JPH06126402A - 連続鋳造鋳型内溶鋼の合金富化方法 - Google Patents

連続鋳造鋳型内溶鋼の合金富化方法

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JPH06126402A
JPH06126402A JP30799492A JP30799492A JPH06126402A JP H06126402 A JPH06126402 A JP H06126402A JP 30799492 A JP30799492 A JP 30799492A JP 30799492 A JP30799492 A JP 30799492A JP H06126402 A JPH06126402 A JP H06126402A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電磁力による溶鋼攪拌装置と溶鋼面を自動制
御するための湯面検出制御手段を具備した鋳型を用いて
鋳造を行い、同時に鋳型内の溶鋼中に溶鋼成分とは異な
るワイヤまたは内部に合金成分を含有するワイヤを投入
して鋳型内溶鋼成分の全部または一部の成分を変更する
連続鋳造方法を提供する。 【構成】 鋳型5内壁に沿って湯面検出手段8から溶鋼
攪拌装置6によって誘起される溶鋼流動13の上流側に
向かってワイヤ9投入位置までの距離をL(mm)とす
る。鋳型5がサイズa(mm)×b(mm)の矩形の場
合、2(a+b)>L≧250(mm)、鋳型5が半径
r(mm)の円形の場合、6.28r>L≧250(m
m)を満足する位置にワイヤ9を投入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造鋳型内溶鋼の
合金富化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造は、上下が開放された水冷
鋳型内に溶鋼を連続的に注入し、注入量を制御して所定
の引抜き速度で鋳造するのが一般的である。鋼の連続鋳
造の湯面はSiO2 、CaO、Al2 3 などの酸化物
を主体とした成分からなるパウダーと呼ばれる鋳型潤滑
材と接触することから、湯面が乱れると鋳型潤滑材を溶
鋼内に巻き込むことがある為、鋳片の表面品質を向上す
る上で湯面位置を一定として注入することが重要であ
る。パウダーを巻き込むと、パウダーは前記成分を主体
とする酸化物であるのでいわゆる非金属介在物となり、
強度、延性、切削加工性を著しく減少させるので品質上
大きな問題となる。更に、湯面は鋼が最初に凝固開始す
る位置であるので、湯面の乱れがそのまま表面凹凸を誘
起して疵の原因となる。
【0003】こうした背景から、鋳型内の湯面を一定に
制御するため、湯面検出手段を設けて、この信号により
例えばストッパやスライディングゲートなど溶鋼注入手
段を制御することが行われている。製品品質の厳格化が
著しい今日、この制御システムは品質を満足させる上で
不可欠であると言っても過言ではない。
【0004】湯面検出手段には、例えば渦電流を利用し
たものがある。これは磁場発生コイルと磁場検出コイル
からなり、発生コイルに交流電流を流して導体である溶
鋼に渦電流を発生させ、渦電流によって発生する磁場か
ら検出コイルに誘起される電流で導体の位置を測定する
もので、誘起される渦電流と磁場が導体との距離によっ
て変化することを利用したものである。これ以外にγ線
を透過する方法、鋳型内に熱電対を設けて温度情報から
湯面位置を推定する方法などがあるが、被爆の危険性や
応答性の点から前記渦電流式が最も多く用いられるよう
になった。
【0005】一般に、連続鋳造は取鍋からタンディッシ
ュと呼ぶ中間容器を介して注入ノズルから鋳型内に溶鋼
を注入して行う。この際、鋳造する溶鋼は事前に成分を
調整しているので、成分が均一な鋳片を歩留り良く得る
ことが可能である。しかも、一層の歩留り向上のため取
鍋容量を大型化し、大ロットで製造するのが最も効率的
で、国内外で大容量化が指向されてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年製品構成
が多様化し、かつ付加価値の高い製品は必ずしも市場規
模が大きくなく、小ロットであることが多い。すなわ
ち、小ロット多品種である。かような状況においても効
率的に製造することが急務であり、低コストで高機能鋼
材の製造が求められている。しかし、鋳造量は取鍋の容
量で決定されるため、小ロットで効率的に製造するに
は、成分の調整を鋳造直前すなわち鋳型内で実施できれ
ば多大なメリットを享受できる。本発明者らは、こうし
た観点から取鍋溶鋼を母溶鋼として成分変更を可能とす
るための検討を行ってきた。
【0007】鋼材の高機能化を達成するには合金成分を
添加することが多く、その含有量は0.1〜2重量%程
度であることが多い。従って、僅かに異なる成分系を製
造する場合には、ベース成分を揃えた後に必要な鋳造量
で合金元素を添加すればよい。一方、合金成分を10〜
20重量%含有する特殊鋼がある。この場合は添加量が
大きく異なるため鋳型内での調整は困難であるが、高合
金鋼でも微量元素として添加する元素が少なくなく、例
えば合金元素としてC、Si、Mn、S、Pb、Ti、
B、Nb、Cr、Vなどがある。
【0008】合金元素を微量添加し、成分調整する方法
としてタンディッシュの活用が考えられるが、タンディ
ッシュ容量は数10t程度が一般的で、比較的ロットが
大きくなる。更に、成分調整に時間を要するため、この
間の温度降下を補償するには精錬工程での溶鋼温度上昇
やタンディッシュでの加熱装置を必要とする。溶鋼温度
の上昇は前工程での温度上昇も引き起こし、耐火物消耗
を促進し、コストが増加する。また、加熱装置は設備コ
スト増,消費電力増を招き、いずれもコストを増加させ
る。鋳片は鋳造先頭と終端部が介在物、引け巣などによ
り製品として使用できず、歩留りが極めて低いのが一般
的である。
【0009】これに対し、鋳型での合金添加は投入を安
定化させることが前提となるが、いずれ冷却される溶鋼
の顕熱を利用するのでメリットは極めて大きい。
【0010】鋳型内での合金添加としては、特公昭55
−14847号公報に開示されているように、鋳型内に
合金成分を含有するワイヤを投入するものがある。これ
は、鋳型サイズ、鋳造速度とワイヤ投入速度をコントロ
ールして所定の成分を投入するものである。しかし、こ
れは湯面検出手段、電磁攪拌装置には言及されていない
うえ、鋳造の特性を十分考慮したものではない。即ち、
合金成分を調整するために投入したワイヤは湯面を大き
く乱し、湯面検出手段に大きな外乱を与え、事実上湯面
一定制御を達成できなくなる。これによって鋳片品質が
保証されないのは前述の通りである。
【0011】鋳型内で溶鋼成分を変更し、かつ鋳型内電
磁攪拌を利用する技術としては、特公昭63−6110
7号公報に開示されたものがある。これは、目標鋳片組
成に対して一部または全部の成分の濃度が低い溶鋼を鋳
型内に注入し、鋳型内に注入された溶鋼に電磁力にて
0.2〜2m/secの流速の強制攪拌を与えると共
に、攪拌強度の低い部分の溶鋼中に目標鋳片組成となる
ように添加剤を線状または帯状で添加する表面の健全な
鋳片の連続鋳造方法である。
【0012】これは、鋳型内溶鋼成分の変更を目的とす
るものである。しかし、前述したように鋳型内攪拌装置
で強制攪拌を行った場合、湯面の乱れが助長されるため
表面疵が多発し、表面の健全性は完全には保証されな
い。特に、攪拌流速が0.5m/secを越えると湯面
変動が著しく、表面欠陥はおろかブレークアウトに至
る。また、0.5m/sec以下では十分な攪拌が得ら
れず、合金元素の均一な分布を保証することができな
い。従って、溶鋼の電磁力による攪拌下では、線状また
は帯状添加剤の投入位置が極めて重要である。
【0013】本発明者らは、鋳型サイズ247mm×3
00mmの断面で溶鋼攪拌装置、渦流式湯面制御装置を
有する鋳型および162mm×162mmの同装置を具
備した鋳型を用い、鋳型サイズの影響を含め調査を行っ
た。その結果、ワイヤ投入位置を前記検出手段や攪拌装
置と全く無関係に定めた場合は湯面変動が著しく、ワイ
ヤ投入前の湯面変動は静止湯面に対して±2mm程度で
あったのがワイヤ投入と同時に±6〜10mmにも達し
た。湯面変動速度もワイヤ投入前約1mm/秒が投入後
4mm/秒にも達した。勿論、このような状況で鋳造し
た鋳片ではブレークアウト(鋳片が破れ内部溶鋼が吹出
す設備事故)が頻発した。また、ブレークアウトまで至
らない場合でも、鋳片表面にパウダーの噛み込みや肌荒
れなどの品質異常が多く発生した。従って、ワイヤ投入
と湯面安定を両立させる技術の確立が不可欠である。
【0014】次に、鋳型内の溶鋼中に合金成分を添加す
る応用技術として複合鋼材の製造があり、例えば特公平
4−16257号公報開示のものがある。しかし、これ
は鋳造に実質的に重要な湯面検出手段や電磁攪拌装置と
の組合わせ技術を示しておらず、湯面検出手段、鋳型内
攪拌と組合わせた製造法を示すものではない。
【0015】本発明は、母溶鋼成分が類似しているもの
の合金成分を微調整して異なった小ロット製品を製造す
るに当り、ワイヤを鋳型内に投入しても大きな湯面変動
を起こさず、高品質を維持しつつ安価に効率良く製造す
る方法を提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は以下の通
りである。
【0017】 電磁力による溶鋼攪拌装置と溶鋼面を
自動制御するための湯面検出制御手段を具備した鋳型を
用いて鋳造を行い、同時に鋳型内の溶鋼中に溶鋼成分と
は異なるワイヤまたは内部に合金成分を含有するワイヤ
を投入して鋳型内溶鋼成分の全部または一部の成分を変
更する際に、鋳型がサイズa(mm)×b(mm)の矩
形の場合、鋳型内壁に沿って湯面検出手段から該溶鋼攪
拌装置によって誘起される溶鋼流動の上流側に向かって
ワイヤ投入位置までの距離をL(mm)とし、ワイヤを
下記条件数3を満足する位置に投入することを特徴とす
る連続鋳造鋳型内溶鋼の合金富化方法。
【0018】
【数3】2(a+b)>L≧250 (mm)
【0019】 電磁力による溶鋼攪拌装置と溶鋼面を
自動制御するための湯面検出制御手段を具備した鋳型を
用いて鋳造を行い、同時に鋳型内の溶鋼中に溶鋼成分と
は異なるワイヤまたは内部に合金成分を含有するワイヤ
を投入して鋳型内溶鋼成分の全部または一部の成分を変
更する際に、鋳型が半径r(mm)の円形の場合、鋳型
内壁に沿って湯面検出手段から該溶鋼攪拌装置によって
誘起される溶鋼流動の上流側に向かってワイヤ投入位置
までの距離をL(mm)とし、ワイヤを下記条件数4を
満足する位置に投入することを特徴とする連続鋳造鋳型
内溶鋼の合金富化方法。
【0020】
【数4】6.28r>L≧250 (mm)
【0021】
【作用】本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】図1(a)は連続鋳造における鋳型内ワイ
ヤ添加の模式図、図1(b)、(c)は図1(a)のA
−A断面を示す鋳型の平面図で、(b)は矩形断面の鋳
型の場合、(c)は円形断面の鋳型の場合のワイヤ投入
位置と湯面検出手段の設置位置の関係を示す。
【0023】溶鋼2を取鍋1から溶鋼注入装置1aを用
いてタンディッシュ3に注入し、ストッパ3aおよび注
入ノズル4を介して水冷鋳型5に注入し、鋳片として鋳
造方向15に鋳造する。この際、溶鋼2には溶鋼攪拌装
置6によって強制流動が与えられ、溶鋼流動13を形成
する。更に、ワイヤ9が強制的に鋳型5内に投入され、
ワイヤ投入位置とその後流に湯面乱れ14が不可避的に
生成し、これがパウダー10を巻き込む原因を作る。ま
た、巻き込みが生じなくても、湯面乱れ14により湯面
7と水冷鋳型5が接触した場合には溶鋼と鋳型5が焼き
つき、ブレークアウトを引き起こすことがある。ワイヤ
9が鋳型内溶鋼12中で十分混合した場合には、凝固殻
11全体が合金元素を均一に含有した材料となる。一
方、ワイヤ9の投入速度を増加させるとワイヤ9は鋳型
内溶鋼12の深い領域で溶解するため、既に上部で生成
した凝固殻11には合金元素が含有されず、深部の溶鋼
12とは異なった成分となり、複合材料とすることがで
きる。
【0024】図1(b)、(c)で、Lは湯面検出手段
8から攪拌による溶鋼流動13に対して上流側に向か
い、鋳型内壁面に沿ったワイヤ9投入位置までの距離で
ある。矩形断面の鋳型の場合には、図1(b)に示すよ
うに、鋳型幅a、鋳型厚bとすると、2(a+b)>L
≧250(mm)を満足する範囲内にワイヤ9を投入す
る。また、円形断面の鋳型の場合には、図1(c)に示
すように、鋳型半径をrとすると、6.28r>L≧2
50(mm)を満足する範囲内にワイヤ9を投入する。
【0025】
【実施例】以下、図1に示した連続鋳造機を用いた実施
例について説明する。
【0026】鋳造に用いたのは、Cが0.05〜0.1
0重量%、Siが0.10重量%以下、Mnが0.68
〜1.02重量%、Pが0.020重量%以下、Sが
0.025重量%以下、Alが0.045重量%以下の
炭素鋼である。
【0027】鋳型サイズは、湯面変動が最も起こりやす
く操業が難しい247mm×300mmおよびφ188
mmとした。したがって、a=300mm、b=247
mm、r=94mmである。溶鋼量は1ch当り200
〜270tで、平均250tとした。鋳造は、各試験水
準でブレークアウトが起こらない範囲ではそのまま継続
した。
【0028】合金元素としてはSを鋳型内に添加し、濃
度を目標0.2±0.5重量%の範囲まで富化させた。
Sは、φ8mmの鉄(0.17重量%C鋼)被覆ワイヤ
に封入して使用した。S含有ワイヤによる鋳型内添加
は、湯面から0.3m程度の湯面近傍で溶解させ鋳型内
溶鋼全体にS添加する鋳造と、湯面から1m深さの鋳型
深部で溶解させ鋳型内溶鋼の一部にS添加し、凝固殻と
鋳型内溶鋼成分が異なる鋳造とを行った。ワイヤの溶解
深さは、ワイヤの投入速度を変更することで容易に変更
可能である。ワイヤの形状、融点、Sの含有量、被覆材
材質融点および鋳型内への合金元素添加量などのワイヤ
含熱量、物質収支を予め考慮し、目的の濃度、ワイヤ溶
解位置に応じたワイヤを選択できる。
【0029】S含有ワイヤは鋳型近傍まで案内装置によ
ってガイドし、鋳型内水平方向のぶれは約20mmの円
内に入った。また、ワイヤはコイル状に巻かれており連
続供給が可能で、送りロールなどによって機械的に投入
した。
【0030】鋳型内溶鋼はタンディッシュに設けたスト
ッパにより制御し、ストッパは鋳型内の渦流式の湯面検
出手段の信号を一定とするよう作動させた。ストッパの
材質はMgO系耐火物、注入ノズルはアルミナグラファ
イト系耐火物である。
【0031】図2は、矩形鋳型について湯面検出手段位
置の湯面変動量に及ぼすワイヤ投入位置の影響を示す説
明図である。湯面変動量は、湯面検出手段が検出測定し
た連続測定アナログデータより変化を観察記録した。
【0032】同図より、ワイヤ投入位置が湯面検出手段
より遠ざかるか、ワイヤ投入位置が湯面検出手段の下流
側に位置すれば湯面変動量が減少することが分かる。従
って、湯面検出位置での湯面変動量にワイヤ投入によっ
て外乱が与えられるのを回避するには、ワイヤ投入位置
を湯面検出手段の250mm以上上流側遠方にする(L
≧250mm)か、下流側とする(2(a+b)>L)
必要がある。
【0033】図3は、矩形鋳型について鋳片表面疵発生
率に及ぼすワイヤ投入位置の影響を示す説明図である。
同図より、鋳片表面疵は湯面変動量と同様にワイヤ投入
位置の影響を強く受けることがわかる。従って、疵防止
には湯面の安定確保と同様な条件が要求される。
【0034】図4は、矩形鋳型についてブレークアウト
発生率の改善効果を示す説明図である。ブレークアウト
発生率は、ブレークアウトに至るまでの累計鋳造量から
鋳造量10000t当りの発生回数で示した。1ch当
り平均250tであるから、40ch当りの発生率に相
当する。
【0035】ブレークアウトは湯面の乱れによって起こ
ることが知られており、ワイヤ投入位置を湯面検出手段
に近づけると発生率が高くなる。これは、湯面検出手段
の信号に基づいて溶鋼量をストッパで調整するため、外
乱により操縦が不安定になり易いことも原因している。
従って、ブレークアウトと言った致命的操業トラブルを
未然に防止する上でも、ワイヤの投入位置を慎重に決定
しなければならない。この点でもワイヤ投入位置を湯面
検出手段の下流側、または上流側250mm以上遠方に
することが必須である。
【0036】図5は、鋳型形状が円形の場合のブレーク
アウト発生率を示す説明図である。鋳型が円形の場合に
も、同様にワイヤ投入位置はLが250mm以上遠方
か、下流側とすることが必要である(6.28r>L≧
250mm)。
【0037】この様にして、矩形、円形断面連続鋳造共
に、鋳造後得られた鋳片のS含有量とばらつきは、目標
S濃度0.2±0.5重量%に対して0.21±0.0
2重量%の高精度で的中することを確認した。また、鋳
型内溶鋼の一部を成分変更した場合にも、上記成分的中
率をクリアするとともに、合金元素が富化されない外周
部の凝固殻厚さは目標10±3mmに対して10±1.
5mmの結果を得た。
【0038】
【発明の効果】鋳型に湯面検出手段と電磁力による溶鋼
攪拌装置を具備した連続鋳造機を用い、鋳型内溶鋼の全
部または一部に合金元素を添加する場合には、電磁攪拌
によって誘起される溶鋼流動方向を勘案し、本発明によ
り湯面検出手段と合金元素添加用ワイヤの投入位置を適
正範囲とすることで、安定操業と表面品質の向上を同時
に達成可能である。従って、安定操業と高品質確保によ
り製造コストの低減を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続鋳造において鋳型内にワイヤを投入するた
めの装置を示す図であり、(a)は側面図、(b)は矩
形鋳型の平面図、(c)は円形鋳型の平面図である。
【図2】矩形鋳型について湯面検出手段位置の湯面変動
量に及ぼすワイヤ投入位置の影響を示す説明図である。
【図3】矩形鋳型について鋳片表面疵発生率に及ぼすワ
イヤ投入位置の影響を示す説明図である。
【図4】矩形鋳型についてブレークアウト発生率の改善
効果を示す説明図である。
【図5】円形鋳型についてブレークアウト発生率の改善
効果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 取鍋 1a 溶鋼注入装置 2 溶鋼 3 タンディッシュ 3a ストッパ 4 注入ノズル 5 水冷鋳型 6 溶鋼攪拌装置 7 湯面 8 湯面検出手段 9 ワイヤ 10 パウダー 11 凝固殻 12 鋳型内溶鋼 13 溶鋼流動 14 湯面乱れ 15 鋳造方向 L 鋳型内壁に沿って湯面検出手段から溶鋼攪拌装置
によって誘起される溶鋼流動の上流側に向かってワイヤ
投入位置までの距離 a 鋳片幅 b 鋳片厚 r 鋳片半径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保坂 守男 北海道室蘭市仲町12 新日本製鐵株式会社 室蘭製鐵所内 (72)発明者 阿部 勝 北海道室蘭市仲町12 新日本製鐵株式会社 室蘭製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁力による溶鋼攪拌装置と溶鋼面を自
    動制御するための湯面検出制御手段を具備した鋳型を用
    いて鋳造を行い、同時に鋳型内の溶鋼中に溶鋼成分とは
    異なるワイヤまたは内部に合金成分を含有するワイヤを
    投入して鋳型内溶鋼成分の全部または一部の成分を変更
    する際に、鋳型がサイズa(mm)×b(mm)の矩形
    の場合、鋳型内壁に沿って湯面検出手段から該溶鋼攪拌
    装置によって誘起される溶鋼流動の上流側に向かってワ
    イヤ投入位置までの距離をL(mm)とし、ワイヤを下
    記条件数1を満足する位置に投入することを特徴とする
    連続鋳造鋳型内溶鋼の合金富化方法。 【数1】2(a+b)>L≧250 (mm)
  2. 【請求項2】 電磁力による溶鋼攪拌装置と溶鋼面を自
    動制御するための湯面検出制御手段を具備した鋳型を用
    いて鋳造を行い、同時に鋳型内の溶鋼中に溶鋼成分とは
    異なるワイヤまたは内部に合金成分を含有するワイヤを
    投入して鋳型内溶鋼成分の全部または一部の成分を変更
    する際に、鋳型が半径r(mm)の円形の場合、鋳型内
    壁に沿って湯面検出手段から該溶鋼攪拌装置によって誘
    起される溶鋼流動の上流側に向かってワイヤ投入位置ま
    での距離をL(mm)とし、ワイヤを下記条件数2を満
    足する位置に投入することを特徴とする連続鋳造鋳型内
    溶鋼の合金富化方法。 【数2】6.28r>L≧250 (mm)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105983670A (zh) * 2015-01-28 2016-10-05 宝山钢铁股份有限公司 一种复合干预改善铸坯内部质量的方法
JP2019098344A (ja) * 2017-11-29 2019-06-24 東洋電化工業株式会社 被覆マグネシウムワイヤー送線方法

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CN105983670A (zh) * 2015-01-28 2016-10-05 宝山钢铁股份有限公司 一种复合干预改善铸坯内部质量的方法
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