JPH0612155B2 - 光フアイバー内蔵ホース - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は内部に光フアイバーを内蔵したホースに関す
る。

〔従来の技術〕

従来、洗車装置や塗装装置等は、ホースの一端に洗浄ノ
ズルや塗装ノズル等の手元操作部を装備し、ホースの他
端を洗浄機や塗装機等の装置本体に接続して使用してい
る。

しかし、洗浄ノズルや塗装ノズルを開閉して洗浄水や塗
装液を噴出させる操作は手元操作部で行なうことが出来
るが、洗浄水や塗装液等を加圧するポンプのモーター等
を駆動させ又は停止させる操作は手元操作部では出来
ず、作業者が装置本体まで行つて操作しなければならな
かつた。

そこで上記のような場合には、装置本体から離れた場所
にいる作業者が、ホースの一端を持つたまま手元操作部
で装置本体のモーター等を操作できれば便利であり、こ
のような目的のためにホース内に光フアイバーを埋設し
て手元操作部と装置本体を結び、光フアイバー内を伝播
する光信号により装置本体のモーター等を手元操作部で
操作するようにした遠隔制御装置が提案されている（実
開昭50-48789 号公報参照）。

又、上記のように手元操作用のホースでなくてもホース
本来の用途と信号送信の両方の目的に使用するため、ホ
ース内に光フアイバーを埋設した光フアイバー入りゴム
ホースも提案されている（特開昭64-87238 号公報参
照）。

ところが、上記に提案された光フアイバーを埋設したホ
ースでは、光フアイバーがゴム等のホース材料中に一体
的に埋設固定されていた。しかし、この種ホースは取扱
い中に巻いたり伸ばしたり、更には踏みつけたりするこ
とが頻繁に行なわれるので、その度にホースが屈曲し中
に埋設固定された光フアイバーに負荷がかかる。例え
ば、光フアイバーを外側にしてホースを曲げればホース
内に固定された光フアイバーは引つ張られ、光フアイバ
ーを内側にしてホースを曲げれば光フアイバーは圧縮さ
れる。その結果、ホースの曲りが過度の場合には屈曲個
所で光フアイバーが変形して断面積が増減し、光信号の
淫れがおこり誤動作の原因となることがあり、又このよ
うな負荷が繰返し与えられると光フアイバーが損傷した
り断線することもあつた。更に、洗浄ノズルの開閉等に
よりホース内の流体が加圧されたり、加圧がなくなつた
りする度にホースは伸縮し、又ポンプの脈動によりホー
スが頻繁に伸縮するさ、光フアイバーがホースと一体に
固定されていると、光フアイバーもホースと一緒に伸縮
することになり、このような負荷の繰返しによつても光
フアイバーが疲労して容易に損傷又は断線する危険があ
つた。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明はかかる従来の事情に鑑み、ホースが屈曲や伸縮
を繰返し受けても、ホース内部に設けた光フアイバーに
与えられる引つ張りや圧縮又は伸縮のような負荷をなく
して光フアイバーの損傷や破損をなくした光フアイバー
内蔵ホースを提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本発明の光フアイバー内蔵ホ
ースは、ホースと、ホース内部にその長さ方向に沿い一
体的に埋設された保護管と、保護管内に固定することな
く挿通された光フアイバーとを備え、ホースの両端部で
切欠かれたホース外周部及び保護管から露出した光フア
イバーを螺旋状に巻き回し、光フアイバーの露出した部
分を取り囲む保護筒をホース両端部に取付けたことを特
徴とする。

本発明にかかるホースは、加硫ゴム、プラスチツク、又
は熱可塑性エラストマーからなるか、又はこれらの２以
上を積層したホースであつて良く更に内部に補強糸等を
編組し又は巻き付けた補強層を備えることが出来る。

一方、保護管もホースと同様の材料から形成することが
出来るが、外圧及び内圧から光フアイバー保護できる適
度な硬さと強度を有することが好ましい。又、保護管は
ホース内に長さ方向に沿つて直線的に又は螺旋状に埋設
して配置し、補強層を有するホースについては補強層の
外周に配置することが製造上好ましい。

又、プラスチック系光フアイバーはゴム加硫温度で機能
低下する欠点があるので、ゴムを少なくとも一部に用い
るホースではゴムの加硫に曝さないようにする必要があ
る。例えば、ゴムホース内に保護管を埋設して加硫した
後、保護管内に光フアイバーを挿入する方法、若しくは
光フアイバーの挿通した保護管を加硫ゴム又はプラスチ
ック若しくは熱可塑性エラストマーからなるホース内面
層又はその外周に形成した補強層の上に施し、保護管と
前記内面層又は補強層の外周に外面層として加硫を要し
ないポリオレフイン系又はポリスチレン系熱可塑性エラ
ストマーを押出成形する方法等がある。

上記の熱可塑性エラストマーは押出成形するだけで、即
ち加硫することなく、加硫ゴムに近似して諸性質を得る
ことが出来る。尚、ガラス系光フアイバーでは加硫を避
ける必要はない。

〔作用〕

本発明の光フアイバー内蔵ホースでは、保護管はホース
に一体的に固定されているが、光フアイバーはホースに
一体的に固定されておらず、保護管内を長さ方向に移動
したり、保護管内で曲げ方向と反対側に突き出るなど、
保護管内を自由に移動しうる。しかも、ホース両端部で
光フアイバーを螺旋状に巻いて遊びをもたせてあるの
で、ホースが長く且つ屈曲が大きい場合であつても、光
フアイバーの移動が妨げられることがない。

従つて、従来ならホースの屈曲によつて光フアイバーが
引つ張られ又は圧縮される場合でも、本発明においては
光フアイバーは保護管内を移動して、螺旋状巻回し部か
ら保護管内に引き込まれ又は保護管内から巻回し部に押
し出され更に屈曲個所の保護管内で曲げ方向にズレるこ
とにより、本来与えられるべき負荷を大幅に軽減出来
る。又、ホース内圧の増減やポンプの脈動によつてホー
スが伸縮しても、光フアイアーは保護管内を移動して伸
縮を吸収するので、殆ど負荷がかからない。かくして、
ホースの屈曲や伸縮に対して、光フアイバー自身の引つ
張りや圧縮若しくは伸縮などの負荷を抑えるので、光信
号の乱れによる誤動作を防止でき、同時に光フアイバー
の損傷や破損を無くすことが出来る。

又、光フアイバーは保護管内に挿通してホースに内蔵さ
れているので、ホースに加わる内圧及び外圧に対して保
護管が内部の光フアイバーを保護することができ、しか
もオースの内外周に光フアイバー等が露出していないの
で、流体の移送やホースの移動に支障となることがな
い。

〔実施例〕

第１図及び第２図を参考に本発明の光フアイバー内蔵ホ
ースの一具体例を説明する。

この光フアイバーを内蔵したホース１は、内面層２とし
て内系10mmに軟質のナイロン12を押出成形し、この内面
層２の外周にポリエステル補強糸を編組して補強層３を
形成し、この補強層３上に外側が塩化ビニルで内側がポ
リエチレからなる外径2.2mmで内径1.2mmの円筒形の保護
管４を長さ方向に直線的に施しながら、外面層６として
ポリオレフイン系熱可塑性エラストマー「サントプレー
ン（三菱モンサント化成(株)の商品名）」を押出成形し
て連続的に製造した。尚、保護管４内には外径1.0mmの
光フアイバー５（住友電気工業(株)のSUCCA・OPT-VZXEG-
5/35）が前もつて挿入してある。かくして得られた光フ
アイバー内蔵ホースの外径は19.00mmであり、内外周と
も真円状であるが、内周と外周をわずかに偏心させて光
フアイバー埋設部を編肉にしてある。

更に、光フアイバー内蔵ホースを洗車用ホース等の手元
操作用ホースとして合用する場合は、ホース１の両端部
に手元操作部又は装置本体に接続するための接続金具
（アツセンブリー）を挿入する必要がある。

この具体例においては、第１図に示すように、接続金具
を取付けるホース両端部において外側層６を除去し、保
護管４を切断して露出させた光フアイバー５を補強層３
の回りに螺旋状に数回巻き回す。次に、ホース端部に接
続金具７を挿入し、外周に挿入したスリーブ金具８をか
しめて両者を固定する。更に光フアイバー５の露出した
部分を取り囲むようにホース両端部の外周をスポンジ等
で形成した保護筒９で覆い、保護筒９の両端を固定バン
ド１０で光フアイバー５が破損しない程度に締め付け固
定した。

このようにして得られた光フアイバー内蔵オースの揺動
インパルステストを行なつた。即ち、ホース一端の延長
線上にホース他端を一端と直交する方向に固定し、ホー
ス一端から油温40℃の試験油を圧力70kg×150％及び加
圧サイクル70cpmで圧送しながら、ホースの最少屈曲半
径が一端側で80mm及び他端側で70mmとなるように一端を
他端側に揺動サイクル20cpmで往復移動させた。

50万回の揺動後も、ホースに異常はなく又内蔵された光
フアイバーの透光率にも変化はなかつた。

尚、保護管４の形状は第２図の円筒形に限られないが、
第３図又は第４図に示すように外筒11内に樋状（第３
図）又は筒状（第４図）の芯材12を非固定状態に挿通し
た二重構造の保護管が特に好ましい。例えば、塩化ビニ
ル等の伸びのある柔らかい樹脂からなる外筒11の内部
に、ポリエチレン等の伸びのない硬い樹脂からなる樋状
又は筒状の芯材12を挿通し、芯材12と樋内又は筒内に光
フアイバー５を挿通すれば、硬い樹脂からなる芯材12に
より光フアイバー５が内圧及び外圧から保護されるう
え、ホースの屈曲時には硬い芯材12が外筒11内で移動す
るのでホースのフリキシブル姓を阻害することがない。

〔発明の効果〕

本発明の光フアイバー内蔵ホースにおいては、光フアイ
バーが保護管内に挿通されているので、保護管により内
圧や外圧から光フアイバーを保護することができ、しか
も保護管内の光フアイバーはホースに一体的に固定され
ておらず保護管内を自由に移動できるので、ホースが屈
曲し又は伸縮した場合にも光フアイバーが引つ張られ又
は圧縮され若しくは伸縮することが殆ど無くなり、光フ
アイバーによる光信号の乱れを無くし、同時に繰返し与
えられる負荷が軽減されるので光フアイバーの損傷や破
損をなくすことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の光フアイバー内蔵ホースの具体例を示
す端部断面図であり、第２図は第１図の光フアイバー内
蔵ホースの中央部での縦断面図である。第３図及び第４
図は光フアイバーを挿通する保護管の具体例を示す断面
図である。 １……ホース、２……内面層 ３……補強層、４……保護管 ５……光フアイバー、６……外面層 ７……接続金具、８……スリーブ金具 ９……保護筒、10……固定バンド 11……外筒、12……芯材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ホースと、ホース内部にその長さ方向に沿
   い一体的に埋設された保護管と、保護管内に固定するこ
   となく挿通された光フアイバーとを備え、ホースの両端
   部で切欠かれたホース外周部及び保護管から露出した光
   フアイバーを螺旋状に巻き回し、光フアイバーの露出し
   た部分を取り囲む保護筒をホース両端部に取付けたこと
   を特徴とする光フアイバー内蔵ホース。