JPH0616114B2 - 地層検層におけるせん断波、圧縮波の速度計測方法及びその装置 - Google Patents

地層検層におけるせん断波、圧縮波の速度計測方法及びその装置

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JPH0616114B2
JPH0616114B2 JP63206077A JP20607788A JPH0616114B2 JP H0616114 B2 JPH0616114 B2 JP H0616114B2 JP 63206077 A JP63206077 A JP 63206077A JP 20607788 A JP20607788 A JP 20607788A JP H0616114 B2 JPH0616114 B2 JP H0616114B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、地盤内のせん断波及び圧縮波速度を正確に
測定し、地下の地質状況を調査する方法及びその装置に
係り、特に地盤の振動特性の評価、土木工学や岩盤力学
での土質、岩質の評価及び石油資源等の評価を正確に行
なえる地層検層におけるせん断波、圧縮波の速度計測方
法及びその装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、ボーリング孔での振源と受振器を一連のゾンデと
して組み込んだ圧縮波(P波)、せん断波(S波)の測
定装置として、音波検層機、漂遊型PS検層装置等があ
る。しかし、軟弱から硬岩の地盤において、P波、S波
を発振する方式あるいは受振の方式に限界があり、完全
にP波、S波を測定することは不可能であった。
従来の音波検層機の振源、受振器は、いずれも無指向性
であり、主としてP波対象としたものである。S波の初
動はP波の後に来るが、P波に妨害されて判読は困難で
ある。また未固結層や軟岩では、チューブ波とS波の判
別は不可能であり、事実上S波速度を求めることは不可
能である。
また、漂遊型PS検層機は、振源にソレノイド型振源、
受振に電磁型受振エレメントを用いて、振源と2つの受
振器を一連のゾンデとして組み込んだものである。振源
は電磁型で消費電流が大きく、発振の間隔が長くなる欠
陥がある。この検層機のS波速度の測定は1km/sec 程
度の地盤への適用は可能であるが、それ以上のS波速度
の地盤への適用は、理論的に困難なことが証明されてい
る。また、音波検層と同様にチューブ波の障害が除去で
きていない。振源はS波用振源、PS両用振源が開発さ
れているが、S波振源は、周波数が低く、振源力も弱く
硬い岩盤での使用はできない。PS両用振源は、振源力
は強くなっているが、発振時間が一定しない欠点があ
る。P波の発振としても体積膨張型の発振でないので、
P波用振源としては完全とはいいがたい。
一方、水が非圧縮性を無視できるのは、孔の直径dに対
し、音波の波長λが λ>10d であればよいとされる。d=10cmとすると、λ>10
0cmとなる。水の速度Cを1500m/sec として、周
波数に換算するとf<1500Hz以下で水は非圧縮性と
見なして孔壁と同じくゾンデが動くものと想定できる。
しかし、硬い地盤では、P波5〜20kHz、S波2〜1
0kHz程度の周波数でないと、高い高精度の速度値が得
られないので、従来の検層機では高い速度の地盤でのP
波、S波速度の測定は困難である。P波の受振は上下方
向の受振エレメントで行うがP波波動の向きに合致して
いないので、硬岩の場合感度が小さくなる。
一方、圧電セラミックを用いた発振器、受振器は一部に
おいて開発されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、P波、S波の振動性状に合せた発振方式でない
ため、発振方法として不完全である。また振源力は充分
なものではなく、周波数的にも単一周波数特性を有して
おり、広い周波数特性を有した理想的振源とは異なって
いる。受振器は、円盤バイモルフを用いたものはあるが
感度が小さく、実際上の測定は難しいものとなってい
る。
このように従来のものは、発振器、受振器とも音響イン
ピーダンス的な検討が不充分であり、発振器、受振器の
水と接する面積等について検討が不足しているため正確
な測定ができないという問題がある。
従来のP波、S波の検層機はS波のノーマル方向、S波
のリバース方向及びP波モードの測定を行っているが、
S波の測定において最も障害となるのはチューブ波の発
生であり、S波として発振したときにチューブ波の発生
状況を調べ、S波の波形との関連を調べなければならな
いため正確な測定ができないという問題がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、軟弱
地盤から硬岩地盤までの広範囲にわたって地層検層にお
いてボーリング孔内のS波、P波の速度を正確に計測で
きる計測方法及びその装置を提供することを目的として
いる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記の目的を達成するために、1つの発振器と
互いに一定の距離をへだてて設けられた2つの受振器を
有するゾンデを用いて地層検層におけるせん断波の速度
を計測する方法において、一対の矩形バイモルフ型圧電
セラミックからなる発振器によって一方向のせん断波を
発振し、該せん断波を一対の円筒型圧電セラミックから
なる前記一方の受振器によって受振し、該受振器の各円
筒型圧電セラミックの振動波形の差を求めて記録し、次
に前記発振器によって逆方向のせん断波を発振し、該せ
ん断波を前記と同様に受振器の各円筒型圧電セラミック
の振動波形の差を求めて記録し、上記2つの記録を用い
て位相の反転からせん断波の初動時間を計測し、さらに
他方の受振器においても同様にせん断波の初動時間を計
測し、前記2つの受振器のそれぞれの初動の時間差から
地層のせん断波速度を計測するとともに、前記1つの受
振器を用いて各円筒型圧電セラミックの振動波形の和を
求めて記録し、これを前記2つのせん断波形の記録波形
と比較することによってチューブ波の影響があるか否か
を判定することを特徴としている。
また、これらの計測方法に用いる発振器は円筒状発振器
本体の中央部外周をゴムチューブで覆って中空部を形成
し、該中空部内の上下方向に一対の導板を並設し、該一
対の導板それぞれの両面に上下2つづつの矩形バイモル
フ型圧電セラミックを貼着し、前記中空部にはオイルを
満たし、上記一対の圧電セラミックに種々の電圧をかけ
ることによって前記各バイモルフの屈曲により導板の中
央が屈曲されて円筒状発振器本体中央のゴムチューブが
変形させられることを特徴としており、受振器は円筒状
受振器本体の中央部外周をゴムチューブで覆った中に配
設した中央隔壁に互いに対向して2つのV型中空部を形
成し、該2つの中空部内の上下方向に円筒型圧電セラミ
ックを並設し、該2つの中空部内にはオイルを満たした
ことを特徴としている。
〔作用〕
次に、本発明の作用について説明する。
せん断波速度を計測する際には、一対の矩形バイモルフ
型圧電セラミックに電圧をかけて一方向に屈折させる発
振器によって音響インピーダンス的にも効率よく水に伝
播するように十分な面積を有し、周波数的にも広帯域な
発振周波数(1〜10kHz)の一方向のせん断波を発振
し、かつパルス状の発振波形となるように発振し、この
S波を互いに中央隔壁によって仕切られた一対の円筒型
圧電セラミックからなる前記一方の受振器によって受振
し、該受振器の各円筒型圧電セラミックの振動波形の差
を求め、これによってS波の初動観測に障害となるP
波、あるいはチューブ波を消去してS波を正確に記録で
き、次に前記発振器によって逆方向のS波を発振し、こ
のS波を前記と同様に受振器の各円筒型圧電セラミック
の振動波形の差を求めて同様に記録し、上記の2つの記
録を用いてそれらの位相を反転させてS波の初動時間を
正確に計測し、さらに他方の受振器においても同様にS
波の初動時間を計測し、前記2つの受振器は一定距離は
なれているからそれぞれの初動時間の時間差から地層の
せん断波速度を正確に計測する。
また、圧縮波速度を計測する際には、一対の矩形バイモ
ルフ型圧電セラミックに制御の電圧の極性を変えて互い
に反対方向に屈折させ対抗する圧縮波を発振し、このP
波を互いに中央隔壁によって仕切られた一対の円筒型圧
電セラミックからなる前記一方の受振器によって受振
し、該受振器の各円筒型圧電セラミックの振動波形の和
を求めて障害となるせん断的な振動を消去してP波だけ
を正確に記録し、他方の受振器によって同様に各円筒型
圧電セラミックの振動波形の和を求めて同様に記録し、
次に上記2つの記録を用いてそれぞれの初動時間を正確
に計測し、前記2つの受振器は一定距離はなれているか
らそれぞれの初動の時間差から地層の圧縮波速度を計測
する。P波の場合には2つの波形を和することにより同
位相の波を強調し、逆位相の波を消去することができ
る。
さらに、測定されたせん断波の速度がチューブ波の影響
を受けているか否かを判定する際は、2つの受振器のそ
れぞれの初動の時間差から地層のS波速度を計測すると
ともに、前記1つの受振器を用いて各円筒型圧電セラミ
ックの振動波形の和を求めて記録し、これを前記2つの
せん断波形の記録波形と比較することによってチューブ
波の影響があるか否かを判定する。S波の場合に最も大
きな障害となるチューブ波は孔内の水を伝播する波であ
るが受振器に伝わるときはP波と同じ振動となるから、
各円筒型圧電セラミックの振動波形の和を求めて、これ
とS波の記録波形と比較すれば計測されたせん断波の速
度がチューブ波の影響を受けているか否かが判定でき
る。
〔実施例〕
次に、本発明に係る計測方法に用いられる装置の実施例
について図面を参照して説明する。
第1図は本装置の概略説明であり、水を満たしたボーリ
ング孔A内にケーブル1によって釣り下げられたゾンデ
2には下から発振器3、受振器4及び受振器5が設けら
れている。そして発振器3と受振器4とは1〜4mの間
隔を保って設けられ、また受振器3と4とは正しく1m
の間隔で設けられている。
前記ケーブル1によって制御器本体6からの電圧の制御
信号、または受振器4,5からの計測信号などが送受信
される。また制御本体6には電源アンプフィルター、波
形モニター、モード制御、深度表示などの制御系が内蔵
されており、コンピュータ6aに連結されている。
第2図は本実施例の発振器3の作動説明図であり、第2
図(a)において円筒状をした発振器3はその外周がゴ
ムチューブ7に覆われた中空部8が形成されており、そ
の中空部8内には上下方向に一対の導板9,9が取り付
けられており、その導板9,9の両面にはそれぞれ上下
に矩形バイモルフ型圧電セラミック9aが2つづつ貼着
されていて、上記中空部8内に満たされたオイルによっ
て封入されている。
そして、S波を発振する際には、制御器本体6の電源を
モード制御して振源力を高めるため発振直前に第2図
(b)の発振方向と逆の電圧を一対の圧電セラミック9
a,9aに加えておき、次に電流の方向を変えて(b)
図のように2組の矩形バイモルフ型圧電セラミック9a
が同じ方向に駆動し、孔中の水を圧することによって第
3図(a)に示すように孔壁にS波を発生させる。この
場合、振源は4枚の矩形バイモルフ型圧電セラミック9
aを組み合せて構成しているから振源力を高めることが
できるとともに、面積を大きくして放射インピダンスを
大きくすることができる。
また、中空部8は体積変化がないので左右のバランスが
とれてP波の発生を最小におさえることができ、さらに
S波測定の最も障害となるチューブ波の発生もおさえる
ことができる。
次に、P波を発振する際には、制御器本体6のモード制
御によって振源力を高めるために一対の矩形バイモルフ
型圧電セラミックを一旦互いに内方に駆動させた後、第
2図(C)のように一対の矩形バイモルフ型圧電セラミ
ック9a,9aを各々対抗方向に外方へ開き、中空部8
の体積の膨張によって孔壁を加圧することにより、孔壁
に対して第3図(b)に示すように対称的な振動を与え
ることによって、より大きなP波の波動を起こすことが
可能であり、また発振部が圧電セラミックであるためパ
ルス状の高い周波数の振動を起震させることができる。
次に、本実施例の受振器10について説明する。第4図
は円筒状の受振器10を示しており、上下方向の中央隔
壁11を挟んで左右に2つの中空部12,12が外周の
ゴムチユーブ13によって形成されており、その中には
オイルが満たされており、それぞれ円筒型圧電セラミッ
ク14,14が並設されている。なお、中央隔壁11と
円筒型圧電セラミックはゴム膜13aを介して接してい
る。
本実施例が円筒型セラミックとしたのは圧電セラミック
の表面積が小さいと観測可能となる充分なS/N比とな
らないので、表面積の大きい円筒型セラミックを用い
て、受振感度の向上を計った。
円筒型圧電セラミックに接するボディにゴム膜13aを
敷いたのはボディの振動が圧電セラミックに伝わらない
ようにしてゾンデの移動中も計測可能にしたものであ
り、このことによってインテンシティ・ログが可能にな
った。
ボディは孔壁に対し、不動となるように充分大きい比重
としてあり、構造的にも感度の上昇を計ったものであ
る。振源から発した地震波は反射、屈折したり、またい
ろいろな波に変換されたりして、複雑に振動するが本受
振器は目的とする地震波を正確に観測できる。圧電セラ
ミックはインピーダンスが高く、また個体差もあるため
各圧電セラミックの感度、周波数特性を等しくしなけれ
ば和差を求めた時正しい孔壁の振動を求めることはでき
ない。そこで第7図のように圧電セラミックにプリアン
プ15を接続し、感度、周波数特性を合せてから、次段
の差動アンプ16で和または差を求める回路を用いた。
本実施例ではP波とS波とを別々に測定することが重要
な特徴である。
S波は、孔全体が波の進行方向に対し直角に振動し、P
波の場合は、波の進行に対し、孔軸を対称して孔壁が振
動する。従ってこの振動を区分して観測できればP波と
S波を観測できることになる。
第5図及び第6図にS波とP波の観測方法を示す。2つ
の円筒型圧電セラミックを中心に隔壁を設けて配置して
あるからS波の場合は同図に示すように波形の差を求め
る。このことによって同位相の波がS波と同時に入射し
たとしても消去することが可能となり、従来S波測定の
際の最も大きな障害となるチューブ波の影響を全く受け
ないで、S波を観測できる。
P波の場合には、2つの波形を和することにより同位相
の波を強調し、逆位相の波を消去することができる。こ
れによって、P波の波形のS/N比が向上し、また、チ
ューブ波の波形をS波と区別して判定できるようになっ
た。
上述したように2つの円筒型圧電セラミック14,14
の間に隔壁11を設けたのは左右を全く独立した部屋と
するためであり、理想的には孔壁に対し隔壁は不動点で
なければならない。本方式は従来の漂遊型PS検層の延
長にある圧電セラミックを用いた原理とは異なってお
り、従来のものは圧電セラミックを動かそうとする圧力
差を捉えるものに対し、本実施例では孔壁の動きを隔壁
に仕切られた部屋の圧力差として測定するものである。
従って、従来の漂遊型PS検層の方法の延長ではなく、
新しいS波の受振方法である。
第8図に本実施例の全体のブロックダイアグラムを示
す。
ゾンデ2は、振源と2つの受振器から構成されており、
振源、受振とも前述のとおり動作するようになってお
り、制御器本体6からのモードの制御によって行なわれ
る。ゾンデ2から本体6は8芯のケーブルによって接続
される。
制御器本体のモードの制御によってS波、P波の測定様
式にしたがってゾンデ内部やアンプ、フィルターなどが
コントロールされる。ゾンデから送られた受振波は増幅
され、フィルターを通してA/D変換され、ウェーブメ
モリに記憶される。
ウェーブメモリの内容は、ブラウン管に出力されて、常
にモニターすることができる。測定した波形を記録する
ときは小型電子計算機6aに転送する。転送データは、
アンプゲイン、フィルター、深度、そして波形データな
どである。
小型電子計算機6aでは、転送されたデータを、外部記
憶装置に転送したり、図化器に出力して記録したりす
る。
測定モードは第9図乃至第12図に示すようにP波、S
波を求めるため4つのモードで測定を行う。S波のノー
マルとリバースのモードは、振源の方向を逆にして、S
波の反転を調べる。
チューブ波確認のモードは、振源をS波用として駆動し
たとき孔内のチューブ波の発生状況を調べるためのもの
である。S波測定時に、チューブ波が大きく入っていな
いかどうか確認する必要があるため設定したモードであ
る。
チューブ波は孔内水と地盤とで合成される弾性波であ
り、境界波の一種である。チューブ波の速度は孔内水の
P波速度と密度及び地盤のS波速度と密度で決まる。地
盤のS波速度Vsとチューブ波速度Vbとの関係を第1
4図に示す。なお、ρは地盤の密度を表している。
チューブ波の速度はS波と同様の速度を示すことが多
く、その振幅が大きいのでS波の測定を行なう場合に大
きな障害となっている。特に、S波速度がほぼ1.5km
/s以下の速度で両者の区別が付かないため大きな問題
となる。
しかし、第9〜12図に示したようにS波とチューブ波
とは振動形態が異なっているため、その差異を利用して
本実施例ではチューブ波確認モードによってS波にチュ
ーブ波の影響があるか否かを確実に判定してS波のみを
正確に観測できるようにしたものである。
P波モードは、P波測定のためのものではあるが、チュ
ーブ波の観測も可能である。
このように計測された結果、コンピュータから出力され
た波の記録を第13図に示す。
S波は、ノーマル(N)、リバース(R)で明瞭に反転
しており、P波は全く記録されていない。P波の記録波
形にみえるようなチューブ波の波形は全く認められな
い。本記録では、S波速度は2.6km/sec であり、一
般的な硬岩におけるS波速度であり、良好な記録であ
る。周波数は5kHz前後であり、解析精度として高い分
解能を有している。P波記録は初動がシャープであり、
明瞭な記録が得られる。周波数も10kHz前後の高い周
波数域であり、S波同様高い分解能を有している。
なお、記録の時にはチューブ波確認モードの波形は出力
しない。
〔発明の効果〕
上記の本発明に係るチューブ波の影響があるか否かを判
定するせん断波速度の良否判定方法によれば、軟弱地盤
から硬岩地盤までボーリング孔内のP波、S波の速度を
正確に測定できる効果があり、P波の計測においては、
S波などの性状の波動を消去して、P波性状の波動のみ
を記録し、またS波の計測においては、P波の性状を持
つ波動を消去して、S波の波動のみを記録し、特に測定
モードに設定したチューブ波確認のモードによって、2
つの受信器のそれぞれの初動の時間差から地層のS波速
度を計測するとともに、前記1つの受振器を用いて各円
筒型圧電セラミックの振動波形の和を求めて記録し、こ
れを前記2つのせん断波形の記録波形と比較することに
よってせん断波とチューブ波との振動形態の差を利用し
てチューブ波の影響があるか否かを正確に判定してS波
のみを正確に観測することができる。
また、本発明に係る発振器によれば、制御器本体の電源
をモード制御して振源力を高めるため発振直前に発振方
向と逆の電圧を各矩形バイモルフ型圧電セラミックに加
えておき、次に電流の方向を変えて2組の矩形バイモル
フ型圧電セラミックを同じ方向に駆動させ、導板中央が
同方向に屈曲されて孔中の水を圧することによって孔壁
に強力なS波を発生させることができる。この場合、振
源は4枚の矩形バイモルフ型圧電セラミックを組み合せ
て構成しているから振源力を高めることができるととも
に、面積を大きくして放射インピダンスを大きくするこ
とができる。
また、制御器本体のモード制御によって振源力を高める
ために一対の矩形バイモルフ型圧電セラミックを一旦互
いに内方に駆動させた後、一対の矩形バイモルフ型圧電
セラミックを各々反対方向に駆動させ、導板中央が屈曲
されて外方に開き、中空部の体積の膨張によって孔壁を
加圧することにより、孔壁に対して対称的な振動を与え
ることができ、より大きなP波の波動を起こすことも可
能であり、さらに発振部が圧電セラミックであるためパ
ルス状の高い周波数の振動を起震させることができる。
しかも、本発明に係る発振器は一対の導板それぞれの両
面に上下2つづつの矩形バイモルフ型圧電セラミックを
貼着しているから、より強力なS波やP波を発振できる
ばかりでなく、チューブ波の影響があるか否かを正確に
判定することも可能である。
また、本発明に係る円筒状の受振器によれば、上下方向
の中央隔壁を挾んで左右に設けた2つのV型中空部にそ
れぞれ円筒型圧電セラミックを並設したから、受振器の
表面積が大きく、しかも上記2つのV型中空部のために
微小振動でも中心部に集中するから確実に受振でき、受
振感度の一層の向上を計ることができる。
さらに、本装置の発振源は、電圧駆動であるため振源力
の割に消費電流が少なく、発振間隔を短くできるのでP
波、S波ともインテンシティ・ログも可能となった。
また、発振源及び受振器はそれぞれ周波数帯域が50Hz
〜20kHzと広いので、軟弱地盤から硬岩地盤まで、P
波、S波の測定に適用可能となり、振源として充分に強
力であり、受振器は充分な感度を有している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る一実施例の全体説明図、第2図は
発振器の縦断面図、第3図は発振器の説明図、第4図
(a)は受振器の縦断面図、同(b)は横断面図、第5
図及び第6図はS波及びP波の受振状態とその波形の模
式説明図、第7図は受振波の変換回路図、第8図は一実
施例の全体ブロックダイアグラム、第9図乃至第12図
は測定モードの説明図、第13図はコンピュータの出力
記録を示すグラフ、第14図はS波速度とチューブ波速
度との関係グラフである。 1……ケーブル、2……ゾンデ、 3……発振器、4,5……受振器、 6……制御器本体、6a……コンピュータ、 7,13……ゴムチューブ、 8……中空部、9……導板、 9a……矩形バイモルフ型圧電セラミック、 10……受振器本体、11……隔壁、 12……中空部、 14……円筒型圧電セラミック、 15……プリアンプ、16……差動アンプ、 A……ボーリング孔。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1つの発振器と互いに一定の距離をへだて
    て設けられた2つの受振器を有するゾンデを用いて地層
    検層におけるせん断波の速度を計測する方法において、
    一対の矩形バイモルフ型圧電セラミックからなる発振器
    によって一方向のせん断波を発振し、該せん断波を一対
    の円筒型圧電セラミックからなる前記一方の受振器によ
    って受振し、該受振器の各円筒型圧電セラミックの振動
    波形の差を求めて記録し、次に前記発振器によって逆方
    向のせん断波を発振し、該せん断波を前記と同様に受振
    器の各円筒型圧電セラミックの振動波形の差を求めて記
    録し、上記2つの記録を用いて位相の反転からせん断波
    の初動時間を計測し、さらに他方の受振器においても同
    様にせん断波の初動時間を計測し、前記2つの受振器の
    それぞれの初動の時間差から地層のせん断波速度を計測
    するとともに、前記1つの受振器を用いて各円筒型圧電
    セラミックの振動波形の和を求めて記録し、これを前記
    2つのせん断波形の記録波形と比較することによってチ
    ューブ波の影響があるか否かを判定することを特徴とす
    るせん断波速度の良否判定方法。
  2. 【請求項2】円筒状発振器本体の中央部外周をゴムチュ
    ーブで覆って中空部を形成し、該中空部内の上下方向に
    一対の導板を並設し、該一対の導板それぞれの両面に上
    下2つづつの矩形バイモルフ型圧電セラミックを貼着
    し、前記中空部にはオイルを満たし、上記各矩形バイモ
    ルフ型圧電セラミックに種々の電圧をかけることによっ
    て前記各バイモルフの屈曲により前記導板の中央が屈曲
    されて円筒状発振器本体中央のゴムチューブが変形させ
    られることを特徴とする円筒状発振器。
  3. 【請求項3】円筒状受振器本体の中央部外周をゴムチュ
    ーブで覆った中に配設した中央隔壁に互いに対向して2
    つのV型中空部を形成し、該2つの中空部内の上下方向
    に円筒型圧電セラミックを並設し、かつ中空部内にはオ
    イルを満たしたことを特徴とする円筒状受振器。
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