JPH06141915A - アクセサリー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 発明が解決しようとする課題は、どこにも移
動できて、環境の温度により呈色が変化する温度計の機
能とカラフルなファッション性とをともにもつ耐久性の
あるアクセサリーを提供することである。 ［構成］ 線状ホモ多糖類誘導体からなるライオトロピ
ック型のコレステリック液晶が少なくとも片側が透明で
ある基板に積層されてなる積層体を使用してなることを
特徴とするアクセサリーである。なお、この液晶は、温
度の上昇とともに紫から藍、青、緑、黄、橙、赤色へと
連続的に呈色変化する優れた色を示す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、温度による呈色変化す
る色を直接的に視覚確認できるカラフルなファッション
性の優れた温度の分かるアクセサリーに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、アクセサリーは、ファッション性
をもたせたものもある。本発明のアクセサリーは、主に
温度機能をもたせたカラフルなものにかんする。アクセ
サリーの呈色を見るだけで、その場所の温度が簡便に分
かることはとても便利である。また、仕事やくつろぎを
する場所に身につけたアクセサリーを身から離して置け
ば、その場所の温度を知ることができる。従来の温度計
は、目盛りの判読やデジタルの数字を読むことにより精
確な温度を知ることを目的にしたものであり簡便にアク
セサリーのように利用できるものでなかった。

【０００３】本発明のアクセサリーは、物理的に精確な
温度を計り、知ることを目的にするのではなく、アクセ
サリーの呈色をみることのみにより容易にそこの環境温
度を視認できる方法を提供することである。このアクセ
サリーは、どこにも移動できて、環境の温度により呈色
が変化する温度計の機能とカラフルなファッション性と
をともにもつものある。このように、ここでの温度は、
計測目的の精確な温度を知ることではなく、その季節、
時ごとの各人の適温を容易に確認できるようにしたもの
である。

【０００４】さらに具体的には、今日の建物空間は、南
側と北側、窓側と中央部、直射日光の有無、冷暖機器の
遠近、部屋の中央部と角のように場所や条件により温度
がことなる。特に冬場と夏場にこの傾向が大きく現わ
れ、そこの温度を常に認識していられれば、風邪ひき防
止等の人の健康管理に有用とともに快適さもを提供でき
る。このことを自然に達成するために、どこにも移動で
きるアクセサリーの呈色を各人がみることのみで容易に
そこの環境温度を視認できる方法を提供するものであ
る。また、示温材料としてコレステリック化合物からな
るサーモトロピック液晶を従来使用していたが、耐久性
がなく、特に耐光性が弱く、アクセサリーのように直射
日光もあたる耐久性を必要とする商品への使用には問題
があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】発明が解決しようとす
る課題は、どこにも移動できて、環境の温度により呈色
が変化する温度計の機能とカラフルなファッション性と
をともにもつ耐久性のあるアクセサリーを提供すること
である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
達成するためになされたものであり、示温材料を基板間
に積層してなるアクセサリーにおいて、該示温材料が線
状ホモ多糖類誘導体からなるライオトロピック型のコレ
ステリック液晶であることを特徴とするアクセサリーを
提供するものである。なお、この液晶は、温度の上昇と
ともに紫から藍、青、緑、黄、橙、赤色へと連続的に呈
色変化する。

【０００７】本発明は、温度によって呈色変化する線状
ホモ多糖類誘導体からなるライオトロピック型のコレス
テリック液晶を基板間に積層してなる積層体をアクセサ
リーに使用した場合、このアクセサリーの呈色を見るこ
とによりその場所の温度を簡便に分かることになる。当
然であるが、観察されたアクセサリーの呈色と物理的温
度の相関は、容易に計っておくことはできる。さらに重
要なことは、実際に使用してみるとその物理的温度でな
く、温度により呈色が変わるそのアクセサリーの色味に
対応して、その時ごとに感覚的に少しうすら寒い、快
適、少々暑い等の生理的な感覚を自然にもつことにな
り、各人が各人の認識基準、すなわちアクセサリーの呈
色と各人の生理的な感覚の相関を自然にもつようになる
アクセサリーを提供することになる。このような環境対
応型のアクセサリーは、環境と人間とを橋渡しする新し
い概念のアクセサリーを提供することになる。

【０００８】このアクセサリーとしては、女性用の指
輪、ペンダント、イヤリング、ブレスレット等があり、
男性用としてはネクタイピン、バックル等があり、もち
ろん、このアクセサリーは広い意味であり、キーホルダ
ー、バックの飾り、ボタン等や机、テーブルの上をかざ
る置物等も含まれる。

【０００９】本発明に用いられる線状ホモ多糖類誘導体
と溶媒からなるライオトロピック型のコレステリック液
晶は、温度の上昇とともに紫から藍、青、緑、黄、橙、
赤色へと変化（コレステリック液晶のラセンピッチ拡大
による選択反射光の長波長シフト）する虹色の呈色を示
す。この呈色温度域は、濃度、平均分子量、溶媒の種
類、線状ホモ多糖類誘導体の種類等で調整できる。さら
に、溶媒を水の場合において電解質（例えば、塩化ナト
リュウム、酢酸ナトリュウム、塩化アンモニュウム等）
を０．１重量％から５重量％添加する方法、水溶性ポリ
アルキレングリコール（例えば、ポリプロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール等）を０．１重量％から
１０重量％添加する方法、この両者を共に添加する方法
等の添加剤を加えて調整してもよい。とくに、この水溶
媒においては、温度の上昇とともに相変化して光散乱現
象を示し白色となる。この変化も可逆であり本目的を損
なうものでなく、よりファッション性をますものであ
る。また、紫外線、熱に本質的に強いこの液晶の使用に
よりはじめては、耐久商品が可能となった。

【００１０】基板は、積層された液晶が見える必要があ
り、少なくとも片側の基板は透明体（例えば、ガラス、
プラスチック等）からなる必要がある。もう一方の基板
は、透明、不透明に関係なく、ガラス、プラスチック、
金属、セラミックス、石等広く使用できる。また、透明
体に黒色等の着色塗布等をしたものを基板としてもよ
い。基板の形状は、特に限定されることなく目的に合わ
して自由に３次元的にデザインされてよい。

【００１１】つぎに、アクセサリーの積層体は、一対の
基板の間に本発明に使用する液晶が積層されてあればよ
い。例えば、全面に液晶がある場合、無色透明体の中に
部分的に液晶がある場合、同温度で呈色の異なる液晶
（例えば、平均分子量、濃度等の相異）を同時に使用し
てある場合等がある。この液晶層の厚みも特に限定され
ることなく０．０１ｍｍから２ｍｍ程度を選択すればよ
い。積層方法は、基板間に液晶をおき加圧展開し外周を
シールする方法、無色透明な高分子溶液に部分的に液晶
をおいて外周をシールする方法、液晶を一般の透明フィ
ルム間で積層したものを密着剤を介して基板間に積層す
る方法、線状ホモ多糖類誘導体の個体膜を目的の空隙を
設けて基板間に内包して注入孔より溶媒を注入する方法
等がある。実施例では、線状ホモ多糖類誘導体の代表例
としてセルロースに酸化プロピレンを反応させて得られ
るヒドロキシプロピルセルロースと溶媒には水とプロピ
レングリコールを選択したが特にこれに限定されるもの
でない。この組み合せは、紫外線、熱に本質的に強く、
鮮明な可逆呈色を示すとともににほぼ無毒であり安全性
の面からも重要といえアクセサリーへの利用に有用であ
る。

【００１２】

【実施例】

実施例１ ヒドロキシプロピルセルロース（平均重合度が１３５、
２％水溶液の２０℃における粘度が５．４ｃｐｓ、ヒド
ロキシプロピル基が６２．６％）５０重量部に水２７重
量部を加え十分に攪拌混合し均一に溶解した液晶を直径
４５ｍｍ、厚さ４ｍｍの透明フロート板ガラスにたら
し、直径０．２ｍｍのガラスビーズをスペーサーにして
同サイズの透明フロート板ガラスを積層加圧して中央部
に直径約３５ｍｍ程に展開させた。その後無色透明な紫
外線硬化樹脂を外周から注入し紫外線照射して液晶をシ
ールした。この円板を銀製の縁枠にエポキシ樹脂で固定
して透明なペンダントにした。アクセサリーは、５℃前
後で紫、７℃前後で藍、１０℃前後で青、１４℃前後で
緑、１９℃前後で黄緑、２２℃前後で黄、２５℃前後で
橙、２９℃前後で赤の呈色を示した。このように広い温
度域にわたり連続的に微妙な色変化を可逆的に示した。
このアクセサリーは、前記した環境の温度を示すことに
とどまらず、優れた透明性をもつ虹色を示し、洋服の色
により色混合がおこり従来にない楽しみを提供するもの
である。

【００１３】実施例２ ヒドロキシプロピルセルロース（平均重合度が１７５、
２％水溶液の２０℃における粘度が８．５ｃｐｓ、ヒド
ロキシプロピル基が６２．４％）５０重量部に水３０重
量部を加え十分に攪拌混合し均一に溶解した液晶を１０
ｍｍ×１０ｍｍ角で深さ２ｍｍの黒色にした凹部を持つ
金製の指輪台座とこの凹部にはまるカットサファイヤガ
ラスとで実施例１と同様に積層加圧して液晶を展開させ
た後主に壁面部に無色透明な紫外線硬化樹脂を外周から
注入してシールした。このアクセサリーは、−３℃前後
で紫、１℃前後で藍、５℃前後で青、１０℃前後で緑、
１５℃前後で黄緑、１８℃前後で黄、２５℃前後で橙、
２９℃前後で赤橙、３６℃前後で赤の呈色を示した。こ
のように非常に広い温度域にわたり連続的に微妙な色変
化を可逆的に示した。このアクセサリーは、直射日光が
当ると、黒塗膜により光吸収をおこし照射面が加温され
て、急激に異なる呈色を示した。この現象は、指輪の脱
着による体温の影響でも呈色変化を示した。これは、環
境変化に対応して変化するカラフルなアクセサリーであ
ると同時にその場所の温度も常に分かるアクセサリーと
なった。

【００１４】実施例３ ピラミット形の高さ４５ｍｍ、一辺６０ｍｍのクリスタ
ルからなる四角錐の底辺中央部に直径４０ｍｍ、中心深
さ６ｍｍの円弧の凹みを設け、そこに実施例２と同じ液
晶を垂らし、その上に凹みの円弧より０．５ｍｍ小さい
クリスタルの円弧板をかさね実施例１と同様に底辺部を
あわすまで加圧して液晶を展開させた後、約３ｍｍ程残
した外周部に無色透明な紫外線硬化樹脂を外周から注入
してシールした。このクリスタルの置物は、実施例２と
同様な呈色変化を示すとともに屈折効果が加わりよりカ
ラフルなテーブル用のアクセサリーとなった。

【００１５】

【発明の効果】このアクセサリーの呈色を見ることによ
りその場所の温度をに簡便に分かることになり、その雰
囲気の温度もほぼ分かることになる。さらに重要なこと
は、実際に使用してみるとその物理的温度でなく、温度
により呈色が変わるそのアクセサリーの色味みに対応し
て、その時ごとに感覚的に少しうすら寒い、快適、少々
暑い等の生理的な感覚を自然にもつことになり、各人が
各人の認識基準、すなわちアクセサリーの呈色と各人の
生理的な感覚の相関を自然にもつようになるアクセサリ
ーを提供することになる。このような環境対応型のアク
セサリーは、環境と人間とを橋渡しする新しい概念のア
クセサリーを提供することになる。さらに、この呈色
は、優れた色を示し、多方面に利用しえるアクセサリー
を提供できることになる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 示温材料を基板間に積層してなるアクセ
   サリーにおいて、該示温材料が線状ホモ多糖類誘導体か
   らなるライオトロピック型のコレステリック液晶である
   ことを特徴とするアクセサリー。