JPH06151985A - 永久電流スイッチ - Google Patents

永久電流スイッチ

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JPH06151985A
JPH06151985A JP4327566A JP32756692A JPH06151985A JP H06151985 A JPH06151985 A JP H06151985A JP 4327566 A JP4327566 A JP 4327566A JP 32756692 A JP32756692 A JP 32756692A JP H06151985 A JPH06151985 A JP H06151985A
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JP
Japan
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switch
superconducting wire
winding
force generating
winding portion
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Application number
JP4327566A
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English (en)
Inventor
Shoichi Yokoyama
彰一 横山
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 通電可能電流を高くでき、かつクエンチしに
くい永久電流スイッチを得る。 【構成】 スイッチ用超電導線を誘導巻きし、そのスイ
ッチ用超電導線巻線部3の外側に圧縮力発生巻線部4を
備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超電導マグネットな
どに使用する永久電流スイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は例えば特開平4−79381号公
報に示された従来の永久電流スイッチを示す断面図であ
り、図において、1は巻枠、3はこの巻枠1に巻き付け
られたスイッチ用超電導線巻線部、6はこのスイッチ用
超電導線巻線部3を加熱するためのヒーター、7はこの
ヒーター6による加熱を断熱するための断熱材である。
【0003】また、図10は上記永久電流スイッチの動
作を説明する結線図であり、3はスイッチ用超電導線巻
線部、6はヒーター、10は超電導コイル、11は主電
源、12はヒーター用電源である。
【0004】次に動作について説明する。永久電流スイ
ッチは超電導コイル10の両端に接続され、電源11か
ら電流が超電導コイル10に供給される際に、ヒーター
6でスイッチ用超電導線巻線部3を加熱し、常電導状態
に転移させて、抵抗を発生させることにより、この永久
電流スイッチをオフ状態にする。
【0005】また、超電導コイル10の電流値が所定値
になった状態で、ヒーター6の加熱を止め、永久電流ス
イッチが超電導になってオン状態になった後に、主電源
11の電流を下げることにより、永久電流スイッチに電
流が流れ始め、主電源11の電流がゼロになっても、超
電導コイル10の電流は所定の電流値を保ったままにな
る(永久電流モード)。
【0006】また、図11は従来の永久電流スイッチに
おいて、スイッチ用超電導線に、電流リード用超電導線
2a,2bおよび接続部5a,5bを介して電流を印加
した際に、各線に加わる電磁力を示した分布図である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の永久電流スイッ
チは以上のように構成されているので、上記のようにス
イッチ用超電導線巻線部3が無誘導巻きされて、隣合う
スイッチ用超電導線の電流方向は、図11に示すよう
に、各々逆方向であり、お互いの力の向きは反発力とな
る。
【0008】また、この永久電流スイッチに外部磁界が
加わった場合においては、各々の電磁力の方向は反対に
なり非常に複雑な力の分布になる。このような複雑な力
の分布をもつ永久電流スイッチでは、スイッチ用超電導
線の各線の動きを抑えることが難しい。
【0009】スイッチ用超電導線は、一般に高抵抗の母
材に超電導フィラメントを埋め込んであるため、このよ
うな線の動きにより発熱が生じ、一部の超電導体が常電
導に転移すると、超電導体に流れていた電流が高抵抗の
母材に流れて発熱し、スイッチ用超電導線の全てが常電
導に転移(クエンチ)してしまうなどの問題点があっ
た。
【0010】また、従来の永久電流スイッチは上記のよ
うにスイッチ用超電導線巻線部3が無誘導巻されてお
り、この巻線方法は2本の往復線を一緒に巻線するもの
であり、各超電導線に加わる巻き張力を制御するのが困
難であるほか、2本の往復導体を束ねて巻線しているの
で、電流端子付近の超電導線の電気耐圧を高くしなけれ
ばならないなどの問題点があった。
【0011】請求項1の発明は上記のような課題を解消
するためになされたもので、通電可能電流を向上させ、
クエンチしにくい永久電流スイッチを得ることを目的と
する。
【0012】請求項2の発明はスイッチ用超電導線より
臨界電流の大きい超電導線を用いても、圧縮力発生巻線
部のクエンチの発生を抑制できる永久電流スイッチを得
ることを目的とする。
【0013】請求項3の発明はスイッチ用超電導線に加
わる電磁力を全て巻枠方向にし、クエンチの発生を抑制
できる永久電流スイッチを得ることを目的とする。
【0014】請求項4の発明はクエンチの発生を抑制で
きるとともに、ヒーターによる圧縮力発生巻線部の加熱
を抑えて、永久電流スイッチのオフ時間を短くし、ヒー
ター容量を低減できる永久電流スイッチを得ることを目
的とする。
【0015】請求項5の発明は圧縮力発生巻線部の巻き
作業を容易化でき、スイッチ用超電導線へ無理な力が加
わらないようにしてクエンチの発生を抑制できる永久電
流スイッチを得ることを目的とする。
【0016】請求項6の発明は圧縮力発生巻線部側に低
摩擦材料を施しても、摩擦熱を抑えることでクエンチの
発生を抑制できる永久電流スイッチを得ることを目的と
する。
【0017】請求項7の発明はスイッチ用超電導線巻線
部および圧縮力発生巻線部を重ね、これらを中間巻枠を
介して複数層に重ねて設けることによっても、クエンチ
の発生を抑制できる永久電流スイッチを得ることを目的
とする。
【0018】請求項8の発明は圧縮力発生巻線部を別電
源で励磁することにより、スイッチ用超電導線巻線部の
電流値や外部磁界が変っても、圧縮力を一定に維持でき
る永久電流スイッチを得ることを目的とする。
【0019】請求項9の発明は圧縮力発生巻線部を永久
電流モードにすることにより、長期連続運転を安定に実
施できる永久電流スイッチを得ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る永
久電流スイッチは、スイッチ用超電導線を誘導巻し、そ
のスイッチ用超電導線巻線部の外側に圧縮力発生巻線部
を備えたものである。
【0021】また、請求項2の発明に係る永久電流スイ
ッチは、圧縮力発生巻線部の巻線に、低抵抗母材の超電
導線もしくはスイッチ用超電導線より臨界電流の大きい
超電導線を用いたものである。
【0022】請求項3の発明に係る永久電流スイッチ
は、圧縮力発生巻線部の巻線数がスイッチ用超電導線巻
線部と同等かそれ以上としたものである。
【0023】また、請求項4の発明に係る永久電流スイ
ッチは、スイッチ用超電導線巻線部と圧縮力発生巻線部
との間にヒーターと断熱材を施したものである。
【0024】請求項5の発明に係る永久電流スイッチ
は、スイッチ用超電導線巻線部と圧縮力発生巻線との間
に中間巻枠を施したものである。
【0025】請求項6の発明に係る永久電流スイッチ
は、中間巻枠と圧縮力発生巻線部との間に低摩擦材料を
接着せずに施したものである。
【0026】請求項7の発明に係る永久電流スイッチ
は、スイッチ用超電導線巻線部および圧縮力発生巻線部
を分割し、組み合わせの各層ごとに中間巻枠を設けたも
のである。
【0027】また、請求項8の発明に係る永久電流スイ
ッチは、誘導巻きされた高抵抗母材を有するスイッチ用
超電導線巻線部およびその外側に低抵抗母材を有する超
電導線がスイッチ用超電導線と反対の巻方向で誘導巻さ
れた圧縮力発生巻線部を有し、この圧縮力発生巻線部を
永久電流スイッチ用超電導線と別電源で励磁するように
したものである。
【0028】請求項9の発明に係る永久電流スイッチ
は、圧縮力発生巻線部を永久電流モードで運転するよう
にしたものである。
【0029】
【作用】請求項1の発明における永久電流スイッチは、
スイッチ用超電導線が誘導巻きされ、この超電導線に圧
縮力を発生するための巻線部を設けているので、スイッ
チ用超電導線が動きにくくなるとともに、クエンチが発
生しにくくなり、通電可能電流が向上する。
【0030】また、請求項2の発明における永久電流ス
イッチは、圧縮力発生巻線部の巻線に低抵抗母材の超電
導線もしくはスイッチ用超電導線より臨界電流の大きい
超電導線を用いることで電磁力により線が動き易い圧縮
力発生巻線部をクエンチしにくくする。
【0031】また、請求項3の発明における永久電流ス
イッチは、圧縮力発生巻線部の巻線数をスイッチ用超電
導線の巻線数と同数かそれ以上にすることにより、スイ
ッチ用超電導線に加わる自己の電磁力を全て巻枠方向に
して、クエンチしにくくする。
【0032】また、請求項4の発明における永久電流ス
イッチは、スイッチ用超電導線巻線部と圧縮力発生巻線
部との間にヒーター断熱材を施すことにより、クエンチ
しにくくし、永久電流スイッチをオフする際にヒーター
を加熱した場合に、圧縮力発生巻線部を加熱しないよう
にし、オフ時間を短くし、ヒーターの容量も小さくす
る。
【0033】また、請求項5の発明における永久電流ス
イッチは、スイッチ用超電導線巻線部と圧縮力発生巻線
部との間に中間巻枠を設けることで、圧縮力発生巻線部
を巻き易くするだけではなく、圧縮力発生巻線部を巻線
した際に、スイッチ用超電導線巻線部に応力が加わらな
いようにし、スイッチ用超電導線に無理な力が加わらな
いようにして、クエンチしにくくする。
【0034】また、請求項6の発明における永久電流ス
イッチは、中間巻枠の圧縮力発生巻線部側に低摩擦材料
を施し、両者を接着しないようにすることで、圧縮力発
生巻線部には電磁力が半径方向外側に加わり、線材が動
いたとしても摩擦熱を小さくして、圧縮力発生巻線部を
クエンチしにくくする。
【0035】また、請求項7の発明における永久電流ス
イッチは、スイッチ用超電導線巻線部および圧縮力発生
巻線部を分割し、組み合わせの各層ごとに中間巻枠を設
けることで、スイッチのオフ抵抗が大きくなっても、巻
枠に巻く層数が変らないので、電磁力の効き方を同じに
する。さらに、中間巻枠を設けることで、圧縮力発生巻
線部の電磁力を次の外側のスイッチ用超電導線巻線部に
加わらないようにして、クエンチしにくくする。また、
分割数を増やすことにより自己インダクタンスを小さく
する。
【0036】また、請求項8の発明における永久電流ス
イッチは、誘導巻きされた高抵抗母材を有するスイッチ
用超電導線巻線部、およびその外側に低抵抗母材を有す
る超電導線がスイッチ用超電導線と反対の巻方向で誘導
巻きされた圧縮力発生巻線部を有し、この圧縮力発生巻
線部にスイッチ用超電導線巻線部の電流と関係なく独立
に圧縮力発生用の磁界を発生させて、圧縮力を制御可能
にする。従って、スイッチ用超電導線巻線部の電流値が
変ったり、外部磁界が加わっても圧縮力を一定に保たせ
る。
【0037】また、請求項9の発明における永久電流ス
イッチは、圧縮力発生巻線部を永久電流モードで運転す
るので、永久電流スイッチ巻線部が結線されている主回
路が永久電流モードで運転される場合、この圧縮力発生
巻線部も永久電流モードにすることで、長期連続運転が
でき、安定した通電を可能にする。
【0038】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1において、1は巻枠、2a,2bは低抵抗母
材を有する電流リード用超電導線、3は誘導巻きされ
た、例えば高抵抗母材を有するスイッチ用超電導線巻線
部、4はスイッチ用超電導線巻線部3と同巻数の圧縮力
発生巻線部、5a,5bは接続部、6はヒーター、7は
断熱材である。また、図2はこの発明の永久電流スイッ
チの動作を説明するための結線図であり、10は超電導
コイル、11は主電源、12はヒーター用電源である。
【0039】次に動作について説明する。図2に示すよ
うに、スイッチ用超電導線巻線部3およびヒーター6か
ら構成される永久電流スイッチは、超電導コイル10の
両端に接続され、主電源11から電流が超電導コイル1
0に供給される際に、ヒーター6でスイッチ用超電導線
巻線部3を加熱し、常電導状態に転移させ抵抗発生させ
ることにより、永久電流スイッチをオフ状態にする。
【0040】次に、超電導コイル10の電流値が所定値
になった状態で、ヒーター6の加熱を止め、永久電流ス
イッチが超電導になりオン状態になった後に、電流を下
げる。これにより、永久電流スイッチに電流が流れ始
め、電源11の電流がゼロになっても、超電導コイル1
0の電流は所定の電流値を保ったままになる(永久電流
モード)。
【0041】このような永久電流スイッチにおいて、電
流をどの方向に印加しても、スイッチ用超電導線巻線部
3が受ける電磁力は、図3に示されるように巻枠1方向
になるので、スイッチ用超電導線は動きにくくなり、ま
た、熱擾乱の発生が抑えられるので、クエンチしにくく
なり、通電可能電流が向上する。
【0042】また、巻枠1の外径側に力が加わり易く線
が動き易い圧縮力発生巻線部4において、例えば銅のよ
うな低抵抗金属で覆われた超電導線を用いているので、
線の動きにより超電導線の一部がクエンチしても、発熱
量が小さいので、クエンチしにくい永久電流スイッチを
得ることができる。
【0043】また、この発明の永久電流スイッチにおい
ては、従来の永久電流スイッチが無誘導巻として往復2
本の超電導線を同時に巻かねばならず、この2本の各巻
き張力を制御することが困難であるのに対し、このスイ
ッチ用超電導線巻線部3および圧縮力発生巻線部4は単
線で反対の巻方向に巻線を行うので、巻き張力の制御は
容易である。
【0044】また、往復導体として、スイッチ用超電導
線巻線部3と圧縮力発生巻線部4とを別に巻線でき、電
流リード付近の線間距離がとれるので、超電導線の電気
耐圧を高くする必要がなくなる。
【0045】また、永久電流スイッチは、圧縮力発生巻
線部4の巻数がスイッチ用超電導線巻線部3の巻数と同
数になっているので、永久電流スイッチの中心磁界はほ
ぼゼロに近くなり、永久電流スイッチ全体のインダクタ
ンスも最小になる。このため、永久電流モードで運転す
る超電導コイル10のインダクタンスが小さい場合や超
電導コイル10の磁界要求精度が厳しい場合において、
永久電流スイッチによる影響は小さい。
【0046】実施例2.なお、上記実施例では圧縮力発
生巻線部4に低抵抗金属母材の超電導線を用いたが、臨
界電流が上記スイッチ用超電導線より大きいまたは低抵
抗母材の超電導線を用いてもよく、上記実施例と同様の
効果を奏する。
【0047】実施例3.また、上記実施例では圧縮力発
生巻線部4の巻数がスイッチ用超電導線巻線部3の巻数
と同数のものを示したが、巻数がスイッチ用超電導線巻
線部3の巻数より多くてもよく、この場合には、上記実
施例で示したスイッチ超電導線に加わる電磁力がさらに
大きくなるので、線材の動きが抑えやすくなり、クエン
チしにくくなる。
【0048】また、永久電流スイッチが外部磁界を受け
る場合には、この圧縮力発生巻線部4で外部磁界を打ち
消すように巻線数を設計することにより、上記実施例と
同様の効果を奏する。
【0049】実施例4.図4は請求項4の発明の一実施
例を示す断面図であり、図では対称な下側半分の図示を
省略している。この実施例の永久電流スイッチにおいて
は、圧縮力発生巻線部4を断熱材7の外側に配置してい
る。
【0050】これによれば、図示のように圧縮力発生巻
線部4が断熱材7の外側に配置されているため、ヒータ
ー6で加熱する場合において、抵抗値が低く、スイッチ
のオフ抵抗への寄与が期待できない圧縮力発生巻線部4
を加熱しないので、永久電流スイッチのオフ時間が短縮
でき、ヒーター6の容量も小さくてすむ。
【0051】また、クエンチしやすい圧縮力発生巻線部
4が断熱材7の外側に巻かれており、液体ヘリウム等の
冷媒で直接冷却できるため、熱擾乱が圧縮力発生巻線部
4で生じても直ちに冷却され、クエンチしにくくなる。
【0052】実施例5.図5は請求項5および請求項6
に記載の発明の一実施例を示す断面図であり、図におい
て、8は中間巻枠であり、この中間巻枠8と圧縮力発生
巻線部4との間に樹脂フィルム9を設けている。
【0053】これによれば、スイッチ用超電導線巻線部
3と圧縮力発生巻線部4との間に中間巻線枠8を配置す
ることで、圧縮力発生巻線部4の超電導線が動いて発熱
しても、スイッチ用超電導線巻線部3に熱が伝わりにく
く、従って、スイッチ用超電導線巻線部3はクエンチし
にくくなる。
【0054】図5では巻層数が各3層のものを示した
が、層数が多い場合には、中間巻枠8があるため、圧縮
力発生巻線部4の巻線による応力がスイッチ用超電導線
巻線部3に加わらず、この応力によるスイッチ用超電導
線巻線部3のダメージを防止可能にする。
【0055】もし、この中間巻枠8がないと、巻線時に
引っ張り力を加える際に、外層の巻線による圧縮力によ
り内層の巻線が緩み、引っ張り応力が小さくなり、線が
動きやすくなる。
【0056】また、上記実施例において、圧縮力発生巻
線部4と中間巻枠8の間に、接着剤を用いずに、例えば
ポリイミドのような低摩擦材料としての樹脂フィルム9
を施すことで、永久電流スイッチに通電した場合に、圧
縮力発生巻線部4に外径方向の電磁力が加わり線が動い
たとしても、低摩擦の樹脂フィルム9を施しているた
め、発熱量が小さくなり、クエンチしにくくなる。
【0057】実施例6.なお、上記実施例では、圧縮力
発生巻線部4と中間巻枠8との間に樹脂フィルム9を施
したが、例えば、銅などの金属や酸化マグネシウムなど
の高熱伝導率セラミックを用いると、発熱しても熱拡散
するので温度上昇は小さく、圧縮力発生巻線部4をクエ
ンチしにくくすることができる。
【0058】実施例7.図6は請求項7に記載の発明の
一実施例を示す断面図であり、図において、8はスイッ
チ用超電導線巻線部3が巻かれ、この外側に巻かれた圧
縮力発生巻線部4の外側に配置された中間巻枠である。
【0059】この実施例の永久電流スイッチにおいて
は、スイッチ用超電導線巻線部3および圧縮力発生巻線
部4を分割し、組み合わせの各層ごとに中間巻枠8を設
けている。これによれば、スイッチのオフ抵抗が大きく
なっても、巻枠に巻く層数が変らないので、電磁力の効
き方は実施例1の場合と同じである。
【0060】さらに、中間巻枠8を設けているので、圧
縮力発生巻線部4の電磁力が、次の外側のスイッチ用超
電導線巻線部3に加わらず、クエンチしにくくなる。ま
た、分割数を増やすことにより、自己インダクタンスを
小さくすることもできる。
【0061】実施例8.図7は請求項8に記載の発明の
一実施例を示す結線図であり、図において、13は圧縮
力発生巻線部4を励磁するための圧縮力発生巻線部用電
源である。
【0062】この実施例における永久電流スイッチは、
圧縮力発生巻線部4をスイッチ用超電導線巻線部3と別
電源で通電できるので、スイッチ用超電導線巻線部3の
電流と関係なく、独立に圧縮力発生巻線部4に磁界を発
生することができ、これにより、スイッチ用超電導線巻
線部3の圧縮力を制御できる。
【0063】従って、スイッチ用超電導線巻線部3の通
電電流が変化したり、外部磁界が加わったとしても、圧
縮力を一定に保つことができ、スイッチ用超電導線材を
動きにくくして、クエンチを発生しにくくする。
【0064】実施例9.図8は請求項9に記載の発明の
一実施例を示す結線図であり、図において、30は圧縮
力発生巻線部4に接続された圧縮力発生巻線部用永久電
流スイッチ部である。この実施例における永久電流スイ
ッチは、圧縮力発生巻線部4を永久電流モードで運転す
るので、永久電流スイッチ巻線部が結線されている主回
路が永久電流モードで運転される場合、この圧縮力発生
巻線部4も永久電流モードにすることにより、長期連続
運転ができ、安定した通電が可能になる。
【0065】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、スイッチ用超電導線を誘導巻し、その巻線部の外側
に圧縮力発生巻線部を備えるように構成したので、通電
可能電流を向上させ、クエンチしにくい永久電流スイッ
チを得ることができ、無誘導巻のような巻線を行わない
で単線で巻線できるので、巻張力を容易に制御できるも
のが得られる効果がある。
【0066】請求項2の発明によれば、圧縮力発生巻線
部の巻線に、低抵抗母材の超電導線もしくはスイッチ用
超電導線より臨界電流の大きい超電導線を用いる構成と
したので、電磁力により線が動き易い圧縮力発生巻線部
をクエンチしにくくできるものが得られる効果がある。
【0067】請求項3の発明によれば、圧縮力発生巻線
部の巻線数がスイッチ用超電導線巻線部と同等かそれ以
上となるように構成したので、スイッチ用超電導線に加
わる電磁力を巻枠方向とすることができ、クエンチの発
生を抑えられるものが得られる効果がある。
【0068】請求項4の発明によれば、スイッチ用超電
導線巻線部と圧縮力発生巻線部との間にヒーターと断熱
材を施すように構成したので、クエンチの発生を抑える
とともに、ヒーターの加熱時に圧縮力発生巻線部の加熱
を防止して、オフ時間を短縮できるものが得られる効果
がある。
【0069】請求項5の発明によれば、スイッチ用超電
導線巻線部と圧縮力発生巻線との間に中間巻枠を施すよ
うに構成したので、圧縮力発生巻線部を巻き易くでき、
この巻線の際に、スイッチ用超電導線巻線部に無理な力
が加わるのを防止できるものが得られる効果がある。
【0070】請求項6の発明によれば、中間巻枠と圧縮
力発生巻線部との間に低摩擦材料を接着せずに施すよう
に構成したので、圧縮力発生巻線部に、電磁力が半径方
向に加わって線材が動いても、摩擦熱を小さくでき、ク
エンチの発生を抑制できるものが得られる効果がある。
【0071】請求項7の発明によれば、スイッチ用超電
導線巻線部および圧縮力発生巻線部を分割し、組み合わ
せの各層ごとに中間巻枠を設けるように構成したので、
所期の電磁力の効き目を得ることができるほか、圧縮力
発生巻線部の電磁力を次の外側のスイッチ用超電導線巻
線部に伝わらないようにすることができるものが得られ
る効果がある。
【0072】請求項8の発明によれば、誘導巻きされた
高抵抗母材を有するスイッチ用超電導線巻線部およびそ
の外側に低抵抗母材を有する超電導線がスイッチ用超電
導線と反対の巻方向で誘導巻された圧縮力発生巻線部を
有し、この圧縮力発生巻線部を永久電流スイッチ用超電
導線と別電源で励磁するように構成したので、圧縮力発
生巻線部に独自に磁界を発生して、独立して圧縮力を制
御でき、従って、スイッチ用超電導線巻線部の電流値が
変ったり、外部磁界が加わっても、圧縮力を一定に維持
できるものが得られる効果がある。
【0073】請求項9の発明によれば、圧縮力発生巻線
部を永久電流モードで運転するように構成したので、永
久電流スイッチ巻線部が接続されている主回路が永久電
流モードで運転される場合に、長期連続運転ができ、安
定した通電を実現できるものが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜請求項3の発明の実施例による永久
電流スイッチを示す断面図である。
【図2】請求項1の発明の永久電流スイッチの動作を説
明するための結線図である。
【図3】図2におけるスイッチ用超電導線巻線部および
圧縮力発生巻線部に加わる電磁力の分布を示す説明図で
ある。
【図4】請求項4の発明の一実施例による永久電流スイ
ッチを一部破断して示す断面図である。
【図5】請求項5および請求項6の発明の実施例による
永久電流スイッチを一部破断して示す断面図である。
【図6】請求項7の発明の一実施例による永久電流スイ
ッチを一部破断して示す断面図である。
【図7】請求項8の発明の一実施例による永久電流スイ
ッチの動作を説明するための結線図である。
【図8】請求項9の発明の一実施例による永久電流スイ
ッチの動作を説明するための結線図である。
【図9】従来の永久電流スイッチを一部破断して示す断
面図である。
【図10】従来の永久電流スイッチの動作を説明するた
めの結線図である。
【図11】従来の永久電流スイッチのスイッチ用超電導
線巻線部に加わる電磁力の分布を示す説明図である。
【符号の説明】
1 巻枠 2a,2b 電流リード用超電導線 3 スイッチ用超電導線巻線部 4 圧縮力発生巻線部 6 ヒーター 7 断熱材 8 中間巻枠 9 樹脂フィルム(低摩擦材料) 10 超電導コイル 13 圧縮力発生巻線部用電源 30 圧縮力発生巻線部用永久電流スイッチ部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導コイルの両端に接続され、巻枠に
    誘導巻されたヒーター加熱可能なスイッチ用超電導線巻
    線部と、該スイッチ用超電導線巻線部の両側の端部にそ
    れぞれ低抵抗で接続された電流リード用超電導線と、上
    記スイッチ用超電導線巻線部の外側に反対の巻方向に誘
    導巻きされた圧縮力発生巻線部とを備えた永久電流スイ
    ッチ。
  2. 【請求項2】 超電導コイルの両端に接続され、巻枠に
    誘導巻されたヒーター加熱可能なスイッチ用超電導線巻
    線部と、該スイッチ用超電導線巻線部の両側の端部にそ
    れぞれ低抵抗で接続された電流リード用超電導線と、上
    記スイッチ用超電導線巻線部の外側に反対の巻方向に誘
    導巻きされ、該スイッチ用超電導線巻線部より臨界電流
    が大きい超電導線または低抵抗母材の超電導線を用いた
    圧縮力発生巻線部とを備えた永久電流スイッチ。
  3. 【請求項3】 超電導コイルの両端に接続され、巻枠に
    誘導巻されたヒーター加熱可能なスイッチ用超電導線巻
    線部と、該スイッチ用超電導線巻線部の両側の端部にそ
    れぞれ低抵抗で接続された電流リード用超電導線と、上
    記スイッチ用超電導線巻線部の外側に反対の巻方向に誘
    導巻きされ、かつ巻数が該スイッチ用超電導線巻線部の
    巻線数と同数かそれ以上の圧縮力発生巻線部とを備えた
    永久電流スイッチ。
  4. 【請求項4】 超電導コイルの両端に接続され、巻枠に
    誘導巻されたヒーター加熱可能なスイッチ用超電導線巻
    線部と、該スイッチ用超電導線巻線部の両側の端部にそ
    れぞれ低抵抗で接続された電流リード用超電導線と、上
    記スイッチ用超電導線巻線部の外側に、断熱材および上
    記ヒーター加熱用のヒーターを介して反対の巻方向に誘
    導巻きされた圧縮力発生巻線部とを備えた永久電流スイ
    ッチ。
  5. 【請求項5】 超電導コイルの両端に接続され、巻枠に
    誘導巻されたヒーター加熱可能なスイッチ用超電導線巻
    線部と、該スイッチ用超電導線巻線部の両側の端部にそ
    れぞれ低抵抗で接続された電流リード用超電導線と、上
    記スイッチ用超電導線巻線部の外側に中間巻枠を介して
    反対の巻方向に誘導巻きされた圧縮力発生巻線部とを備
    えた永久電流スイッチ。
  6. 【請求項6】 超電導コイルの両端に接続され、巻枠に
    誘導巻されたヒーター加熱可能なスイッチ用超電導線巻
    線部と、該スイッチ用超電導線巻線部の両側の端部にそ
    れぞれ低抵抗で接続された電流リード用超電導線と、上
    記スイッチ用超電導線巻線部の外側に低摩擦材料を介し
    て反対の巻方向に誘導巻きされた圧縮力発生巻線部とを
    備えた永久電流スイッチ。
  7. 【請求項7】 超電導コイルの両端に接続され、巻枠に
    誘導巻されたヒーター加熱可能なスイッチ用超電導線巻
    線部と、該スイッチ用超電導線巻線部の両側の端部にそ
    れぞれ低抵抗で接続された電流リード用超電導線と、上
    記スイッチ用超電導線巻線部の外側に反対の巻方向に誘
    導巻きされた圧縮力発生巻線部とを備え、上記スイッチ
    用超電導線巻線部およびこれに重ねられた圧縮力発生巻
    線部を一組として、複数組が重ねられ、これらの各組間
    に介在された中間巻枠とを備えた永久電流スイッチ。
  8. 【請求項8】 超電導コイルの両端に接続され、巻枠に
    誘導巻されたヒーター加熱可能なスイッチ用超電導線巻
    線部と、該スイッチ用超電導線巻線部の外側に反対の巻
    方向に誘導巻きされた低抵抗母材を有する超電導線の圧
    縮力発生巻線部と、該圧縮力発生巻線部を上記スイッチ
    用超電導線巻線部とは独立して励磁する圧縮力発生巻線
    部用電源とを備えた永久電流スイッチ。
  9. 【請求項9】 超電導コイルの両端に接続され、巻枠に
    誘導巻されたヒーター加熱可能なスイッチ用超電導線巻
    線部と、該スイッチ用超電導線巻線部の外側に反対の巻
    方向に誘導巻きされた圧縮力発生巻線部と、該圧縮力発
    生巻線部に対し並列接続されて、該圧縮力発生巻線部を
    永久電流モードで運転する圧縮力発生巻線部用永久電流
    スイッチ部とを備えた永久電流スイッチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007158265A (ja) * 2005-12-08 2007-06-21 Kobe Steel Ltd 超電導コイル

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JP2007158265A (ja) * 2005-12-08 2007-06-21 Kobe Steel Ltd 超電導コイル

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