JPH0614767Y2 - 人工呼吸用酸素マスク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ．考案の目的 （産業上の利用分野） 本考案は溺者や酸欠者の人工蘇生等に使用し且つ確実で
適正な空気を患者の肺へ送り込むことの出来る人工呼吸
用酸素マスクに関する。

（従来の技術） 従来、溺者等の人工呼吸法として口移しにより呼吸法が
ある。

これは術者の口より直接又はマスク等を介して患者の肺
に空気を吹き込む式で、患者の鼻を摘み口移しにより患
者の肺へ空気を送るものである。

又、人工蘇生器としてマスクに酸素ボンベを接続したも
のがあって、これは肺の加圧に酸素圧を利用したもの
で、マスクを患者の顔に密着させてから、マスクに設け
たボタンを押すことにより、マスク内の圧が一定となる
まで酸素が入って肺を膨らませ、又、ボタンを離すと酸
素の供給が止まり、吸気に於てはマスク外に出す構成の
ものである。

（考案が解決しようとする問題点） しかし前記従来の口移しによる人工呼吸法は、酸素マス
ク等の道具がなくても何時でも、又何処でも行なうこと
は出来るが、患者の肺を充分加圧して膨らませる手段を
間欠的に繰り換えし行なうことは、練度を必要とし容易
に遂行することが出来なく、又、前記人工蘇生器は、特
に空気の供給を行なって酸素と空気との適正混合による
強制給気は期待できなく、理想的な蘇生の条件である患
者の呼吸が停止しているときは、人工呼吸を行ない、患
者の呼吸が始まったとき自然呼吸を容易に行なうこと、
更に換気量の調整、或いは加圧の調整、気道のつまりを
生じないこと等を患者の容体を見ながら人為的に行なう
ことは出来ない問題点があった。

本考案は前記した従来の問題点を解消するためになされ
たもので、酸素ボンベを接続した給送管の一方に、患者
の口腔内に差し込み気道のつまりを防止する送気部を、
他方に適正空気の送りと換気や加圧の調整等を可能とす
る術者の口元に嵌める給気部とを備えて、理想的な人工
呼吸を可能とする人工呼吸用酸素マスクの提供を目的と
したものである。

ロ．考案の構成 （問題点を解決するための手段） 前記目的を達成するための本考案に係る人工呼吸用酸素
マスクは、実施例に示すように給送管１の一方に患者２
の口腔３へ差し込む送気部４を、他方に術者６の口元７
に嵌める空気の給気部８を備え、又、この給送管１の中
間部に酸素ボンベ９を接続すると共に、前記中間部と酸
素ボンベ９との間に酸素供給の調整バルブ12を備えた構
成である。

（作用） 今、本考案に係る人工呼吸用酸素マスクを使用して、例
えば溺者の蘇生を行なう場合は、先ず給送管１の送気部
４を患者２の口腔３内へ差し込んで気道がつまりないよ
うにし、更に酸素ボンベ９より酸素を送ると共に、給送
管１の給気部８を蘇生術者６の口元７に嵌めて術者６は
空気を吹き込み、患者２の肺へ前記酸素と空気とを送り
込みながら、指先で患者２の鼻の孔を塞ぎ酸素と空気の
漏れを防止して、患者２の肺へ適正な酸素と空気とを強
制的に吹き込むもので、この送り込みと換気とを患者２
の容体を見ながら間欠的に行ない、患者２の自然呼吸が
始まったところで、酸素と空気の送り込みを停止して、
患者２の自力自然呼吸を補足するものである。

（実施例） 次に本考案に係る人工呼吸用酸素マスクの実施例を図面
第１図及び第２図に基づいて説明する。

図中１は合成樹脂等により形成した給送管を示し、管体
の一方に溺者等の患者２の口腔３へ差し込む送気部４を
設け、該送気部４は患者２の気道がつまらないように、
ある程度口腔３の奥に差し込むことの出来る長さと太さ
を有する。

又、この送気部４の根部側に患者２の口を覆う鍔状のマ
ウス部５を備え、これを患者２の口に外装して、送り込
んだ酸素及び空気の漏れを防止する。

更に給送管１の他方には蘇生術者６の口元７に嵌めて、
術者６が前記送気部４へ空気を強制滴加に送り込むこと
が出来る筒状の給気部８が設けてある。

９は給送管１の中間部に接続した酸素ボンベを示し、接
続部材10を介して給送管１の中間に設けた枝管11へ連結
し、給送管１へ酸素を供給する。

尚、この酸素ボンベ９は互換生を有し、使用時、酸素圧
は吸気時には14mmＨｇで、呼気時−9mmＨｇ前後の圧が
加わるようにする。

12は前記枝管11と酸素ボンベ９との間に設けた酸素供給
の調整バルブで、患者２の容体に応じて酸素の供給量を
調整して送気部４へ送る。

13は給送管１に設けた弁機構で、酸素が肺にたまって一
定の圧に達すると、肺内のガスを吐き出すようになって
いる。

以上この実施例による人工呼吸用酸素マスクを使用する
場合は、図面第１図に示すように給送管１に於ける送気
部４を患者２の口腔３の奥へ差し込んでから、術者６は
口に給気部８を嵌めた後、酸素供給の調整バルブ12を操
作して酸素ボンベ９より酸素を送り、この酸素と、術者
６が吹き込む空気とを前記送気部４を介して患者２の肺
へ強制的に送り込むものである。

ハ．考案の効果 前記のように本考案に係る人工呼吸用酸素マスクは、給
送管の一方に患者の口腔へ差し込む送気部を、他方に術
者の口元に嵌める空気の給気部を備え、且つこの給送管
の中間部に酸素ボンベを接続し、該中間部と酸素ボンベ
との間に酸素供給の調整バルブを備え構成であるから、
これ使用した場合、酸素ボンベからの酸素と、術者の吹
き込む空気とを術者の吹き込み加減により行なうことが
出来るので、口移し式人工呼吸法の利点と、酸素ボンベ
とマスクとを使用する人工蘇生器の利点とを兼ね備え
て、理想的な人工呼吸を可能とした特有の効果を発揮す
る。即ち 患者の肺を間欠的に充分加圧して膨らませることを特殊
な技術を要することなく容易に行なうことができる。

又、酸素と空気との適正混合による強制給気を得ること
が出来て、術者の観察及び呼吸により人工呼吸と、患者
の自然呼吸とを容易に切換えが出来る。

更に又、患者の肺内からの換気量の調整、或いは酸素の
加圧調整とか、気道のつまり防止を確実に行なうことが
出来る。等の理想な蘇生器機能を備える効果を奏するも
のである。

【図面の簡単な説明】

図面第１図は本考案に係る人工呼吸用酸素マスクの使用
状態を示す説明図、第２図は前記人工呼吸用酸素マスク
の断面図である。 図中１は給送管、２は患者、３は口腔、４は送気部、６
は術者、７は口元、８は給気部、９は酸素ボンベ、12は
調整バルブである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】給送管の一方に患者の口腔へ差し込む送気
   部を、他方に術者の口元に嵌める空気の給気部を備え、
   且つこの給送管の中間部に酸素ボンベを接続し、該中間
   部と酸素ボンベとの間に酸素供給の調整バルブを備えた
   ことを特徴とする人工呼吸用酸素マスク。