JPH06149297A - 短期予測係数の計算方法 - Google Patents

短期予測係数の計算方法

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JPH06149297A
JPH06149297A JP4316265A JP31626592A JPH06149297A JP H06149297 A JPH06149297 A JP H06149297A JP 4316265 A JP4316265 A JP 4316265A JP 31626592 A JP31626592 A JP 31626592A JP H06149297 A JPH06149297 A JP H06149297A
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祐児 前田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 共分散行列計算部12は音声サンプルデータ
の自己相関より共分散行列を計算する。初期相関算出部
14は初期の前向き残差の自己相関F0 、後向き残差の
自己相関B0 及び両者の相互の相関C0 を算出する。所
定値算出部15は上記自己相関F0 、B0 より閾値とな
る所定値を算出する。予測誤差レベル判定部16は相関
計算部19で計算された自己相関Fj 、後向き残差の自
己相関Bj及び両者の相互の相関Cj に基づいた予測誤
差と上記所定値とを比較する。反射係数計算&量子化部
17は反射係数を求め、量子化する。反射係数固定部1
8は予測誤差レベル判定部16の結果に基づいてその次
数及び高次の次数の反射係数を零近傍に固定し、その次
数以降の反射係数を求めない。 【効果】 演算誤差が原因で起こる異音の発生を未然に
防ぎ、通話品質を上げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば線形予測符号化
器に適用して好ましい短期予測係数の計算方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、低ビットレート、すなわち、4.8
〜9.6 kbpsでの音声符号化方法には、ベクトル和励起リ
ニア予測(VSELP:Vector Sum Excited Linear Pr
ediction)等のコード励起リニア予測(CELP:Code
Excited Linear Prediction)が提唱されている。
【0003】このVSELPについての技術内容は、モ
トローラ・インコーポレーテッドによる特表平2−50
2135号公報の「改良されたベクトル励起源を有する
ディジタル音声コーダ」及び「VECTOR SUM EXCITED LIN
EAR PREDICTION(VSELP) : SPEECH CODING AT 8 KBPS :I
ra A.Gerson and Jasiuk :Paper presented at the In
t.Conf.on Acoustics,Speech and Signal Processing -
April 1990 」に記載されている。
【0004】上記VSELPを用いた音声符号化方法を
適用した音声符号化装置としては、VSELPエンコー
ダがある。このVSELPエンコーダの処理は、大きく
分けて、短期予測係数の計算、量子化したベクトルの算
定から成り立っている。
【0005】上記短期予測係数の計算は、音声のホルマ
ントに相当する部分を取り出す処理である。すなわち、
入力音声データから得られた自己相関値から複数次の反
射係数を求め、この複数次の反射係数を基に複数次の短
期予測係数を求めて音声のホルマントを予測する処理で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、自己相関値
から複数次の反射係数を求めるには、演算によって求め
られた反射係数値に一番近い反射係数をVSELP自身
のテーブルからサーチする。上記演算は、DSP(ディ
ジタルシグナルプロセッサ)によって行われる。
【0007】固定小数点形式の上記DSPは、例えば予
測次数が10次の場合、10個の反射係数を求めるが、
上記DSPの演算形式が固定少数点であると高次の反射
係数計算時に予測誤差がだんだん小さくなっていくた
め、結果として演算誤差が生じ、これが原因で誤った反
射係数を求めることになり、最悪の場合異音を発するこ
とがあった。
【0008】本発明は、誤った反射係数を用いず、異音
を発生させない短期予測係数の計算方法の提供を目的と
する。
【0009】
【課題を解決する手段】本発明に係る短期予測係数の計
算方法は、入力音声データに基づいて共分散行列を求
め、上記共分散行列から複数次の反射係数を低次より順
次算出する工程と、上記工程より求められた複数次の反
射係数より複数次の短期予測係数を求める工程とを有す
る短期予測係数の計算方法において、上記複数次の反射
係数を低次より順次算出する工程中に、ある次数の前向
き残差の自己相関と後向き残差の自己相関の和が、予め
決められた所定値以下となるとき、その次数及び高次の
次数の反射係数を強制的に零近傍の値とすることを特徴
として上記課題を解決する。
【0010】ここで、上記前向き残差の自己相関と後向
き残差の自己相関の和が予め決められた所定値以下とな
った場合、その次数以降の反射係数の算出は行わなくて
もよい。
【0011】また、本発明に係る短期予測係数の計算方
法は、入力音声データに基づいて共分散行列を求め、上
記共分散行列から複数次の反射係数を低次より順次算出
する工程と、上記工程より求められた複数次の反射係数
から複数次の短期予測係数を求める工程とを有する短期
予測係数の計算方法において、上記複数次の反射係数を
低次より順次算出する工程中に、ある次数の前向き残差
の自己相関と後向き残差の自己相関の平均値が、予め決
められた所定値以下となるとき、その次数及び高次の次
数の反射係数を強制的に零近傍の値とすることを特徴と
して上記課題を解決する。
【0012】ここで、上記前向き残差の自己相関と後向
き残差の自己相関の平均値が予め決められた所定値以下
となった場合、その次数以降の反射係数の算出は行わな
くてもよい。
【0013】また、上記本発明に係る短期予測係数の計
算方法では、上記反射係数を固定少数点演算により算出
している。
【0014】
【作用】本発明に係る短期予測係数の計算方法は、ある
次数の前向き残差の自己相関と後向き残差の自己相関の
和又は平均値が予め決められた所定値以下となるとき
に、入力音声データに基づいて得られた共分散行列から
の複数次の反射係数がその次数及び高次の次数で強制的
に零近傍の値となるように、低次より順次算出されるの
で、誤った反射係数を算出せず、異音を発生させない。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係る短期予測係数の計算方法
が適用できる線形予測符号化器であるベクトル和励起リ
ニア予測(VSELP:Vector Sum Excited Linear Pr
ediction)エンコーダを一実施例として図面を参照しな
がら説明する。
【0016】図1に本発明の一実施例であるVSELP
エンコーダの要部(短期予測係数計算部)の概略構成を
示す。
【0017】このVSELPエンコーダは、入力音声デ
ータの170サンプルを1フレームとして短期予測係数
の計算を行うものである。先ず、図1において、入力端
子11には、例えば8kHz程度の所定のサンプリングレ
ートでディジタル変換された音声信号(音声サンプルデ
ータ)が供給されており、この音声サンプルデータは、
共分散行列計算部12に送られる。
【0018】この共分散行列計算部12は、音声サンプ
ルデータの自己相関より共分散行列を計算する。上記共
分散行列は、帯域幅の拡張のために窓かけ処理部13に
より、窓かけ処理される。この窓かけ処理された共分散
行列は、初期相関算出部14に供給される。
【0019】この初期相関算出部14は、初期の前向き
残差の自己相関F0 を計算するF0計算部14aと、初
期の後向き残差の自己相関B0 を計算するB0 計算部1
4bと、自己相関F0 と自己相関B0 の相互の相関C0
を計算するC0 計算部14cとにより構成されている。
この初期相関算出部14で求められた自己相関F0 、自
己相関B0 及び相互の相関C0 は、所定値算出部15に
供給される。
【0020】この所定値算出部15は、上記自己相関F
0 とB0 とから一定の閾値である所定値を算出する。こ
の所定値算出部15で求められた所定値は、予測誤差レ
ベル判定部16に供給される。
【0021】この予測誤差レベル判定部16には、後述
する相関算出部19で求められた予測次数jの前向き残
差の自己相関Fj 及び予測次数jの後向き残差の自己相
関Bj から求められた予測誤差レベルも供給され、上記
所定値と値の大きさを比較する。そして、上記予測誤差
が上記所定値以下となるときに、例えばフラグ“0”を
反射係数固定部18に供給する一方、上記予測誤差が上
記所定値以下にならないときには、例えばフラグ“1”
を反射係数計算&量子化部17に供給する。
【0022】この反射係数計算&量子化部17は、予測
次数j(1≦j≦10)での反射係数rj を計算によっ
て求め、ベクトル量子化して、図示しないメモリ部に記
録しておく。この反射係数計算&量子化部17で求めら
れた反射係数rj は、相関算出部19に供給される。
【0023】この相関算出部19は、予測次数jの前向
き残差の自己相関Fj を計算するFj 計算部19aと、
予測次数jの後向き残差の自己相関Bj を計算するBj
計算部19bと、上記自己相関Fj と上記自己相関Bj
の相互の相関Cj を計算するCj 計算部19cにより構
成され、上記反射係数rj 及び前段の前向き残差の自己
相関Fj-1 、前段の後向き残差の自己相関Bj-1 、前段
の相互の相関Cj-1 より、予測次数jの前向き残差の自
己相関Fj 、予測次数jの後向き残差の自己相関Bj
び予測次数jの相互の相関Cj を算出する。
【0024】上記反射係数固定部18は、上記予測誤差
レベル判定部16からのフラグ“0”を受けて、その次
数及び高次の次数の反射係数rj を強制的に零近傍の値
に固定し、その次数以降の反射係数の算出を行わない。
この反射係数rj は、j=10まで繰り返されながら短
期予測係数算出部20に供給される。この短期予測係数
算出部20は、上記反射係数rj を基に短期予測係数を
算出し、出力端子21から出力する。
【0025】本実施例のVSELPエンコーダでは、音
声サンプルデータの自己相関より共分散行列を算出し、
この共分散行列から反射係数を求める際に、ある次数の
前向き残差の自己相関と後向き残差の自己相関の和が予
め決められた所定値以下となるときに、その次数及び高
次の次数での上記反射係数を強制的に零近傍の値とし、
その次数以降の反射係数の算出を行わない。
【0026】言い換えると、音声サンプルデータの自己
相関より反射係数を求め、この反射係数から短期予測係
数αk を求めることになるが、先ず、自己相関係数算出
の意味を説明する。
【0027】音声サンプルデータS(n) は、次の(1)
式に示すように利得パラメータG、フィルタ係数ak
び励振u(n) により推定できる。
【0028】
【数1】
【0029】また、短期予測係数αk を持つ予測器は、
次の(2)式に示すような予測出力S’(n) を出力す
る。
【0030】
【数2】
【0031】このとき、予測誤差e(n) は、
【0032】
【数3】 となる。
【0033】上記(1)〜(3)式で、αk =ak かつ
e(n) =G・u(n) なら、上記音声サンプルデータS
(n) を厳密に予測できる。ここで、短期予測係数αk
優れていれば、音声信号S(n) のスペクトル的性質がよ
く表される予測出力S’(n) が得られる。そのために
は、予測誤差e(n) の平均2乗誤差En を、
【0034】
【数4】 とし、この(4)式の平均2乗誤差En を最小にする必
要がある。ここで、S(m) は、音声区間nに対するサン
プルデータ数mの音声信号である。また、ここで得たい
のは短期間の音声信号に対する短期予測係数αk なの
で、音声信号は有限区間である。
【0035】上記(4)式の平均2乗誤差En を最小に
する短期予測係数αk の値は、 ΔEn /Δdi (i=0、1、・・・、p) ・・・・・(5) となるので、次の(6)式が得られる。
【0036】
【数5】 ここで、αk * は平均2乗誤差En を最小にするαk
ある。(以下αk * の“*”を省略してαk とする。)
【0037】ここで、次の(7)式のようにφn (i,k)
を定義する。
【0038】
【数6】
【0039】すると、上記(6)式は、次の(8)式の
ようになる。
【0040】
【数7】
【0041】したがって、上記(8)式の線形方程式の
φn (i,k) (k=0…p)が与えられれば短期予測係数
αk が求められる。すなわち、自己相関係数算出が意味
を持つことなる。
【0042】本実施例のVSELPエンコーダは、上述
したように上記共分散計算部12が音声サンプルデータ
の自己相関より共分散行列を算出している。以下に、上
記共分散行列計算部12の原理を説明する。
【0043】上記(8)式の線形方程式を解くにあた
り、φn (i,k) を計算する区間と音声サンプルデータS
n (m) の定義により2つの線形予測分析の方法が発生す
る。このうちの一つが共分散法である。この共分散法
は、平均2乗誤差を計算する区間を固定し、φn (i,k)
の計算の効果を考える方法である。
【0044】先ず、平均2乗誤差E(n) を、
【0045】
【数8】
【0046】と定義すると、φn (i,k) は、
【0047】
【数9】 となる。
【0048】この(10) 式の和の添字を変更するとφn
(i,k) は、
【0049】
【数10】
【0050】または、
【0051】
【数11】 となる。
【0052】上記(11)、(12)式より、−p≦m≦N−1
の範囲のSn (m) を必要とすることになり、足りないp
個は外側から補うことになる。
【0053】ここで、上記(8)式において、φn (i,
k) =φn (k,i) なので、これはp×pの対称行列であ
る。φn (i,k) をこの式のように計算する方法に基づく
解析方法が共分散法であり、上記共分散行列計算部12
の原理となっている。
【0054】上記共分散法の解法を、以下に説明する。
先ず、時系列の線形予測分析に対する格子型フィルタ
は、通常、図2のようにp個の格子を持つカスケードに
より表されている。また、線形予測分析では、信号のス
ペクトルH(Z) は、次の(13)式に示すように全極の伝達
関数A(Z) によりモデル化される。
【0055】
【数12】
【0056】また、反射係数Km は、周知のレビンソン
法により、予測係数ak と次の(14)式のような関係にあ
る。
【0057】
【数13】
【0058】格子形では、反射係数は通常、段階毎に前
向き残差fm (n) 、後向き残差bm(n) 、或いは両方を
最小にするように見積もられる。
【0059】したがって、図2より、次の(15)式の関係
が成り立つ。 f0(n) =b0(n) =S(n) f m+1(n)=f m (n) +km+1 m (n−1) b m+1(n)=km+1 f m (n) +bm (n−1) ・・・・(15)
【0060】また、S(n) は入力信号でe(n) =f
p (n) は予測誤差である。通常、格子形はkm を2乗の
関数として計算するので、次の(16)式が成立する。 Fm (n) =E(f m 2(n)) Bm (n) =E(b m 2(n −1)) Cm (n) =E(f m (n)b m (n−1)) ・・・・ (16) ここで、E(・)は期待値である。
【0061】また、φn (i,k) =E(S(n−k)S(n−
i))とすると、次の(17)式が成立する。
【0062】
【数14】
【0063】ここで、F00 m =Fm (n) 、B00 m =Bm
(n−1)、C00 m =Cm (n) であり、上記(14)式より、上
記(17)式は、次の(18)式のように変換される。
【0064】
【数15】
【0065】このようにして、共分散行列から順次前向
き残差の自己相関F、後向き残差の自己相関B、相互の
相関Cを計算し、反射係数を求めることができる。
【0066】すなわち、上記図1の上記共分散行列計算
部12は、音声サンプルデータから共分散行列φ(i,k)
を、
【0067】
【数16】 のように計算する。ここでNA は音声サンプル数(例え
ば、170サンプル)であり、Np は予測次数の総数
(例えば10次)である。
【0068】次に、上記図1の初期相関算出部14は、
前向き残差の自己相関F0 、後向き残差の自己相関
0 、両者の相互相関C0 を次の(20)式のように計算す
る。 F0 (i,k) =φ(i,k) 0≦i、k≦Np0 (i,k) =φ(i+1,k +1) 0≦i、k≦Np0 (i,k) =φ(i,k) 0≦i、k≦Np ・・・(20)
【0069】次に、上記所定値算出部15が前向き残差
の自己相関と後向き残差の自己相関との和から閾値とな
る所定値を算出する。この所定値は、上記予測誤差レベ
ル判定部16に供給される。
【0070】そして、予測誤差レベルを求めるために、
予測次数j=1とする。すると、次の(21) 式より、反
射係数計算&量子化部17が反射係数rj を計算する。
【0071】
【数17】
【0072】この(21)式の分母が、予測誤差である。こ
の予測誤差は、前向き残差の自己相関と後向き残差の自
己相関との和より求めている。
【0073】上記(21)式で求められた反射係数rj は、
上記反射係数計算&量子化部17によって、ベクトル量
子化される。
【0074】そして、予測次数jがNp と等しくなった
ら、終了となる。ここで、上記相関算出部19は、次の
(22)式より次段階の反射係数に対する予測次数jの前向
き残差の自己相関Fj 、予測次数jの後向き残差の自己
相関Bj及び予測次数jの相互の相関Cj を算出する。
【0075】
【数18】
【0076】そして、予測次数jがインクリメント(+
1)され、上記反射係数計算&量子化部17に戻る。
【0077】上記相関算出部19において、予測次数が
高次に進むにつれて、Fj 、Bj 及びCj の値は、小さ
くなっていく。場合によっては、演算誤差がかなり影響
する程までに小さくなってしまい、以降の予測次数での
反射係数の算出を大きく誤らせることになる。
【0078】そこで、上記(21)式の分母の計算結果が予
め設定した所定の値よりも小さくなったか否かを上記予
測誤差レベル判定部16が判定し、小さくなったという
判定結果が得られたときに、上記反射係数固定部18が
その次数及び高次の次数の反射係数を強制的に零近傍に
固定し、その次数以降の反射係数の計算を止める。上記
予め設定された所定の値は、元のF0 (0,0) の値の約1
/1000未満の値であり、十分小さい値である。
【0079】なお、上記説明では、上記予測誤差及び所
定値を、上記前向き残差の自己相関と上記後向き残差の
自己相関の和から求めているが、上記前向き残差の自己
相関と上記後向き残差の自己相関の平均値から求めても
よい。
【0080】図3は、本実施例のVSELPエンコーダ
の反射係数算出までの動作の流れを示したフローチャー
トである。
【0081】先ず、ステップS1では、上記共分散行列
計算部12で音声サンプルデータの自己相関より共分散
行列を計算する。
【0082】ステップS2では、上記初期相関算出部1
4で初期の次数の前向き残差の自己相関F0 と、初期の
次数の後向き残差の自己相関B0 と、自己相関F0 と自
己相関B0 の相互の相関C0 とを算出する。
【0083】ステップS3では、予測次数jを1に設定
する。ステップS4では、自己相関F0 と自己相関B0
とから閾値となる所定値を算出する。
【0084】ステップS5では、上記ステップS4で求
められた所定値よりも、和又は平均値によって求められ
た予測誤差が小さいか否かを判別する。ここで、YES
を判別するとステップS11に進み、NOを判別すると
ステップS6に進む。
【0085】ステップS6では、上記反射係数計算&量
子化部17で反射係数rj を計算する。
【0086】ステップS7では、上記反射係数計算&量
子化部17で反射係数rj を量子化する。
【0087】ステップS8では、予測次数jが10にな
ったか否かを判別する。ここで、YESを判別するとこ
のフローチャートは終了となり、NOを判別するとステ
ップS9に進む。
【0088】ステップS9では、相関算出部19で前向
き残差の自己相関Fj と、後向き残差の自己相関B
j と、自己相関Fj と自己相関Bj の相互の相関Cj
を算出する。
【0089】ステップS10では、予測次数をインクリ
メントし、ステップS5に戻る。
【0090】ステップS11では、上記ステップS5で
の判別結果を受けて、j次から10次までの反射係数に
対し、0近傍の量子化された反射係数を代入する。ここ
で、いう0近傍の量子化とは、量子化した反射係数のテ
ーブルの内、最も0に近い値を指すものである。
【0091】以上より、本実施例のVSELPエンコー
ダは、音声サンプルデータの自己相関より共分散行列を
算出し、この共分散行列から反射係数を求める際に、あ
る次数の前向き残差の自己相関と後向き残差の自己相関
の和又は平均値が予め決められた所定値以下となるとき
に、その次数及び高次の次数での上記反射係数を強制的
に零近傍の値とし、その次数以降の反射係数を算出しな
いので、誤った反射係数を用いることなく、異音を発生
させない。
【0092】なお、本発明に係る短期予測係数の計算方
法は、上記実施例にのみ限定されるものではなく、例え
ば、適用する音声符号化方法としては、上記VSELP
を用いたものに限定されるものではない。
【0093】
【発明の効果】本発明に係る短期予測係数の計算方法
は、ある次数の前向き残差の自己相関と後向き残差の自
己相関の和又は平均値が予め決められた所定値以下とな
るときに、入力音声データに基づいて得られた共分散行
列からの複数次の反射係数がその次数及び高次の次数で
強制的に零近傍の値とし、その次数以降の反射係数を算
出しないように、低次より順次算出されるので、誤った
反射係数を用いなくともよい。そのため、演算誤差が原
因で起こる異音の発生を未然に除去し、通話品質を上げ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る短期予測係数の計算方法が適用可
能な実施例のVSELPエンコーダの要部の概略構成を
示すブロック図である。
【図2】共分散法を説明するために用いた格子形フィル
タを示す図である。
【図3】実施例のVSELPエンコーダの要部の動作の
流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
12・・・・・共分散行列計算部 14・・・・・初期相関算出部 15・・・・・所定値算出部 16・・・・・予測誤差レベル判定部 17・・・・・反射係数計算&量子化部 18・・・・・反射係数固定部 19・・・・・相関算出部 20・・・・・短期予測係数算出部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力音声データに基づいて共分散行列を
    求め、上記共分散行列から複数次の反射係数を低次より
    順次算出する工程と、 上記工程より求められた複数次の反射係数より複数次の
    短期予測係数を求める工程とを有する短期予測係数の計
    算方法において、 上記複数次の反射係数を低次より順次算出する工程中
    に、ある次数の前向き残差の自己相関と後向き残差の自
    己相関の和が、予め決められた所定値以下となるとき、
    その次数及び高次の次数の反射係数を強制的に零近傍の
    値とすることを特徴とする短期予測係数の計算方法。
  2. 【請求項2】 上記前向き残差の自己相関と後向き残差
    の自己相関の和が、予め決められた所定値以下となった
    次数以降の反射係数の算出は行わないことを特徴とする
    請求項1記載の短期予測係数の計算方法。
  3. 【請求項3】 入力音声データに基づいて共分散行列を
    求め、上記共分散行列から複数次の反射係数を低次より
    順次算出する工程と、 上記工程より求められた複数次の反射係数から複数次の
    短期予測係数を求める工程とを有する短期予測係数の計
    算方法において、 上記複数次の反射係数を低次より順次算出する工程中
    に、ある次数の前向き残差の自己相関と後向き残差の自
    己相関の平均値が、予め決められた所定値以下となると
    き、その次数及び高次の次数の反射係数を強制的に零近
    傍の値とすることを特徴とする短期予測係数の計算方
    法。
  4. 【請求項4】 上記前向き残差の自己相関と後向き残差
    の自己相関の平均値、予め決められた所定値以下となっ
    た次数以降の反射係数の算出は行わないことを特徴とす
    る請求項3記載の短期予測係数の計算方法。
  5. 【請求項5】 上記反射係数を固定少数点演算により算
    出することを特徴とする請求項1又は請求項3の短期予
    測係数の計算方法。
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