JPH06172175A - アテローム性動脈硬化症の予防および治療方法 - Google Patents

アテローム性動脈硬化症の予防および治療方法

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JPH06172175A
JPH06172175A JP5203491A JP20349193A JPH06172175A JP H06172175 A JPH06172175 A JP H06172175A JP 5203491 A JP5203491 A JP 5203491A JP 20349193 A JP20349193 A JP 20349193A JP H06172175 A JPH06172175 A JP H06172175A
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Dennis I Goldberg
アイ.ゴールドバーグ デニス
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KURINTETSUKU NIYUUTORISHIYON C
KURINTETSUKU NIYUUTORISHIYON CO
Clintec Nutrition Co
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KURINTETSUKU NIYUUTORISHIYON C
KURINTETSUKU NIYUUTORISHIYON CO
Clintec Nutrition Co
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    • AHUMAN NECESSITIES
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    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/10Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は一般に心脈管性疾患の治療に関す
る。より具体的には、本発明はアテローム性動脈硬化症
の治療に関する。 【構成】 本発明はアテローム性動脈硬化症の治療方法
を提供する。該方法は、アテローム性動脈硬化症をもつ
患者に、細胞内グルタチオン生合成を刺激する非システ
イン、非チオール性生成物を投与する工程を含む。具体
例では、非システイン、非チオール性生成物はL−2−
オキソチアゾリジン−4−カルボキシレートである。本
発明の具体例で、本発明は、アテローム性動脈硬化症の
危険性がある患者のアテローム性動脈硬化症病変を予防
する方法を提供する。さらに、本発明は、アテローム性
動脈硬化症を治療するために、侵襲的処置を受けた患者
の再狭窄を予防する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般に心脈管性疾患の治
療に関する。より具体的には、本発明はアテローム性動
脈硬化症の治療に関する。
【0002】
【従来の技術】心脈管性疾患は米国では第一番目の死亡
原因である。1980年の人口が2億2650万人であ
った米国において、551400人が虚血性心疾患で、
169500人がアテローム性動脈硬化症に関連する脳
脈管系の原因で死亡した(メルクマニュアル、15版、
386ページ参照)。
【0003】アテローム性動脈硬化症は、粥腫の形成を
特徴とする動脈硬化の一形態である。この疾患は動脈管
腔を狭窄または閉塞(遮断)させる。該粥腫は動脈管腔
内に突出することによって循環を妨害する。動脈の狭窄
は、該動脈により栄養が補給されている臓器への血流を
制限する。血流低下は、その血流遮断が取り除かれない
限り、臓器が永久に損なわれるところまで該臓器の劣化
をまねく。心臓を養う動脈が狭窄または閉塞を起こすと
き、この病理学的過程は心臓発作をもたらす。
【0004】高コレステロール血症、異常なリポ蛋白像
および粥腫発生の間の関係が明らかにされた。より最近
では、リポ蛋白、リポ蛋白(a)の酸化的修飾およびサ
イトカインおよび細胞増殖因子の誘発は、アテローム性
動脈硬化プラークの発生および進行における重要な因子
として示唆された。
【0005】脂質過酸化反応は、酸化圧の有害な影響の
一つである。リポ蛋白の不飽和脂質部分の過酸化反応
は、酸化的に修飾されたリポ蛋白およびマクロファージ
由来空胞細胞を生じる余病をもたらす。アテローム性動
脈硬化病巣内の大半の細胞を構成するこれらの細胞は食
細胞で、酸化的修飾リポ蛋白を分解する(ローゼンフェ
ルト(Rosenfeld)ら、“ウサギのアテローム
性動脈硬化病巣から分離されたばかりのマクロファージ
由来空胞細胞は修飾リポ蛋白を分解し、低密度リポ蛋白
の酸化を促進し、酸化特異的リポ蛋白付加物を含む”、
J.Clin.Invest.、87巻、90−99ペ
ージ、(1991)参照)。
【0006】アテローム性動脈硬化症の治療および/ま
たは予防のために、多くの薬剤処置が提唱された。リポ
蛋白の修飾およびそれに続く脂質ヒドロペルオキシドの
生成を防ぐ試みについての理論は明瞭であろうが、抗酸
化剤防御を提供することに関するグルタチオンの役割は
殆ど未解決である。ハイネッケらは、サルの動脈平滑筋
細胞は反応性酸素種を生じ、L−システイン依存反応に
より低密度リポ蛋白を修飾することを報告した(Hei
neckeら、“動脈平滑筋細胞による超酸化物の生成
および低密度リポ蛋白の修飾におけるイオウ含有アミノ
酸の役割”、J.Biol.Chem.、262巻、1
0098−10103ページ、(1987))。この効
果は、システインからの還元チオールの生成、それに続
くリポ蛋白のチオール介在修飾を伴うと説明された。
【0007】パルタサラティは、還元グルタチオンおよ
び還元チオールを有する他の化合物は、細胞の非存在下
でLDLの酸化を促進することを示した(Partha
sarathy、“チオール化合物による低密度リポ蛋
白の酸化は、アセチルLDLレセプターによる認識につ
ながる”Biochem. et Biophys.A
cta、917巻、337−340ページ(198
7))。この反応は、LDLの修飾を促進する遊離ラジ
カルを生成する、レドックス金属とのチオールの反応の
結果であるという仮説が提唱されている。パルタサラテ
ィはさらに、“血漿コレステロール量、アテローム性動
脈硬化症の発症傾向、および蛋白結合ホモシステイン量
の間になんらかの相関性があるようである。システイン
および他のチオール(蛋白結合チオールを含む)は、レ
ドックス金属の存在下で自己酸化を受け、チオール誘導
遊離ラジカルの他に、過酸化物、超酸化物陰イオンおよ
びヒドロキシラジカルを生じる”と記載した(339ペ
ージ参照)。
【0008】アテローム性動脈硬化症では多くの場合、
閉塞管腔を適切な直径に再建するために、侵襲的方法、
例えばバイパス形成術または血管形成術が必要となる。
【0009】その侵襲的性質のために、バイパス形成術
は多くの固有の欠点をもっている。したがって、血管形
成術の人気は劇的に増加した。1989年の米国では、
数十万の血管形成術が実施され、この数字は急速に増加
している。幸いなことに、多くの患者の場合、血管形成
術は以前に遮断された動脈を永久的に再開通させてい
る。しかしながら、血管形成術によって開通させた閉塞
動脈のほぼ30%において、当該処置後6か月以内に再
閉塞が生じる。これは、心虚血の兆候、例えば胸痛、運
動不耐性および呼吸促迫をもたらす。該患者の重篤また
は致死的な心臓発作の危険性は著しく増大する。
【0010】以前に処置された動脈部分の再狭窄は、少
なくとも部分的には、動脈組織の張力誘発損傷によるも
のと考えられている。風船カテーテルの膨張により生じ
る損傷に対する反応は、内皮細胞の増殖を含む病的肥大
治癒反応である。
【0011】同様に、バイパス形成術においても該患者
において再狭窄の危険性がある。患者の40%におい
て、バイパス移植は術後5年以内に再狭窄を起こす。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はアテローム性
動脈硬化症の治療方法を提供する。より具体的には、本
発明は、アテローム性動脈硬化病変の開始および/また
は進行を予防する方法を提供する。さらに、本発明は、
血管形成術またはバイパス形成術後の冠状血管の再狭窄
を予防する方法を提供する。
【0013】この目的のために本発明はアテローム性動
脈硬化症の治療方法を提供する。この方法は、アテロー
ム性動脈硬化症をもつ患者に、グルタチオンの細胞内合
成を刺激する非システイン性、非チオール性組成物を投
与する工程を含む。具体例では、非システイン性、非チ
オール性組成物は、L−2−オキソチアゾリジン−4−
カルボキシレートである。
【0014】本発明の具体例では、該組成物は経腸的に
投与される。
【0015】本発明の具体例では、該組成物は非経口的
に投与される。
【0016】本発明の具体例では、本発明は、アテロー
ム性動脈硬化症病変の危険性がある患者の該病変を予防
する方法を提供する。該方法は、アテローム性動脈硬化
症の危険性がある患者に、グルタチオンの細胞内合成を
刺激する、治療的に有効な量の非システイン性、非チオ
ール性生成物を投与することを含む。
【0017】さらに、本発明は、アテローム性動脈硬化
を治療するために侵襲的処置を受けた患者の再狭窄を予
防する方法を提供する。該方法は、該侵襲的処置の前お
よび後に、患者に治療的に有効な量の非システイン性、
非チオール性の細胞内グルタチオン刺激物質を投与する
工程を含む。
【0018】この方法の具体例では、該侵襲的処置はバ
イパス形成術である。
【0019】この方法の具体例では、該侵襲的処置は血
管形成術である。
【0020】本発明のまた別の特徴および利点は、好ま
しい実施例の詳細な説明において開示され、明瞭となる
であろう。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、アテローム性
動脈硬化症をもつ患者のそれを治療する方法に関する。
さらに、本発明は、アテローム性動脈硬化症の危険性が
ある患者のアテローム性動脈硬化症病変を予防する方法
に関する。さらにまた、本発明は、侵襲的処置、例えば
血管形成術またはバイパス形成術を受けた患者の再狭窄
防止の方法を提供する。
【0022】この目的のために、本発明は、患者に非シ
ステイン性、非チオール性の細胞内グルタチオン促進物
質を投与する工程を含む、アテローム性動脈硬化症の治
療方法を提供する。
【0023】本明細書中で用いられているように、“非
システイン性”とは、該組成物がシステインを含むこと
を意味する。したがって、この定義から除外される組成
物にはシステインおよびn−アセチルシステインが含ま
れる。
【0024】もちろん、チオールはアルコールおよびフ
ェノールの硫黄類似体である。本明細書中で用いられて
いるように、“非チオール性”とは、該化合物がそのよ
うな硫黄類似体を含まないことを意味する。
【0025】アテローム性動脈硬化症は動脈壁の種々の
炎症反応である。一連の脂質過酸化反応は、ホスホリピ
ドヒドロペルオキシドグルタチオンペルオキシダーゼ
(第二のセレノペルオキシダーゼ、古典的グルタチオン
ペルオキシダーゼと同じであるが、膜脂質およびコレス
テロールヒドロペルオキシドに作用する)の作用によっ
て遮断される。グルタチオンペルオキシダーゼは、脂質
ヒドロペルオキシドに対する主要な防御メカニズムの一
つであるので、細胞内グルタチオン合成の刺激は、酸化
的リポ蛋白修飾の原因であると考えられている脂質過酸
化反応の開始を防ぎ、またそのサイクルを破壊するかも
しれない。したがって、これは、アテローム性動脈硬化
の形成における開始的事象の一つを妨害する。
【0026】リポ蛋白の内皮下間隙への浸潤に対して非
透過性障壁を形成する血管内皮細胞は、膜脂質過酸化反
応によって損傷され得る。この損傷は(これは内皮細胞
内でリポ蛋白において生成される反応性酸素種によって
引き起こされ、または好中球によって生成され得る)、
好中球および血小板凝集の粘着および活性化を促進する
ことによって動脈壁の損傷を進行させる。内皮細胞の内
層への循環性単球およびリンパ球の粘着は、実験動物の
アテローム性動脈硬化症モデルにおいて最も初期に検出
される事象の一つである。続いてこれらの細胞は脂質を
貪食し、さらに当該損傷を悪化させるサイトカインおよ
び細胞増殖因子を分泌し始める。この炎症過程は、核転
写因子KB(NF−KB)のサイトカイン活性化によっ
て促進される。この転写因子は、炎症過程に含まれるサ
イトカインおよび他の蛋白をコードする多数の遺伝子の
発現を制御することが知られている。
【0027】実際、殆どの炎症物質はこの転写因子を活
性化し、この因子は、続いて局所炎症反応およびリンパ
球の活性化に寄与する遺伝子を誘発する。炎症によって
誘発される蛋白において、多形核白血球および単核球に
対する種々の粘着分子が存在する。ヒト粘着分子、VC
AM−1のウサギ同族物質が、初期空胞細胞病巣を覆う
動脈内皮で最近同定された。
【0028】細胞内遊離ラジカルおよび過酸化水素は、
第二のメッセンジャーとして働き、サイトカインシグナ
ルを変換してNF−KBを活性化するかもしれない。イ
ンターロイキン−1、リポポリサッカライド、レクチ
ン、TNF−α、ホルボールエステルおよびカルシウム
イオノフォアーを含む、種々の前炎症性サイトカインに
よるNF−KBの活性化は、チオール含有化合物によっ
て遮断され得る。細胞内グルタチオン量の上昇は、NF
−KBによるHIV増殖の誘発を妨げることが示され
た。本発明者は、細胞内グルタチオン量を維持すること
によって、前炎症性遺伝子の誘発が妨げられ、したがっ
て、アテローム性動脈硬化病変の開始および拡大を防ぐ
ことができるかもしれないという仮説を、このデータは
指示すると考える。
【0029】当該技術では、アテローム性動脈硬化症の
治療としてのグルタチオンの役割は明らかではなく、お
そらく禁忌を示すであろうと示唆されるであろうが、本
発明者は、上記の不利益を示さずグルタチオンの有益な
効果が利用できることを発見した。
【0030】細胞内グルタチオンの上昇はアテローム性
動脈硬化症を予防するために有益で、一方、細胞外チオ
ールは、遊離ラジカルによるチオール/レドックス反応
発生によってリポ蛋白修飾を悪化させるかもしれないの
で、本発明の方法に従って、細胞内グルタチオン合成が
非システイン性、非チオール性前駆体によって刺激され
る。
【0031】そのような物質の例は、L−2−オキソチ
アゾリジン−4−カルボキシレートである。同様に、他
の非システイン性、非チオール性細胞内刺激剤、例えば
他のチアゾリジン−4−カルボキシレート類似体も用い
ることができる。
【0032】L−2−オキソチアゾリジン−4−カルボ
キシレートは、インビボでは、アデノシントリホスフェ
ートの存在下で5−オキソ−L−プロリナーゼの作用を
受け、S−カルボキシルシステインを生じる。S−カル
ボキシルシステインは、その後代謝され、グルタチオン
を生じる(米国特許第4335210号、同44341
58号、同4438124号、同464571号、およ
び同4665082号を参照、その内容は参考文献とし
て本明細書に含まれている)。システインおよびグルタ
チオンの両方の細胞内合成の故に、システインおよびチ
オールについて記載された不利益は問題ではない。
【0033】患者に投与され得る組成物の例は、3%
(重量/容積)L−2−オキソチアゾリジン−4−カル
ボキシレート(燐酸緩衝液中でpH7.0)である。こ
の組成物は10から100mg/kg/日の用量で投与
できる。この組成物は単独またはアミノ酸溶液のような
栄養物とともに投与できる。
【0034】患者に投与できる第二の組成物の例は、5
00mgのL−2−オキソチアゾリジン−4−カルボン
酸、167.4mgのコーンスターチ、64mgの乳
糖、3.6mgアスコルビン酸を含むカプセルである。
この組成物は1日1から3回、1から3カプセルの用量
で投与することができる。
【0035】患者に投与できる組成物の第三の例は、1
から5gのL−2−オキソチアゾリジン−4−カルボン
酸塊を含む凍結乾燥サシェで、これは続いてオレンジ、
リンゴ、グレープフルーツジュースまたは他のジュース
に溶かされる。この組成物は1日1から3回経口的に摂
取される。
【0036】本発明の組成物は、アテローム性動脈硬化
症の患者に治療として投与される。同様に、本発明は、
アテローム性動脈硬化症に罹患していると思われる患者
のアテローム性動脈硬化病巣の形成を予防するために用
いることができる。さらに、本発明は、侵襲的治療、例
えばアテローム性動脈硬化症のためのバイパス形成術ま
たは血管形成術を受けた患者の再狭窄を防ぐためにも用
いることができる。
【0037】実施のために(制限するためではなく)、
熟慮された本発明の実施例を下に記載する。
【0038】
【実施例】実施例1 非インシュリン依存性真性糖尿病の49才の女性は、頻
繁な狭心性および呼吸促迫を主治医に報告した。マロン
ジアルデヒドとして測定した血漿過酸化脂質値は、正常
人の3.7nmol/mlに対し5.3nmol/ml
であった。マロンジアルデヒド修飾低密度リポ蛋白に対
する自己抗体量は、固相ラジオイムノアッセーであっ
た。マロンジアルデヒドLDL力価は、正常人2.06
に対して2.93であった。陽電子放射断層X線写真
(PET)スキャンにより、左前側下行冠状動脈を通過
する管状動脈流貯蔵が著名に減少していることが示され
た。
【0039】この患者は、グルコース量をコントロール
するため蔗糖非含有食治療を受け、さらに1日3回、1
gのL−2−オキソチアゾリジン−4−カルボン酸(食
事とともに2カプセル)を与えられた。狭心性の頻度は
2週間以内に減少した。2か月後、血漿マロンジアルデ
ヒドは3.3nmol/mlに落ち、自己抗体力価は
2.24に減少した。
【0040】この患者に1年間L−2−オキソチアゾリ
ジン−4−カルボン酸を続けた。反復PETスキャン
は、冠状動脈流貯蔵における明瞭な改善を示した。
【0041】実施例2 全コレステロール値が270の43才の男性は重篤な胸
痛および呼吸促迫を訴えていた。冠状動脈血管像は、右
回旋動脈の90%閉塞を示した。この患者には血管形成
術の予定がたてられた。
【0042】患者は、血管形成術の48時間前に、1日
3回1.5gのL−2−オキソチアゾリジン−4−カル
ボン酸を投与された。風船カテーテルを通じて、閉塞血
管は、燐酸緩衝食塩水中の3%のL−2−オキソチアゾ
リジン−4−カルボン酸溶液で術中に灌流された。
【0043】静脈内L−2−オキソチアゾリジン−4−
カルボン酸溶液(5%デキストラン中で5%)が、24
時間の間8時間毎に30mg/kgの用量で投与され
た。この患者は、その後30日間、1日3回1gのL−
2−オキソチアゾリジン−4−カルボン酸を投与され
た。血管像の経過観察により、処置血管は術後1年間開
通していることが示された。
【0044】実施例3 55才の男性は心筋梗塞に罹患していた。血漿コレステ
ロール値は240で、血漿過酸化脂質値はマロンジアル
デヒドで4.80nmol/mlであった。冠状動脈血
管像は3つの血管疾患を示し、バイパス形成術の予定が
たてられた。
【0045】手術前に、患者は、乳酸塩付加リンゲル液
中のL−2−オキソチアゾリジン−4−カルボン酸溶液
を、8時間毎に60mg/kg投与された。術中には、
患者は、2.5mMのL−2−オキソチアゾリジン−4
−カルボン酸を含む市販の心臓外傷用溶液を投与され
た。
【0046】手術回復中には、乳酸塩添加リンゲル液中
の5%L−2−オキソチアゾリジン−4−カルボン酸を
8時間毎に48時間、60mg/kgで患者に投与し続
けた。血漿マロンジアルデヒドは48時間の終わりには
3.20nmol/mlに減少した。静脈用溶液をや
め、経口用L−2−オキソチアゾリジン−4−カルボン
酸1gを1日3回投与した。経口処置は術後60日間続
け、その後、次の1年間は0.5g(1日3回)に減ら
した。
【0047】血管写真の経過写真で、1年では外科処置
血管のいずれにおいても再狭窄は20%以下であること
が示された。血漿過酸化脂質は3.3nmol/mlよ
り下で、固相ラジオイムノアッセーで測定したとき、マ
ロンジアルデヒド修飾LDLに対する自己抗体力価は
2.0を維持していた。この患者は2年間の経過観察で
は狭心症を起こさなかった。
【0048】当業者にとって、ここに開示された現時点
での好ましい具体例に対する種々の変更および修飾は明
らかであろうことは理解に難くない。そのような変更お
よび修飾は、本発明の要旨および範囲を外れることな
く、さらにその特有の利点を減少させることなく為され
得る。したがって、そのような変更および修飾は、上記
の請求の範囲内に含まれるものであろう。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アテローム性動脈硬化症をもつ患者に、
    細胞内グルタチオン生合成を刺激する非システイン、非
    チオール性生成物の治療的有効量を投与する工程を含
    む、アテローム性動脈硬化症の治療方法。
  2. 【請求項2】 非システイン、非チオール性生成物がL
    −2−オキソチアゾリジン−4−カルボキシレートを含
    む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 該生成物が経腸的に投与される、請求項
    1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 該生成物が非経口的に投与される、請求
    項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 該生成物がアミノ酸溶液と共に投与され
    る、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 細胞内グルタチオン生合成を刺激する非
    システイン、非チオール性生成物の治療的有効量を、ア
    テローム性動脈硬化症の危険性のある患者に投与する工
    程を含む、該患者のアテローム性動脈硬化病変を予防す
    るための方法。
  7. 【請求項7】 非システイン、非チオール性生成物がL
    −2−オキソチアゾリジン−4−カルボキシレートを含
    む、請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 該生成物が経腸的に投与される、請求項
    6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 該生成物が非経口的に投与される、請求
    項6に記載の方法。
  10. 【請求項10】 該生成物がアミノ酸溶液と共に投与さ
    れる、請求項6に記載の方法。
  11. 【請求項11】 アテローム性動脈硬化症を治療するた
    めに侵襲的処置を受けた患者の再狭窄を予防する方法で
    あって、該侵襲的処置の前および後に、該患者に治療的
    有効量の非チオール、非システイン性細胞内グルタチオ
    ン刺激剤を投与する工程を含む、当該再狭窄の予防方
    法。
  12. 【請求項12】 非システイン、非チオール生成物がL
    −2−オキソチアゾリジン−4−カルボキシレートを含
    む、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 該生成物が経腸的に投与される、請求
    項11に記載の方法。
  14. 【請求項14】 該生成物が非経口的に投与される、請
    求項11に記載の方法。
  15. 【請求項15】 該生成物がアミノ酸溶液と共に投与さ
    れる、請求項11に記載の方法。
  16. 【請求項16】 該侵襲的処置がバイパス形成術であ
    る、請求項11に記載の方法。
  17. 【請求項17】 該侵襲的処置が血管形成術である、請
    求項11に記載の方法。
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