JPH0613495U - 冷凍装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被処理物の表面を被う境膜を切断して短時間
に冷凍する。 【構成】 通気性を有する無端ベルト２を使用したコン
ベヤ１と、このコンベヤを被うトンネル状の断熱カバー
３と、カバー内に据え付けた冷却器７と、この冷却器か
ら圧力室１４に冷風の供給を受けると共に、圧力室内の
冷風を被処理物の上方から吹き付けるよう設けた冷風の
ジェット流ノズル１０とから成り、ノズルからのジェッ
ト流の冷風により境膜を切断して被処理物を冷凍する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、各種食品の被処理物を極めて短時間に凍結するようにした冷凍装 置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

多孔性を有する搬送コンベヤのテール上に供給した被処理物を搬送コンベヤの 排出ヘッドに到達する迄の間に凍結する方法としては、例えば実公昭５６−２９ ６６３号公報に示すように、搬送コンベヤのキャリア側上下に配置したパイプ群 に供給する熱風にかえて冷風を供給し、そして、パイプから冷風を噴射すること により通過する被処理物に冷風を吹き付けて凍結することができる。

【０００３】 なお、各パイプに冷風を供給する手段としては、回転ドラムに搬送コンベヤの 螺旋状に巻き付けたキャリア側外側に中空室を設けて、この中空室に各パイプの 端を連通させ、中空室に供給する熱風を冷風にすればよい。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような方法を採用すると、搬送コンベヤのキャリア側上下のパイプから 被処理物の上下面に冷風を吹き付ける際、上下パイプからの冷風吹き付け圧が上 側よりも下側が高い場合、搬送コンベヤ上の被処理物が浮き上がって移動すると 共に、搬送コンベヤから落下するので、吹き付け圧の微妙な調整が必要になる問 題があった。

【０００５】 また、中空室に圧送した冷風を中空室に連通するそれぞれのパイプから被処理 物に吹き付けるので、中空室内の圧入口に近い部分と遠い部分とで吹き付け圧に バラツキが起生して冷風ジェットが発生しがたい。すなわち、高圧な冷風を吹き 付けることができない。

【０００６】 このため、被処理物の表面を被う境膜を冷風の吹き付けにより切断（破ること が）することができず、被処理物の内部迄の冷凍に長時間かかって被処理物の品 質低下などが起生する。

【０００７】 さらに、中空室に圧送した冷風をそれぞれのパイプに分散する形式のため、中 空室内の冷風圧入口に近い部分と遠い部分とで冷風の温度にバラツキが発生する 問題もあった。

【０００８】 そこで、この考案の課題は、搬送コンベヤに対する被処理物の移動を止めると 共に、冷風ジェットにより被処理物の表面を被う境膜を切断してすみやかに被処 理物を冷凍する装置を提供することである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、この考案は、通気性を有する無端ベルトが水平 の直線上を走行するよう設けたコンベヤと、このコンベヤのテール部及びヘッド 部以外を被うよう設けたトンネル状の断熱カバーと、このカバー内に据え付けた 冷却器と、この冷却器から冷風の供給を受けて上記コンベヤ上の被処理物に上方 から吹き付けるよう設けた冷風のジェット流ノズルとから成る冷凍装置を採用し たものである。

【００１０】

【作用】

コンベヤを連続運転しながら、コンベヤのキャリア側テール部に被処理物を供 給すると、カバー内を通過してコンベヤの排出ヘッド部に向う。

【００１１】 上記カバー内を通過する被処理物には、冷却器から供給を受けてノズルよりジ ェット流の冷風が吹き付けられ、ジェット流の冷風により被処理物の表面を被う 境膜が順次切断されて冷風により被処理物を冷凍する。

【００１２】

【実施例】 以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明する。

【００１３】 図１から図３に示す１は通気性を有する無端状ベルト２のキャリア側が水平の 直線上を走行するよう設けたコンベヤである。

【００１４】 上記通気性を有するベルト２は、多数の螺旋線条を連結して無端状としたネッ トなどを用いる。

【００１５】 ３はコンベヤ１のテール部及びヘッド部以外を被うトンネル状の断熱カバーで ある。 上記のカバー３は、図示の場合内側筒状体４と、この内側筒状体４の外側に所 定の間隙を形成するよう（勿論、間隙の端面は閉鎖してある）嵌装した外側筒状 体５と、間隙に充填した発砲スチロールなどの断熱材６とで構成したが、上記構 成以外の断熱カバーを使用することもある。

【００１６】 また、断熱カバー３内には、冷却器７が据え付けられている。 上記の冷却器７は、図示の場合前後に二台配置したが、冷凍能力やコンベヤ１ の機長などにより台数を増減すればよい。

【００１７】 なお、図示のように、コンベヤ１のリターン側下側に据え付けると、低所のた め保守点検作業が用意になり、またカバー３外に循環ファン８運転のモーター９ を配置すると、カバー３内の熱損失を軽減することができる。

【００１８】 １０は冷却器７からファン８を介しカバー３内の圧力室１４に冷風の供給を受 けると共に、圧力室１４内で圧力の上昇した冷風をコンベヤ１上の被処理物Ａに 上方から吹き付けるよう圧力室１４内に連通させて設けた冷風のジェット流ノズ ルである。

【００１９】 上記のノズル１０は、図２及び図３に示すように、コンベヤ１のキャリア側を 横切り、かつ前後に所定の間隔を存して並列する複数本の末端閉鎖角パイプ１１ の先端を圧力室１４に連通するよう取付け、冷却器７からファン８により圧力室 １４に供給した冷風を圧力室１４内で圧力を高め、そしてそれぞれの角パイプ１ １に圧送すると共に、角パイプ１１の底壁に被処理物Ａの走行方向に対して直角 に交差するよう設けてある前後二条のスリット１３から例えば−４０℃の冷風を ジェット流２５ｍ／ｓｅｃで吹き付けて、被処理物Ａを被う境膜を切断しながら 被処理物Ａを短時間に冷凍する。

【００２０】 なお、ノズル１０から吹き付けた冷風は、図３の矢符に示したように冷却器７ に向う。

【００２１】

【効果】

以上のように、この考案に係る冷凍装置によれば、コンベヤのキャリア側テー ル部に被処理物を供給すると、カバー内をへてコンベヤの排出ヘッドに到達する 迄の間において、冷却器から供給を受けてノズルよりジェット流の冷風を被処理 物に吹き付けるので、被処理物を被う境膜をジェット流の冷風により切断して短 時間に被処理物を冷凍することができる。

【００２２】 このため、コンベヤの機長を短縮して装置を小型化することができる。

【００２３】 また、コンベヤ上の被処理物に上方からジェット流の冷風を吹き付けるように してあるので、吹き付けジェット流の冷風により被処理物が移動するような不都 合を解消すると共に、ジェット流の冷風による境膜の切断を確実に行なうことが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の冷凍装置の一部切欠側面図

【図２】同上の要部を示す縦断拡大側面図

【図３】同縦断正面図

【符号の説明】 １ コンベヤ ２ ベルト ３ カバー ４ 内側筒状体 ５ 外側筒状体 ６ 断熱材 ７ 冷却器 ８ ファン ９ モーター １０ ノズル １１ 角パイプ １３ スリット １４ 圧力室

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 通気性を有する無端ベルトが水平の直線
   上を走行するよう設けたコンベヤと、このコンベヤのテ
   ール部及びヘッド部以外を被うよう設けたトンネル状の
   断熱カバーと、このカバー内に据え付けた冷却器と、こ
   の冷却器から冷風の供給を受けて上記コンベヤ上の被処
   理物に上方から吹き付けるよう設けた冷風のジェット流
   ノズルとから成る冷凍装置。