JPH06140726A - 半導体レーザ装置及びその出力波形補償方法 - Google Patents

半導体レーザ装置及びその出力波形補償方法

Info

Publication number
JPH06140726A
JPH06140726A JP31620092A JP31620092A JPH06140726A JP H06140726 A JPH06140726 A JP H06140726A JP 31620092 A JP31620092 A JP 31620092A JP 31620092 A JP31620092 A JP 31620092A JP H06140726 A JPH06140726 A JP H06140726A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor laser
laser device
wavelength component
light
optical waveguide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31620092A
Other languages
English (en)
Inventor
Harumi Nishiguchi
晴美 西口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP31620092A priority Critical patent/JPH06140726A/ja
Publication of JPH06140726A publication Critical patent/JPH06140726A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)
  • Optical Integrated Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 波長バラツキの小さいレーザを実現すること
を目的としており、さらに、光ファイバ伝送後に理想的
なパルス波形になるように、パルス波形の補償ができる
波形補償方法を提供することを目的とする。 【構成】 半導体レーザ部分21と光導波路部分22か
らなる装置の光導波路24内に、プリズムの役目をする
V字形の溝部26を形成し、そこで導波路24に入る光
25′を分光し、短波長成分を光路30に導き光導波路
24外に散乱させて波長を揃え、短パルス化する。 【効果】 光ファイバ伝送時の符号誤りが減少する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は半導体レーザ装置及び
その出力波形補償方法に関し、特に出力伝送時の波形劣
化を補償する機能を有するものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13(a) は従来の半導体レーザ装置を
用いた光ファイバ通信における伝送方式を示す模式図で
ある。図において、1は半導体レーザ(LD)、2はL
D1からの出射光で、レンズ3を通って光ファイバ4の
中に入力される。5は光ファイバ4からの出力光、6は
受信器である。
【0003】次に動作について説明する。LD1から出
射された出射光2はレンズ3で集光され、光ファイバ4
に入り、この中を伝送されて出射光5となり、受信器6
で受信される。以上のようにしてLD1で所定の出力パ
ルスパターンを発生させ、これを受信器6で受信するこ
とにより情報の伝送を行うことができる。
【0004】ここで、光ファイバ4として、例えば1.
3μm,0分散のファイバを用い、1.55μmの光が
伝送されるとき、光ファイバ4は、これを構成する材料
や構造等によって短波長成分ほど速く伝送させ、長波長
成分ほど遅く伝送させるという特性(以下、分散とい
う。)を有しているため、図13(b) ,(c) に示すよう
に、出射光2として1パルスの中で波長分布にバラツキ
(波長チャーピング等)があるとき、出力光5は上記光
ファイバの分散による波形の劣化が起こり、図13(d)
,(e) に示すような出力波形となる。なお図13(b)
〜(e) において、10は短波長成分を示し、11は長波
長成分を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の半導体レーザ装
置は以上のように構成されているので、ファイバの波長
分散による伝送時のパルス劣化が起こり、出力側(受信
器)での符号誤りを引き起こす要因となるという問題点
があった。
【0006】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、波長バラツキ(チャーピング
等)の小さい光を出射することのできる半導体レーザ装
置を実現することを目的としており、またさらに光ファ
イバ伝送後に理想的なパルス波形となるようにパルス波
形の補償を行うことができる半導体レーザ装置の出力波
形補償方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る半導体レ
ーザ装置は、光導波路を伝搬するレーザ光を分光し、そ
の短波長成分あるいは長波長成分を前記導波路外に拡散
する分光手段を備えたものである。
【0008】また、光導波路中を伝搬するレーザ光を分
光し、その短波長成分と長波長成分とをそれぞれ伝搬距
離の異なる光路に導いた後、これら両波長を合成して出
射する波長分光・合成手段を備えたものである。
【0009】さらに、この発明に係る半導体レーザ装置
の出力波形補償方法は、伝送先で上記出射光の長波長成
分と短波長成分の分布のバラツキが最小となるように、
光ファイバの分散特性を考慮して上記半導体レーザ装置
から出射される出射光のパルス形状を整形するようにし
たものである。
【0010】
【作用】この発明においては、光導波路途中に配置され
たV字形の穴、または前記光導波路とは屈折率の異なる
領域がプリズムとなり、長波長又は短波長成分のみを分
光して導波路外に散乱させて波長を揃える。
【0011】また、V字形の穴または光導波路とは屈折
率の異なる領域を複数個組み合わせて、短波長成分,長
波長成分を分光し、それぞれ光路長を変えたのち集光さ
せることにより、パルス幅を圧縮(短パルス化)でき
る。
【0012】さらに、レーザ光を光ファイバによって伝
送した後に理想的な波形になるようにその出射光を調整
することにより、波長分布のバラツキを低減したパルス
信号を受信することができる。
【0013】
【実施例】実施例1.以下、この発明の実施例を図につ
いて説明する。図1は本発明の第1の実施例による半導
体レーザ装置の構成を示すLDの斜視図であり、図にお
いて、21は半導体レーザの発振部分を示し、22は光
導波路領域、23は半導体レーザ部分21の活性領域
(キャビティ)、24は活性領域23と同一構成の導波
路であり、光導波路領域22において活性領域23の一
部を溝部26で切り欠き、その端面を露出させることで
構成されている。また、図2(a) は図1のA−A′線で
の装置断面図及び各部分でのパルス波形を示す図であ
り、図において、25は出射光、25′は半導体レーザ
部分21から導波路24に入る光、30は溝部26で屈
折されて導波路24内に反射されない散乱光、31は溝
部26で屈折されるが、導波路24内を導波する光であ
る。
【0014】次に動作について説明する。LD部分21
から発振された光25′は光導波路24を通って出射さ
れるが、光25′の伝搬方向に対してV字形に形成され
た溝部26があるため、該溝部26は、屈折率n1 (例
えばInP系材料の場合n1 =〜3.4)の光導波路2
4の中に屈折率n0 (空気)のプリズムを構成するもの
となっており、また屈折率は波長依存性があるため光2
5′はここで分光される。
【0015】この場合、屈折率n0 =〜1,n1 =1〜
3.4であるため、溝部26によって実現されるプリズ
ムの屈折率n0 (空気)の方が小さく、短波長成分は大
きく屈折されて光路30の方向に散乱され、長波長成分
はあまり屈折されずに光路31の方向に進み光導波路2
4中を伝搬する。なお実際には溝部26を形成する際
に、用いられるレーザ光の波長のうち、長波長成分が効
率的に光導波路24中に入射されるようにV字形の傾き
を計算して形成する必要がある。
【0016】図2(b) 〜(e) は上記LD部分21から発
振される光25′,及び出射光25のパルス波形とその
波長分布を示す図であり、図2(b) ,(c) に示すように
LD部分21から出た光25′の伝送速度は短波長成分
10が遅く、長波長成分11が速いが、上記溝部26に
よってできたプリズム部分を通った後の出射光25は図
2(c) ,(d) に示すように、その短波長成分10が散乱
されてなくなり、長波長成分11のみがパルス波形とし
て残っており、出射光25のパルス波長のバラツキは小
さくなり、波形も短パルスとなっていることがわかる。
【0017】このように本実施例によれば、LD部分の
光導波路24に、該導波路24中を伝搬する光25′の
うちの短波長成分10のみが基板の下面側に屈折されて
導波路24外に散乱するように屈折率が設定されたV字
形の溝部26を設けたから、波長成分のバラツキが低減
されて長波長成分11の多い出射光25が得られ、光フ
ァイバの材料,構造による分散の影響をあまり受けるこ
とがなくなり、通信に用いた場合、符号誤りが少なくな
る。
【0018】なお、この実施例では、光25′(25)
の進行方向に対して、V字形の溝部26によって形成さ
れた露出端面が斜めに交差するようにして溝部26を形
成したが、光25′(25)の進行方向に対してV字形
をなす露出端面の一方が直交するようにして溝部26を
形成することで、長波長成分11と短波長成分10とが
分光されるようにしてもよい。また、短波長成分を基板
下面側に散乱させるようにしたが、基板表面側に散乱さ
せるようにしてもよい。
【0019】実施例2.次に本発明の第2の実施例によ
る半導体レーザ装置を図3に基づいて説明する。上記第
1の実施例では、V字形の溝部26を導波路24(レー
ザ部の共振器方向)を含み、基板に垂直な面に対して形
成したが、この実施例では、光導波路領域22におい
て、素子の上面から見て楔形の溝部を形成するようにし
たものである。すなわち図3に示すように、この楔形の
溝部261は、光導波路24をその鋭角部分261aが
横切るように形成されており、レーザ部分21から出射
されて光導波路領域22に入る光25′の長波長成分が
溝部261を通った後もあまり屈折されずに光導波路内
24に進み、出射光25となる角度に形成しておく必要
がある。
【0020】次に動作について説明する。上記第1の実
施例と同様に、LD部分21から光導波路領域22に入
る光25′は、導波路24途中に楔形の溝部261があ
るため、屈折率n(空気)のプリズムを透過することと
なり、ここで分光される。上述のようにこの場合、空気
の屈折率の方が小さいので、レーザ部分から導波路24
に入る光25′は素子上面から見て光の進行方向に対し
て右方向に屈折され、そのうちの短波長成分は光路30
aの方向に散乱され、長波長成分のみが光路31aのよ
うに進んで光導波路24中を伝搬することとなる。
【0021】従って、図1(b) に示した波形と同様、プ
リズム(溝部261)を通った光は短波長成分が散乱さ
れて長波長成分のみがパルス波形として残るため、出射
光パルスの波長バラツキは小さくなり、波形も短パルス
となり、上記実施例と同等の効果を奏する。
【0022】なお、この実施例では、短波長成分を素子
上面から見て右方向に屈折させるようにしたが、これは
左方向に屈折させて散乱させるようにしてもよいことは
言うまでもない。
【0023】実施例3.次に本発明の第3の実施例によ
る半導体レーザ装置を図4に基づいて説明する。図に示
すように、この実施例では、光導波路24途中に形成さ
れた溝部(ここでは第1の実施例と同様のV字形の溝
部)26内を屈折率n2 (n2 ≠n1 )の物質27を埋
め込むようにしたものである。
【0024】次に作用,効果について説明する。以上の
ように屈折率n2 の物質27で溝部26を充填すること
で、V字形の溝部26が光導波路24に対して一定の角
度で形成される時、光導波路24の屈折率n1 よりも埋
め込む物質27の屈折率n2 が小さい時(n1>n2 )
には、波長成分のみが光路30に導かれて光導波路2
4外に散乱され、逆に光導波路24の屈折率n1 よりも
埋め込む物質27の屈折率n2 が大きい時(n1 <n2
)には、長波長成分のみが光路30aに導かれて光導
波路24外に散乱されることとなり、溝部26の形状が
同一であっても該溝26内を充填する物質27の特性に
よって自由に屈折率を変化させることができ、同一の製
造プロセスで所望とする波長成分を有する出射光25を
容易に得ることができる。
【0025】実施例4.次に本発明の第4の実施例によ
る半導体レーザ装置を図5に基づいて説明する。上記第
1ないし第3の実施例では、溝部26(261)、及び
溝部26内を充填する物質27によって実現されたプリ
ズムの屈折率が使用時に固定されたものとなる場合を示
したが、この実施例は、溝部26内を充填する物質の屈
折率を変化させることによってプリズムの屈折率が可変
となるようにしたものである。すなわち図5に示すよう
に、溝部26内を半導体からなる物質271で埋め込
み、該半導体からなる物質271に電極28を取り付
け、電源50により電圧を印加できる構成としたもので
ある。
【0026】次に動作について説明する。一般的に半導
体は電圧を印加するとキャリアが注入され、プラズマ効
果によってその屈折率が減少する現象が起こる。そこ
で、半導体からなる物質271をV字形の溝部26内に
充填し、電極28に印加する電圧を変化させると、半導
体からなる物質271(即ち、プリズム)の空乏層の広
がりに変化が生じ、これに伴いその屈折率が変化する。
【0027】上記のように構成することで、上記各実施
例と同様に波長別に光路30に導いて散乱光として散乱
させたり、光路31に導いて光導波路24を通過させた
りすることができるのに加えて、第1ないし第3の実施
例ではプリズムの屈折率は固定であるため、溝部26
(261)の加工精度の問題から再現性のある制御を行
うことは難しいという問題があるが、本実施例4では溝
部26を充填する物質271に印加する電圧を変化させ
ることにより屈折率を微調整することができ、加工精度
の誤差を補正することができる。また、上記第3の実施
例のように、溝部26内を充填する物質27の種類を変
えることなく、同一の装置で波長の異なる種類のレーザ
に対応することができる。
【0028】図6は上記図5に示した実施例において、
例えば光導波路24の結晶がi層(p- 層)であると
き、埋込層271をp+ 半導体層とし、その上に電極2
8を形成した場合を示し、埋込層271と光導波路24
の結晶境界付近では、空乏層29が主にi層(p- 層)
24内にできており、埋込層271に電圧を印加する
と、空乏層29の拡がり方に変化が生じ、電圧のかけ方
によって、V形の領域271(即ちプリズム)が基板厚
方向に対して上下方向に移動する現象と等価な状態が得
られる。このためこの電圧のかけ方を変えることによっ
て散乱角度を微調整することができる。
【0029】なお、この実施例では、光導波路24がi
層で、埋込層27がp+ 層である場合を例として説明し
たが、光導波路24と埋込層27との間に空乏層のでき
る組み合わせなら他の組み合わせを用いてもよく、例え
ば光導波路24をi層とし、埋込層27にn+ 層を用い
るようにしてもよい。
【0030】実施例5.次に本発明の第5の実施例によ
る半導体レーザ装置を図7に基づいて説明する。図7
(a) において、32〜35はそれぞれ素子上面から見た
形状が三角形である三角柱の第1〜第4の穴であり、光
導波路24までその深さが達している。これら三角柱の
穴32〜35は、導波路に入る光25′が第1の穴32
を通過して2つの光路36,37に分光され、これら光
路36,37が第2及び第3の穴33,34で交わるこ
となく、第4の穴35で交わるように配置されており、
これにより、波長分光・合成手段を実現するものとなっ
ている。
【0031】次に動作について説明する。光導波路領域
22にLD部分21から入射してくる光25′(図7
(b) ,(c)参照)は、まず第1の穴32に入射する。こ
この空間の屈折率n(空気)は導波路22の結晶の屈折
率n1 よりも小さいため、第1の穴32はプリズムの役
目を果たし、レーザ光25′は波長によって分光され
る。この場合、短波長成分10は屈折角が大きいので光
路36方向へ進み、長波長成分11は屈折角が小さいの
で光路37方向に進む。この後、これら2つの光路3
6,37は第2,第3の穴33,34を順次通過して最
後の穴35で集光される構造となっているが、短波長成
分10と長波長成分11は別々の光路36,37を進む
ために、終点(第4の穴35の集光点)に到達する時間
が異なる。すなわち、短波長成分10はその光路36が
長いために遅く終点に到達し、長波長成分11はその光
路37が短いために速く終点に到達する。
【0032】従って、LD部分21から光導波路24へ
入る光25′では、短波長成分10となっているパルス
の立上り付近の光は出射するまでの時間が遅く、波長で
見た波形としては立下り方向へ移動する。一方、長波長
成分11となっているパルスの立下り付近の光は出射す
るまでの時間が速く、波長で見た波形としては立上り方
向へ移動するため、出射光25aの波形は光導波路内2
4へ入る光25′に比べてパルス幅が圧縮されたものと
なる(図7(c) ,(d) 参照)。
【0033】このように本実施例によれば、導波路24
内に複数の三角柱の穴32〜35を設け、導波路24中
を伝搬する光25′の短波長成分10と長波長成分11
を別々の光路36,37に分光し、最終段の穴35で集
光させるようにしたから、短波長成分10の伝搬時間が
遅延される一方、長波長成分11の出射時間が短縮され
て、それぞれの出射タイミングが重複し、結果的にパル
ス幅が圧縮されるため、波長分布のバラツキが低減され
た出射光25aが得られ、光ファイバの分散特性の影響
を受けにくいレーザ光を得ることができる。
【0034】実施例6.次に本発明の第6の実施例によ
る半導体レーザ装置を図8に基づいて説明する。上記各
実施例では、LD部分21から出射される光25′が、
立上り付近が短波長成分で、立下り付近が長波長成分と
なっている例を示したが、この実施例は、これとは逆に
パルスの立上り付近が長波長成分で、立下り付近が短波
長成分となっている場合(図8(b) ,(c) 参照)におい
て、パルス圧縮された出射光を得ることができるように
したものである。
【0035】すなわち図8(a) に示すように、光導波路
24を含む領域に形成されたプリズムとなる穴32〜3
5の中に光導波路24の屈折率n1 より大きい屈折率n
3 を有する物質40を埋め込むことにより、該物質40
において光251の長波長成分11の方が、短波長成分
10よりも大きく屈折され、光路38をパルスの立上り
付近に見られる長波長成分11が通り、光路39をパル
スの立下り付近に見られる短波長成分10が通るように
なり、これらが最終段の穴35の物質40において集光
されることで、上記第5の実施例と同様の作用でパルス
圧縮が行われ、波長バラツキの少ない出射光25a(図
8(d) ,(e) 参照)が得られる。
【0036】なおこの実施例では、穴32〜35内に光
導波路24よりも大きな屈折率を有する物質40を埋め
込むようにしたが、イオン注入,拡散法等によって光導
波路24よりも屈折率の高い領域を形成するようにして
もよい。
【0037】実施例7.次に本発明の第7の実施例によ
る半導体レーザ装置を図9に基づいて説明する。図9に
示すように、この実施例では穴32〜35内に埋め込ん
だ、光導波路24よりも屈折率の大きい物質40を電源
50と接続し、これに電圧を印加できる構成となってお
り、各電極に電圧を印加してキャリア注入し、そのプラ
ズマ効果による屈折率の減少を利用して散乱光の方向を
制御できるように構成されている。
【0038】図10は、例えば、各穴32〜35を埋め
込む半導体が、光導波路24の結晶がi層のとき、埋込
層40をp+ 層とした場合を示し、埋込層40と光導波
路24境界付近では空乏層29が主にi層(光導波路2
4)内に拡がっている。この埋込層40に電源50によ
って電圧を印加すると、空乏層29の拡がり方に変化が
生じ、電圧のかけ方でV形領域(即ちプリズム)が移動
することになる。
【0039】このため、光路38,39の各長さが変化
し、各波長成分の屈折角度を微調整することができ、出
射光25aのパルス波形を微調整することができる。ま
た溝部32〜35の加工精度に誤差が生じても印加する
電圧を調整することで誤差分を補正することができる。
【0040】なお、上記第3,第4,第6,第7の実施
例では、プリズムを実現するために溝部26内に半導体
層を埋め込むようにしたが、イオン注入法,拡散法等を
用いて屈折率の異なる領域を形成するようにしてもよ
い。
【0041】実施例8.次に本発明の半導体レーザ装置
の出力波形の補償方法について説明する。図11(a) は
上記第5ないし第7の実施例により得られたパルス圧縮
された後の出射光(ファイバ入力光)25aを、例えば
光ファイバ4として1.3μm,0分散ファイバを用
い、1.55μmの光信号を伝送する場合の概念図を示
し、図11(b) ,(c) に示すように、パルス圧縮された
ファイバ入力光25aは短波長成分10と長波長成分1
1を有するため、ファイバ4を通過した後の出力光51
は図13(d) ,(e) に示すように、光ファイバ4の材料
分散等によりその短波長成分10と長波長成分11の到
達時間に差が生じるため、劣化が見られる。
【0042】そこで図12に示すように、ファイバ4を
通過した後の光出力52の劣化が起きないように、予め
ファイバ入射光25aの波形をファイバ4の分散とは逆
になるように調整(図12(b) ,(c) 参照)しておく。
すなわち短波長成分10は到達速度が速いので時間的に
後(立下り側)で入り、長波長成分11は到達速度が遅
いので、時間的に先(立上り)になるようにその光路3
6,37(39,38)を調整しておくようにしたもの
である。
【0043】このようにすることにより、ファイバ4伝
送後のパルスは劣化がなく(図12(d) ,(e) 参照)、
符号誤りが起こりにくい。また第7の実施例を利用して
波形整形すると、電圧の調整のみで波形が変えられ、用
いられる光ファイバ4の長さに応じて容易に出力光の波
形を最適なものとすることができる。
【0044】なお、上記各実施例では、LD部分21の
材料としてInP系の結晶を用いた場合を述べたが、G
aAs系等その他の材料を用いてLD部分を構成しても
同様の効果を得ることができる。また、上記第5の実施
例では、三角柱の穴32〜35を用いてプリズム効果を
得るようにしたが、光導波路24よりも小さい屈折率を
有する物質を用いて穴32〜35内を埋め込んでも同様
の効果を得ることができる。さらに、上記第6及び第7
の実施例において、各埋め込み層40の材質は必ずしも
同一のものでなくてもよく、所定の屈折率を有するもの
であれば他の物質を用いることができる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、光導
波路内にV字形の溝部を形成する、あるいは光導波路と
は異なる屈折率を有する領域を形成する等して、半導体
レーザ部分から出力されるレーザ光の長波長成分あるい
は短波長成分のみを分光して、これを光導波路外に散乱
させて波長を揃えるようにしたので、波長バラツキが小
さい出射光を得ることができ、符号誤りが起こりにくく
なる効果がある。
【0046】また、V字形の穴または光導波路とは屈折
率の異なる領域を複数個組み合わせて、短波長成分,長
波長成分を分光し、それぞれ光路長を変えたのち集光さ
せることにより、パルス幅を圧縮(短パルス化)でき、
これにより波長バラツキが小さい出射光を得ることがで
き、符号誤りが起こりにくくなる効果がある。
【0047】さらに、レーザ光を光ファイバによって伝
送した後に理想的な波形になるようにその出射光を調
整、即ち各波長成分の光路長を調整(補償)することに
より、半導体レーザ装置の出力光の波長分布のバラツキ
を低減することができ、かかる出射光の調整(パルス波
形の補償)を行うことができるため、符号誤りが起こり
にくくすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例による半導体レーザ装
置を示す斜視図。
【図2】上記半導体レーザ装置のA−A′での断面図、
及び各部分でのパルス波形図。
【図3】この発明の第2の実施例による半導体レーザ装
置の上面図。
【図4】この発明の第3の実施例による半導体レーザ装
置の断面図。
【図5】この発明の第5の実施例による半導体レーザ装
置の断面図。
【図6】上記半導体レーザ装置の動作を説明するための
断面図。
【図7】この発明の第6の実施例による半導体レーザ装
置の上面図、及び各部分でのパルス波形図。
【図8】この発明の第7の実施例による半導体レーザ装
置の上面図、及び各部分でのパルス波形図。
【図9】この発明の第8の実施例による半導体レーザ装
置の上面図。
【図10】上記半導体レーザ装置の動作を説明するため
の上面図。
【図11】パルス圧縮された出力光ファイバの伝送時の
概念図、及び光ファイバ入力段,出力段でのパルス波形
図。
【図12】この発明の半導体レーザ装置の出力波形補償
方法によるパルス圧縮された出力光ファイバの伝送時の
概念図、及び光ファイバ入力段,出力段でのパルス波形
図。
【図13】従来の半導体レーザ装置による出力光ファイ
バの伝送時の概念図、及び光ファイバ入力段,出力段で
のパルス波形図。
【符号の説明】
10 短波長成分 11 長波長成分 21 半導体レーザ部分 22 光導波路領域 23 活性領域 24 光導波路 25 出射光 25′ レーザ部分から導波路に入る光 251 立上り付近が短波長成分の光 26 溝部 261 楔形の溝部 261a 楔形の鋭角部分 27 屈折率n2 を有する物質 271 半導体からなる物質 28 電極 29 空乏層 30 導波路外へ向かう光路 31 導波路内に向かう光路 32 第1の三角柱の穴 33 第2の三角柱の穴 34 第3の三角柱の穴 35 第4の三角柱の穴 36 短波長成分の光路 37 長波長成分の光路 38 長波長成分の光路 39 短波長成分の光路 40 屈折率n3 を有する物質 50 電源 51 光ファイバーからの出力光 52 光ファイバーからの出力光

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を発生するレーザ部分と、発生
    したレーザ光を所定の方向に伝搬するための光導波路と
    を備えた半導体レーザ装置において、 上記光導波路を伝搬するレーザ光を分光し、その短波長
    成分あるいは長波長成分を前記光導波路外に拡散する分
    光手段を備えたことを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体レーザ装置におい
    て、 上記分光手段は、 上記光導波路を含む領域に、該レーザ光の短波長成分
    が、レーザ光の進行方向に対して下方または上方側に散
    乱されるように形成された溝部であることを特徴とする
    半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の半導体レーザ装置におい
    て、 上記分光手段は、 上記光導波路を含む領域に、該レーザ光の短波長成分
    が、レーザ光の進行方向に対して左右方向に散乱される
    ように形成された溝部であることを特徴とする半導体レ
    ーザ装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の半導体レーザ装置におい
    て、 上記分光手段は、 上記光導波路を含む領域に配置された、該導波路とは異
    なる屈折率を有する物質によって構成され、 該分光領域の屈折率が上記導波路の屈折率よりも小さい
    時には短波長成分を散乱し、該分光領域の屈折率が上記
    導波路の屈折率よりも大きい時には長波長成分を散乱す
    るものであることを特徴とする半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の半導体レーザ装置におい
    て、 上記導波路とは異なる屈折率を有する物質として半導体
    物質を用い、 該半導体物質に印加する電圧を変化させることで、該半
    導体物質の屈折率を変化させるようにしたことを特徴と
    する半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 レーザ光を発生するレーザ部分と、発生
    したレーザ光を所定の方向に伝搬するための光導波路と
    を備えた半導体レーザ装置において、 上記光導波路中を伝搬するレーザ光を分光し、その短波
    長成分と長波長成分とをそれぞれ伝搬距離の異なる光路
    に導いた後、これら両波長を合成して出射する波長分光
    ・合成手段を備えたことを特徴とする半導体レーザ装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の半導体レーザ装置におい
    て、 上記波長分光・合成手段は、 上記光導波路中に形成されたプリズム効果を有する複数
    の穴であり、 初段の穴で分光が行われ、最終段の穴で分光された両波
    長が合成されるように配置されていることを特徴とする
    半導体レーザ装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の半導体レーザ装置におい
    て、 上記複数の穴を半導体物質で充填し、 該各半導体物質に印加する電圧を変化させることによっ
    て、各半導体物質の屈折率を変化させ、上記光路の長さ
    を可変としたことを特徴とする半導体レーザ装置。
  9. 【請求項9】 半導体レーザ装置から出射された短波長
    成分と長波長成分とを含む出射光を光ファイバを用いて
    伝送する際の半導体レーザ装置からの出力波形を補償す
    る方法であって、 伝送先で上記出射光の長波長成分と短波長成分の分布の
    バラツキが最小となるように、光ファイバの分散特性を
    考慮して上記半導体レーザ装置から出射される出射光の
    パルス形状を整形することを特徴とする半導体レーザ装
    置の出力波形補償方法。
JP31620092A 1992-10-28 1992-10-28 半導体レーザ装置及びその出力波形補償方法 Pending JPH06140726A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31620092A JPH06140726A (ja) 1992-10-28 1992-10-28 半導体レーザ装置及びその出力波形補償方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31620092A JPH06140726A (ja) 1992-10-28 1992-10-28 半導体レーザ装置及びその出力波形補償方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06140726A true JPH06140726A (ja) 1994-05-20

Family

ID=18074414

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31620092A Pending JPH06140726A (ja) 1992-10-28 1992-10-28 半導体レーザ装置及びその出力波形補償方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06140726A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10663680B2 (en) Surface coupled laser and laser optical interposer
US6690844B2 (en) Optical fiber apparatus and associated method
US7409327B2 (en) Simulation program for integrated optical/electronic circuit
US6963118B2 (en) Hybrid active and electronic circuit with evanescent coupling
US6608945B2 (en) Self-aligning modulator method and associated apparatus
US20030032286A1 (en) Anisotropic etching of optical components
US20030026513A1 (en) Electronic semiconductor control of light in optical waveguide
US6654511B2 (en) Optical modulator apparatus and associated method
US6646747B2 (en) Interferometer apparatus and associated method
US6526187B1 (en) Polarization control apparatus and associated method
US20110103743A1 (en) Method and system for coupling radiation
US6947615B2 (en) Optical lens apparatus and associated method
US6625348B2 (en) Programmable delay generator apparatus and associated method
US9971099B2 (en) Grating coupler with high optical coupling efficiency for SMF
US6603889B2 (en) Optical deflector apparatus and associated method
EP1402298B1 (en) Electronic semiconductor control of light in optical waveguide
US7532651B2 (en) Illumination system for optical modulators
EP0533475A2 (en) Optical semiconductor device, method of producing the optical semiconductor device, and laser device using optical semiconductor devices
KR100417002B1 (ko) 안정화 광도파로를 구비한 광세기 분할기
US20210231861A1 (en) Distributed light projection device
US10684415B1 (en) Optical transceiver
KR20230022147A (ko) 광학 장치
JPH06140726A (ja) 半導体レーザ装置及びその出力波形補償方法
JP2016200676A (ja) 光導波路の作製方法
US7215686B2 (en) Waveguide structure having improved reflective mirror features