JPH0615896Y2 - ニツトジヤケツト用台紙 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、肩パットのあるニットジャケット等用の台紙
に関する。

ニット地の伸び易い性質上、肩パット付きニットジャケ
ット等においては台紙を使って運搬時、格納時等の積み
重ねによるしわの発生や型崩れを防止しているところで
ある。

（従来の技術） 従来、この種の台紙としては、例えば、ニットジャケッ
トの胴内に挿入される胴部と該胴部の上端中央に一体に
形成した首部とを有し、該首部の両側の肩部上方に肩パ
ット支持片を一体的に延設してなる台紙において、クラ
フト紙等の可撓性を有する厚紙にて一体に形成し、前記
肩パット支持片は、該首部両側から肩方向に稍広がった
略台形状の膨出片と、該膨出片の先端側に折り線を介し
て一体に形成した略台形状の折込片とからなり、該折込
片には前記折り線に沿ってスリットを穿設し、前記胴部
には該肩縁と略平行して切り起こした係止片を形成する
と共に、前記膨出片を前記胴部表面側に半円弧状に折り
曲げ、該折込片を前記膨出片内側に折込み、該係止片を
前記スリットに挿入係止してなるニットジャケット用台
紙があった（実開昭５８−１９２２７０号公報参照）。

また、肩の線に合致するように適当に屈曲させた軟質合
成樹脂、布その他の軟質連結片の両端に合成樹脂スポン
ジのような柔軟で弾力性を有する材料からなり、内側か
ら外側に向かって高くなる傾斜面を有する肩パット支持
部材（弾性型）を、適宜、連結してなる洋服の折畳芯が
あった（実公昭４０−１５２９号参照）。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、前述した実開昭５８−１９２２７０号公
報に開示されているニットジャケット用台紙にあって
は、肩パットの型崩れを防止すべき膨出部分が表面側に
のみ設けてあるため、肩パットの表側部分は型崩れを防
止できるものの、裏側部分については型崩れが防止でき
ず、また、紙板材等を単に半円弧状に折り返して膨出部
分を形成しているため、斯かる膨出部分が積み重ね等に
よって安易に潰れてしまうといった問題があった。

また、実公昭４０−１５２９号公報に開示されている洋
服の折畳芯にあっては、洋服の袖付け根部分が偏平に折
り畳まれることによって生ずる型崩れを防止できるとい
った利点を有するものの、肩パット支持部材が切欠部を
介した台紙本体に埋入されているため、ニットジャケッ
ト等のサイズに応じた肩パット支持部材の位置調整がで
きず、その都度、ニットジャケットの大きさに応じた種
々の大きさのものを取り揃えなければならないといった
問題があった。

本考案はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもの
で、肩パット支持部材を前記台紙本体に確実に結合する
ことができる他、安易に潰れることがなく、また、左右
両方の肩パット支持部材の均等な高さ位置決めも簡単に
できて使用すべきニットウエア等のサイズに応じて取付
位置を簡単かつ確実に調整できるニットジャケット用台
紙を提供することを目的としたものである。

（問題点を解決するための手段） 上述の如き従来の問題点を解決し、所期の目的を達成す
るため本考案の要旨とする構成は、ニットジャケット等
の胴内に挿入される胴部と該胴部の上端中央に一体に形
成した首部とを有してなる台紙本体を備え、該台紙本体
の首部両側の肩部には当該肩部を挟んで少なくとも表面
側に膨出した弾性を有する合成樹脂製の肩パット支持部
材を装着してなるニットジャケット用台紙において、前
記台紙本体は肩部に肩線と略平行に所定ピッチの多数の
透孔を有し、前記肩パット支持部材は表側と裏側の一対
に形成されると共に、該表裏肩パット支持部材にそれぞ
れ前記肩部の透孔と整合する同一ピッチ若しくは２倍ピ
ッチ等の貫通孔を形成し、該貫通孔に密に嵌合して前記
表裏両肩パット支持部材を互いに結合自在とした結合栓
を備えて肩幅調節自在としたニットジャケット用台紙に
存する。

（作用） このように構成された本考案のニットジャケット用台紙
だと、全体が板状の台紙であっても肩パットのある肩部
だけは該肩パット支持部材によって台紙本体の表裏両側
に膨出せしめられ、立体的に支持されて潰れることなく
立体形状が保持される。

特に、前記台紙本体が肩部に肩線と略平行に所定ピッチ
の多数の透孔を有し、前記肩パット支持部材は表側と裏
側の一対に形成されると共に、該表裏肩パット支持部材
にそれぞれ前記肩部の透孔と整合する同一ピッチ若しく
は２倍ピッチ等の貫通孔を形成し、該貫通孔に密に嵌合
して前記表裏両肩パット支持部材を互いに結合自在とし
た結合栓を備えて肩幅調節自在としたことによって、斯
かるニットジャケット用台紙を使用する際は、ニットジ
ャケット等のサイズに応じて前記透孔を両肩パット支持
部材の貫通孔に合わせ、結合栓を挿通することで、前記
表裏肩パット支持部材は前記台紙本体に簡単かつ確実に
結合されることとなり、また、肩パット支持部材の中に
前記結合栓が介在されることも相俟って、該肩パット支
持部材はより耐圧性に優れることとなり、積み重ね等に
よる安易な潰れも阻止されることとなる。

しかも、前記肩部の透孔に合わせて肩パット支持部材を
肩線に沿って内外両方向に移動可能となる他、前記ピッ
チの整合だけで左右両方の肩パット支持部材の均等な高
さ位置決めも簡単になされることとなり、使用すべきニ
ットウエア等のサイズに応じて取付位置が簡単かつ確実
に調整可能となる。

（実施例） 次に本考案の実施例を図面を参照しながら説明する。

図中１は、本考案の第１実施例に係るニットジャケット
用台紙を示すもので、クラフト紙をもって形成した台紙
本体２と、肩パット支持部材３とから構成している。

台紙本体２は、ニットジャケット等の胴内に挿入される
胴部２１と該胴部の上端中央に一体に形成した首部２２
とを有してなり、その首部２２の両側の肩部には肩線２
３と略平行に所定ピッチの５列の透孔２４、…をそれぞ
れ形成している。

該肩パット支持部材３は、発泡スチロール材にて表側と
裏側の対称の一対である表側支持部材３１と、裏側支持
部材３２とで構成している。

この表裏支持部材３１、３２には、台紙本体２１の透孔
２４、…の２倍ピッチで貫通孔３３、３３及び３４、３
４をそれぞれ形成している。

貫通孔３３と貫通孔３４とは、貫通孔３４の下側から貫
通孔３３の表面に至るに従い次第に大径となるように形
成してある。そして、この貫通孔３３と貫通孔３４に密
に嵌合する発泡スチロール材製の結合栓３５、３５にて
表裏肩パット支持部材３１、３２を台紙本体２の肩部を
挟んで結合自在としている。

上記台紙本体２の透孔２４、…は、最も内側の透孔に該
肩パット支持部材３の貫通孔３３、３４を合わせたとき
に台紙本体２の幅と両肩パット支持部材３、３の外幅と
略同一幅となるように形成している。従って、該透孔２
４、…への装着を外側にずらすことで、両肩パット支持
部材３、３の外幅は該透孔２４、…のピッチ分ずつ大き
くなるものである。

このように構成したニットジャケット用台紙１を使用す
る際は、ニットジャケット等のサイズに応じて該透孔２
４、…を外側に一つずつずらせて両肩パット支持部材
３、３の貫通孔３３、３４を合わせ、結合栓３５、３５
を挿通することで、表裏肩パット支持部材３１、３２を
台紙本体２の肩部を挟んで確実に結合することができ
る。

次に第３図及び第４図は、本考案の第２実施例を示すも
ので、共通部分には共通の符号を付して示す。

図中１ａは、第２実施例に係るニットジャケット用台紙
を示すもので、台紙本体２ａの肩部２３には鋸歯状の係
止部２５を形成している。

肩パット支持部材３ａは、発泡スチロールにて一体に形
成するとともに、中央水平方向に延びて当該肩パット支
持部材３ａを表裏側に二股状に二分する挟持溝３６を形
成している。

このように形成した肩パット支持部材３ａを上記台紙本
体２に取り付けるには、台紙本体２ａの肩部２３を肩パ
ット支持部材３ａの挟持溝３６に挿入せしめ、そのま
ま、台紙本体２ａの胴部２１方向へ押し付けることによ
って、挟持溝３６の奥部３７に鋸歯状の係止部２５が突
きささり保持されることとなる。

このとき、肩パット支持部材３ａを肩線に沿ってずらせ
ることで、使用すべきニットウエア等のサイズに応じて
取り付け位置を調整できる。

更に第５図及び第６図は、本考案の第３実施例のニット
ジャケット用台紙１ｂを示すもので、台紙本体２ｂの肩
部２３には折り線２６を介して折り返し自在とした抜止
め片２７を形成している。

肩パット支持部材３ａは、第２実施例のものと同じもの
を使用する。

このように形成した台紙本体２ｂに肩パット支持部材３
ａを取り付けるには、抜止め片２７を折り返して二重構
造となった肩部２３を肩パット支持部材３ａの挟持溝３
６に挿入せしめ、そのまま台紙本体２ｂの胴部２１方向
へ押し付けるのみでよい。

このとき、肩部２３に装着された肩パット支持部材３ａ
は、抜止め片２７の折り返しによる極小さな反発力が挟
持溝３６を広げる方向に働き、若しくは抜止め片２７の
遊端２８が挟持溝３６の内壁に引掛かって、肩パット支
持部材３ａが抜けるのを防止することとなる。

また、肩パット支持部材３ａを肩線に沿ってずらせるこ
とで、使用すべきニットウエア等のサイズに応じて取り
付け位置を調整できることは上記実施例と同様である。

（考案の効果） 本考案は上述の如く構成され、前記台紙本体が肩部に肩
線と略平行に所定ピッチの多数の透孔を有し、前記肩パ
ット支持部材は表側と裏側の一対に形成されると共に、
該表裏肩パット支持部材にそれぞれ前記肩部の透孔と整
合する同一ピッチ若しくは２倍ピッチ等の貫通孔を形成
し、該貫通孔に密に嵌合して前記表裏両肩パット支持部
材を互いに結合自在とした結合栓を備えて肩幅調節自在
としたことによって、斯かるニットジャケット用台紙を
使用する際は、ニットジャケット等のサイズに応じて前
記透孔を両肩パット支持部材の貫通孔に合わせ、結合栓
を挿通することで、表裏肩パット支持部材を前記台紙本
体に簡単かつ確実に結合することができる他、肩パット
支持部材の中に前記結合栓が介在されることも相俟っ
て、安易に潰れることがないといった効果を奏すると共
に、左右両方の肩パット支持部材の均等な高さ位置決め
も簡単にできるため、使用すべきニットウエア等のサイ
ズに応じて取付位置を簡単かつ確実に調整できるなど、
サイズの異なるニットジャケット等に対応できるフリー
サイズのニットジャケット用台紙を提供できることとな
った。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は第１実施
例を示す一部分解斜視図、第２図は第１図のII−II線拡
大断面図、第３図は第２実施例を示す一部分解斜視図、
第４図は第３図のIV−IV線拡大断面図、第５図は第３実
施例を示す一部分解斜視図、第６図は第５図のVI−VI線
拡大断面図である。 １、１ａ、１ｂ……ニットジャケット用台紙、２、２
ａ、２ｂ……台紙本体、２１……胴部、２２……首部、
２３……肩部、２４……透孔、２５……係止部、２７…
…抜止め片、３、３ａ……肩パット支持部材、３１……
表側肩パット支持部材、３２……裏側肩パット支持部
材、３３、３４……貫通孔、３５……結合栓、３６……
挟持溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ニットジャケット等の胴内に挿入される胴
   部と該胴部の上端中央に一体に形成した首部とを有して
   なる台紙本体を備え、該台紙本体の首部両側の肩部には
   当該肩部を挟んで少なくとも表面側に膨出した弾性を有
   する合成樹脂製の肩パット支持部材を装着してなるニッ
   トジャケット用台紙において、 前記台紙本体は肩部に肩線と略平行に所定ピッチの多数
   の透孔を有し、前記肩パット支持部材は表側と裏側の一
   対に形成されると共に、該表裏肩パット支持部材にそれ
   ぞれ前記肩部の透孔と整合する同一ピッチ若しくは２倍
   ピッチ等の貫通孔を形成し、該貫通孔に密に嵌合して前
   記表裏両肩パット支持部材を互いに結合自在とした結合
   栓を備えて肩幅調節自在としたことを特徴としてなるニ
   ットジャケット用台紙。