JPH06136126A - エポキシシロキサンモノマー及びポリマー合成の為の位置特異的触媒 - Google Patents

エポキシシロキサンモノマー及びポリマー合成の為の位置特異的触媒

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JPH06136126A
JPH06136126A JP5135859A JP13585993A JPH06136126A JP H06136126 A JPH06136126 A JP H06136126A JP 5135859 A JP5135859 A JP 5135859A JP 13585993 A JP13585993 A JP 13585993A JP H06136126 A JPH06136126 A JP H06136126A
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epoxide
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JP5135859A
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James V Crivello
ジェイムス・ヴィンセント・クリベッロ
Ming-Xin Fan
ミン−キシン・ファン
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General Electric Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エポキシドのオキシラン(oxyran)開環重合を
促進せずに、ヒドロシリル化反応を効果的に促進し、こ
れにより、エポキシシリコーンを合成する為の選択的触
媒を提供する。 【構成】 (A) 1重量部のエチレン不飽和エポキシド
と、(B) 該エポキシド(A)の重量に対して約 0.5乃至約
400重量部のオルガノ水素シロキサン或いはオルガノ水
素シランとの両者間のヒドロシリル化反応の触媒とし
て、(C) ヒドロシリル化触媒を使用する。該触媒(C)
は、ホスフィン配位子とホスフィン非含有遷移金属錯体
とを含むホスフィン変性遷移金属錯体であるか、又は、
ホスフィン含有遷移金属錯体である。いずれの遷移金属
錯体も、白金、パラジウム、イリジウム、鉄、或いは、
コバルト等の錯体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレン不飽和エポキ
シドとSiH含有シラン及びシロキサンとのヒドロシリ
ル化付加反応を効果的に促進するがエチレン不飽和エポ
キシド出発物質やエポキシシリコーンモノマー、ポリマ
ー生成物のエポキシドのオキシラン(oxyran)開環重合は
促進しない触媒を使用して、エポキシシリコーンを製造
する方法に関する。また本発明は、上述の性質を備えた
触媒および上述の方法により得られる硬化性のエポキシ
シリコーン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシシリコーン組成物の製造に於
て、遷移金属触媒がヒドロシリル化反応を促進すること
は以前から知られている。例えば、J.L. Speier “遷移
金属によるヒドロシリル化均一触媒”「有機金属化学の
発展(Advances in Organometallic Chemistry)」第17
巻、第 407〜 447頁(1979年)、F.G.A Stone 、R. Wes
t 編、アカデミック・プレス(Academic Press、ニュー
ヨーク、サンフランシスコ、ロンドン);Aylett「有機
金属化合物(Organometallic Compounds)」第1巻、第10
7頁(1979年)、ジョン・ワイリー(John Wiley、ニュ
ーヨーク);Crivello、Lee “ケイ素含有エポキシ樹脂
の合成、特徴、及び、光開始カチオン重合”「ポリマー
科学雑誌(J. Polymer Sci.) 」第28巻、第 479〜 503頁
(1990年)、ジョン・ワイリー(ニューヨーク)を参照
されたい。使用されるヒドロシリル化触媒は一般に、白
金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、鉄、コバルト
の錯体である。特に白金含有触媒がこの目的の為に広く
使用されている。
【0003】しかし遷移金属錯体ヒドロシリル化触媒の
多くは、水素化ケイ素の存在下ではエチレン不飽和エポ
キシドと水素化ケイ素とのヒドロシリル化反応を触媒す
るばかりでなく、エチレン不飽和エポキシド出発物質や
ヒドロシリル化反応の生成物であるエポキシシリコーン
のオキシラン開環重合をも促進することが判明してい
る。本願と同一の譲受人に譲渡された係属中の米国特許
出願第07/473,802号(Ridingら、1990年2月2日出願)
の開示によると、エポキシドのオキシラン開環重合を促
進する為に白金あるいは白金ベースの触媒が使用されて
いる。斯かる開環重合反応はエポキシシリコーン製造中
には望ましくない。なぜなら、エポキシドの重合は反応
混合物を完全にゲル化し、結果として総バッチ量が減少
すると共に不溶性ゲル化樹脂の清掃にかなりの時間的損
失をもたらすからである。
【0004】その上、開環重合反応により合成中に部分
的ゲル化が生じて、エポキシシリコーン生成物の粘度に
バッチ間再現性をもたせにくくなる可能性がある。粘度
の斯かる再現性はエポキシシリコーン工業に於ては非常
に好適である。というのは、これらの材料は代表的には
コーティング、例えば剥離コーティングとして使用され
るものであり、これらのコーティングを基材に充分均一
に塗布する過程はコーティング材料の粘度に大きく依存
するからである。Eckberg らの、本願と同一の譲受人に
譲渡された係属中の米国特許出願(出願人処理番号:第
60SI-1466 号及び第60SI-1492 号)(両者とも1991年12
月5日出願)の開示によると、ヒドロシリル化合成反応
中に第三級アミン安定剤を使用することにより粘度が制
御され得る。しかしこの安定剤の存在下では一部の触媒
しか活性をもたない。
【0005】さらに、貴金属のヒドロシリル化触媒の存
在下では、エポキシドの開環重合反応により室温貯蔵中
にエポキシシリコーンは次第にゲル化し、エポキシシリ
コーン製品の貯蔵寿命を短くすることが判明している。
遷移金属錯体の触媒活性に対する阻害剤、例えば白金錯
体に対するドデシルメルカプタン或いは2−メルカプト
ベンゾチアゾールを用いて触媒を不活性化すればこの貯
蔵問題は部分的には解決するが、エポキシシリコーン組
成物に斯かる追加成分を更に混ぜ込んだり製造工程に新
たな処理段階を追加するようなことは好ましくない。
【0006】オキシラン開環重合反応を最低限に抑える
為に、従来は、合成中のバッチ温度やオレフィンエポキ
シドの供給速度を注意深く調整し、ヒドロシリル化反応
が完了したら引き続き上述の触媒不活性化を行なうこと
によってのみ、液体エポキシシリコーン合成が成功して
いた。ホスフィン配位子を含むヒドロシリル化触媒がい
くつか知られている。例えば、De Charentenay, F.、Os
born, J.A.、Wilkinson, G. 「化学会誌・分冊A(J.Che
m. Soc. A) 」第 787頁(1968年)に開示された如く、R
hCl[(C6H5)3P]3 (ウィルキンソン触媒)は、SiHを
含有するシラン及びシロキサンとビニルエポキシドとの
ヒドロシリル化反応を効果的に触媒する。しかし、RhCl
[(C 6 H 5 ) 3P]3 或いは他のホスフィン含有触媒が上
述のエポキシド開環反応をも触媒するのか、従来は知ら
れていなかった。
【0007】Crivello、Fan の、本願と同一の譲受人に
譲渡された米国特許出願「ロジウム触媒を使用したエポ
キシケイ素化合物の調製」(出願人処理番号:第60SI-1
374号)に開示された如く、ロジウムベースのヒドロシ
リル化触媒の幾つかは、エポキシド開環重合反応を促進
せずにヒドロシリル化反応を選択的に促進する。これら
の触媒を使用すると、様々なエポキシ含有シリコーンモ
ノマー、オリゴマーが合成され得る。しかし、エポキシ
シリコーン組成物の合成の為に伝統的に使用されている
殆どの触媒、特にPt含有触媒は、エポキシド開環重合
反応を促進するため、エポキシシリコーンのヒドロシリ
ル化合成を選択的に行なうことができなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、エポキシ
シリコーン工業界に於て、習用のヒドロシリル化触媒を
用いつつオキシラン開環を排除する方法が必要とされて
いる。また、エポキシ開環副反応なしにエポキシシリコ
ーンモノマー及びオリゴマーを製造し、それによって粘
度再現性のあるエポキシシリコーン組成物を製造する為
の効果的で経済的な方法も必要とされている。更に、エ
ポキシド開環反応に対して安定で、ゆえにヒドロシリル
化付加反応完了後に触媒を阻害する為の追加工程や経費
を費やさずに貯蔵寿命の延長されたエポキシシリコーン
組成物も必要とされている。
【0009】したがって本発明の課題は、エチレン不飽
和エポキシド出発物質やエポキシシリコーン生成物の何
れのオキシラン開環重合をも促進せずにヒドロシリル化
付加反応を効果的に促進する触媒の存在下で、エチレン
不飽和エポキシドとオルガノ水素シラン或いはオルガノ
水素シロキサンとの反応を通じてエポキシシリコーン組
成物を調製する方法を提供することである。
【0010】本発明のもう一つの課題は、オレフィンエ
ポキシドとSiH含有シラン或いはシロキサンとの付加
反応によりエポキシシリコーン化合物を形成する為のヒ
ドロシリル化触媒であって、オレフィンエポキシド出発
物質あるいはエポキシシリコーン生成物の何れのエポキ
シド環の開環重合をも促進せずにヒドロシリル化反応を
効果的に促進するヒドロシリル化触媒を提供することで
ある。
【0011】本発明の更にもう一つの課題は、バッチ間
で再現性のある粘度と延長された貯蔵寿命とを有し、室
温でのオキシラン開環重合に対して安定なエポキシシリ
コーン組成物を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、エポキシ含有
の有機ケイ素化合物を製造する為の方法であって、 (i) (A) 1重量部のエチレン不飽和エポキシドと、(B)
上記エポキシド(A) の重量に対して約 0.5乃至約 400重
量部のオルガノ水素シロキサン或いはオルガノ水素シラ
ンと、(C) 上記エポキシド(A) の重量に対して 100万部
あたり約1乃至約5000重量部の、ホスフィン配位子とホ
スフィン非含有遷移金属錯体とを含んで成るヒドロシリ
ル化触媒であって、当該触媒中、上記ホスフィン配位子
の上記ホスフィン非含有遷移金属錯体に対する重量比が
約1:10乃至約 250:1であるヒドロシリル化触媒と、
を含んで成る混合物を調製する段階と、 (ii)オレフィンエポキシドと水素化ケイ素とのヒドロシ
リル化付加反応を促進してエポキシシリコーン生成物を
生成するが、成分(A) 或いは上記エポキシシリコーン生
成物の何れのエポキシド開環反応をも促進しない条件
下、温度約25℃乃至約 120℃で、上記段階(i) の混合物
を反応させる段階と、を含んで成る方法を提供する。
【0013】また本発明は、上述の方法で使用された成
分(A) 、(B) 、(C) を含んで成る硬化性の組成物をも提
供する。本発明の硬化性組成物はバッチ間に於ける満足
すべき粘度再現性、及び、延長された室温貯蔵寿命をも
つ。更に本発明は、エポキシシリコーンモノマー及びオ
リゴマー製造用のホスフィン含有あるいはホスフィン変
性遷移金属ヒドロシリル化触媒であって、エチレン不飽
和エポキシド出発物質やエポキシシリコーン生成物の何
れのオキシラン開環重合反応をも促進せずにエチレン不
飽和エポキシドとオルガノ水素シラン或いはオルガノ水
素シロキサンとのヒドロシリル化反応を効果的に促進す
るヒドロシリル化触媒を提供する。
【0014】
【実施例】本発明は、ホスフィン配位子を含有する遷移
金属錯体、或いはその代わりとしてホスフィン配位子と
同時に存在する遷移金属錯体が、エポキシド出発物質や
エポキシシリコーン最終生成物のオキシラン開環重合反
応を促進せずに、水素化ケイ素に対するエチレン不飽和
エポキシドの付加反応を効果的に促進するという予期せ
ぬ発見に基づいている。
【0015】本発明は、エポキシ含有の有機ケイ素化合
物を製造する為の方法であって、 (i)(A) 1重量部のエチレン不飽和エポキシドと、(B)
上記エポキシド(A) の重量に対して約 0.5乃至約 400重
量部のオルガノ水素シロキサン或いはオルガノ水素シラ
ンと、(C) 上記エポキシド(A) の重量に対して 100万部
あたり約1乃至約5000重量部の、ホスフィン配位子とホ
スフィン非含有遷移金属錯体とを含んで成るヒドロシリ
ル化触媒であって、当該触媒中、上記ホスフィン配位子
の上記ホスフィン非含有遷移金属錯体に対する重量比が
約1:10乃至約 250:1であるヒドロシリル化触媒と、
を含んで成る混合物を調製する段階と、 (ii)オレフィンエポキシドと水素化ケイ素とのヒドロシ
リル化付加反応を促進してエポキシシリコーン生成物を
生成するが、成分(A) 或いは上記エポキシシリコーン生
成物の何れのエポキシド開環反応をも促進しない条件
下、温度約25℃乃至約 120℃で、上記段階(i) の混合物
を反応させる段階と、を含んで成る方法を提供する。
【0016】また本発明は、上述の方法で使用された成
分(A) 、(B) 、(C) を含んで成る硬化性の組成物をも提
供する。更に本発明は、エポキシシリコーンモノマー及
びオリゴマー製造用のホスフィン含有あるいはホスフィ
ン変性遷移金属ヒドロシリル化触媒であって、エチレン
不飽和エポキシド出発物質やエポキシシリコーン生成物
の何れのオキシラン開環重合反応をも促進せずにエチレ
ン不飽和エポキシドとオルガノ水素シラン或いはオルガ
ノ水素シロキサンとのヒドロシリル化反応を効果的に促
進するヒドロシリル化触媒を提供する。
【0017】オキシラン開環重合反応を促進しないこと
で、本発明のヒドロシリル化触媒は、合成中や合成後の
ゲル化の危険性を伴わずに、粘度制御性に優れた高反応
性の硬化性エポキシシリコーンを合成することを可能と
し、エポキシシロキサン製品として、例えばシリコーン
剥離紙剤、装飾用および保護用コーティング、インク、
接着剤、電子部品のカプセル材や絶縁材その他の生産に
有用である。
【0018】本発明の方法および組成物に使用される成
分(A) は、エチレン不飽和、即ちビニル或いはアリル何
れかの官能基を有するエポキシドである。成分(A) とし
て有用なエチレン不飽和エポキシドは一般に、成分(B)
のオルガノ水素ケイ素化合物に対してヒドロシリル化付
加反応を直ちに行なうオレフィン部分を有する、あらゆ
る脂肪族(グリシジル)或いは環状脂肪族のエポキシ化
合物を含む。本発明の実施上有用な斯かるエチレン不飽
和エポキシドの市販品の実例は、 アリルグリシジルエーテル; メタアリルグリシジルエーテル; 1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンオキシ
ド; 2,6−ジメチル−2,3−エポキシ−7−オクテン; 1,4−ジメチル−4−ビニルシクロヘキセンオキシ
ド; 4−ビニルシクロヘキセンオキシド; ビニルノルボルネンモノオキシド; ジシクロペンタジエンモノオキシドを含む。有用なエチ
レン不飽和エポキシドの他の適例は、1,2−エポキシ
−6−ヘプテン、1,2−エポキシ−3−ブテン、及
び、化学的に類似の不飽和脂肪族、環状脂肪族、アルキ
ル芳香族エポキシドを含む。
【0019】好適なエチレン不飽和エポキシドは4−ビ
ニルシクロヘキセンオキシドである。成分(B) はオルガ
ノ水素シロキサン或いはオルガノ水素シランである。適
切な水素化ケイ素含有出発物質は一般に、シラン、或い
は、末端及び/或いは側鎖上にSiH基を有する少なく
とも2単位のオルガノシロキサンから誘導されるあらゆ
るケイ素化合物を含む。本発明の実施上有用なSiH含
有ケイ素化合物は、ヒドロシリル化付加反応を通じて上
述の成分(A) のエポキシドのエチレン不飽和部分と反応
し得るものである。
【0020】成分(B) は、直鎖状の水素置換ポリシロキ
サン或いはシラン、環状の水素置換ポリシロキサン或い
はシラン、或いは、両者の混合物の何れでもあり得る。
また直鎖状の水素置換ポリシロキサン或いはシランは、
分岐状、非分岐状の何れでもあり得る。更に、本発明に
有用な成分(B) のオルガノ水素シロキサンは、共重合
体、三元重合体等であり得る。例えば、ポリジメチルシ
ロキサン−ポリメチル水素シロキサン共重合体は本発明
の実施上有用である。またEckberg らの、本願と同一の
譲受人に譲渡された係属中の米国特許出願(出願人処理
番号:第60SI-1466 号)(1991年12月5日出願)に記載
された如きポリエーテルオルガノ水素シロキサン直鎖状
ブロック共重合体は、本発明の硬化性組成物にオニウム
塩触媒を混ぜ込んでUV硬化させたい場合に成分(B) と
して有用である。
【0021】適切な直鎖状SiH含有化合物の代表例
は、1,1,3,3−テトラアルキルジシロキサン、ジ
アルキル水素シロキシ末端のポリジアルキルシロキサ
ン、及び、少なくとも2種のアルキル水素シロキシ基を
含んで成る共重合体(例えば、(CH 3 ) 2 (H)SiO[(C
H3 ) 2 SiO]x [(CH3 )(H)SiO]y Si(H)(CH3 ) 2 、但し
x、yは1以上)を含む。本発明に有用なSiH含有ケ
イ素化合物の他の実例は、1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン、2,4,6,8−テトラメチルシクロ
テトラシロキサン、メチルジメトキシシラン、トリエチ
ルシラン、メチルジエトキシシランを含む。本発明の成
分(B) として好適な直鎖状SiH含有ケイ素化合物は
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンである。ま
た好適な環状水素置換ポリシロキサンは2,4,6,8
−テトラメチルシクロテトラシロキサンである。
【0022】本発明の成分(B) として好適なのは、上述
の1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンである。
本発明の方法および組成物に於て、成分(B) は成分(A)
の重量に対して約 0.5乃至約 400重量部、好適には約
0.5乃至約 100重量部、最適には約0.75乃至約5重量部
に亙る量で使用される。
【0023】本発明の成分(C) は、遷移金属錯体ヒドロ
シリル化触媒を含んで成る。これは、ホスフィン配位子
を含む触媒か、成分(A) 、(B) 或いはこの両者に添加す
る前にホスフィン配位子と予め混合することにより変性
した触媒か、或いは、ヒドロシリル化反応混合物中にホ
スフィン配位子を「その場で(in situ) 」 添加するこ
とにより変性した触媒かの何れかである。本明細書中で
は、前一者を「ホスフィン含有遷移金属錯体」、後の二
者を「ホスフィン変性遷移金属錯体」と称するものとす
る。本発明の方法に於ては、本明細書に記載された如き
触媒はオキシラン開環重合反応を促進せずにヒドロシリ
ル化反応を選択的に促進する上で効果的であることが判
明している。本発明の実施上適切な選択的ヒドロシリル
化触媒は、ホスフィン含有あるいはホスフィン変性のロ
ジウム、イリジウム、白金、パラジウム、ニッケル、コ
バルト、ルテニウムの遷移金属錯体を含む。
【0024】以下の実例は本発明の実施上有用な適切な
ホスフィン含有遷移金属錯体ヒドロシリル化触媒を例示
するものとする。 RhX(CO)(PR3 ) 2 ; RhH(CO)[(C6 H 5 ) 3 P]3 ; [Rh(C 7 H 8 )((CH 3 ) 2 C 6 H 5 P)3 ] + PF6 - ; IrCl(CO)[(C 6 H 5 ) 3 P]2 ; IrI(CO)[(C6 H 5 ) 3 P]2 ; IrH(CO)[(C6 H 5 ) 3 P]3 ; Pt[(C 6 H 5 ) 3 P]4 ; trans-Pt[(C 6 H 5 ) 3 P]2 Cl2 ; cis-Pt[(C 6 H 5 ) 3 P]2 Cl2 ; Pt[(C 6 H 5 ) 3 P]2 (C2 H 4 ) ; Pt[(C 6 H 5 ) 3 P]2 O 2 ; trans-PtHCl[(C6 H 5 ) 3 P]2 ; cis-PtHCl[(C6 H 5 ) 3 P]2 ; Pt(PF 3 ) 4 ; Pd[(C 6 H 5 ) 3 P]2 Cl2 ; Pd[(C 6 H 5 ) 3 P]4 ; Pd[(C 6 H 5 ) 3 P]2 (CH 3 CO2 ) 2 ; Ni[(C 6 H 5 ) 3 P]4 ; Ni[(C 6 H 5 ) 3 P]2 Cl2 ; Co[(C 6 H 5 ) 3 P]2 Cl2 ;及び Ru[(C 6 H 5 ) 3 P]3 Cl2 。 上述の実例中、Xはハロゲン原子、好適には塩素を表わ
し、R置換基は何れの錯体に於ても異同を問わず、炭素
数1乃至8のアルキル基、或いは、アリール基、アラル
キル基、アルカリール基、例えば、メチル、エチル、n
−ブチル、ヘキシル、フェニル、トリル、ベンジルであ
り得る。R基は無置換あるいは置換の何れでもあり得
る。「置換」なる用語により、クロロ、ブロモ、ヨー
ド、シアノ、カルボキシ、メルカプト、ヒドロキシ、チ
オ、アミノ、ニトロ、ホスホその他の当業界で公知の基
を有する有機基を表わす。更に、ピリジル、チオフェニ
ル、ピラニル等の当業界で公知のヘテロ環および芳香族
ヘテロ環有機基も「置換」有機基の定義の中に含まれる
ものとする。R置換基はまた、R1 3 SiQ−基をも表
わし得る。式中Qは炭素数1乃至6の二価の脂肪族炭化
水素基、例えば−CH2 −、−CH2 CH2 −、−CH
2 CHCH3 CH2 −であり、各々のR1 は上述のRで
定義され例示された如きアルキル、アリール、アラルキ
ル、アルカリール基であり、或いは、1個のR1 置換基
はトリメチルシリル基であり得る。
【0025】好適なホスフィン含有遷移金属錯体ヒドロ
シリル化触媒はPt[(C 6 H 5 ) 3 P] 4 である。本発明の
方法、組成物、触媒に於て、ホスフィン含有触媒は成分
(A) の重量を基準として 100万部あたり約1乃至約5000
重量部、好適には 100万部あたり約1乃至約 500重量
部、最適には 100万部あたり約10乃至約50重量部で使用
されると最も有効かつ経済的である。
【0026】成分(C) の、ホスフィン配位子により「そ
の場で」変性するか、或いは、成分(A) 、(B) 或いはこ
の両者に混ぜ込む前にホスフィン配位子と予め混合する
ことにより変性するホスフィン非含有遷移金属錯体の実
例は、 RhX 3 (SR 2 ) 3 ; RhX 3 ・ xH2 O ; [RhX( ノルボルナジエン)]2 ; [RhCl(シクロオクタジエン)]2 ; [RhCl(C 2 H 4 ) 2 ] 2 ; [RhCl(CO) 2 ] 2 ; [Rh(CO) 2 (C5 H 7 O 2 )] ; Rh2 (CH 3 CO2 ) 4 ; [Rh(C 5 H 7 O 2 ) 2 ] 2 ; Rh(C2 H 8 N 2 ) 3 Cl3 ・ H 2 O ; Rh(C5 H 7 O 2 ) 3 ; [IrCl(シクロオクタジエン)]2 ; [IrCl(CO) 3 ]n; Ir(CO)2 (CH 3 CO2 ) 2 ; cis-[Ir(C 2 H 8 N 2 ) 2 Cl2 ]Cl ; H 2 IrCl6 ・ xH2 O ; IrCl3 ・ H 2 O ; Pt( ピリジン) 2 Cl2 ; H 2 PtCl6 ・ xH2 O ; (NH 4 ) 2 PtCl6 ・ xH2 O ; H 2 PtBr6 ・ xH2 O ; PtCl2 ( シクロオクタジエン) ; PtBr2 ( シクロオクタジエン) ; PtI 2 ( シクロオクタジエン) ; [PtCl(C 2 H 4 ) 2 ] 2 ; cis-Pt[(CH3 CH2 ) 2 S]2 Cl2 ; Pd( ピリジン) 2 Cl2 ; [PdCl(C 3 H 5 )]2 ; Pd( ピリジン) 2 (CH 3 CO2 ) 2 ; PdCl2 ( シクロオクタジエン) ; PdCl2 (C6 H 5 CN) 2 ;Pd(CH CO
;及びCo2 (CO)8 を含み、式中Xはハロゲン原子、
好適には塩素を表わし、xは3か4であり、nは約2乃
至約10の整数である。「ホスフィン非含有遷移金属錯
体」なる用語により、式PR2 3 のホスフィン誘導体を
配位子として含まない遷移金属錯体を表わす。但し式中
2 基は個々に、上述のRで定義された有機基である。
【0027】好適なホスフィン非含有遷移金属錯体は上
述のPtCl2 ( シクロオクタジエン)である。本発明の方
法、組成物、触媒に於て、ホスフィン非含有の遷移金属
錯体は成分(A) の重量に対して 100万部あたり約1乃至
約5000重量部、好適には 100万部あたり約1乃至約 500
重量部、最適には 100万部あたり約10乃至約50重量部で
使用されると最も有効かつ経済的である。
【0028】本発明の実施にあたり、上述のホスフィン
非含有遷移金属錯体を変性するホスフィン配位子は一般
に、単座、二座、三座配位子であり得る。本発明の実施
上有用な単座ホスフィン配位子は一般式R2 3 Pを有
し、式中R 2 基は個々に、上述のR基で定義され例示さ
れた如きアルキル、アリール、アルカリール、アラルキ
ル基であり得る。好適な単座ホスフィン配位子は、トリ
フェニルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリ−n
−ブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、ジフェニ
ルメチルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィンを含
む。
【0029】最適な単座ホスフィンは上述のトリフェニ
ルホスフィンである。本発明に有用な好適な二座および
三座ホスフィン配位子の実例は、 (C6 H 5 ) 2 PCHCHP(C6 H 5 ) 2 ; (C6 H 5 ) 2 PCH 2 CH2 P(C 6 H 5 ) 2 ; (CH 3 CH2 ) 2 PCH 2 CH2 P(CH2 CH3 ) 2 ; (CH 3 ) 2 PCH 2 CH2 P(CH3 ) 2 ; (C6 H 5 ) 2 PCH 2 P(C 6 H 5 ) 2 ;及び [(C 6 H 5 ) 2 PCH 2 CH2 ] 2 P(C 6 H 5 ) を含む。
【0030】本発明の方法および組成物に最適な多座ホ
スフィン配位子は、 (C6 H 5 ) 2 PCHCHP(C6 H 5 ) 2 ; (C6 H 5 ) 2 PCH 2 CH2 P(C 6 H 5 ) 2 ;及び (CH 3 CH2 ) 2 PCH 2 CH2 P(CH2 CH3 ) 2 である。 本発明の方法、組成物、触媒に於て有効な変性用ホスフ
ィン配位子の量は、使用されるホスフィン非含有遷移金
属錯体の量に応じて様々に変わる。一般に、ほぼ最低限
の効果量の配位子が使用されると好適である。この量
は、所与の遷移金属錯体がエポキシド開環重合反応を促
進するかどうかを決定する為の後述の実施例に記載され
た方法を通じ、特定の触媒濃度に関して容易に決定され
得る。ホスフィン非含有触媒を前述範囲の量で使用する
場合、ホスフィン配位子はホスフィン非含有遷移金属錯
体に対し約1:10乃至約 250:1の重量比であると有効
である。
【0031】本発明の方法、組成物、触媒に於て、ホス
フィン非含有遷移金属錯体および変性用ホスフィン配位
子は、成分(A) および(B) に添加する前に適当な比で混
合されてもよいし、或いは、ホスフィン変性遷移金属錯
体が成分(A) 、成分(B) 或いはこの両者の存在下で、反
応容器中にこれらの化合物と同時か或いはそれらに引き
続いて単に添加されることにより該容器中で生成されて
もよい。ホスフィン変性遷移金属錯体の「その場」生成
の場合は、ヒドロシリル化反応の開始前に若干の誘導時
間があり得るが、成分(C) を予め混合しておく場合は一
般にこの誘導時間は観察されない。
【0032】更に、本発明の方法、組成物、触媒に使用
されるホスフィン非含有遷移金属錯体自身はエポキシド
開環反応およびヒドロシリル化付加反応を促進する可能
性があるので、本発明の実施にあたっては成分(C) が単
独の混合物として反応容器中に添加されるように、成分
(A) および(B) 両者を含むバッチに添加する前にホスフ
ィン非含有遷移金属錯体および変性用ホスフィン配位子
は予め混合されている方が好適である。さもなければヒ
ドロシリル化反応の初期段階に開環重合が幾分か生じ、
粘度制御上不利な効果を及ぼす可能性がある。
【0033】ホスフィン非含有遷移金属錯体および変性
用ホスフィン配位子が順次反応容器に添加される方が望
ましい場合は、ホスフィン非含有遷移金属錯体の添加よ
りも前に変性用配位子が成分(A) 、(B) 或いはこの両者
に添加されると好適である。本発明の方法を実施し本発
明の組成物を合成する為には、バッチ量に応じた適切な
大きさの反応容器中で成分(A) 、(B) 、(C) が混合され
る。諸成分は撹拌されつつ添加されると好適である。揮
発性の溶剤、好適にはトルエン、キシレン、或いは、ヘ
キサン、も撹拌工程および諸成分の分散を助ける為に反
応混合物中に添加され得る。
【0034】この後、成分(A) 、(B) 、(C) の混合物を
約25℃乃至約 120℃、好適には約25℃乃至約 110℃、最
適には約50℃乃至約 100℃の範囲の温度で反応させるこ
とにより、本発明のエポキシシリコーン組成物が調製さ
れる。本発明の一つの実施例では、成分(A) および(B)
を反応容器中などでまず混合し、その後、好適にはホス
フィン非含有遷移金属錯体および変性用ホスフィン配位
子の混合物(即ちホスフィン変性遷移金属錯体)として
成分(C) が添加されて、本発明の組成物が容易に調製さ
れる。成分(C) が反応容器中に撹拌されつつ添加されて
も好適である。
【0035】本発明のもう一つの実施例では、成分(A)
、(B) 或いはこの両者を適当な反応容器中で混合し、
引き続き本発明の方法の成分(C) として定義されたホス
フィン配位子を適量で添加し、更にその後で必要に応じ
た量のホスフィン非含有遷移金属錯体を添加することに
より本発明の組成物が調製される。本発明の更にもう一
つの実施例では、上記で定義された成分(A) 、(B) 、
(C)のうち何れか二つが予め混合され、その後で第三の
成分が添加されて本発明の方法により本発明の組成物が
合成される。本発明の更にもう一つの実施例では、成分
(A) 、成分(B) 、成分(C) のホスフィン配位子、或い
は、ホスフィン非含有遷移金属錯体のうちの何れか二つ
がまず混合される。次に追加の成分が混合物として或い
は別個に添加され、その後本発明の反応工程が完了す
る。この実施例および前述の実施例の混合物は、本発明
を実施する上で、硬化性エポキシシリコーンを合成する
為の本質的な二成分系を提供すべく、本発明の諸成分が
予め混合されていてもよいことを例示している。
【0036】ヒドロシリル化反応の完了後、好適には高
温低圧下での蒸発により本発明の組成物から揮発性の溶
剤が除去される。脱蔵(devolitization)温度は約50℃乃
至約 130℃、好適には約50℃乃至約 100℃、最適には約
80℃乃至約 100℃である。もし本発明の組成物中に第三
級アミン安定剤が混合されていれば、脱蔵温度は約 100
℃乃至約 250℃、好適には約 125℃乃至約 225℃、最適
には約 150℃乃至約 200℃である。
【0037】除去段階の圧力は一般に大気圧より低いと
好適である。というのは斯かる減圧により、本発明の組
成物からの揮発性分子の放出が促進されるからである。
好適には除去段階での圧力は25torr未満、最適には10to
rr未満である。未反応の揮発性成分およびヒドロシリル
化反応の低分子量副反応物を含む揮発性分子は、ロータ
リーエバポレータ、薄膜蒸発器、ワイプ式薄膜蒸発器等
の使用により簡便に除去され得る。
【0038】本発明の硬化性組成物は、紙、金属、箔、
ポリエチレン加工クラフト紙(PEK)、スーパーカレ
ンダー加工クラフト紙、ポリエチレンフィルム、ポリプ
ロピレンフィルム、ポリエステルフィルムを含む、セル
ロースその他の基材上に塗布され得る。一般にコーティ
ングは上記基材上に所望の厚みで塗布され得る。例えば
本発明の組成物はドクターブレードにより容易に塗布さ
れ得る。剥離コーティングとして塗布する為には本発明
の組成物は厚み約 0.1ミル乃至約10ミルで塗布される。
また斯かるコーティングを皮膜重量で表わすのも便利
で、典型的には約1g/m2 である。
【0039】本発明のエポキシシリコーン組成物が可溶
な揮発性担体液にこの硬化性組成物が添加されて溶液あ
るいは分散液の形態になれば、該組成物の基材への塗布
および分散が容易になり得る。硬化性組成物がポリジメ
チルシロキサンである場合は好適な揮発性担体液は例え
ばヘキサン、キシレン、或いは、トルエンを含む。但
し、本発明の硬化性組成物が共重合体、三元重合体等で
ある場合は揮発性溶剤として当該ポリマーが可溶な溶剤
が選択されるべきで、これは当業界で認知されている様
に、該ポリマーの物理的および化学的な個々の特性に依
存し得る。本発明の組成物に混合され得る揮発性担体液
の量は、無溶剤型に近い組成物を使用する場合の諸々の
利点が要求されるならば、当該硬化性組成物の総重量に
対して約3重量%を超えてはならない。
【0040】本発明の組成物は、加熱、或いは、適当な
光触媒および場合によっては硬化促進剤の存在下でのU
V照射により硬化し得る。加熱による重合は、このエポ
キシシリコーンを約 120℃以上に加熱する簡単なもので
あるが、結果としてオキシラン環が開裂して反応する。
これについてはPleudemann、Fanger“エポキシオルガノ
シロキサン”「アメリカ化学会誌(Journalof the Ameri
can Chemical Society)」第81巻、第2632〜2635頁(195
9年)を参照されたい。
【0041】UV照射による重合は光触媒の使用を必要
とするが、この光触媒は紫外光に照射されると酸を形成
し、この酸はエポキシドの開環反応によるエポキシシリ
コーンモノマーの架橋を触媒する。斯かる反応は、例え
ば米国特許第 4,279,717(Eckberg) 及び米国特許第 4,6
17,238号に開示されている。エポキシシリコーン重合に
有用な光開始剤の調製は、例えばCrivello、Lee “アル
コキシ置換ジアリールヨードニウム塩のカチオン光開始
剤”「ポリマー科学誌、パートA:ポリマー化学(Journ
al of Polymer Science, Part A: Polymer Chemistry)
」第27巻、第3951〜3968頁(1989年)、ジョン・ワイ
リー(ニューヨーク)に開示されている。
【0042】本発明の組成物の硬化性能や該エポキシシ
リコーン生成物の接着性は、ヒドロシリル化反応完了後
に本発明の組成物にエポキシドモノマーを添加すること
で向上し得る。例えば、エポキシシリコーン10部あたり
脂肪族エポキシモノマーを10部まで添加すると、これら
の「反応性希釈物」を含まない従来の類似組成物に比べ
て、多孔性のセルロース紙上でのUV硬化性および固定
性に優れた組成物が得られる。
【0043】当業者が本発明の実施方法をよりよく理解
できるように以降に実施例が例示的に掲げられるが、限
定の為ではない。現状技術の実施上有用であり得るその
他の情報は、本明細書中に引用した参照文献および特許
文献中に見出され得る。これらの文献は本願中に取り入
れられる。特に記載のない限り、樹脂および触媒は全て
ゼネラル・エレクトリック・シリコーンズ([General E
lectoric Silicones] 、ニューヨーク州ウォータフォー
ド)から入手可能である。1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサンはサイラー・ラボラトリーズ(Silar Lab
oratories)から購入された。ここで使用されたホスフィ
ン配位子は、アルドリッチ・ケミカル・カンパニイ(Ald
rich Chemical Company)から購入され、純粋な化合物と
して入手可能である。実施例19および比較実施例19Aの
為に、サイラー・ケミカル・カンパニイ(Silar Chemica
l Company)からn−ブチルシランが購入された。 1
NMRスペクトルはヴァリアン(Varian)のXL 200-MHz分
光計に記録され、気相クロマトグラフ分析にはヒューレ
ット・パッカード(Hewlett-Packard) 5840A ガスクロマ
トグラフィーが使用された。
【0044】以降ではポリマー構造の省略記号として、
次の表記が使用される。Mεは を表わす。更に「金属触媒/ホスフィン配位子」なる表
記は、本発明の方法の触媒としてホスフィン非含有遷移
金属錯体および変性用ホスフィン配位子の混合物が使用
された系を示す為に用いられる。また特に記載のない限
り、以降の実施例中の成分(C) のホスフィン変性遷移金
属錯体は、成分(A) 及び(B) に添加される前に予め混合
された。実施例1 シクロヘキセンオキシド1.0gに1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン1.0gとPt[(C 6 H 5 ) 3 P]4 約5mg
とが添加された。混合物は約55℃に昇温され、約20時間
この温度に保たれた。反応の発生は見られず、この触媒
がエポキシド開環重合反応を促進しないことを示した。比較実施例1A シクロヘキセンオキシド1.0gに1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン1.0gとオクタノール中のH 2 PtCl6
(ラモルー[Lamoreaux] 触媒、Pt 3.5%)約5mgとが添
加され、温度が約 100℃に昇温された。直ちに急激な発
熱重合反応が生じ、この触媒がエポキシド開環重合反応
を効果的に促進することを示した。比較実施例1B ラモルー触媒の代わりにPt 1.75 %を含むアシュビ(Ash
by) 触媒のエタノール溶液約3滴が使用された点を除
き、実施例1の手順が繰り返された。ここでも急激な発
熱エポキシド開環重合反応が観察され、この触媒もエポ
キシドの重合を効果的に促進することを示した。比較実施例1C ラモルー触媒の代わりにPt5%を含むカールシュテット
(Karstedt)触媒約3滴が使用された点を除き、実施例1
の手順が再度繰り返された。ここでも急激な発熱重合反
応が観察された。実施例2 白金触媒の代わりにRhCl[(C 6 H 5 ) 3 P]3 触媒約5mg
が使用された点を除き、実施例1の手順が繰り返され
た。実施例1と同様、反応の発生は見られず、ヒドロシ
リル化付加反応と同様の条件下ではトリス(トリフェニ
ルホスフィン)塩化ロジウム触媒もエポキシド開環重合
反応を促進しないことを示した。実施例3 [RhCl(シクロオクタジエン)]2 約2mgと(C6 H 5 ) 3 P
約4mgとを含む混合物が使用された点を除き、実施例1
の手順が繰り返された。開環重合反応は見られなかっ
た。比較実施例3A 触媒が変性用トリフェニルホスフィン配位子を含まない
[RhCl(シクロオクタジエン)]2 2mgであった点を除き、
実施例3の手順が繰り返された。直ちに急激な発熱反応
が生じ、変性用ホスフィン配位子が存在しない場合、[R
hCl(シクロオクタジエン)]2 触媒はヒドロシリル化反応
に対して非選択的であることを示した。 実施例4 ヒドロシリル化触媒が実施例3と同様にトリフェニルホ
スフィン4mgで変性した[IrCl(シクロオクタジエン)]2
mgであった点を除き、実施例1の手順が再度繰り返され
た。シクロヘキセンオキシドの重合反応は見られなかっ
た。比較実施例4A 触媒が変性用トリフェニルホスフィン配位子を含まない
[IrCl(シクロオクタジエン)]約2mgであった点を除き、
実施例4の手順が繰り返された。直ちに重合反応が観察
され、ヒドロシリル化付加反応と同様の条件下ではこの
触媒もエポキシド開環重合反応を効果的に促進すること
を示した。実施例5 触媒が[IrCl(シクロオクタジエン)]2 2mgと変性用トリ
フェニルホスフィン4mgとの混合物であった点を除き、
実施例1の手順が繰り返された。反応は見られず、この
変性触媒が当該条件下ではエポキシド開環反応を促進し
ないことを示した。比較実施例5A 触媒が、変性されない[IrCl(シクロオクタジエン)]2
mgであった点を除き、実施例5の手順が繰り返された。
上述した他の比較実施例と同様、このホスフィン非含有
触媒はシクロヘキセンオキシドの急激な重合反応を促進
した。実施例6 磁気撹拌棒と還流冷却器付きの100 mLの丸底フラスコ
に、4−ビニルシクロヘキセンオキシド(VCHO)1
0.0g と1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン5.6
gとが加えられた。この混合物に、トリス(トリフェニ
ルホスフィン)塩化ロジウム約5mgとトルエン30mLとが
添加された。この混合物は約 100℃にされ、撹拌されつ
つ約2日間この温度に保たれた。エポキシシリコーン生
成物はロータリーエバポレータを用いて溶剤を除去する
ことにより定量的収量で単離された。
【0045】1H NMRはこの反応生成物の構造が所
期の1,2−ジ(2−(4−シクロヘキセンオキシド)
エチル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサ
ン、MεMεであることを確定した。気相クロマトグラ
フィー分析は、ヒドロシリル化反応生成物中に分子量が
より高いポリマーは含まれていないことを示し、このト
リス(トリフェニルホスフィン)塩化ロジウム触媒はエ
ポキシド開環反応よりもヒドロシリル化反応に対して、
より高度に選択的であることを示した。実施例7 実施例6の手順に従い、4−ビニルシクロヘキセンオキ
シド4.0g、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
2.0g、トルエン15mL、Pt[(C 6 H 5 ) 3 P]4 5mgが混合
され、約20時間、約50℃乃至60℃に加熱された。所期の
MεMε生成物が定量的収量で得られた。実施例8 触媒が[RhCl(シクロオクタジエン)]2 2mgと(C6 H 5 )
3 P の4mgとから成る混合物であった点を除き、実施例
7の手順および成分が使用された。急激なヒドロシリル
化付加反応が生じ、実施例7の白金トリフェニルホスフ
ィン触媒の場合と同一の結果が得られた。実施例9 触媒が実施例5と同様の[IrCl(シクロオクタジエン)]/
変性用(C6 H 5 ) 3 Pから成る混合物であった点を除
き、実施例7の手順および成分が使用された。実施例7
と同様の選択的ヒドロシリル化反応が生じた。実施例10 予め混合されたホスフィン変性遷移金属錯体を触媒とし
て使用する代わりに反応混合物中で[RhCl(シクロオクタ
ジエン)]2 /(C6 H 5 ) 3 P から成る触媒が生成された
点を除き、手順および成分は実施例7と同様であった。
ホスフィン変性触媒は、トリフェニルホスフィン5mg、
[RhCl(シクロオクタジエン)]2 2mgを4−ビニルシクロ
ヘキセンオキシドと1,1,4,4−テトラメチルジシ
ロキサンとトルエンとの混合物に添加することにより
「その場」生成された。実施例7〜9と同様、高度に選
択的なヒドロシリル化反応が生じた。この実施例は本発
明の選択的ヒドロシリル化触媒が簡便に「その場」生成
され得ることを示した。実施例11 触媒がcis-Pt[(C 6 H 5 ) 3 P]2 Cl2 約5mgであった点
を除き、実施例7と同様の手順および成分が使用され
た。選択的ヒドロシリル化反応が生じ、4−ビニルシク
ロヘキセンオキシド出発物質あるいはMεMεの何れに
もオキシラン開環重合が生じた形跡はなかった。実施例12 触媒がtrans-Pt[(C 6 H 5 ) 3 P]2 Cl2 約5mgであった
点を除き、実施例7と同様の手順および成分が使用され
た。このホスフィン含有触媒もヒドロシリル化反応を効
果的に促進し、オキシラン開環反応を促進した形跡はな
かった。実施例13 触媒がRhCl(CO)[(C 6 H 5 ) 3 P]2 約5mgであった点を
除き、実施例7と同様の手順および成分が使用された。
選択的ヒドロシリル化反応のみが検出された。 実施例14 触媒がRhH(CO)[(C6 H 5 ) 3 P]3 約5mgであった点を除
き、実施例7と同様の手順および成分が使用された。こ
のホスフィン含有触媒もヒドロシリル化反応のみを促進
した。実施例15 触媒変性用物質として変性用トリフェニルホスフィンの
代わりに(C6 H 5 ) 2PCHCHP(C6 H 5 ) 2 3mgが使用さ
れた点を除き、実施例8の手順および成分が使用され、
MεMεエポキシシリコーンを生成した。ここでも選択
的ヒドロシリル化反応のみが検出された。この反応の結
果は本発明の触媒中のホスフィン配位子は必ずしもトリ
フェニルホスフィンの形態でなくてもよいことを例示す
る。実施例16 触媒変性用物質として変性用トリフェニルホスフィンの
代わりに(C6 H 5 ) 2PCH 2 CH2 P(C 6 H 5 ) 2 3mgが
使用された点を除き、実施例8の手順および成分が使用
され、MεMεエポキシシリコーンを生成した。選択的
ヒドロシリル化反応のみが検出された。この反応は本発
明の実施に於ける二座ホスフィン配位子のもう一つの使
用例である。実施例17 触媒変性用物質として変性用トリフェニルホスフィンの
代わりに(CH 3 CH2 ) 2 PCH 2 CH2 P(CH2 CH3 ) 2 3mg
が使用された点を除き、実施例8の手順および成分が使
用され、MεMεエポキシシリコーンを生成した。ここ
でも選択的ヒドロシリル化反応のみが検出された。実施例18 触媒変性用物質として変性用トリフェニルホスフィンの
代わりにトリ−n−ブチルホスフィン3mgが使用された
点を除き、実施例8の手順および成分が使用され、Mε
Mεエポキシシリコーンを生成した。ここでも選択的ヒ
ドロシリル化反応のみが検出された。
【0046】上述の諸実施例は本発明のホスフィン含有
およびホスフィン変性触媒が、エポキシド出発物質ある
いはエポキシシリコーン生成物のオキシラン開環反応を
促進せずにエチレン不飽和エポキシドおよびSiH含有
ケイ素化合物のヒドロシリル化付加反応を促進する上で
非常に効果的であることを例証する。実施例19 特定のヒドロシリル化触媒が効果的にエポキシド開環重
合反応を促進するかどうかを決定する為の簡便な手順
は、その触媒がn−ブチルシランの存在下、ヒドロシリ
ル化反応と同様の反応条件下で、飽和エポキシドの重合
を促進するかどうかを決定するというものである。斯か
る試験方式は、上記のエポキシドに不飽和結合が存在し
ないので重合が全て開環型に限定されることが期待さ
れ、ゆえに主反応生成物が充分正確に予測され得る点で
有利である。そのためこの反応生成物の分析は、競合す
るヒドロシリル化反応や予想されなかった副生成物に妨
げられることがない。斯かる試験方法の実例は、ヒドロ
シリル化触媒[RhCl(シクロオクタジエン)]2 2mgがn−
ブチルシラン20mgの存在下、室温でシクロヘキセンオキ
シド2gと接触する場合である。急激な発熱重合反応が
生じて直鎖状のポリ(シクロヘキセンオキシド)が形成
する。斯かる結果からこの特定の触媒がオキシラン開環
重合を促進することを結論付けることができる。これら
の結論は 1H NMR及び気相クロマトグラフィーによ
り確認される。比較実施例19A n−ブチルシラン/シクロヘキセンオキシド混合物にロ
ジウム触媒が添加される前に、この触媒にトリフェニル
ホスフィン3mgが添加された点を除き、実施例19の手順
が繰り返された。トリフェニルホスフィンが存在する場
合には反応は見られなかった。
【0047】本発明の方法に於て、オキシラン開環重合
に対する促進力に関して他のヒドロシリル化触媒を試験
する為には、上述の実施例19の[RhCl(シクロオクタジエ
ン)] 2 をヒドロシリル化反応を促進する上で効果的な量
の試験触媒と置き換える必要がある。また、上述の実施
例に例示された如き反応混合物中に、本明細書中に示さ
れた濃度範囲で例えばトリフェニルホスフィンを混合す
ることにより、ホスフィンによる変性がオキシラン開環
反応の促進を排除するかどうかを決定することもでき
る。更に、比較実施例19Aの手順を使用して、当該遷移
金属ヒドロシリル化触媒にヒドロシリル化特異性を付与
するのに要求される、遷移金属触媒に対するホスフィン
配位子の最小有効重量比を容易に決定することもでき
る。
【0048】当業者には他の種々の変更点は明らかであ
り、本発明の範囲および意図から逸脱することなく容易
に斯かる変更が為され得る点を理解されたい。したがっ
て冒頭の請求項の範囲は上述の記載内容に制限されるも
のではなく、これら請求項は、当業者により本発明に属
する同等物として取り扱われるであろう特徴を全て含
め、本発明に帰する、特許になり得る新規な特徴を全て
包含するものとする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08G 77/14 NUG 8319−4J (72)発明者 ミン−キシン・ファン アメリカ合衆国、ニューヨーク州、トロ イ、ナット・ドライブ、6−7(番地な し)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシシリコーン組成物を製造する為
    の方法であって、 (i) (A) 1重量部のエチレン不飽和エポキシドと、(B)
    上記エポキシド(A) の重量に対して約 0.5乃至約 400重
    量部のオルガノ水素シロキサン或いはオルガノ水素シラ
    ンと、(C) 上記エポキシド(A) の重量に対して 100万部
    あたり約1乃至約5000重量部の、ホスフィン配位子とホ
    スフィン非含有遷移金属錯体とを含んで成るヒドロシリ
    ル化触媒であって、当該触媒中、上記ホスフィン配位子
    の上記ホスフィン非含有遷移金属錯体に対する重量比が
    約1:10乃至約 250:1であるヒドロシリル化触媒と、
    を含んで成る混合物を調製する段階と、 (ii)オレフィンエポキシドと水素化ケイ素とのヒドロシ
    リル化付加反応を促進してエポキシシリコーン生成物を
    生成するが、上記成分(A) 或いは上記エポキシシリコー
    ン生成物の何れのエポキシド開環反応をも促進しない条
    件下で、上記段階(i) の混合物を反応させる段階と、を
    含んで成る方法。
  2. 【請求項2】 前記段階(i) に於て前記ホスフィン非含
    有遷移金属錯体は、白金、パラジウム、ロジウム、イリ
    ジウム、鉄、或いは、コバルトの錯体である、請求項1
    の方法。
  3. 【請求項3】 前記段階(i) に於て前記ホスフィン非含
    有遷移金属錯体は、 RhX 3 (SR 2 ) 3 ; RhX 3 ・ xH2 O ; [RhX( ノルボルナジエン)]2 ; [RhCl(シクロオクタジエン)]2 ; [RhCl(C 2 H 4 ) 2 ] 2 ; [RhCl(CO) 2 ] 2 ; [Rh(CO) 2 (C5 H 7 O 2 )] ; Rh2 (CH 3 CO2 ) 4 ; [Rh(C 5 H 7 O 2 ) 2 ] 2 ; Rh(C2 H 8 N 2 ) 3 Cl3 ・ H 2 O ; Rh(C5 H 7 O 2 ) 3 ; [IrCl(シクロオクタジエン)]2 ; [IrCl(CO) 3 ]n; Ir(CO)2 (CH 3 CO2 ) 2 ; cis-[Ir(C 2 H 8 N 2 ) 2 Cl2 ]Cl; H2 IrCl6 ・ xH2 O
    ; IrCl3 ・ H 2 O ; Pt( ピリジン) 2 Cl2 ; H 2 PtCl6 ・ xH2 O ; (NH 4 ) 2 PtCl6 ・ xH2 O ; H 2 PtBr6 ・ xH2 O ; PtCl2 ( シクロオクタジエン) ; PtBr2 ( シクロオクタジエン) ; PtI 2 ( シクロオクタジエン) ; [PtCl(C 2 H 4 ) 2 ] 2 ; cis-Pt[(CH3 CH2 ) 2 S]2 Cl2 ; Pd( ピリジン) 2 Cl2 ; [PdCl(C 3 H 5 )]2 ; Pd( ピリジン) 2 (CH 3 CO2 ) 2 ; PdCl2 ( シクロオクタジエン) ; PdCl2 (C6 H 5 CN) 2 ; Pd(CH 3 CO2 ) 2 ;及び Co2 (CO)8 から選択され、式中Xはハロゲン原子を表わ
    し、xは3か4であり、nは約2乃至約10の整数であ
    る、請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 前記段階(i) に於て前記ホスフィン配位
    子は式 PR2 3 を有し、式中R2 基は個々に、置換あるいは無置換の、
    1-8 アルキル、或いは、アリール、アラルキル、アル
    カリール基である、請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 前記段階(i) に於て前記ホスフィン配位
    子はトリフェニルホスフィン、トリエチルホスフィン、
    トリ−n−ブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、
    ジフェニルメチルホスフィン、ジメチルフェニルホスフ
    ィンから選択される、請求項4の方法。
  6. 【請求項6】 前記段階(i) に於て前記エチレン不飽和
    エポキシドは アリルグリシジルエーテル; メタアリルグリシジルエーテル; 1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンオキシ
    ド; 2,6−ジメチル−2,3−エポキシ−7−オクテン; 1,4−ジメチル−4−ビニルシクロヘキセンオキシ
    ド; 4−ビニルシクロヘキセンオキシド; ビニルノルボルネンモノオキシド; ジシクロペンタジエンモノオキシド; 1,2−エポキシ−6−ヘプテン;及び、 1,2−エポキシ−3−ブテン から選択される、請求項1の方法。
  7. 【請求項7】 前記段階(i) に於て前記オルガノ水素シ
    ロキサンはポリジメチルシロキサン−ポリメチル水素シ
    ロキサン共重合体である、請求項1の方法。
  8. 【請求項8】 ホスフィン配位子、及び、ホスフィン非
    含有遷移金属錯体を含んで成るヒドロシリル化触媒混合
    物。
  9. 【請求項9】 エポキシシリコーン、ホスフィン非含有
    遷移金属錯体、及び、ホスフィン配位子を含んで成る硬
    化性組成物。
  10. 【請求項10】 エチレン不飽和エポキシドと、オルガ
    ノ水素シラン或いはオルガノ水素シロキサンとのヒドロ
    シリル化反応中のオキシラン開環を回避する方法であっ
    て、 (i) (A) 1重量部のエチレン不飽和エポキシドと、(B)
    上記エポキシド(A) の重量に対して約 0.5乃至約 400重
    量部のオルガノ水素シラン或いはオルガノ水素シロキサ
    ンと、(C) 上記エポキシド(A)100万部あたり約1乃至約
    5000重量部の、ホスフィン含有遷移金属錯体あるいはホ
    スフィン変性遷移金属錯体ヒドロシリル化触媒と、を含
    んで成る混合物を調製する段階と、 (ii)エポキシシリコーン生成物を生成する為の、オレフ
    ィンエポキシドと水素化ケイ素とのヒドロシリル化付加
    反応を促進するが、成分(A) 或いは上記エポキシシリコ
    ーン生成物の何れのエポキシド開環反応をも促進しない
    条件下で、上記段階(i) の混合物を反応させる段階と、
    を含んで成る方法。
JP5135859A 1992-06-08 1993-06-07 エポキシシロキサンモノマー及びポリマー合成の為の位置特異的触媒 Withdrawn JPH06136126A (ja)

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