JPH06160352A - 電気泳動システム - Google Patents

電気泳動システム

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JPH06160352A
JPH06160352A JP5196862A JP19686293A JPH06160352A JP H06160352 A JPH06160352 A JP H06160352A JP 5196862 A JP5196862 A JP 5196862A JP 19686293 A JP19686293 A JP 19686293A JP H06160352 A JPH06160352 A JP H06160352A
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capillary tube
capillary
resistive coating
detector
column
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JP5196862A
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Richard L Baer
リチャード・エル・バアー
Jurgen A Lux
ジョーゲン・エー・ラックス
James E Young
ジェームス・イー・ヤング
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    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44704Details; Accessories
    • G01N27/44752Controlling the zeta potential, e.g. by wall coatings

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Abstract

(57)【要約】 【目的】オンカラム検出領域において、キャピラリ管の
外側表面と検出器の間で放電の発生を防ぐ電気泳動シス
テム。 【構成】本発明の電気泳動システムは、別個の、内部と
外部の電圧勾配を備えており、これら電圧勾配はベクト
ル結合しており、キャピラリの内側表面に沿ったゼ─タ
電位を決定する。キャピラリの外側表面に沿った電圧勾
配は,オンカラム検出領域における電位が実質的に検出
領域を通過する電気泳動的移動を感知する電位と等し
い。典型的には、キャピラリは検出のポイントで設置さ
れており,外部電圧勾配は一方の方向で検出ポイントよ
り正に向かい、また対向する方向は負に向かっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般に電気泳動システム
に関し、より詳細にはキャピラリカラムに沿った電気浸
透流の外部的制御を有するシステムに関するものであ
る。
【0002】
【従来技術とその問題点】電気泳動のアプリケーション
および試料中の成分を分離し、識別するための分析技術
には、試料の純度の決定、蛋白質と核酸の分子量の決
定、核酸の一次構造のマッピング、すなわち、DNAとRNA
の順序の分析、および分子レベルにおける蛋白質の表現
型変動(phenotypic variance)の定義等が含まれてい
る。電気泳動技術は各分子種が質量、大きさ、形状、電
荷、密度およびサブユニット構造の固有の組み合わせを
有するという事実に基づくもので、それらの結果、電界
において移動度に差異が生ずる。各種の電気泳動技術で
は、このような性質のうちの1つあるいはそれ以上が用
いられて、電界下において、分子種の移動を介して分子
の分離がいろいろなレベルで行われている。
【0003】キャピラリ電気泳動は、たとえば、緩衝液
等の導電性流体で満たされたキャピラリを用いた技術で
ある。少量の試料がキャピラリ管の一端から導入され、
その後、高い電位差がこの間の両端に印加される。電気
浸透流と電気泳動的移動度の差が組合わさってキャピラ
リ管の出口で試料溶液中の成分の空間的分離が提供され
る。
【0004】電気浸透流は、液体に印加された電界によ
って生じる静止電荷表面(stationary charge surface)
と関連する液体の移動である。米国特許第4,936,974号
には、キャピラリのボアを満たしている緩衝液からの陰
イオンの選択的な吸着による内側キャピラリ表面におけ
る電荷の蓄積の結果、発生する電気浸透流が述べられて
いる。陰イオンの負電荷は、移動性の正に荷電した緩衝
イオンの薄い層に引きつけられ、そして、これらはこの
内壁面近辺に蓄積する。この内壁における電荷の蓄積
は、径方向の電界を発生させる。この径方向の電界の電
位は「ゼータ(ζ)電位」と呼ばれている。キャピラリ
管の両端に印加される長さ方向(longitudinal)に延長す
る電界は、キャピラリ管の接地された出口端に向かって
水によって水和した正イオンを引きつけ、また、他の水
和した分子を粘性によって引っ張る。この分子の引っ張
り(drag)は、中性分子や負に荷電した分子また正に荷電
した分子に加えられる。その結果、緩衝液中にキャピラ
リ管の接地された出口端に向かう試料のバルク流(bulk
flow of the sample in the buffer solution)を得る。
したがって、電気浸透流は試料の中性成分および負に荷
電した成分を接地された電極に向かって移動させる手段
を提供する。
【0005】電気泳動による移動は、キャピラリ管の長
さ方向の軸に沿って印加された電界に応じて帯電された
成分の移動である。正に荷電した分子は接地電極へ向か
って電気浸透流によって加速される。負に荷電した分子
は接地電極に反発される可能性があるが、電気浸透流の
力がこの反発に打ち勝って負に荷電した分子を前進させ
る。
【0006】キャピラリの入口端に正の電極が設けら
れ、出口端に接地電極が設けられている分析に対して、
電気浸透流と電気泳動的移動を組み合わせて用いられる
結果、空間的分離が生じ、最初に正に荷電した成分、続
いて中性成分、そして負に荷電した成分が出てくる。試
料の各成分はその成分がキャピラリ管中を移動するのに
要する時間を検出することによって同定することができ
る。試料中の成分の量は、その成分の検出期間中の電気
泳動図中の信号トレースの高さおよび/または面積によ
って決定することができる。
【0007】「オンカラム検出器」は、入口端と出口端
の間のキャピラリ管の検出領域を通過する試料の成分の
移動を検出する。紫外線やけい光オンカラム検出器が通
常用いられる。代わりに、出口端から流出した後に検出
を行うこともできる。すなわち「オフカラム検出」であ
る。たとえば、米国特許第4,705,616号および米国特許
第4,842,701号には、質量分析計によるオフカラム検出
をおこなうための出口端からの分離溶液の電気的噴霧(e
lectrospraying)が述べられている。
【0008】正確な分析をおこなうためには、各試料成
分を検出領域へ移動させることが要求される。しばし
ば、キャピラリ管の入口端を試料バイアルに挿入するこ
とによって、試料をキャピラリ管の入口端に注入させ、
その後、この入口端が高電圧電極に電気的に接続された
第1の緩衝液バイアルに挿入される。キャピラリ管の出
口端は接地電極と接続した緩衝液貯めバイアルに挿入さ
れる。分離処理の開始時に、負に荷電した分子は電気浸
透流が完全に効果を生じる前に第1の緩衝液バイアルに
引き込まれる可能性がある。したがって、これらの分子
は検出されず、分析の精度が低下してしまう。正確な分
析を行う上でのもう一つの問題は、成分検出の分解能に
関するものである。試料が同様な電気泳動移動度を有す
る多数の成分を含んでいる場合、分析にはかかる成分の
同定と定量化における誤差が発生しやすくなる。また別
の問題として、大気条件等の外部要因があり、これが電
気泳動分離に影響を与える可能性がある。
【0009】本出願人によって提出された米国特許出願
第07/754,797号には、電気浸透流を制御し、外部的要因
による望ましくない影響を低減させ、それによって分析
処理を改善するシステムと方法が説明されている。電気
浸透流速は、溶液の誘電率、長さ方向で軸方向の電界と
ゼータ電位に正比例し、溶液の粘性と反比例する。ここ
では、ゼータ電位はキャピラリ菅の外壁に導電性材料の
コーティングを施すことによって制御可能であることが
指摘されている。このような導電性コーティングは外壁
に沿って望ましくない電圧勾配が形成される可能性を減
少させる。外壁に沿った制御された電界は、キャピラリ
菅の内壁付近の内部イオン電荷に対して悪影響を及ぼす
外部力(external forces)を防止する。この導電性コー
ティングは浮動していてもよいが、キャピラリ管の外壁
上に静電荷が生じる可能性を小さくするために接地する
ことが好適である。
【0010】特願昭55-40048号には、電源によって均一
に充電された透明な導電性コーティングの使用が開示さ
れている。透明コーティング上の均一な電荷を選択的に
取り消し、電荷の切替えの前後における試料成分の移動
を比較する。この比較によって、いわゆる実際の電気泳
動速度を決定するためのデータが得られる。粒子の移動
は電気泳動管中でレーザー光を用いて決定することがで
きる。
【0011】多くのオンカラム検出器が知られている
が、紫外線検出器には多くの利点がある。しかし、紫外
線検出器はキャピラリ管にできるだけ近く配置させるこ
とが好ましく、よって、周囲の光がキャピラリ管から検
出領域に入ることを防止する。周囲光の入光は分析技術
に悪影響を及ぼす。紫外線検出器をその外側に電荷を有
するキャピラリ管と近接するように連結する際の問題点
は、この外側電荷が通常接地される紫外線検出器に対し
てコロナ放電を発生させる可能性があることである。
【0012】
【発明の目的】本発明の目的は、上述の問題点を解消
し、キャピラリ管よりオンカラム検出器に対して放電を
発生させることなく、オンカラム検出と電気浸透流の制
御を行う電気泳動システムを提供することである。
【0013】
【発明の概要】上記の本発明の目的は、抵抗性コーティ
ングを含み、オンカラム検出領域の第1の側のコーティ
ングの正方向に動く部分(positive-going portion)と反
対側の負方向に動く部分(negative-going portion)を有
するキャピラリカラムを備える本発明にかかる電気泳動
システムによって達成された。抵抗性コーティングはオ
ンカラム検出領域において接地電位であり、それによっ
て分析を混乱させる要因となる抵抗性コーティングから
検出器への放電を排除する。
【0014】高電圧電源を用いて、キャピラリカラムの
ボア軸に沿った第1の長さ方向の電圧勾配を提供し、抵
抗性コーティングに沿った第2の長さ方向の電圧勾配を
生成する。好適には、第2の電圧勾配は、抵抗性コーテ
ィングの第1の端部に正の高電圧を印加し、第2の端部
に負の高電圧を印加することによって生成され、勾配が
均一となり、検出のポイントにおいて接地電位が確立さ
れるようにこれら高電圧は選択される。たとえば、第1
の高電圧電源はオンカラム検出領域において接地された
電極と第1の端部にいて正の電極を取り付けることがで
きる。一方、第2の高電圧電源はオンカラム検出領域に
接地された電極を有し、抵抗性コーティングの第2の端
部に取り付けられた負の電極を有する。
【0015】抵抗性コーティングは抵抗率の高い材料で
製造しなければならない。この材料は比較的濃度の低い
導電性材料を有する誘電体とすることができる。たとえ
ば、10%以下の濃度のカーボンブラックを有する架橋結
合ポリイミド層を用いることができる。抵抗性コーティ
ングに沿った電圧勾配は、キャピラリカラムの内部にお
いて所望のゼータ(ζ)電位を達成するように選択され
る。
【0016】本発明の利点は、キャピラリ管外部に高電
圧が印加されるにもかかわらず、放電を起こすことな
く、接地されたオンカラム検出器を電気浸透流に影響す
るキャピラリの外部に近付ける、あるいは接触させるこ
とができることである。高電圧の管の外部から接地され
た検出器への放電は、電気泳動分析に重大な妨害を及ぼ
す。検出のポイントにおける電位をオンカラム検出器の
電位とほぼ等しい電圧に設定することによって、放電を
抑え、それによって、紫外線検出器に対する所望のベー
スラインが提供される。本発明を検出ポイントにおいて
接地されるものとして説明したが、重要なことはこの点
における電位と検出器の電位がほぼ等しくなければなら
ないことである。
【0017】本発明の他の実施例としては、抵抗性コー
ティングを検出器から絶縁するために抵抗性コーティン
グの上に付加的な絶縁材料層が設けられる。しかし、こ
れを施すと、紫外線検出の感度に重大な損失が発生す
る。しかし、抵抗性コーティングと薄い絶縁層を組み合
わせることにより、たとえば、検出器以外の構成素子へ
の放電に対する保護といった利点が得られる可能性があ
る。
【0018】
【発明の実施例】本発明の好適な一実施例である電気泳
動システム10を図1に示す。電気泳動システム10は、入
口端14と出口端16を有するキャピラリ管12を含む。この
キャピラリ管は当該技術分野において周知の型のもので
ある。ポリイミドのコーティングを有するフューズドシ
リカ管を用いることができる。キャピラリ管は柔軟性の
あるものであるが、キャピラリ管が曲げられた後、これ
を通常の直線状態に戻す材料記憶を有する。キャピラリ
管10は50ミクロンの内径と典型的には140ミクロンから3
60ミクロンの範囲の外径を有しているが、これら寸法は
重要ではない。
【0019】オンカラム検出器18がキャピラリ管12の長
さ方向に配置される。キャピラリ管の検出器と光学的結
合しているキャピラリ管からポリイミドコーティングは
除去されている。米国特許第4,940,883号には、オンカ
ラム検出のための検出ウィンドウを設けるため、キャピ
ラリ管の一部からポリマーを除去する装置が記載されて
いる。キャピラリゾーン電気泳動(capillary zone elec
trophoresis)では、紫外線吸光検出器が一般的に用いら
れるが、他の検出器も知られている。たとえば、検出は
化学発光検出器、屈折率検出器あるいは導電性検出器を
用いても行われる。検出器をキャピラリ管に光学的に結
合することによって、キャピラリ管中の移動の検出が可
能になる。
【0020】キャピラリ12の入口端14が供給バイアル22
を有する容器20に挿入される。検出器18の反対の側には
キャピラリの出口端16と液通した緩衝液貯溜バイアル24
がある。この緩衝液貯溜バイアルは、容器26に入ってい
る。2つの容器20および26と検出器18はテーブル28上に
載置されている。
【0021】第1の高電圧電源30は、アノード電極(ano
de electrode)である電力線32を介して供給バイアル22
と電気的に接続している。第1の電源30は、図1に示す
ように、供給バイアル22へ-10kボルト等の高電圧を提供
する。しかし、この高電圧はキャピラリ管12の両端にお
ける電位差ではない。電位差は、緩衝液貯めバイアル24
の電圧によって決定される。この電圧はカソード電極で
ある電力線36を介して緩衝液貯めバイアル24と導通した
第2の高電圧電源34によって提供される。第2の電源34
は、-15kボルトの第2の高電圧を提供するように設定さ
れるもので、図示されている。したがって、キャピラリ
管12の両端の電位差は5kボルトである。キャピラリゾー
ン電気泳動における標準の電圧勾配は200v/cmである。
この標準を達成するためにキャピラリ管12の長さは25cm
となる。
【0022】高電圧電源30および34は、それぞれ関連す
る電極32、36の極性を調整するための極性選択スイッチ
38、40を有するバイポーラ・デバイスである。電圧調整
ダイアル42および44によってユーザは電源の出力を正確
に設定することができる。キャピラリ管12中の電気浸透
流速は、第1の電源30と第2の電源34を調整することに
よって同じ電位勾配を維持しながら変化させることがで
きる。すなわち、接地に対する電圧オフセットが変化す
ると、電気浸透流速、したがって特定の試料の分析を完
了するのに要する時間が変化する。たとえば、キャピラ
リ管の内径が50ミクロン、外径が140ミクロンであり、
それぞれの電圧が-15kボルトと-10kボルトに設定された
図1に示す電気泳動システムを用いる場合、ある特定の
分析には80分の移動時間を要する。電圧オフセットを接
地に対して上向きに変化させることによって流速が増加
し、その結果、同じ分析をはるかに短い時間、たとえば
17分で行うことができ、各電源は15kボルト上昇し、接
地と+5kボルトとなる。これら2つの電源に対して対応
する負の調整、すなわち接地に対する電圧オフセットの
減少を行うと、電気浸透流速が小さくなる。
【0023】接地に対する電圧オフセットの調整に加え
て、電気浸透流速はキャピラリ管12に抵抗性コーティン
グを設けることによっても影響を受ける。図2におい
て、キャピラリ12管はフューズドシリカキャピラリ層46
とポリイミド層48を含むものとして示されている。これ
ら2つの層46および48は当該技術分野において標準的な
ものである。キャピラリ12管はさらに抵抗性コーティン
グ50を含む。「抵抗性コーティング」とは、キャピラリ
管に沿って電界を発生させるのに用いられる高抵抗の導
電性コーティングあるいは層を意味する。また、ポリイ
ミド層48と抵抗性コーティング層50を組み合わせて1つ
の層にして導電性ポリマーを設けることもできる。たと
えば、7.5%のカーボンブラックを含有する架橋結合ポ
リイミドを用いることができる。このようなコーティン
グの厚さによって、コーティングの体積抵抗率(bulk re
sistivity)と面積抵抗(sheet resistance)が決定され
る。実用的な選択肢の1つは、約2KΩ-cmの体積抵抗率
と約2MΩ/平方の面積抵抗を得られる厚さの層を設ける
ことである。
【0024】これら2つの高電圧電源30、34はキャピラ
リ管12の長さ方向の軸に沿った電界を提供する。図2に
記号「+」および「−」で示すように、放射状延長上に
電界も生成される。キャピラリ管の移動路に充満してい
る緩衝液からの陰イオンが選択的に吸着することによっ
て、内側キャピラリ表面に電荷が蓄積される。この陰イ
オンの負の電荷は、移動性の正に帯電した緩衝液イオン
を引き付ける。電位は「ゼータ(ζ)電位」と呼ばれ
る。電気浸透流は、内側キャピラリ表面に形成されたこ
の2重のイオン層の直接の結果である。したがって、キ
ャピラリ管の外側表面の電荷は、イオン集合(ion colle
ction)と電気浸透流に悪影響を与える可能性がある。
【0025】図1に戻ると、第1および第2の高電圧電
源30、34に加えて、第3および第4の高電圧電源88、90
が設けられている。第3の高電圧電源88はキャピラリ管
の入口端14においてキャピラリ管12に設けられた抵抗性
コーティングに取り付けられた電極リード89を有する。
同様に、第4の高電圧電源90はキャピラリ管12の出口端
16に取り付けられた電極リード91を有する。キャピラリ
管12の入口端と出口端において抵抗性材料を取り除くこ
とによって、高電圧電源88、90を高電圧電源30、34から
絶縁させる。
【0026】第1および第2の高電圧電源30、34は、上
述したようにキャピラリ管12のボア軸に沿って長さ方向
の電圧勾配を生成する。第3および第4の高電圧電源9
0、92は、キャピラリ管上の抵抗性コーティングに沿っ
て長さ方向の電圧勾配を生成する。抵抗性コーティング
に沿った電圧勾配は、キャピラリ管の内部に変動するゼ
ータ電位を提供する。このような技術は、外部的に印加
された電位をキャピラリ管のボア軸に沿った電位とベク
トル結合(vectorially couples)させる。キャピラリ管
の外部の電位によって、キャピラリ管の内表面に蓄積さ
れた帯電した2重イオン層の極性と大きさが決定され
る。すなわち、キャピラリ管外の電位が管断面における
ゼータ電位を決定する。
【0027】図1の電気泳動システム10における課題
は、キャピラリ管12の抵抗性コーティングからオンカラ
ム検出器18への放電を防止することである。この課題に
対処する代替案の1つは、抵抗性コーティングの上に付
加的な絶縁材料層を設けることである。しかし、この方
法では付加的層が厚い層である場合、紫外線検出の感度
に重大な損失が発生する。本発明では、抵抗性コーティ
ングに沿って外部電圧勾配を生成し、オンカラム検出に
隣接するコーティング部分の電位がオンカラム検出器18
の電位にほぼ等しくなるように生成することによって、
放電を抑える問題を解決している。
【0028】典型的には、オンカラム検出器18は接地電
位であり、したがって第3および第4の高電圧電源88、
90をキャピラリ管12の検出領域において接地電位を得る
ように設定しなければならない。図1に示すように、キ
ャピラリ管12の入口端14に接続された高電圧電源88は+
2.7kボルトに設定される。第4の高電圧電源90は出口端
16に−1.4kボルトの電位を確立する。オンカラム検出領
域は従来から入口端14より出口端16の方に近いため、抵
抗性コーティングに沿った電圧勾配は、第3の高電圧電
源が第4の高電圧電源より接地電位からかなり離れた電
圧に設定されているときにのみ均一となる。
【0029】図3に、オンカラム検出器の結合部材92を
示す。結合部材は、キャピラリ管12のオンカラム検出ウ
ィンドウ94より大きい幅を有する金属製の円筒状のデバ
イスである。結合部材は周囲光がキャピラリ管から入る
ことを防ぐ構造である。結合部材は金属製であるため、
キャピラリ管上の抵抗性コーティングの入口部分96と出
口部分98と接触させ、それによってこれら2つの部分を
連結する電気的ブリッジを設けることができる。結合部
材の開口部100は、検出ウィンドウへの光路を形成す
る。
【0030】入口部分96と出口部分98を結ぶ他の電気的
ブリッジを用いることもできる。電気的ブリッジはキャ
ピラリ管12に沿った電気浸透流の制御の連続性をより確
実にする。この電気的ブリッジを提供する他の方法に
は、検出ウィンドウ94の対向する側面の抵抗性コーティ
ングに箔(foil)を接着させることやオンカラム検出器の
光路の外側の検出ウィンドウを横切ってワイヤを結合さ
せることそして検出ウィンドウの形成時に検出ウィンド
ウを横切る抵抗性コーティングの連結部を残すことが含
まれている。
【0031】図4は、本発明の他の実施例である電気泳
動システム102を示す。電気泳動システム102は、上述し
た電気泳動システム10の構造的特徴をすべて含んでいる
ため、共通する機構には同じ参照番号を用いる。電気泳
動システム102が異なっている点は、第3および第4の
高電圧電源88、90からキャピラリ管12上の抵抗性コーテ
ィングへ接続している接地電極104と106を使用する点で
ある。接地電極104、106はキャピラリ管12のオンカラム
検出領域に隣接する領域で抵抗性コーティングと接続す
る。接地電極を接続させる利点の1つは、箔や連結ワイ
ヤを用いることなく検出ウィンドウに電気的ブリッジを
確立することができることである。他の利点は、接地電
極を取り付けることによって、検出のポイントにおける
接地を確実にし、オンカラム検出器18へ電気的な放電は
生じないことである。第2および第3の高電圧電源88、
90は別個に設定することができる。好適には、これらの
電源はキャピラリ管に沿った電圧勾配が均一になるよう
に調整されるが、不均一な勾配が望ましいアプリケーシ
ョンもありうる。
【0032】図1から図3を参照すると、動作時におい
て、第3および第4の高電圧電源88、90はキャピラリ管
12の検出のポイントに隣接して接地を確立するように調
整される。次に、第1および第2の高電圧電源30、34は
試料中の所望の試料成分の移動が得られるように設定さ
れる。第3および第4の電源88、90によって決定され
る。、キャピラリ管の外部に沿った所与の電圧勾配に対
して、第1および第2の電源30および34を調整すること
によってこのような移動を変化させることができる。こ
れは、キャピラリ管の内部のゼータ電位が4つの高電圧
電源によって決まる電位のベクトル結合であるためであ
る。移動はキャピラリ管の中間部分に沿って紫外線検出
器18を用いて検出される。
【0033】本発明をキャピラリ管の外部と内部に沿っ
た電圧勾配を生成する別個の高電圧電源を用いるものと
して説明してきたが、これは重大な要件ではない。すな
わち、キャピラリ管の内部と外部の適当な位置に所望の
電圧を確立する他の周知の手段を採用することも可能で
ある。検出ポイントにおける抵抗性コーティングの電位
差がオンカラム検出器のハウジングの電位、たとえば接
地電位と等しいことが望ましい。しかし、抵抗性コーテ
ィング上の電位と検出器ハウジングの電位が、キャピラ
リ管から検出器ハウジングへのアークが発生しないよう
に十分近いことが重要である。
【0034】本発明はキャピラリゾーン電気泳動に容易
に適用されるものであるが、キャピラリ管が用いられる
他の電気泳動分離技術に用いることができる。たとえ
ば、本発明は、試料成分をキャピラリ管の長さにわたっ
て形成されたpH勾配における等電点によって分離するキ
ャピラリ管等電点フォーカシングに用いることができ
る。分離が完了した後、電気浸透流を用いて分離された
成分のオンカラム検出器の通過を促進することができ
る。さらに、キャピラリカラムは単一のキャピラリ管と
して説明したが、この分離キャピラリ管は先に引用した
米国特許第4,936,974号にあるように2つ以上のキャピ
ラリ管および/または2つ以上の入口を有するものであ
ってもよい。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、オ
ンカラム検出器を用いても、キャピラリの外側表面と検
出領域における放電の発生を防ぐことができ、オンカラ
ム検出と電気浸透流の制御を容易におこなうことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電気泳動システムの概
略図。
【図2】図1のキャピラリ管の断面図。
【図3】図1のキャピラリ管と検出器の部分概略図。
【図4】本発明の他の実施例である電気泳動システムの
概略図。
【符号の説明】
10、102: 電気泳動システム 12:キャピラリ管 18:オンカラム検出器 22:アノード 24:カソード 30、34、88、90:電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェームス・イー・ヤング アメリカ国カリフォルニア州ラ・ホンダ・ ペスカデドロ・ロード・14850

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の端部から第2の端部へ軸方向のボア
    を有し、前記第1と第2の端部間にオンカラム検出領域
    が設けられるキャピラリと、前記キャピラリに沿って放
    射状に電界を生じさせる外部制御手段と、前記外部制御
    手段は、キャピラリ管上に抵抗性コーティングを含むも
    のであり、前記軸方向のボアを介して、試料成分の移動
    を感知する、前記キャピラリのオンカラム検出領域と整
    列する検出手段と、前記キャピラリ管に沿って第1の長
    さ方向の電圧勾配を生成する第1の電源と、前記キャピ
    ラリに設けられた前記抵抗性コーティングに沿って第2
    の長さ方向の電圧勾配を生成する第2の電源から構成さ
    れ、前記抵抗性コーティングの電位を前記オンカラム検
    出領域から距離をおいて変化させ、前記オンカラム検出
    領域と隣接する前記抵抗性コーティングの部分における
    前記抵抗性コーティングの電位を前記抵抗性コーティン
    グと前記検出手段の間に生じる放電を防ぐように選択す
    ることを特徴とする電気泳動システム。
  2. 【請求項2】分離される試料溶液を受ける入口端部を有
    し、出口端部を有するキャピラリ管と、前記キャピラリ
    管は中心ボアを有し、前記キャピラリ管の長さ方向に沿
    って抵抗層を有するものであり、前記キャピラリ管の両
    端に第1の電圧を印加し、前記中心ボアに沿って前記試
    料溶液の試料成分の電気泳動的移動を誘因させ、前記抵
    抗性層の両端において第2の電圧を印加し、前記中心ボ
    ア内に前記試料溶液の電気浸透流の制御を提供する電源
    手段と、前記キャピラリ管に沿って前記キャピラリ管内
    部の前記試料成分の移動を検出する検出器とから構成
    し、前記検出器は前記キャピラリ管の前記入口端部と前
    記出口端部の間において、前記キャピラリ管の検出領域
    へ光を指向させるものであり、前記電源手段は前記第2
    の電圧を与えることによって、前記検出領域における前
    記抵抗層の前記電位を実質的に接地電位とすることを特
    徴とする電気泳動システム。
JP5196862A 1992-07-14 1993-07-14 電気泳動システム Pending JPH06160352A (ja)

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