JPH06168134A - ファジイ制御のためのファジイ推論プロセッサ - Google Patents

ファジイ制御のためのファジイ推論プロセッサ

Info

Publication number
JPH06168134A
JPH06168134A JP4345545A JP34554592A JPH06168134A JP H06168134 A JPH06168134 A JP H06168134A JP 4345545 A JP4345545 A JP 4345545A JP 34554592 A JP34554592 A JP 34554592A JP H06168134 A JPH06168134 A JP H06168134A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rule
fuzzy
address
circuit
memory
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4345545A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsunesuke Takahashi
恒介 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP4345545A priority Critical patent/JPH06168134A/ja
Publication of JPH06168134A publication Critical patent/JPH06168134A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ifthenルールの知識情報の前件部での
曖昧照合結果を複数個組み合わせ、対応する複数後件部
の基準抑制量を配合して、最適制御量を内挿するファジ
イ推論回路の計算を簡略化し、高速化と小型化とを実現
する技術を提供する。 【構成】 メンバシップ(ms)関数を記憶する第1ル
ールメモリ120と、ルール別にファジイ論理条件と基
準抑制量を記憶する第2ルールメモリ130と、現在の
制御量の決定に関係するルールアドレスを記憶する状態
推移監視回路150と、この監視回路150が出力する
ルールアドレスに従って読み出された論理条件とms関
数のグレード値から適合度をファジイ論理演算により計
算する適合度計算回路140と、適合度を最大にするル
ールアドレス群の検出回路160と、ルールアドレス群
に対応した適合度と基準制御量を使う最適制御量計算回
路170とを含む。 【効果】 論理条件の複雑な場合、ルール数の多い場合
への拡張性が従来より高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業や家庭で広く使わ
れる電気機器や電子機器にファジィ制御を実装するため
に使われるファジィ推論プロセッサに係わる。もう少し
詳しく言えば、if−thenルールで表現された知識
情報を利用し、電気機器や電子機器において刻々と変化
する事実情報を観測し、それと知識情報との照合結果に
よる最適制御量を算出し、滑らかな制御をもたらすファ
ジィ推論の拡張性に富む実現手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】if−thenルールの知識情報とは、
問題が起ったときに、問題がifの後に記述された前件
部Aに合う場合であるならthenの後に記述された後
件部Bに従う操作や制御によって、問題が解決されると
いうような方法に関する知恵の情報である。後件部B
は、問題解決に当って採用する行動(操作や制御)パタ
ーンに分類され、コンピュータや機械に問題解決をさせ
る場合には、行動パターンを実現するための処理手順
(プログラム)である。一方、前件部Aは、各行動パタ
ーンが選択される条件または状況の代表的な特徴パター
ンを記述した判断基準の情報であり、問題がどのような
状況にあるかを判断し易いように判別の尺度を与える。
【0003】推論プロセッサというのは、問題がどのよ
うな状況の特徴パターンに近いかを前件部Aを使って判
別し、マッチする特徴パターンが決ると、それに対応す
る行動パターンを後件部Bを使って出力する。問題の状
況を示す事実情報Xが知識情報の前件部Aにマッチする
か否か、照合結果がディジタル的に1か0で決定される
とき、マッチした前件部Aに対応する後件部Bが推論結
果Yとして出力される。このような推論はクリスプ推論
と呼ばれ、次のモダスポーネンス; (X、A⇒B)→Y (1) で表記される。X=AならY=Bが推論される。すなわ
ち、クリスプ推論は事実情報Xが知識(ifA→the
nB)のAに一致するなら、推論結果はつねにY=Bと
なる。このクリスプ推論の特徴は、モダスポーネンスが
(X、A⇒B)→Y、(Y、B⇒C)→Zのように2つ
以上になり、推論処理が多段になっても、推論結果があ
いまいにならない点である。
【0004】しかし、現実の問題では、事実情報Xと前
件部Aとの照合が厳格に行なえないことが多い。正確に
知識情報の前件部Aを記述出来ないとか、問題の状況の
特徴パターンを示す事実情報Xを正確に測定できないと
いった場合が多いからである。前件部Aと事実情報Xを
厳密に照合できない場合に、Aに関する知識情報が少な
すぎると諦めて、実用化を断念するのは簡単であるが、
その場合には、知識情報と推論を使って問題解決を行な
うAI(Artificial Intelligen
ce)技術の応用範囲が極めて狭く限定される。
【0005】ファジィ工学はAI技術の応用を拡張する
ことに有効である。すなわち、前件部Aの記述にメンバ
ーシップ(ms)関数を採用する事で、あいまいな照合
結果への対応の糸口を与える。複数の前件部に多重マッ
チした場合に、対応する行動パターンが複数個になる
が、メンバーシップ関数の値(あいまい照合結果)と各
前件部に対応した後件部を総合する内挿で、最適な行動
パターンを決定する。すなわち、モダスポーネンスは次
のようになる。 (X′、A′⇒B′)→Y′ (2) ここに、X′、A′、B′、Y′の上付き′はあいまい
な情報であることを示している。故に、もしX′がA′
にかなり近いなら、Y′はB′にかなり近いと推論され
る。モダスポーネンスが(X′、A′1⇒B′1)→
Y′と(X′、A′2⇒B′2)→Y′のように複数個
になる時に、もしX′がA′1 、A′2 の両方に近いと
き、推論結果Y′はB′1とB′2の間のどこかに内挿
される。
【0006】X′がA′1 、A′2 の各々にどの程度近
いかはA′1 、A′2 を中心とするメンバシップ関数μ
1 (X)とμA2 (X)にX′を当てはめると各メン
バシップへの帰属度を示すグレードが求まる。すなわ
ち、X′をμA′1 (X)に代入して求まる高さg1が
X′のA′1への帰属度を表し、X′をμA2 (X)に
代入して求まる高さg2がA′2への帰属度を表す。
【0007】これらg1とg2はB′1とB′2のメン
バシップ関数μB1 (Y),μB2(Y)の選択に重み
付けを与え、最適なY* を推論するために使われる。そ
の方法はg1とg2を掛けられた2つのメンバシップ関
数の積和を次のように正規化し、面積の重心になるY*
を求めることである。すなわち、 S=∫μB′1(Y)dY+∫μB′2(Y)dY (3) Y* ={g1∫μB′1(Y)dY+g2∫μB′2(Y)dY}/S (4) を計算することである。
【0008】従来のファジィ推論プロセッサは、1チッ
プ化された制御用マイクロコンピュータ(半導体IC回
路)のプログラムをファジィ推論に適合させることで実
現されてきた。逐次処理が基本であるため、ルール数が
多くなり、前件部の論理条件が複雑になると曖昧照合や
重心計算で高速性が達成されなくなる。従って、高速判
断が要求される用途においては役立たなかった。
【0009】ファジィ推論の動作の説明をもっと具体的
に説明するため、車を高速道路で走行させる例を取り上
げる。アクセルを踏む行動パターンは、強く踏む、普通
に踏む、軽く踏む、踏まないの4つに分かれ、各パター
ンがどのようなときに選択されるかは次のような知識情
報で与えられる。 If 速度が目標よりかなり低いか、速度が目標よくや
や低いが、乗員が多いなら、then アクセルを強く
踏む If 速度が目標よりやや低いか、速度が目標よりほぼ
等しいが、乗員が多いなら、then アクセルを普通
に踏む If 速度が目標にほぼ等しいか、速度が目標よりやや
高いが、乗員が多いなら、then アクセルを軽く踏
む If 速度が目標よりかなり高いか、速度が目標よりや
や高いだけであるが、乗員が少ないなら、thenアク
セルを踏まない。
【0010】この基準に従って高速道路を走行すると、
道路に登り下りがあっても、速度は自然に規定値に近い
かそれよりやや高目に保たれる。というのは、実際の速
度や車の重さが正確に測定されていなくても、if部
(前件部)でのあいまい照合によって、アクセルを踏む
量がなめらかに制御されるからである。
【0011】乗員(荷物でもよい)数と速度に関する事
実情報Xとして乗員数2人とか、速度が94km/hな
どが与えられる。その場合に、あいまい照合は、図6に
示す、山型分布を持つメンバーシップ関数μA(X)を
使って実行される。
【0012】ブールロジックとファジィロジックとの違
いは、AND(∧)にmin.演算を使い、OR(∨)
にmax.演算を使う点である。上記のルールでは、前
件部が、速度X1だけに関する照合条件と、速度X1と
乗員数X2のANDの照合条件とがORで結合されてい
る。ファジィ照合結果はmax(μX1,min(μX
1,μX2))から与えられる。
【0013】min.やmax.演算で処理されるの
は、前件部の速度や乗員数などの事実情報そのものでは
なく、メンバシップ関数に事実情報を入力した結果で求
められるグレード値である。また、求めるアクセル量も
後件部のアクセル量に関するメンバシップ関数から逆算
される。このようなメンバシップ関数またはms曲線が
どのように定義されるかを始めに示しておく。
【0014】まず、前件部の速度に関しては、図6
(a)のように、目標90kmに対してかなり低い70
km/h以下(C1)、低い(C2)、ほぼ等しい(C
3)、やや高い(C4)、かなり高い(C5)のカテゴ
リー毎にメンバシップ関数(3角形の山型)が定義され
る。事実情報X1として、94km/hの値を与える
と、目標にほぼ等しい(C3)のms曲線に対して帰属
度g=0.60、やや高い(C4)のms曲線に対して
g=0.40が求められる。ここに縦軸201はグレー
ド値を、横軸202は速度を示す。
【0015】前件部の乗員数に関しても、乗員の少ない
場合(C6)と多い場合(C7)の乗員数との関係を示
すメンバシップ関数が図6(b)のように与えられると
する。乗員が2人という事実情報X2が与えられると、
2つのms曲線からグレード値のg=0.80とg=
0.20が出力される。なお、この図での横軸203は
乗員数を示す。
【0016】後件部に関しても、図6(c)に示すよう
に、アクセル量Yを角度70°以上に強く踏む場合(ル
ール1)をC8、50°程度で普通に踏む場合(ルール
2)をC9、30°程度に軽く踏む場合(ルール3)を
C10、10°以下で、ほとんど踏まない場合(ルール
4)をC11と分類し、3角形の山型ms曲線を定義す
る。事実情報がルール3の前件部にだけ一致したとする
と、アクセル量Yは軽く踏む30°程度の角度と決めら
れる。事実情報がルール3とルール4の両方に少しづつ
一致した場合には、アクセル量が30°と10°以下の
中間のどこかに決められる。方程式(3),(4)を使
う内挿によって最適値が計算される。なお、この図での
横軸204はアクセル量Yを示す。
【0017】このようなms関数を使うと、知識が言語
で指定された条件式から成るルール1、2、3、4が、
次のような論理条件式で表現される。 if h1=C1∨(C2∧C7)close to 1.0 then Y=C8 (5) if h2=C2∨(C3∧C7)close to 1.0 then Y=C9 (6) if h3=C3∨(C4∧C7)close to 1.0 then Y=C10(7) if h4=C5∨(C4∧C6)close to 1.0 then Y=C11(8)
【0018】入力データが速度の94km/sと乗員の
2人であると、それらは、図6(a),(b)のms関
数を使うと、C1に対し0.00、C2に対し0.0
0、C3に対し0.60、C4に対し0.40、C5に
対し0.00、C6に対し0.80、C7に対し0.2
0、のグレード値に変換される。
【0019】これらのグレード値を各ルールの前件部の
論理条件式に代入(ファジィ処理)すると、各ルールへ
の適合度は次のように計算される。 ルール1では、 h1= max.{0.00,min.<0.00,0.20>}=0.00 (10) ルール2では、 h2= max.{0.00,min.<0.60,0.20>}=0.20 (11) ルール3では、 h3= max.{0.60,min.<0.40,0.20>}=0.60 (12) ルール4では、 h4= max.{0.00,min.<0.40,0.80>}=0.40 (13)
【0020】このように求められた適合度から最適のア
クセル量Yを計算することはデファジ処理と呼ばれる積
分計算が使われる。この計算式は(3),(4)式の重
心計算式を一般化したものであり、h1…hnを使うの
で、次式のようになる。
【数1】
【0021】各ルールへの適合度h1、h2、h3、h
4が(10)〜(13)のように計算される場合、(1
5)式を使うと計算が複雑であるが、図6(d)に示す
ように、ルール2、3、4の後件部のms関数に適合度
h2、h3、h4を掛けて、足し合わせ、面積(斜線を
施した部分)を求めると、その重心は直感的に予想さ
れ、h2が0.20、h3が0.60とh4が0.40
であるから、アクセル量Yは24°程度と決定される。
【0022】なお、h2〜h4の中の小さな適合度しか
与えないルール2を無視し、2つの大きな適合度を与え
るルール3と4に注目し、30°と10°がh3(=
0.6)とh4(=0.4)の比率で配分されるとして
内挿計算を行なって、アクセル量Yを求めると、22°
程度が適当であると求められるが、(15)式の場合と
余り変わらない。
【0023】以上の例から、ファジィ推論の本質は事実
情報の多クラスへの分類と、各クラスへの帰属度の出力
と、それらを使ったルールへの適合度を計算するファジ
ィロジック処理と、ルール別に用意された制御量を適合
度に応じて配合するデファジィ処理(内挿)にあると言
える。これによって、知識記述のためのルール数が無限
に発散することを回避でき、可能性のある処理手順を全
部用意しないで、バラエティに富んだ処理手順を実現で
きる。
【0024】しかし、従来のファジィ論理プロセッサで
は、前件部での照合の論理条件が複雑になるとルールメ
モリの出力するグレード値のmin.やmax.を含む
ファジィ論理処理で適合度を計算することが難しくなる
問題があった。また、ルール数が多くなると、制御量の
メンバシップ関数が多数になるので、重心計算が複雑に
なる問題もあった。
【0025】第1の問題は、ルール毎で論理条件が異な
ると、適合度を計算するファジィロジック回路が実現し
難く、専用化すると、変更が容易でないことから来てい
る。第2の問題は、制御量を決めるルールの推移に順序
論理があることを考慮しないで、事実情報を全ルールと
照合し、しかも制御量の内挿に複雑な積分計算を使用し
ていることによる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】すでに述べたように、
従来のファジィ推論プロセッサは、変数が多く、論理条
件が複雑なるときに、min.やmax.の演算をどの
ような順序で使用し、その結果をどこに貯わえるかを決
めるマイクロプログラムが複雑となる問題や、制御量の
メンバシップ関数が多いときに、デファジィ処理による
重心の計算における計算量が多すぎて、処理速度が低下
するという問題があった。
【0027】したがって、本発明の目的は、事実情報の
if−thenルールへの適合度を事実情報に変化が起
る都度、プログラマブルなファジィ論理演算回路を使っ
て適合度を計算する技術を提供することと、最適な制御
量を内挿する際に、ルールの選択を決定する適合度の大
きな部分の状態図を考慮して、適合度の高い2〜4対の
ルールに対応した制御量だけを内挿する技術を提供する
ことにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決するために次の手段を提供する。 (1)if−thenルールをメンバシップ関数と残り
の部分とに分けて貯える第1と第2のルール記憶手段
と、事実情報走査入力手段と、事実情報の変化した時に
事実情報とルールとの照合を行なう適合度計算手段と、
隣接する対ルールの適合度の和を計算し、比較を行なう
対和最大値検出手段と、最大値を与えるルールアドレス
群の後件部が示す基準制御量と該当ルールに対応する適
合度を使って制御量の内挿を行なう制御量決定手段と、
制御量の計算に関与するルールアドレス群を記憶する状
態推移監視手段とを備えることを特徴とするファジィ制
御のためのファジィ推論プロセッサ。
【0029】(2)第1ルール記憶手段が、局面別のク
ラスとグレード値と事実情報の該当位置を示すマークビ
ットを記憶し、クラスとマークビットで検索され、グレ
ード値を出力できるメモリであることと、第2ルール記
憶手段が、ルール別に論理条件と基準制御量とルールへ
の適合度を記憶するメモリであることと、適合度計算手
段が、状態推移監視手段の指示するルールアドレスでア
クセスされた時に第2ルール記憶手段の出力する論理条
件に対して、第1ルール記憶手段が出力するグレード値
を処理するファジィ論理演算回路であることと、状態推
移監視手段が、適合度の対和最大値を与えるアドレスと
その周囲アドレスをマークビットで記憶するシフトレジ
スタとその位置を指示する優先権エンコーダであること
を特徴とする上記(1)に記載のファジィ制御のための
ファジィ推論プロセッサ。
【0030】
【実施例】図1〜図5は、本発明の第1の実施例の説明
図である。このシステムは、大きくは、入力スイッチ回
路110と、第1ルールメモリ120と、第2ルールメ
モリ130と、適合度計算回路140と、状態推移監視
回路150と、対和最大値検出回路160と、内挿を行
なう最適制御量計算回路170と、タイミングパルスを
発生しシステムを制御するタイミングパルス発生回路1
80とに分けられる。この他、メモリ部へ初期値を設定
するために、ホストコンピュータとこのシステムとホス
トコンピュータ間のインタフェース回路が必要である
が、両方とも省略されている。以下では、構成要素の簡
単な説明を先に行なう。
【0031】まず、入力スイッチ回路110は、タイミ
ングパルス発生回路180内にあってクロック信号を計
数するアドレスカウンタによって制御され、外部から与
えられる複数個の観測データを走査し、順次に選択され
た観測データを第1ルールメモリ120に入力する。
【0032】次に、第1ルールメモリ120は入力され
た観測データに対し、それが属するクラスコードと、そ
のクラスへの帰属度のグレード値を出力するように、予
め入力データ全てに対してms関数(クラスコードとグ
レード値)を記憶する。
【0033】第2のルールメモリ130は、ルールへの
適合度を計算するための論理条件式と、適合した場合に
対応した基準制御量を記憶する。ルールアドレスを指定
すると、論理条件式や基準制御量を出力する。
【0034】適合度計算回路140は第2ルールメモリ
130の指示する論理条件式に従って第1ルールメモリ
120から出力されるグレード値のファジィ論理演算処
理を行ない、ルール別に適合度を計算する。
【0035】状態推移監視回路150は、全ルールに対
する適合度を計算しなくて済むように論理条件式を記憶
する第2ルールメモリ130をアクセスする範囲を限定
する。すなわち、以前の制御量の最適化に使われたルー
ルとその周りのルールに対して適合度を計算するための
ルールアドレスのみを発生するマークビットを記憶す
る。
【0036】対和最大値検出回路160は適合度の大き
そうなルールとその周りのルールを選び出す。そのため
に適合度を計算し、隣り合うルールの適合度の和を順次
に計算し、最も大きい組み合せのルール対を見つけ出
す。出力は適合度対和最大値を与えるルールを第2ルー
ルメモリ130から読み出すためのアドレス対である。
【0037】最適制御量計算回路170は、対和最大値
検出回路160の出力に従って第2ルールメモリ130
から読み出された適合度と基準制御量を使って、内挿計
算を行ない、最適制御量を計算する。
【0038】タイミングパルス発生(TPG)回路18
0は、クロック信号を計数するカウンタとカウンタの指
定するアドレスと動作要求の指定するアドレスに対応さ
せて各種タイミングパルスパターンを記憶するパターン
メモリ(RAMやPROMなど)を含み、指定順序で各
種タイミングパルスパターンの組み合せを出力する。
【0039】図1のシステム構成の特徴は、入力データ
や、制御要求または制御目標に変化がなければ、出力が
変化しないように制御するタイミングパルス発生と、観
測データに対するms関数が制御要求や制御目標によっ
て切り替わるルールの記憶と、全ルールに対して適合度
を計算しないで、最適制御量の計算に必要なルールの周
りの適合度を計算するようにルールアドレスの推移の監
視とにある。
【0040】まず、入力データを検出するために、第1
ルールメモリ120に入力されたデータ位置に“1”の
マークビットを書込む。したがって、入力データに変化
がないと、第1ルールメモリ120から“1”のマーク
ビットが検出される。その場合、タイミングパルス発生
回路180は、第2ルールメモリ130、適合度計算回
路140、対和最大値検出回路160、最適制御量計算
手段170などが動作しないように、タイミングパルス
パターンの発生を停止する。
【0041】入力された観測データに変化が生じると、
第1ルールメモリ120から読み出されるマークビット
が“1”でなく、“0”になる。その時から、タイミン
グパルス発生回路180が第2ルールメモリ130以降
の回路を動作させるようにタイミングパルスパターンの
発生を開始する。それと共に、第1ルールメモリ120
では、旧のマークビット位置(全入力データに対応した
部分)が“0”にリセットされ、新しい入力データに対
応するマークビット位置に“1”が書き込まれる。
【0042】次に、第1ルールメモリ120の記憶する
ms関数(クラスコードとグレード値)とマークビット
は、制御の要求や目標などの局面が変わる都度、切り変
えられる。マークビットは局面が切り替わるときと、同
じ局面で観測データが変化するときに自動的にチェック
される。変化があるとマークビット部分だけが書き換え
られる。
【0043】書き換えられたマークビットとクラスコー
ドを使って適合度の計算に必要なグレード値を高速に読
み出せるには、クラスコードとマークビットを内容検索
可能なメモリCAM122に貯える必要がある。マッチ
したクラスコードに対応したグレード値はランダムアク
セスメモリRAM124に貯えられればよい。
【0044】ms関数のグレード値は予め第1ルールメ
モリ120に登録されるとする。グレード値は、8ビッ
トで表現されると、256レベルに及ぶが、1以下の小
数点に変換しなくてよい。制御量の計算では適合度の比
が使われるので最後まで256で割る必要がない。
【0045】観測データがCAM122とRAM124
のアドレス端子側に与えられると、CAM122からは
各データに対して、そのデータの属するクラスコード1
組とマーカビットが出力され、RAM124からは同じ
1組のクラスへの帰属度を示すグレード値が出力され
る。そのためには、入力データがアドレス端子に与えら
れ、各アドレスに1組のクラスコードと1組のグレード
値が書込まれる。1組は2個以上を意味し、ms関数の
設定の仕方によって変わる。
【0046】マーカビットは、CAM122の端の1列
であって、アドレス端子側からデータが与えられた時に
ビット側から“1”を与えると、書込まれる。観測デー
タに変化があると、その都度、マーカビット部分をクリ
ヤ(“1”にマッチする番地のマーカビットを“0”に
書き換える並列書込み)にして、観測データを再走査
し、各データに対し、マーカビット“1”の書込みを行
なう。
【0047】このようにマーカビットを書込んでおく
と、マーカビット“1”と1組のクラスコードで内容検
索を行なったときに、該当するクラスへの帰属度(グレ
ード値)が1組だけ選択されて読み出される。1組のク
ラスコードの中の1つだけを入力して残りをマスクして
検索を行なうとクラス別にグレード値が出力される。
【0048】局面によって入力データに対して出力され
るクラスコードやグレード値を切り変えるには、選択的
連想メモリを利用することが便利であり、実例がUSP
4958377に記載されている。そこでは、通常のR
AMのアドレス端子とデータ端子を逆にして実現した連
想メモリを選択的駆動して、メモリマトリクス以外の周
辺回路を共通化し、集積度を高めている。検索のデータ
が全記憶データと一斉に比較されない点で、汎用の連想
メモリより性能が低いが、1組のクラスコードをクラス
コード別に選択的に検索出来るメリットがある。
【0049】第3の特徴は、小刻みに最適制御量を計算
する時に使われるルール群がクロック毎でそれほど大き
く急変しないことに着目して計算量の削減を狙った点に
ある。前回の制御量修正時に求めたルール群の中の最大
適合度対を与えるルールアドレス群が、入力データに変
化があった後、どう変わるかを監視し、変化があれば、
変化後の最大適合度対を与えるルールアドレス群を状態
推移監視回路150に記憶しておく。この回路から求ま
るルールアドレス群によって第2ルールメモリ130か
ら論理条件式を順次に呼出し、第1ルールメモリと適合
度計算回路140に与え、ルール別の適合度を順次に出
力させる。
【0050】第2のルールメモリ130の中心は後件部
を記憶するRAM132であって、各ルールに対応した
選択の論理条件と基準制御量を記憶する。このRAM1
32のアドレス端子側にルールアドレスコードを与える
と、各ルールに割り当てられた照合の論理条件のコード
列が読み出される。論理条件はクラスコードとそのクラ
スへ帰属するグレード値に対する論値演算命令コード
(“min”、“max”を“1”、“0”とする)と
から成る。RAM134はルールへの適合度の計算結果
を格納する部分である。
【0051】状態推移監視回路150は、現在の制御量
がどのルールから内挿されたかを示す。そのためにルー
ルアドレス群をマークビット列でシフトレジスタ152
に貯える。出力クロック信号を与えるとマークビット列
の各ビット位置に対応したルールアドレスが優先権エン
コーダ154から順次に出力される。ルールアドレスを
大きい方又は小さい方から順に出力する優先権エンコー
ダ154は通常エンコーダ158の前にマンチェスタチ
ェイン回路156を挿入したものである。
【0052】シフトレジスタ152は最大適合度対を与
えるルールとその周辺のルール、すなわち、現在の制御
量の計算に使われたルール対とその周辺ルールに対応す
る位置に“1”を記憶し、残りは全て“0”としてい
る。シフトレジスタ152への“1”の書込み個数は内
挿の1対の値の両側を考えて最低3個であり、4個が普
通である。多い方が変化の激しい環境への適応性が良い
と想像されるが、多すぎては、計算時間がかかるように
なり、即応性が悪くなる。高々、8個程度までである。
【0053】ルールが制御量の変化に対応して番号付け
されているとすると、シフトレジスタ上の“1”の配列
の中心が最大の適合度を与えるルールアドレスに該当す
る。最大適合度を与えるルールアドレスが変化すると、
“1”の配列がシフトクロックによって上下に並行移動
する。上下のシフト制御の詳細は後で説明される。
【0054】エンコーダ158の出力するルールアドレ
スをRAM132に入力すると、クラスコードと演算命
令コードからなる論理条件のコード列がRAM132か
ら出力される。それを第1ルールメモリ122のCAM
122に“1”のマークビットと共に与えると、クライ
コードが各クラスへの帰属度を示すグレード値に変換さ
れ、適合度計算回路140に入力される。適合度は求ま
り次第、RAM136に書込まれ、基準制御量と共に最
適制御量の計算のために使われる。
【0055】適合度計算回路140は図2に示されるよ
うに、第2のルールメモリ130の出力する論理条件の
コード列を解読し、コード列の中の演算命令コードと共
に、RAM124から読み出されるグレード値を順次に
処理する。中心は演算命令コードによって処理機能の変
化する2入力のmin,max演算を行なうファジィ論
理演算回路142と、グレード値に対する処理結果を一
時記憶する第1と第2のレジスタ144、146であ
る。その他に、論理演算回路142の機能(minかm
axか)を変えるローカル制御回路148と、それによ
って論理演算回路142とレジスタ144や146との
間の接続が切り替えられるスイッチ143、145、1
47の3個挿入されている。
【0056】図2の処理機能をさらに詳しく説明すると
以下のようになる。まず、論理演算回路142で計算さ
れたmin演算結果はスイッチ143を介して第1レジ
スタ144にセットされ、max演算結果もスイッチ1
43を介してレジスタ146に貯えられるとする。どち
らのレジスタの内容も、論理演算回路1421の入力側
にフィードバックされている。行き先がスイッチ14
5、147によって異なる。出力は第2のレジスタに残
される。なお、論理条件は、クラスコードの後に∧(m
in)か∧∨(max)が並んだものであり、∧は∨よ
り優先されるとする。たとえば、 (X1∧X2∧∨X3∧X4∧∨) (16) が論理条件式である場合、先頭の(で、第1レジスタ1
44と第2レジスタ146がオール“1”(最大)とオ
ール“0”(最小)にセットされる。故に、論理演算回
路142にはスイッチ145を介し第1レジスタ144
の内容(最大値)が設定されているため、先頭のX1が
来て∧が与えられると、X1が最大値より小さいと判断
され、第1レジスタ144にセットされる。その結果は
スイッチ145を介して直ちに論理演算回路142に戻
されるため、次のX2と∧が来ると、X2はX1と比較
され、min.が第1レジスタ144に貯えられる。
【0057】その後で∨が来ると、スイッチ145、1
47が共に切り替わり、第1レジスタ144の内容が第
2レジスタ146の内容と比較され、maxが第2レジ
スタ146に残る。スイッチ147は、ローカル制御回
路148によって直ちに元にもどされる。その際、第1
レジスタ144がオール“1”にリセットされる。
【0058】次に、X3と∧が来ると、X3は第1レジ
スタ144の内容(リセット後は最大値)と比較され、
min(この場合はX3)が第1レジスタ144にセッ
トされる。次に、X4と∧が来ると、X4が第1レジス
タ144の内容(X3)と比較され、minが第1レジ
スタ144に残る。最後に来る∨で、再度、スイッチ1
45と147が切り替わり、第1レジスタ144と第2
レジスタ146の内容の比較が起り、maxが第2レジ
スタ146に残る。
【0059】第2レジスタ146の内容はmax{mi
n(X1,X2),min(X3,X4)}の論理演算
結果(ルールへの適合度)であり、スイッチが元に戻っ
ても変化しない。最後に)が来ると、第2レジスタ14
6の内容が第2ルールメモリりのRAM136に書込ま
れる。次に来る論理条件式の(が与えられる(リセット
される)まで、この値はこのレジスタ146に保持され
る。
【0060】この適合度計算回路140の出力する計算
結果はルール別でRAM136に書込まれるが、それと
同時に、対和最大値検出回路160にも入力される。そ
こで、図3を用いて、対和最大値検出回路160の処理
機能を以下で説明する。
【0061】図3における対和最大値検出回路160
は、適合度の和の大きい1組のルールを見つけると共
に、最大値を与えるルールアドレスの変化を検出する。
そのために、レジスタ161、162と加算器163と
加算結果のバッファレジスタ164と、最大を見つける
ための比較器165と比較結果を保持する1対のフリッ
プフロップFF1653、1655と、新旧2つのルー
ルアドレスを貯えるレジスタ166、167とそれらの
比較を行なうアドレス比較器168とアドレス比較結果
を保持するレジスタ1675と、2ビッのANDゲート
1690、1695を備えている。
【0062】適合度計算回路140から出力される適合
度はレジスタ161に設定され、次の適合度の入力の時
にレジスタ162に移される。それによって、各適合度
が1つ前に読み出される適合度と加算器163で加算さ
れる。加算結果は絶えずバッファレジスタ164の内容
と比較器165において比較され、>端子の出力する
“1”により、バッファレジスタ164の値を超えた加
算結果がバッファレジスタ164にセットされる。その
時の>端子出力信号で、適合度の和を与えたルールアド
レスがレジスタ166に保持され、アドレスレジスタ1
67にある以前のルールアドレスと比較器168で比較
される。比較結果はEND信号が来るまでレジスタ16
75に保持される。
【0063】比較器165の>端子の出力結果が“1”
になると、“1”がフリップフロップFF1653に保
持される。その後で、バッファレジスタ164の値より
低い適合度の和が加算器163から与えられると、比較
器165の<端子から出力される出力信号“1”によっ
てFF1653の内容(“1”)がFF1655に移さ
れる。このFF1655の内容がANDゲート1690
を制御する。したがって、FF1655の内容が“1”
の時に、比較器168の出力がレジスタ1675にセッ
トされ、END信号の後、ANDゲート1695を通過
して状態推移監視回路150に送られる。
【0064】END信号は適合度の計算結果の対和最大
値検出回路160への入力が終わると与えられる。の信
号によりレジスタ166の内容がレジスタ167に移さ
れ、その後、レジスタ161、162、164、16
6、FF1653、FF1655の内容が“0”にリセ
ットされる。
【0065】対和最大値検出回路160でゲート169
5から出力されるシフトUD(Up/Down)信号
は、2ビットであり、“00”か“10”か“01”で
ある。これらはシフトレジスタ155でのルールアドレ
ス位置を示すマークビット列の上下移動の制御に使われ
る。一例としては“00”を移動無し、“10”を上ま
たは右へ移動、“01”を下または左へ移動の命令とす
ることができる。
【0066】最適制御量計算回路170は、図4に示さ
れるように、浮動小数点の演算機能を持つマイクロプロ
セッサALU172とプログラムメモリ174によって
実現される。すなわち、ルールアドレスを使ってRAM
136から読み出された適合度hと基準制御量Cは、そ
れより1つ前または後のルールアドレスによってRAM
136から読み出される適合度h′と基準制御量C′と
共に入力ポート171と173を介してALU172に
送られる。最適制御量Yの近時的内挿計算手順は以下の
式で説明される。 Y={hC+h′C′}/(h×h′) (17)
【0067】制御量計算手段170はマイクロプログラ
ムメモリ174から読み出されるインストラクションに
従って動作し、対和最大値検出回路160で検出された
ルールアドレスa1とa2(レジスタ167の内容)を
RAM136とRAM134のアドレス端子に与え、R
AM136とRAM136から、それぞれ、適合度hと
h′、基準制御量CとC′を呼び出す。
【0068】ALU172は、始めに入力ポート171
と173からhとCを、次にh′とC′を受け付ける。
ALU172でhとCの積を求めたら、積を第1出力ポ
ート176に置き、hを第2出力ポート177に置く。
次にh′とC′が入力されると、h′を先に第2出力ポ
ート177に加算し、その後、h′とC′の積を求め、
その積を出力ポート176の内容を第3出力ポートに保
持し、その後で、第1出力ポート176の内容(=h
C)に累積加算(積和演算)する。
【0069】以上で、第1出力ポート176に(9)式
の分子が、第2出力ポート177に分母が残される。こ
の後で、ALU172を使い、第1出力ポート176の
内容を第2出力ポート177の内容で割る。その結果を
第3出力ポート178に格納する。この出力ポート17
8の内容が最適制御量Yに対応する。
【0070】タイミングパルス発生回路180は、図5
に示すように、ファジイ推論の4つの動作期間に合わせ
たタイミングパルスルパターンを発生する。そのために
は、タイミングパルスパターンを記憶するPROM、R
AMなどのパターンメモリ183とその出力で計数開始
アドレスが変更されるアドレスカウンタ181とアドレ
スレジスタ182を含んだものとなる。勿論、アドレス
カウンタ181は外部から与えられるクロック信号を計
数する。出力のタイミングパルスパターンはPGゲート
185で制御される。第1ルールメモリ120の出力す
るマークビットで、タイミングパルスの発生が制御され
るのもこのゲート185による。
【0071】この他にタイミングパルス発生回路180
は第1ルールメモリ120と第2ルールメモリ130の
アドレスの上位ビットを与える局面レジスタ186を含
む。このレジスタ186は制御要求や制御目標を保持す
る部分であり、これが変化すると、入力スイッチ110
が受け付ける観測データの種類が変化する。それは第1
ルールメモリ120で識別される。
【0072】たとえば、速度目標が95km/hのとき
の各速度データに対するグレード値と40km/hの時
の各速度に対するグレード値は全く異なる。50km/
hがかなり低いクラスに分類されるか、やや高いクラス
に分類されるかが、制御目標などの局面コードを保持す
る局面レジスタ186の内容で変わる。もちろん、第1
ルールメモリ120へのクラス別ms関数は、予め、局
面毎に順次に書込まれている必要がある。
【0073】図7は制御量を決めるルールアドレス群の
状態図である。ルールアドレス群の状態図を採用する理
由は、制御量の変化にあわせてルールを作って行けば、
ルールが突然に大きく変化しないで、順番に変わって行
くことに着目したことによる。これを使うことにより、
最も適合度の高くなるルールアドレスの周りを中心に適
合度を算出すると、計算量が減る。
【0074】この図7(a)において、最上段310は
シフトレジスタ152の内容を示し、その下320はそ
の位置アドレスに対応したルールへの適合度を示す。さ
らにその下のノード列330は対和適合度の最大となる
位置を示す状態図になっている。ここに、四角ノード番
号hiとhi+1はルール番号iとi+1への適合度を
示し、その間に挿入された丸ノード番号iが対和適合度
(hi+hi+1)の最大値を与えたルール番号であ
る。また、シフトレジスタ152には、対和最大値を与
える四角ノードに対応した位置の右側に2個、左側に1
個の“1”を貯えるものとしている。“1”に対応する
部分でのみ適合度が計算される。従って、丸ノードにつ
いてはi−1、i、i+1番において適合度の対和が計
算されている。図7(b)は丸ノードが3つだけの場合
を示す。
【0075】たとえば、図6の例において、乗員数が2
で、速度だけが90から94km/hに変わった時のル
ール1、2、3と4への適合度は速度90km/sのと
きは、0.0、0.2、1.0、0.0であり、速度が
94km/sのときに0.0、0.2、0.6、0.4
になる。対和は、速度90km/sのとき0.2、0
1.2、1.0であり、速度が94km/sになったと
きに0.2、0.8、1.0になる。
【0076】従って、図7(b)で言えば、始めの状態
は、2番目の丸ノード2にあり、後の状態は3番目の丸
ノード3に推移する。このような推移の前後で、最適制
御量Yがどのように変化するかを考える。
【0077】まず、図6で、各ルールに割り当てていた
基準アクセル量70°、50°、30°、10°がRA
M134から読み出されることを思い出して、(17)
に示した簡易的な計算式を使うと、
【0078】速度90km/sのときは、状態が図7
(b)の2番目丸ノードにあるので、 Y=(0.2×50°+1.0×30°)/(0.2+1.0)=33.3° (18) 速度が94km/sのときに、状態が3番目丸ノードに
あるので、 Y=(0.6×30°+0.4×10°)/(0.6+0.4)=22.0° (19) となる。このことは、90km/sの速度のときには少
し高めの速度を維持するためにアクセルを普通近くに踏
むが、速度が94km/sに上がればアクセルは軽くみ
踏むか、踏む量を減らして行くことを意味する。22.
0°に対し33.3°はやや大きい感じがするが、ほぼ
妥当な推論であるとわかる。
【0079】なお、(17)式の代りに、最大の適合度
を与えるルールとその周りのルールに対する適合度を最
適制御量Yの計算に利用することを考えると、計算はも
っと正確になる。すなわち、図7の例では、シフトレジ
スタ152での“1”の個数が4個であったから、Yは Y=hi-1Ci-1+…+hi+2Ci+2/(hi-1+…+hi+2) (20) から計算される。この場合、最適制御量計算回路160
での計算回数がやや増えるが、たかだか2倍である。速
度90km/sの時のアクセル角は33.3°のままで
あるが、速度94km/sの時のアクセル量が少し変わ
り、26.7°となる。推論結果がさらに妥当な値であ
ると感じられる。
【0080】このような制御量の最適化は制御量の離散
的分布と個々の制御量の生起確率に基づいた期待値の計
算に対応する。ルール数の最大値をnとすると、iは1
〜nとすべきである。nが数10に及んでも、hが小さ
いので、(20)式が近似計算式として使われる。
【0081】このように、現在の制御量がどのルールを
使って決められているかをトレースする状態図の導入に
よって、最適制御量の計算量が大幅に削減される。この
結果、ファジィ制御に必要なファジィロジック推論のハ
ードウェアが簡略化される。さらに、制御量の変化が滑
らかになる。また、ルールが追加されて多くなっても、
計算量は増えない。
【0082】たとえば、第1のルールメモリは数値デー
タに対してクラスコードを記憶する連想メモリCAM1
22を使うが、数値データのレベルを8ビット(256
値)、属性を4ビット(16種類)、クラスコード対を
8×2(=16)ビットとすると、メモリ容量が256
×16×16=64Kビットとなる。現在すでにこのレ
ベルの記憶容量を1チップに収容するCAMが実在す
る。
【0083】このCAMにつながるRAMの記憶容量
は、グレードを8ビットとし、属性数16とデータレベ
ル数を256とすると、その積は32Kビットであり、
これも1チップのSRAMで実現される。
【0084】第2ルールメモリにおいては、RAM13
2はルール数を4096個とし、条件式の長さを8ビッ
トのクラスコード128個分以下として、4Mビットで
済む。また、RAM136はRAM132と同じアドレ
ス数に対し、基準制御量のレベルと適合度のレベルをそ
れぞれ8ビットと8ビットとして、メモリ容量は64K
ビットに過ぎない。状態推移監視回路150におけるシ
フトレジスタ152はルール数を4096としても、4
096×1ビットであり、十分に小容量である。
【0085】適合度を計算するためにminやmaxを
実行するファジィ論理演算回路140は、従来は高速化
を行なうために多数個を使用してきたが、本発明では1
組で済む。グレードが8ビットであると、最小値や最大
値の計算は8ビットの減算と極性判別とデータの切り替
えを行なうマイクロプロセッサ1チップ分を必要とする
が、これが1個で済む。優先権付きエンコーダ154は
12ビット分であり、シフトレジスタ152の2〜3倍
のハードウェア量で実現できる。
【0086】対和最大値検出回路160や、最適制御量
の内挿計算回路170は、いずれも、マイクロプロセッ
サ1チップづつで容易に実現される。従って、以上のハ
ードウェアを1ボード上にまとめると、A4サイズに収
まる。従って、ファジィ推論プロセッサ部分は、汎用の
FAコンピュータを組み込んだ制御システムにおいて
は、全体が1つに小さくまとまる。
【0087】
【発明の効果】図8は、処理時間の内訳の説明図であ
る。処理時間が、入力データの変化の検出期間(第1期
間)と、新入力データに対するグレード登録期間(第2
期間)と、ルール別適合計算(ファジィ推論演算)期間
(第3期間)と、最適制御量計算期間(第4期間)から
成ることを示す。
【0088】第1期間では、入力データの変化を検出す
るため、入力データクロック410を使って16種の観
測データを走査し、順次に受け付け、第1ルールメモリ
120のCAM122、126のアドレス端子に与え、
CAM126のマークビットを読みだす。読み出された
マークビット信号415が全て“1”であれば、変化は
ないと判定され、第2期間への制御の進展は起らない。
【0089】マークビット信号415が途中で“0”
(High)になると、入力データに変化があったと判
断され、次の第2期間へ制御が移る。走査期間は100
nsサイクルで16データに対し、1.6μsである。
【0090】第2期間では、まず、CAM126の中の
“1”になっていた全マークビットを“0”にクリヤす
る並列書込み(Parallel Write)信号4
20がCAM126に与えられる。この信号は“1”の
記憶された番地のデータを一斉に“0”に書き換える。
次に、マークビット信号415の“1”を16種の観測
データマークビットが指定する番地へ書込む。その時間
は100nsのサイクルタイムで1.6μsにすぎな
い。このようなマークビット書込みが終わると、第3期
間へ制御が移る。
【0091】第3期間では、状態推移監視回路150か
ら出力されるルールアドレス信号1によって第2ルール
メモリ130からルール別に論理条件式のコード列43
0が読み出される。コード列430の中のクラスコード
は第1ルールメモリのCAM122と126とRAM1
24によってグレード値列432に変換され、適合度計
算回路140に送られる。そこで、ファジィ論理演算処
理が行なわれ、演算結果である適合度計算結果434が
ルール別に順次に出力され、同時に第2ルールメモリ1
30のRAM136に書込まれる。
【0092】この期間でのルール当りのファジィ推論時
間は、論理条件式が32コード長になっても、25ns
クロックで、25ns×32=8μsである。この時間
内にRAM124から32コードが読み出され、パイプ
ライン式で、計算された適合度がRAM136へ書込ま
れる。ルール数を4とすると、この処理が(4+1)回
行なわれるので、トータル処理時間は5×8μs=40
μsとなる。
【0093】第4期間では、RAM136の中の適合度
計算結果が状態推移監視回路150から与えられるルー
ルアドレスによって順次に読み出され、最適制御量計算
回路160に送られる。この時間は、4ルール分の適合
度440を積和計算しながら100nsサイクルで読み
出す時間であって、3.2μs×4=12.8μsとな
る。この時間内に、適合度の加算や、適合度と基準制御
量の積和計算が行なわれる。最後に割算が行なわれるが
それは、1μs以下である。小計が13.8μs以下と
見積もられる。
【0094】ここに、第1期間と第2期間に要した時間
2×1.6μsと、第3期間に要した時間40μsと、
第4期間に要した時間13.8μsを合計すると57.
0μsとなる。
【0095】第3期間までは次の入力データを受け付け
出来ないが、第4期間には、並行して観測データのデー
タを受け付けて行けるので、パイプライン処理方式を採
用できる。すなわち、観測データの変化が激しい時に
は、ファジィ推論処理の第4期間から第1、第2の期間
の処理時間3.2μsを除外できる。このことは平均処
理時間を54.0μsに減らせることを意味する。従っ
て、毎秒の処理速度は約18.5kc/sとなる。車の
速度制御には十分すぎる高さである。
【0096】以上に述べたように、本発明によれば、推
論のルール数が4千個に及んでも、測定データの種類が
16に及んでも、限定されたルールに対してしか適合度
を計算しないし、また、入力データに変化のあるときに
しか、第2期間以降の処理を行なわないため、ファジィ
推論の並列演算処理を行なわないで、十分に高速なファ
ジィ推論処理を実現できる。また、このような処理方式
の採用によって、ファジィ推論演算のハードウェア量を
減らし、トータルのハードウェアサイズを1ボード以下
に収めることができるようになる。したがって、従来の
ように、ルール数に応じて並列ファジィ推論処理が増え
るという問題は容易に解決される。
【0097】なお、実施例の説明においては、自動車の
速度制御を取り上げ、アクセス量の推論処理に際し、ク
ラッチやハンドルなどの制御や加速度の測定結果を無視
しているが、説明を容易にするために取り上げられただ
けであって、以上の記述はなんら特許請求の範囲を制限
するものでないことは明かである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるファジィ推論プロセッ
サの構成を示す図である。
【図2】図1のプロセッサにおける適合度計算回路14
0の詳細構成を示す図である。
【図3】図1のプロセッサにおける対和最大値検出回路
160の詳細構成を示す図である。
【図4】図1のプロセッサにおける最適制御量計算回路
170の詳細構成を示す図である。
【図5】図1のプロセッサにおけるタイミングパルス発
生回路180の詳細構成を示す図である。
【図6】ファジィ推論によるファジィ制御の説明図であ
る。
【図7】制御量の決定に関与するルールアドレス群の状
態図である。
【図8】処理時間の内訳の説明図である。
【符号の説明】
110 入力スイッチ回路 120 第1ルールメモリ 122 クラスコードCAM 126 マークビットCAM 124 クレード値RAM 130 第2ルールメモリ 132 論理条件RAM 134 制御量RAM 136 適合度RAM 140 適合度計算回路 142 論理演算回路 144,146 レジスタ 143,145,147 スイッチ 148 ローカル制御回路 150 状態推移監視回路 152 シフトレジスタ 154 優先権エンコーダ 156 マンチェスタチェイン回路 158 通常エンコーダ158 160 対和最大値検出回路 170 最適制御量計算手段 171,173 入力ポート 172 ALU172 174 マイクロプログラムメモリ 176〜177 出力ポート 180 タイミングパルス発生回路 181 アドレスカウンタ 182 アドレスレジスタ 183 パターンメモリ 185 パルス発生ゲート 186 局面レジスタ 201 グレード軸 202 速度軸 203 乗員数軸 204 アクセル量(Y)軸 310 シフトレジスタ152の内容(マークド・ル
ールアドレス位置)の一例 320 RAM136に記載されたルール別適合度
(i−1〜i+2まで)の状況 330 適合度の大きいルールアドレス位置を示す状
態図 410 入力データクロック 415 マークビット信号 420 並列書込み信号 430 ルールアドレス信号 432 メモリからのグレード値の読み出し信号 434 適合度計算結果 440 最適制御量計算

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 if−thenルールをメンバシップ関
    数と残りの部分とに分けて貯える第1と第2のルール記
    憶手段と、事実情報走査入力手段と、事実情報の変化し
    た時に事実情報とルールとの照合を行なう適合度計算手
    段と、隣接する対ルールの適合度の和を計算し、比較を
    行なう対和最大値検出手段と、最大値を与えるルールア
    ドレス群の後件部が示す基準制御量と該当ルールに対応
    する適合度を使って制御量の内挿を行なう制御量決定手
    段と、制御量の計算に関与するルールアドレス群を記憶
    する状態推移監視手段とを備えることを特徴とするファ
    ジィ制御のためのファジィ推論プロセッサ。
  2. 【請求項2】 第1ルール記憶手段が、局面別のクラス
    とグレード値と事実情報の該当位置を示すマークビット
    を記憶し、クラスとマークビットで検索され、グレード
    値を出力できるメモリであることと、第2ルール記憶手
    段が、ルール別に論理条件と基準制御量とルールへの適
    合度を記憶するメモリであることと、適合度計算手段
    が、状態推移監視手段の指示するルールアドレスでアク
    セスされた時に第2ルール記憶手段の出力する論理条件
    に対して、第1ルール記憶手段が出力するグレード値を
    処理するファジィ論理演算回路であることと、状態推移
    監視手段が、適合度の対和最大値を与えるアドレスとそ
    の周囲アドレスをマークビットで記憶するシフトレジス
    タとその位置を指示する優先権エンコーダであることを
    特徴とする請求項1に記載のファジィ制御のためのファ
    ジィ推論プロセッサ。
JP4345545A 1992-11-30 1992-11-30 ファジイ制御のためのファジイ推論プロセッサ Pending JPH06168134A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4345545A JPH06168134A (ja) 1992-11-30 1992-11-30 ファジイ制御のためのファジイ推論プロセッサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4345545A JPH06168134A (ja) 1992-11-30 1992-11-30 ファジイ制御のためのファジイ推論プロセッサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06168134A true JPH06168134A (ja) 1994-06-14

Family

ID=18377319

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4345545A Pending JPH06168134A (ja) 1992-11-30 1992-11-30 ファジイ制御のためのファジイ推論プロセッサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06168134A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100375251B1 (ko) * 1994-12-22 2003-06-09 모토로라 인코포레이티드 퍼지논리규칙을평가하는데이타처리시스템및그방법
JP2005537464A (ja) * 2002-07-19 2005-12-08 マイクロリス コーポレイション 流体フロー測定および比例流体フロー制御デバイス
CN116841804A (zh) * 2023-09-01 2023-10-03 中诚华隆计算机技术有限公司 一种基于chiplet的动态重配置方法和芯片

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100375251B1 (ko) * 1994-12-22 2003-06-09 모토로라 인코포레이티드 퍼지논리규칙을평가하는데이타처리시스템및그방법
JP2005537464A (ja) * 2002-07-19 2005-12-08 マイクロリス コーポレイション 流体フロー測定および比例流体フロー制御デバイス
US8155896B2 (en) 2002-07-19 2012-04-10 Entegris, Inc. Fluid flow measuring and proportional fluid flow control device
CN116841804A (zh) * 2023-09-01 2023-10-03 中诚华隆计算机技术有限公司 一种基于chiplet的动态重配置方法和芯片
CN116841804B (zh) * 2023-09-01 2023-11-17 中诚华隆计算机技术有限公司 一种基于chiplet的动态重配置方法和芯片

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Fukuda et al. An intelligent robotic system based on a fuzzy approach
US7636697B1 (en) Method and system for rapid evaluation of logical expressions
US5222197A (en) Rule invocation mechanism for inductive learning engine
US5673365A (en) Fuzzy microcontroller for complex nonlinear signal recognition
KR970001903B1 (ko) 인공 뉴런 및 인공 뉴런의 상태를 적응적으로 변경시키는 방법
Miyazaki et al. Learning deterministic policies in partially observable markov decision processes
LaValle et al. Game theory as a unifying structure for a variety of robot tasks
JPH06168134A (ja) ファジイ制御のためのファジイ推論プロセッサ
KR940000992A (ko) 디지탈데이타프로세서작동방법
Olmer et al. Evolving realtime behavioral modules for a robot with GP
Noborio A sufficient condition for designing a family of sensor-based deadlock-free path-planning algorithms
Chee et al. Fuzzy mobile robot navigation and sensor integration
Buermann et al. Multi-robot adversarial patrolling strategies via lattice paths
Waga et al. Dynamic shielding for reinforcement learning in black-box environments
Faria et al. Incorporating fuzzy logic to reinforcement learning [mobile robot navigation]
Angluin et al. Robot navigation with range queries
Izumi et al. Fuzzy behavior-based control for a miniature mobile robot
Branson et al. Incorporation, characterization, and conversion of negative rules into fuzzy inference systems
Cordón et al. A practical study on the implementation of fuzzy logic controllers
Wang et al. Learning to navigate for mobile robot with continual reinforcement learning
Denzinger et al. Automatic acquisition of search control knowledge from multiple proof attempts
CN113050648B (en) Robot obstacle avoidance method and system
Deng et al. Dynamic fuzzy Q-learning and control of mobile robots
Nurmaini et al. A new control architecture in mobile robot navigation based on IT2neuro-fuzzy controller
Takadama et al. Agent architecture based on an interactive self-reflection classifier system

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19991130