JPH061243Y2 - 廃ビン，空き缶類の選別機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、廃品回収された空き缶類を、鉄缶、アルミ缶
のみならず、それらに混在する廃ビンをも含めすべて自
動的に選別し得る廃ビン、空き缶類の選別機に関するも
のである。

（従来の技術） 近年、缶コーヒーや缶ジュースなどの各種飲料類を並べ
て販売する自動販売機の急速な普及に伴い多量に発生す
る鉄缶、アルミ缶等の空き缶類は、燃えないゴミとして
廃品回収されたのち資源の再利用が図られるが、その殆
どが鉄缶、アルミ缶が混在したまま回収されているの
で、資源再生のためには、材質別の選別を必要とする。

そして、それらの選別は、従来は作業員の手作業のみで
なされていたが、汚なく不衛生的で、かつ非効率的であ
ることから、最近では投入した空き缶類の流れから磁石
で鉄缶を磁着し、他の磁着されないアルミ缶と自動的に
選別する選別機が種々提案され実用に供されつつある。

上記自動式の選別機としては、例えば第４図に示す如
く、機体(1)内に、上部から投入した空き缶類がガイド
して、その下部に設けた回転磁気ドラム(2)のほぼ半周
の内部に磁石(3)を固定配置した上方向に回転する側の
外周近傍から下部まで、該ドラム(2)により鉄缶を順次
磁着し下方向回転側で落下させて選別せしめながら流下
させ下端からアルミ缶を落下させるホッパー(4)を備
え、該ドラム(2)の下方に立設した仕切板(5)により、上
記回転ドラム(2)が磁着したまま上方向に回転し更に内
部に磁石(3)が存しない位置まで回転したとき鉄缶が落
下する後方側の鉄缶収容部(6)と前方側の前記ホッパー
(4)下側から落下するアルミ缶の収容部(7)とに仕切って
なるものがある。

（考案が解決しようとする課題） ところが、かかる従来の選別機にあっては、回収空き缶
類が鉄缶とアルミ缶のみの場合は両者を確実に選別し得
て好適であるものの、最近の如く、コーヒー缶やジュー
ス缶に加えてジュース、ビンや各種健康、栄養ドリンク
・ビン等も同じ自動販売機で販売されて、それらの廃ビ
ンが多々混在する回収空き缶類にあっては、鉄缶のみ選
別されて他の非磁性の廃ビンとアルミ缶とは混在したま
まであることから、従って再度、アルミ缶中から廃ビン
を一々取出し選別する手作業を要するという問題があ
り、更には作業員の破損ビンのガラス片による手指の損
害の懸念等安全上での問題もある。

本考案は、かかる問題に対処してなされたもので、その
目的とするところは機体内に、鉄缶を廃ビン、アルミ缶
から選別する回転磁気ドラムの下方に、アルミ缶のみ流
下させる降下板を設け、更に、該降下板の一部をピアノ
鍵盤状に並列した複数の選別部材に分割形成し、廃ビン
の落下可能なバネ定数のバネにより搖動可能に枢着せし
めることにより、廃ビン、鉄缶、アルミ缶の自動的かつ
確実な選別を可能ならしめた廃ビン、空き缶類の選別機
を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するための本考案の廃ビン、空き缶類の
選別機の特徴は、機体内に、上部に廃ビン、鉄、アルミ
缶を一側より供給するホッパーと、その下部に回転磁気
ドラムを設け、該ドラム下方に仕切板を介してドラム回
転方向後方側に鉄缶収容部および該収容部前方に流下方
向に前下りに傾斜する降下板を設け、その前方にアルミ
缶収容部を形成すると共に、前記ドラムのホッパー側ほ
ぼ半周の内部に磁石を固定配置せしめてなり、かつ前記
降下板はそのドラム下方に位置する一部がピアノ鍵盤状
に並列された複数の選別部材に分割形成され、その下部
に廃ビン収容部を形成して廃ビンの落下可能なバネ定数
のバネにより前記複数の選別部材を搖動可能に枢着して
なる構成にある。

（作用） しかして、上記の如き構成になる本考案の廃ビン、空き
缶類の選別機によれば、機体内のホッパー上に混在した
まま投下した廃ビン、鉄缶、アルミ缶はホッパー上を回
転磁気ドラムの半周の内部に磁石を固定配置して上方向
に回転する外周近傍の側部から下部まで該磁気ドラムに
より鉄缶のみ順次磁着され下方向回転側で落下し選別さ
れながら流下して他の廃ビンとアルミ缶はホッパー下端
から下方に前下りに斜設した降下板上に落下する。

このとき、上記降下板には更にその廃ビン、アルミ缶が
落下する部分がピアノ鍵盤状に並列された複数の選別部
材に分割形成され廃ビンの落下可能なバネ定数のバネで
搖動可能に枢着されているので、該各選別部材が、その
上に落下した廃ビンを、該ビンが当接した部材のみが搖
動して下方に落下させて選別したのち直ちに元の位置に
復元する一方、軽量のアルミ缶はそのまま降下板下端ま
で流下せしめて夫々確実に自動選別することになり、か
つ選別後の廃ビン、鉄缶、アルミ缶は、下方の夫々の収
容部に正確に収容されることになる。

（実施例） 以下、本考案に係る廃ビン、空き缶類の選別機の実施例
を添付図面の第１図乃至第３図に基づいて説明する。

これら図において、(1)は、上部を開口する方形箱状の
機体、(2)は該機体(1)内の後壁寄り中間高さ位置に、ほ
ぼ内幅一杯に水平に設けられた回転磁気ドラム（以下、
ドラムと称する）で、機体(1)外部のモータ(M)の駆動に
より所要スピードで第１図に矢示する方向への回転可能
に軸着されている。

そして前記機体(1)はその内部後壁の中間高さ位置から
上記ドラム(2)の上方向に回転する外周近傍の側部を経
て下部まで下降傾斜した機体(1)幅一杯のホッパー(4)が
亘設され、また機体(1)内の後壁上部からドラム(2)の上
方を経て上記ホッパー(4)の前壁寄り上方まで降下傾斜
した機体(1)幅一杯の他のホッパー(4)′が亘設されて上
部の開口から機体(1)内に投下された廃ビン、鉄缶、ア
ルミ缶の混在回収廃品が自然に回転磁気ドラム(2)の上
方向に回転する外周近傍の側部まで流下されて供給され
るようになっている。

なお、機体(1)の高さ制限等で回転磁気ドラム(2)が機体
(1)内後壁寄りの上部に位置して設けられる場合等は前
記他のホッパー(4)′はなくてもよい。

前記回転磁気ドラム(2)はそのホッパー(4)側、即ち、外
周が上方向に回転する側のほぼ半周の内部において第１
図に示す如く、該部分の外周内面に沿う近接位置に強力
な磁石(3)が固定配置されており、回転するドラム(2)の
外周が、該磁石(3)配置部分を上方向に回転するときの
み強力に磁化されてその側部から下部までホッパー(4)
上を流下してくる回収廃品中から鉄缶のみを順次磁着し
ながら上方向に運び上げ、該鉄缶を磁着した外周部分が
更に回転して内部の磁石(2)上端から外れた下方向に回
転する位置で強力な磁気を失って鉄缶が順次落下して、
該ドラム(2)の後部寄り下方に平行に立設した仕切板(5)
により機体(1)内下部をドラム回転方向後方側と前方側
とに画成して形成した上記後方側の鉄缶収容部(6)内に
選別収容されるようになっている。

そして、前記ドラム(2)下方には前記仕切板(5)の中間高
さ位置の前方側に水平に固定した横桟(12)からホッパー
(4)下方の機体(1)底部まで第１図に示す如く機体(1)前
壁方向に前下りに傾斜する降下板(8)がその下方に廃ビ
ン収容部(10)を形成し、下流部をアルミ缶収容部(7)と
なしてほぼドラム(2)幅一杯に展設されている。

上記降下板(8)は、そのドラム(2)下方でかつ前記ホッパ
ー(4)下端から落下する廃ビンとアルミ缶が直接当接す
る広さの上半部が第２，３図に示す如く細長角柱状の複
数の選別部材(9)…に分割形成されており、それら角選
別部材(9)は夫々独立し、その基部に一端部で固着され
た板バネ(11)の他端部を介して前記仕切板(5)前方側の
横桟(12)上に所定の降下角度で並列に枢着され、更に各
板バネ(11)他端部上に一括して亘らせた固定桟(13)によ
り横桟(12)上に強固に固着されて該枢着部を軸に非固定
側前部が矢印方向での搖動可能に全体として第３図に示
す如きピアノ鍵盤状に設けられている。

ここで、上記各板バネ(11)のバネ定数は、前記ホッパー
(4)下端より落下する廃ビンが選別部材(9)上に当接した
とき該選別部材(9)の当接部分のみが負荷により非固定
側前部を下方に回動させて廃ビンを降下板(8)上へ流下
させることなく下方に落下させ直ちに元の位置に復元し
得る数値となっている。

そして、降下板(8)の上半部を選別部材(9)…に分割形成
して上記の如く設けたことによりホッパー(4)下端より
混在したまま先ず選別部材(9)…上に落下した廃ビンと
アルミ缶のうち、軽量のアルミ缶はそのまま下流側のア
ルミ缶収容部(7)まで流下せしめられ、廃ビンは、該ビ
ンが当接した部分の例えば２〜３枚程度の選別部材(9)
のみが搖動して更に下方の廃ビン収容部(10)内に落下せ
しめてられて夫々選別されるのである。

なお、前記降下板(8)の上半部にピアノ鍵盤状に分割形
成する複数の選別部材(9)の寸法形状や、その仕切板(5)
への前部搖動可能な枢着態様も含めて何ら限定されるも
のではなく、要は前記本考案の構成要件を満たし所期の
目的を達成し得るものであればすべて好適である。

（考案の効果） 本考案の廃ビン、空き缶類の選別機は、以上のように機
体内に、回動磁気ドラムを設け、該ドラムの下方に仕切
板を介してドラム回動方向後方側に鉄缶収容部、該収容
部前方に流下方向に前下りに傾斜する降下板を設けてそ
の前方にアルミ缶収容分を形成すると共に、前記ドラム
のホッパー側ほぼ半周の内部に磁石を固定配置し、かつ
前記降下板のドラム下方に位置する一部をピアノ鍵盤状
に並列された選別部材に分割形成し、廃ビンの落下可能
なバネ定数のバネにより各選別部材を各々独立して搖動
可能としたものであるから廃ビン、鉄缶、アルミ缶など
の混在する廃棄物を混在状態のままホッパーへ投ずるだ
けでアルミ缶は軽量のため、そのまま降下板上を流下
し、一方廃ビンはその重さにより下方の選別部材上にお
いて、所要の当接部分のみを下方へ搖動させて下方の収
容部に落下させ、更に鉄缶は磁気ドラムのホッパー側ほ
ぼ半周の内部に配設された磁石により外周に磁着されて
ドラムの回転と共に送られ他半部の磁化消滅と共に解放
されて下方の収容部に収容されて、廃棄物を仕分ける手
間を省き、手作業を要することなく確実にかつ自動的に
選別することができる顕著な効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の廃ビン、空き缶類の選別機の一実施例
を示す縦断面側面図、第２図は同第１図における降下板
の選別部材の拡大図、第３図は同第２図の上面図、第４
図は従来の空き缶類の選別機を示す縦断面側面図であ
る。 (1)…機体、 (2)…回転磁気ドラム、 (3)…磁石、 (4)，(4)′…ホッパー、 (5)…仕切板、 (6)…鉄缶収容部、 (7)…アルミ缶収容部、 (8)…降下板、 (9)…選別部材、 (10)…廃ビン収容部、 (11)…板バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】機体内に、上部に廃ビン、鉄、アルミ缶を
   一側より供給するホッパーと、その下部に回転磁気ドラ
   ムを設け、該ドラム下方に仕切板を介してドラム回転方
   向後方側に鉄缶収容部および該収容部前方に流下方向に
   前下りに傾斜する降下板を設け、その前方にアルミ缶収
   容部を形成すると共に、前記ドラムのホッパー側ほぼ半
   周の内部に磁石を固定配置せしめてなり、かつ前記降下
   板はそのドラム下方に位置する一部がピアノ鍵盤状に並
   列された複数の選別部材に分割形成され、その下部に廃
   ビン収容部を形成して廃ビンの落下可能なバネ定数のバ
   ネにより前記複数の選別部材を各々独立して揺動可能に
   枢着してなることを特徴とする廃ビン、空き缶類の選別
   機。