JPH06142825A - 鋳物砂再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 衝突部材の摩耗を減少させ、部品摩耗に
よるランニングコストを低減させ、振動を低減するとと
もに、再生時の砂の破砕を減少させる。 【構成】 処理層１内で垂直軸を中心に回転するロ
−タ１６の中央付近に下方より圧縮空気流で砂を供給
し、該供給された砂をロ−タ１６の回転力により外周方
向に投射し、該ロ−タ１６の外周位置に形成させた環状
の衝突板に衝突させる鋳物砂再生装置において、前記環
状の衝突板を断面が半径方向内向きに凹状を形成した砂
受棚２２の構成にし、前記処理層１の天井部４に緩衝部
材Ｂを介して、フランジ１３Ｃ上に下向きに固設したモ
−タ１３と、該モ−タ１３のモ−タ回転軸１３Ｄの下端
に連結した回転軸１５に固設した前記ロ−タ１６と、前
記回転軸１５を回転可能に支持すると共に前記フランジ
１３Ｃより支持部材２０を介して支持された軸受け１９
と、でロ−タ駆動部Ｒを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、回転ロ−タによる鋳物
砂の乾式再生装置に関する。

【０００２】

【従来技術と問題点】従来、鋳物砂の再生のため、垂直
軸を中心に回転するロ−タの中央付近に下方より圧縮空
気流で砂を供給し、該供給された砂をロ−タの回転力に
より外周方向に投射し、該ロ−タ外周位置に形成させた
環状の衝突部材等に衝突させる鋳物砂再生装置は公知で
ある（たとえば実公昭６３−３４７７３号公報）。しか
しながら、上記装置では衝突部材等の摩耗が激しく、こ
れらの部材の交換等のため、ランニングコストが高くな
っていた。また、ロ−タから飛散した砂の多くが筒状の
砂衝突部材に衝突して砂が破砕し細粒化するため、再生
砂の使用時にバインダの添加量が増えるなどの問題があ
った。このため、本出願人は衝突部材の代替として砂受
棚を設け、ロ−タより飛散した砂を砂受棚に堆積させた
砂に衝突及び擦り合わさせることを特徴とした鋳物砂再
生装置の開発を行ってきた。しかしながら、該ロ−タに
おいて、砂自身に作用している遠心力によりロ−タ内面
に押しつけられ形成された砂層は、ロ−タの起動停止時
のショックや下方からの砂供給の変動等により局部的に
脱落する事がある。この結果、ロ−タと砂層を含んだ回
転体にアンバランスが発生して重心が移動し、しかも回
転体は高速回転をしているため、変動した遠心力は回転
軸、軸受け及び処理槽に伝わり、ベアリングの損傷およ
び処理層の騒音を引き起こしていた。この対策として、
従来は、太い回転軸や大きなベアリングを使用していた
が十分ではなく、ベアリングの損傷は相変わらず続いて
いた。本発明は、上記の問題に鑑みて成されたもので、
鋳物砂の再生装置において、ロ−タ及び衝突部材の摩耗
を減少させ、部品摩耗によるランニングコストを低減す
るとともに、再生時の砂の破砕を減少させ、さらに防振
および騒音対策を施すことを目的とするものである。

【０００３】

【問題解決のための手段】上記の目的を達成するために
本発明における砂再生装置は、処理層内で垂直軸を中心
に回転するロ−タの中央付近に下方より圧縮空気流で砂
を供給し、該供給された砂をロ−タの回転力により外周
方向に投射し、該ロ−タの外周位置に形成させた環状の
衝突板に衝突させる鋳物砂再生装置において、前記環状
の衝突板を断面が半径方向内向きに凹状を形成した砂受
棚の構成にし、前記処理層の天井部に緩衝部材を介し
て、フランジ上に下向きに固設したモ−タと、該モ−タ
のモ−タ回転軸の下端に連結した回転軸に固設した前記
ロ−タと、前記回転軸を回転可能に支持すると共に前記
フランジより支持部材を介して支持された軸受けと、で
ロ−タ駆動部を構成したことを特徴とするものである。

【０００４】

【作用】上記のような解決手段を採用することにより、
砂どうしの衝突及び擦り合わせにより砂再生を行うと共
に振動を低減する。

【０００５】

【実施例】以下本発明の実施例を図面にもとづいて詳し
く説明する。図１において、処理槽１は下部の錐部２、
上部の筒部３および天井部４により画成されている。該
錐部２の下部は圧縮空気吹き込みノズル５に連通接続さ
れ、さらに、該圧縮空気吹き込みノズル５は下部で横パ
イプ６と縦パイプ７に分岐され、横パイプ６は図示して
いない圧縮空気源に連通接続し縦パイプ７は砂排出弁８
に接続されている。前記筒部３には、側壁９下部に砂供
給筒１０が連通接続され、該砂供給筒１０は砂供給弁１
１を介して図示していない砂供給装置に接続している。
前記天井部４には排気筒１２が固設される。また前記天
井部４にはモ−タ１３がモ−タフランジ１３Ａ、フラン
ジ１３Ｃおよび同一円周上に等間隔に４個配置した緩衝
ゴムＢを介して固設され、モ−タ回転軸１３Ｄは、カッ
プリング１４及び回転軸１５を介してロ−タ１６に接続
されている。該ロ−タ１６は前記筒部３の中央部に位置
し周壁１７と上板１８からなり水平回転する。さらに前
記回転軸１５の軸受１９は、ベアリング３４，３４を内
蔵し、円筒状のリブ２０を介してフランジ１３Ｃに支持
されている。ここで、モ−タ１３とモ−タ回転軸１３Ｄ
の下端に固設した前記ロ−タ１６と、前記回転軸１５を
軸支し前記円筒状のリブ２０を介して支持された軸受け
１９と、によりロ−タ駆動部Ｒが構成されている。ロ−
タ１６の外周位置には、支持部材２１を介して砂受棚２
２が固設されている。該砂受棚２２は、外周壁、上板及
び底板により全体が環状で断面が半径方向内向きに凹状
を形成した構成にされている。一方、錐部２の中央には
上端をロ−タ１６の中央下部に開口すると共に下端を該
錐部２の底部との間に間隙をおいて開口する砂吹き上げ
パイプ２６が支持部材２７を介して垂直に固設されてい
る。なお、本実施例では、吹き上げパイプ２６を使用し
ているが吹き上げパイプ２６は必ずしも必要ではなく砂
を吹き上げる機能があればその構造は問わない。

【０００６】このように構成されたものは、図１におい
て、運転の準備として、図示していない集塵機を作動さ
せて排気筒１２より吸引をかけた状態で、モ−タ１３の
起動によりロ−タ１６を回転させるとともに図示してい
ない圧縮空気源の作動により横パイプ６及び圧縮空気吹
き込みノズル５を介して圧縮空気の吹き込みを行う。こ
の状態で、砂供給弁１１を開き図示していない砂供給装
置より処理槽１内に砂を供給し、所定の量の砂が供給さ
れた時点で砂供給弁１１を閉じ砂の供給を停止する。こ
の際、供給された砂は錐部２にたまり、圧縮空気吹き込
みノズル５により吹き出す圧縮空気により、砂吹き上げ
パイプ２６内に供給された砂は砂吹き上げパイプ２６内
を上昇してロ−タ１６内に供給されロ−タ１６の回転に
より砂は外方に移動すると共に回転運動を与えられ周壁
１７の下端から砂は接線方向に飛び出す。飛び出した砂
は砂受棚２２内に入り堆積する。同時に砂どうしの衝突
及び擦り合いにより砂表面の不要物が剥離され砂の再生
が行われるとともに剥離された不要物は排気筒１２から
吸引除去される。砂受棚２２内で再生された砂は、下方
に落下して錐部２の砂溜まりの上部に堆積する。ここ
で、錐部２の下部の砂は上述したように圧縮空気により
砂吹き上げパイプ２６内へ順次吹き上げられて行くた
め、砂溜まりの上に堆積した砂は徐々に下方位置に下が
り、再び砂吹き上げパイプ２６内に吹き込まれロ−タ１
６および砂受棚２２により再生がされる。以上のような
作動を繰り返し砂の表面に付着している不要物は徐々に
剥離される。このようにして不要物の剥離作業を所要時
間行ったのち、圧縮空気源の作動を停止して圧縮空気の
供給を停止するとともにロ−タ１６の回転を停止する。
その後、砂の排出弁８を開き、再生済みの砂を排出し、
排出完了後、排出弁８を閉じモ−タ１３を停止させる。

【０００７】このときロ−タ１６の内部は、図３および
図４に示すように、ロ−タ内周面に付着層を形成してい
る。次に再生のためにモ−タ１３を再起動すると、図５
および図６に示すように、モ−タ１３の起動のショック
や下方からの砂供給の変動等により局部的に脱落する事
がある。ここで回転により大きな遠心力を発生した場
合、ロ−タ駆動部Ｒは緩衝ゴムＢを介して取り付けられ
ているため、ロ−タ駆動部Ｒ自身がわずかの振幅で振動
することにより前記遠心力を吸収し、回転軸１５、ベア
リング３４，３４等に過大な力が作用しなくなると共に
処理層１への振動の伝達もきわめて少なくなる。以上の
作動を繰り返して次々に鋳物砂を再生する。なお、本実
施例では緩衝部材Ｂとして緩衝ゴムＢを使用したが、コ
イルスプリング等の他の緩衝部材を使用してもよい。ま
た、本実施例では、バッチ式の再生機であるが、ロ−タ
駆動部Ｒ、砂受棚２２および砂吹き上げパイプ２６等か
らなる再生ユニットを複数個、処理層１内に横方向に並
べておき、砂受棚２２の下方位置に砂受棚２２から落下
する砂の全部叉は一部を次の再生ユニットへ送る砂送り
板を設けて砂が複数個の再生ユニットを通過する間に再
生が行われるようにした、いわゆる連続式の再生装置に
使用しても同等の効果を奏する。

【０００８】

【発明の効果】本発明は上記の説明から明らかなよう
に、砂受棚を設けロ−タより飛散した砂を砂受棚に堆積
した砂に衝突及び擦り合わさせるようになり、砂受け棚
の摩耗が極めて少なくなり、保守点検等の労力が減ると
共に、ランニングコストも安くなる。また砂どうしの衝
突及び擦り合わせにより砂の再生を行うため砂の破砕が
減少し、砂の細粒化が減少し、再生砂の使用時の添加バ
インダ量を減らすことができる。さらに、緩衝部材をロ
−タ駆動部とロ−タの間に設けたから振動及び騒音がな
くなる等産業界に与える効果は著大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す断面側面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視図である。

【図３】本発明の実施例を示す砂受棚の拡大断面図であ
る。

【図４】図３のＢ−Ｂ矢視図である。

【図５】本発明の実施例を示す砂受棚の拡大断面図であ
る。

【図６】図５のＣ−Ｃ矢視図である。

【符号の説明】

１ 処理槽 ２ 錐部 ３ 筒部 ４ 天井部 ５ 圧縮空気吹き込みノズル ８ 砂排出弁 １０ 砂供給筒 １２ 排気筒 １３ モ−タ １３Ａ モ−タフランジ １３Ｃ フランジ １４ カップリング １５ 回転軸 １６ ロ−タ ２１ 支持部材 ２２ 砂受棚 ２６ 砂吹き上げパイプ ２７ 支持部材 Ｂ 緩衝ゴム

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 処理層１内で垂直軸を中心に回転する
   ロ−タ１６の中央付近に下方より圧縮空気流で砂を供給
   し、該供給された砂をロ−タ１６の回転力により外周方
   向に投射し、該ロ−タ１６の外周位置に形成させた環状
   の衝突板に衝突させる鋳物砂再生装置において、前記環
   状の衝突板を断面が半径方向内向きに凹状を形成した砂
   受棚２２の構成にし、前記処理層１の天井部４に緩衝部
   材Ｂを介して、フランジ１３Ｃ上に下向きに固設したモ
   −タ１３と、該モ−タ１３のモ−タ回転軸１３Ｄの下端
   に連結した回転軸１５に固設した前記ロ−タ１６と、前
   記回転軸１５を回転可能に支持すると共に前記フランジ
   １３Ｃより支持部材２０を介して支持された軸受け１９
   と、でロ−タ駆動部Ｒを構成したことを特徴とする鋳物
   砂再生装置。