JPH06172004A - 水硬性組成物用分離低減剤および水硬性組成物 - Google Patents

水硬性組成物用分離低減剤および水硬性組成物

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JPH06172004A
JPH06172004A JP23022893A JP23022893A JPH06172004A JP H06172004 A JPH06172004 A JP H06172004A JP 23022893 A JP23022893 A JP 23022893A JP 23022893 A JP23022893 A JP 23022893A JP H06172004 A JPH06172004 A JP H06172004A
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reducing agent
water
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separation
separation reducing
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Akira Haji
晃 土師
Yoshihisa Yamamoto
芳久 山本
Kazuki Mitsuyanagi
一樹 三柳
Shunsaku Uchida
俊作 内田
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高流動性、高充填性、高分離抵抗性を有し、
振動締め固めの作業を必要としないコンクリート等の水
硬性組成物用分離低減剤およびこれを含有してなる水硬
性組成物の提供。 【構成】 β−1,3−グルカンを産生する能力を有す
る微生物の培養液に水溶性増粘剤を加え、噴霧乾燥して
得られる水硬性組成物用分離低減剤およびこれを含有し
てなる水硬性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高流動性、高充填性、
高分離抵抗性を有し、振動締め固めの作業を必要としな
いコンクリート等の水硬性組成物用分離低減剤および水
硬性組成物に関する。
【0002】
【従来技術および課題】コンクリートに高流動性、高充
填性を付与して打設時の締め固めを不要にする技術とし
て、土木施工1989年10月号記載のいわゆる「ハイ
パフォーマンスコンクリート」(東京大学工学部、岡村
甫教授開発)(特開平3−237049号公報)、あるい
は水中分離性コンクリートに使用する不分離性混和剤を
用いたもの等が開発されている。しかしながら、ハイパ
フォーマンスコンクリートの場合、厳選した材料を使用
し、粉体量の多い状態で、かつ微量の増粘剤によってコ
ンクリートの流動時の分離抵抗性を確保する必要があ
る。そのために使用材料の品質管理および製造管理に非
常な厳密さが要求され、現場で配合するようなコンクリ
ートへの利用が相当困難である。また、水中不分離性混
和剤を使用したコンクリートでは、流動性が悪いため、
過密配筋された部材に対して締め固めをせず充填するこ
とは困難である。さらに、単位水量が多くなるため、乾
燥収縮が大きくなること、大きな気泡となるため凍結融
解に対する抵抗性が低下することなど耐久性に問題があ
る。このように、前記技術は共にコンクリートの打設環
境の影響を受け易く、コンクリートの水分変動巾およ
び、夏場、冬場におけるコンクリートの温度変動巾が狭
いという欠点を有する。
【0003】
【課題を解決するための手段】かかる事情に鑑み本発明
者らは、高充填性を有し、しかもコンクリートに使用し
た場合にその水分変動巾および温度変動巾に対しても高
流動性および高分離抵抗性を維持でき、製造工程が短
く、しかも製造コストの低い水硬性組成物用分離低減剤
および水硬性組成物を開発すべく鋭意研究を行った。そ
の結果、β−1,3−グルカンを産生する能力を有する
微生物の培養液に水溶性増粘剤を加え噴霧乾燥すること
により、β−1,3−グルカンをコアとしそのコア表面
で水溶性増粘剤により被膜形成された粉末が得られ、こ
の粉末が水硬性組成物用分離低減剤として有用であるこ
とを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0004】すなわち、本発明は、 (1)β−1,3−グルカンを産生する能力を有する微
生物の培養液に水溶性増粘剤を加え、噴霧乾燥して得ら
れる水硬性組成物用分離低減剤、 (2)β−1,3−グルカンがカードランである上記
(1)記載の分離低減剤、 (3)水溶性増粘剤が水溶性セルロース類である上記
(1)記載の分離低減剤、 (4)水溶性増粘剤がメチルセルロースである上記(3)
記載の分離低減剤、 (5)水溶性増粘剤がキサンタンガム類である上記(1)
記載の分離低減剤、 (6)水溶性増粘剤が水溶性合成高分子類である上記
(1)記載の分離低減剤、 (7)水溶性増粘剤がポリエチレングリコールである上
記(6)記載の分離低減剤、 (8)培養液の粘度が200〜1000cpとなるように
水溶性増粘剤を加える上記(1)記載の分離低減剤、 (9)重量平均粒径が100μm以下である上記(1)記
載の分離低減剤、 (10)上記(1)記載の分離低減剤を含有してなる水硬
性組成物、および (11)分離低減剤の含有量が、水硬性組成物1m3あた
り0.5kg〜5kgである上記(10)記載の水硬性組成物
を提供するものである。
【0005】本発明の水硬性組成物用分離低減剤は、そ
の粉末粒子表面に形成された増粘剤が、例えばコンクリ
ート中で溶解することにより、コンクリートに分離抵抗
性を付与し、さらに、コアの粒子がコンクリート中で膨
潤してカルシウムゲル粒子を形成することにより、ベア
リング効果に基づく高い流動性と充填性をコンクリート
に付与するものである。
【0006】β−1,3−グルカンは、グルコースが主
にβ−1,3−結合によって結合されている多糖類であ
り、例えば、カードラン、パラミロン、パキマン等が挙
げられる。本発明においては、特に、カードランが好ま
しい。カードランは、例えば、ニューフードインダスト
リー 第20巻第10号第49〜57頁(1978年)に
記載されているように、β−1,3−グルコシド結合に
よって結合されたβ−1,3−グルコースを主体とし、
通常、加熱凝固性を有する多糖類、すなわち、水分の存
在下で加熱することによって凝固する性質を有する多糖
類である。本発明の微生物は、β−1,3−グルカンを
産生する能力を有する微生物であればいずれでもよい。
例えば、β−1,3−グルカンがカードランである場
合、アルカリゲネス属またはアグロバクテリウム属に属
する微生物等が挙げられる。具体的には、アルカリゲネ
ス属に属する微生物としては、例えば、アルカリゲネス
・フェカリス・バール・ミクソゲネス10C3K(アグ
リカルチュラル・バイオロジカル・ケミストリー、第3
0巻第196頁(1966年)、アルカリゲネス・フェ
カリス・バール・ミクソゲネス10C3Kの変異株NT
K−u(IFO13140) (特公昭48−32673号
公報)等が挙げられる。また、アグロバクテリウム属に
属する微生物としては、例えば、アグロバクテリウム・
ラジオバクター(IFO 13127)およびその変異株
U−19(IFO 13126) (特公昭48−4486
6号公報)等が挙げられる。
【0007】例えば、β−1,3−グルカンがパラミロ
ンである場合、ユーグレナ属に属する微生物等が挙げら
れる。具体的にはユーグレナ・グラシリス クレブス
(Euglena gracilis Klebs)NIES−47、ユーグ
レナ・グラシリス クレブスNIES−48あるいはユ
ーグレナ・グラシリス・バラェティ・バチラリス・プリ
ンシェイン(Euglena gracilis var. bacillaris p
ringsheim)NIES−49等が挙げられる。これらの菌
株は、(財)地球・人間環境フォーラムに保管されている
公知株である。本発明では、これらの多糖類のうち、該
多糖類に加熱凝固性を持たせたものが使用され得る。例
えば、上記の微生物の培養液をアルカリで溶解後、pH
10以下に調製したものが用いられる。本発明で使用す
る培養液は、該微生物菌体を用いたブロスであればよ
い。β−1,3−グルカンを産生する能力を有する微生
物の培養液は、該微生物を常法により培養することによ
り得ることができる。
【0008】水溶性増粘剤としては、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等の水溶性セルロース
類、キサンタンガム類、ポリエチレングリコール等の水
溶性合成高分子類などが挙げられる。キサンタンガム類
は、約10〜約70℃の温度範囲またはpH約3〜約1
3の範囲において、粘度変化しにくいため好ましい。水
溶性増粘剤の添加量は、例えば、β−1,3−グルカン
培養液中のβ−1,3−グルカンの含量が約40mg/m
l、すなわち約4.0w/v%のとき(この培養液の粘度は
通常100〜200cp程度である)、これに水溶性増粘
剤を加えて培養液の粘度が約200cp〜2000cp、望
ましくは、約200cp〜1000cpとなるようにするこ
とが好ましい。用いる水溶性増粘剤の種類により異なる
が、培養液の粘度が約200cp〜1000cpのとき、水
溶性増粘剤はβ−1,3−グルカンに対して、約2〜4
5重量%含まれていることになる。
【0009】噴霧乾燥としては、自体公知の方法を採用
すればよく、例えば、圧力式噴霧方式、2流体ノズル噴
霧方式あるいは、1流体加圧ノズル方式等を採用すれば
よい。乾燥温度は約150〜250℃である。得られた
分離低減剤の粒子の平均粒径(重量平均径)は約100μ
m以下が好ましい。さらに好ましくは、約50〜80μm
である。該平均粒径が約100μm以下のとき、コア部
のβ−1,3−グルカン粒子はベアリング効果を発揮す
る。本発明の分離低減剤の使用量は、水硬性組成物1m3
あたり約0.5kg〜5kgが好ましい。さらに好ましくは
約1〜3kg/m3である。添加量が約0.5kg/m3より少
ないと骨材の分離抵抗性が小さく、骨材分離気味とな
る。一方、約5kg/m3より多いと粘度が大きく、流動性
が乏しくなる。
【0010】本発明の水硬性組成物は、通常の水硬性組
成物の製造に用いられる水硬性物質粉体、水および前記
分離低減剤を含有するものである。用途に応じて、細骨
材を配合することによってモルタルとして、または細骨
材および粗骨材を配合することによってコンクリートと
して調整する。細骨材および粗骨材は、従来のモルタル
またはコンクリート用材料として用いられるものが使用
できる。本発明の水硬性組成物としては、コンクリート
が好ましい。本発明の水硬性組成物を製造する方法とし
ては、自体公知の方法が採用される。該水硬性物質粉体
としては、例えば、セメント、石灰、石こう、ケイ酸カ
ルシウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。このうち、
セメントが好ましい。セメントとしては、例えば、ポル
トランドセメントに代表される種々のセメントが挙げら
れる。該ポルトランドセメントとしては、普通ポルトラ
ンドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポル
トランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントなど
が挙げられる。セメントには、周知の例えばケイ石、ケ
イ藻土、高炉スラッグ、フライアッシュ、シリカヒュー
ム等の改質材料を併用してもよい。
【0011】本発明の水硬性組成物では、例えば、ポル
トランドセメント、フライアッシュおよび高炉スラッグ
を含む結合材料(セメントとその改質材料との混合物を
いう。以下同様)をコンクリートの単位体積あたり約2
50〜750kg/m3使用する場合、分離低減剤を該結合
材料に対して約0.1〜1重量%、好ましくは約0.2〜
0.7重量%使用する。水の使用量は通常に使用される
量、例えば約160〜180kg/m3である。さらに、高
性能減水剤を結合材料に対して約0.2〜6重量%、好
ましくは、約0.5〜3重量%加えてもよい。該高性能
減水剤としては通常、コンクリートに使用できるものが
挙げられる。具体的にはナフタリンスルホン酸ホルマリ
ン高縮合物で代表されるナフタリン系、スルホン化メラ
ミンホルマリン縮合物であるメラミン系、カルボン酸
系、リグニン系のものが挙げられる。その他に、通常の
混和剤、例えば、AE剤(例、リグニンスルホン酸塩、
樹脂酸塩、アルキルアリールスルホン酸アミン塩等)、
減水剤(例、リグニンスルホン酸塩、オキシ有機酸塩、
アルキルアリルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアル
キルアリルエーテル、ポリオール複合体、高級多価アル
コールスルホン酸塩等)、これらの二種併用剤であるA
E減水剤を使用してもよい。
【0012】
【実施例】以下に実施例および実験例を示して、本発明
をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。 実施例1 分離低減剤の製造を以下のようにして行った。常法によ
り得られたアルカリゲネス・フェカリス・バール・ミク
ソゲネスNTK−u株培養液(カードラン培養液、β−
1,3−グルカン、約4%w/v含有)に対して、水溶性増
粘剤溶液としてメチルセルロース(信越化学(株)メトロ
ーズSM・4000)の2%w/v水溶液を用意し、培養
液中のβ−1,3−グルカン量に対するメチルセルロー
ス溶液中のメチルセルロースが98:2(2%、β−1,
3−グルカン量に対する重量%を示す、以下同様)、9
5:5(約5%)、90:10(約11%)になる様に混合攪
拌して、200℃の熱風下、加圧ノズル式噴霧乾燥によ
り粉末を得た(試料No.2〜4)。カルボキシメチルセル
ロース(ダイセル(株)品番1150)の2%水溶液およ
び、キサンタンガム(ケルコ(株)エコーガム)の2%水溶
液についても、表1に示す分量になるよう上記メチルセ
ルロース水溶液と同様にして、噴霧乾燥により粉末を得
た(各々試料No.5〜7および試料No.8〜10)。各々
の粉末は、コア部がβ−1,3−グルカン主体で、コア
の表面部に増粘剤が被膜されている粒子であった。噴霧
乾燥に供する前の各溶液(噴霧乾燥原液)および得られた
各粉末の特性等を表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】実施例2 以下の表2に示す配合の水硬性組成物を常法に従い製造
した。
【0015】
【表2】
【0016】表2中の高性能減水剤Sp、AE減水剤、
分離低減剤、細骨材S、粗骨材G、セメントC、高炉ス
ラッグBおよびフライアッシュFとしては以下のものを
使用した。 高性能減水剤Sp: ナフタリンスルホン酸ホルマリン高
縮合物(花王(株)のマイティー150)を使用。 AE減水剤 : リグニンスルホン酸化合物ポリオール
複合体(ポゾリス物産(株)のポゾリスNo.70)を使
用。 分離低減剤 : 実施例1で得られたβ−1,3−グルカ
ンを主成分とし、各種増粘剤を添加したものを使用 細骨材S : S1: 広島県高根産(粗粒率3.64、
比重2.51、吸水率2.51%、最大寸法5mm) S2: 香川県広島産(粗粒率1.94、比重2.50、吸
水率2.48%、最大寸法1.2mm) 上記S1、S2を表面水率1%以下に調製後、7:3で
混合して使用。 粗骨材G : 兵庫県加西産(粗粒率6.65、比重2.
64、吸水率0.94%、最大寸法20mm) 表面水率0%(表乾状態)に調製後使用。 セメントC : 大日本セメント(株)の普通ポルトラン
ドセメントを使用。 高炉スラッグB: 第1セメント(株)のセラメント(商品
名)を使用。 フライアッ : 電源開発(株)のフライアッシュを使用。 シュF
【0017】実施例3 表2の水硬性組成物であるコンクリート基本組成をベー
スとして、実施例1で得られた各種の分離低減剤を使用
し、表3に示す配合の水硬性組成物を常法に従い製造し
た。
【0018】
【表3】
【0019】実施例4 実施例1と同様にして、分離低減剤として、メチルセル
ロースをカードランに対して10w/w%添加した粉末、
およびキサンタンガムをカードランに対して20w/w%
添加した粉末を製造した。これらを用いて水硬性組成物
(コンクリート)の単位水量を変えた表4に示す配合の水
硬性組成物を製造した。
【0020】
【表4】
【0021】実験例1 実施例3で得られた水硬性組成物における各種の分離低
減剤のコンクリート評価(生コン物性)をスランプフロー
の測定およびU字管充填高さの測定により、また、材料
の分離性を目視評価により行なった。 1) スランプフロー測定:「水中不分離性コンクリート
マニュアル付録1」の“水中不分離性コンクリートの試
験、スランプフロー試験”に準じて行った。 2) U字管充填高さの測定:図1に示すようなU字型
の容器を使用した。 この容器の一側をコンクリート充填室A、他側を測定室
Bとし、両側の下部には連通窓を開設してある。この連
通窓に35mm間隔で鉄筋を(13φ)を設け、試験開始ま
ではシャッターによって閉鎖している。試験時には充填
室Aに試験対象のコンクリートを充填し、シャッターを
引き揚げ、測定室Bへのコンクリートの上昇寸法Hを測
定して、充填性の判断基準とするものである。評価結果
を上記表3に示す。
【0022】β−1,3−グルカン培養液であるカード
ラン培養液から得られた粉末を使用した場合、生コンク
リート(生コンと略称する)のスランプフロー値より、流
動性は優れているといえるが、U字管充填高さが低く、
明らかに骨材が分離しており、好ましくなかった。一
方、培養液に水溶性増粘剤を少量添加した場合、すなわ
ち、メチルセルロースでは(カードランに対して)5w/w
%(以下同じ)以上、キサンタンガムでは(カードランに
対して)約10%以上の添加により、高流動性、高充填
性で、しかも、骨材分離抵抗性やブリージングのないコ
ンクリートが得られた。カルボキシメチルセルロースの
添加では、培養液のみの添加より改善はみられたが、メ
チルセルロース、キサンタンガムと同程度の改善効果は
余り観察されなかった。この原因はカルボキシメチルセ
ルロースがコンクリート中のカルシウムイオンと反応
し、不溶性に変化したためと推察される。
【0023】実験例2 実施例3で得られた分離抵抗性に優れ、高流動性、高充
填性のコンクリート(試料No.2〜5、8〜10)につい
て、コンクリート調製直後(初期値)および1時間経過後
のスランプフロー値を実験例1と同様にして評価し併せ
て上記表3に示した。表3から明らかなように、いずれ
の試料を使用しても生コンクリートのスランプフローの
経時変化が、2cm〜5cmであり、コンクリートの実施行
面におけるワーカビリティが優れたものである。
【0024】実験例3 実施例4で得られたコンクリートを実験例1と同様にし
て評価した。結果を上記表4に示す。表4から明らかな
ように、コンクリートの単位水量165〜180kg/m3
の範囲において、高流動性、高充填性でしかも骨材分離
抵抗性に優れているコンクリートが得られた。
【0025】実験例4 実施例3の系において、分離低減剤としてメチルセルロ
ースをカードランに対して10w/w%添加した粉末を使
用し、セメント、骨材、水の温度を夏場(28℃)、冬場
(11℃)の条件を想定して、温度調整し、得られたコン
クリートを評価した結果を表5に示した。
【0026】
【表5】
【0027】表5から明らかなように、コンクリートの
練り上がり温度11℃〜28℃の範囲において、高流動
性、高充填性でしかも骨材分離抵抗性に優れているコン
クリートが得られた。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、高流動性、高充填性で
しかも分離抵抗性に優れたコンクリートを低コストで製
造することができる。また、夏場、冬場におけるコンク
リートの練り上がり温度の影響およびコンクリートの単
位水量の変化の影響を受けにくく、ワーカビリティに優
れたコンクリートの製造が可能となる。そのため、コン
クリートの施工時の締め固めが不要となり、ただ流し込
むだけで施工を行なうことができる。したがって、締め
固めに必要だった人員が不要となり省力化が期待でき
る。他の分離抵抗性の大きいコンクリートと比較して、
使用する材料を厳選する必要がないので、規格を満足す
るものであれば何でも使用でき、過剰な品質管理が不要
であり、広く一般の現場での応用が可能である。さら
に、骨材分離がしにくいために、水密性、耐久性が大き
く、均等で安定した品質のコンクリート構造物の建設が
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 U字管充填高さ測定用のU字型容器を示す。
各寸法はmm単位である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β−1,3−グルカンを産生する能力を
    有する微生物の培養液に水溶性増粘剤を加え、噴霧乾燥
    して得られる水硬性組成物用分離低減剤。
  2. 【請求項2】 β−1,3−グルカンがカードランであ
    る請求項1記載の分離低減剤。
  3. 【請求項3】 水溶性増粘剤が水溶性セルロース類であ
    る請求項1記載の分離低減剤。
  4. 【請求項4】 水溶性増粘剤がメチルセルロースである
    請求項3記載の分離低減剤。
  5. 【請求項5】 水溶性増粘剤がキサンタンガム類である
    請求項1記載の分離低減剤。
  6. 【請求項6】 水溶性増粘剤が水溶性合成高分子類であ
    る請求項1記載の分離低減剤。
  7. 【請求項7】 水溶性増粘剤がポリエチレングリコール
    である請求項6記載の分離低減剤。
  8. 【請求項8】 培養液の粘度が200〜1000cpとな
    るように水溶性増粘剤を加える請求項1記載の分離低減
    剤。
  9. 【請求項9】 重量平均粒径が100μm以下である請
    求項1記載の分離低減剤。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の分離低減剤を含有して
    なる水硬性組成物。
  11. 【請求項11】 分離低減剤の含有量が、水硬性組成物
    1m3あたり0.5kg〜5kgである請求項10記載の水硬
    性組成物。
JP23022893A 1992-09-17 1993-09-16 水硬性組成物用分離低減剤および水硬性組成物 Withdrawn JPH06172004A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017203158A (ja) * 2016-05-10 2017-11-16 Mcフードスペシャリティーズ株式会社 β−1,3−グルカンの水分散性を向上させる方法

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