JPH06171007A - 膨張黒鉛シート積層品及びその製造方法 - Google Patents
膨張黒鉛シート積層品及びその製造方法Info
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- JPH06171007A JPH06171007A JP4356615A JP35661592A JPH06171007A JP H06171007 A JPH06171007 A JP H06171007A JP 4356615 A JP4356615 A JP 4356615A JP 35661592 A JP35661592 A JP 35661592A JP H06171007 A JPH06171007 A JP H06171007A
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- expanded
- sheet laminate
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた耐熱性及び機械的強度を有すると共
に、耐久性に優れ、且つ表面が柔らかく、保持・搬送部
材として用いたときに相手材を傷つけることのない膨張
黒鉛シート積層品及びその製造方法を提供する。 【構成】 (A) 平均して50倍以上に膨張した膨張
黒鉛を0.02乃至0.3g/cm3のかさ密度になる
様に圧縮し、これを粉砕した黒鉛粒子と、(B) フィ
ブリル化して比表面積を10乃至30m2/gとしたメ
タ系アラミドパルプ繊維と、必要に応じて(C) パラ
系アラミドパルプ繊維とが均一に分散し合った組成物か
ら成る2枚以上の膨張黒鉛シートが積層していることを
特徴とする膨張黒鉛シート積層品、並びに上記(A)、
(B)、必要に応じて(C)、及び水を懸濁させて抄造
用スラリーとなし、このスラリーを湿式抄造してシート
化し、このシート化物を2枚以上重ねて圧縮することを
特徴とする膨張黒鉛シート積層品の製造方法。
に、耐久性に優れ、且つ表面が柔らかく、保持・搬送部
材として用いたときに相手材を傷つけることのない膨張
黒鉛シート積層品及びその製造方法を提供する。 【構成】 (A) 平均して50倍以上に膨張した膨張
黒鉛を0.02乃至0.3g/cm3のかさ密度になる
様に圧縮し、これを粉砕した黒鉛粒子と、(B) フィ
ブリル化して比表面積を10乃至30m2/gとしたメ
タ系アラミドパルプ繊維と、必要に応じて(C) パラ
系アラミドパルプ繊維とが均一に分散し合った組成物か
ら成る2枚以上の膨張黒鉛シートが積層していることを
特徴とする膨張黒鉛シート積層品、並びに上記(A)、
(B)、必要に応じて(C)、及び水を懸濁させて抄造
用スラリーとなし、このスラリーを湿式抄造してシート
化し、このシート化物を2枚以上重ねて圧縮することを
特徴とする膨張黒鉛シート積層品の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は膨張黒鉛シートの積層品
及びその製造方法に関し、更に詳しくはガラス、金属の
熱間加工品等の熱を持った物品や機器などの保持・搬送
用部材として適しているアスベストフリーの材料及びそ
の製造方法に関する。
及びその製造方法に関し、更に詳しくはガラス、金属の
熱間加工品等の熱を持った物品や機器などの保持・搬送
用部材として適しているアスベストフリーの材料及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種の材料としては、アラミド樹
脂等耐熱性樹脂製のフェルトにポリイミド等を含浸した
材料が用いられていた。この材料は表面が比較的柔かく
相手材に傷をつけることがなく、例えば金属の熱間押出
加工品の支持・搬送機器の被加工金属と接触する表面に
固定して使用されていた。ところが、これらの樹脂製部
材は耐熱性が不十分であり、使用時に変形や劣化を起し
易く、耐久性の面で問題があった。
脂等耐熱性樹脂製のフェルトにポリイミド等を含浸した
材料が用いられていた。この材料は表面が比較的柔かく
相手材に傷をつけることがなく、例えば金属の熱間押出
加工品の支持・搬送機器の被加工金属と接触する表面に
固定して使用されていた。ところが、これらの樹脂製部
材は耐熱性が不十分であり、使用時に変形や劣化を起し
易く、耐久性の面で問題があった。
【0003】また、耐久性に優れている焼成炭素材料も
使用されていたが、表面が固く相手材に傷をつけたり、
あるいは熱的、物理的衝撃により割れを生ずるなどの不
都合があった。
使用されていたが、表面が固く相手材に傷をつけたり、
あるいは熱的、物理的衝撃により割れを生ずるなどの不
都合があった。
【0004】そこで、本発明者らは、これらの代替品と
して可とう性膨張黒鉛シートの使用を検討した。既に、
本発明者らは、このシート材として優れた機械的強度及
び耐熱性を有する材料を見い出し、特願平3−177,
412号(未公開)として出願した。ところが、このシ
ートはガスケット材としての利用を主目的としており、
支持部材としての厚みが不足する。そこで、今回シート
の積層化を検討し、接着剤不要の新たな積層品の開発に
成功し、本発明を完成するに至った。
して可とう性膨張黒鉛シートの使用を検討した。既に、
本発明者らは、このシート材として優れた機械的強度及
び耐熱性を有する材料を見い出し、特願平3−177,
412号(未公開)として出願した。ところが、このシ
ートはガスケット材としての利用を主目的としており、
支持部材としての厚みが不足する。そこで、今回シート
の積層化を検討し、接着剤不要の新たな積層品の開発に
成功し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来のこの種の保持・搬送用部材の欠点を
解消し、優れた耐熱性及び機械的強度を有すると共に、
耐久性に優れ、また表面が柔かく相手材を傷つけること
のない膨張黒鉛シートの積層品及びその製造方法を提供
することにある。
する課題は、従来のこの種の保持・搬送用部材の欠点を
解消し、優れた耐熱性及び機械的強度を有すると共に、
耐久性に優れ、また表面が柔かく相手材を傷つけること
のない膨張黒鉛シートの積層品及びその製造方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題は、(A)平均
して50倍以上に膨張した膨張黒鉛を0.02乃至0.
3g/cm3のかさ密度になる様に圧縮し、これを粉砕
した黒鉛粒子と、(B)フィブリル化して比表面積を1
0乃至30m2/gとしたメタ系アラミドパルプ繊維と
が均一に分散し合った組成物から成る2枚以上の膨張黒
鉛シートが積層していることを特徴とする本発明の膨張
黒鉛シート積層品によって解決される。更に、この積層
品には、(C)パラ系アラミドパルプ繊維を配合するこ
とができる。成分(A)、(B)及び(C)の配合割合
は、(A)60乃至95重量部、(B)5乃至40重量
部、(C)0乃至25重量部であることが好ましい。
して50倍以上に膨張した膨張黒鉛を0.02乃至0.
3g/cm3のかさ密度になる様に圧縮し、これを粉砕
した黒鉛粒子と、(B)フィブリル化して比表面積を1
0乃至30m2/gとしたメタ系アラミドパルプ繊維と
が均一に分散し合った組成物から成る2枚以上の膨張黒
鉛シートが積層していることを特徴とする本発明の膨張
黒鉛シート積層品によって解決される。更に、この積層
品には、(C)パラ系アラミドパルプ繊維を配合するこ
とができる。成分(A)、(B)及び(C)の配合割合
は、(A)60乃至95重量部、(B)5乃至40重量
部、(C)0乃至25重量部であることが好ましい。
【0007】また、前記膨張黒鉛シート積層品は、1つ
の製造方法として上記(A)、(B)、必要に応じて
(C)、及び水を懸濁させて抄造用スラリーとし、この
スラリーを湿式抄造してシート化し、このシート化物を
2枚以上重ねて圧縮することにより製造することができ
る。
の製造方法として上記(A)、(B)、必要に応じて
(C)、及び水を懸濁させて抄造用スラリーとし、この
スラリーを湿式抄造してシート化し、このシート化物を
2枚以上重ねて圧縮することにより製造することができ
る。
【0008】
【発明の作用及び構成】以下、本発明を上記製造方法に
即して説明するが、本発明の膨張黒鉛シート積層品の製
造方法はこれに限定されず、例えばシートや積層品の製
造に乾式や湿式による加圧方法を採用することもできる
が、乾式法の圧粉体では結合剤の溶融が必要であり、ま
た結合剤量を高める必要がある。更に、水中懸濁の場合
と違って1ミクロン以下の結合剤を用いることが困難と
なる。
即して説明するが、本発明の膨張黒鉛シート積層品の製
造方法はこれに限定されず、例えばシートや積層品の製
造に乾式や湿式による加圧方法を採用することもできる
が、乾式法の圧粉体では結合剤の溶融が必要であり、ま
た結合剤量を高める必要がある。更に、水中懸濁の場合
と違って1ミクロン以下の結合剤を用いることが困難と
なる。
【0009】また湿式法の場合は、加圧前のかさが大き
過ぎて加圧が困難となり、製造が難しく、何れも上記本
発明方法よりは劣る。
過ぎて加圧が困難となり、製造が難しく、何れも上記本
発明方法よりは劣る。
【0010】本発明においては膨張黒鉛をまず所定のか
さ密度に圧縮する。従来の体積を50倍以上に膨張させ
た膨張黒鉛は、これを粉砕してもそのままでは水に均一
に懸濁してスラリー化できず、水の表面に浮くため抄造
できない。また、アセトンの様な親水性溶媒を少量用い
る方法も知られているが、この方法でも黒鉛粒子が水に
浮く傾向があり、決して望ましい方法ではない。
さ密度に圧縮する。従来の体積を50倍以上に膨張させ
た膨張黒鉛は、これを粉砕してもそのままでは水に均一
に懸濁してスラリー化できず、水の表面に浮くため抄造
できない。また、アセトンの様な親水性溶媒を少量用い
る方法も知られているが、この方法でも黒鉛粒子が水に
浮く傾向があり、決して望ましい方法ではない。
【0011】従ってこのままでは抄造しても均一なシー
トを得ることができず、またたとえできたとしても機械
的強度が極めて小さく到底実用に供し得ない。このため
本発明においてはまずこの膨張黒鉛を0.02乃至0.
3g/cm3、好ましくは0.05乃至0.15g/c
m3のかさ密度になる様に圧縮する。
トを得ることができず、またたとえできたとしても機械
的強度が極めて小さく到底実用に供し得ない。このため
本発明においてはまずこの膨張黒鉛を0.02乃至0.
3g/cm3、好ましくは0.05乃至0.15g/c
m3のかさ密度になる様に圧縮する。
【0012】かさ密度が0.02g/cm3より小さい
と、膨張黒鉛粒子の空洞中の膨張ガスが抜けにくく、水
中でかくはんを行ない粉砕しても原料が浮いた状態のま
まである。またかさ密度が0.3g/cm3より大きい
と、水中での粉砕が難しくなると共に、粉砕された原料
が粒状となり膨張黒鉛の特性が失なわれる。上記のかさ
密度の原料を粉砕すると膨張黒鉛の特性を失なうことな
く、水に懸濁し、アラミドパルプ繊維から成る結合剤と
併用することにより抄造可能となる。
と、膨張黒鉛粒子の空洞中の膨張ガスが抜けにくく、水
中でかくはんを行ない粉砕しても原料が浮いた状態のま
まである。またかさ密度が0.3g/cm3より大きい
と、水中での粉砕が難しくなると共に、粉砕された原料
が粒状となり膨張黒鉛の特性が失なわれる。上記のかさ
密度の原料を粉砕すると膨張黒鉛の特性を失なうことな
く、水に懸濁し、アラミドパルプ繊維から成る結合剤と
併用することにより抄造可能となる。
【0013】本発明において50倍以上に膨張した黒鉛
を圧縮する手段は、所定のかさ密度にできる手段であれ
ば原則的にはどの様な手段でもよいが、特に水平コンベ
ヤーと傾斜コンベヤーとの組合せにより連続的に締めつ
ける圧縮手段が好ましい。
を圧縮する手段は、所定のかさ密度にできる手段であれ
ば原則的にはどの様な手段でもよいが、特に水平コンベ
ヤーと傾斜コンベヤーとの組合せにより連続的に締めつ
ける圧縮手段が好ましい。
【0014】この際たとえば従来から知られている特願
昭53−71694号明細書に示される金網ケースを使
用する方法では、かさ密度を0.05乃至0.1g/c
m3の様に圧縮することはできるが量産化が難しい。
昭53−71694号明細書に示される金網ケースを使
用する方法では、かさ密度を0.05乃至0.1g/c
m3の様に圧縮することはできるが量産化が難しい。
【0015】なお、膨張黒鉛としては体積が平均して5
0倍以上に膨張したものを使用する。従って、50倍以
上に膨張した黒鉛粒子のみを使用してもよいし、50倍
以下の膨張黒鉛と50倍以上の膨張黒鉛との混合物を全
体の平均として50倍以上になる様に使用してもよい。
しかしながら、50倍未満では目的物積層体の表面硬さ
が高すぎる結果となる。
0倍以上に膨張したものを使用する。従って、50倍以
上に膨張した黒鉛粒子のみを使用してもよいし、50倍
以下の膨張黒鉛と50倍以上の膨張黒鉛との混合物を全
体の平均として50倍以上になる様に使用してもよい。
しかしながら、50倍未満では目的物積層体の表面硬さ
が高すぎる結果となる。
【0016】本発明においては、圧縮した黒鉛を次いで
粉砕する。粉砕は湿式又は乾式の何れも採用することが
できる。湿式法の場合は、圧縮黒鉛を予め水と混合した
状態で粉砕し、得られた粉砕物を水と分離することなく
そのまま次のスラリー調製に使用する。粉砕手段は、通
常ミキサータイプの粉砕機が好ましく使用されるが、抄
造分野で使用する叩解機を使用してもよい。粉砕物の大
きさは、通常50メッシュ以下、好ましくは60乃至1
00メッシュ程度である。
粉砕する。粉砕は湿式又は乾式の何れも採用することが
できる。湿式法の場合は、圧縮黒鉛を予め水と混合した
状態で粉砕し、得られた粉砕物を水と分離することなく
そのまま次のスラリー調製に使用する。粉砕手段は、通
常ミキサータイプの粉砕機が好ましく使用されるが、抄
造分野で使用する叩解機を使用してもよい。粉砕物の大
きさは、通常50メッシュ以下、好ましくは60乃至1
00メッシュ程度である。
【0017】乾式粉砕の場合は、水の非存在下で圧縮黒
鉛を前記湿式粉砕の場合と同様の大きさとなる様に粉砕
する。粉砕機としてはせん断力による粉砕機が望まし
く、例えば高速ミキサーを例示できる。乾式粉砕した粉
砕物を予め水と混合してからスラリー調製に使用しても
よく、あるいは粉砕物を直接スラリー調製に使用しても
よい。
鉛を前記湿式粉砕の場合と同様の大きさとなる様に粉砕
する。粉砕機としてはせん断力による粉砕機が望まし
く、例えば高速ミキサーを例示できる。乾式粉砕した粉
砕物を予め水と混合してからスラリー調製に使用しても
よく、あるいは粉砕物を直接スラリー調製に使用しても
よい。
【0018】本発明において使用する黒鉛粒子の結合剤
は、水中で膨張黒鉛粒子を定着させ、抄造に必要な濃度
に希釈しても分離せずに均一に分散させ、お互いに結合
させる作用を有する。これが高強度膨張黒鉛シート及び
その積層品を得るのに重要である。この条件を満たすた
めに、結合剤は次の特性を備えている必要がある。
は、水中で膨張黒鉛粒子を定着させ、抄造に必要な濃度
に希釈しても分離せずに均一に分散させ、お互いに結合
させる作用を有する。これが高強度膨張黒鉛シート及び
その積層品を得るのに重要である。この条件を満たすた
めに、結合剤は次の特性を備えている必要がある。
【0019】(1) 結合剤はアラミドパルプ繊維から
成り、且つ水中でイオン的に中性又は陽性であること。
成り、且つ水中でイオン的に中性又は陽性であること。
【0020】膨張黒鉛粒子は水中でアニオン性を示すの
で、セルロース繊維の様に同じイオンを持った繊維を叩
解してフィブリル化を進めても完全に定着させることは
できない。
で、セルロース繊維の様に同じイオンを持った繊維を叩
解してフィブリル化を進めても完全に定着させることは
できない。
【0021】(2) 繊維を叩解してフィブリル化を進
めて、繊維の比表面積を10乃至30m2/gにするこ
と。
めて、繊維の比表面積を10乃至30m2/gにするこ
と。
【0022】膨張黒鉛粒子の比表面積が大きいので、こ
れを定着させる繊維もまたフィブリル化を行ない、比表
面積を上記の値にして物理的にも吸着し易くする必要が
ある。このため、モノフィラメントに近い無機繊維や金
属繊維では補強材の効果を示すことができない。
れを定着させる繊維もまたフィブリル化を行ない、比表
面積を上記の値にして物理的にも吸着し易くする必要が
ある。このため、モノフィラメントに近い無機繊維や金
属繊維では補強材の効果を示すことができない。
【0023】以上の条件に該当する結合剤としては、耐
熱性に優れたメタ系アラミド繊維をパルプ化したものが
最も有効である。
熱性に優れたメタ系アラミド繊維をパルプ化したものが
最も有効である。
【0024】アラミド繊維自体は公知ものであり、本発
明においても従来から知られた各種のアラミド繊維を使
用することができる。この従来のアラミド繊維を所定の
比表面積となる様にフィブリル化して使用する。この際
のフィブリル化手段は特に限定されず、通常の手段を採
用する。比表面積は10乃至30m2/g、好ましくは
20乃至30m2/gである必要があり、10m2/g
未満では単層シート自体の強度が不足し、また積層した
ときの層間の接着力が不足する。また、30m2/gよ
り大きくなるとフィブリル化が難しく、製造が困難とな
る。
明においても従来から知られた各種のアラミド繊維を使
用することができる。この従来のアラミド繊維を所定の
比表面積となる様にフィブリル化して使用する。この際
のフィブリル化手段は特に限定されず、通常の手段を採
用する。比表面積は10乃至30m2/g、好ましくは
20乃至30m2/gである必要があり、10m2/g
未満では単層シート自体の強度が不足し、また積層した
ときの層間の接着力が不足する。また、30m2/gよ
り大きくなるとフィブリル化が難しく、製造が困難とな
る。
【0025】このアラミド繊維のスラリー中での使用量
は、5乃至40重量部、好ましくは7.5乃至15重量
部程度である。
は、5乃至40重量部、好ましくは7.5乃至15重量
部程度である。
【0026】本発明においては、目的物積層品の機械的
強度を更に向上させるために、必要に応じて補強用繊維
を使用することができる。この繊維はパラ系アラミドパ
ルプをフィブリル化したものであり、0乃至25重量部
の範囲で使用するのが好ましい。
強度を更に向上させるために、必要に応じて補強用繊維
を使用することができる。この繊維はパラ系アラミドパ
ルプをフィブリル化したものであり、0乃至25重量部
の範囲で使用するのが好ましい。
【0027】本発明においては、以上の材料を水に懸濁
させて抄造用スラリーとするが、この際の各材料の配合
量を、 膨張黒鉛粒子:60乃至95重量部、 結合剤:5乃至40重量部、 補強用繊維:0乃至25重量部 とする。なお、これらの原料液はパルプを核に膨張黒鉛
粒子が定着されているので、原料液を1乃至2%の濃度
に希釈しても分離することがなく均一に分散されてい
て、水に浮くことがない。このため抄造装置を用いて高
強度のシートを得ることができる。
させて抄造用スラリーとするが、この際の各材料の配合
量を、 膨張黒鉛粒子:60乃至95重量部、 結合剤:5乃至40重量部、 補強用繊維:0乃至25重量部 とする。なお、これらの原料液はパルプを核に膨張黒鉛
粒子が定着されているので、原料液を1乃至2%の濃度
に希釈しても分離することがなく均一に分散されてい
て、水に浮くことがない。このため抄造装置を用いて高
強度のシートを得ることができる。
【0028】抄造用スラリーを抄造するに際しては通常
湿式抄造を採用し、湿式抄造法自体の条件や装置は従来
のものを夫々そのまま適宜に採用する。
湿式抄造を採用し、湿式抄造法自体の条件や装置は従来
のものを夫々そのまま適宜に採用する。
【0029】かくして得られる抄造品は、ガスケットな
どの用途では更にカレンダーロールで圧縮して表面を平
滑にして使用するが、ガラスや金属の加工品の様な重量
物を保持・搬送する用途の場合には抄造品の厚みを確保
する必要がある。この場合、単層シートで厚みを確保す
るためには、例えば10cm以上の厚みを有する抄造品
を圧縮する必要があるが、この場合は加圧が非常に困難
となる。そこで、本発明においては、カレンダーロール
加工を経ない表面に凹凸のある密度0.5g/cm3程
度の抄造品を、必要に応じて打ち抜き、切断等で適宜の
形状にした後、2枚以上重ねて圧縮し、積層させる。圧
縮を例えば常温で、300乃至500kg/cm2の圧
力で行なうと、各層間が接着して一体化する。更に、必
要に応じて、結合剤となるメタ系アラミドパルプ繊維の
結合剤としての作用を高めるために、例えば200℃で
30分間熱処理する。
どの用途では更にカレンダーロールで圧縮して表面を平
滑にして使用するが、ガラスや金属の加工品の様な重量
物を保持・搬送する用途の場合には抄造品の厚みを確保
する必要がある。この場合、単層シートで厚みを確保す
るためには、例えば10cm以上の厚みを有する抄造品
を圧縮する必要があるが、この場合は加圧が非常に困難
となる。そこで、本発明においては、カレンダーロール
加工を経ない表面に凹凸のある密度0.5g/cm3程
度の抄造品を、必要に応じて打ち抜き、切断等で適宜の
形状にした後、2枚以上重ねて圧縮し、積層させる。圧
縮を例えば常温で、300乃至500kg/cm2の圧
力で行なうと、各層間が接着して一体化する。更に、必
要に応じて、結合剤となるメタ系アラミドパルプ繊維の
結合剤としての作用を高めるために、例えば200℃で
30分間熱処理する。
【0030】なお、各層の組成は通常は同一とするが、
必要に応じて異なる組成のシートを積層させてもよい。
必要に応じて異なる組成のシートを積層させてもよい。
【0031】積層に際しては、層間の結合力を高め、積
層体の機械的強度を更に高めるために、各層間に接着剤
やセメント物質の層を設けてから圧縮することもできる
が、接着剤には耐熱性の問題があり、またセメントの場
合には繰返し使用時の熱応力により割れを生じ易くなる
という問題がある。
層体の機械的強度を更に高めるために、各層間に接着剤
やセメント物質の層を設けてから圧縮することもできる
が、接着剤には耐熱性の問題があり、またセメントの場
合には繰返し使用時の熱応力により割れを生じ易くなる
という問題がある。
【0032】本発明においては、この様な接着剤を用い
なくとも、メタ系アラミドパルプ繊維の結合剤としての
作用により積層体として十分な機械的強度が発現する。
なくとも、メタ系アラミドパルプ繊維の結合剤としての
作用により積層体として十分な機械的強度が発現する。
【0033】かくして得られる本発明の膨張黒鉛シート
積層品は、耐熱性及び機械的強度に優れ、また表面も比
較的柔らかい。従って、ガラス、金属の熱間加工品等の
熱を持つ物品や機器などの保持・搬送用部材として適し
ている。
積層品は、耐熱性及び機械的強度に優れ、また表面も比
較的柔らかい。従って、ガラス、金属の熱間加工品等の
熱を持つ物品や機器などの保持・搬送用部材として適し
ている。
【0034】また、膨張黒鉛シートの特長である良好な
耐油性、シール性、しゅう動特性などを生かしてグラン
ドパッキンなどの用途に利用することもできる。
耐油性、シール性、しゅう動特性などを生かしてグラン
ドパッキンなどの用途に利用することもできる。
【0035】なお、本発明において比表面積はベット
(BET)法にてN2(30%)とHe(70%)との
混合ガスを用いて測定した。膨張黒鉛の膨張度は、メス
シリンダーによる体積測定で決定し、そしてかさ密度は
圧縮後の膨張黒鉛の重量を外形寸法から算出した体積で
割ることにより求めた。
(BET)法にてN2(30%)とHe(70%)との
混合ガスを用いて測定した。膨張黒鉛の膨張度は、メス
シリンダーによる体積測定で決定し、そしてかさ密度は
圧縮後の膨張黒鉛の重量を外形寸法から算出した体積で
割ることにより求めた。
【0036】
【実施例】配合タンクに水500重量部を入れ、高速か
くはんしながらメタ系アラミドパルプ結合剤(ユニチカ
株式会社製アピエールパルプA−bT、比表面積23m
2/g)を固形分で10重量部投入し、均一に分散させ
た。更に、補強材のパラ系アラミドパルプ(アクゾ社製
トワロンパルプ1095)を10重量部添加し、均一に
混合、分散させた。
くはんしながらメタ系アラミドパルプ結合剤(ユニチカ
株式会社製アピエールパルプA−bT、比表面積23m
2/g)を固形分で10重量部投入し、均一に分散させ
た。更に、補強材のパラ系アラミドパルプ(アクゾ社製
トワロンパルプ1095)を10重量部添加し、均一に
混合、分散させた。
【0037】一方、鱗片状黒鉛を酸処理し、その後80
0乃至1000℃で熱処理して得られた200倍に膨張
した黒鉛粒子80重量部をかさ密度が0.08g/cm
3になる様に圧縮してスポンジ状とし、これをミキサー
に水1300重量部と共に約10分間かくはん・粉砕し
て、上記アラミドパルプ配合液と混合した。更に、水3
200重量部を入れ原料濃度を2%とした。
0乃至1000℃で熱処理して得られた200倍に膨張
した黒鉛粒子80重量部をかさ密度が0.08g/cm
3になる様に圧縮してスポンジ状とし、これをミキサー
に水1300重量部と共に約10分間かくはん・粉砕し
て、上記アラミドパルプ配合液と混合した。更に、水3
200重量部を入れ原料濃度を2%とした。
【0038】この原料を長網タイプの抄造機で坪量が1
000g/m2となる様に抄造し、フェルトプレスで水
切りを行ない、乾燥してシート化した。このシートの見
掛け密度は0.5g/cm3であった。
000g/m2となる様に抄造し、フェルトプレスで水
切りを行ない、乾燥してシート化した。このシートの見
掛け密度は0.5g/cm3であった。
【0039】このシートを10mm×100mmの刃型
で打ち抜いた13枚の成形シートを、金型内で重ね合わ
せて3トンの圧力で圧縮した。厚みは約10mmで、見
掛け密度は1.35g/cm3であった。これらの試料
を用いて機械的強度及び耐熱性の測定を行った。
で打ち抜いた13枚の成形シートを、金型内で重ね合わ
せて3トンの圧力で圧縮した。厚みは約10mmで、見
掛け密度は1.35g/cm3であった。これらの試料
を用いて機械的強度及び耐熱性の測定を行った。
【0040】一方、50mm×100mmの刃型で打ち
抜いた13枚の成形シートをプレートで挟み、15トン
の圧力で圧縮した。厚みは約10mmで、見掛け密度は
1.35g/cm3であった。これらのシートを用いて
耐熱性(外観の変化)及び硬度の測定を行った。
抜いた13枚の成形シートをプレートで挟み、15トン
の圧力で圧縮した。厚みは約10mmで、見掛け密度は
1.35g/cm3であった。これらのシートを用いて
耐熱性(外観の変化)及び硬度の測定を行った。
【0041】各特性の測定結果を、抄造品をカレンダー
加工したシートの対照例及び焼成炭素製保持部材の比較
例と比較して、下記表1に示した。
加工したシートの対照例及び焼成炭素製保持部材の比較
例と比較して、下記表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】表1から明らかな様に、本発明の膨張黒鉛
シート積層品は機械的強度及び耐熱性に優れ、表面が柔
かい。
シート積層品は機械的強度及び耐熱性に優れ、表面が柔
かい。
【0044】なお、比表面積が10m2/gを下回るパ
ラ系アラミドパルプ繊維20重量部を用いて同様の方法
で積層品の作製を試みたが、単層シートとしての強度が
不足していると共に、積層の際に層間の接着力が不足
し、製造が困難であった。
ラ系アラミドパルプ繊維20重量部を用いて同様の方法
で積層品の作製を試みたが、単層シートとしての強度が
不足していると共に、積層の際に層間の接着力が不足
し、製造が困難であった。
【0045】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の膨張黒鉛シ
ート積層品は、優れた耐熱性及び機械的強度を有し、耐
久性に優れ、しかも表面が柔かいので保持・搬送部材と
して用いたときに相手材を傷つけることがない。
ート積層品は、優れた耐熱性及び機械的強度を有し、耐
久性に優れ、しかも表面が柔かいので保持・搬送部材と
して用いたときに相手材を傷つけることがない。
Claims (6)
- 【請求項1】 (A) 平均して50倍以上に膨張した
膨張黒鉛を0.02乃至0.3g/cm3のかさ密度に
なる様に圧縮し、これを粉砕した黒鉛粒子と、(B)
フィブリル化して比表面積を10乃至30m2/gとし
たメタ系アラミドパルプ繊維とが均一に分散し合った組
成物から成る2枚以上の膨張黒鉛シートが積層している
ことを特徴とする膨張黒鉛シート積層品。 - 【請求項2】 必要に応じて(C)パラ系アラミドパル
プ繊維を配合した請求項1記載の膨張黒鉛シート積層
品。 - 【請求項3】 (A)、(B)及び(C)の配合割合
が、(A)60乃至95重量部、(B)5乃至40重量
部、(C)0乃至25重量部である請求項1又は2記載
の膨張黒鉛シート積層品。 - 【請求項4】 (A) 平均して50倍以上に膨張した
膨張黒鉛を0.02乃至0.3g/cm3のかさ密度に
なる様に圧縮し、これを粉砕した黒鉛粒子、(B) フ
ィブリル化して比表面積を10乃至30m2/gとした
メタ系アラミドパルプ繊維及び水を懸濁させて抄造用ス
ラリーとし、このスラリーを湿式抄造してシート化し、
このシート化物を2枚以上重ねて圧縮することを特徴と
する膨張黒鉛シート積層品の製造方法。 - 【請求項5】 必要に応じて(C)パラ系アラミドパル
プ繊維を配合した請求項4記載の膨張黒鉛シート積層品
の製造方法。 - 【請求項6】 (A)、(B)及び(C)の配合割合
が、(A)60乃至95重量部、(B)5乃至40重量
部、(C)0乃至25重量部である請求項4又は5記載
の膨張黒鉛シート積層品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4356615A JPH06171007A (ja) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | 膨張黒鉛シート積層品及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4356615A JPH06171007A (ja) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | 膨張黒鉛シート積層品及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06171007A true JPH06171007A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18449914
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4356615A Pending JPH06171007A (ja) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | 膨張黒鉛シート積層品及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06171007A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004087572A1 (en) * | 2003-03-31 | 2004-10-14 | Young Woo Shin | Manufacturing method of expanded graphite products |
KR100642923B1 (ko) * | 2002-06-18 | 2006-11-03 | 도요탄소 가부시키가이샤 | 가요성을 갖는 고순도 팽창 흑연시트와 그 제조방법, 및상기 시트를 이용한 카본 도가니의 내층 |
JP2008274053A (ja) * | 2007-04-26 | 2008-11-13 | Nippon Pillar Packing Co Ltd | シートガスケット |
US8163387B2 (en) | 2007-04-27 | 2012-04-24 | Akebono Brake Industry Co., Ltd. | Organic friction modifier comprising laminar graphite and aramid resin |
-
1992
- 1992-12-02 JP JP4356615A patent/JPH06171007A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100642923B1 (ko) * | 2002-06-18 | 2006-11-03 | 도요탄소 가부시키가이샤 | 가요성을 갖는 고순도 팽창 흑연시트와 그 제조방법, 및상기 시트를 이용한 카본 도가니의 내층 |
WO2004087572A1 (en) * | 2003-03-31 | 2004-10-14 | Young Woo Shin | Manufacturing method of expanded graphite products |
GB2414232A (en) * | 2003-03-31 | 2005-11-23 | Young Woo Shin | Manufacturing method of expanded graphite products |
GB2414232B (en) * | 2003-03-31 | 2007-08-01 | Young Woo Shin | Manufacturing method of expanded graphite products |
JP2008274053A (ja) * | 2007-04-26 | 2008-11-13 | Nippon Pillar Packing Co Ltd | シートガスケット |
US8163387B2 (en) | 2007-04-27 | 2012-04-24 | Akebono Brake Industry Co., Ltd. | Organic friction modifier comprising laminar graphite and aramid resin |
EP1985885B2 (en) † | 2007-04-27 | 2012-11-28 | Akebono Brake Industry Co., Ltd. | Organic friction modifier |
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