JPH0613362B2 - 傾倒式ゴミコンテナ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、傾倒式ゴミコンテナに関するものである。

［従来の技術］ 一般家庭や工場、オフィスなどから出るゴミは、巡回す
るゴミ収集車が集めており、このゴミの収集方式には、
ゴミをポリ袋が紙袋に入れて直接ゴミ収集車の投入口に
投入する方式と、このポリ袋や紙袋を、一旦大型のゴミ
コンテナに投入し、このゴミコンテナ内のゴミを、ゴミ
収集車の後部投入口にセットしてゴミ収集車に設置した
傾倒機構を作動させ、機械的にゴミコンテナを傾倒させ
て、ゴミコンテナ内のゴミを投入口に投入させる方式が
知られており、一部で実施されている。

これに使用されるゴミコンテナは、コンテナ本体と蓋体
とからなり、コンテナ本体は対向する一対の長側板と、
同じく対向する一対の短側板とによって形成された四周
の側板と、底板とで構成され、底板の裏面にキャスタを
取付けて路上を移動できるようにすると共に、コンテナ
本体の上部開口部は着脱可能な蓋体によつて閉止される
ものである。

この蓋体は、中央にポリ袋や紙袋に収容したゴミを投入
することができる小型の蓋を、ヒンジによって開閉自在
に取付けた二重の蓋で構成され、コンテナ本体にゴミを
投入する際には、前記小型の蓋を開けて投入し、傾倒に
よってコンテナ本体内のゴミをゴミ収集車に投入する際
には、この小型の蓋を含めた蓋体全体をコンテナ本体か
ら取外し、前記の傾倒操作によってゴミ収集車の投入口
に投入し、投入が終れば蓋体で上部開口部を閉止する。

通常、かかる傾倒ゴミコンテナのコンテナ本体及び蓋体
は、共に、鋼板か若しくはＦＲＰによって作られてい
る。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、かかる着脱しうる蓋体に、さらに小型の
蓋を設けて二重の構造とすることは、機構が複雑となっ
て製作費が増し、これに加えて蓋体重量も増加し、特に
鋼板製の蓋体はその重量がかなり過大となる。

ゴミ収集時において、この重量のある蓋体を着脱するこ
とは作業者に大きな労力を強いるのみならず、作業も煩
雑となり、着脱によって蓋体が破損したり紛失したりす
るトラブルが生ずる。

また、雨天に際して小蓋からゴミを投入するときに、小
蓋の上に溜った雨水が手元に流れて主婦などが汚れた雨
水を沿びたり、雨天におけるゴミ収集の際に、蓋体を取
り外す場合に蓋体上に溜った雨水が作業者にかかり、作
業に難渋を来すといった問題がある。

また、かゝる傾倒式ゴミコンテナは、ゴミ収集車による
繰り返しの傾倒運動によってコンテナ本体が損傷し易い
といった問題があり、特にコンテナ本体が合成樹脂やＦ
ＲＰで作られた場合には損傷が著しく、さらにゴミコン
テナの傾倒時には蓋体が自由に揺動してヒンジ部に余分
な負担が掛かり、また傾倒を復帰させる際には蓋体が自
重によってコンテナ本体に強く衝接して閉止するため、
寿命を短くするという問題もあった。

［課題を解決するための手段］ 本発明へ、傾倒式ゴミコンテナにおける上述の問題を解
消したもので、その骨子とするところは、対向する一対
の長側板と、同じく対向する一対の短側板とによつて形
成された四周の側板と、底板とで構成され、その上部開
口縁の一方の長側板側に偏倚して、前記一対の短側板の
外方に突出する保持杆を設けたコンテナ本体と、該コン
テナ本体の開口部を閉止する蓋体とからなる、傾倒式ゴ
ミコンテナにおいて、前記蓋体は、保持杆の取付側の長
側板の上縁部に沿った蓋体端部を開閉の操作端縁とし
て、対向する長側板の上縁部に沿つて設けたヒンジ部に
よってコンテナ本体に開閉自在に一体結合され、該蓋体
の上面は操作端縁よりヒンジ部に向けて適宜の下り勾配
を形成すると共に、蓋体内面には前記操作端縁よりヒン
ジ部側に向けてリブを突設させ、該蓋体は、開蓋によっ
て上面がコンテナ本体のヒンジ部側の長側板外面に接触
して、蓋体内面が垂直状態となる位置をもって開蓋の最
大位置となるよう設定し、この開蓋の最大位置におい
て、ゴミ収集車の傾倒機構に設けた保持レバーのロール
が、蓋体内面の前記リブに接触してコンテナ本体を傾倒
するよう構成してなることを特徴とする傾倒式ゴミコン
テナである。

上記の本発明の傾倒式ゴミコンテナは、傾倒時にコンテ
ナ本体を保持するための保持杆、コンテナ本体の底部に
取付けるキャスタ、及びコンテナ本体と蓋体の結合のた
めのヒンジ機構の軸体などを金属製とする以外は、すべ
て熱可塑性合成樹脂、例えば高密度ポリエチレン、ナイ
ロン、ポリプロピレン、塩化ビニール樹脂等を使用し、
これら合成樹脂の射出成型体が、軽量で所期の強度を有
するため好ましいものである。

［作 用］ 本発明の傾倒式コンテナ、特に好ましくはコンテナ本体
と、蓋体とを、共に合成樹脂の射出成型によって得た傾
倒式コンテナは、コンテナ本体の保持杆取付側に対向す
る長側板に沿って設けた、ヒンジ部によって蓋体を開閉
自在に結合し、このヒンジ部に対向した保持杆取付側の
長側板に沿った蓋体端縁を、開閉操作の操作端縁とする
ことによって、該操作端縁に面して蓋体を半ば持ち上げ
た状態で開いてゴミを容易に投入することができる。

この蓋体の奥行、つまり操作端縁とヒンジまでの長さ
は、コンテナ本体の短側板にほぼ等しいものであるた
め、前記従来の傾倒式コンテナの蓋体における小蓋と同
様に開閉操作を楽に行うことができるものである。

又、蓋体の上面が操作端縁よりヒンジ部側に下り勾配の
傾斜面を形成しているので、雨天などの際にかかった雨
水は常にヒンジ部側に流れて蓋体上面に溜ることがな
く、少くとも乾燥状態に匹敵した状態に常時保たれて、
蓋体開閉時においてゴミ投入者やゴミ収集の作業者が、
蓋体から流れた水によって濡れるようなことがない。

更に、既述のとおり、蓋体はヒンジ部によってコンテナ
本体に開閉自在に結合一体化されているので、蓋体の分
離による破損や紛失のトラブルは一切生ずることがな
く、蓋体の着脱による労力を大幅に軽減することができ
る。

この蓋体は、ゴミコンテナの傾倒時に開蓋した状態でコ
ンテナ本体と共に傾倒されるが、その際蓋体の開蓋時に
おける最大位置として、コンテナ本体の長側板の外面に
接触して垂直の状態まで開くことができるように設定さ
れているので、ゴミ収集車に設けた傾倒機構の保持レバ
ーを、この開蓋の最大位置にある蓋体の内面に接触させ
て蓋体の揺動を防ぎつつ、安定して傾倒させることがで
き、同時にかかる傾倒動作で受けるコンテナ本体の損傷
をこの蓋体によってカバーすることができ、また、傾倒
時に蓋体が揺動することがないので、蓋体のヒンジ部の
損傷を防止することができ、また、傾倒を復帰させる際
の蓋体のコンテナ本体への衝接もなく、コンテナ自体の
寿命を向上させることができる。

［実施例］ 以下に添付の図面を引用して本発明を更に詳述する。

第１図は本発明の傾倒式ゴミコンテナの一例を示すもの
で、この傾倒式ゴミコンテナ１は、コンテナ本体２と蓋
体10とからなるものである。

コンテナ本体２は、対向する一対の長側板3a，3bと、同
じく対向する一対の短側板4a，4bとによって形成された
四周の側板と、底板５とからなり、その上部開口部の開
口縁６は鍔状に張出し、この開口縁６の一方の長側板3a
側に偏倚してそれぞれ短側板4a，4bの外方に突出する金
属製の保持杆8a，8bを設けている。

底板５の裏面には４ケのキャスタ７が取付けられて、路
上を軽く移動させることができるようになっている。

リブ９は長側板3aに設けたリブであり、このリブ９はコ
ンテナ本体２の補強と共に、前記ゴミ収集車に装備した
傾倒レバーのロールが接触して、ロールの転動によって
上下に順調に移動するための接触部を兼ねている。

上記コンテナ本体２の開口縁６の上部には、２枚の蓋体
10，10が取付けられる。

これらの蓋体10，10は、コンテナ本体２の前記保持杆8
a，8bの取付側の長側板3aに対向する長側板3bの開口縁
の上縁に沿って設けた、ヒンジ部11，11でそれぞれコン
テナ本体２と一体結合されて、コンテナ本体２の開口部
を閉止し、又開くことができるようになっている。

その際の蓋体10，10の開閉操作は、前記長側板3aの側に
人が立って開閉するものであり、したがって、この蓋体
10，10の前記長側板3aの上縁部に沿った蓋体端部が、開
閉操作のための操作端縁12，12となるものである。

しかして、蓋体10，10の上面は、前記操作端縁12，12よ
りヒンジ部11，11に向けて適当な下り勾配を形成してお
り、操作端縁12，12の部分には、蓋体の上下開閉が可能
な把手部が形成されている。

この蓋体10は、第２図に示すように開蓋時において、ヒ
ンジ部11を軸として回動し、該ヒンジ部11の取付側の長
側板3bの外面に蓋体10が接触して、蓋体内面が垂直とな
る状態をもって開蓋の最大位置とするものである。

上記、蓋体10，10の内面の中央には、前記操作端縁より
ヒンジ部側に向けて、それぞれ複数のリブ14を突設させ
ている。

かかる構造の傾倒式ゴミコンテナ１は、蓋体10を最大位
置まで開いて長側板3bの外面に接触した状態とし、コン
テナ本体２の保持杆8a，8bを、図示しないゴミ収集車の
傾倒機構で保持し、傾倒レバーを回動させて、該傾倒レ
バーに付したローラを長側板3aのリブ９に接触させて傾
倒動作に入る。

そして、その適宜の傾倒位置において、前記傾倒機構に
具備させた保持レバーのローラが、長側板3bの外側に位
置している蓋体10の内面に形成したリブ14に接触して、
傾倒で生ずる蓋体10の揺動を抑えてゴミコンテナ全体を
正規の姿勢を維持して傾倒させ、内部のゴミをゴミ収集
車のゴミ投入口に投入するものである。

この傾倒式ゴミコンテナ１のコンテナ本体２及び蓋体10
は、保持杆8a，8b及び４個のキヤスタ７、並びにヒンジ
部11における軸杆等を金属とする以外は、熱可塑性合成
樹脂の射出成型体とすることによって軽量化されて、前
記の傾倒動作をより一層容易とすることができる。

［発明の効果］ 以上詳述したとおり、本発明の傾倒式ゴミコンテナは、
コンテナ本体と蓋体とを、コンテナ本体の長側板に沿っ
て形成したヒンジ部で開閉自在に一体結合し、該ヒンジ
部に対向する蓋体端縁を、開閉のための操作端縁とした
もので、これによって蓋体の開閉操作を容易とし、又蓋
体の着脱による労力を軽減すると共に、ゴミ収集に際し
て分離した蓋体の破損や紛失のトラブルを回避すること
ができる。

又、蓋体の上面を前記操作端縁よりヒンジ部に向けて下
り勾配とすることによって、蓋体上面にかかる雨水等の
水を流下させて常に乾いた状態に保ち、操作端縁側にお
いて開閉操作を行う人に水がかからないようにすること
ができるものである。

さらにこの蓋体の開蓋時の最大位置を、蓋体の回動で該
蓋体の上面が、ヒンジ部取付側の長側板の外面に接触し
て、蓋体内面を垂直状態とする位置に設定することによ
り、傾倒時に傾倒機構に設けた保持レバーによって受け
るコンテナ本体の損傷をこの蓋体によってカバーするこ
とができ、また、傾倒時に蓋体が揺動することがないの
で、蓋体のヒンジ部の損傷を防止することができ、ま
た、傾倒を復帰させる際の蓋体のコンテナ本体への強い
衝接もなく、コンテナ自体の延命に寄与することができ
る。

この発明の傾倒式ゴミコンテナのコンテナ本体と、蓋体
の主要部分を合成樹脂の射出成型体で構成することによ
り、その強度を低下させることなく、軽量で移動搬送が
容易な傾倒式ゴミコンテナを提供することができ、前記
構造上の優れた諸効果と相俟って、ゴミ収集システムに
圧倒的な優位性を与えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の傾倒式ゴミコンテナの一例を示す斜視
図、第２図は、この傾倒式ゴミコンテナのコンテナ本体
に対する蓋体の開閉状態を説明した側面図である。 １……傾倒式ゴミコンテナ ２……コンテナ本体 3a，3b……長側板、4a，4b……短側板 ５……底板、６……開口縁 ７……キヤスタ、8a，8b……保持杆 ９，14……リブ、10……蓋体 11……ヒンジ部、12……操作端縁 13……蓋体上面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】対向する一対の長側板と、同じく対向する
   一対の短側板とによって形成された四周の側板と、底板
   とで構成され、その上部開口縁の一方の長側板側に偏倚
   して、前記一対の短側板の外方に突出する保持杆を設け
   たコンテナ本体と、該コンテナ本体の開口部を閉止する
   蓋体とからなる、傾倒式ゴミコンテナにおいて、前記蓋
   体は、保持杆の取付側の長側板の上縁部に沿った蓋体端
   部を開閉の操作端縁として、対向する長側板の上縁部に
   沿って設けたヒンジ部によってコンテナ本体に開閉自在
   に一体結合され、該蓋体の上面は操作端縁よりヒンジ部
   に向けて適宜の下り勾配を形成すると共に、蓋体内面に
   は前記操作端縁よりヒンジ部側に向けてリブを突設さ
   せ、該蓋体は、開蓋によって上面がコンテナ本体のヒン
   ジ部側の長側板外面に接触して、蓋体内面が垂直状態と
   なる位置をもって開蓋の最大位置となるよう設定し、こ
   の開蓋の最大位置において、ゴミ収集車の傾倒機構に設
   けた保持レバーのロールが、蓋体内面の前記リブに接触
   してコンテナ本体を傾倒するよう構成してなることを特
   徴とする傾倒式ゴミコンテナ。