JPH06148091A - 表面性状測定装置 - Google Patents

表面性状測定装置

Info

Publication number
JPH06148091A
JPH06148091A JP32256392A JP32256392A JPH06148091A JP H06148091 A JPH06148091 A JP H06148091A JP 32256392 A JP32256392 A JP 32256392A JP 32256392 A JP32256392 A JP 32256392A JP H06148091 A JPH06148091 A JP H06148091A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
measured
light source
alloy
reflected
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32256392A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Wada
隆志 和田
Morihiro Matsuda
守弘 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP32256392A priority Critical patent/JPH06148091A/ja
Publication of JPH06148091A publication Critical patent/JPH06148091A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 合金の表面に分布する粒界の分布状態を観察
・測定する表面性状測定装置を提供する。 【構成】 成分として基材と異なる材料を少なくとも1
種類含む合金からなる平滑な被測定面2に対して光源1
から光を照射し、被測定面2によって反射された反射光
9を受光器3により検出して、成分の分布情報に関する
被測定面2の表面性状を観察・測定する装置において、
光源1は赤外線波長領域を含む光を発生する光源であ
り、受光器3は被測定面2からの反射光9を撮像するこ
とができる受光器であり、光源1又は受光器3は波長選
択フィルタ4を備え、且つ光源1と受光器3とは被測定
面2に対して正反射の位置を取り得るように配置されて
いる。 【効果】 合金の平滑な被測定面上に分布する各成分の
粒界の分布状態を非破壊に且つ再現性良く明瞭に観察・
測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面性状測定装置、更に
詳しくは合金などの表面性状、特に成分として合金中に
含まれる基材と異なる材料の粒界の分布状態を、非破壊
的に明瞭に且つ区別して観察・測定することができる表
面性状測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合金の表面性状を観察・測定する
装置としては、被測定面に対して光源から光を照射し、
被測定面によって反射された反射光を適当な受光器を用
いて検出し目的とする被測定面の性状を測定する装置、
又は前記反射光を受光素子により検出して同様に測定す
る装置が多く用いられている。このような装置は一般に
構造が簡単で、容易に製造し且つ使用することができ
る。
【0003】しかしながら、前記従来の装置は合金の表
面性状のうち特に被測定面の形状変化、即ち被測定面の
凹凸や粗さなどの表面状態を検出するものがほとんどで
あった。例えば、特開昭59−222712号公報には
可視光線と赤外線のレーザー光線を使用して表面粗さを
測定する方法及び該方法に使用する装置が開示されてい
る。つまり、前記従来の装置の多くは、被測定面内に基
材と異なる材料が混入し分散分布したような表面の性
状、即ち粒界などの分布情報を非破壊的に再現性良く明
瞭に観察・測定するための有効な手段ではなかった。
【0004】更に合金表面が平滑で光沢を有している場
合には、より一層粒界の分布状態を測定することは困難
である。このような場合に例えば目視により合金表面を
観察したとしても、当然、観察した合金表面の状態は不
明瞭である上、拡大して観察することができない。
【0005】合金表面の粒界の分布状態を観察・測定す
るために用いられている唯一の従来装置としては各種の
顕微鏡を挙げることができる。これらの装置を用いれ
ば、合金試料の表面を適当な倍率で拡大して観察・測定
することが可能であり、その合金試料を移動させること
により適当な場所を観察・測定することができる。又、
前記合金試料の表面に光沢がある場合には、明視野或い
は暗視野観察系を用いることにより、ある程度観察・測
定し易い条件を得ることもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、顕微鏡
を用いる場合には、合金を適当な方法で加工して平板の
試料とした後、観察・測定しなければならないといった
根本的且つ致命的な問題がある。つまり、第一に合金の
表面性状を非破壊的に測定することが不可能である。第
二に合金が非平面形状である場合には観察・測定すべき
全面にわたってコントラスト良く明瞭に見ることができ
ない。第三に最も致命的には、合金が非平面形状である
場合には測定試料を製作するために表面を加工しなけれ
ばならないので、原理的に実際の表面とは異なる表面を
観察することになるという問題があった。
【0007】更に合金の表面上の粒界を明瞭に観察・測
定するための条件を必ずしも最適に設定できないという
問題も残されていた。例えば、AlやFeなどの金属
(基材)と、Si、Ge、Te、Seなどの単結晶やG
aAs、InSbなどの化合物結晶など(基材と異なる
材料)が入り交じって分布している合金の表面上の結晶
粒界を観察・測定する場合には、それらの粒界を区別し
て明瞭に観察・測定することは非常に困難であった。
【0008】以上のように、従来の表面性状測定装置に
よれば、表面性状のうち形状や粗さなどは測定可能であ
るものの粒界の分布状態の測定は不可能若しくは極めて
困難であり、又、粒界の分布状態を観察・測定可能な顕
微鏡装置においても、前記の如き問題があって使用上の
制約が厳しく、測定すべき合金の種類によっては必ずし
も適用できるわけではなかった。このため、合金表面が
平滑で光沢を有している場合でも成分の粒界の分布状態
を明瞭に観察・測定できる表面性状測定装置が望まれて
いた。より具体的には、例えばAl合金、主にAlとS
iなどで作製された非平面を含む部材の表面の粒界分布
情報を非破壊的に再現性良く明瞭に観察・測定する手段
が切望されていた。
【0009】本発明は前記の如き従来の解決すべき課題
に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、
成分として基材と異なる材料を少なくとも1種類含む合
金の表面に分布する粒界の状態、即ち分布状態を非破壊
的に且つ再現性良く明瞭に観察・測定する装置を提供す
ることにある。
【0010】以下に本発明らの着眼点について述べる。
合金には色々な種類があることは周知であるが、例えば
Al、Fe等の金属基材と、Si、Ge、Te等の元素
(単結晶)及び/又はGaAs、InSb等の化合物
(化合物結晶)からなる基材と異なる材料とで構成され
た合金では、特に平滑な表面の場合において、通常見た
目ではどれも所謂金属光沢を有しているため、粒界分布
及び個々の粒子のうちどれがどの成分の結晶なのかを区
別して合金の表面性状を明瞭に観察・測定することは困
難である。
【0011】本発明者らは、このような合金の表面状
態、特に粒界分布状態を非破壊的に明瞭に観察すること
ができないものかと鋭意研究した結果、前記の合金は構
造材として、或いは化学的性質又は電気的性質等に着目
して産業的に広く利用されている場合が一般的であるも
のの、その光学的性質を利用すれば従来技術の課題解決
につながり、本目的を達成することができるかも知れな
いと思い至った。
【0012】従来の合金表面の顕微鏡観察において、通
常我々が見ているのは可視領域においてであり、これは
被測定物の観察・測定に際して自然であり、簡便さ、利
点の多さからも当然であった。一方、可視光線以外の波
長を用いた場合には、肉眼で見えないことは勿論、それ
を検出する受光器にも適当なものが少なく、しかも測定
装置の取り扱いも大変であるため、生産現場など産業的
に前記装置を用いる有利さはほとんど見出せなかった。
このような従来からの事情によって、合金などに見られ
る異種の材料が分布した粒界の状態、即ち表面性状を非
破壊的に再現性良く明瞭に観察・測定することが困難で
あった。
【0013】そこで、本発明者らは材料の複素屈折率の
光の種類による振る舞いの相違、即ち波長による光学的
性質の変化を利用すれば問題の解決に役立つのではない
かと考えた。例えば、可視光線領域では反射率が高い材
料でも赤外線領域の波長に対して必ずしも高い反射率を
有しているわけではなく、波長の増加に従って反射率が
低下していくものがあることを見出した。一般にAl、
Feなどの材料では、可視光線及び赤外線のどちらの領
域にも高い反射率を示し、Si、Ge、Te等、又はG
aAs、InSb等の材料(単結晶と化合物結晶)で
は、赤外線領域になると反射率が低下していく傾向にあ
る。この物理的現象を活用することによって、合金の異
種の材料の粒界を区別して明瞭に且つ再現性良く観察・
測定できることになると考えた。
【0014】更に、合金表面が平滑である場合には光源
から照射された赤外線波長領域を含む光はフレネルの法
則により、合金表面への入射角と等しい角度で反射され
る(正反射と呼ばれる)から、例えば光源と受光器は表
面に対して正反射の機構を取ることが望ましく、これに
より合金表面の明瞭な粒界分布状態を観察・測定できる
であろうと予想される。したがって、光源と受光器を表
面に対して正反射の位置関係にするための手段が必要で
あり、このため、光源に前記の位置関係を把握するため
のマスクパターンを具備させることを考えた。
【0015】更に、この様な構成とした場合には、マス
クパターンは前記目的以外に重要な役割を果たし得る。
即ち、合金を構成する異種の材料の粒界は多種類におよ
ぶことが珍しいことではないが、先述したように可視光
線領域では多種類の材料の粒界を区別して明瞭に観察・
測定することは困難なことが多い。しかしながら、粒界
の光学的性質を考慮した波長選択フィルタを多種類の材
料の数に相応する数だけ用いれば良いのではと考え、そ
れらを前記マスクパターンに並列に同時に具備すること
で今までの問題が一挙に解決するばかりでなく、得られ
る利点も多いと考えた。
【0016】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の表面性状
測定装置は、成分として基材と異なる材料を少なくとも
1種類含む合金からなる平滑な被測定面に対して光源か
ら光を照射し、被測定面によって反射された反射光を受
光器により検出して、成分の分布情報に関する被測定面
の表面性状を観察・測定する装置において、光源は赤外
線波長領域を含む光を発生する光源であり、受光器は被
測定面からの反射光を撮像することができる受光器であ
り、光源又は受光器は波長選択フィルタを備え、且つ光
源と受光器とは被測定面に対して正反射の位置を取り得
るように配置されている、ことを特徴とする。
【0017】本発明の装置の好ましい態様においては、
波長選択フィルタは光源に備えられている。
【0018】本発明の装置の別の好ましい態様において
は、光源が赤外線波長領域を含む平行光を照射する光源
であり、且つマスクパターンを備えており、マスクパタ
ーンは波長選択フィルタを兼ねるマスクパターンであ
り、受光器がマスクパターンの大きさと位置を検出し、
この情報に基づいて被測定面に対して光源と正反射の位
置を取り得る受光器である。
【0019】基材と異なる材料としては例えば金属材料
分野、エレクトロニクス分野等において慣用のもの、例
えばSi、Ge、Se、Te等の元素、GaAs、In
Sb等の化合物が挙げられる。これらの材料は1種類で
あってもよいし、又は2種類以上組み合わされていても
よい。
【0020】合金の基材も、基材と異なる材料と同様の
分野において慣用のもの、例えばFe、Al等、又はこ
れらの合金であってよい。
【0021】被測定面は、平滑であって本装置を適用し
得るものであればその形状は特に限定されない。もとも
と充分に平滑な面、例えば自動車エンジンのシリンダブ
ロックのシリンダ内面などはそのままの状態で本装置を
用いて測定することができる。
【0022】本発明装置に用いる光源は、赤外線波長領
域、即ち波長0.8μm−1000μm程度の電磁波を
含む光を発生する光源である。赤外線波長領域は更に波
長0.8μm−2.5μm程度の近赤外線領域、波長
2.5μm−25μm程度の(普通)赤外線領域及び波
長25μm−1000μm程度の遠赤外線領域に細分さ
れるが、特に近赤外線領域ないし(普通)赤外線領域を
含む光を発生する光源が好ましい。又、平行光を放射す
る光源が実用上使用し易い。
【0023】光源の具体的な例としては、赤外線波長領
域を含む光を発生する光源として慣用のランプ例えばタ
ングステンランプ、グローバーランプ、ネルンストラン
プを挙げることができる。光源の大きさや形状は、被測
定面の大きさや形状を考慮して適宜選択する。
【0024】受光器は被測定面からの反射光を撮像する
ことができる受光器であれば特に限定されないが、例え
ばレンズ系、撮像系(例えば受光センサ、撮像管等)及
び所望により波長選択フィルタを備えたものであってよ
い。受光器の大きさや形状も被測定面に応じて最適に決
定する。被測定面に関して得られた情報は、モニタテレ
ビやコンピュータを使用して必要に応じてをモニター、
記録又は解析する。
【0025】波長選択フィルタは光源及び受光器の何れ
かに少なくとも1種類備えられていてよいが、光源に備
えられていることが好ましい。
【0026】本発明装置の使用に当たり、被測定面が動
いている場合、例えば被測定面がベルトコンベヤー上に
載置されて順次搬送されてくる物品上の一面である場
合、或いは被測定面の性状に応じて光源からの被測定面
への照射角を変化させる場合には、光源、被測定面及び
受光器の位置関係を、如何なる場合にも光源と受光器と
が被測定面に対して正反射の位置を取り得るように位置
決めできる姿勢制御機構が必要となる。
【0027】前記姿勢制御機構は本発明の目的を達成し
得るものであれば特に限定されないが、前記の如く例え
ば光源に適当なマスクパターンを設けるとよい。即ち、
光源から被測定面を経て受光器で撮像されたマスクパタ
ーンを、光源と受光器とが被測定面に対して正反射の位
置を取った場合のマスクパターンと一致するように光源
及び/又は受光器の位置を変化させることにより、被測
定面の動きに追従させて光源と受光器とが被測定面に対
して正反射の位置を取り得るように位置決めすることが
できる。なお、姿勢制御機構の駆動手段は慣用の駆動手
段を使用してよい。
【0028】マスクパターンが波長選択フィルタを兼ね
るマスクパターンであると、非常に便利である。
【0029】
【作用】上記構成を有する本発明の表面性状測定装置
は、以下のように作用する。
【0030】光源により発生した赤外線を含む光によっ
て被測定面を均一に照射する。この場合、被測定面は平
滑な表面であるために、該表面に対する法線と先の照射
した光(入射光)とのなす角度と同じ角度で、光は被測
定面によって反射される(フレネル反射)。一方、受光
器と光源は被測定面に対して正反射の位置関係となるよ
うに設定されているため、この表面反射光は受光器に取
り込まれ、受光器内のレンズ系などにより光が集めら
れ、次いでこの光は受光素子に入射し、電気的な信号に
変換されて出力される。このとき光源又は受光器の何れ
か一方に波長選択フィルタが配置されているので、被測
定面からの反射光のうち所定の波長成分の光のみを受光
することができる。
【0031】又、所定のマスクパターンを配した光源を
用いる場合には、例えば該マスクパターンを介して平行
光を照射し、被測定面を照らす。そして被測定面により
反射された光を受光器により撮像する。このとき、受光
器により撮像されたマスクパターンが所定の大きさと位
置にない場合は、適当な駆動手段により、例えば光源と
受光器を所定の位置関係に保ったまま、前記マスクパタ
ーンが所定の大きさと位置になるように被測定面に対し
て光源と受光器を相対的に移動させることにより、正反
射の関係を常に維持することができる。
【0032】
【実施例】以下に、本発明の表面性状測定装置の構成を
一層明らかにするために、好適な実施例、及び具体的使
用例即ち基材と異なる材料を少なくとも1種類含む合金
からなる平滑な被測定面の粒界の分布情報に関する非破
壊観察・測定についての使用例、を図面に基づいて説明
する。
【0033】実施例1 図1に本発明装置の一実施例の概略構成図を示す。図
中、1は光源、2は被測定面、3は受光器であり、受光
器3は波長選択フィルタ4、レンズ系5及び撮像系6を
備えている。なお、波長選択フィルタ4は光源1に備え
られていてもよい。光源1から放射された赤外線領域を
含む入射光7は図中矢印で示すように進み、被測定面2
によって反射されて反射光9となり受光器3で受光され
る。この場合、入射光7と反射光9とは被測定面2の法
線8に対して成す角度(入射角及び反射角)が共にθで
あって等しく、光源1と受光器3とは正反射の関係にあ
る。受光器3で受光された反射光9は、波長選択フィル
タ4を通過する際に所定の波長が選択され、次いで選択
された波長の光はレンズ系5を通過し、撮像系6によっ
て電気信号に変換され、出力される。
【0034】実施例2 図2に本発明装置の別の実施例の概略構成図を示す。本
実施例では、光源1はランプ10、レンズ系11及び波
長選択フィルタを兼ねたマスクパターン12を備えてい
る。ランプ10から放射された赤外線領域を含む光はレ
ンズ系11によって平行光となりマスクパターン12を
通過する際に所定の波長が選択され、次に選択された波
長の光からなる入射光7は図中矢印で示すように進み、
被測定面2によって反射されて反射光9となり受光器3
で受光される。実施例1と同様、入射角及び反射角は共
にθであって等しく、光源1と受光器3とは正反射の関
係にある。受光器3で受光された光は、レンズ系5を通
過し、撮像系6によって電気信号に変換され、出力され
る。
【0035】使用例1 図3に、本発明装置26を自動車エンジンのシリンダブ
ロックのシリンダ内面の性状を観察・測定するために用
いた場合の例を示す。シリンダブロック13は、主にA
lとSiの合金から形成されているが、シリンダブロッ
ク13のシリンダ内面の金属の粒界分布がどのようにな
っているかを簡便迅速に測定することができれば、この
結果を鋳造などのシリンダブロック13の製作工程やシ
リンダブロック13の不良品検査などに反映することが
できるので実用上非常に利点がある。なお、本使用例で
はAlは基材であり、Siは基材と異なる材料であっ
て、注目する基材と異なる材料が1種類(Si)の場合
である。
【0036】本使用例で用いる本発明装置26は、中心
軸14の回りを矢印で示す如く円周方向に回転する回転
テーブル15に取り付けられており、装置の先端はシリ
ンダブロック13内に挿入されている。光源1によりシ
リンダブロック13内面が照らされ、内面で反射した光
はプリズムを兼ねた波長選択フィルタ16を通過し、更
に反射鏡17で光路を変えられる。その後、反射光9は
レンズ系5を通過して赤外線感受性の1次元(線状)の
受光センサ18で受光され、撮像される。電気信号に変
換された情報は、この後モニタ19で直接観察したり、
或いはコンピュータ20に取り込み任意の処理及び解析
を施すことができる。
【0037】本使用例で用いる本発明装置26の場合、
受光器3側にプリズムを兼ねた波長選択フィルタ16及
び反射鏡17が備えられているが、被測定面であるシリ
ンダブロック13内面に対して光源1と受光器3が正反
射構成になっているため、明瞭に測定可能である。本発
明装置26を回転させないときには、測定範囲はシリン
ダブロック13の中心軸14に沿った一定幅の内面とな
るが、本使用例のように回転テーブル15に本発明装置
26が取り付けられている場合には、回転テーブル15
を回転することでシリンダブロック13の内面全周を観
察・測定できる。
【0038】本使用例の被測定面であるシリンダブロッ
ク13のシリンダ内面はAl−Si合金であって、含ま
れる基材と異なる材料はSi1種類であるため、波長選
択フィルタ16は1種類で良く、選択波長としてはSi
の透過波長である1.2−15μmの間で任意に設定し
て良いが、受光器3のプリズムやレンズ系に通常のガラ
スが使えるようになるべく短い波長の方が便利である。
なお、Siは0.8μmぐらいの近赤外線域から波長が
増加するにつれてから徐々に反射率が低下し始め、波長
1.2μm以上で一定の反射率になる。
【0039】本使用例で、Si透過領域である波長領域
については以下の如く解釈することができる。本使用例
において被測定面であるシリンダブロック13のシリン
ダ内面に分布するSiが明瞭に観察・測定されることを
図4を用いて説明する。つまり、可視光線領域の光は図
4(a)に矢印で示す如くシリンダブロック13のシリ
ンダ内面で全て反射されてしまい、Al21とSi22
の区別は困難である。しかし、反射光の中から波長選択
フィルタによって特定の波長成分だけを選択すれば、図
4(b)に矢印で示す如くSi22内にも赤外線が入り
込み、Si22に関しては光は正反射しなくなる。した
がって、受光器3に達する光はAl21表面で反射され
た光のみとなりAl21が存在する部分とSi22が存
在する部分とで反射される赤外線の強さ(光量)が異な
るため、明瞭にその分布状態が観察・測定できる。
【0040】又、本使用例においてシリンダブロック1
3のシリンダ内面に対して分光反射率測定を行った結果
を図5に示す。測定した波長領域は、0.2−2.5μ
mであり、Siが多く分布している(シリコンリッチ)
シリンダブロック13(試料1)とSiが少ない(シリ
コンリーン)シリンダブロック13(試料2)に関する
測定結果である。図5から明らかな如く、波長約0.8
μmないし約2.5μmの近赤外線領域において試料1
は試料2に比べて反射率が常に数%程度高い。このよう
に、赤外線波長領域でSi含有量の大小によって反射す
る光量に差がでるのは図4に基づいて説明した先の理由
によるものである。
【0041】最後に、図6に本使用例において本発明装
置26により測定した金属組織の顕微鏡写真〔図6
(a)〕と比較装置(図3の本発明装置26において、
16が単なるプリズムである装置)により測定した金属
組織の顕微鏡写真〔図6(b)〕を示す。比較装置を用
いた場合にはコントラストが悪く、明瞭に測定できない
ことが分かる。一方、本発明装置26を用いた場合に
は、SiとAlの粒界分布、即ち表面性状が明瞭に測定
・観察できていることが分かる。
【0042】使用例2 図7に、本発明装置27の別の使用例を示す。本使用例
で用いる本発明装置27は、図7に示す如く、搬送装置
23上に載置されて測定位置に搬送されてくる被測定物
24の被測定面25が特定の方向を向いていない場合や
被測定面25上に分布する半導体の粒界が2種類以上の
場合において好適である。本使用例においては被測定面
25は、Siを基材とし、この基材中にTeとAgとが
分布しているものである。本使用例では、これらの材料
の分布の程度(粒子の大きさや量など)を測定し、前記
材料からなる製品が基準通りに製作できているかどうか
を検査・測定する。本使用例では、Agは良導体の金属
であり、Si、Teは半導体の元素であって、注目する
基材と異なる材料が2種類の場合である。
【0043】さて、本発明装置27は、任意の姿勢に位
置決めできる姿勢制御装置28に取り付けられていて、
姿勢制御装置28は更にアーム29の先端部に取り付け
られている。そして、この様な構成を有することによっ
て、本発明装置27全体を被測定面25に対して適する
位置関係となるようにに移動させて本発明装置27の位
置を調整することができる。即ち、被測定物24は搬送
装置23によって順次搬送されてくるものの、被測定面
25は各々の被測定物24により同じ方向に向いている
とは限らないので、測定に際しては本発明装置27は被
測定面25に対して常に正反射の位置を取る必要があ
る。
【0044】本発明装置27において、ランプ10は赤
外線波長領域を含む光を発生し、この光を反射鏡30で
反射させて平行光である入射光7とした後、所定のマス
クパターン31を通過して被測定面25に達する。マス
クパターン31は所定の大きさで、少なくとも2つ以上
の波長選択フィルタを有していることが必要だが、本使
用例では図8に示すように四角形を4分割したものを採
用した。
【0045】図8のマスクパターン31の4つの分割領
域には、2種類のフィルタ、即ちフィルタ32とフィル
タ33とを交互に配置している。図7の被測定面25で
反射された反射光9は反射鏡34で反射され、次いで反
射鏡35で反射されて反射鏡34の中央部の孔を通過し
た後、撮像系6に集光され、撮像されるが、被測定面2
5が傾いている場合、通常撮像されたマスクパターン3
1の像は所定の大きさと位置にない。それ故、被測定面
25を明瞭に観察・測定するためには、被測定面25に
対し、正反射の位置関係とする必要があるので、姿勢制
御装置28によって正反射の位置関係になるように本発
明装置27を動かして位置を調整する。
【0046】このための工程を更に説明すると、光源1
と受光器3は、予め所定の位置関係に固定し、被測定面
25が所定の位置来たとき正反射の構成となるようにし
ておく(基準位置と呼ぶ)。この時、受光器3で撮像さ
れたマスクパターン31の大きさと位置を基準としてお
けば、以下そのズレがなくなるように本発明装置27の
姿勢を補正していけばよい。つまり被測定面25が基準
位置にない場合にはマスクパターン31の大きさと位置
も所定の状態にないことになるから、撮像された情報を
用いてマスクパターン31が基準の大きさと位置に来る
ように本発明装置27を姿勢制御すればよい。このよう
な工程を経て、基準位置に調整した後、観察・測定す
る。
【0047】前記において、マスクパターン31は本発
明装置27を被測定面25に対して明瞭な測定ができる
ように位置決めするための役割を果たしているが、更に
被測定面25には異種の半導体の粒界が2種類あるため
に、それらを区別して且つ明瞭に測定するために図8の
如く、マスクパターン31に波長選択フィルタを2種類
(フィルタ32とフィルタ33)配置したものを用い
た。
【0048】本使用例の場合、図9に示す如くTe36
の透過波長領域は3.5−20μmであるため、2種類
のフィルタの選択波長領域は、1.2−3.5μmの間
と3.5μm以上のものが良いと考えられる。実際に
は、徐々に反射率や透過率が変化しているため、選択波
長1.5μmのフィルタ32と選択波長3.5μmのフ
ィルタ33とを用いた。このようにすれば、フィルタ3
2で測定した波長領域は、Si22とAg37/Te3
6が区別して明瞭に測定でき、フィルタ33で測定した
波長領域は、Ag37とSi22/Te36が区別して
明瞭に測定できるから、両方の情報から全ての金属の粒
界の分布状態を一挙に知る得ることができる。
【0049】図10に前記の事柄をまとめて示す。図1
0(a)のように各成分が分布している被測定面25
を、従来の装置を用いて測定するか、又は目視で観察す
ると、図10(b)に示す如く表面性状、つまり粒界の
分布状態は観察・測定できない(ここで、破線は実質的
に全て観察・測定できないことを示す)。しかし、フィ
ルタ32で測定すると、図10(c)のようにAg37
/Te36の粒界が明瞭に区別でき、更にフィルタ33
で測定すると、図10(d)のようにAg37の粒界が
明瞭に区別できるため、図10(c)と図10(d)の
粒界の分布状態の差からTe36の粒界の分布状態が分
かる。
【0050】なお、マスクパターン31は本使用例では
4分割の場合を示したが、これに限らず2つ以上であれ
ばよい。更に、本使用例ではマスクパターン31の形を
四角形としたが、所定の大きさと位置が確認できる形で
あればどのような形でもよい。
【0051】本発明の装置を用いれば、表面性状に関し
て前記使用例で測定した粒界の分布状態に限らず、光沢
や傷等の観察、測定も可能である。又、前記使用例にお
いては被測定面に含まれる基材と異なる材料の種類が2
つまでであるが、基材と異なる材料の種類が3つ以上に
なっても波長選択フィルタを相応する数だけ用意すれば
よいため、同様な手法で観察・測定することができる。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明の表面性状測定装
置は前述の如く構成からなるため、本発明の表面性状測
定装置によれば、合金の平滑な被測定面上に分布する各
成分の粒界の状態、即ち粒界の分布状態を非破壊に且つ
再現性良く明瞭に観察・測定することができるため、測
定に際して被測定面に何ら手を加える必要がなくなり、
更に被測定面に対する形状的な制約が大幅に軽減され
る。このため、本発明の表面性状測定装置は生産現場に
止まらず種々の産業分野に広く適用できる。
【0053】即ち、本発明の表面性状測定装置では、例
えば被測定面が平面のように光源及び受光器が正反射の
位置関係を達成し易く予め所定位置に配置される場合は
勿論のこと、そうでない場合、即ち被測定面が非平面の
ような場合でも常に非接触で、つまり非破壊的に正反射
の状態にすることができ、種々の状態の被測定物の表面
性状を明瞭に且つ再現性良く測定し得る。
【0054】又、本発明の装置を用いれば被測定物の表
面を非接触的に測定でき、被測定物の取り扱いに余裕が
できたため、今までのように例えば接触式位置決め装置
を用いた場合には実現困難か、又は不可能だった分野、
例えばFA(Factory Flexible Automation )への適用
が容易に行える。
【0055】更に、被測定面の性状に関する情報を含む
受光器からの出力は、この後、モニタにより観察した
り、計算機のメモリに蓄えて任意の処理を施すことがで
きるので、被測定物の分析や研究に大きな効果を奏し、
且つその情報の記録、保管、管理等も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面性状測定装置の実施例1の概略構
成図である。
【図2】本発明装置の実施例2の概略構成図である。
【図3】本発明装置の使用例1の説明図である。
【図4】前記使用例1において、可視光線領域と赤外線
領域における被測定面上の光の反射の相違を説明するた
めの図である。
【図5】Si含有量の大小による被測定面の分光反射率
の違いを示す図である。
【図6】本発明装置を用いた場合の測定結果と従来装置
を用いた場合の測定結果を示す金属組織の顕微鏡写真で
ある。
【図7】本発明装置の使用例2の説明図である。
【図8】マスクパターンの一例を示す図である。
【図9】各種フィルタによる波長選択を示す図である。
【図10】波長選択フィルタの作用・効果を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 光源 2 被測定面 3 受光器 4,16 波長選択フィルタ 5,11 レンズ系 6 撮像系 7 入射光 8 法線 9,30 反射光 10 ランプ 12,31 マスクパターン 13 シリンダブロック 14 中心軸 15 回転テーブル 17,34,35反射鏡 18 受光センサ 19 モニタ 20 コンピュータ 21 Al 22 Si 23 搬送装置 24 被測定物 25 被測定面 26,27 本発明装置 28 姿勢制御装置 29 アーム 32,33 フィルタ 36 Te 37 Ag θ 入射光又は反射光が被測定面の法線となす角度

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分として基材と異なる材料を少なくと
    も1種類含む合金からなる平滑な被測定面に対して光源
    から光を照射し、被測定面によって反射された反射光を
    受光器により検出して、成分の分布情報に関する被測定
    面の表面性状を観察・測定する装置において、 光源は赤外線波長領域を含む光を発生する光源であり、 受光器は被測定面からの反射光を撮像することができる
    受光器であり、 光源又は受光器は波長選択フィルタを備え、且つ光源と
    受光器とは被測定面に対して正反射の位置を取り得るよ
    うに配置されている、ことを特徴とする表面性状測定装
    置。
  2. 【請求項2】 波長選択フィルタが光源に備えられてい
    る、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 光源が赤外線波長領域を含む平行光を照
    射する光源であり、且つマスクパターンを備えており、 マスクパターンは波長選択フィルタを兼ねるマスクパタ
    ーンであり、 受光器がマスクパターンの大きさと位置を検出し、この
    情報に基づいて被測定面に対して光源と正反射の位置を
    取り得る受光器である、ことを特徴とする請求項2記載
    の装置。
JP32256392A 1992-11-06 1992-11-06 表面性状測定装置 Pending JPH06148091A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32256392A JPH06148091A (ja) 1992-11-06 1992-11-06 表面性状測定装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32256392A JPH06148091A (ja) 1992-11-06 1992-11-06 表面性状測定装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06148091A true JPH06148091A (ja) 1994-05-27

Family

ID=18145081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32256392A Pending JPH06148091A (ja) 1992-11-06 1992-11-06 表面性状測定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06148091A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000249661A (ja) * 1999-03-01 2000-09-14 Topcon Corp 光学測定装置
JP2009031294A (ja) * 2007-07-30 2009-02-12 Ivoclar Vivadent Ag 部材の表面上で進行する物理および/または化学プロセスの経過を光学的に検査する方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000249661A (ja) * 1999-03-01 2000-09-14 Topcon Corp 光学測定装置
JP2009031294A (ja) * 2007-07-30 2009-02-12 Ivoclar Vivadent Ag 部材の表面上で進行する物理および/または化学プロセスの経過を光学的に検査する方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Jin et al. A biosensor concept based on imaging ellipsometry for visualization of biomolecular interactions
US6294793B1 (en) High speed optical inspection apparatus for a transparent disk using gaussian distribution analysis and method therefor
Jin et al. Imaging ellipsometry revisited: developments for visualization of thin transparent layers on silicon substrates
JP4500641B2 (ja) 欠陥検査方法およびその装置
US5416594A (en) Surface scanner with thin film gauge
US5790247A (en) Technique for determining defect positions in three dimensions in a transparent structure
US5125741A (en) Method and apparatus for inspecting surface conditions
EP1864080B1 (en) Apparatus and method for enhanced critical dimension scatterometry
US7271921B2 (en) Method and apparatus for determining surface layer thickness using continuous multi-wavelength surface scanning
KR101249619B1 (ko) 반도체 웨이퍼 검사 방법 및 반도체 웨이퍼 검사 장치
JP2001524205A (ja) 明視野照明及び暗視野照明を有する自動検査システム
US20090002686A1 (en) Sheet Metal Oxide Detector
JP2007501942A (ja) 好適に円形エッジを有する物体の品質を光学的に制御する光学的試験方法及び光学的試験装置
JPS63193005A (ja) 面検査用装置
US6122047A (en) Methods and apparatus for identifying the material of a particle occurring on the surface of a substrate
US6262432B1 (en) High speed surface inspection optical apparatus for a reflective disk using gaussian distribution analysis and method therefor
US20020030823A1 (en) Method and device for measuring thickness of test object
JP2003021596A (ja) シュリーレン分析方法及び装置
US6252242B1 (en) High speed optical inspection apparatus using Gaussian distribution analysis and method therefore
JP2947513B1 (ja) パターン検査装置
EP0335163B1 (en) Apparatus for detecting foreign matter on the surface of a substrate
US11536648B2 (en) Optical inspection device and method
US5686731A (en) Multi-parameter scanning system with moveable field mask
JPH06148091A (ja) 表面性状測定装置
JP3417494B2 (ja) 硝子基板の表面うねり検査方法及び装置