果について説明する。
行った引き抜き試験と従来例による引き抜き試験との比
較試験結果について説明する。
【0021】埋め込み杭10を建込んだ地盤の性状につ
いて説明すれば、図7の地盤性状説明図に示すように、
地表面側から順にレキ混じり砂質粘土(0〜1.90m)、
シルト質粘土(1.90〜3.10m)、砂質粘土(3.10〜5.00
m)、レキ混じり細砂(5.00〜6.10m)、砂混じり砂質
土(6.10〜6.60m)、レキ混じり細砂(6.60〜7.90
m)、玉石混じり砂レキ(7.90〜8.80m)、粘土混じり
細砂(8.80〜9.30m)、砂質粘土(9.30〜 10.10m)、
細砂( 10.10〜 10.90m)、中砂( 10.90〜 13.80
m)、粘土( 13.80〜 15.15m)であり、その地盤強さ
N値が深さ6.50m当りで15を示し、それよりも深くなる
に伴って地盤強さN値が急激に増大し、深さ11m以上で
は地盤強さN値が50を越えるものであった。
いて説明すれば、図7の地盤性状説明図に示すように、
地表面側から順にレキ混じり砂質粘土(0〜1.90m)、
シルト質粘土(1.90〜3.10m)、砂質粘土(3.10〜5.00
m)、レキ混じり細砂(5.00〜6.10m)、砂混じり砂質
土(6.10〜6.60m)、レキ混じり細砂(6.60〜7.90
m)、玉石混じり砂レキ(7.90〜8.80m)、粘土混じり
細砂(8.80〜9.30m)、砂質粘土(9.30〜 10.10m)、
細砂( 10.10〜 10.90m)、中砂( 10.90〜 13.80
m)、粘土( 13.80〜 15.15m)であり、その地盤強さ
N値が深さ6.50m当りで15を示し、それよりも深くなる
に伴って地盤強さN値が急激に増大し、深さ11m以上で
は地盤強さN値が50を越えるものであった。
【0022】上記地盤性状に基づき、試験用の埋め込み
杭10としては、実施例および従来例いずれのものを
も、杭直径が 300mmで長さが7mのものを根入れ長さが
6.5mになるように建込んだ。歪みゲージ17は、杭先
端から50cm上方の位置から1mおきに合計7個埋設し
た。
杭10としては、実施例および従来例いずれのものを
も、杭直径が 300mmで長さが7mのものを根入れ長さが
6.5mになるように建込んだ。歪みゲージ17は、杭先
端から50cm上方の位置から1mおきに合計7個埋設し
た。
【0023】そして、実施例のものにおいて、先ず、荷
重計によって計測される荷重に基づき、引き抜き用ジャ
ッキ5を作動して引き抜き荷重(ton)を0−10−20−30
−15−0と載荷した後、圧縮用ジャッキ6を作動して圧
縮荷重(ton)を0−10−20−30−15−0と載荷し、か
つ、それらの処理を繰り返し、荷重0のときに15分間保
持して、杭頭および杭先端の変位による引き抜き量と沈
下量それぞれを0、5、10、15分で計測するとともに、
歪み量を0、15分で計測し、更に、それ以外の荷重で
は、約3分間保持して、杭頭および杭先端の変位による
引き抜き量と沈下量それぞれを0、1、2分で計測する
とともに、歪み量を0、2分で計測した。
重計によって計測される荷重に基づき、引き抜き用ジャ
ッキ5を作動して引き抜き荷重(ton)を0−10−20−30
−15−0と載荷した後、圧縮用ジャッキ6を作動して圧
縮荷重(ton)を0−10−20−30−15−0と載荷し、か
つ、それらの処理を繰り返し、荷重0のときに15分間保
持して、杭頭および杭先端の変位による引き抜き量と沈
下量それぞれを0、5、10、15分で計測するとともに、
歪み量を0、15分で計測し、更に、それ以外の荷重で
は、約3分間保持して、杭頭および杭先端の変位による
引き抜き量と沈下量それぞれを0、1、2分で計測する
とともに、歪み量を0、2分で計測した。
【0024】一方、従来例のものにおいては、荷重計に
よって計測される荷重に基づき、油圧ジャッキ05を作
動して引き抜き荷重(ton)を0−5−10−15−20−25−
30−32−34−36−38−40−42−44−46−48−50−45−40
−35−30−25−20−15−10−5−0と載荷し、かつ、そ
れぞれの荷重で約3分間保持して、杭頭および杭先端の
変位による引き抜き量と沈下量それぞれを0、1、2分
で計測するとともに、歪み量を0、2分で計測した。
よって計測される荷重に基づき、油圧ジャッキ05を作
動して引き抜き荷重(ton)を0−5−10−15−20−25−
30−32−34−36−38−40−42−44−46−48−50−45−40
−35−30−25−20−15−10−5−0と載荷し、かつ、そ
れぞれの荷重で約3分間保持して、杭頭および杭先端の
変位による引き抜き量と沈下量それぞれを0、1、2分
で計測するとともに、歪み量を0、2分で計測した。
【0025】上記試験に基づいて、載荷荷重と、杭頭部
Tおよび杭先端Bそれぞれの変位量(実施例のものでは
引き抜き量と沈下量であり、従来例のものでは引き抜き
量のみとなる)との関係をプロットしたところ、実施例
のものでは図8のグラフに示す結果が、そして、従来例
のものでは図12のグラフに示す結果がそれぞれ得られ
た。
Tおよび杭先端Bそれぞれの変位量(実施例のものでは
引き抜き量と沈下量であり、従来例のものでは引き抜き
量のみとなる)との関係をプロットしたところ、実施例
のものでは図8のグラフに示す結果が、そして、従来例
のものでは図12のグラフに示す結果がそれぞれ得られ
た。
【0026】また、歪み量に基づいて、杭周面摩擦力度
(t/m2 )と区間変位(mm)との関係をプロットしたと
ころ、実施例のものでは図9のグラフに示す結果が、そ
して、従来例のものでは図13のグラフに示す結果がそ
れぞれ得られた。但し、実施例のものでは、杭先端から
0.5〜 1.5mにおける区間[図9の(a)]と 1.5〜2.
5mにおける区間[図9の(b)]それぞれにおけるも
のを示す。
(t/m2 )と区間変位(mm)との関係をプロットしたと
ころ、実施例のものでは図9のグラフに示す結果が、そ
して、従来例のものでは図13のグラフに示す結果がそ
れぞれ得られた。但し、実施例のものでは、杭先端から
0.5〜 1.5mにおける区間[図9の(a)]と 1.5〜2.
5mにおける区間[図9の(b)]それぞれにおけるも
のを示す。
【0027】上記比較試験結果から、次のことが明らか
であった。すなわち、従来例の試験により、引き抜き方
向だけの一方向載荷試験では、50ton の引き抜き荷重を
載荷しても極限引き抜き荷重に達しなかったにもかかわ
らず、実施例の試験により、引き抜き荷重および圧縮荷
重それぞれとして30ton(これは、通常安全率を見込む上
から上記50ton に対して安全であると判断される荷重と
して設定した)を繰り返し載荷すると、4サイクル目に
おいて、25ton で極限引き抜き荷重に達しており、引き
抜き荷重および圧縮荷重が繰り返してかかる地震の多い
ような場所では、引き抜き荷重に対する安全率をより高
いものに設定する必要のあることが顕著であった。
であった。すなわち、従来例の試験により、引き抜き方
向だけの一方向載荷試験では、50ton の引き抜き荷重を
載荷しても極限引き抜き荷重に達しなかったにもかかわ
らず、実施例の試験により、引き抜き荷重および圧縮荷
重それぞれとして30ton(これは、通常安全率を見込む上
から上記50ton に対して安全であると判断される荷重と
して設定した)を繰り返し載荷すると、4サイクル目に
おいて、25ton で極限引き抜き荷重に達しており、引き
抜き荷重および圧縮荷重が繰り返してかかる地震の多い
ような場所では、引き抜き荷重に対する安全率をより高
いものに設定する必要のあることが顕著であった。
【0028】また、従来例の試験により、 0.5〜 1.5m
における区間A1と 1.5〜 2.5mにおける区間A2とに
おいて、それ以外の、 2.5〜 3.5mにおける区間A3、
3.5〜 4.5mにおける区間A4、 4.5〜 5.5mにおける
区間A5、 5.5〜 6.5mにおける区間A6よりも杭周面
摩擦力度が極度に大きくなっていることがわかり、そし
て、実施例の試験により、その大きな杭周面摩擦力度を
有する 0.5〜 1.5mにおける区間A1と 1.5〜 2.5mに
おける区間A2であっても、引き抜き荷重と圧縮荷重と
の繰り返しに伴い、同等の杭周面摩擦力度に対する区間
変位が大きくなっており、地震などのように、引き抜き
荷重と圧縮荷重とを繰り返して受けた場合には、引き抜
き耐力と剛性が低下することが明らかであった。
における区間A1と 1.5〜 2.5mにおける区間A2とに
おいて、それ以外の、 2.5〜 3.5mにおける区間A3、
3.5〜 4.5mにおける区間A4、 4.5〜 5.5mにおける
区間A5、 5.5〜 6.5mにおける区間A6よりも杭周面
摩擦力度が極度に大きくなっていることがわかり、そし
て、実施例の試験により、その大きな杭周面摩擦力度を
有する 0.5〜 1.5mにおける区間A1と 1.5〜 2.5mに
おける区間A2であっても、引き抜き荷重と圧縮荷重と
の繰り返しに伴い、同等の杭周面摩擦力度に対する区間
変位が大きくなっており、地震などのように、引き抜き
荷重と圧縮荷重とを繰り返して受けた場合には、引き抜
き耐力と剛性が低下することが明らかであった。
【0029】本発明に係る引き抜き試験装置としては、
引き抜き用ジャッキ5を第1の受圧部材3に設けるとと
もに、引き抜き用ジャッキ5と第1の支持材1aとの間
に第1のロードセル7を設け、一方、圧縮用ジャッキ6
を第2の支持材1bに設けるとともに、圧縮用ジャッキ
6と第2の受圧部材4との間に第2のロードセル8を設
けて構成するものでも良い。
引き抜き用ジャッキ5を第1の受圧部材3に設けるとと
もに、引き抜き用ジャッキ5と第1の支持材1aとの間
に第1のロードセル7を設け、一方、圧縮用ジャッキ6
を第2の支持材1bに設けるとともに、圧縮用ジャッキ
6と第2の受圧部材4との間に第2のロードセル8を設
けて構成するものでも良い。
【0030】
【発明の効果】請求項1に係る発明の埋め込み杭の引き
抜き試験方法によれば、建築構造体が地震発生時に揺れ
ることに起因してその建築構造体を支持する杭にかかる
鉛直方向の上下両方からの荷重と同等の荷重を載荷する
から、地震を想定した実情に即した状態で埋め込み杭の
引き抜き耐力を判断でき、建築構造体を施工する上での
安全性を向上できるようになった。
抜き試験方法によれば、建築構造体が地震発生時に揺れ
ることに起因してその建築構造体を支持する杭にかかる
鉛直方向の上下両方からの荷重と同等の荷重を載荷する
から、地震を想定した実情に即した状態で埋め込み杭の
引き抜き耐力を判断でき、建築構造体を施工する上での
安全性を向上できるようになった。
【0031】また、請求項2に係る発明の埋め込み杭の
引き抜き試験装置によれば、支持材に、引き抜き用ジャ
ッキ、圧縮用ジャッキ、第1の受圧部材、第2の受圧部
材および荷重計を備えているから、支持材を支持杭に取
り付け固定するとともに、第2の受圧部材を埋め込み杭
に一体連結するだけで所定の引き抜き荷重と圧縮荷重と
を繰り返して載荷することができ、例えば、引き抜き荷
重を載荷する装置と圧縮荷重を載荷する装置とに交互に
交換するといったことをせずに済み、引き抜き試験を行
うための準備が簡単で引き抜き試験を容易に行うことが
できるようになった。
引き抜き試験装置によれば、支持材に、引き抜き用ジャ
ッキ、圧縮用ジャッキ、第1の受圧部材、第2の受圧部
材および荷重計を備えているから、支持材を支持杭に取
り付け固定するとともに、第2の受圧部材を埋め込み杭
に一体連結するだけで所定の引き抜き荷重と圧縮荷重と
を繰り返して載荷することができ、例えば、引き抜き荷
重を載荷する装置と圧縮荷重を載荷する装置とに交互に
交換するといったことをせずに済み、引き抜き試験を行
うための準備が簡単で引き抜き試験を容易に行うことが
できるようになった。
【図1】本発明に係る引き抜き試験装置の実施例を示す
全体平面図である。
全体平面図である。
【図2】本発明に係る引き抜き試験装置の実施例を示す
一部切欠全体側面図である。
一部切欠全体側面図である。
【図3】要部の一部省略縦断面図である。
【図4】要部の平面図である。
【図5】要部の縦断面図である。
【図6】図5の要部の拡大図である。
【図7】地盤性状説明図である。
【図8】実施例における載荷荷重と変位量との相関を示
すグラフである。
すグラフである。
【図9】実施例における杭周面摩擦力と区間変位との相
関を示すグラフである。
関を示すグラフである。
【図10】従来例を説明する全体平面図である。
【図11】従来例を説明する一部切欠全体側面図であ
る。
る。
【図12】比較従来例における載荷荷重と変位量との相
関を示すグラフである。
関を示すグラフである。
【図13】比較従来例における杭周面摩擦力と区間変位
との相関を示すグラフである。
との相関を示すグラフである。
1a…第1の支持材 1b…第2の支持材 3…第1の受圧部材 4…第2の受圧部材 5…引き抜き用ジャッキ 6…圧縮用ジャッキ 7…第1のロードセル 8…第2のロードセル 9…支持杭 10…埋め込み杭
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 政雄 大阪市中央区本町四丁目1番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内
Claims (2)
- 【請求項1】 埋め込み杭に設定された引き抜き荷重と
圧縮荷重とを繰り返して載荷し、前記埋め込み杭の変位
量を測定することを特徴とする埋め込み杭の引き抜き試
験方法。 - 【請求項2】 支持杭に取り付け固定する支持材の上方
に引き抜き用ジャッキを設けるとともに前記支持材の下
方に圧縮用ジャッキを設け、前記引き抜き用ジャッキの
駆動力を受ける第1の受圧部材と、前記圧縮用ジャッキ
の駆動力を受けるとともに埋め込み杭に一体連結する第
2の受圧部材とを一体的に変位するように連結し、前記
引き抜き用ジャッキと前記支持材または第1の受圧部材
との間、および、前記圧縮用ジャッキと前記支持材また
は第2の受圧部材との間それぞれに載荷荷重を計測する
荷重計を設けたことを特徴とする埋め込み杭の引き抜き
試験装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20063092A JP3150433B2 (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 埋め込み杭の引き抜き試験方法およびそれに用いる引き抜き試験装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20063092A JP3150433B2 (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 埋め込み杭の引き抜き試験方法およびそれに用いる引き抜き試験装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0617437A true JPH0617437A (ja) | 1994-01-25 |
JP3150433B2 JP3150433B2 (ja) | 2001-03-26 |
Family
ID=16427580
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20063092A Expired - Fee Related JP3150433B2 (ja) | 1992-07-02 | 1992-07-02 | 埋め込み杭の引き抜き試験方法およびそれに用いる引き抜き試験装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3150433B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104990754A (zh) * | 2015-08-03 | 2015-10-21 | 孙金更 | 一种现浇简支梁静载试验装置 |
CN105040749A (zh) * | 2015-07-24 | 2015-11-11 | 上海港湾工程质量检测有限公司 | 桩基抗拔抗压试验系统及试验方法 |
JP2016223071A (ja) * | 2015-05-27 | 2016-12-28 | 藤村ヒューム管株式会社 | 検尺棒付きヤットコ及びこれを用いた杭の埋込み方法 |
CN109540651A (zh) * | 2018-12-13 | 2019-03-29 | 华侨大学 | 一种适应各类非平面的装配式自平衡原位拉拔试验装置 |
CN112431235A (zh) * | 2020-11-11 | 2021-03-02 | 南京卓为工程监理有限公司 | 一种高外露的光伏发电用基桩检测装置 |
CN114197548A (zh) * | 2021-12-31 | 2022-03-18 | 宁波中淳高科股份有限公司 | 一种用于检验预制桩抗拉承载力的试验装置 |
CN115110589A (zh) * | 2022-06-20 | 2022-09-27 | 武汉汇科质量检测有限责任公司 | 一种用于混凝土抗拔试验的预制管桩 |
CN115822007A (zh) * | 2023-02-13 | 2023-03-21 | 广州继善建筑技术有限公司 | 一种空心方桩抗拔检测装置及检测方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1992
- 1992-07-02 JP JP20063092A patent/JP3150433B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109540651A (zh) * | 2018-12-13 | 2019-03-29 | 华侨大学 | 一种适应各类非平面的装配式自平衡原位拉拔试验装置 |
CN109540651B (zh) * | 2018-12-13 | 2024-02-23 | 华侨大学 | 一种适应各类非平面的装配式自平衡原位拉拔试验装置 |
CN112431235A (zh) * | 2020-11-11 | 2021-03-02 | 南京卓为工程监理有限公司 | 一种高外露的光伏发电用基桩检测装置 |
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