JPH06133176A - 差画像作成方法、客観的画質評価方法、画像圧縮方法およびそれらの装置 - Google Patents

差画像作成方法、客観的画質評価方法、画像圧縮方法およびそれらの装置

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JPH06133176A
JPH06133176A JP4276240A JP27624092A JPH06133176A JP H06133176 A JPH06133176 A JP H06133176A JP 4276240 A JP4276240 A JP 4276240A JP 27624092 A JP27624092 A JP 27624092A JP H06133176 A JPH06133176 A JP H06133176A
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luminance
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JP4276240A
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Gun Ro
軍 呂
Satoru Hashimoto
哲 橋本
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 色彩画像において人間の主観的画質評価に極
めて近い客観的画質評価を得ることのできる差画像を提
供する。 【構成】 評価画像と評価画像の基準画像を読み込み、
読み込んだ評価画像と基準画像の各座標位置における輝
度L、色差u、色差vを算出し、評価画像と基準画像と
の差ΔL,Δu,Δvを同じ座標位置において算出す
る。そして輝度Lの空間周波数特性に対応したフィル
タ、色差uの空間周波数特性に対応したフィルタ,色差
vの空間周波数特性に対応したフィルタをそれぞれΔ
L,色差Δu、色差Δvに乗算することにより、L,
u,vにそれぞれ対応する差画像1、差画像2、差画像
3を得て、得られた3枚の差画像を所定の重みづけによ
って合成して1枚の合成差画像を作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、差画像作成方法、客
観的画質評価方法、色彩画像圧縮方法およびそれらの装
置に関し、さらに詳細にいえば色彩基準画像と評価画像
との違いをよく表現できる差画像作成方法、評価画像の
画質を客観的に評価する客観的画質評価方法、所定の画
質範囲内で効率的に色彩画像を圧縮できる画像圧縮方法
およびそれらの装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画質の評価は画像符号化、画像圧縮に不
可欠であり、従来は人間が実際に目視によって画像を評
価する主観的画質評価方法が用いられてきた。しかし、
評価条件によって評価結果が変動するうえに、多大な時
間と労力を必要とする問題がある。
【0003】これに対し、コンピュータなどを用いて画
質を評価する客観的画質評価方法は簡便、かつ高速であ
る上に、画像符号化技術と連係して画像の処理を効率化
できる利点があり、主観的画質価方法により得られた主
観評価値とできるだけ高い相関を持つような客観的画質
評価方法の開発研究が行なわれている。一般に客観的画
質評価方法においては基準となる画像(以下、基準画像
と称する)と基準画像を圧縮することなどによって得ら
れた画質を評価しようとする画像(以下、評価画像と称
する)との違いを算出した差画像を作成し、この差画像
から1つの画質評価値を決定する方法が取られている。
【0004】例えば、白黒画像において視覚の空間周波
数特性(MTF)を考慮した差画像の作成方法として図
11に示す方法が知られている(客観的画質評価尺度
(PQS)、宮原誠、電子情報通信学会論文誌、B−
I、vol.J73−B−I、No3、pp208−2
18、1990年3月)。この方法においては、まず、
ステップSP1において評価画像と基準画像を読み込
み、ステップSP2において評価画像の各座標位置での
輝度(L)を算出し、ステップSP3において基準画像
の各座標位置での輝度(L)を算出し、ステップSP4
において同じ座標位置での基準画像と評価画像の輝度差
(ΔL)を算出し、ステップSP5において得られた輝
度差に輝度における視覚の空間周波数特性を考慮したフ
ィルタを施した画像を求め、この画像を差画像とする。
【0005】図12は輝度における視覚の空間周波数特
性を示した図であり、横軸に視角1度当たりの明暗縞の
数(空間周波数の低高に対応)をとり、縦軸に人間の相
対感度を取っている。図12からも分かるように視覚の
空間周波数特性はバンドパスフィルタとなっている。こ
のように視覚の空間周波数特性を考慮した差画像を求め
ることにより、精度の高い客観的画質評価を得ることが
できる。
【0006】また従来から、色彩画像においては図13
に示すように、ステップSP1において評価画像と基準
画像を読み込み、ステップSP2において評価画像の各
座標位置でのL(輝度),u(色差),v(色差)を算
出し、ステップSP3において基準画像の各座標位置で
のL(輝度),u(色差),v(色差)を算出し、ステ
ップSP4において同じ座標位置での基準画像と評価画
像の輝度差ΔL,色差Δu,色差Δvを算出し、ステッ
プSP5において得られた各差から総合的な色差ΔEu
vを算出して、色差ΔEuvから差画像を求めることが
行なわれている。
【0007】なお、基準画像のL,u,vをL1,u
1,v1とし、評価画像のL,u,vをL2,u2,v
2とすると、色差ΔEuvは次のように算出される。 ΔL=L1−L2 Δu=u1−u2 Δv=v1−v2 ΔEuv={(ΔL)2+(Δu)2+(Δv)21/2
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法においては差画像が色差(ΔEuv)に基づいて作
成しているが、空間周波数特性を考慮していないため、
得られた差画像は人間の感じる色差量とあまり一致して
おらず、画質を評価する場合に主観的評価値と相関の高
くできる差画像が得られないという問題がある。
【0009】したがって、この差画像を用いて行なう客
観的画質評価方法においても色彩画像の画質を精度良く
評価できないという問題がある。また、画像圧縮技術に
おいては画質をできるだけ損なわずに画像データをでき
るだけ圧縮することが望まれているが、画質と圧縮の間
にはトレードオフの関係があり、一般的に圧縮率が上が
れば画質が低下する。また、色彩画像を符号化する場合
において所定の画質の画像データを効率良く得るために
は、使用されるシステムにおいて圧縮された色彩画像が
許容できる範囲の画質であるか否かの判別を精度良く行
なうことが必要になる。
【0010】しかしながら、上記のように色彩画像にお
いて画質を精度良く客観的に評価する方法がなかったた
めに、使用される画像処理システムにおいて必要以上の
画質で画像が圧縮されたり、あるいは著しく画質の劣る
状態で画像が圧縮されるという問題が生じていた。
【0011】
【発明の目的】この発明は上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、色彩画像において、従来の方法に比べて主
観的画質評価と相関の高い客観的画質評価を得ることの
できる差画像の作成方法および差画像作成装置を提供す
ることを目的としている。また、この発明は上記問題点
に鑑みてなされたものであり、色彩画像において、従来
の方法に比べて主観的画質評価と相関の高い客観的画質
評価を得ることのできる客観的画質評価方法および客観
的画質評価装置を提供することを目的としている。
【0012】また、この発明は上記問題点に鑑みてなさ
れたものであり、色彩画像を扱う画像処理システムにお
いて、システムが要求する最適な画質の画像を効率的に
圧縮することができる画像圧縮方法および画像圧縮装置
を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの、請求項1の差画像作成方法は、評価しようとする
色彩画像の輝度と色差を算出するとともに、基準画像の
輝度と色差を算出し、基準画像と評価画像の2つの画像
において同じ座標位置における輝度と色差の複数種類の
差をそれぞれ算出し、算出された複数種類の差に輝度と
色差のそれぞれの空間的視覚特性に対応したフィルタを
施して複数種類の差画像を作成し、得られた複数種類の
差画像を所定の重み係数によって合成して1枚の合成差
画像を作成する。
【0014】上記の目的を達成するための請求項2の客
観的画質評価方法は、評価しようとする色彩画像の輝度
と色差を算出するとともに、基準画像の輝度と色差を算
出し、基準画像と評価画像の2つの画像において同じ座
標位置における輝度と色差の複数種類の差をそれぞれ算
出し、算出された複数種類の差に輝度と色差のそれぞれ
の空間的視覚特性に対応したフィルタを施して複数種類
の差画像を作成し、得られた複数種類の差画像のそれぞ
れの画質を評価することによって複数種類の画質を得
て、得られた複数種類の画質を所定の重み係数によって
合成して合成画質を得ることにより、評価画像の画質を
算出する。
【0015】上記の目的を達成するための請求項3の画
像圧縮方法は、原色彩画像を所定の圧縮率で圧縮して得
られた圧縮画像の輝度と色差を算出するとともに、原色
彩画像の輝度と色差を算出し、原色彩画像と圧縮画像の
2つの画像において同じ座標位置における輝度と色差の
複数種類の差をそれぞれ算出し、算出された複数種類の
差に輝度と色差のそれぞれの空間的視覚特性に対応した
フィルタを施して複数種類の差画像を作成し、得られた
複数種類の差画像に基づいて圧縮画像の画質を得た後、
圧縮画像の画質が所定画質範囲内であるか否かを判別
し、圧縮画像の画質が所定画質範囲内にないと判別され
た場合のみ圧縮率を変化させて新たな圧縮画像を得て、
圧縮画像の画質判別を反復する。
【0016】上記の目的を達成するための、請求項4の
差画像作成装置は、評価しようとする色彩画像の輝度と
色差を算出する評価画像輝度色差算出手段と、基準画像
の輝度と色差を算出する基準画像輝度色差算出手段と、
基準画像と評価画像の2つの画像において同じ座標位置
における輝度と色差の複数種類の差をそれぞれ算出する
差算出手段と、算出された複数種類の差に輝度と色差の
それぞれの空間的視覚特性に対応したフィルタを施して
複数種類の差画像を作成する差画像作成手段と、得られ
た複数種類の差画像を所定の重み係数によって合成して
1枚の合成差画像を作成する差画像合成手段とを含んで
いる。
【0017】上記の目的を達成するための請求項5の客
観的画質評価装置は、評価しようとする色彩画像の輝度
と色差を算出する評価画像輝度色差算出手段と、基準画
像の輝度と色差を算出する基準画像輝度色差算出手段
と、基準画像と評価画像の2つの画像において同じ座標
位置における輝度と色差の複数種類の差をそれぞれ算出
する差算出手段と、算出された複数種類の差に輝度と色
差のそれぞれの空間的視覚特性に対応したフィルタを施
して複数種類の差画像を作成する差画像作成手段と、得
られた複数種類の差画像のそれぞれの画質を評価するこ
とによって複数種類の画質を得る画質評価手段と、得ら
れた複数種類の画質を所定の重み係数によって合成して
合成画質を得る画質合成手段を含んでいる。
【0018】上記の目的を達成するための請求項6の画
像圧縮装置は、原色彩画像を所定の圧縮率で圧縮する画
像圧縮手段と、得られた圧縮画像の輝度と色差を算出す
る圧縮画像輝度色差算出手段と、原色彩画像の輝度と色
差を算出する原画像輝度色差算出手段と、原色彩画像と
圧縮画像の2つの画像において同じ座標位置における輝
度と色差の複数種類の差をそれぞれ算出する差算出手段
と、算出された複数種類の差に輝度と色差のそれぞれの
空間的視覚特性に対応したフィルタを施して複数種類の
差画像を作成する差画像作成手段と、得られた複数種類
の差画像に基づいて圧縮画像の画質を得る圧縮画像画質
作成手段と、圧縮画像の画質が所定画質範囲内であるか
否かを判別する画質判別手段と、圧縮画像の画質が所定
画質範囲内にないと判別された場合のみ圧縮率を変化さ
せて新たな圧縮画像を得て、圧縮画像の画質判別を反復
する反復制御手段とを含んでいる。
【0019】
【作用】請求項1の差画像作成方法であれば、色彩画像
であっても輝度と色差のそれぞれについて空間的視覚特
性に対応したフィルタを施して複数種類の差画像を作成
するので、色差においても人間の空間的視覚特性を考慮
した差画像を得ることができる。また、得られた複数種
類の差画像を所定の重み係数によって合成して1枚の合
成差画像を作成するので、主観的画質評価と相関の高い
客観的画質評価を得ることのできる合成差画像を得るこ
とができる。したがって、この合成差画像を用いて精度
の高い客観的画質評価を達成することができる。
【0020】請求項2の客観的画質評価方法であれば、
同様に複数種類の差画像を作成し、得られた複数種類の
差画像のそれぞれの画質を評価することによって複数種
類の画質を得て、得られた複数種類の画質を所定の重み
係数によって合成して合成画質を得るので、主観的画質
評価と相関の高い客観的画質評価を得ることができる。
したがって、色彩画像においても精度の高い客観的画質
評価を達成することができる。
【0021】請求項3の画像圧縮方法であれば、原色彩
画像を所定の圧縮率で圧縮して得られた圧縮画像の輝度
と色差を算出するとともに、原色彩画像の輝度と色差を
算出し、原色彩画像と圧縮画像の2つの画像において同
じ座標位置における輝度と色差の複数種類の差をそれぞ
れ算出し、算出された複数種類の差に輝度と色差のそれ
ぞれの空間的視覚特性に対応したフィルタを施して複数
種類の差画像を作成することにより、色差においても人
間の空間的視覚特性を考慮した差画像を得ることができ
る。そして、得られた複数種類の差画像に基づいて所定
の画質評価方法によって圧縮画像の画質を得た後、圧縮
画像の画質が所定画質範囲内であるか否かを判別し、圧
縮画像の画質が所定画質範囲内にないと判別された場合
のみ圧縮率を変化させて新たな圧縮画像を得て、圧縮画
像の画質判別を反復するのであるから、圧縮された色彩
画像は常に所定画質範囲内の画質を有する画像となり、
画像処理システムにおいて、システムが要求する最適な
画質の画像を効率的に得ることができる。
【0022】請求項4の差画像作成装置であれば、評価
画像輝度色差算出手段が評価しようとする色彩画像の輝
度と色差を算出し、基準画像輝度色差算出手段が基準画
像の輝度と色差を算出し、差算出手段が基準画像と評価
画像の2つの画像において同じ座標位置における輝度と
色差の複数種類の差をそれぞれ算出する。そして、差画
像作成手段が算出された複数種類の差に輝度と色差のそ
れぞれの空間的視覚特性に対応したフィルタを施して複
数種類の差画像を作成し、差画像合成手段が得られた複
数種類の差画像を所定の重み係数によって合成して1枚
の合成差画像を作成する。したがって、この合成差画像
を用いて精度の高い客観的画質評価を達成することがで
きる。
【0023】請求項5の客観的画質評価装置であれば、
評価画像輝度色差算出手段が評価しようとする色彩画像
の輝度と色差を算出し、基準画像輝度色差算出手段が基
準画像の輝度と色差を算出し、差算出手段が基準画像と
評価画像の2つの画像において同じ座標位置における輝
度と色差の複数種類の差をそれぞれ算出する。そして差
画像作成手段が算出された複数種類の差に輝度と色差の
それぞれの空間的視覚特性に対応したフィルタを施して
複数種類の差画像を作成し、画質評価手段が得られた複
数種類の差画像のそれぞれの画質を評価することによっ
て複数種類の画質を得て、画質合成手段が得られた複数
種類の画質を所定の重み係数によって合成して合成画質
を得る。したがって、色彩画像においても精度の高い客
観的画質評価を達成することができる。
【0024】請求項6の画像圧縮装置であれば、画像圧
縮手段が原色彩画像を所定の圧縮率で圧縮し、圧縮画像
輝度色差算出手段が得られた圧縮画像の輝度と色差を算
出し、原画像輝度色差算出手段が原色彩画像の輝度と色
差を算出する。また、差算出手段が原色彩画像と圧縮画
像の2つの画像において同じ座標位置における輝度と色
差の複数種類の差をそれぞれ算出し、差画像作成手段が
算出された複数種類の差に輝度と色差のそれぞれの空間
的視覚特性に対応したフィルタを施して複数種類の差画
像を作成し、圧縮画像画質作成手段が得られた複数種類
の差画像に基づいて圧縮画像の画質を得る。そして画質
判別手段が圧縮画像の画質が所定画質範囲内であるか否
かを判別し、圧縮画像の画質が所定画質範囲内にないと
判別された場合のみ反復制御手段が圧縮率を変化させて
新たな圧縮画像を得て、圧縮画像の画質判別を反復する
処理を行なう。したがって、圧縮された色彩画像は常に
所定画質範囲内の画質を有する画像となり、画像処理シ
ステムにおいて、システムが要求する最適な画質の画像
を効率的に得ることができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に
説明する。図1はこの発明の差画像作成方法の一実施例
を説明するフローチャートである。この差画像作成方法
においては、まず、ステップSP1において評価画像と
基準画像を読み込み、ステップSP2において読み込ん
だ評価画像の座標位置における輝度(L)、色差
(u)、色差(v)を算出し、ステップSP3において
読み込んだ基準画像の座標位置における輝度(L)、色
差(u)、色差(v)を算出し、ステップSP4におい
て評価画像と基準画像との差を同じ座標位置において算
出する。即ち、輝度差(ΔL)、色差(Δu)、色差
(Δv)を算出する。次いでステップSP5において輝
度(L)の空間周波数特性に対応したフィルタMTF
1、色差(u)の空間周波数特性に対応したフィルタM
TF2,色差(v)の空間周波数特性に対応したフィル
タMTF3をそれぞれ輝度差(ΔL)、色差(Δu)、
色差(Δv)に乗算することにより、それぞれ輝度
(L)、色差(u)、色差(v)に対応する差画像1、
差画像2、差画像3を作成する。次いで、ステップSP
6において得られた3枚の差画像を所定の重みづけによ
って合成して1枚の合成差画像を作成して、一連の処理
を終了する。
【0026】図2は図1におけるステップSP6の処理
の詳細を示すフローチャートである。まず、ステップS
P6aにおいて評価画像の座標(i,j)における3枚
の差画像の各データ、すなわち、輝度(L)に対応する
差画像e1(i,j),色差(u)に対応する差画像e
2(i,j),色差(v)に対応する差画像e3(i,
j)をそれぞれ読み出し、ステップSP6bにおいて人
間の視覚感度は対数関数に従うことを考慮するため、各
値の2乗(パワー値)の対数値、即ち、log{e1
(i,j)}2、log{e2(i,j)}2、log
{e3(i,j)}2を計算する。次いで、ステップS
P6cにおいて輝度信号と色差信号との絶対感度は異な
ることを考慮して、所定の重みづけをするために、上記
対数値に重み係数W1,W2,W3を乗算したものの線
形和を取ったものを合成差画像の値E(i,j)とす
る。即ち、式で示すと、 E(i,j)=W0+W1・log{e1(i,j)}2+W2・log{ e2(i,j)}2+W3・log{e3(i,j)}2 となる。
【0027】ここで、重み係数W0,W1,W2,W3
は合成差画像の平均値と人間の感じた主観的画質評価値
との差が最も小さくなるように、所定数のサンプルを取
り、重回帰分析を行なうことによって予め決定される。
この実施例の差画像作成方法をさらに詳細に説明する。
まず、評価画像がR(赤)、G(緑)、B(青)空間で
与えられている場合は評価画像の画素の座標(i,j)
においてそれぞれ輝度(L)、色差(u)、色差(v)
空間へ変換する。すなわち、RGB系からXYZ系への
変換は、 X=0.607R+0.147G+0.201B Y=0.299R+0.587G+0.114B Z= 0.066G+1.117B となり、XYZ系からLuv系への変換は L=Y u=4X/(X+15Y+3Z) v=6Y/(X+15Y+3Z) となる。
【0028】次に、基準画像のL,u,vをL1,u
1,v1とし、評価画像のL,u,vをL2,u2,v
2とすると、ぞれぞれの値の輝度差ΔL,色差Δu,Δ
vは次のように計算される。 ΔL=L1−L2 Δu=u1−u2 Δv=v1−v2 図3は色度および明暗の空間周波数特性の一例を示す図
である。図中破線は明暗に対応する空間周波数特性を示
した曲線、実線は黄色と青色との間の空間周波数特性を
示した曲線、一点鎖線は赤色と緑色に対応する空間周波
数特性を示した曲線である。このように輝度、色差に応
じて視覚の空間周波数特性は異なるので算出したΔL,
Δu,Δvにそれぞれの空間周波数特性を考慮したフィ
ルタMTF1,フィルタMTF2,フィルタMTF3を
乗算して、それぞれ輝度(L)、色差(u)、色差
(v)に対応する差画像e1(i,j)、差画像e2
(i,j)、差画像e3(i,j)を作成する。
【0029】そして上記3枚の差画像を予め得られてい
る重み係数W0,W1,W2,W3によって重みづけし
て人間による主観評価値とこの実施例で得られる差画像
の平均値との差が最小になるようにして1枚の合成差画
像を作成する。次に、重み係数W0,W1,W2,W3
の決め方の一例を以下に説明する。まず、原色彩画像を
5枚を用意する。この原色彩画像は画像符号化において
画質劣化を良く表わす画像、例えばデジタル標準画像な
どを選定する。
【0030】そして、それぞれの原色彩画像毎に所定の
圧縮比率で圧縮した参考画像を7枚を作成して、合計3
5枚の評価画像を作成する。35枚の評価画像のそれぞ
れについて人間による主観的画質評価を行ない、主観的
画質評価値Yを求める。なお、主観的画質評価値Yは以
下の1から5の値を取る。 主観的画質評価値が5:劣化がわからない。 主観的画質評価値が4:劣化がわかるが気にならない。 主観的画質評価値が3:劣化が気になるが邪魔にならな
い。 主観的画質評価値が2:劣化が邪魔になる。 主観的画質評価値が1:劣化が非常に邪魔になる。
【0031】次いで、 E(i,j)=W0+W1・log{e1(i,j)}2+W2・log{ e2(i,j)}2+W3・log{e3(i,j)}2 の式で得られる合成差画像において、重回帰分析を行な
い、重み係数W0,W1,W2,W3を求める。具体的
には、{Y−E(i,j)}2を最小とする重み係数W
0,W1,W2,W3を求める。
【0032】このようにして色彩画像から1枚の合成差
画像を作成することにより、輝度、2つの色差u,vに
おける視覚の空間周波数特性を考慮した上で、かつ主観
的画質評価を行なった場合に最も差が少なくなるように
差画像を作成することができる。また、色彩画像であっ
ても白黒画像の画質評価方法の手法(例えば、PQS)
が適用できる利点がある。
【0033】
【実施例2】図4はこの発明の客観的画質評価方法の一
実施例を説明するフローチャートである。この差画像作
成方法においては、前記第1実施例の差画像作成方法と
同じ方法により1枚の合成差画像を得るとともに(図4
のステップSP1からステップSP6)、ステップSP
7において得られた1枚の合成差画像に基づいて白黒画
像の画質評価方法(PQS)の手法を適用して評価画像
の画質を得る。なお、白黒画像の画質評価方法(PQ
S)の適用については前述の文献(客観的画質評価尺度
(PQS)、宮原誠、電子情報通信学会論文誌)に従っ
て行なう。具体的には、globalなひずみ、tex
ture状のパターンを作るひずみ、画像内容にかかわ
るlocalなひずみ、ランダムノイズなどの基本ひず
み要因の荷重和でPQSを計算して評価画像の画質を評
価する。
【0034】この客観的画質評価方法によれば色彩画像
であっても従来の白黒画像の画質評価方法(PQS)を
適用できるので、精度良くかつ簡単に色彩画像の画質を
評価することが可能になる。
【0035】
【具体例1】色彩画像に対してLuv空間の色差ΔEu
vを用いて図13に示すようなフローチャートに基づい
て差画像を作成し、客観的画質評価方法を適用した結
果、客観的評価値と主観的評価値との相関係数は0.8
6であった。図4に示す実施例2において、上記した重
回帰分析によって得られた重み係数W0,W1,W2,
W3の値の例を以下に示す。 W0=0.236 W1=0.906 W2=0.219 W3=0.419 そして上記重み係数を採用し、実施例2に示した客観的
画質評価方法を適用した結果、客観的評価値と主観的評
価値との相関係数は0.90となり、この発明の客観的
画質評価方法が従来方法に比べて精度が高いことが確認
された。
【0036】
【実施例3】図5はこの発明の客観的画質評価方法の一
実施例を説明するためのフローチャートである。この客
観的画質評価方法においては、まず、ステップSP1に
おいて評価画像と基準画像を読み込み、ステップSP2
において読み込んだ評価画像の座標位置における輝度
(L)、色差(u)、色差(v)を算出し、ステップS
P3において読み込んだ基準画像の座標位置における輝
度(L)、色差(u)、色差(v)を算出し、ステップ
SP4において評価画像と基準画像との差、輝度差(Δ
L)、色差(Δu)、色差(Δv)を算出し、ステップ
SP5において輝度(L)の空間周波数特性に対応した
フィルタMTF1、色差(u)の空間周波数特性に対応
したフィルタMTF2,色差(v)の空間周波数特性に
対応したフィルタMTF3をそれぞれ輝度差(ΔL)、
色差(Δu)、色差(Δv)に乗算することにより、輝
度(L)、色差(u)、色差(v)に対応する差画像
1、差画像2、差画像3を作成する。次いで、ステップ
SP6において、得られた3枚の差画像に対して白黒画
像の画質評価方法(PQS)を適用して、3つの差画像
の画質を算出し、ステップSP7において得られた3つ
の画質から所定の重みづけによって合成して合成画質を
作成して、一連の処理を終了する。
【0037】なお、ステップSP7における重み係数は
合成画質と人間の感じた画質(主観評価値)との差が最
も小さくなるように重回帰分析を行なって決定する。こ
の客観的画質評価方法についてさらに詳細に説明する。
図5のフローチャートにおいてステップSP1からステ
ップSP5までの処理は第1実施例における差画像作成
方法における差画像1、差画像2、差画像3を作成する
方法と同様である。そして得られた3つの差画像から白
黒画像の画質評価方法(PQS)を適用して、3つの差
画像の画質を算出する。そして輝度(L)、色差
(u)、色差(v)にそれぞれ対応する画質f1,画質
f2,画質f3について、人間の感じた画質である主観
的画質評価値Fとの差が最小になるような重み係数V
0,V1,V2,V3によって重みづけすることにより
合成画質fを求める。すなわち、式で示せば、 f=V0+V1・f1+V2・f2+V3・f3 となる。
【0038】なお、この実施例においても所定数のサン
プル画像に基づいて重回帰分析によって、予め重み係数
V0,V1,V2,V3を求めておくことは同じであ
る。以上、説明したようにこの客観的画質評価方法によ
れば、白黒画像の客観的画質評価方法(PQS)を改良
して評価画像の画質を正確に評価することができ、客観
的評価値と主観的評価値との相関係数を高めることがで
きる。
【0039】
【具体例2】色彩画像に対してLuv空間の色差ΔEu
vを用いて図13に示すようなフローチャートに基づい
て差画像を作成し、客観的画質評価方法を適用した結
果、客観的評価値と主観的評価値との相関係数は0.8
6であった。図5に示す実施例3において上記重回帰分
析によって得られた重み係数V0,V1,V2,V3の
値の例を以下に示す。 V0=−0.280 V1=0.447 V2=0.517 V3=0.144 そして、上記重み係数値を使用して実施例3に示す客観
的画質評価方法を適用した結果、客観的評価値と主観的
評価値との相関係数は0.91となり、この発明の客観
的画質評価方法が従来方法に比べて精度の高いことが確
認された。
【0040】
【実施例4】図6はこの発明の色彩画像符号化方法の一
実施例を示すフローチャートである。この色彩画像符号
化方法は、ステップSP1において色彩基準画像を読み
込み、ステップSP2において色彩基準画像に対して離
散コサイン変換(DCT)を行ない、ステップSP3に
おいて量子化幅の初期値を設定する。なお、最初の量子
化幅は大きく設定し、圧縮率を大きくする。次いでステ
ップSP4において設定された量子化幅に基づいて離散
コサイン変換(DCT)の係数の量子化を行ない、ステ
ップSP5において量子化した結果に対して逆量子化
し、ステップSP6においてさらに逆離散コサイン変換
(逆DCT)を行なって評価画像を作成する。次いでス
テップSP7において作成された評価画像に対して実施
例2あるいは実施例3に示したこの発明の客観的画質評
価方法を適用して画質を得て、ステップSP8において
得られた画質が目標とする画質の範囲内であるか否かを
判別し、範囲内でないと判別された場合はステップSP
9において量子化幅の値を所定値だけ小さくしてステッ
プSP4の量子化処理を行なう。一方、ステップSP8
において合成画質が目標とする画質の範囲内であると判
別された場合はステップSP10においてステップSP
4において量子化した結果に対してハフマン符号化して
読み込まれた色彩基準画像の圧縮データを得て一連の処
理を終了する。この色彩画像符号化方法においては、最
初に圧縮率の大きな評価画像を作成し、ステップSP9
において順次、量子化幅を小さくすることにより、圧縮
の度合いを減少させるようにしているので、目標とする
画質内にある最大の圧縮率の圧縮データを簡単に得るこ
とできる。さらに、用意された基準画像から評価画像を
自動的に作成し、目的の画質の範囲内となるように画像
符号化のパラメータである量子化幅を自動的に調整する
ので、人による主観的画質評価を不要とすることがで
き、時間、コストをかけずに希望とする画質範囲内の圧
縮画像を得ることができる。
【0041】なお、画像符号化の圧縮率を左右するパラ
メータとしては量子化幅のみならず、各種のパラメータ
を使用する画像圧縮方法においてもこの色彩画像符号化
方法は適用可能である。
【0042】
【実施例5】図7はこの発明の差画像作成装置の一実施
例を説明するブロック図である。この差画像作成装置3
0は、基準画像を読み込んで保持する基準画像保持部3
1と、評価画像を読み込んで保持する評価画像保持部3
2と、読み込まれた基準画像の座標位置における赤
(R)、緑(G)、青(B)値からそれぞれ輝度
(L)、色差(u)、色差(v)を算出する第1輝度色
差算出部33と、読み込まれた評価画像の座標位置にお
ける赤(R)、緑(G)、青(B)値からそれぞれ輝度
(L)、色差(u)、色差(v)を算出する第2輝度色
差算出部34と、基準画像と評価画像との差、すなわち
輝度差(ΔL)、色差(Δu)、色差(Δv)を算出す
る差算出部35と、輝度(L)の空間周波数特性に対応
したフィルタMTF1、色差(u)の空間周波数特性に
対応したフィルタMTF2,色差(v)の空間周波数特
性に対応したフィルタMTF3をそれぞれ輝度差(Δ
L)、色差(Δu)、色差(Δv)に乗算することによ
り、輝度(L)、色差(u)、色差(v)に対応する差
画像1、差画像2、差画像3を作成する差画像作成部3
6と、重み係数保持部37に予め保持された重み係数に
よって3枚の差画像を所定の比率によって重みづけして
1枚の合成差画像を作成する差画像合成部38とを有し
ている。
【0043】上記構成の差画像作成装置の作用は次の通
りである。まず、基準画像、評価画像がそれぞれ基準画
像保持部31、評価画像保持部32に保持されると第1
輝度色差算出部33、第2輝度色差算出部34は各座標
位置の輝度および色差を算出する。そして差算出部35
において基準画像と評価画像の同じ座標位置における輝
度差ΔL、色差Δu、色差Δvがそれぞれ算出され、差
画像作成部36においてフィルタMTF1、MTF2、
MTF3によってそれぞれ差画像1、差画像2、差画像
3が得られる。そして、差画像合成部38においてそれ
ぞれの差画像の対数値を取り、重み係数W0,W1,W
2,W3によって重みづけされた後、線形和を取ること
によって1枚の総合的な差画像が得られる。
【0044】この差画像作成装置30によれば、主観的
画質評価値との差が少なくなるようにして合成差画像を
作成しているので、色彩画像から1枚の差画像が精度良
く作成できるとともに、色彩画像であっても1枚の差画
像で代表できるので従来の白黒画像の画質評価方法(例
えば、PQS)がそのまま適用できる利点がある。な
お、基準画像保持部31と評価画像保持部32、第1輝
度色差算出部33と第2輝度色差算出部34はそれぞれ
基準画像と評価画像をシーケンシャルに送ることによ
り、1つにすることが可能である。
【0045】
【実施例6】図8はこの発明の客観的画質評価装置の一
実施例を説明するブロック図である。この客観的画質評
価装置は実施例5で説明した差画像作成装置30に白黒
画像の画質評価方法(PQS)を行なうPQS評価部4
1を設けた構成となっている。そして差画像作成装置3
0によって得られた1枚の合成差画像に基づいて白黒画
像の画質評価方法(PQS)の手法を用いて、評価画像
の画質を得ることができる。
【0046】この客観的画質評価方法によれば色彩画像
であっても白黒画像の画質評価方法(PQS)を適用で
きるので、簡単に色彩画像の画質を評価することが可能
になる。
【0047】
【実施例7】図9はこの発明の客観的画質評価装置の他
の実施例を説明するブロック図である。この客観的画質
評価装置は基準画像を読み込んで保持する基準画像保持
部31と、評価画像を読み込んで保持する評価画像保持
部32と、読み込まれた基準画像の座標位置における赤
(R)、緑(G)、青(B)値からそれぞれ輝度
(L)、色差(u)、色差(v)を算出する第1輝度色
差算出部33と、読み込まれた評価画像の座標位置にお
ける赤(R)、緑(G)、青(B)値からそれぞれ輝度
(L)、色差(u)、色差(v)を算出する第2輝度色
差算出部34と、基準画像と評価画像との差、すなわち
輝度差(ΔL)、色差(Δu)、色差(Δv)を算出す
る差算出部35と、輝度(L)の空間周波数特性に対応
したフィルタMTF1、色差(u)の空間周波数特性に
対応したフィルタMTF2,色差(v)の空間周波数特
性に対応したフィルタMTF3をそれぞれ輝度差(Δ
L)、色差(Δu)、色差(Δv)に乗算することによ
り、輝度(L)、色差(u)、色差(v)に対応する差
画像1、差画像2、差画像3を作成する差画像作成部3
6と、差画像作成部36で作成された差画像1,差画像
2,差画像3のそれぞれに対して白黒画像の画質評価方
法(PQS)を行なう第1PQS評価部51,第2PQ
S評価部52,第3PQS評価部53と、重み係数保持
部54に予め保持された重み係数によって第1PQS評
価部51、第2PQS評価部52、第3PQS評価部5
3からの画質f1、画質f2、画質f3を所定の比率に
よって重みづけして合成画質を得る画質合成部55とを
有している。
【0048】上記構成の客観的画質評価装置の作用は次
の通りである。まず、基準画像、評価画像がそれぞれ基
準画像保持部31、評価画像保持部32に保持されると
第1輝度色差算出部33、第2輝度色差算出部34は各
座標位置の輝度および色差を算出する。そして差算出部
35において基準画像と評価画像の同じ座標位置におけ
る輝度差ΔL、色差Δu、Δvがそれぞれ算出され、差
画像作成部36においてフィルタMTF1、フィルタM
TF2、フィルタMTF3によってそれぞれ差画像1、
差画像2、差画像3が得られる。次いで第1PQS評価
部51が差画像1の画質を評価して画質f1を出力し、
第2PQS評価部52が差画像2の画質を評価して画質
f2を出力し、第3PQS評価部53が差画像3の画質
を評価して画質f3を出力する。そして、画質合成部5
5において重み係数保持部54に保持された重み係数V
0,V1,V2,V3によって重みづけされた後、線形
和を取ることによって合成された総合的な合成画質が得
られる。
【0049】以上、説明したようにこの客観的画質評価
方法によれば、白黒画像の客観的画質評価方法(PQ
S)を改良して評価画像の画質を正確に評価することが
できる。
【0050】
【実施例8】図10はこの発明の色彩画像符号化装置の
一実施例を示すブロック図である。この色彩画像符号化
装置は、色彩基準画像を読み込むとともに保持する基準
画像保持部61と、基準画像に対して離散コサイン変換
(DCT)を行なうDCT処理部62と、量子化幅を設
定する量子化幅設定部63と、離散コサイン変換(DC
T)の係数の量子化を行なう量子化処理部64と、量子
化された結果が保持される量子化結果保持部65と、量
子化した結果に対して逆量子化する逆量子化処理部66
と、量子化幅に相当する評価画像を作成する評価画像作
成部67と、実施例6あるいは実施例7に示した客観的
画質評価装置で構成される客観的画質評価部68と、客
観的画質評価部68から出力された画質が許容される画
質の範囲であるか否かを判別する画質判別部69と、画
質判別部69の許容される画質の範囲であるという判別
信号に応答して量子化結果保持部65にある量子化結果
を読み出し、圧縮データに符号化する符号化処理部70
と、画質判別部69の許容される画質の範囲でないとい
う判別信号に応答して量子化幅設定部63で設定される
量子化幅を所定変化幅で変化させる量子化幅変更部71
とを有している。上記構成の色彩画像符号化装置の作用
は次の通りである。
【0051】基準画像が基準画像保持部61に保持され
ると、DCT処理部62は基準画像に対して離散コサイ
ン変換(DCT)を行ない、量子化処理部64は量子化
幅設定部63で設定された初期値である量子化幅に基づ
いて離散コサイン変換(DCT)の係数の量子化を行な
い、量子化結果保持部65と逆量子化処理部66に量子
化の結果を出力する。そして逆量子化処理部66は量子
化した結果に対して逆量子化し、評価画像作成部67は
逆量子化した結果に対してさらに逆DCTを行なって評
価画像を作成する。次いで評価画像作成部67で作成さ
れた評価画像は客観的画質評価部68に出力され、客観
的画質評価部68は評価画像と、基準画像保持部61か
らの基準画像の2つの画像に基づいてこの発明の客観的
画質評価方法を適用して評価画像の画質を得て、画質判
別部69に出力する。画質判別部69においては予め設
定された許容画質範囲と評価画像の画質とを比較して、
評価画像の画質が許容画質範囲内にあるか否かを判別す
る。そして許容画質範囲内にあると判別された場合は量
子化結果保持部65にその判別信号を出力することによ
り、符号化処理部70が当該量子化幅に対応する圧縮率
で基準画像を符号化して圧縮データを得る。一方、画質
判別部69において評価画像の画質が許容画質範囲内に
ないと判別された場合は予め設定された初期値である量
子化幅では満足する画質が得られないことが分かるの
で、量子化幅変更部71において圧縮率を減少する方向
に量子化幅を変更して、画質判別部69において画質が
許容画質範囲内にあると判別されるまで量子化処理、逆
量子化処理、評価画像作成処理、評価画像の画質評価処
理、量子化幅変化処理を繰り返して行なう。
【0052】この色彩画像符号化装置によれば、目的の
画質の範囲内となるように画像符号化のパラメータであ
る量子化幅を自動的に調整するので、人による主観的画
質評価を不要とすることができ、安定した画質で高圧縮
率の圧縮画像を得ることができる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明は、色差
においても視覚の空間的視覚特性を考慮するとともに所
定の重み係数によって合成差画像を得ることにより、色
彩画像において主観的画質評価と相関の高い客観的画質
評価を得ることができる差画像を提供できるという特有
の効果を奏する。
【0054】請求項2の発明は、色差においても視覚の
空間的視覚特性を考慮するとともに所定の重み係数によ
って合成画質を得ることにより、色彩画像において従来
の方法に比べて主観的画質評価と相関の高い客観的画質
評価を得ることができるという特有の効果を奏する。請
求項3の発明は、圧縮画像の画質が所定画質範囲内であ
るか否かを判別し、圧縮画像の画質が所定画質範囲内に
ないと判別された場合のみ圧縮率を変化させて新たな圧
縮画像を得て、圧縮画像の画質判別を反復する処理を行
なうことにより、色彩画像を扱う画像処理システムにお
いて、システムが要求する最適な画質の画像を効率的に
得ることができるという特有の効果を奏する。
【0055】請求項4の発明も、色差においても視覚の
空間的視覚特性を考慮するとともに所定の重み係数によ
って合成差画像を得ることにより、色彩画像において主
観的画質評価と相関の高い客観的画質評価を得ることが
できる差画像を提供できるという特有の効果を奏する。
請求項5の発明も、色差においても視覚の空間的視覚特
性を考慮するとともに所定の重み係数によって合成画質
を得ることにより、色彩画像において従来の方法に比べ
て主観的画質評価と相関の高い客観的画質評価を得るこ
とができるという特有の効果を奏する。
【0056】請求項6の発明も、圧縮画像の画質が所定
画質範囲内であるか否かを判別し、圧縮画像の画質が所
定画質範囲内にないと判別された場合のみ圧縮率を変化
させて新たな圧縮画像を得て、圧縮画像の画質判別を反
復する処理を行なうことにより、色彩画像を扱う画像処
理システムにおいて、システムが要求する最適な画質の
画像を効率的に圧縮することができるという特有の効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の差画像作成方法の一実施例を説明す
るフローチャートである。
【図2】この発明の差画像作成方法のステップSP6の
詳細を説明するフローチャートである。
【図3】色度および明暗の空間周波数特性の一例を示す
図である。
【図4】この発明の客観的画質評価方法の一実施例を説
明するフローチャートである。
【図5】この発明の客観的画質評価方法の他の実施例を
説明するフローチャートである。
【図6】この発明の色彩画像圧縮方法の一実施例を説明
するフローチャートである。
【図7】この発明の差画像作成装置の一実施例を説明す
るブロック図である。
【図8】この発明の客観的画質評価装置の一実施例を説
明するブロック図である。
【図9】この発明の客観的画質評価装置の他の実施例を
説明するブロック図である。
【図10】この発明の色彩画像圧縮装置の一実施例を説
明するブロック図である。
【図11】従来の白黒画像における差画像作成方法の一
例を説明するフローチャートである。
【図12】白黒画像における視覚の空間周波数特性を示
した図である。
【図13】従来の色彩画像における差画像作成方法の一
例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
33 第1輝度色差算出部 34 第2輝度色差算出
部 35 差算出部 36 差画像作成部 38 差画像合成部 41 PQS評価部 51 第1PQS評価部 52 第2PQS評価部 53 第3PQS評価部 55 画質合成部 62 DCT処理部 63 量子化幅設定部 64 量子化処理部 65 量子化結果保持部 67 評価画像作成部 68 客観的画質評価部 69 画質判別部 70 符号化処理部 71 量子化幅変更部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/00 A 7046−5C 1/41 C 9070−5C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 評価しようとする色彩画像の輝度と色差
    を算出するとともに、基準画像の輝度と色差を算出し、
    基準画像と評価画像の2つの画像において同じ座標位置
    における輝度と色差の複数種類の差をそれぞれ算出し、
    算出された複数種類の差に輝度と色差のそれぞれの空間
    的視覚特性に対応したフィルタを施して複数種類の差画
    像を作成し、得られた複数種類の差画像を所定の重み係
    数によって合成して1枚の合成差画像を作成することを
    特徴とする差画像作成方法。
  2. 【請求項2】 評価しようとする色彩画像の輝度と色差
    を算出するとともに、基準画像の輝度と色差を算出し、
    基準画像と評価画像の2つの画像において同じ座標位置
    における輝度と色差の複数種類の差をそれぞれ算出し、
    算出された複数種類の差に輝度と色差のそれぞれの空間
    的視覚特性に対応したフィルタを施して複数種類の差画
    像を作成し、得られた複数種類の差画像のそれぞれの画
    質を評価することによって複数種類の画質を得て、得ら
    れた複数種類の画質を所定の重み係数によって合成して
    合成画質を得ることにより、評価画像の画質を算出する
    ことを特徴とする客観的画質評価方法。
  3. 【請求項3】 原色彩画像を所定の圧縮率で圧縮して得
    られた圧縮画像の輝度と色差を算出するとともに、原色
    彩画像の輝度と色差を算出し、原色彩画像と圧縮画像の
    2つの画像において同じ座標位置における輝度と色差の
    複数種類の差をそれぞれ算出し、算出された複数種類の
    差に輝度と色差のそれぞれの空間的視覚特性に対応した
    フィルタを施して複数種類の差画像を作成し、得られた
    複数種類の差画像に基づいて圧縮画像の画質を得た後、
    圧縮画像の画質が所定画質範囲内であるか否かを判別
    し、圧縮画像の画質が所定画質範囲内にないと判別され
    た場合のみ圧縮率を変化させて新たな圧縮画像を得て、
    圧縮画像の画質判別を反復することを特徴とする色彩画
    像圧縮方法。
  4. 【請求項4】 評価しようとする色彩画像の輝度と色差
    を算出する評価画像輝度色差算出手段(34)と、基準
    画像の輝度と色差を算出する基準画像輝度色差算出手段
    (33)と、基準画像と評価画像の2つの画像において
    同じ座標位置における輝度と色差の複数種類の差をそれ
    ぞれ算出する差算出手段(35)と、算出された複数種
    類の差に輝度と色差のそれぞれの空間的視覚特性に対応
    したフィルタを施して複数種類の差画像を作成する差画
    像作成手段(36)と、得られた複数種類の差画像を所
    定の重み係数によって合成して1枚の合成差画像を作成
    する差画像合成手段(38)とを含むことを特徴とする
    差画像作成装置。
  5. 【請求項5】 評価しようとする色彩画像の輝度と色差
    を算出する評価画像輝度色差算出手段(34)と、基準
    画像の輝度と色差を算出する基準画像輝度色差算出手段
    (33)と、基準画像と評価画像の2つの画像において
    同じ座標位置における輝度と色差の複数種類の差をそれ
    ぞれ算出する差算出手段(35)と、算出された複数種
    類の差に輝度と色差のそれぞれの空間的視覚特性に対応
    したフィルタを施して複数種類の差画像を作成する差画
    像作成手段(36)と、得られた複数種類の差画像のそ
    れぞれの画質を評価することによって複数種類の画質を
    得る画質評価手段(51)(52)(53)と、得られ
    た複数種類の画質を所定の重み係数によって合成して合
    成画質を得る画質合成手段(55)を含むことを特徴と
    する客観的画質評価装置。
  6. 【請求項6】 原色彩画像を所定の圧縮率で圧縮する画
    像圧縮手段(62)(63)(64)(65)(70)
    と、得られた圧縮画像の輝度と色差を算出する圧縮画像
    輝度色差算出手段(34)と、原色彩画像の輝度と色差
    を算出する原画像輝度色差算出手段(33)と、原色彩
    画像と圧縮画像の2つの画像において同じ座標位置にお
    ける輝度と色差の複数種類の差をそれぞれ算出する差算
    出手段(35)と、算出された複数種類の差に輝度と色
    差のそれぞれの空間的視覚特性に対応したフィルタを施
    して複数種類の差画像を作成する差画像作成手段(3
    6)と、得られた複数種類の差画像に基づいて圧縮画像
    の画質を得る圧縮画像画質作成手段(67)(68)
    (38)(41)(51)(52)(53)(55)
    と、圧縮画像の画質が所定画質範囲内であるか否かを判
    別する画質判別手段(69)と、圧縮画像の画質が所定
    画質範囲内にないと判別された場合のみ圧縮率を変化さ
    せて新たな圧縮画像を得て、圧縮画像の画質判別を反復
    する反復制御手段(71)(63)とを含むことを特徴
    とする画像圧縮装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002503360A (ja) * 1996-03-29 2002-01-29 サーノフ コーポレイション 2つの画像系列の差の可視性を評価する方法および装置
JP2015005877A (ja) * 2013-06-20 2015-01-08 富士通株式会社 評価装置、評価方法および評価プログラム
KR20210009258A (ko) * 2019-07-16 2021-01-26 연세대학교 산학협력단 화질 평가 방법 및 장치

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