JPH06131537A - 電気機器における簡易精算型プリペイドカード方式及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 独身寮等の管理者と入居者との間等で電気機
器をプリペイドカードにより有料（簡易精算）で使用す
るための便利で安価な方式と装置を提供する。 【構成】 電気機器（エアコン）（１）の電源回路
（３）にエンコードされたプリペイドカード（８）を読
み取って電気機器（１）を使用可能にするカード端末装
置（７）を介在設置して、このカード利用装置（７）が
カード（８）の金額を読み取って所定電気容量の電気機
器（１）を使用できる時間に換算して可使用時間として
登録しこれを表示して、電源回路（３）に介在設置した
電流検出センサ（１２）により負荷電流を検出して、電
気機器（１）の消費電流に該当する使用時間を可使用時
間から減算するようにした、電気機器における簡略精算
型プリペイドカード方式及び装置である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、独身寮等において管理
者と電気機器利用者との間でプリペイドカードによって
使用電気機器の電気料金を概略精算するための、電気機
器におけるプリペイドカード方式に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】空調機器やテレビ受像機等の電気機器
を、有料で使用する方式として次の３つが従来から知ら
れている。

【０００３】（イ） 副メーター方式。 電源側に、使用する電気機器を対象に、その消費電力を
示す副メーターを取り付けて、定期的に検針して料金を
集金する方式である。

【０００４】（ロ） コインタイマー方式。 電源側と電気機器との間に、コインを投入することによ
って一定時間通電するコインタイマーと制御装置を介在
して、コインタイマーからコインを回収する方式であ
る。

【０００５】（ハ） プリペイドカード方式。 カードリーダーと負荷（電気機器）を開閉する開閉機構
部を組み合わせてプリペイドカードの残度数内でカード
の挿入・排出で電源を「入り」「切り」する方式であっ
て、１例として図５に示す関西電力総合技術研究所の財
家和幸氏が平成３年１月１０日及び１７日付の電波新聞
「技術シリーズ欄」に発表されたものがある。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来方式のう
ち（イ）の副メーター方式は、設備的には安価である
が、定期的な検針が必要であり、さらに料金を計算して
集金する必要があるため手数が掛かる等の難点がある。

【０００７】また、（ロ）のコインタイマー方式は、設
備費は安いが使用者側には小銭を用意する必要があるこ
とと、時間がくると容赦なく電気機器が断たれてしまう
難点があり、管理者側にはコインの回収に手数がかか
り、そのためにプライベートルームに入室する必要が生
じる。 また、ホテル等においては、偽造コインを使用
される可能性もある等の難点がある。

【０００８】また、（ハ）のプリペイドカード方式は、
管理者側には料金の計算や集金の必要がなくて理想的で
あるが、設置に当たって電気機器の運転状態を確認する
ためのインターフェースを電気機器に取り付ける必要の
ある場合があって手数が掛かるといった難点があり、使
用者側にも使用の都度プリペイドカードをカードリーダ
ーに挿入する必要があるため常にプリペイドカードを所
持していなければならない不便があった。

【０００９】また、図５に示す関西電力方式は特に、不
特定の使用者が共通して使用する（例えばキャンプ場等
に使用者が持ち込んだ電気機器の電気料金の支払い方
式）ため、電子式電力量計量部を設けており高精度であ
るが、この電子式電力量計量部が高価で設備費が嵩む点
に問題がある。

【００１０】本発明の目的は、装置が比較的安価で、取
り付けに当たって電気機器の起動方式に関係なく簡単に
取り付けられ、一度プリペイドカードをカードリーダー
に読ませるだけで全金額分の時間が登録され、零になる
まで随時利用できて使用の都度プリペイドカードを必要
としない、独身寮等において管理者と特定の電気機器利
用者との間で概略電気料金を精算する場合等にきわめて
便利な電気機器における簡易精算型プリペイドカード方
式を提供することにある。

【００１１】また、本発明装置の設置により、建物の管
理費に含めて一律に精算していた電気料金を、使用の度
合いに応じたものにするとともに、独身寮等で生じやす
い不在時の電源スイッチの切り忘れによるエネルギーの
浪費防止による省エネ効果を狙いとするものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達するため
のこの発明は、エアコン等の生活関連電気機器の電源回
路に、エンコードされたプリペイドカードを読み取って
上記電気機器を使用可能状態にするカード利用装置を介
在設置して、該カード利用装置が読み取ったプリペイド
カードの金額を、所定容量負荷の電気機器を使用できる
時間に換算して可使用時間として登録し、任意の電気機
器の使用による負荷電流を電源回路に設けた電流検出セ
ンサにより検出して、該検出電流値を上記所定容量負荷
の電流値に対応する時間に換算して上記可使用時間から
減算し、登録されている可使用時間が零となったとき電
源を「切り」とする、電気機器における簡易精算型プリ
ペイドカード方式である。

【００１３】また、上記電気機器における簡易精算型プ
リペイドカード方式において、上記所定容量負荷の電流
値を、定容量負荷の指定電気機器１台の負荷電流値と一
致させて、該指定電気機器１台のみを使用可能とする方
式である。

【００１４】また、プリペイドカードを読み取るカード
リーダー部と、該カードリーダー部が読み取ったプリペ
イドカードの金額を、所定容量負荷の電気機器の可使用
時間に換算して登録する時間登録部と、電気機器の電源
回路に設けた電流検出センサと、該電流検出センサが検
出した負荷電流を電流値に応じた信号に変換する信号変
換部と、該信号変換部からの信号を上記負荷電流に該当
する時間に換算して時間登録部に登録されている可使用
時間から減算する演算部と、時間登録部に登録されてい
る可使用時間を表示する表示部と、登録されている可使
用時間が零のとき電源回路に設けた開閉機構部を「切
り」とする開閉制御部と、該開閉制御部用の電源スイッ
チと、停電時に登録されている可使用時間情報が消失す
るのを防止する停電補償部とにより構成した、電気機器
における簡易精算型プリペイドカード装置である。

【００１５】

【作用】フリペイドカードの金額を読み取って、その金
額分だけ所定容量負荷の電気機器を使用できる時間に換
算した可使用時間が登録されると、電源回路を開閉する
開閉機構部が「入り」して電気機器を使用できる状態に
するとともに、登録された可使用時間が表示部に表示さ
れる。

【００１６】この状態で電気機器の操作スイッチを入れ
ると、電源回路に電流が流れて電気機器は稼働状態とな
り、この電源回路の電流を電流検出センサが検出してそ
の負荷電流信号により信号変換部を起動し、この信号変
換部が電流の大きさに応じたパルス信号を発して演算部
に送り、演算部は登録されている可使用時間から消費し
た電力量に該当する時間を減算して表示部に表示する。

【００１７】かくして、登録時間を全部使用したとき開
閉機構部を「切り」として電気機器の作動を停止する。

【００１８】

【実施例】以下この発明を、図面を参照として説明す
る。 〔第１実施例〕図１は本発明を実施するための装置の第
１実施例として、定容量負荷のエアコンを１台のみ使用
する場合で、カード利用装置を一体にまとめたものを示
す構成概要図、図２は同じく実際の設置状態を示す図で
ある。

【００１９】エアコン（１）は定容量負荷（２）に連な
る電源回路（３）を開閉する負荷開閉器（４）を備え、
この負荷開閉器（４）の制御部（５）を操作スイッチ
（６）によりリモートコントロールしてエアコン（１）
を起動・停止する。

【００２０】電源回路（３）にはカード利用装置（７）
が介在して設けてあり、このカード利用装置（７）には
プリペイドカード（８）を挿入するカード挿入部（９）
を持ち、このカード挿入部（９）に対応してカードリー
ダー部（１０）が設けてあり、このカードリーダー部
（１０）がプリペイドカード（８）の金額を読み取っ
て、この金額で定容量負荷（２）を稼働し得る時間を演
算して使用可能時間を登録する時間登録部（１１）がカ
ードリーダー部（１０）に連続して設けてあり、この時
間登録部（１１）はリセットスイッチ（１１ａ）を備え
ている。

【００２１】さらに、カード利用装置（７）内には、電
源回路（３）に設置された電流検出センサ（１２）と、
この電流検出センサ（１２）からの負荷電流信号を受け
て、これを信号に変換する信号変換部（１３）と、この
信号変換部（１３）からの信号を受けて時間登録部（１
１）に登録されている可使用時間から、消費した電流分
に該当する時間を減算する演算部（１４）と、登録され
ている可使用時間を表示する表示部（１５）と、可使用
時間が登録されている時は電源回路（３）を「入り」に
保持する開閉制御部（１６）と、この開閉制御部（１
６）からの指令を受けて電源回路（３）を開閉する開閉
機構部（１７）と、可使用時間登録されている条件のも
とでこの開閉機構部（１７）を開閉するための電源スイ
ッチ（１８）と、停電時に可使用時間登録の消失を防止
する停電補償部（１９）とを備えている。

【００２２】以上の構成を持つカード利用装置（７）
に、購入したプリペイドカード（８）をカード挿入部
（９）から挿入すると、カードリーダー部（１０）がプ
リペイドカード（８）の金額を読み取って、この金額で
定容量負荷（２）を持つエアコン（１）を使用できる時
間が、時間登録部（１１）に登録されて、プリペイドカ
ード（８）は用済みとなり廃棄する。

【００２３】こうして可使用時間登録し電源スイッチ
（１８）を「入り」とすれば、開閉制御部（１６）が作
動して開閉機構部（１７）を「入り」としてエアコン
（１）が随時使用できる状態となる。この可使用状態に
おいて、操作スイッチ（６）によりエアコン（１）の制
御部（５）を作動させて負荷開閉器（４）を「入り」に
してエアコン（１）を作動させる。

【００２４】エアコン（１）が作動することにより電源
回路（３）を流れる定容量負荷（２）の電流を電流検出
センサ（１２）が検出して、その負荷電流信号を信号変
換部（１３）に送って、この信号変換部（１３）が負荷
電流信号に応じた信号を発して演算部（１４）に送り、
この演算部（１４）が受信した信号を時間に換算して時
間登録部（１１）に登録されている可使用時間から刻刻
減算して、残可使用時間を表示部（１５）に刻刻表示す
る。

【００２５】可使用時間が減算されて零になったとき開
閉制御部（１６）が開閉機構部（１７）を「切り」と
し、電源回路（３）を遮断してエアコン（１）を停止す
る。

【００２６】従って、何時でもエアコン（１）が使用で
きる状態としておくためには、表示部（１５）に注意し
て、可使用時間が残っている中に新たなカード（８）を
購入してカード端末装置（７）に追加して可使用時間を
登録しておく必要がある。

【００２７】以上は、定容量負荷の場合についての説明
であるが、エアコン（１）とテレビ受像機（図示省略）
を同時に使用するときのように負荷が大きくなる場合
や、エアコン（１）より定容量負荷の小さい電気機器を
使用する場合は、信号変換部（１３）を、電流検出セン
サ（１２）が検出する電流の大きさに応じて変化する信
号を発する機能を持ったものとし、さらに演算部（１
４）を変化する信号に応じて可使用時間を減算する機能
を持ったものとすることにより、負荷電流に応じた時間
を減算させるものである。

【００２８】〔第２実施例〕図３は本発明を実施するた
めの装置の第２実施例として、電気機器（１ａ），（１
ｂ）を２台（３台以上の場合もある）同時に使用し、さ
らに第１実施例のカード利用装置（７）をカード端末装
置（７ａ）と制御装置（７ｂ）の２つに分割して、カー
ド端末装置（７ａ）を小型にして使用に便利な位置に取
り付け、制御装置（７ｂ）は目立たない位置に取り付け
られるようにした構成概要図であり、図４は同じく実際
の設置状態を示す図である。なお、第１実施例と同一部
分には同じ符号を付して説明する。

【００２９】カード端末装置（７ａ）には、プリペイド
カード（８）を挿入するカード挿入部（９）が設けてあ
るとともに、カードリーダー部（１０）と、時間登録を
リセットするリセットスイッチ（１１ａ）と、表示部
（１５）と、電源スイッチ（１８）が組み込まれてお
り、これらの構成要素は実施例１のものと同一であるた
め作用説明を省略する。このカード端末装置（７ａ）は
半埋め込み型としたり、カード挿入口（９）を表示部
（１５）及び電源スイッチ（１８）と同様に表面に設け
て埋め込み型として見栄えをよくする場合もある。

【００３０】制御装置（７ｂ）には、時間登録部（１
１）と、電源回路（３）に設けた電流検出センサ（１
２）と、信号変換部（１３ａ）と、演算部（１４ａ）
と、開閉制御部（１６）と、開閉機構部（１７）が組み
込まれており、これらの構成要素のうち、信号変換部
（１３ａ）と、演算部（１４ａ）以外のものは実施例１
のものと同一であるため作用説明を省略する。

【００３１】この信号変換部（１３ａ）と演算部（１４
ａ）は、電気機器Ａ（１ａ）と電気機器Ｂ（１ｂ）の２
台（３台以上の場合もある）を使用するため、負荷が変
動することがあり、この負荷の変動による負荷電流の変
化に対応して変化する信号を発する機能を備えている信
号変換部（１３ａ）とするとともに、この変化する信号
を変化に応じた可使用時間に換算して、時間登録部（１
１）に登録されている可使用時間から減算する機能を持
った演算部（１４ａ）としてある。

【００３２】この点、前記第１実施例の場合は、一定容
量の負荷であるから、信号変換部（１３）は一定の信号
を発するものであればよく、演算部（１４）も一定の信
号を受けて演算するのみであるから、信号変換部（１
３）及び演算部（１４）は簡単な構成でよいことにな
り、そのため第２実施例に使用するものよりも安価なも
のとなる。

【００３３】なお、本発明の実施に当たって、電気機器
の微小な待機電流は建物の管理費に含めて使用者には負
担させないように電流検出センサ（１２）がカットする
ようにすることもできる。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したこの発明に係わる電気機器
におけるプリペイドカード方式によれば、カードの金額
を所定容量の電気機器の可使用時間として一度に登録す
る方式としたことにより、電気機器の使用の都度カード
を挿入する必要がなくなり、カードは１度カード端末装
置に読み取らせるだけで無効となるから廃棄すればよ
く、常にカードを所持する必要がなくて便利であるとと
もに、表示されている残時間が少なくなったときに新た
なカードを使って可使用時間を追加登録すればよく、こ
うすることによって電気機器の使用中に料金切れで中断
してしまうといった不都合が解消できる。

【００３５】また、プリペイドカード方式としたことに
より、カードの販売によって前払い料金が徴収できるの
で集金が不要となり、集金のための労力費や事務的経費
が節約でき、さらにコインタイマー方式の際の集金のた
めにプライベートルームに入室する必要もなくなるもの
である。

【００３６】また、本方式は電力会社との電力料金の精
算を目的としない簡易精算型構成として、電源回路に電
流検出センサを設けて検出した負荷電流をパルス信号に
変換し、このパルス信号を受けて登録されている可使用
時間から負荷電流に該当する時間を減算する方式とした
ことにより、高価な電力計量器を使用する必要がなくな
って、安価な設備で本方式を実施できるとともに、装置
の設置に当たって対象となる種々の起動方式を持つ電気
機器自体から起動状態を検出する必要がないから電気機
器に手を加えることなく装置の設置工事が簡単に行える
等の効果が得られるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方式を実施するための装置の第１実施例
を示す構成概要図である。

【図２】図１の装置の実際設置状態例を示す図である。

【図３】本発明方式を実施するための装置の第２実施例
を示す構成概要図である。

【図４】図２の装置の実際設置状態例を示す図である。

【図５】従来の関西電力株式会社のプリペイドカード方
式例を示すブロック図である。

【符号の説明】 １・・エアコン ２・・定容量負荷 ３・・電源回路 ７・・カード利用装置 ７ａ・・カード端末装置 ７ｂ・・制御装置 ８・・プリペイドカード １０・・カードリーダー部 １１・・時間登録部 １２・・電流検出センサ １３・・信号変換部 １４・・演算部 １５・・表示部 １６・・開閉制御部 １７・・開閉機構部 １８・・電源スイッチ １９・・停電補償部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 生活関連電気機器の電源回路に、エンコ
   ードされたプリペイドカードを読み取って上記電気機器
   を使用可能状態にするカード利用装置を介在設置して、
   該カード利用装置が読み取ったプリペイドカードの金額
   を所定容量負荷の電気機器を使用できる時間に換算して
   可使用時間として登録し、電気機器の使用による負荷電
   流を電源回路に設けた電流検出センサにより検出して、
   該検出電流値を上記所定容量負荷の電流値に対応する時
   間に換算して上記可使用時間から減算し、登録されてい
   る可使用時間が零となったとき電源を「切り」とするこ
   とを特徴とする、電気機器における簡易精算型プリペイ
   ドカード方式。
2. 【請求項２】 上記所定容量負荷の電流値を、定容量負
   荷の指定電気機器１台の負荷電流値と一致させて、該指
   定電気機器１台のみを使用可能とした、請求項１記載の
   電気機器における簡易精算型プリペイドカード方式。
3. 【請求項３】 プリペイドカードを読み取るカードリー
   ダー部（１０）と、該カードリーダー部が読み取ったプ
   リペイドカードの金額を、所定容量負荷の電気機器の可
   使用時間に換算して登録する時間登録部（１１）と、電
   気機器の電源回路（３）に設けた電流検出センサ（１
   ２）と、該電流検出センサが検出した負荷電流を電流値
   に応じた信号に変換する信号変換部（１３）と、該信号
   変換部からの信号を上記負荷電流に該当する時間に換算
   して時間登録部（１１）に登録されている可使用時間か
   ら減算する演算部（１４）と、時間登録部（１１）に登
   録されている可使用時間を表示する表示部（１５）と、
   登録されている可使用時間が零のとき電源回路（３）に
   設けた開閉機構部（１７）を「切り」とする開閉制御部
   （１６）と、該開閉制御部用の電源スイッチ（１８）
   と、停電時に、登録されている可使用時間情報が消失す
   るのを防止する停電補償部（１９）とにより構成したこ
   とを特徴とする、電気機器における簡易精算型プリペイ
   ドカード装置。