JPH06148259A - 電力ケーブル線路の試験方法および試験装置 - Google Patents
電力ケーブル線路の試験方法および試験装置Info
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- JPH06148259A JPH06148259A JP32146492A JP32146492A JPH06148259A JP H06148259 A JPH06148259 A JP H06148259A JP 32146492 A JP32146492 A JP 32146492A JP 32146492 A JP32146492 A JP 32146492A JP H06148259 A JPH06148259 A JP H06148259A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 接続部を含む電力ケーブル線路に対し、直流
充電後に放電ギャップ13を短絡して1〜5kHzの減衰
振動波を印加し、欠陥から電気トリーを発生させ、その
後、第一のリアクトルL1 から第二のリアクトルL2 に
切り替え、直流充電後に放電ギャップ13を短絡して商用
周波数〜数百Hzの減衰振動波を印加し、部分放電測定
を行って電気トリーの有無を確認する。 【効果】 高い周波数の減衰振動波の印加で欠陥から電
気トリーを発生させた上で、低い周波数の減衰振動波を
印加して電気トリーの進展に伴う部分放電の検出を行う
ため、絶縁破壊につながる電気トリーを確実に検出で
き、また部分放電が検出されなければ絶縁体中に電気ト
リーがないことを保証できる。
充電後に放電ギャップ13を短絡して1〜5kHzの減衰
振動波を印加し、欠陥から電気トリーを発生させ、その
後、第一のリアクトルL1 から第二のリアクトルL2 に
切り替え、直流充電後に放電ギャップ13を短絡して商用
周波数〜数百Hzの減衰振動波を印加し、部分放電測定
を行って電気トリーの有無を確認する。 【効果】 高い周波数の減衰振動波の印加で欠陥から電
気トリーを発生させた上で、低い周波数の減衰振動波を
印加して電気トリーの進展に伴う部分放電の検出を行う
ため、絶縁破壊につながる電気トリーを確実に検出で
き、また部分放電が検出されなければ絶縁体中に電気ト
リーがないことを保証できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム・プラスチック絶
縁電力ケーブル線路の竣工時等に行われる欠陥検出のた
めの試験方法と、それに用いる試験装置に関するもので
ある。
縁電力ケーブル線路の竣工時等に行われる欠陥検出のた
めの試験方法と、それに用いる試験装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ゴム・プラスチック絶縁電力ケーブルの
布設、接続が終り、線路が完成すると、竣工試験が行わ
れる。この竣工試験では、試験機器の電源容量や試験ス
ペースの関係から、通常、交流ではなく、直流電圧によ
る耐電圧試験が行われている。また減衰振動波や超低周
波の電圧波形による試験を竣工試験に適用することも研
究されており、一部欧州の比較的短い中低圧線路で適用
した実績がある。
布設、接続が終り、線路が完成すると、竣工試験が行わ
れる。この竣工試験では、試験機器の電源容量や試験ス
ペースの関係から、通常、交流ではなく、直流電圧によ
る耐電圧試験が行われている。また減衰振動波や超低周
波の電圧波形による試験を竣工試験に適用することも研
究されており、一部欧州の比較的短い中低圧線路で適用
した実績がある。
【0003】ゴム・プラスチック絶縁電力ケーブルは工
場で厳密な全長検査を行い出荷されているため、現場で
の線路竣工試験の検査対象となるのは、布設と接続作業
によって発生する欠陥である。具体的には、布設時に発
生する欠陥は、外傷であり、接続時に発生する欠陥は、
絶縁体内部や異種絶縁体界面への異物や水分の混入、内
部・外部半導電層の取り付けミスによる半導電層突起、
テープ巻きズレや加熱条件ミスにより発生するボイド、
半導電層と絶縁体あるいは絶縁体同士の界面剥離などで
ある。
場で厳密な全長検査を行い出荷されているため、現場で
の線路竣工試験の検査対象となるのは、布設と接続作業
によって発生する欠陥である。具体的には、布設時に発
生する欠陥は、外傷であり、接続時に発生する欠陥は、
絶縁体内部や異種絶縁体界面への異物や水分の混入、内
部・外部半導電層の取り付けミスによる半導電層突起、
テープ巻きズレや加熱条件ミスにより発生するボイド、
半導電層と絶縁体あるいは絶縁体同士の界面剥離などで
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの欠陥を検出す
るため従来は、竣工時に直流耐電圧試験が行われてい
る。殆どの電力ケーブル線路はこの直流耐電圧試験に合
格すると、そのまま交流運転に入り、長時間問題なく運
転されている。しかし欠陥の種類によっては直流耐電圧
試験では破壊せずに、交流印加後、比較的短時間で破壊
にいたる場合がある。実用運転に入ってからの絶縁破壊
は及ぼす影響が大きいので何としても回避しなければな
らない。このため、いかなる欠陥でも短時間で確実に検
出できる試験方法の確立が望まれていた。
るため従来は、竣工時に直流耐電圧試験が行われてい
る。殆どの電力ケーブル線路はこの直流耐電圧試験に合
格すると、そのまま交流運転に入り、長時間問題なく運
転されている。しかし欠陥の種類によっては直流耐電圧
試験では破壊せずに、交流印加後、比較的短時間で破壊
にいたる場合がある。実用運転に入ってからの絶縁破壊
は及ぼす影響が大きいので何としても回避しなければな
らない。このため、いかなる欠陥でも短時間で確実に検
出できる試験方法の確立が望まれていた。
【0005】直流耐電圧試験をパスしても交流印加で破
壊する原因としては、直流と交流では絶縁体内部の電界
分布が異なるため、直流印加では欠陥にスクリーニング
に必要な電界がかからなかったり、逆に欠陥以外の良品
部分に必要以上の電界がかかって絶縁体を傷めてしまっ
たりすることが考えられる。
壊する原因としては、直流と交流では絶縁体内部の電界
分布が異なるため、直流印加では欠陥にスクリーニング
に必要な電界がかからなかったり、逆に欠陥以外の良品
部分に必要以上の電界がかかって絶縁体を傷めてしまっ
たりすることが考えられる。
【0006】このような状況に鑑み、電力ケーブルの竣
工試験そのものを商用周波数交流電圧で実施しようとす
る試みもなされているが、試験装置の電源容量や、必要
スペースが莫大なものとなり、実際には現実的ではな
い。また直流耐電圧試験後に、実線路の機器を利用して
運転電圧の交流電圧を充電し、部分放電を測定するとい
う方法も一部実施または計画されているが、この方法は
適用可能箇所に著しい制限があるという難点がある。一
方、交流、直流以外の電圧波形としては減衰振動波を用
いることが欧州を中心に検討されており、中低圧ケーブ
ルに対して一部実績があるが、この方法はスクリーニン
グ能力に限界があることや、部分放電の測定が困難であ
るためトリーが発生していても破壊に至らない限り判ら
ないという問題があった。
工試験そのものを商用周波数交流電圧で実施しようとす
る試みもなされているが、試験装置の電源容量や、必要
スペースが莫大なものとなり、実際には現実的ではな
い。また直流耐電圧試験後に、実線路の機器を利用して
運転電圧の交流電圧を充電し、部分放電を測定するとい
う方法も一部実施または計画されているが、この方法は
適用可能箇所に著しい制限があるという難点がある。一
方、交流、直流以外の電圧波形としては減衰振動波を用
いることが欧州を中心に検討されており、中低圧ケーブ
ルに対して一部実績があるが、この方法はスクリーニン
グ能力に限界があることや、部分放電の測定が困難であ
るためトリーが発生していても破壊に至らない限り判ら
ないという問題があった。
【0007】これに対して減衰振動波で欠陥からトリー
を発生させた後、商用周波数より低い周波数の高電圧を
印加してそのトリーを破壊させる方法も提案されている
(特開昭63−78061号公報)が、この方法は試験
機器が二つになり、かつ大型化し、試験手順も煩雑にな
るなど実現性に問題があった。
を発生させた後、商用周波数より低い周波数の高電圧を
印加してそのトリーを破壊させる方法も提案されている
(特開昭63−78061号公報)が、この方法は試験
機器が二つになり、かつ大型化し、試験手順も煩雑にな
るなど実現性に問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
問題点に鑑みてなされたもので、試験装置としては、直
流電圧発生装置と、充電抵抗器と、放電ギャップと、リ
アクタンスの異なる複数のリアクトルとを組み合わせ、
リアクトルの切替えにより、1〜5kHzの比較的周波
数の高い減衰振動波と、商用周波数〜数100Hzの比
較的周波数の低い減衰振動波を発生させることのできる
試験装置を用いることとし、この試験装置で、接続部を
含むゴム・プラスチック絶縁電力ケーブル電力ケーブル
線路に対し、まず1〜5kHzの比較的周波数の高い減
衰振動波を印加して、欠陥からの電気トリーの発生、進
展を促す第一ステップを実施し、その後、商用周波数〜
数100Hzの比較的周波数の低い減衰振動波を印加し
て電気トリーの進展に伴う部分放電を検出することによ
り絶縁体中に破壊に至らない電気トリーが残っていない
かどうかを確認する第二ステップを実施することを特徴
とする。
問題点に鑑みてなされたもので、試験装置としては、直
流電圧発生装置と、充電抵抗器と、放電ギャップと、リ
アクタンスの異なる複数のリアクトルとを組み合わせ、
リアクトルの切替えにより、1〜5kHzの比較的周波
数の高い減衰振動波と、商用周波数〜数100Hzの比
較的周波数の低い減衰振動波を発生させることのできる
試験装置を用いることとし、この試験装置で、接続部を
含むゴム・プラスチック絶縁電力ケーブル電力ケーブル
線路に対し、まず1〜5kHzの比較的周波数の高い減
衰振動波を印加して、欠陥からの電気トリーの発生、進
展を促す第一ステップを実施し、その後、商用周波数〜
数100Hzの比較的周波数の低い減衰振動波を印加し
て電気トリーの進展に伴う部分放電を検出することによ
り絶縁体中に破壊に至らない電気トリーが残っていない
かどうかを確認する第二ステップを実施することを特徴
とする。
【0009】
【作用】本発明では、1kHz以上の高い周波数の減衰
振動波を印加して、欠陥から電気トリーを発生、進展さ
せた上で、商用周波数に近い低い周波数の減衰振動波を
印加して電気トリーの進展に伴う部分放電の検出を行う
ため、絶縁破壊につながるような電気トリーがあればそ
れを確実に検出でき、また部分放電が検出されなけれ
ば、絶縁体中に電気トリーが残っていないことを保証で
きる。また直流充電後、放電ギャップを短絡する前に、
一定時間、直流電圧印加状態を保持すれば、直流でしか
検出できないような欠陥の検出(直流耐電圧試験)を行
うこともできる。いずれの試験も直流電源装置を基本と
した比較的簡便かつコンパクトな試験装置で行うことが
可能である。
振動波を印加して、欠陥から電気トリーを発生、進展さ
せた上で、商用周波数に近い低い周波数の減衰振動波を
印加して電気トリーの進展に伴う部分放電の検出を行う
ため、絶縁破壊につながるような電気トリーがあればそ
れを確実に検出でき、また部分放電が検出されなけれ
ば、絶縁体中に電気トリーが残っていないことを保証で
きる。また直流充電後、放電ギャップを短絡する前に、
一定時間、直流電圧印加状態を保持すれば、直流でしか
検出できないような欠陥の検出(直流耐電圧試験)を行
うこともできる。いずれの試験も直流電源装置を基本と
した比較的簡便かつコンパクトな試験装置で行うことが
可能である。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。1
54kV架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル長距離線路
の竣工試験を模擬して、154kV架橋ポリエチレン絶
縁電力ケーブルを各種欠陥を一つずつ含むテープ巻きモ
ールド型接続部で接続した試料を7本1組として複数組
用意した。各組の7本の試料の内訳は次のとおりであ
る。
54kV架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル長距離線路
の竣工試験を模擬して、154kV架橋ポリエチレン絶
縁電力ケーブルを各種欠陥を一つずつ含むテープ巻きモ
ールド型接続部で接続した試料を7本1組として複数組
用意した。各組の7本の試料の内訳は次のとおりであ
る。
【0011】 試料O:接続部に欠陥のない正常品。 試料A:接続部のペンシリング界面(図1のaの位置)
に接着不良があるもの(ペンシリング界面に離型剤を塗
布)。 試料B:接続部のペンシリング界面(図1のbの位置)
に繊維異物があるもの(ペンシリング界面に1mmφ×5
mmの木綿糸を配置)。 試料C:接続部のストレスコーン立ち上がり部(図1の
cの位置)に外傷があるもの(ケーブル絶縁体に深さ1
mm、幅0.5 mm、長さ2mmのカッター傷)。 試料D:接続部のケーブル内部半導電層とモールド内部
半導電層とのラップ部(図1のdの位置)に突起がある
もの(モールド内部半導電層のめくれ200 μm)。 試料E:接続部の補強絶縁体中(図1のeの位置)にボ
イドがあるもの(モールド内部半導電層直上の絶縁テー
プとして含水テープを巻回)。 試料F:接続部のモールド外部半導電層の内面(図1の
fの位置)に突起があるもの(補強絶縁体の最外層絶縁
テープ巻き乱れ部に外部半導電層流れ込み)。
に接着不良があるもの(ペンシリング界面に離型剤を塗
布)。 試料B:接続部のペンシリング界面(図1のbの位置)
に繊維異物があるもの(ペンシリング界面に1mmφ×5
mmの木綿糸を配置)。 試料C:接続部のストレスコーン立ち上がり部(図1の
cの位置)に外傷があるもの(ケーブル絶縁体に深さ1
mm、幅0.5 mm、長さ2mmのカッター傷)。 試料D:接続部のケーブル内部半導電層とモールド内部
半導電層とのラップ部(図1のdの位置)に突起がある
もの(モールド内部半導電層のめくれ200 μm)。 試料E:接続部の補強絶縁体中(図1のeの位置)にボ
イドがあるもの(モールド内部半導電層直上の絶縁テー
プとして含水テープを巻回)。 試料F:接続部のモールド外部半導電層の内面(図1の
fの位置)に突起があるもの(補強絶縁体の最外層絶縁
テープ巻き乱れ部に外部半導電層流れ込み)。
【0012】なお図1において、1はケーブル導体、2
は導体接続スリーブ、3はケーブル内部半導電層、4は
ケーブル絶縁体、5はケーブル外部半導電層、6はモー
ルド内部半導電層、7は補強絶縁体、8はモールド外部
半導電層である。
は導体接続スリーブ、3はケーブル内部半導電層、4は
ケーブル絶縁体、5はケーブル外部半導電層、6はモー
ルド内部半導電層、7は補強絶縁体、8はモールド外部
半導電層である。
【0013】始めに、1組の試料O〜Fを図2のように
並列接続して、従来の直流耐電圧試験と、交流印加試験
を行った。なお試料O〜Fにおいて、符号9は154k
V架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル、10はその接続
部を示し、接続部10中の符号a〜fは図1に対応する
欠陥の位置と種類を示している。まず従来の直流耐電圧
試験(354kV×10分)を実施したところ、試料A
は破壊したが、その他の試料には異常が認められなかっ
た。このあと破壊した試料を除去し、線路運転電圧に相
当する交流電圧154/√3=89kVを印加したとこ
ろ、試料B、C、D、E、Fがそれぞれ90分、120
分、120分、4日、60分で破壊した。これは、試料
B、C、D、E、Fの欠陥に対しては直流耐電圧試験が
欠陥スクリーニングに不十分であることを示している。
並列接続して、従来の直流耐電圧試験と、交流印加試験
を行った。なお試料O〜Fにおいて、符号9は154k
V架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル、10はその接続
部を示し、接続部10中の符号a〜fは図1に対応する
欠陥の位置と種類を示している。まず従来の直流耐電圧
試験(354kV×10分)を実施したところ、試料A
は破壊したが、その他の試料には異常が認められなかっ
た。このあと破壊した試料を除去し、線路運転電圧に相
当する交流電圧154/√3=89kVを印加したとこ
ろ、試料B、C、D、E、Fがそれぞれ90分、120
分、120分、4日、60分で破壊した。これは、試料
B、C、D、E、Fの欠陥に対しては直流耐電圧試験が
欠陥スクリーニングに不十分であることを示している。
【0014】次に、他の1組の試料O〜Fを図2のよう
に試験装置11に並列接続して、本発明の試験方法を実
施した。試験装置11は、直流電圧発生装置12と、充
電抵抗器Rと、放電ギャップ13と、リアクタンスの異
なる二つのリアクトルL1 、L2 と、二つのリアクトル
L1 、L2 の接続状態を切り替える切替え器14と、こ
れらを接続する高電圧リード線15とで構成されてい
る。従来の試験装置と異なる点は、二つのリアクトルL
1 、L2 を用い、それを切替え器14で切り替えられる
ようにしてあることである。
に試験装置11に並列接続して、本発明の試験方法を実
施した。試験装置11は、直流電圧発生装置12と、充
電抵抗器Rと、放電ギャップ13と、リアクタンスの異
なる二つのリアクトルL1 、L2 と、二つのリアクトル
L1 、L2 の接続状態を切り替える切替え器14と、こ
れらを接続する高電圧リード線15とで構成されてい
る。従来の試験装置と異なる点は、二つのリアクトルL
1 、L2 を用い、それを切替え器14で切り替えられる
ようにしてあることである。
【0015】まず第一のリアクトルL1 を接続した状態
で、直流電圧発生装置12により試料O〜Fに負極性直
流電圧(354kV)を充電し、充電完了後、その電圧
を5分間維持してから、放電ギャップ13を短絡させて
2kHzの減衰振動波を発生させる試験を5回繰り返し
たところ、試料A、B、C、Dが破壊した。このあと破
壊した試料を除去し、第一のリアクトルL1 から第二の
リアクトルL2 に切り替えて、直流電圧発生装置12に
より残りの試料に負極性直流電圧(354kV)を充電
した後、放電ギャップ13を短絡させて250Hzの減
衰振動波を発生させ、部分放電を測定する試験を5回繰
り返した。その結果、試料E、Fからそれぞれ20p
C、30pCの部分放電が測定され、減衰振動波によっ
て欠陥から既に電気トリーが発生していることが確認さ
れた。また試料Oからは部分放電は検出されなかった。
で、直流電圧発生装置12により試料O〜Fに負極性直
流電圧(354kV)を充電し、充電完了後、その電圧
を5分間維持してから、放電ギャップ13を短絡させて
2kHzの減衰振動波を発生させる試験を5回繰り返し
たところ、試料A、B、C、Dが破壊した。このあと破
壊した試料を除去し、第一のリアクトルL1 から第二の
リアクトルL2 に切り替えて、直流電圧発生装置12に
より残りの試料に負極性直流電圧(354kV)を充電
した後、放電ギャップ13を短絡させて250Hzの減
衰振動波を発生させ、部分放電を測定する試験を5回繰
り返した。その結果、試料E、Fからそれぞれ20p
C、30pCの部分放電が測定され、減衰振動波によっ
て欠陥から既に電気トリーが発生していることが確認さ
れた。また試料Oからは部分放電は検出されなかった。
【0016】上記の実施例からも明らかなように、電力
ケーブル線路の欠陥、特に接続部の欠陥には種々あり、
1kHz以上の比較的高い周波数の減衰振動波を印加す
れば簡単に絶縁破壊するものや、減衰振動波の印加によ
っては破壊せず、電気トリーが発生するが、その進展が
遅いもの等がある。試験の際、減衰振動波の印加によっ
て破壊する欠陥は確実に発見できるので問題ないが、電
気トリーが発生するが、その進展が遅く、絶縁破壊に至
らない欠陥は、実用運転に入ってから事故をおこす危険
性を含んでいる。
ケーブル線路の欠陥、特に接続部の欠陥には種々あり、
1kHz以上の比較的高い周波数の減衰振動波を印加す
れば簡単に絶縁破壊するものや、減衰振動波の印加によ
っては破壊せず、電気トリーが発生するが、その進展が
遅いもの等がある。試験の際、減衰振動波の印加によっ
て破壊する欠陥は確実に発見できるので問題ないが、電
気トリーが発生するが、その進展が遅く、絶縁破壊に至
らない欠陥は、実用運転に入ってから事故をおこす危険
性を含んでいる。
【0017】本発明は、1kHz以上の高い周波数の減
衰振動波を印加して、欠陥から電気トリーを発生、進展
させ、その後、商用周波数に近い低い周波数の減衰振動
波を印加することで部分放電測定を容易にし、発生して
破壊に至っていない電気トリーを確実に検出できるよう
にしたものである。したがってこの方法と、従来の直流
耐電圧試験を組み合わせることにより、電力ケーブル線
路のあらゆる欠陥をスクリーニングすることが可能とな
り、竣工試験の精度を大きく向上させることができる。
衰振動波を印加して、欠陥から電気トリーを発生、進展
させ、その後、商用周波数に近い低い周波数の減衰振動
波を印加することで部分放電測定を容易にし、発生して
破壊に至っていない電気トリーを確実に検出できるよう
にしたものである。したがってこの方法と、従来の直流
耐電圧試験を組み合わせることにより、電力ケーブル線
路のあらゆる欠陥をスクリーニングすることが可能とな
り、竣工試験の精度を大きく向上させることができる。
【0018】なお部分放電の測定にあたっては検出感度
の制約があるため、トリーを部分放電測定で検出できる
程度まで充分に成長させることが必要であり、そのため
減衰振動波の印加は1回だけでなく、複数回行うことが
望ましい。上記実施例のように、周波数の高い減衰振動
波を5回印加した後、周波数の低い減衰振動波を印加し
ての部分放電測定を5回繰り返すという方法でもよい
し、周波数の高い減衰振動波を多数回、例えば30回印
加してから、周波数の低い減衰振動波を印加しての部分
放電測定を複数回繰り返すという方法でもよい。また周
波数の高い減衰振動波の印加と、周波数の低い減衰振動
波を印加しての部分放電測定を1回毎または複数回毎に
交互に繰り返すという方法でもよい。さらにスクリーニ
ングをより確実なものにするためには、極性を変えて、
マイナスで各々複数回(例えば各5回)、プラスで各々
複数回(例えば各5回)行うのも有効である。
の制約があるため、トリーを部分放電測定で検出できる
程度まで充分に成長させることが必要であり、そのため
減衰振動波の印加は1回だけでなく、複数回行うことが
望ましい。上記実施例のように、周波数の高い減衰振動
波を5回印加した後、周波数の低い減衰振動波を印加し
ての部分放電測定を5回繰り返すという方法でもよい
し、周波数の高い減衰振動波を多数回、例えば30回印
加してから、周波数の低い減衰振動波を印加しての部分
放電測定を複数回繰り返すという方法でもよい。また周
波数の高い減衰振動波の印加と、周波数の低い減衰振動
波を印加しての部分放電測定を1回毎または複数回毎に
交互に繰り返すという方法でもよい。さらにスクリーニ
ングをより確実なものにするためには、極性を変えて、
マイナスで各々複数回(例えば各5回)、プラスで各々
複数回(例えば各5回)行うのも有効である。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ゴ
ム・プラスチック絶縁電力ケーブル線路に発生する可能
性のある各種欠陥を、従来の直流耐電圧試験装置と同等
規模の試験装置で、簡易に、経済的に、もれなく検出す
ることができ、ゴム・プラスチック絶縁電力ケーブル線
路の信頼性向上に大きく寄与することができる。
ム・プラスチック絶縁電力ケーブル線路に発生する可能
性のある各種欠陥を、従来の直流耐電圧試験装置と同等
規模の試験装置で、簡易に、経済的に、もれなく検出す
ることができ、ゴム・プラスチック絶縁電力ケーブル線
路の信頼性向上に大きく寄与することができる。
【図1】 ゴム・プラスチック絶縁電力ケーブルの接続
部の各種欠陥を説明するための断面図。
部の各種欠陥を説明するための断面図。
【図2】 本発明の試験方法の一実施例を示す回路図。
1:ケーブル導体 2:導体接続ス
リーブ 3:ケーブル内部半導電層 4:ケーブル絶
縁体 5:ケーブル外部半導電層 6:モールド内
部半導電層 7:補強絶縁体 8:モールド外
部半導電層 9:接続部 10:電力ケー
ブル a〜f:各種欠陥 11:試験装置 12:直流電圧
発生装置 13:放電ギャップ 14:切替え器 15:高電圧リード線 R:充電抵抗器 L1 :第一のリアクトル L2 :第二のリ
アクトル
リーブ 3:ケーブル内部半導電層 4:ケーブル絶
縁体 5:ケーブル外部半導電層 6:モールド内
部半導電層 7:補強絶縁体 8:モールド外
部半導電層 9:接続部 10:電力ケー
ブル a〜f:各種欠陥 11:試験装置 12:直流電圧
発生装置 13:放電ギャップ 14:切替え器 15:高電圧リード線 R:充電抵抗器 L1 :第一のリアクトル L2 :第二のリ
アクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 治 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】ゴム・プラスチック絶縁電力ケーブルの接
続部を含むゴム・プラスチック絶縁電力ケーブル線路に
対し、直流充電後に放電ギャップを短絡することにより
第一のリアクトルで定まる1〜5kHzの減衰振動波を
印加して、欠陥から電気トリーを発生させる第一ステッ
プを実施し、その後、第一のリアクトルから第二のリア
クトルに切り替え、直流充電後に放電ギャップを短絡す
ることにより第二のリアクトルで定まる商用周波数〜数
100Hzの減衰振動波を印加して、部分放電測定を行
い電気トリーの有無を確認する第二ステップを実施する
ことを特徴とするゴム・プラスチック絶縁電力ケーブル
線路の試験方法。 - 【請求項2】第一ステップを複数回実施してから、第二
ステップを実施することを特徴とする請求項1記載の試
験方法。 - 【請求項3】第一ステップと第二ステップを交互に繰り
返して行うことを特徴とする請求項1記載の試験方法。 - 【請求項4】第一ステップまたは第二ステップで、直流
充電後に一定時間の直流耐電圧試験を行ってから放電ギ
ャップを短絡することを特徴とする請求項1記載の試験
方法。 - 【請求項5】直流電圧発生装置と、充電抵抗器と、放電
ギャップと、リアクタンスの異なる複数のリアクトル
と、複数のリアクトルの接続状態を切り替える切替え器
と、これらを接続する高電圧リード線とからなることを
特徴とするゴム・プラスチック絶縁電力ケーブル線路の
試験装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32146492A JPH06148259A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 電力ケーブル線路の試験方法および試験装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32146492A JPH06148259A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 電力ケーブル線路の試験方法および試験装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06148259A true JPH06148259A (ja) | 1994-05-27 |
Family
ID=18132861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32146492A Pending JPH06148259A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 電力ケーブル線路の試験方法および試験装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06148259A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013527429A (ja) * | 2010-02-23 | 2013-06-27 | 清華大学 | 校正電圧発生デバイスおよび方法 |
CN107957538A (zh) * | 2018-01-03 | 2018-04-24 | 国网陕西省电力公司经济技术研究院 | 一种模拟换流变压器内部复合电场形成的实验方法 |
-
1992
- 1992-11-06 JP JP32146492A patent/JPH06148259A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013527429A (ja) * | 2010-02-23 | 2013-06-27 | 清華大学 | 校正電圧発生デバイスおよび方法 |
CN107957538A (zh) * | 2018-01-03 | 2018-04-24 | 国网陕西省电力公司经济技术研究院 | 一种模拟换流变压器内部复合电场形成的实验方法 |
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