JPH06118811A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH06118811A
JPH06118811A JP4293680A JP29368092A JPH06118811A JP H06118811 A JPH06118811 A JP H06118811A JP 4293680 A JP4293680 A JP 4293680A JP 29368092 A JP29368092 A JP 29368092A JP H06118811 A JPH06118811 A JP H06118811A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光体上に形成したトナー像を、静電的に中
間転写ドラムに一次転写し、中間転写ドラム上のトナー
像を転写紙に二次転写する画像形成装置において、感光
体と中間転写ドラムとの間に形成した電界が、他の要素
に悪影響を与える不具合を防止する。 【構成】 中間転写ドラム102に、その周方向に分割
された多数の電極5を設け、その電極5のうち、感光体
101と中間転写ドラム102との密着部W1に位置す
る電極5aに対して、一次転写のための電圧を印加す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トナー像担持回転体の
表面に所定の極性に帯電されたトナーより成るトナー像
を形成し、このトナー像を中間転写回転体を介して記録
媒体に転写する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アナログ複写機、デジタル複写機、レー
ザプリンタ或いはファクシミリなどとして構成される従
来の画像形成装置は、一般にトナー像担持回転体上に形
成されたトナー像を直に記録媒体に転写するように構成
されている。これに対し、トナー像担持回転体上のトナ
ー像を、一旦、中間転写回転体上に一次転写し、しかる
後、この中間転写回転体に対して加圧回転体によって加
圧された記録媒体上に、中間転写回転体上のトナー像を
二次転写する画像形成装置が提案されている(例えば特
公昭46−41679号公報、又は特開平2−1832
88号公報などを参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この形式の画像形成装
置において、トナー像担持回転体上のトナー像を中間転
写回転体へ一次転写する方法としては、中間転写回転体
表面の粘着性を利用する粘着方式や、トナー像担持回転
体と中間転写回転体との間に電界を形成し、トナー像担
持回転体上のトナーを静電的に中間転写回転体表面に引
き付ける静電方式や、粘着方式と静電方式を併用した方
式などが採用される。
【0004】ここで、上述の静電方式のみ、又はこれと
粘着方式を併用した方式を総称して静電一次転写方式と
称することにすると、この方式を採用する場合には、中
間転写回転体の内部に、その全周に亘って導電層より成
る電極を設け、この電極に対して、トナー像担持回転体
上のトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加し、トナー
像担持回転体と中間転写回転体との間の電位差を利用し
て、トナー像担持回転体上のトナーを中間転写回転体の
表面に静電的に引き付けるようにする。
【0005】ところが、上述のように中間転写回転体の
全周に亘って設けられた大きな電極に対して電圧を印加
すると、その電圧の印加効率が低下する。
【0006】のみならず、かかる電極に電圧を印加する
と、中間転写回転体のまわりに配設された他のプロセス
機器に対して悪影響を与えるおそれがある。例えば、二
次転写後の中間転写回転体の表面に残留するトナーを清
掃(クリーニング)するクリーニング装置を中間転写回
転体のまわりに設けることがあるが、このようなクリー
ニング装置は、中間転写回転体の表面からトナーを除去
するものであるから、この清掃動作時に、中間転写回転
体の電極に前述の極性の電圧が印加されていると、クリ
ーニング装置のクリーニング効率が著しく低下する。す
なわち、トナー像の一次転写のために中間転写回転体の
電極に印加する電圧は、中間転写回転体の側へトナーを
引き付けるように作用するものであるのに対し、クリー
ニング装置は、中間転写回転体からトナーを取り除くも
のであり、トナー像の一次転写のために中間転写回転体
の電極に印加した電圧がクリーニング装置のクリーニン
グ機能を阻害するものとして作用してしまうのである。
【0007】このような状況下で、中間転写回転体上の
残留トナーを除去するには、クリーニング装置のクリー
ニング部材に対し、トナー像の一次転写のために中間転
写回転体の電極に印加した電圧以上の、トナーと逆極性
の大きな電圧を印加する必要があり、これによって装置
コストとその維持費が上昇する。
【0008】また、中間転写回転体上の残留トナーをク
リーニング装置によって除去し易くするため、中間転写
回転体の電極に対して、中間転写回転体上の残留トナー
と同極性の電圧を印加する方法を採用することも可能で
ある。このとき電極に印加する電圧の極性は、トナー像
の一次転写のために中間転写回転体の電極に印加する電
圧の極性と逆極性である。このため、一次転写を行って
いるときはクリーニングのための電圧を電極に印加する
ことはできない。トナー像の一次転写を終えてから、中
間転写回転体表面のクリーニングのための電圧を中間転
写回転体の電極に印加しなければならないのである。こ
のように、トナー像の一次転写とクリーニング動作を並
行して行うことはできないため、中間転写回転体の外径
を大きくしてこれを大型化したり、1回の画像形成動作
に要する時間を長くしなければならない。
【0009】また、中間転写回転体の表面を清掃するた
め、その電極に残留トナーと同極性の電圧を印加したと
き、中間転写回転体上に、未だ記録媒体に二次転写され
ていないトナー像があると、この電圧印加によって、そ
のトナー像が乱されるおそれもある。
【0010】次に、中間転写回転体上のトナー像を記録
媒体に二次転写する方法として、中間転写回転体上のト
ナーを溶融させ、中間転写回転体表面の離型性を利用し
てその溶融トナー像を記録媒体に二次転写する溶融方式
や、記録媒体を中間転写回転体に加圧する加圧回転体と
中間転写回転体との間に電界を形成し、中間転写回転体
上のトナーを静電的に記録媒体上に二次転写する静電方
式や、溶融方式と静電方式を併用した方式などが採用さ
れる。
【0011】ここでもこの静電方式のみ、又はこれと溶
融方式を併用した方式を静電二次転写方式と称すること
にすると、この方式を採用した場合には、中間転写回転
体に内設された前述の電極に中間転写回転体上のトナー
と同極性の電圧を印加する必要がある。すなわち、かか
る極性の電圧を電極に印加して中間転写回転体上のトナ
ーを記録媒体上に移行させるのであるが、その印加電圧
の極性は、トナー像担持回転体上のトナー像を中間転写
回転体に一次転写するために、中間転写回転体の電極に
印加する電圧の極性とは逆の極性である。
【0012】従って、この場合も、中間転写回転体上の
トナーと逆極性の電圧を電極に印加しながらトナー像担
持回転体上のトナー像を中間転写回転体に一次転写して
いるとき、中間転写回転体上のトナー像を記録媒体に二
次転写するための電圧を中間転写回転体の電極に印加す
ることはできず、一次転写終了後に二次転写を行わなけ
ればならない。このため、中間転写回転体が大型化し、
また画像形成動作に長い時間を必要とする欠点を免れな
い。
【0013】本発明の第1の目的は、上述した各欠点を
伴うことなく、トナー像担持回転体上のトナー像を静電
一次転写方式によって中間転写回転体上に一次転写し、
或いは中間転写回転体の電極に電圧を印加して中間転写
回転体上の残留トナーをクリーニングし、又は中間転写
回転体上のトナー像を静電二次転写方式によって記録媒
体に二次転写することの可能な画像形成装置を提供する
ことにある。
【0014】ところで、トナー像担持回転体上のトナー
像を中間転写回転体上に一次転写するとき、静電一次転
写方式を採用すると、後に詳しく説明するように、この
一次転写動作に伴って、トナー像担持回転体上のトナー
の一部が飛び散り、これが中間転写回転体上に付着する
おそれがある。このように中間転写回転体上に付着した
塵状のトナーが記録媒体に転写されると、記録媒体に地
汚れが発生し、記録媒体上の最終画像の画質が劣化する
不具合を免れない。
【0015】本発明の第2の目的は、中間転写回転体ま
わりのプロセス機器に悪影響を与えることなく、トナー
像担持回転体上のトナー像を静電一次転写方式によって
中間転写回転体上に一次転写でき、しかもトナー像担持
回転体上の一部のトナーが飛び散って、これが中間転写
回転体上に付着する欠点を除去した画像形成装置を提供
することにある。
【0016】また、トナー像担持回転体上のトナー像を
静電一次転写方式で中間転写回転体上に一次転写すると
き、従来は、中間転写回転体の電極の全体に画一的に電
圧を印加していたので、各種のプロセス条件に対応した
トナー像の一次転写を行うことはできなかった。
【0017】本発明の第3の目的は、各種のプロセス条
件に対応した一次転写を行うことの可能な画像形成装置
を提供することにある。
【0018】一方、トナー像担持回転体上に連続的に複
数のトナー像を順次形成し、これを1つずつ中間転写回
転体上に前述の静電一次転写方式によって一次転写し、
かつその各トナー像を各記録媒体上に順次二次転写する
画像形成動作を行った場合、各トナー像が形成されるト
ナー像担持回転体上の各画像領域の間の非画像領域には
トナー像は形成されない。ところが、この非画像領域に
もわずかな不要なトナーが付着することがあるため、か
かる非画像領域が中間転写回転体に接触しているとき、
中間転写回転体の電極にトナーの帯電極性と逆極性の電
圧を印加したままであると、トナー像担持回転体上の非
画像領域に付着した不要トナーがトナー像担持回転体上
に転写されてしまう。
【0019】かかるトナーは中間転写回転体用のクリー
ニング装置によって清掃することができるが、元々不要
なトナーをその都度中間転写回転体用のクリーニング装
置によって清掃すると、そのクリーニング装置に過大な
負担がかかり、クリーニング装置のクリーニング機能が
低下するおそれがある。また中間転写回転体上に転写さ
れた不要トナーが記録媒体の方へ転写されてしまうと、
記録媒体上の最終画像に地汚れが発生し、その画質が劣
化する。
【0020】本発明の第4の目的は、中間転写回転体の
まわりのプロセス機器に悪影響を与えることなく、トナ
ー像担持回転体上のトナー像を静電一次転写方式によっ
て中間転写回転体上に一次転写でき、しかもトナー像担
持回転体上の非画像領域に付着した不要トナーが中間転
写回転体に転写される不具合を抑制できる画像形成装置
を提供することにある。
【0021】ところで、中間転写回転体の電極に対し
て、中間転写回転体上の残留トナーの帯電極性と同極性
の電圧を印加することによって、中間転写回転体上の残
留トナーをクリーニングできることは先に説明した通り
である。その際、中間転写回転体の電極にトナーと同極
性の電圧を印加すると、これによって形成される電界の
作用によって、残留トナーが飛散し、クリーニング装置
の周辺をトナーで汚し、或いは中間転写回転体上にトナ
ーが再付着して次に形成される画像の画質を劣化させる
おそれがある。
【0022】本発明の第5の目的は、中間転写回転体用
のクリーニング装置以外の、中間転写回転体まわりのプ
ロセス機器に悪影響を与えることなく、中間転写回転体
の電極にトナーと逆極性の電圧を印加して中間転写回転
体上の残留トナーを除去し、しかもこのクリーニング動
作時にトナーが飛散することを効果的に抑制できる画像
形成装置を提供することにある。
【0023】また中間転写回転体の電極に対して、中間
転写回転体上の残留トナーの帯電極性と同極性の電圧を
印加して、その残留トナーを除去する際、かかる極性の
電圧を電極に印加するだけでは、そのクリーニング効率
を高めることは困難である。
【0024】本発明の第6の目的は、中間転写回転体用
のクリーニング装置以外の、中間転写回転体のまわりの
プロセス機器に悪影響を与えることなく、中間転写回転
体の電極にトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加し、
効率よく中間転写回転体上の残留トナーを清掃すること
の可能な画像形成装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の第1の
目的を達成するため、所定の極性に帯電されたトナーよ
り成るトナー像を表面に形成されるトナー像担持回転体
と、該回転体に密着しながら、その回転体上のトナー像
を一次転写される中間転写回転体と、該中間転写回転体
上のトナー像を記録媒体上に二次転写するとき、当該記
録媒体を中間転写回転体に対して加圧する加圧回転体
と、二次転写後の中間転写回転体の表面を清掃するクリ
ーニング部材を備えたクリーニング装置とを有する画像
形成装置において、前記中間転写回転体は、その周方向
に分割されて配列された複数の電極を内部に有し、少な
くとも前記一次転写が行われるとき、トナー像担持回転
体に対向する前記電極に対し、トナー像担持回転体上の
トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加する電圧印加手
段と、少なくとも前記二次転写が行われるとき、前記加
圧回転体に対向する前記電極に対し、中間転写回転体上
のトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加する電圧印加
手段と、少なくとも中間転写回転体表面の清掃が行われ
るとき、前記クリーニング部材に対向する前記電極に対
し、中間転写回転体上の残留トナーの帯電極性と同極性
の電圧を印加する電圧印加手段のうち少なくとも1つの
電圧印加手段を設けた画像形成装置を提案する。
【0026】また本発明は、前述の第2の目的を達成す
るため、所定の極性に帯電されたトナーより成るトナー
像を表面に形成されるトナー像担持回転体と、該回転体
に密着しながら、その回転体上のトナー像を一次転写さ
れる中間転写回転体と、該中間転写回転体上のトナー像
を記録媒体上に二次転写するとき、当該記録媒体を中間
転写回転体に対して加圧する加圧回転体とを有する画像
形成装置において、前記中間転写回転体は、その周方向
に分割されて配列された複数の電極を内部に有し、少な
くとも前記一次転写が行われるとき、トナー像担持回転
体と中間転写回転体との密着部内の領域に対応して位置
する前記電極に対して、トナー像担持回転体上のトナー
の帯電極性と逆極性の電圧を印加する電圧印加手段を設
けた画像形成装置を提案する。
【0027】さらに本発明は、その第2の目的を達成す
るため、所定の極性に帯電されたトナーより成るトナー
像を表面に形成されるトナー像担持回転体と、該回転体
に密着しながら、その回転体上のトナー像を一次転写さ
れる中間転写回転体と、該中間転写回転体上のトナー像
を記録媒体上に二次転写するとき、当該記録媒体を中間
転写回転体に対して加圧する加圧回転体とを有する画像
形成装置において、前記中間転写回転体は、その周方向
に分割されて配列された複数の電極を内部に有し、少な
くとも前記一次転写が行われるとき、トナー像担持回転
体と中間転写回転体との密着部のうちの少なくとも中間
転写回転体の回転方向下流側の密着部部分と、この部分
よりも中間転写回転体の回転方向下流側の密着部近傍部
分とに対応して位置する前記電極に対して、トナー像担
持回転体上のトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加す
る電圧印加手段を設け、該電圧印加手段は、この手段に
よって電圧を印加される複数の電極のうち、中間転写回
転体の回転方向上流側に位置する電極よりも、下流側に
位置する電極に対して高い電圧を印加するように構成さ
れている画像形成装置を提案する。
【0028】同様に本発明は、前述の第3の目的を達成
するため、所定の極性に帯電されたトナーより成るトナ
ー像を表面に形成されるトナー像担持回転体と、該回転
体に密着しながら、その回転体上のトナー像を一次転写
される中間転写回転体と、該中間転写回転体上のトナー
像を記録媒体上に二次転写するとき、当該記録媒体を中
間転写回転体に対して加圧する加圧回転体とを有する画
像形成装置において、前記中間転写回転体は、その周方
向に分割されて配列された複数の電極を内部に有し、少
なくとも前記一次転写が行われるとき、トナー像担持回
転体に対向する複数の電極に対し、選択的に、トナー像
担持回転体上のトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加
できる電圧印加手段を設けた画像形成装置を提案する。
【0029】また本発明は、前述の第4の目的を達成す
るため、所定の極性に帯電されたトナーより成るトナー
像を表面に形成されるトナー像担持回転体と、該回転体
に密着しながら、その回転体上のトナー像を一次転写さ
れる中間転写回転体と、該中間転写回転体上のトナー像
を記録媒体上に二次転写するとき、当該記録媒体を中間
転写回転体に対して加圧する加圧回転体とを有する画像
形成装置において、前記中間転写回転体は、その周方向
に分割されて配列された複数の電極を内部に有し、少な
くとも前記一次転写が行われるとき、トナー像担持回転
体に対向する前記電極に対し、トナー像担持回転体上の
トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加すると共に、ト
ナー像が形成されるトナー像担持回転体上の各画像領域
の間の非画像領域が中間転写回転体の表面に密着してい
るときは、トナー像担持回転体に対向する前記電極に電
圧を印加しない電圧印加手段を設けた画像形成装置を提
案する。
【0030】さらに本発明は、前述の第5の目的を達成
するため、所定の極性に帯電されたトナーより成るトナ
ー像を表面に形成されるトナー像担持回転体と、該回転
体に密着しながら、その回転体上のトナー像を一次転写
される中間転写回転体と、該中間転写回転体上のトナー
像を記録媒体上に二次転写するとき、当該記録媒体を中
間転写回転体に対して加圧する加圧回転体と、二次転写
後の中間転写回転体の表面を清掃するクリーニング部材
を備えたクリーニング装置とを有する画像形成装置にお
いて、前記中間転写回転体は、その周方向に分割されて
配列された複数の電極を内部に有し、少なくとも中間転
写回転体表面の清掃が行われるとき、前記クリーニング
部材が中間転写回転体に接触する範囲内の領域に対応し
て位置する前記電極に対し、中間転写回転体上の残留ト
ナーの帯電極性と同極性の電圧を印加する電圧印加手段
を設けたことを特徴とする画像形成装置を提案する。
【0031】さらに本発明は、前述の第6の目的を達成
するため、所定の極性に帯電されたトナーより成るトナ
ー像を表面に形成されるトナー像担持回転体と、該回転
体に密着しながら、その回転体上のトナー像を一次転写
される中間転写回転体と、該中間転写回転体上のトナー
像を記録媒体上に二次転写するとき、当該記録媒体を中
間転写回転体に対して加圧する加圧回転体と、二次転写
後の中間転写回転体の表面を清掃するクリーニング部材
を備えたクリーニング装置とを有する画像形成装置にお
いて、前記中間転写回転体は、その周方向に分割されて
配列された複数の電極を内部に有し、少なくとも中間転
写回転体表面の清掃が行われるとき、前記クリーニング
部材に対向する前記電極に対し、中間転写回転体上の残
留トナーの帯電極性と同極性の直流を重畳した交流電圧
を印加する電圧印加手段を設けた画像形成装置を提案す
る。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に
説明する。
【0033】図1に示した画像形成装置は、トナー像担
持回転体の一例であるドラム状の感光体101と、中間
転写回転体の一構成例である中間転写ドラム102と、
同様に加圧回転体の一例である加圧ローラ103とを有
し、感光体101と中間転写ドラム102は互いに圧接
する。また中間転写ドラム102と加圧ローラ103も
互いに圧接し、画像形成動作時にこれらの要素101,
102,103はそれぞれ図1に矢印で示した方向に回
転駆動される。
【0034】感光体101と中間転写ドラム102、及
び中間転写ドラム102と加圧ローラ103の間には、
そのそれぞれの圧接力を所定の状態に維持するため、ば
ねが付設され、例えば、その回転軸同士がばね結合され
る。また感光体101と中間転写ドラム102、或いは
中間転写ドラム102と加圧ローラ103を、シーケン
スに応じて圧接させたり、分離させたりすることができ
るように構成することもできる。またトナー像担持回転
体、中間転写回転体及び加圧回転体をベルト状のものか
ら構成することも可能である。
【0035】後に詳しく説明するように、感光体101
上にトナー像が形成され、このトナー像は、図1に符号
Aで示した一次転写位置において中間転写ドラム102
上に一次転写される。また中間転写ドラム102上に一
次転写されたトナー像は、後述するように中間転写ドラ
ム102と加圧ローラ103との間に給送された記録媒
体の一例である転写紙155上に、符号Bで示した二次
転写位置において、二次転写される。以下、これらの一
連の動作の一例を詳細に説明しながら図1に示した画像
形成装置の構成を明らかにする。
【0036】図1に例示した感光体101は比較的耐圧
性と耐熱性に優れた有機物感光体であり、かかる感光体
101は画像形成動作の開始に伴って、前述のように反
時計方向に回転を開始し、該感光体101と中間転写ド
ラム102は互いに圧接しながら互いに差のない一定の
線速度で回転する。このとき、感光体101の表面を帯
電チャージャ(スコロトロンチャージャ)105によっ
て均一に帯電し、その表面電位を約−800Vにする。
【0037】次いで、レーザ光学系106により画像信
号に基づいて変調されたレーザ光110が、一様に帯電
された感光体101の表面を像露光し、感光体101上
に所定の静電潜像を形成する。この潜像は、レーザ光1
10が照射された部分(表面電位は約−100V)をト
ナー付着部とし、非露光部分(表面電位は約−800
V)を背景部とするように形成されている。
【0038】レーザ光学系106は、図示していない半
導体レーザ、回転多面鏡107、fθレンズ108、ミ
ラー109などから成り、レーザ変調回路が画像信号に
応じて半導体レーザの発光を制御する。
【0039】上述の静電潜像は現像装置111によって
トナー像として可視像化される。ここに示した現像装置
111は、内部に磁石が設けられた非磁性スリーブ10
4を有し、これが回転することによって、現像装置内の
粉体状の現像剤が搬送される。この現像剤は高抵抗非磁
性トナーと磁性キャリアが混合された二成分系現像剤で
あり、トナーとキャリアは互いに逆極性に摩擦帯電され
る。本例では、トナーがマイナスに帯電される。
【0040】かかる現像剤が、現像バイアス電圧−60
0Vを印加されて回転するスリーブ104によって、こ
のスリーブと感光体101との対向した現像領域に運ば
れ、ここで反転現像が行われる。すなわち、マイナスに
帯電したトナーが感光体101に形成された静電潜像の
低電位部分に静電的に移行して付着し、高電位部分は地
肌部となる。勿論、感光体101上の中間電位部分はそ
れに応じた密度でトナーが付着する。ここに使用される
トナーとしては、ドット再現性を向上させるために、5
μm以下の粒径のものを用いることが望ましく、このた
めには例えば重合法で作製した粒径分布の狭いトナーで
あることが有利である。
【0041】上述のようにして、所定の極性に帯電した
トナーより成るトナー像が感光体101の表面に形成さ
れ、かかるトナー像の形成された感光体部分は中間転写
ドラム102と圧接する一次転写位置Aに達し、ここで
感光体101上のトナー像が中間転写ドラム102の表
面に一次転写される。
【0042】この一次転写は、中間転写ドラム102上
の粘着性を利用した粘着方式、又は感光体101上のト
ナーを静電的に中間転写ドラム102上に引き付けて移
行させる静電方式、或いはこれらを併用した方式などに
よって行うことができるが、本例では粘着方式と静電方
式の併用方式が採用されている。
【0043】この方式を採用できるように、中間転写ド
ラム102は、図2に一例として示すようにアルミニウ
ムなどの剛性材料より成るドラム状のベース1の上に、
厚さ500乃至5000μmでゴム硬度が30乃至80
度の弾性層2と、カーボンブラックを分散させたポリイ
ミドから成る厚さ30乃至3000μmの導電層3と、
厚さ10乃至300μmの絶縁層4とから成るシート
を、弾性層2を内側にして接着したものから構成されて
いる。
【0044】上述の導電層3は、中間転写ドラム102
をその軸線方向に切断した図2に示したように、中間転
写ドラム102の軸線方向Xには連続しているが、図4
に示す如く、その周方向Yには複数に分割され、かつ互
いに絶縁されていて、これらによって複数の電極5が構
成されている。これらの電極5はベース1に対しても絶
縁されている。このように、中間転写ドラム102はそ
の周方向に分割されて配列された複数の電極5を内部に
したものとなっているが、これに関連する作用について
は後述する。
【0045】中間転写ドラム102の表面を構成する絶
縁層4は、これが感光体101に対して圧接したとき、
両者間に充分な接触面積と均一な圧力が得られるように
適度な弾性を有する材料から構成することが望ましい。
またこの絶縁層4の表面は常温のトナーに対しては粘着
性を呈し、後述するように溶融して流動化したトナーに
対しては離型性を示す材料から構成されている。このよ
うな要求を満たす材料としては、例えばシリコーンゴム
を挙げることができる。
【0046】上述のように構成された中間転写ドラム1
02と感光体101の間には、例えば0.3乃至3.0kg
/cm程の圧力が加えられ、両者の圧接部は互いに密着す
る。この状態で、中間転写ドラム102の導電層3に
は、後述する態様で、感光体101上のトナーの帯電極
性と逆極性の電圧(転写バイアス)が印加され、これに
よって感光体101と中間転写ドラム102の密着部、
すなわち一次転写位置Aで電界が形成され、感光体10
1上のトナーはその電界の作用で感光体101から中間
転写ドラム102へ移転する。
【0047】またこのとき、中間転写ドラム102の表
面は、前述のように常温のトナーに対しては粘着性を示
すので、この粘着力によっても感光体101上のトナー
が中間転写ドラム102上に効果的に移行する。
【0048】このように、中間転写ドラム102が感光
体101に密着しながら感光体101上のトナー像が、
該感光体101と中間転写ドラム102との間の電位差
と、中間転写ドラム102の表面の粘着力とによって、
中間転写ドラム102上に一次転写されるのである。こ
のとき、感光体101と中間転写ドラム102の密着部
分では、トナーが両者に挟まれてほとんど運動せず、両
者間に形成される電界による静電気力と中間転写ドラム
102からの粘着力とによって、トナーは、中間転写ド
ラム102との付着力が大きくなり、ほとんど界面方向
に移動することなく中間転写ドラム102に転移する。
【0049】なお、感光体101と中間転写ドラム10
2との間の印加圧力が上述の範囲を大きく下回わると、
両者の密着性が低下し、中間転写ドラム102へのトナ
ー像の転写効率が低下し、又は転写抜けが発生し、逆に
圧力が上記範囲を大きく上回わると、感光体101や中
間転写ドラム102の極性が変化したり、その駆動源に
過大な負荷を与えるので望ましくない。
【0050】中間転写ドラム102上にトナー像を一次
転写した後の感光体101上に残留するトナーは、クリ
ーニング装置112によって除去され、感光体101表
面が清掃される。また図示してない除電器によって感光
体101が除電作用を受ける。
【0051】一方、給紙部124の給紙ローラ125の
回転により転写紙155が矢印C方向に送り出される。
このように送り出された転写紙155は、レジストロー
ラ対126によって所定のタイミング、すなわち中間転
写ドラム102上のトナー像が転写紙155に整合する
タイミングで中間転写ドラム102と加圧ローラ103
との間に給送される。
【0052】中間転写ドラム102と加圧ローラ103
は、これらの間に給送された転写紙155を挟んで0.
3乃至3.0kg/cmの圧力で圧接し、このとき中間転写ド
ラム102上のトナー像が転写紙155上に二次転写さ
れる。加圧ローラ103は、中間転写ドラム102上の
トナー像を転写紙155上に二次転写するとき、この転
写紙155を中間転写ドラム102に対して加圧する用
をなすものである。
【0053】この二次転写は、中間転写ドラム102表
面の離型性を利用し、或いは中間転写ドラム102上の
トナーを静電的に転写紙155に引き付け、又はこれら
の両者の作用によって行うことができるが、本例では中
間転写ドラム102の表面の離型性と、静電作用の両方
の作用によって、中間転写ドラム102上のトナー像を
転写紙155に二次転写するように構成されている。
【0054】前述のように中間転写ドラム102の表面
は、溶融して流動化したトナーに対しては離型性を示す
材料、例えばシリコーンゴムによって構成されている。
また中間転写ドラム102上のトナー像が、中間転写ド
ラム102の回転によって中間転写ドラム102と加圧
ローラ103との間の二次転写位置Bに至る直前に、中
間転写ドラム102に対置された例えば赤外線ランプや
ハロゲンランプより成る熱源132からの光を照射さ
れ、これによって中間転写ドラム102上のトナーが加
熱され、これが半溶融状態にされる。中間転写ドラム1
02に図示していないヒータを内設し、これによって中
間転写ドラム102上のトナーを加熱してもよく、いず
れにしても中間転写ドラム102上のトナー像を構成す
るトナーが加熱されるのである。
【0055】一方、加圧ローラ103はアルミニウムな
どにより構成された中空の剛性ローラより成り、その内
部にもハロゲンランプなどから成る熱源(図示せず)が
配設され、互いに圧接した中間転写ドラム102と加圧
ローラ103の間の二次転写位置Bを通る転写紙155
は、加圧ローラ103内の熱源によって加熱される。さ
らに二次転写位置Bへ搬送される転写紙155に対して
も、図示していない熱源によって熱を与え、転写紙15
5を加熱するようにしてもよい。
【0056】このようにして、中間転写ドラム102上
のトナーに熱が加えられ、転写紙155も加熱されるの
で、中間転写ドラム102と加圧ローラ103の間の二
次転写位置Bに、転写紙155と中間転写ドラム102
上のトナー像が至ったとき、そのトナーは転写紙155
に接触しながら溶融した状態となる。このような溶融ト
ナーに対して中間転写ドラム102の表面は離型性を示
すので、中間転写ドラム102上のトナー像は転写紙1
55上に移行し、そのトナーは転写紙155の繊維中へ
浸透する。このように、中間転写ドラム102上のトナ
ーと転写紙155を加熱しながら、又はこれらを加熱し
た後に、感光体101と中間転写ドラム102とを圧接
させながら、中間転写ドラム102上のトナー像を転写
紙155上に二次転写するのである。
【0057】このとき、中間転写ドラム102の導電層
3には、中間転写ドラム102上のトナーの帯電極性と
同極性のバイアス電圧が印加されており、トナーは転写
紙155の表面側へ静電的に引き付けられる。この作用
と、前述の溶融トナーに対する中間転写ドラム102表
面の離型性とによって、中間転写ドラム102上のトナ
ー像は、転写紙155に効率良く二次転写され、これと
同時に、転写紙155上に定着される。このようにして
転写紙155上に最終画像が形成されるのである。
【0058】二次転写位置Bへの転写紙155の供給不
良(ジャム)が発生したとき、中間転写ドラム102上
のトナーが加圧ローラ103の表面に直に転写されるこ
とがないように、間に転写紙155がないときは、加圧
ローラ103を中間転写ドラム102から離間させてお
くように構成することもできる。
【0059】中間転写ドラム102と加圧ローラ103
の間の二次転写位置Bを通過した転写紙は、排紙ローラ
対128によって排紙部131に排出される。
【0060】中間転写ドラム102上のトナーは、その
二次転写時に転写紙155に効率的に転写されるので、
二次転写位置Bを通過した後の中間転写ドラム102上
にトナーがほとんど残ることはない。通常はその二次転
写時のトナー転写率は99%以上である。しかし、いか
なる条件下でも100%の転写率が保証されるわけでは
ないので、図1に示した画像形成装置には、図5にも示
すように、二次転写後の中間転写ドラム102の表面を
清掃するクリーニング装置113が設けられ、中間転写
ドラム102上に残ったトナーが中間転写ドラム102
の回転に伴ってクリーニング装置113に至ったとき、
その残留トナーが中間転写ドラム102の表面から除去
される。
【0061】二次転写後の中間転写ドラム102上にト
ナーが残留する原因としては、中間転写ドラム102上
の一部のトナーの溶融が不充分となり、転写紙155の
繊維に浸み込むことによる溶融転写が行われなかったこ
とが挙げられる。従って、二次転写位置Bを通過した中
間転写ドラム102上に残留するトナーの状態は、熱に
よりやや変形した粉体状となっている。
【0062】図5に例示したクリーニング装置113
は、中間転写ドラム102の表面に摺接しながら回転す
るブラシローラ114と、回収されたトナーを収容する
ケーシング116を有している。ブラシローラ114
は、導電性の芯金部114aに、アクリルカーボンなど
で構成されたブラシ114bが植設されたものから構成
され、ブラシ114bが芯金部114aを通じてアース
に落とされている。図5では、ブラシ114bを一部の
み示したが、実際には芯金部114aの全周にブラシ1
14bが植設されていることは当然である。このような
ブラシ114bは、所定の幅Wをもって中間転写ドラム
102に接触している。ブラシローラ114は、中間転
写ドラム102の表面を清掃するクリーニング部材の一
例を構成するものである。
【0063】二次転写位置Bを通過した中間転写ドラム
102の表面部分は、例えば図5に示したように時計方
向に回転駆動されるブラシローラ114のブラシ114
bによって摺擦され、その表面に残っているトナーが中
間転写ドラム102から掻き取り除去され、ブラシ11
4bに付着したトナーは掻き落し部材117によって除
去される。
【0064】このとき、本例では中間転写ドラム102
の導電層3に、中間転写ドラム102上の残留トナーの
帯電極性と同極性のバイアス電圧が印加されており、こ
れによる電界の作用によって、中間転写ドラム102上
の残留トナーは、その表面から離れる向きの静電気力を
受け、クリーニング効率が高められる。このように、熱
によりやや変形した粉体状の残留トナーに対して、その
クリーニング時に電気的な力を作用させることにより、
中間転写ドラム102に対する残留トナーの付着力に逆
らって、このトナーをブラシ114bの方へ引き剥がし
やすくするのである。
【0065】以上のように図1に示した画像形成装置に
おいては、感光体101上のトナー像を静電一次転写方
式によって中間転写ドラム102上に一次転写し、中間
転写ドラム102上のトナー像を静電二次転写方式によ
って転写紙155上に二次転写する。
【0066】ここで、静電一次転写方式を採用するに
は、中間転写ドラム102の導電層3に対してトナーの
帯電極性と逆極性の電圧を印加する必要がある。これに
対して静電二次転写方式を実行するには、同じ導電層3
に対して、トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加する
必要がある。また中間転写ドラム102上の残留トナー
を清掃するとき、そのクリーニング効率を高めるため、
このクリーニング動作時に中間転写ドラム102の導電
層3に対して、残留トナーの帯電極性と同極性の電圧を
印加する。
【0067】このように、静電一次転写を実行するのに
必要な導電層3への印加電圧の極性と、静電二次転写と
中間転写ドラム102のクリーニングを行うのに必要な
導電層3への印加電圧の極性は互いに逆となっている。
従って、中間転写ドラム102の導電層3の全体に対し
て上述の各電圧を印加するように構成したとすると、そ
の各電圧の印加を同時に行うことはできず、静電一次転
写動作を終了した後、静電二次転写及びクリーニングの
ための導電層3への電圧の印加を行わなければならな
い。ところが、このようにすれば中間転写ドラムの径を
大きくしなければならず、また各画像形成動作に多大の
時間を必要とし、画像形成スピードが低下する欠点を免
れない。
【0068】そこで、本例における画像形成装置におい
ては、前述のように中間転写ドラム102の導電層3
が、中間転写ドラム102の周方向に分割され、中間転
写ドラム102の周方向にその全周に亘って配列された
多数の電極5が構成されている。
【0069】各電極5は、図4に示したようにそのそれ
ぞれの間に位置する絶縁性の弾性層2によって互いに電
気的に絶縁されている。その際、各電極5が弾性層2と
絶縁層4との界面に位置すると、その界面を通じて電流
が流れやすくなるおそれがあるので、各電極5を、弾性
層2の上部に埋め込んだ状態に配置することが好まし
い。また各電極5の間の弾性物質が絶縁破壊を起こさな
いように、各電極5の間に充分な間隔をとることが望ま
しく、例えば各電極間の間隔を10μm乃至500μm程
度、特に200μm程度とすることが好ましい。この間
隔は、電極5へ印加される電圧、その間の絶縁体の絶縁
破壊性との関係で、絶縁性を保持できるのに充分な間隔
であればよい。また各電極5の中間転写ドラム回転方向
の幅は、例えば1mm程度に設定される。このような各電
極の幅と、各電極の間の間隔、並びに中間転写ドラム1
02の外径サイズなどから、互いに分割された電極5の
数が定まる。
【0070】図6は、中間転写ドラム102の多数の電
極5を概略的に示した模式図であるが、この図では、前
述の多数の電極5のうち、感光体101に対向して位置
する電極に対して符号5aを付し、加圧ドラム103に
対向する電極に対しては符号5bを付してある。同様に
ブラシローラ114に対向して位置する電極に対しては
符号5cを付してある。中間転写ドラム102は回転し
ているので、感光体101、加圧ドラム103及びブラ
シローラ114bに対向する電極5は次々と変化する
が、このような動作中に、感光体101、加圧ドラム1
03及びブラシローラ114に対向する電極を5a,5
b,5cとするのである。
【0071】ここで、少なくとも前述の一次転写が行わ
れるとき、感光体101に対向する電極5aに対しての
み、この一次転写のための電圧が印加される。すなわ
ち、電源115により構成された電圧印加手段によっ
て、電極5aに対し、感光体101上のトナーの帯電極
性と逆極性の電圧が印加されるのである。
【0072】同様に、少なくとも前述の二次転写が行わ
れるとき、加圧ドラム103に対向する電極5bに対
し、電源120により構成された電圧印加手段によっ
て、中間転写ドラム102上のトナーの帯電極性と同極
性の電圧が印加される。
【0073】同じく、少なくとも中間転写ドラム102
上の表面の清掃が前述の如く行われるとき、電源121
として構成された電圧印加手段によって、そのクリーニ
ング装置113のブラシローラ114に対して、中間転
写ドラム102上の残留トナーの帯電極性と同極の電圧
が印加される。
【0074】このように、一次転写の目的と、二次転写
の目的、また中間転写ドラム102のクリーニングの目
的で、中間転写ドラム102の導電層3の全体に一度に
電圧を印加するのではなく、これらを別々に切り離し、
感光体101、加圧ドラム103及びブラシローラ11
4にそれぞれ対向する電極5a,5b,5cにのみ、そ
のそれぞれの目的とする電圧を印加するのである。
【0075】このようにすれば、感光体101に対向す
る電極5aに一次転写のための電圧を印加しているとき
に、他のプロセス機器に何ら影響を与えることはない。
すなわち、この電圧印加時に加圧ドラム103とブラシ
ローラ114にそれぞれ対向する電極5b,5cに対し
て二次転写とクリーニングのための電圧をそれぞれ印加
しても、その各電圧の印加が、他の動作を阻害すること
はないのである。従って、上述の各電圧印加を並行して
行うこともでき、よって中間転写ドラム102の径を小
さく設定し、また画像形成動作のスピードアップを図る
ことが可能となる。中間転写ドラム102の1回の回転
中に、電界を利用した一次転写、二次転写及び中間転写
ドラム102のクリーニングを行うことができるのであ
る。
【0076】また中間転写ドラム102の表面を清掃す
るために、電極5cに電圧を印加したとき、中間転写ド
ラム102上に、未だ転写紙155に二次転写されてい
ないトナー像があっても、電極5cへの電圧印加が、こ
のトナー像に対して何ら悪影響を与えることはなく、ト
ナー像の乱れが阻止される。
【0077】さらに中間転写ドラム102の導電層3の
全体に電圧を印加するのではなく、電極5のうちの局部
的な電極5a,5b,5cに電圧を印加するので、電圧
の印加効率を高めることができる。
【0078】図6に示した例では、電圧が印加される各
電極5a,5b,5cが、それぞれ互いに離れた複数個
ずつの電極より成るが、その各電極5a,5b,5cに
対応する中間転写ドラム102の表面部分の電界強度は
ほぼ均一であり、よって一次及び二次転写、並びに中間
転写ドラム102のクリーニング動作を確実に実行する
ことができる。
【0079】また、上記実施例では、一次転写、二次転
写及び中間転写ドラム102のクリーニング動作の3つ
の動作が行われるとき、各電極5a,5b,5cに電源
115,120,121によって所定の電圧をそれぞれ
印加するように構成したが、本発明は、このような電源
115,120,121などから構成される各電圧印加
手段の少なくとも1つを設けた画像形成装置に適用でき
るものである。すなわち、電極5a,5b,5cの少な
くとも1つに所定の電圧を印加するように構成すればよ
く、その際、電圧を印加される電極5a,5b,5cが
1又は2であるときも、その電極に独立して電圧を印加
するので、電圧を印加された電極に対応するプロセス機
器以外のプロセス機器に対して、何ら悪影響を与えるこ
とはない。
【0080】例えば、電極5aにのみ電圧を印加し、他
の電極5b,5cには電圧を印加しないようにし、二次
転写を専ら中間転写ドラム102表面の離型性を利用し
て行い、また中間転写ドラム102の清掃についても、
専らブラシローラ114の掻き取り作用、又はこのブラ
シローラ114に印加した電圧によって行うように構成
したときも、電極5aへの電圧の印加が、二次転写や中
間転写ドラム102のクリーニング動作に影響を与える
ことなく、効率よくその各動作を実行できるのである。
【0081】次に、中間転写ドラム102の電極5a,
5b,5cに所定の電圧をそれぞれ印加する装置の具体
例を説明する。
【0082】図2は前述のように中間転写ドラム102
をその軸線方向に切断した断面図であり、図3はその中
間転写ドラム102の外観斜視図である。これらの図に
示すように、中間転写ドラム102はその端部におい
て、ドラム状のベース1と弾性層2に対して、導電層3
と絶縁層4が中間転写ドラム102の軸線方向外側にわ
ずかに突出し、導電層3の内側面の一部が外部に露出し
ている。このような導電層3によって構成される前述の
電極5a,5b,5cに対し、その露出部分に、電圧供
給用の導電性のブラシ6a,6b,6cがそれぞれ接触
し、これらのブラシを介して各電源115,120,1
21からの電圧が各電極5a,5b,5cにそれぞれ印
加される。すなわち、画像形成動作時に中間転写ドラム
102は図1の時計方向に回転し、これと共に分割され
た電極5も回転するが、各ブラシ6a,6b,6cは不
動に固定支持されているため、これらのブラシが分割さ
れた電極5に順次摺接する。
【0083】このように中間転写ドラム102の回転に
伴って感光体101に順次異なった電極5が対向する
が、その対向した電極5aに対してブラシ6aを介して
電源115により所定の電圧を印加するのである。加圧
ローラ103とクリーニング装置113のブラシローラ
114に対向する電極5b,5cについても全く同様
に、ブラシ6b,6cを介して各電源120,121か
ら所定の極性の電圧が印加される。
【0084】ブラシ6a,6b,6cの中間転写ドラム
回転方向の幅は、常に各電極5a,5b,5cに電圧を
印加できるように、個々の電極5の間の間隔よりも広く
設定される。
【0085】図2及び図3に示した実施例では、導電層
3の内側から電圧を印加するようになっていて、この導
電層3の露出した端部を絶縁層4が外側から覆ってい
る。このため、外部のプロセス機器や構造物が導電層3
に接触することはなく、電圧の漏れや破損などの発生を
阻止できる。
【0086】各電極5a,5b,5cに電圧を印加する
ため、上述のブラシ6a,6b,6c以外の要素を用い
ることもできる。例えば中間転写ドラム102をその軸
線方向に切断した図7と、中間転写ドラム102の外観
を示した図8に示すように、中間転写ドラム102の片
側の端部の絶縁層4をその全周に亘って切除し、導電層
3を環状に露出させる。そして、露出した導電層3によ
り構成される電極5のうち、前述の電極5a,5b,5
cに接触する導電性のローラ、例えば導電性ゴムローラ
7a,7b,7cを位置不動に設け、これらのローラ7
a,7b,7cを中間転写ドラム102の回転に伴って
従動回転させ、かかるローラ7a,7b,7cを介し
て、電源115,120,121からの電圧を、図6に
示したように感光体101と対向する電極5aと、加圧
ローラ103に対向する電極5bとブラシローラ114
に対向する電極5cに対して印加するのである。この場
合も、所定の電極5a,5b,5cにのみ、電圧を印加
できるように、ゴムローラ7a,7b,7cと導電層3
との接触幅が設定される。この接触幅を変えることによ
って、電圧を印加する電極の数を選択することができ
る。
【0087】図7及び図8に示した実施例では、導電層
3、すなわち分割された電極5が、中間転写ドラム10
2の端部において外側に向けて露出しているので、この
露出した電極5の部分を図示していない保護カバーによ
って覆い、ここに他の要素が接触することを阻止するこ
とが望ましい。
【0088】図2及び図3に示した導電性のブラシ6
a,6b,6cに代えて、図7及び図8に示した導電性
ゴムローラ7a,7b,7cを配置し、中間転写ドラム
102の内側に向けて露出した導電層3の面に、これら
のローラ7a,7b,7cをころがり接触させて、各電
極5a,5b,5cに所定の電圧を印加するように構成
することもできる。
【0089】電極に対する電圧供給のために、導電性ゴ
ムローラ7a,7b,7cの如き導電性のローラを用い
ると、その各ローラと電極5との間に摺擦力が働き難く
なるので、電極5の早期の摩耗を防止できる利点が得ら
れる。
【0090】なお、図2及び図4に示したように、絶縁
層4と、絶縁性の弾性層2を別々に形成する代りに、図
9に示したようにこれらを1つの絶縁層4として構成
し、かかる均質な弾性絶縁層4中に導電性の多数の分割
電極5を埋設して図4と同じ中間転写ドラム102を構
成することもできる。この場合も、上述したところと全
く同様に、全電極5のうちの一部の電極5a,5b,5
c(図6)にのみ電圧を印加する。
【0091】以上説明した構成によると、電極5への電
圧印加効率の低下や、電極への電圧印加によって他のプ
ロセス機器や中間転写ドラム102上のトナー像に悪影
響を与えるなどの不具合を伴うことなく、感光体101
上のトナー像を静電一次転写方式によって中間転写ドラ
ム102上に一次転写し、或いは中間転写ドラム102
の電極に電圧を印加して中間転写ドラム102上の残留
トナーをクリーニングし、又は中間転写ドラム102上
のトナー像を静電二次転写方式によって転写紙155に
二次転写することができる。
【0092】ところで、一次転写時に電圧を印加される
電極5aは、感光体101と中間転写ドラム102との
密着部W1(図6)の範囲内に位置する電極だけであっ
てもよいし、この密着部W1とその近傍の外側の領域に
またがって位置する電極であってもよい。要は感光体1
01に対向する電極であればよく、これについては二次
転写が行われるとき電圧を印加される電極5bについて
も同様である。密着部W1の近傍であって、この密着部
W1よりも中間転写ドラム102の回転方向上流側の領
域に位置する電極にも一次転写のための電圧を印加し、
かかる電極を電極5a中に含ませても前述の作用効果を
得ることができるのである。
【0093】ところがこのように構成すると、一次転写
動作に伴って感光体101上のトナーの一部が飛び散
り、これが中間転写ドラム102上に付着することがあ
る。これは、従来のように、中間転写ドラムの全周に配
置された1つの電極の全体に一次転写のための電圧を印
加したときも同様である。その理由は次の点にあると考
えられる。
【0094】説明を簡単にするため、一次転写が行われ
るとき、中間転写ドラム102の内部の全ての電極5
に、トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加した場合を
考えると、 (1) 感光体101上のトナーは電気的な力によって
感光体101上の静電潜像に付着している。 (2) このトナー像は感光体101の回転に伴って、
感光体101と中間転写ドラム102の密着部W1(図
6)に近づいてくる。このとき、上述のように全ての電
極5に電圧が印加されているので、密着部W1の直前に
至った感光体101の部分と中間転写ドラム102との
間の空隙S(図6)にも電界が形成され、この感光体部
分に付着しているトナーは、この電界の作用によって感
光体101から離れる向きの力を受ける。 (3) このため、この感光体部分に付着した一部のト
ナーは空隙S中に飛び散って中間転写ドラム102に向
かって飛び、中間転写ドラム102上に付着する。
【0095】このようなメカニズムによって、中間転写
ドラム102上に付着した塵状のトナーは、最終的に転
写紙155に転写されるので、転写紙155上の最終画
像に地汚れが発生し、その画質が劣化してしまう。この
ような現象は、転写散りとも称せられ、かかる転写散り
のない美しい画像を得るには、感光体101と中間転写
ドラム102の間の電界の状態をいかに制御するかが重
要な問題となる。
【0096】このような観点から、図10及び図11に
示した実施例においては、少なくとも一次転写が行われ
るときに、感光体101と中間転写ドラム102との密
着部W1の内部の領域に対応して位置する電極5aに対
して、導電性ブラシ6aを介して、電源115として構
成された電圧印加手段によってトナーの帯電極性と逆極
性の電圧が印加されるように構成されている。他の構成
は、図1乃至図9に関連して先に説明したところと変り
はない。
【0097】図10及び図11は、上記構成を説明する
模式図であり、各構成要素の大きさの割合は実際とは異
なっていて、各電極5の幅と間隔を実際よりも大きく示
してある。
【0098】図10に示した例では、導電性のブラシ6
aを介して電源115により、密着部W1の全体に亘っ
て電界が形成されるように、これに対応する複数の電極
5aに所定の電圧が印加される。これに対して図11に
示した例では、密着部W1の内部の一部にだけ電界が形
成されるように、密着部W1の内部に位置する一部の電
極5aにだけ電圧が印加される。いずれの場合も、密着
部W1の内部の領域に対応して位置する電極5aに電圧
が印加され、感光体101と中間転写ドラム102の密
着部W1の範囲内だけに、感光体101と中間転写ドラ
ム102との間の電界、すなわち電位差が発生するので
ある。電界の形成される範囲を、図10及び図11に符
号aで示してある。
【0099】密着部W1の中間転写ドラム回転方向の幅
は、中間転写ドラム102の弾性体の硬度などによって
も異なるが、通常は5mm前後である。
【0100】上述した構成によれば、一次転写が行われ
るとき、感光体101と中間転写ドラム102との密着
部W1の範囲内においてのみ電界が形成され、その外側
の領域には実質的に電界が形成されることはない。従っ
て、感光体101上に形成されたトナー像が、感光体1
01の回転に伴って中間転写ドラム102との密着部W
1に接近したとき、このトナー像が密着部W1の内部に
入るまでは電界による力を受けず、感光体101上のト
ナーが飛び散ることはない。すなわち、図10及び図1
1に示した空隙Sにおいて、感光体101上のトナーが
飛び散り、そのトナーが中間転写ドラム102上に付着
することを阻止できるのである。
【0101】感光体101上のトナーが密着部W1内に
入り込んで感光体101と中間転写ドラム102の間に
挟まれた状態でのみ、トナーに対して電界が作用する。
このときトナーは面方向に移動しないので、中間転写ド
ラム102上に一次転写されたトナー像が広がるような
こともない。このようにして、転写紙155上に地汚れ
のない鮮明な最終画像を形成することができるのであ
る。
【0102】また、感光体101と中間転写ドラム10
2の密着部W1よりも、中間転写ドラム102の回転方
向下流側の空隙S1にも電界は存在しないので、この空
隙S1が、密着部W1を離れるに従って拡大しているも
のの、剥離放電現象が発生することはなく、この空隙S
1においても粉体状のトナーの飛び散りが発生したり、
中間転写ドラム102上のトナー像が乱されるような不
具合を阻止できる。
【0103】上述のように、感光体101と中間転写ド
ラム102との密着部W1においてのみ電界を形成する
ことができるが、その際、図11に示したように密着部
W1の内側に位置する電極5aにのみ、一次転写のため
の電圧を印加すると、図10の場合よりも、電界が密着
部W1の外側領域に電界が形成されるおそれをより確実
に阻止できる。図11の例では、密着部W1の内部の3
個の電極5aにのみ電圧が印加され、aで示した範囲に
のみ電界が発生している。このように、密着部W1の両
端よりも1電極分の幅以上(例えば数mm)、密着部W1
の内側に入った領域に位置している電極5aにのみ電圧
を印加すると、密着部W1の外側領域に電界が形成され
る不具合を確実に防止することができるのである。
【0104】図12は転写散りを防止する他の構成例を
示す模式図であり、この実施例では、感光体101に対
向する電極5aが、電源115,115aにそれぞれ接
続された別々の導電性ブラシ6a,6dを介して一次転
写のための電圧が印加される。すなわち、少なくとも一
次転写が行われるとき、感光体101と中間転写ドラム
102との密着部W1のうちの少なくとも中間転写ドラ
ム102の回転方向下流側の密着部部分W2と、この部
分W2よりも中間転写ドラム102の回転方向下流側の
密着部近傍部分Dとに対応して位置する電極5aに対し
て、感光体101上のトナーの帯電極性と逆極性の電圧
が、電源115,115aより成る電圧印加手段によっ
て印加されるのである。密着部W1内に位置する全ての
電極に電圧を印加してもよいが、図12に示した例で
は、そのうちの中間転写ドラム回転方向下流側の密着部
部分W2に位置する電極に電圧が印加されている。
【0105】またこの実施例では、ブラシ6aよりもブ
ラシ6dの方が大きな電圧(極性は同じであるがその絶
対値が大きな電圧)が印加される。すなわち、電源11
5,115aにより構成される電圧印加手段は、これに
よって電圧を印加される複数の電極5aのうち、中間転
写ドラムの回転方向上流側に位置する電極5a−1より
も、下流側に位置する電極5a−2に対して高い電圧を
印加するように構成されているのである。図12に示し
た実施例の他の構成は、図1乃至図9に関連して説明し
たところと変りはない。
【0106】図12に示した構成においても、密着部W
1よりも中間転写ドラム回転方向上流側の空隙Sには電
界が形成されないので、図10及び図11に示した実施
例と同様にこの空隙部Sにおけるトナーの飛び散りを防
止でき、転写紙155上の最終画像に地汚れが発生する
不具合を阻止できる。また図12に示したように、密着
部W1の端部Eから1電極幅以上、密着部W1の内部に
入った電極に対して電圧を印加するように構成すると、
感光体101と中間転写ドラム102が接触していない
空隙Sにおいて、両者間に電位差ができることをより確
実に阻止でき、トナーの飛散を効果的に防止できる。
【0107】一方、この実施例では密着部W1よりも、
中間転写ドラム102の回転方向下流側の空隙S1にも
電源115aによる電圧印加によって電界が形成され、
しかもその電界強度はその上流側の部分よりも大きくな
っているので、密着部W1を出た中間転写ドラム102
上のトナーは中間転写ドラム102の方向に強く引き付
けられる。このため、密着部W1から空隙S1へと移動
した中間転写ドラム102上のトナーが飛び散ることが
阻止され、そのトナー像の乱れが防止される。このよう
にして、高品質なトナー像が中間転写ドラム102上に
形成されるのである。
【0108】この実施例では、図10及び図11に示し
た実施例のように密着部W1内でのみ電圧を印加する方
法と比較して、感光体101から中間転写ドラム102
へのトナー像の一次転写を完全に終了するまで、中間転
写ドラム102の方へトナーを引き寄せているため、ト
ナーの散りをより確実に防止できる。
【0109】一方の導電性ブラシ6aには、例えば+
0.6KVの電圧が、また他方のブラシ6dには例えば+
1.2KVの電圧が印加され、両ブラシ6a,6dが短絡
しないように、両者は1電極幅以上離して設置されてい
る。
【0110】図10乃至図12に示したように、感光体
101に対向する電極5aに対して各種の態様で電圧を
印加することができるが、その態様を、画像形成プロセ
ス条件などの変化に応じて変動させることが有利なこと
もある。例えば、図12に示した例では、密着部W1の
範囲内の中間転写ドラム回転方向上流側に位置する電極
には電圧が印加されていないが、画像形成プロセス条件
を変えたとき、これに伴って密着部W1内に位置する全
ての電極に電圧を印加することが好ましいこともある。
このような場合、図12に示した構成では、導電性ブラ
シ6aが固定されているので、密着部W1内の全ての電
極に電圧を印加することはできない。
【0111】また各画像形成条件に合せて、感光体10
1と中間転写ドラム102との圧接力を変え、両者の密
着部W1の中間転写ドラム回転方向幅を変化させること
ができるように構成した場合、例えば図10乃至図12
のような各電圧印加態様を得ようとしても、そのブラシ
6a,6dの位置が不動であると、密着部W1の幅の変
化により、図10乃至図12のような各電圧印加態様が
得られなくなることがある。
【0112】例えば、図10に示した構成において、感
光体101と中間転写ドラム102の圧接力を弱め、そ
の密着部W1幅を図10よりも小さくしたとき、ブラシ
6aを介して電圧が印加される電極5aは不変であるた
め、幅が狭くなった密着部W1の外側に出た電極にも電
圧が印加されてしまい、これによって空隙Sにおいても
電界が形成され、感光体101上のトナーが飛び散るお
それを生じる。
【0113】このような観点から、図13及び図14に
示した実施例では、感光体101に対向する複数の電極
5aに対して、選択的に、電圧供給装置115bより成
る電圧印加手段によって、電圧を印加できるように構成
されている。すなわち、個々の電極5aにそれぞれ独立
に電圧を印加できるように、個々の電極5aに接触する
導電性ブラシ6eを1電極幅以上離して配置し、少なく
とも一次転写が行われるとき、そのプロセス条件に合せ
て、個々のブラシ6eを介して、電圧供給装置115b
から、感光体101に対向する個々の電極5aに対し
て、感光体101上のトナーの帯電極性と逆極性の電圧
を選択的に印加するのである。ここに示した各電極5
は、その中間転写ドラムの回転方向幅が行1mmで、各電
極5の間隔が約0.5mmである。
【0114】ここで、プロセス条件によって中間転写ド
ラム102と感光体101との当接圧力を変化させ、そ
の圧力によって密着部W1の幅を変えるシステムにおい
て、密着部W1内でのみ電位差を形成する場合について
説明する。説明の便宜上、図13及び図14に示した各
ブラシ6eに対して、左からイ、ロ、ハ、ニ、ホ、ヘ、
ト、チと符号を付ける。
【0115】図13においては、感光体101と中間転
写ドラム102の印加圧力は0.6kg/cmとし、その密着
部W1の幅は約5mmであるとする。このときは、例えば
符号ニとホで示した電圧供給用のブラシ6eのみに電圧
を印加する。これによって、密着部W1の内部における
感光体101と中間転写ドラム102との間に電界を形
成することができる。
【0116】これに対し、図14においては、感光体1
01と中間転写ドラム102との印加圧力は1.5kg/cm
であり、密着部W1の幅は約10mmである。このとき
は、例えば電圧供給用ブラシ6eのうちのハ、ニ、ホ、
ヘにのみ電圧を印加する。これによって、密着部W1の
内部においてのみ電界を形成することができる。
【0117】上述の如き電圧印加状態の変化を、感光体
101と中間転写ドラム102との圧接力の選択と連動
させて行うように構成し、圧接力の選択を、トナーの性
質や感光体101上のトナー層の厚さなどにより行い、
プロセス条件の変化に対応した電圧の印加を実行できる
ように構成することが望ましい。
【0118】また感光体101に対向した各電極5aに
対して、電圧供給装置115bにより、選択的に電圧を
印加する代りに、或いはこの構成と共に、各電極5aに
対してそれぞれ異なった大きさの電圧を印加できるよう
に構成し、プロセス条件のより広い範囲の変化に対応で
きるようにすることもできる。
【0119】個々の電極5aに対して電圧印加態様を変
化させる上記構成は、感光体101と中間転写ドラム1
02の圧接力を変化させないときにも採用可能である。
【0120】図13及び図14に示した実施例の他の構
成は、図1乃至図9に関連して先に説明したところと変
りはない。
【0121】ところで、図1乃至図14に関連して示し
た各実施例において、感光体101上に連続的に複数の
トナー像を順次形成し、これを一つずつ中間転写ドラム
102上に静電一次転写方式によって一次転写し、かつ
その各トナー像を各転写紙155上に順次二次転写する
画像形成動作を行った場合、各トナー像が形成される感
光体101上の各画像領域の間の非画像領域にはトナー
像は形成されない。
【0122】ところが、先にも説明したように、この非
画像領域にもわずかな不要なトナーが付着することがあ
るため、かかる非画像領域が中間転写ドラム102に接
触しているとき、感光体101に対向している電極5a
にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加したままであ
ると、感光体101上の非画像領域に付着した不要トナ
ーが中間転写ドラム102上に転写されてしまう。
【0123】かかるトナーは中間転写ドラム102用の
クリーニング装置113によって清掃することができる
が、元々不要なトナーをその都度、中間転写ドラム10
2用のクリーニング装置113によって清掃すると、そ
のクリーニング装置113に過大な負担がかかり、クリ
ーニング装置113のクリーニング機能が低下するおそ
れがある。また中間転写ドラム102上に転写された不
要トナーが転写紙155の方へ転写されてしまうと、転
写紙155上の最終画像に地汚れが発生し、その画質が
劣化する。
【0124】そこで、感光体101と中間転写ドラム1
02との間に感光体101上の画像領域が位置している
ときにだけ、感光体101と中間転写ドラム102を圧
接させ、両者間に感光体101上の非画像領域がきたと
きには、感光体101と中間転写ドラム102とを離間
させ、感光体101上の非画像領域に付着した不要トナ
ーが中間転写ドラム102上に転写されないように構成
することもできるが、このように感光体101と中間転
写ドラム102との間に非画像領域がくる毎に、感光体
101と中間転写ドラム102を離間させると、装置の
構造が複雑化し、そのコストが著しく上昇する。
【0125】そこで、本例では、前述の各構成におい
て、少なくともトナー像の一次転写が行われるとき、感
光体101に対向する電極5aに対し感光体101上の
トナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加する電圧印加手
段、すなわち電源115、115a又は電圧供給装置1
15bが、トナー像の形成された感光体101上の各画
像領域の間の非画像領域が中間転写ドラム102の表面
に密着しているときは、感光体101に対向する電極5
aに電圧を印加しないように構成されている。このよう
にすれば、感光体101と中間転写ドラム102を互い
に離間させなくとも、感光体101の非画像領域に付着
した不要トナーが中間転写ドラム102上に転写される
ことを抑制でき、高品質な最終画像を得ることができ
る。
【0126】この構成は、中間転写ドラム102の表面
の粘着性を利用せず、専ら静電気力によって感光体10
1上のトナー像を中間転写ドラム102に一次転写させ
るように構成したときに特に有効である。中間転写ドラ
ム102の表面が常温のトナーに対して粘着性を有して
いなければ、感光体101の非画像領域上の不要トナー
が、中間転写ドラム102上に転写されることをより確
実に防止することができるからである。
【0127】また感光体101と中間転写ドラム102
の密着部W1に、前述の如き所定の幅があるときは、こ
の幅中に感光体101上の画像領域と非画像領域が共に
位置することもあるが、この時点においては、電極5a
に電圧を印加するように構成しても、或いは電圧を印加
しないように構成してもよい。後者の方法では、密着部
W1の全体に非画像領域が位置しているときにだけ電極
5aへの電圧印加を停止するものであり、前者の方法
は、密着部W1に画像領域が少しでも存在するときは、
電極5aに電圧を印加して一次転写を効率よく行えるよ
うにするものである。
【0128】後者の方法を採用しても、特に、一次転写
を中間転写ドラム102上の粘着性をも利用して行うと
きは、感光体101上のトナー像を中間転写ドラム10
2上に一次転写できる。また密着部W1に非画像領域と
画像領域が共に存在しているときは、その画像領域の縁
部が密着部W1に位置している状態であり、かかる縁部
には元々画像を形成しないこともあるので、このような
ときは、電極5aに電圧を印加しなくとも、一次転写不
良が生じることはない。
【0129】電極5aへの電圧のオン、オフ制御は、例
えば電圧供給のスイッチング部を設け、時間的に選択的
に電極5aに電圧を印加するようにすればよい。基本的
には、感光体101と中間転写ドラム102の間の密着
部W1に感光体101上の画像領域が位置しているか、
非画像領域が位置しているかを、システム内の他の部分
で作成された信号を基にして判断し、電極5aへの電圧
印加を制御する。その具体例を図15に示す。
【0130】感光体101上が画像領域であるかどうか
は、図示していないコントロール部で判断され、電極5
aへの電圧印加のオン,オフが制御される。図14の信
号Pは、CPUから発せられる画像領域信号であり、こ
の信号によって感光体101への画像書込みが制御され
る。信号Pは、形成しようとする画像の大きさ、画像と
画像の間の距離(転写紙間距離)、システムの線速など
から計算される時間に基づく信号であり、信号Qは電極
5aへの電圧印加信号を示している。信号Pが非画像領
域(H状態)になったタイミングからt3時間後に、感
光体101の非画像領域の先端が密着部W1内の電圧印
加部に到達する。従って、このt3時間後に、電極5a
に印加していた電圧をオフにする。同様に信号Pが画像
領域(L状態)になったタイミングからt3時間後に電
極5aへの電圧印加をオンにする。
【0131】感光体101上の画像領域と非画像領誠
を、感光体101に近接して設けた画像検知センサ(図
示せず)などにより判断して両者を区別し、これによっ
て電極5aの電圧印加のオン,オフ制御を行うことも可
能である。
【0132】また現像装置111の現像剤のトナー濃度
を検出するためのパターン像や、その他の意識的に作成
したトナー像を感光体101上に形成し、これらを中間
転写ドラム102上に転写させる必要のないときも、上
述した構成によってその中間転写ドラム102への転写
を阻止することができる。
【0133】上述の構成によれば、不要なトナーを中間
転写ドラム102上に転写させずに済むので、中間転写
ドラム102用のクリーニング装置113の負担を軽減
でき、また不要トナーが転写紙155に転写される不具
合を阻止できる。
【0134】ところで、先にも説明したように、図1及
び図5に示したクリーニング装置113のブラシローラ
114に対向した中間転写ドラム102の電極5cに
も、少なくとも中間転写ドラム102の清掃が行われる
とき、中間転写ドラム102上の残留トナーの帯電極性
と同極性の電圧が印加されるが、このときも、ブラシロ
ーラ114が感光体101に接触する幅Wの範囲内に位
置する電極にだけ、或いはこの範囲の近傍の外側に位置
する電極に対して電圧を印加してもよい。要は、当接幅
Wの範囲とその近傍の領域に対応する適宜な電極5aに
対して電圧を印加することによって、中間転写ドラム1
02のクリーニング効率を高めるという効果が得られる
のである。
【0135】ところが、この場合も、感光体101に対
するブラシローラ114の当接幅Wの範囲外の領域に対
応する電極に対しても電圧を印加すると、図5に符号S
2,S3で示した空隙、すなわちブラシローラ114
の、中間転写ドラム回転方向上流側と下流側の領域にも
電界が形成されるので、中間転写ドラム102上に付着
したトナーが飛び散り、クリーニング装置113の周辺
がトナーで汚されたり、中間転写ドラム102上に飛散
トナーが再付着してクリーニング不良を起こすおそれが
ある。
【0136】そこで、図5に示した実施例では、ブラシ
ローラ114のブラシ114bが中間転写ドラム102
に接触する幅Wの範囲内の領域に対応して位置する電極
5aにのみ、中間転写ドラム102上の残留トナーの帯
電極性と同極性の電圧を、電源121より成る電圧印加
手段によって、導電性ブラシ6cを介して印加するよう
に構成されている。
【0137】その際、幅Wの全体に対応する全ての電極
に電圧を印加してもよいが、図5の例では、この幅Wの
両端部から少なくとも1電極分だけその内側に入り込ん
だ3つの電極5cにだけ導電性のブラシ6cが接触し、
このブラシを介して電源121より成る電圧印加手段に
よって電圧を印加し、bで示した範囲にのみ電界が形成
されるように構成されている。これにより、幅Wの外側
の領域S2,S3に電界が形成されることをより確実に
防止でき、トナーの飛び散りを阻止できる。
【0138】図5は、各電極や導電性のブラシ6cなど
を模式的に示した図であり、各電極5aの幅やその間隔
は実際よりも大きく示してある。接触部の幅Wは、通常
5mm前後である。また3つの電極5cに印加する電圧の
値は、ブラシ114bの材質やその抵抗値、或いは中間
転写ドラム102の表面の絶縁層の材質、又はシステム
の使用環境、使用するトナーの性質などによって異なる
が、通常は−200V乃至−800V、例えば−500
Vの電圧が印加される。ブラシローラ114の芯金部1
14aは前述のようにアースに落されて、その電位は0
Vであるので、ブラシローラ114は、中間転写ドラム
102の電極5aに対して+200乃至+800Vの電
位差を有している。
【0139】電極5cだけに中間転写ドラム102の清
掃のための電圧を印加することによって、前述の如く、
中間転写ドラム102をクリーニングすべき部分よりも
その回転方向上流側に中間転写ドラム102から転写紙
155に二次転写される前のトナー像がある場合でも、
そのトナー像を乱すことはなく、中間転写ドラム102
の1回転でトナー像の転写と中間転写ドラム102のク
リーニング動作を行うことができる。
【0140】中間転写ドラムのクリーニング部のみで電
圧を印加する方法として、ブラシローラに対して、中間
転写ドラム上の残留トナーと逆極性の電圧を印加する方
法が公知であるが、この方法を採用すると、ブラシロー
ラのブラシに付着したトナーを除去するために、例えば
回収ローラをブラシに接触させ、この回収ローラに対し
て、ブラシローラに印加した電圧よりも大きな電圧を印
加して、ブラシに付着したトナーを回収ローラ側に引き
付ける必要があるが、回収ローラにこのような大きな電
圧を印加することは省電力、機能性の視点から好ましく
ない。
【0141】ブラシローラ114に対向する中間転写ド
ラム102の側の電極5cに電圧を印加する本実施例の
構成によれば、クリーニングされてブラシ114bに付
着したトナーには、ブラシ114bに付着しようとする
大きな電気力が働くことはないので、掻き取り部材11
7によって容易にブラシ114bに付着したトナーを除
去することができる。
【0142】このようにブラシローラ114に電圧を印
加しなくとも、中間転写ドラム102上のトナーを清掃
できるが、ブラシローラ114に、残留トナーの帯電極
性と逆極性の電圧を印加し、クリーニング効率をより一
層高めるように構成することも可能である。
【0143】ところで、ブラシローラ114などから成
るクリーニング部材に対向した電極5cに対して、中間
転写ドラム102上の残留トナーの帯電極性と同極性の
直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加すると、中間
転写ドラム102上の残留トナーのクリーニング効率を
一層高めることができる。すなわち、中間転写ドラム1
02上の残留トナーは、交流バイアス電圧による電界の
作用によって、周期的な力を受け、振動状態となり、中
間転写ドラム102の表面に対する付着力が弱められ、
外部からの力の作用で非常に動きやすい状態となる。従
って、電極5cに直流を重畳した交流電圧を印加するこ
とによって、弱い摺擦力と電界による力で、中間転写ド
ラム102上の残留トナーを効率よく清掃することがで
きる。
【0144】効果のある交流の周波数は、トナーの粒径
によって異なり、例えばトナー粒径が10μm前後であ
るときは、その周波数は1.2KHz乃至3KHzであること
が好ましい。またトナー粒径が5μm程度であるとき
は、その周波数は2KHz乃至5KHz程度であることが望ま
しい。その振幅は例えば1KV程度である。
【0145】振動状態にあるトナーは、中間転写ドラム
102から非常に離れやすくなっているので、中間転写
ドラム102の全ての電極5に対して、上述の直流に交
流を重畳した電圧を印加すると、トナーが飛散するが、
本例ではブラシローラ114に対する電極5cにのみ、
かかる電圧を印加するので、トナーの飛散を防止でき
る。
【0146】図5に示したクリーニング装置113にお
いては、クリーニング部材としてブラシローラ114を
用いたが、図16に示すように粘着ローラ214より成
るクリーニング部材を用いることもできる。このローラ
214は、導電性ローラの表面に、トナーに対して中間
転写ドラム102の表面よりも大きな粘着性を示す、例
えば半導電性の層を積層したものから成り、導電性のロ
ーラはアースに落されている。
【0147】このような粘着ローラ214が中間転写ド
ラム102に周面に接触しながら回転し、かかるローラ
214に対向する中間転写ドラム102の電極5cに、
トナーの帯電極性と同極性の電圧が印加される。その印
加に関する詳細は、図5を参照して先に説明したところ
と変りはなく、好ましくは粘着ローラ214と中間転写
ドラム102との接触部の幅Wの範囲内に位置する電極
5cに対して電圧が印加される。
【0148】このようにして、中間転写ドラム102上
に残留するトナーは、粘着ローラ214の表面の粘着力
と、電界の作用で粘着ローラ214の表面に移行し、移
行した粘着ローラ表面上のトナーは、これに圧接するブ
レード217によって除去される。
【0149】表面に粘着性を有していないローラ214
を用い、専ら電界の作用だけで中間転写ドラム102上
の残留トナーを除去することも可能であるが、この場合
には、粘着ローラを用いた場合よりも、電極5cに印加
する電圧を大きくする必要がある。
【0150】また図16に示したローラ214として、
例えばその内部にヒータを設けた加熱ローラを用い、こ
の加熱ローラ214の表面をヒータによって加熱すると
共に、該ローラ214をアースに落し、これに対向する
電極5cに残留トナーと同極性の電圧を印加して中間転
写ドラム102をクリーニングすることもできる。
【0151】この場合には、加熱ローラ214に接した
中間転写ドラム102上の残留トナーが溶融ないしは半
溶融状態となり、かかるトナーを、中間転写ドラム10
2の表面に対する離型性及び加熱ローラ214に対する
粘着性と、電界の作用とによって加熱ローラ214の側
に移行させることができる。加熱ローラ214に付着し
たトナーもブレード217によって掻き取られる。
【0152】図10乃至図14及び図16では、導電性
ブラシによって電極に電圧を印加する場合の例を示した
が、図7及び図8に示したように導電性のローラ7a,
7b,7cを用いて電極に電圧を印加するときも、この
導電性のローラと中間転写ドラム102との接触幅と、
電圧を印加する電極の関係を、前述したところと同様に
設定すればよい。
【0153】以上、転写紙に単色の画像を形成する画像
形成装置の実施例を説明したが、感光体101上に順次
色の異なるトナー像を形成し、これを中間転写ドラム1
02上に重ね合せて一次転写し、次いでこの多色トナー
像を転写紙155に一括して二次転写するか、中間転写
ドラム102上にトナー像を1色ずつ一次転写し、これ
を転写紙上に順次重ね合せて二次転写して多色画像を得
る画像形成装置にも本発明の適用が可能である。
【0154】
【発明の効果】請求項1に記載の構成によれば、他の要
素に悪影響を及ぼすことなく、トナー像担持回転体上の
トナー像を静電一次転写方式によって中間転写回転体上
に一次転写し、或いは中間転写回転体の電極に電圧を印
加して中間転写回転体上の残留トナーをクリーニング
し、又は中間転写回転体上のトナー像を静電二次転写方
式によって記録媒体に二次転写することが可能である。
【0155】また中間転写回転体の電極への電圧印加効
率を高めることのできる利点も得られる。
【0156】請求項2に記載の構成によれば、中間転写
回転体まわりのプロセス機器に悪影響を与えることな
く、トナー像担持回転体上のトナー像を静電一次転写方
式によって中間転写回転体上に一次転写でき、しかもト
ナー像担持回転体と中間転写回転体との密着部以外の領
域に電界を形成しないので、この領域におけるトナー像
担持回転体上のトナーが飛び散って、これが中間転写回
転体上に付着する欠点を除去することができる。
【0157】請求項3に記載の構成によれば、中間転写
回転体まわりのプロセス機器に悪影響を与えることな
く、トナー像担持回転体上のトナー像を静電一次転写方
式によって中間転写回転体上に一次転写でき、しかもト
ナー像担持回転体と中間転写回転体との密着部よりも、
中間転写回転体の回転方向上流側の領域には電界を形成
せず、かつその下流側の領域には中間転写回転体の側へ
トナーを強く引き付ける電界を形成するので、トナーの
飛び散りを防止でき、しかも乱れのない高品質な画像を
得ることができる。
【0158】請求項4に記載の構成によれば、トナー像
担持回転体と中間転写回転体との間に、プロセス条件に
対応した範囲で電位差を形成でき、幅広いプロセス条件
に対して、トナーの散りを抑え、高品質な画像を得るこ
とができる。
【0159】請求項5に記載の構成によれば、トナー像
担持回転体上の非画像領域に付着した不要トナーが中間
転写回転体上に転写されることを抑え、地汚れのない高
品質な画像を得ることができる。また中間転写回転体用
のクリーニング装置を設けたときは、その負担を軽減で
きる効果も得られる。
【0160】請求項6に記載の構成によれば、他の要素
に悪影響を与えることなく、中間転写回転体の電極に該
中間転写回転体をクリーニングするための電圧を印加で
き、クリーニングすべき中間転写回転体上の部分のみ
で、該中間転写回転体と残留トナーとの付着力を弱め、
効率的に中間転写回転体のクリーニングを行うことがで
きる。しかも中間転写回転体用のクリーニング装置の近
傍で、中間転写回転体上のトナーが飛び散ることを防止
でき、クリーニング装置近傍をトナーで汚したり、画像
の品質を低下させる不具合を防止できる。
【0161】請求項7に記載の構成によれば、中間転写
回転体の清掃時に、電極に印加した電圧の交流成分によ
ってその残留トナーを振動させて中間転写回転体に対す
る付着力を弱め、かつその直流成分によってトナーをク
リーニング部材側へ効果的に引き寄せることができ、中
間転写回転体のクリーニング効率を高めることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一例を示す概略構
成図である。
【図2】中間転写ドラムをその軸線方向に切断して示す
断面図である。
【図3】中間転写ドラムの外観斜視図である。
【図4】中間転写ドラムを半径方向に切断して示す断面
図である。
【図5】中間転写ドラム用のクリーニング装置と、中間
転写ドラム内の電極の関係を示す説明図である。
【図6】中間転写ドラムの電極を模式的に示した説明図
である。
【図7】電極へ導電性のローラを介して電圧を印加する
例を示した、図2と同様な断面図である。
【図8】図7に示した中間転写ドラムの外観斜視図であ
る。
【図9】中間転写ドラムの他の例を示す、図4と同様な
断面図である。
【図10】感光体と中間転写ドラムとの密着部と、中間
転写ドラムの電極との関連を示す説明図である。
【図11】感光体と中間転写ドラムとの密着部と、中間
転写ドラムの電極との関連の他の例を示す説明図であ
る。
【図12】感光体と中間転写ドラムとの密着部と、中間
転写ドラムの電極との関連のさらに他の例を示す説明図
である。
【図13】感光体と中間転写ドラムとの密着部と、中間
転写ドラムの電極との関連のさらに他の例を示す説明図
である。
【図14】図13に示した感光体と中間転写ドラムの圧
接力を強めたときの説明図である。
【図15】感光体の非画像領域が、感光体と中間転写ド
ラムとの間に至ったとき、電極への電圧の印加を停止す
る実施例のタイミングチャートである。
【図16】中間転写ドラム用のクリーニング装置の他の
例を示す、図5と同様な説明図である。
【符号の説明】
5 電極 5a 電極 5a−1 電極 5a−2 電極 5b 電極 5c 電極 113 クリーニング装置 D 密着部近傍部分 W 幅 W1 密着部 W2 密着部部分

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の極性に帯電されたトナーより成る
    トナー像を表面に形成されるトナー像担持回転体と、該
    回転体に密着しながら、その回転体上のトナー像を一次
    転写される中間転写回転体と、該中間転写回転体上のト
    ナー像を記録媒体上に二次転写するとき、当該記録媒体
    を中間転写回転体に対して加圧する加圧回転体と、二次
    転写後の中間転写回転体の表面を清掃するクリーニング
    部材を備えたクリーニング装置とを有する画像形成装置
    において、 前記中間転写回転体は、その周方向に分割されて配列さ
    れた複数の電極を内部に有し、 少なくとも前記一次転写が行われるとき、トナー像担持
    回転体に対向する前記電極に対し、トナー像担持回転体
    上のトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加する電圧印
    加手段と、少なくとも前記二次転写が行われるとき、前
    記加圧回転体に対向する前記電極に対し、中間転写回転
    体上のトナーの帯電極性と同極性の電圧を印加する電圧
    印加手段と、少なくとも中間転写回転体表面の清掃が行
    われるとき、前記クリーニング部材に対向する前記電極
    に対し、中間転写回転体上の残留トナーの帯電極性と同
    極性の電圧を印加する電圧印加手段のうち少なくとも1
    つの電圧印加手段を設けたことを特徴とする画像形成装
    置。
  2. 【請求項2】 所定の極性に帯電されたトナーより成る
    トナー像を表面に形成されるトナー像担持回転体と、該
    回転体に密着しながら、その回転体上のトナー像を一次
    転写される中間転写回転体と、該中間転写回転体上のト
    ナー像を記録媒体上に二次転写するとき、当該記録媒体
    を中間転写回転体に対して加圧する加圧回転体とを有す
    る画像形成装置において、 前記中間転写回転体は、その周方向に分割されて配列さ
    れた複数の電極を内部に有し、 少なくとも前記一次転写が行われるとき、トナー像担持
    回転体と中間転写回転体との密着部内の領域に対応して
    位置する前記電極に対して、トナー像担持回転体上のト
    ナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加する電圧印加手段
    を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 所定の極性に帯電されたトナーより成る
    トナー像を表面に形成されるトナー像担持回転体と、該
    回転体に密着しながら、その回転体上のトナー像を一次
    転写される中間転写回転体と、該中間転写回転体上のト
    ナー像を記録媒体上に二次転写するとき、当該記録媒体
    を中間転写回転体に対して加圧する加圧回転体とを有す
    る画像形成装置において、 前記中間転写回転体は、その周方向に分割されて配列さ
    れた複数の電極を内部に有し、 少なくとも前記一次転写が行われるとき、トナー像担持
    回転体と中間転写回転体との密着部のうちの少なくとも
    中間転写回転体の回転方向下流側の密着部部分と、この
    部分よりも中間転写回転体の回転方向下流側の密着部近
    傍部分とに対応して位置する前記電極に対して、トナー
    像担持回転体上のトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印
    加する電圧印加手段を設け、該電圧印加手段は、この手
    段によって電圧を印加される複数の電極のうち、中間転
    写回転体の回転方向上流側に位置する電極よりも、下流
    側に位置する電極に対して高い電圧を印加するように構
    成されていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 所定の極性に帯電されたトナーより成る
    トナー像を表面に形成されるトナー像担持回転体と、該
    回転体に密着しながら、その回転体上のトナー像を一次
    転写される中間転写回転体と、該中間転写回転体上のト
    ナー像を記録媒体上に二次転写するとき、当該記録媒体
    を中間転写回転体に対して加圧する加圧回転体とを有す
    る画像形成装置において、 前記中間転写回転体は、その周方向に分割されて配列さ
    れた複数の電極を内部に有し、 少なくとも前記一次転写が行われるとき、トナー像担持
    回転体に対向する複数の電極に対し、選択的に、トナー
    像担持回転体上のトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印
    加できる電圧印加手段を設けたことを特徴とする画像形
    成装置。
  5. 【請求項5】 所定の極性に帯電されたトナーより成る
    トナー像を表面に形成されるトナー像担持回転体と、該
    回転体に密着しながら、その回転体上のトナー像を一次
    転写される中間転写回転体と、該中間転写回転体上のト
    ナー像を記録媒体上に二次転写するとき、当該記録媒体
    を中間転写回転体に対して加圧する加圧回転体とを有す
    る画像形成装置において、 前記中間転写回転体は、その周方向に分割されて配列さ
    れた複数の電極を内部に有し、 少なくとも前記一次転写が行われるとき、トナー像担持
    回転体に対向する前記電極に対し、トナー像担持回転体
    上のトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加すると共
    に、トナー像が形成されたトナー像担持回転体上の各画
    像領域の間の非画像領域が中間転写回転体の表面に密着
    しているときは、トナー像担持回転体に対向する前記電
    極に電圧を印加しない電圧印加手段を設けたことを特徴
    とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 所定の極性に帯電されたトナーより成る
    トナー像を表面に形成されるトナー像担持回転体と、該
    回転体に密着しながら、その回転体上のトナー像を一次
    転写される中間転写回転体と、該中間転写回転体上のト
    ナー像を記録媒体上に二次転写するとき、当該記録媒体
    を中間転写回転体に対して加圧する加圧回転体と、二次
    転写後の中間転写回転体の表面を清掃するクリーニング
    部材を備えたクリーニング装置とを有する画像形成装置
    において、 前記中間転写回転体は、その周方向に分割されて配列さ
    れた複数の電極を内部に有し、 少なくとも中間転写回転体表面の清掃が行われるとき、
    前記クリーニング部材が中間転写回転体に接触する範囲
    内の領域に対応して位置する前記電極に対し、中間転写
    回転体上の残留トナーの帯電極性と同極性の電圧を印加
    する電圧印加手段を設けたことを特徴とする画像形成装
    置。
  7. 【請求項7】 所定の極性に帯電されたトナーより成る
    トナー像を表面に形成されるトナー像担持回転体と、該
    回転体に密着しながら、その回転体上のトナー像を一次
    転写される中間転写回転体と、該中間転写回転体上のト
    ナー像を記録媒体上に二次転写するとき、当該記録媒体
    を中間転写回転体に対して加圧する加圧回転体と、二次
    転写後の中間転写回転体の表面を清掃するクリーニング
    部材を備えたクリーニング装置とを有する画像形成装置
    において、 前記中間転写回転体は、その周方向に分割されて配列さ
    れた複数の電極を内部に有し、 少なくとも中間転写回転体表面の清掃が行われるとき、
    前記クリーニング部材に対向する前記電極に対し、中間
    転写回転体上の残留トナーの帯電極性と同極性の直流を
    重畳した交流電圧を印加する電圧印加手段を設けたこと
    を特徴とする画像形成装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5797077A (en) * 1996-04-04 1998-08-18 Fuji Xerox Co., Ltd. Double-sided images forming apparatus and method using the same
US7106997B2 (en) * 2002-11-29 2006-09-12 Samsung Electronics Co., Ltd. Intermediate transfer member for carrying intermediate electrophotographic image
US7177572B2 (en) * 2004-06-25 2007-02-13 Xerox Corporation Biased charge roller with embedded electrodes with post-nip breakdown to enable improved charge uniformity
JP2009052163A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Panasonic Corp 高分子ウエブの製造方法と装置

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