JPH06159614A - 加圧流動床ボイラの炉内脱硫・脱硝方法 - Google Patents

加圧流動床ボイラの炉内脱硫・脱硝方法

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JPH06159614A
JPH06159614A JP31331092A JP31331092A JPH06159614A JP H06159614 A JPH06159614 A JP H06159614A JP 31331092 A JP31331092 A JP 31331092A JP 31331092 A JP31331092 A JP 31331092A JP H06159614 A JPH06159614 A JP H06159614A
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Naoharu Hayashida
直治 林田
Yuichi Fujioka
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 脱硫材として石灰石を用いる加圧流動床ボイ
ラにおいて、炉内の脱硫率を向上させると共にN2 Oの
発生を抑制する。 【構成】 加圧流動床ボイラの流動床1を形成している
粗粒の石炭と石灰石中に流動床重量の3%以下の超微粒
の石灰石を供給し、石灰石の表面積を増加させて脱硫率
を向上させる。また、前記加圧流動床ボイラの流動床1
表面と気泡の破裂個所に空気又は酸素19を噴霧して流
動床1から排出される微粉の未燃炭素を燃焼させて、流
動床温度を900℃〜1000℃に制御してN2 Oを熱
分解する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加圧流動床ボイラの炉
内脱硫方法に関し、また、石炭等の固体燃料やCWM、
重油等の液体燃料の燃焼から発生する亜酸化窒素(N2
O)を低減する加圧流動床ボイラの炉内脱硫脱硝方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】二度のオイルショック以来、世界各国に
おいて石油代替エネルギ開発の一環として石炭の再利用
が高まり、石炭エネルギ転換技術として石炭焚流動床燃
焼炉及び加圧型石炭焚流動床燃焼炉(以下加圧流動床ボ
イラと略する)、加圧型流動床、噴流床石炭ガス化炉等
の実用化研究が盛んに行われている。
【0003】この中で、加圧流動床ボイラは、設備が小
さく建設費が安くなること、炉内脱硫が可能なこと、ガ
スタービンとの組合せによる発電効率の向上が見込まれ
ることの特徴から、開発至近距離のものとして注目され
ている。
【0004】加圧流動床ボイラでは、高圧下(15気圧
程度)で脱硫剤として用いられる石灰石又はドロマイト
に含んだCaOを炉内に投入する燃料(石炭)中の燃焼
性S量に対して1〜2倍になるように調整して、空気で
流動床を形成する。そして、流動床中に燃料(石炭等)
を供給し、800〜900℃の最適な脱硫温度にて燃焼
させることにより、燃焼とともに発生するS化合物をC
aに固定させる炉内脱硫と低温燃焼及びオーバファイア
エア(O・F・A)燃焼によるN化合物の炉内脱硝を行
うことを目的とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記の加圧流動床ボイ
ラにおいて、平均径0.8mmの石灰石と平均径1.0mm
の石炭を用いてCa /Sのモル比を2に設定し、圧力1
5気圧、流動床温度850℃の条件で運転した結果65
〜75%の脱硫率しか得られず、充分な脱硫率を得るこ
とは困難であった。
【0006】一方、成層圏のオゾン層破壊の原因物質の
一つである亜酸化窒素(N2 O)は一般に高温度(13
00℃以上)での燃焼方式(微粉炭燃焼、ガス燃焼、油
燃焼等)では殆ど生じないが、加圧流動床ボイラでは炉
内脱硫温度の関係上、低温度(700〜900℃)で燃
焼させるため、数百ppm の濃度のN2 Oが発生し、炉内
の空気比を小さくしてもN2 Oの発生量は低下しなかっ
た。
【0007】本発明は、このような従来技術の課題を解
決するためになされたもので加圧流動床ボイラにおい
て、効率良い炉内脱硫及び亜酸化窒素(N2 O)の発生
を低減することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の加圧流動床ボイラの炉内脱硫方法は、
加圧流動床ボイラの流動床を形成している粗粒の石炭と
粗粒の石灰石中に流動床重量の3%以下の超微粒の石灰
石を供給して炉内脱硫を行わせることを特徴とする。 (2) また、本発明の加圧流動床ボイラの炉内脱硫脱
硝方法は、前記(1)の加圧流動床ボイラの炉内脱硫方
法において、加圧流動床ボイラの流動床表面と気泡の破
裂個所に空気又は酸素を噴霧して流動床から排出される
微粉の未燃炭素を燃焼させ、流動床表面温度を900℃
〜1000℃に制御して亜酸化窒素を熱分解して除去す
ることを特徴とする。
【0009】
【作用】前記本発明(1)では、流動床内に超微粒の石
灰石が滞留するために、石灰石の反応表面積が従来の粗
粒の石灰石を使用した場合に比して数十倍に増加し、石
灰石のSO2 ガスとの反応割合が増加して脱硫率が向上
する。
【0010】流動床内における超微粒の石灰石の濃度が
流動床重量の3%を超えると、それ以上超微粒の石灰石
を流動床内に保持させることが困難となり、未反応の超
微粒の石灰石が反応しないまま系外に排出されてしまう
ことになる。従って、本発明(1)においては、超微粒
の石灰石の量を流動床重量の3%以下とした。
【0011】また、石灰石は3〜5μm の大きさの石灰
石結晶粒子の集まりから形成されており、超微粒の石灰
石はその大きさを小さくする程表面積が増大して脱硫反
応速度を増加することができるが、石灰石の粉砕技術と
経済性を考慮すると、本発明(1)においては、超微粒
の石灰石の大きさは0.1〜20μm 程度の範囲とする
のが適当であり、特に約20μm 前後とするのが最適で
ある。
【0012】本発明(2)においては、前記本発明
(1)において、加圧流動床ボイラの流動床表面と気泡
の破裂個所に空気又は酸素を噴霧して流動床から排出さ
れる微粉の未燃分を燃焼させる。前記本発明(1)にお
いては、前記したように、炉内脱硫を行うために通常低
温度(700〜900℃)での燃焼が行われるが、本発
明(2)においては、流動床表面と気泡の破裂個所に空
気又は酸素を噴霧して微粉の未燃炭素を燃焼させて流動
床表面温度を900〜1000℃に維持する。これによ
って、N2 Oを熱分解してN2 Oが効果的に低減され
る。
【0013】
【実施例】図1は、本発明の一実施例に用いられる加圧
流動床ボイラの縦断面図である。
【0014】図1において、流動床1は、図示しない加
圧容器の内側に設けた水冷壁2に囲まれ、分散板3上に
形成されている。流動床1とは分散板3の下方から供給
されるガスによって粒子が浮遊し、ガスにより混合攪拌
されている状態であり、その上方には粒子の存在割合が
流動床1よりも1桁以上小さくなったフリーボード4が
存在する。粗粒の石炭5は供給ノズル7から、また、粗
粒の石灰石6と超微粉石灰石6aは、供給ノズル8か
ら、それぞれ流動床1へ供給され、空気9は空気供給ノ
ズル10から風箱11を経て、分散板3の多数の小孔3
aから流動床1へ供給される。
【0015】また、水冷壁2と流動床1内に設置された
冷却管12とは、流動床1内の反応熱を除去するため、
それぞれ、冷却水13、14が供給されている。流動床
1内の粗大粒子は、流動床1の下部から下方へ延びる排
出管15から排出される。燃焼ガスは、フリーボード4
で燃焼ガスに随伴された未燃粒子および脱硫剤粒子を重
力分級により分離した後、フリーボード4の上部に開口
する排出口16からダストを含んだ燃焼排ガス17とし
て排出される。
【0016】さらに、流動床1の上部には、複数の燃焼
用空気ノズル18が流動床1の表面に向って設置され、
流動床表面及び気泡の破裂箇所に空気(又は酸素)19
が供給されるようになっている。
【0017】次に、以上に説明した加圧流動床ボイラの
運転方法の一具体例について述べる。
【0018】まず初めに、流動床1、フリーボード4に
空気供給ノズル10から空気9を通気し、16ata に加
圧する。例えば、2.0mm以下に粉砕・分級した粗粒の
石炭5と粒径が1.41〜0.5mmの粗粒の石灰石6を
それぞれ石炭、石灰石ノズル7、8より供給し、約1メ
ートルの高さの流動床1を形成する。流動床1の空塔速
度を0.8〜1.0m/sec 、Ca /Sのモル比を2.
0前後に調整する。また、流動床1の温度は石炭供給量
と冷却管12に通水する冷却水14の水量とにより調整
し、流動床1内を最適な脱硫温度800〜870℃の範
囲内である850℃にコントロールを行う。
【0019】この結果、燃焼排ガス17中の亜硫酸ガス
(SO2 )、酸化窒素(NO)、亜酸化窒素(N
2 O)、濃度は、それぞれ、SO2 =64ppm (O2
6%換算)脱硫率70%、NO=39ppm (O2 −6%
換算)、N2 O=123ppm (O2−6%換算)であっ
た。
【0020】前記のSOx は連続SOx 計(非分散型赤
外法)またNOは連続NOx 計、さらにN2 Oはガスク
ロマトグラフィを用いて行った。
【0021】本発明の実施例では、前記の運転条件を基
に、約20μm の超微粒石灰石6aを1.41〜0.5
mmの粗粒石灰石6中に重量比で2.5%になるように調
整し石灰石供給ノズル8から流動床1に供給する。この
場合、流動床重量割合は、チャー0.2〜1%、灰分1
0〜50%、石灰石50〜90%となり、超微粒石灰石
6aは流動床総重量の3%となる。
【0022】この超微粒石灰石6aの反応表面積は著し
く大きく、SO2 ガスとの反応が充分に行われる。この
結果、排ガス17中のSO2 =64ppm (O2 −6%換
算)から38ppm (O2 −6%換算)に低減することが
できた(脱硫率83%)。
【0023】一方NO及びN2 O値は変化しなかった。
【0024】さらに、燃料用空気ノズル18から空気1
9を流動床1の表面及び気泡の破裂箇所に噴霧する。こ
れによって、流動床1の表面及びフリーボード4の下部
の温度は845℃から943℃に上昇し、排ガス17中
のN2 Oは24ppm 、NOは35ppm 、SO2 は36pp
m に低減することが判明した。
【0025】本実施例において、以上の通り、超微粉石
灰石を流動床内に供給することは、石灰石の反応表面積
は大幅に増大し、SO2 低減手段として有効である。一
方、流動床表面及び気泡の破裂部に燃料用空気又は酸素
を噴霧して微粉の未燃炭素を燃焼させることによって、
流動床表面の温度を900℃以上に維持することがで
き、N2 Oを大幅に低減させることができる。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、加
圧流動床ボイラの流動床内に粗粒の石炭等の燃料、粗粒
の石灰石及び超微粒石灰石を共存させることで最適な流
動床を形成し、SO2 と反応する石灰石の反応表面積を
最大限に有効活用することが可能となり、SO2 の発生
を大幅に低減することができる。
【0027】また、さらに、流動床表面と気泡の破裂箇
所に燃焼用空気又は酸素を噴霧して流動床から排出され
る未燃炭素を燃焼させ、流動床表面に温度を900〜1
000℃に維持するという簡単な方法で、地球温室効果
および成層圏オゾン層破壊の原因物質である亜酸化窒素
(N2 O)を容易に効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に用いられる加圧流動床ボイ
ラの縦断面図である。
【符号の説明】
1 流動床 2 水冷壁 3 分散板 3a 小孔 4 フリーボード 5 石炭 6 粗粒石灰石 6a 超微粒石灰石 7 石炭の供給ノズル 8 石灰石の供給ノズル 9 空気 10 空気供給ノズル 11 風箱 12 冷却管 13 冷却水 14 冷却水 15 排出管 16 排出口 17 燃焼排ガス 18 燃焼用空気ノズル 19 空気(又は酸素)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧流動床ボイラの流動床を形成してい
    る粗粒の石炭と粗粒の石灰石中に流動床重量の3%以下
    の超微粒の石灰石を供給して炉内脱硫を行わせることを
    特徴とする加圧流動床ボイラの炉内脱硫方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の加圧流動床ボイラの炉
    内脱硫方法において、加圧流動床ボイラの流動床表面と
    気泡の破裂個所に空気又は酸素を噴霧して流動床から排
    出される微粉の未燃炭素を燃焼させ、流動床表面温度を
    900℃〜1000℃に制御して亜酸化窒素を熱分解し
    て除去することを特徴とする加圧流動床ボイラの炉内脱
    硫脱硝方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115178195A (zh) * 2022-07-12 2022-10-14 中国石油大学(华东) 一种加压鼓泡流化床冷模实验装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115178195A (zh) * 2022-07-12 2022-10-14 中国石油大学(华东) 一种加压鼓泡流化床冷模实验装置
CN115178195B (zh) * 2022-07-12 2023-07-07 中国石油大学(华东) 一种加压鼓泡流化床冷模实验装置

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