JPH06117775A - 竪型誘導加熱装置における炉床金物 - Google Patents
竪型誘導加熱装置における炉床金物Info
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- JPH06117775A JPH06117775A JP26204692A JP26204692A JPH06117775A JP H06117775 A JPH06117775 A JP H06117775A JP 26204692 A JP26204692 A JP 26204692A JP 26204692 A JP26204692 A JP 26204692A JP H06117775 A JPH06117775 A JP H06117775A
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- Japan
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- furnace
- slab
- temperature
- induction heating
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- Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【目的】スラブ加熱温度を上げても熱応力による熱衝撃
を抑えて,割損しにくい炉床金物を目的としている。 【構成】炉本体1の下方には、昇降台4が配設されてい
る。その昇降台4は、炉長方向に延びたブロック状に形
成されていて、その下部を炉長方向に並んだ複数のサポ
ートパイプ5によって支持されている。そのサポートパ
イプ5は、図示しない昇降装置によって同期をとって昇
降可能になっている。上記昇降台4の上端部には、炉長
方向に沿って,複数の炉床金物6が相互に所定間隔をあ
けて並列配置されている。各炉床金物6は、昇降台4に
固定される下側ブロック7と、その下側ブロック7の上
に配設されて、スラブ9と直接接触する炉長方向に並ん
だ二つの上側ブロック8の計3つブロックから構成され
て、上下2層構造になっていて、上側ブロック8の厚み
がそれぞれ80mmになっている。
を抑えて,割損しにくい炉床金物を目的としている。 【構成】炉本体1の下方には、昇降台4が配設されてい
る。その昇降台4は、炉長方向に延びたブロック状に形
成されていて、その下部を炉長方向に並んだ複数のサポ
ートパイプ5によって支持されている。そのサポートパ
イプ5は、図示しない昇降装置によって同期をとって昇
降可能になっている。上記昇降台4の上端部には、炉長
方向に沿って,複数の炉床金物6が相互に所定間隔をあ
けて並列配置されている。各炉床金物6は、昇降台4に
固定される下側ブロック7と、その下側ブロック7の上
に配設されて、スラブ9と直接接触する炉長方向に並ん
だ二つの上側ブロック8の計3つブロックから構成され
て、上下2層構造になっていて、上側ブロック8の厚み
がそれぞれ80mmになっている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下側からスラブを炉内
に装入し誘導加熱によって高温且つ均一に加熱する下部
装入式の竪型誘導加熱装置に係り、特に、スラブを載せ
て炉内に装入する炉床金物に関する。
に装入し誘導加熱によって高温且つ均一に加熱する下部
装入式の竪型誘導加熱装置に係り、特に、スラブを載せ
て炉内に装入する炉床金物に関する。
【0002】
【従来の技術】竪型誘導加熱装置は、予め連続式加熱炉
等によって所定温度まで加熱されたスラブを,さらに高
温かつ均一に加熱するために使用されるものであり、例
えば,特開昭62−224630号公報や特開平3−4
5885号公報等に記載されたものが知られている。
等によって所定温度まで加熱されたスラブを,さらに高
温かつ均一に加熱するために使用されるものであり、例
えば,特開昭62−224630号公報や特開平3−4
5885号公報等に記載されたものが知られている。
【0003】これらの装置は、下部にスラブ装入口を有
する箱型の耐火断熱材からなる炉本体の外周に、誘導加
熱コイルが配設され、その誘導加熱コイルによって、炉
本体内に装入されたスラブを誘導加熱するようになって
いる。そして、加熱するスラブを炉本体内へ装入する昇
降台及び炉床金物は、例えば,複数のサポートパイプに
よって下側から支持されるブロック状の耐火物からなる
昇降台の上端に、スラブを直接,搭載支持する耐熱性金
属からなる複数の炉床金物が、炉長方向へ相互に所定間
隔をあけて並んだ状態で,突出配設されて構成される。
そして、その昇降台及び炉床金物を炉本体に向けて昇降
することによって、複数の炉床金物上に載置したスラブ
を炉内に装入,及び炉内からの取り出しを行っている。
する箱型の耐火断熱材からなる炉本体の外周に、誘導加
熱コイルが配設され、その誘導加熱コイルによって、炉
本体内に装入されたスラブを誘導加熱するようになって
いる。そして、加熱するスラブを炉本体内へ装入する昇
降台及び炉床金物は、例えば,複数のサポートパイプに
よって下側から支持されるブロック状の耐火物からなる
昇降台の上端に、スラブを直接,搭載支持する耐熱性金
属からなる複数の炉床金物が、炉長方向へ相互に所定間
隔をあけて並んだ状態で,突出配設されて構成される。
そして、その昇降台及び炉床金物を炉本体に向けて昇降
することによって、複数の炉床金物上に載置したスラブ
を炉内に装入,及び炉内からの取り出しを行っている。
【0004】上記炉床金物は、特開平4−36587号
公報に記載されているように、従来においては、それぞ
れ一つの煉瓦形状に一体成形されている。
公報に記載されているように、従来においては、それぞ
れ一つの煉瓦形状に一体成形されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】スラブを炉内に装入し
て加熱すると、スラブを載置している炉床金物の温度も
上昇して熱応力が入力され、また、加熱が終了した後,
スラブ及び炉床金物を炉内から出し放熱状態になると、
上記炉床金物は急激に放冷されて、熱応力変化による熱
衝撃が炉床金物に入力される。
て加熱すると、スラブを載置している炉床金物の温度も
上昇して熱応力が入力され、また、加熱が終了した後,
スラブ及び炉床金物を炉内から出し放熱状態になると、
上記炉床金物は急激に放冷されて、熱応力変化による熱
衝撃が炉床金物に入力される。
【0006】このとき、上記従来の炉床金物は、一体成
形されて、上部はスラブからの熱伝導によって加熱さ
れ、下部は金物自体が溶融しないようにサポートパイプ
及び昇降台を介して水冷等で冷却されているので、上下
温度差が大きいために、上記熱応力及び放冷時の熱衝撃
が大きく、スラブ加熱温度設定を高くすると、上記熱衝
撃によって炉床金物に亀裂が発生する恐れがある。
形されて、上部はスラブからの熱伝導によって加熱さ
れ、下部は金物自体が溶融しないようにサポートパイプ
及び昇降台を介して水冷等で冷却されているので、上下
温度差が大きいために、上記熱応力及び放冷時の熱衝撃
が大きく、スラブ加熱温度設定を高くすると、上記熱衝
撃によって炉床金物に亀裂が発生する恐れがある。
【0007】特に、方向性珪素鋼等を製造するために
は,スラブを1400℃以上に高温加熱する必要があ
り、上記のようにスラブ加熱温度を高温にするほど、上
下の温度差が大きくなって、スラブ加熱時からの降温時
に熱衝撃で、炉床金物に亀裂が発生し易くなるという問
題がある。これは、スラブを1400℃以上に加熱する
ことに対応可能な溶融点の高い、特願平1−30009
1号公報等に記載されているような耐熱性合金によって
炉床金物を製造した場合であっても同様である。
は,スラブを1400℃以上に高温加熱する必要があ
り、上記のようにスラブ加熱温度を高温にするほど、上
下の温度差が大きくなって、スラブ加熱時からの降温時
に熱衝撃で、炉床金物に亀裂が発生し易くなるという問
題がある。これは、スラブを1400℃以上に加熱する
ことに対応可能な溶融点の高い、特願平1−30009
1号公報等に記載されているような耐熱性合金によって
炉床金物を製造した場合であっても同様である。
【0008】本発明は、上記のような問題点に着目して
なされたもので、スラブ加熱温度を上げても熱応力によ
る熱衝撃を抑えて,割損しにくい炉床金物を目的として
いる。
なされたもので、スラブ加熱温度を上げても熱応力によ
る熱衝撃を抑えて,割損しにくい炉床金物を目的として
いる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の竪型誘導加熱装置における炉床金物は、ス
ラブを装入可能な装入口が下部に開設された炉本体と、
その炉本体の装入口に下側から対向しその装入口に向け
て昇降可能な昇降台と、その昇降台の上端部に,炉長方
向へ相互に所定間隔をあけて並列配設され、その上面に
スラブを載置可能な複数の炉床金物とを備えた竪型誘導
加熱装置において、上記各炉床金物を、それぞれ上下方
向へ分割可能に積層された複数のブロックによって形成
したことを特徴としている。
に、本発明の竪型誘導加熱装置における炉床金物は、ス
ラブを装入可能な装入口が下部に開設された炉本体と、
その炉本体の装入口に下側から対向しその装入口に向け
て昇降可能な昇降台と、その昇降台の上端部に,炉長方
向へ相互に所定間隔をあけて並列配設され、その上面に
スラブを載置可能な複数の炉床金物とを備えた竪型誘導
加熱装置において、上記各炉床金物を、それぞれ上下方
向へ分割可能に積層された複数のブロックによって形成
したことを特徴としている。
【0010】このとき、上記炉床金物が、Cr60%以
上を含有し、Cは0.8%以下、Siは5%以下の混在
が許容され、残部は実質的にFeである化学組成を有
し、融点1600℃以上、平均結晶粒径50μm以上で
ある耐熱合金からなる場合には、その炉床金物を分割構
成する複数のブロックのうち,スラブと直接接触する最
上層のブロックの高さを50mm以上,110mm以下,好
ましくは80mm以下にするとよい。
上を含有し、Cは0.8%以下、Siは5%以下の混在
が許容され、残部は実質的にFeである化学組成を有
し、融点1600℃以上、平均結晶粒径50μm以上で
ある耐熱合金からなる場合には、その炉床金物を分割構
成する複数のブロックのうち,スラブと直接接触する最
上層のブロックの高さを50mm以上,110mm以下,好
ましくは80mm以下にするとよい。
【0011】
【作用】炉床金物は、スラブを搭載支持し炉内に装入さ
れた状態で、スラブと共に加熱されて熱応力が増加し、
スラブの加熱が終了すると炉外に出されて急激に放冷さ
れて、急激な熱応力変化によって,所定の熱衝撃が炉床
金物に入力される。このとき、一般に、炉床金物の高さ
方向の温度差をみてみると、炉床金物上面はスラブから
の熱伝動によって下面に比べて高くなって高さ方向に連
続した温度差が生じていることが知られている。
れた状態で、スラブと共に加熱されて熱応力が増加し、
スラブの加熱が終了すると炉外に出されて急激に放冷さ
れて、急激な熱応力変化によって,所定の熱衝撃が炉床
金物に入力される。このとき、一般に、炉床金物の高さ
方向の温度差をみてみると、炉床金物上面はスラブから
の熱伝動によって下面に比べて高くなって高さ方向に連
続した温度差が生じていることが知られている。
【0012】今、炉床金物を高さHとし、加熱された状
態で、上面の温度がT1 ,下面の温度がT2 となるよう
な高さ方向に連続した温度分布が炉床金物に発生してい
るとすると、その炉床金物には、次に示すような熱応力
σが発生する。 ここで、αは炉床金物を構成する金属の熱膨張係数を、
Eはヤング率を、νはポアソン比をそれぞれ示してい
る。
態で、上面の温度がT1 ,下面の温度がT2 となるよう
な高さ方向に連続した温度分布が炉床金物に発生してい
るとすると、その炉床金物には、次に示すような熱応力
σが発生する。 ここで、αは炉床金物を構成する金属の熱膨張係数を、
Eはヤング率を、νはポアソン比をそれぞれ示してい
る。
【0013】そして、放冷時に上記熱応力の急激な減少
によって熱衝撃が炉床金物に入力されるが、上記(1)
式から分かるように、上下温度差が大きいほど熱応力が
大きくなって熱衝撃が大きくなる。よって、本発明で
は、炉床金物を高さ方向に複数の層に分割成形すること
で、各層単位の上下の温度差を小さくして、炉床金物全
体に入力される熱衝撃を小さくする。
によって熱衝撃が炉床金物に入力されるが、上記(1)
式から分かるように、上下温度差が大きいほど熱応力が
大きくなって熱衝撃が大きくなる。よって、本発明で
は、炉床金物を高さ方向に複数の層に分割成形すること
で、各層単位の上下の温度差を小さくして、炉床金物全
体に入力される熱衝撃を小さくする。
【0014】さらに、炉床金物を構成する金属の破壊強
度をSとすると、炉床金物表面に亀裂が生じる上下面の
温度差は、上記式をもとに次のように表される。 また、非定常熱伝導の微分方程式は、次式で表される。
度をSとすると、炉床金物表面に亀裂が生じる上下面の
温度差は、上記式をもとに次のように表される。 また、非定常熱伝導の微分方程式は、次式で表される。
【0015】 ここで、kは炉床金物を構成する熱伝導率を,cは比熱
を,ρは密度を夫々示し、また、Xは、下面をゼロとし
た高さ方向への変位を示している。
を,ρは密度を夫々示し、また、Xは、下面をゼロとし
た高さ方向への変位を示している。
【0016】これを解くと、T(X)=C1 ・X2 +
C2 ・X + T2 と表され、、X=HでT=T1 、
X=0で(∂T/∂t)=0の境界条件で解くと、 となり、温度関数T(X)は、 と表される。
C2 ・X + T2 と表され、、X=HでT=T1 、
X=0で(∂T/∂t)=0の境界条件で解くと、 となり、温度関数T(X)は、 と表される。
【0017】これから、 となり、これを,上記(3)式に代入することで、温度
変化速度(∂T/∂t)が、次のように求められる。
変化速度(∂T/∂t)が、次のように求められる。
【0018】 上記(2)式と(4)式をもとにして、表面温度が一定
速度で変化し、且つ、厚さHをパラメータとした時の上
面温度Tにおける,亀裂発生の臨界温度変化速度を求め
ると、次式で表される。
速度で変化し、且つ、厚さHをパラメータとした時の上
面温度Tにおける,亀裂発生の臨界温度変化速度を求め
ると、次式で表される。
【0019】 ここで、nは補正係数を示している。そして、炉床金物
の材質として請求項2で記載したような、高温強度性に
優れた耐熱合金を使用した炉床金物に対して、炉床金物
の高さが110mm及び150mmの場合における上記式か
ら算出した結果と、実際の装置で測定した炉床金物の温
度変化とを比較して見ると、炉床金物の昇温時には、図
7に示されるように、温度が高くなるほど炉床金物の温
度速度が遅くなって、高さが150mmの炉床金物(図7
中,A)であっても、実際に測定した測温値が、臨界昇
温速度を常に下回っているので、昇温時に熱衝撃によっ
て破損が発生することがないことが確認できる。図7
中,Bは、高さが110mmの炉床金物を示している。
の材質として請求項2で記載したような、高温強度性に
優れた耐熱合金を使用した炉床金物に対して、炉床金物
の高さが110mm及び150mmの場合における上記式か
ら算出した結果と、実際の装置で測定した炉床金物の温
度変化とを比較して見ると、炉床金物の昇温時には、図
7に示されるように、温度が高くなるほど炉床金物の温
度速度が遅くなって、高さが150mmの炉床金物(図7
中,A)であっても、実際に測定した測温値が、臨界昇
温速度を常に下回っているので、昇温時に熱衝撃によっ
て破損が発生することがないことが確認できる。図7
中,Bは、高さが110mmの炉床金物を示している。
【0020】なお、図7,及び図8において、破線で示
した曲線は、上記耐熱合金を鋳造で製造した炉床金物の
場合であり、また、実線の曲線は、上記耐熱合金をHI
P焼結法で製造した炉床金物の場合である。また、丸印
は、炉床金物における表面温度の実測値である。さら
に、炉床金物の降温時には、図8に示すような結果が得
られて、高さが150mmの炉床金物(図8中,C)で
は、930℃以上で実測値が臨界温度を越えるので、9
30℃以上の領域では炉床金物の降温速度を9.6℃以
上に遅くなるように制御する必要があるが、高さが11
0mmの炉床金物(図8中,D,E)では、1020℃以
内では臨界温度を越えないので、通常のスラブ加熱時に
炉床金物の降温温度制御を必要としないことが分かる。
さらに、高さを80mm(図8中,F)にすると、110
0℃になっても臨界温度を越えないことが分かり、ま
た、高さが80mmの炉床金物であっても図示していない
がHIP焼結法で炉床金物を製造した場合であれば、さ
らに高温であっても臨界温度を越えないことが予測され
る。
した曲線は、上記耐熱合金を鋳造で製造した炉床金物の
場合であり、また、実線の曲線は、上記耐熱合金をHI
P焼結法で製造した炉床金物の場合である。また、丸印
は、炉床金物における表面温度の実測値である。さら
に、炉床金物の降温時には、図8に示すような結果が得
られて、高さが150mmの炉床金物(図8中,C)で
は、930℃以上で実測値が臨界温度を越えるので、9
30℃以上の領域では炉床金物の降温速度を9.6℃以
上に遅くなるように制御する必要があるが、高さが11
0mmの炉床金物(図8中,D,E)では、1020℃以
内では臨界温度を越えないので、通常のスラブ加熱時に
炉床金物の降温温度制御を必要としないことが分かる。
さらに、高さを80mm(図8中,F)にすると、110
0℃になっても臨界温度を越えないことが分かり、ま
た、高さが80mmの炉床金物であっても図示していない
がHIP焼結法で炉床金物を製造した場合であれば、さ
らに高温であっても臨界温度を越えないことが予測され
る。
【0021】このため、本発明においては、方向性珪素
鋼などを製造するために、スラブを従来よりも高温加熱
する際に採用される上記耐熱合金からなる炉床金物にお
ける、スラブと直接接触する最上層のブロックの厚みを
110mm以下,望ましくは80mm以下に設定した。ま
た、分割した各ブロックの厚みを50mmより小さくする
とブロック間の固定が困難になると共に、上記高温に加
熱させる際,若しくは急冷時に割れてしまうので下限値
を50mmにした。
鋼などを製造するために、スラブを従来よりも高温加熱
する際に採用される上記耐熱合金からなる炉床金物にお
ける、スラブと直接接触する最上層のブロックの厚みを
110mm以下,望ましくは80mm以下に設定した。ま
た、分割した各ブロックの厚みを50mmより小さくする
とブロック間の固定が困難になると共に、上記高温に加
熱させる際,若しくは急冷時に割れてしまうので下限値
を50mmにした。
【0022】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
まず構成を説明すると、図4に示すように、下方にスラ
ブ装入口1aが形成されている箱型の炉本体1の外周
を、上下に分割された誘導加熱コイル2が巻回されてい
る。その誘導加熱コイル2は誘導電源3に接続されて、
その誘導電源3から投入される電力によって誘導加熱可
能になっている。
まず構成を説明すると、図4に示すように、下方にスラ
ブ装入口1aが形成されている箱型の炉本体1の外周
を、上下に分割された誘導加熱コイル2が巻回されてい
る。その誘導加熱コイル2は誘導電源3に接続されて、
その誘導電源3から投入される電力によって誘導加熱可
能になっている。
【0023】上記炉本体1の下方には、昇降台4が配設
されている。その昇降台4は、図1に示すように、耐火
物から構成され,炉長方向に延びたブロック状に形成さ
れていて、その下部を炉長方向に並んだ複数のサポート
パイプ5によって支持されている。そのサポートパイプ
5は、それぞれ水冷管構造となっていると共に耐火断熱
材でライニングされて、図示しない昇降装置によって同
期をとって昇降可能になっている。
されている。その昇降台4は、図1に示すように、耐火
物から構成され,炉長方向に延びたブロック状に形成さ
れていて、その下部を炉長方向に並んだ複数のサポート
パイプ5によって支持されている。そのサポートパイプ
5は、それぞれ水冷管構造となっていると共に耐火断熱
材でライニングされて、図示しない昇降装置によって同
期をとって昇降可能になっている。
【0024】また、上記昇降台4の上端部には、炉長方
向に沿って,複数の炉床金物6が相互に所定間隔をあけ
て並列配置されている。その炉床金物6は、Cr60%
を以上を含有し、W10%以下,Mo10%以下,Nb
10%以下,Ta10%以下,Hf10%以下,Co1
0%以下,Ni10%以下,Ti10%以下,希土類元
素10%以下,Al10%以下,V10%以下,及びM
n10%以下の群より選ばれる1種ないし2種以上の元
素を含有し、さらに、Cが0.8%以下,Siが5%以
下となる混在が許容され、残部は実質的にFeである化
学組成を有し、融点1600℃以上,且つ平均結晶粒径
が50μm以上となる耐熱合金から形成されて、図3に
示すように、それぞれが高さH285mm,炉幅方向B2
00mm,炉長方向L300mmの煉瓦形状になっている。
向に沿って,複数の炉床金物6が相互に所定間隔をあけ
て並列配置されている。その炉床金物6は、Cr60%
を以上を含有し、W10%以下,Mo10%以下,Nb
10%以下,Ta10%以下,Hf10%以下,Co1
0%以下,Ni10%以下,Ti10%以下,希土類元
素10%以下,Al10%以下,V10%以下,及びM
n10%以下の群より選ばれる1種ないし2種以上の元
素を含有し、さらに、Cが0.8%以下,Siが5%以
下となる混在が許容され、残部は実質的にFeである化
学組成を有し、融点1600℃以上,且つ平均結晶粒径
が50μm以上となる耐熱合金から形成されて、図3に
示すように、それぞれが高さH285mm,炉幅方向B2
00mm,炉長方向L300mmの煉瓦形状になっている。
【0025】また、各炉床金物6は、図1〜図3に示す
ように、昇降台4に固定される下側ブロック7と、その
下側ブロック7の上に配設されて、スラブ9と直接接触
する炉長方向に並んだ二つの上側ブロック8の計3つブ
ロックから構成されて、上下2層構造になっていて、上
側ブロック8の厚みH1 がそれぞれ80mmになってい
る。
ように、昇降台4に固定される下側ブロック7と、その
下側ブロック7の上に配設されて、スラブ9と直接接触
する炉長方向に並んだ二つの上側ブロック8の計3つブ
ロックから構成されて、上下2層構造になっていて、上
側ブロック8の厚みH1 がそれぞれ80mmになってい
る。
【0026】上記下側ブロック7は、昇降台4上部に形
成された凸部4aに係合可能な凹部7aが下面に形成さ
れて、その凹部7aを昇降台4の凸部4aに係合すると
共に、炉幅方向に貫通する2本のピン10によって昇降
台4に固定されている。その下側ブロック7の上面に
は、炉幅方向に延びた2本の突出部7bが形成され、そ
の各突出部7bの左右両側に係止溝部7c及び係止切り
欠き部7dが形成されている。
成された凸部4aに係合可能な凹部7aが下面に形成さ
れて、その凹部7aを昇降台4の凸部4aに係合すると
共に、炉幅方向に貫通する2本のピン10によって昇降
台4に固定されている。その下側ブロック7の上面に
は、炉幅方向に延びた2本の突出部7bが形成され、そ
の各突出部7bの左右両側に係止溝部7c及び係止切り
欠き部7dが形成されている。
【0027】また、各上側ブロック8の下面中央部に
は、炉幅方向に延びる溝8aが形成され、その溝8aの
左右の足部8bが相対的に上記下側ブロック7の係止溝
部7c及び係止切り欠き部7dへ係合可能に形成され
て、その足部8bを上記下側ブロック7の係止溝部7c
及び係止切り欠き部7dに夫々係合させると共に、炉幅
方向に貫通するピン11によって、2つの上側ブロック
8が炉長方向に並んで下側ブロック7の上に固定されて
いる。
は、炉幅方向に延びる溝8aが形成され、その溝8aの
左右の足部8bが相対的に上記下側ブロック7の係止溝
部7c及び係止切り欠き部7dへ係合可能に形成され
て、その足部8bを上記下側ブロック7の係止溝部7c
及び係止切り欠き部7dに夫々係合させると共に、炉幅
方向に貫通するピン11によって、2つの上側ブロック
8が炉長方向に並んで下側ブロック7の上に固定されて
いる。
【0028】そして、上記のように構成された複数の炉
床金物6の上に、幅方向を上下にしたスラブ9が載置さ
れ、図示しない昇降装置の作動によってサポートパイプ
5及び昇降台4を介して炉床金物6及びスラブ9が装入
されて加熱され、そのスラブ9に対する加熱が終了した
ら、炉床金物6及びスラブ9が炉内から取りだされて炉
床金物6が放冷される。
床金物6の上に、幅方向を上下にしたスラブ9が載置さ
れ、図示しない昇降装置の作動によってサポートパイプ
5及び昇降台4を介して炉床金物6及びスラブ9が装入
されて加熱され、そのスラブ9に対する加熱が終了した
ら、炉床金物6及びスラブ9が炉内から取りだされて炉
床金物6が放冷される。
【0029】このとき、急激な温度変化によって、炉床
金物6に熱衝撃が入力されるわけであるが、各炉床金物
6の上下面の温度差が大きくても、本実施例において
は、各炉床金物6が2つの層に分割形成されて、各ブロ
ックの上下温度差は炉床金物全体の上下温度差よりも小
さくなるので、それぞれのブロックにかかる熱応力及び
その熱応力変化による熱衝撃が小さくなって、該熱衝撃
による亀裂発生が防止できる。
金物6に熱衝撃が入力されるわけであるが、各炉床金物
6の上下面の温度差が大きくても、本実施例において
は、各炉床金物6が2つの層に分割形成されて、各ブロ
ックの上下温度差は炉床金物全体の上下温度差よりも小
さくなるので、それぞれのブロックにかかる熱応力及び
その熱応力変化による熱衝撃が小さくなって、該熱衝撃
による亀裂発生が防止できる。
【0030】なお、上記実施例においては、2つの上側
ブロック8を炉長方向に並べて配置しているが、炉幅方
向に並べて配置しても構わないし、さらには、2つの上
側ブロック8間の接合面も平面状である必要もなく、互
いに係合可能な形状であれば他の公知の形状になってい
てもよいし、また、上下ブロック間の接合面も上記実施
例のような形状に限定されるものではない。
ブロック8を炉長方向に並べて配置しているが、炉幅方
向に並べて配置しても構わないし、さらには、2つの上
側ブロック8間の接合面も平面状である必要もなく、互
いに係合可能な形状であれば他の公知の形状になってい
てもよいし、また、上下ブロック間の接合面も上記実施
例のような形状に限定されるものではない。
【0031】また、上記実施例では、各ブロック6,7
をピンで固定しているが、ピン結合に限定されるもので
はなく、キー結合など他の公知の結合手段によって各ブ
ロック間を固定しても構わない。また、上記実施例にお
いては、上下2層に分割しているが、図5に示すよう
に、3層以上に上下に分割可能にして積層・固定しても
構わない。
をピンで固定しているが、ピン結合に限定されるもので
はなく、キー結合など他の公知の結合手段によって各ブ
ロック間を固定しても構わない。また、上記実施例にお
いては、上下2層に分割しているが、図5に示すよう
に、3層以上に上下に分割可能にして積層・固定しても
構わない。
【0032】また、上記実施例では、昇降台4は一体物
で形成されているが、図6に示すように、各炉床金物
6,若しくはサポートパイプ5単位に分割されて分離状
態になっていてもよい。また、各炉床金物の材質は、上
記実施例に示した材質に限定されるものではなく、特願
平1−30091号公報に記載されているような,他の
組成及び製造方法の耐熱合金であってもよい。
で形成されているが、図6に示すように、各炉床金物
6,若しくはサポートパイプ5単位に分割されて分離状
態になっていてもよい。また、各炉床金物の材質は、上
記実施例に示した材質に限定されるものではなく、特願
平1−30091号公報に記載されているような,他の
組成及び製造方法の耐熱合金であってもよい。
【0033】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の竪型
誘導加熱装置における炉床金物では、従来に比べて熱応
力変化による熱衝撃に強いために、従来よりもスラブ加
熱時の温度が大きくなるような方向性珪素鋼等のスラブ
を加熱する際にも適用でき、炉床金物の強度を向上させ
て,寿命を延ばすという効果がある。
誘導加熱装置における炉床金物では、従来に比べて熱応
力変化による熱衝撃に強いために、従来よりもスラブ加
熱時の温度が大きくなるような方向性珪素鋼等のスラブ
を加熱する際にも適用でき、炉床金物の強度を向上させ
て,寿命を延ばすという効果がある。
【図1】本発明に係る実施例の竪型誘導加熱装置におけ
る炉床金物及び昇降台を示す側面図である。
る炉床金物及び昇降台を示す側面図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】本発明に係る実施例の炉床金物を示す斜視図で
ある。
ある。
【図4】本発明に係る実施例の竪型誘導加熱装置を示す
概略構成図である。
概略構成図である。
【図5】本発明に係る第2実施例の炉床金物を示す斜視
図である。
図である。
【図6】本発明に係る第2実施例の竪型誘導加熱装置に
おける炉床金物及び昇降台を示す側面図である。
おける炉床金物及び昇降台を示す側面図である。
【図7】炉床金物昇温時の臨界温度速度を示す図であ
る。
る。
【図8】炉床金物降温時の臨界温度速度を示す図であ
る。
る。
4 昇降台 6 炉床金物 7 下側ブロック 8 上側ブロック 9 スラブ
Claims (2)
- 【請求項1】 スラブを装入可能な装入口が下部に開設
された炉本体と、その炉本体の装入口に下側から対向し
その装入口に向けて昇降可能な昇降台と、その昇降台の
上端部に,炉長方向へ相互に所定間隔をあけて並列配設
され、その上面にスラブを載置可能な複数の炉床金物と
を備えた竪型誘導加熱装置において、上記各炉床金物
を、それぞれ上下方向へ分割可能に積層された複数のブ
ロックによって形成したことを特徴とする竪型誘導加熱
装置における炉床金物。 - 【請求項2】 Cr60%以上を含有し、Cは0.8%
以下、Siは5%以下の混在が許容され、残部は実質的
にFeである化学組成を有し、融点1600℃以上、平
均結晶粒径50μm以上である耐熱合金からなる上記炉
床金物に対して、その炉床金物を構成する複数のブロッ
クのうち,スラブと直接接触する最上層のブロックの厚
みを50mm以上,110mm以下にしたことを特徴とする
請求項1記載の竪型誘導加熱装置における炉床金物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26204692A JPH06117775A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 竪型誘導加熱装置における炉床金物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26204692A JPH06117775A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 竪型誘導加熱装置における炉床金物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06117775A true JPH06117775A (ja) | 1994-04-28 |
Family
ID=17370281
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26204692A Pending JPH06117775A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 竪型誘導加熱装置における炉床金物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06117775A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105695709A (zh) * | 2016-01-29 | 2016-06-22 | 赵宽学 | 铝型材加热炉 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0345885A (ja) * | 1989-07-14 | 1991-02-27 | Kawasaki Steel Corp | 竪型誘導加熱炉 |
JPH04131318A (ja) * | 1990-09-21 | 1992-05-06 | Kubota Corp | 鋼材加熱炉用スキッドボタン |
-
1992
- 1992-09-30 JP JP26204692A patent/JPH06117775A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0345885A (ja) * | 1989-07-14 | 1991-02-27 | Kawasaki Steel Corp | 竪型誘導加熱炉 |
JPH04131318A (ja) * | 1990-09-21 | 1992-05-06 | Kubota Corp | 鋼材加熱炉用スキッドボタン |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105695709A (zh) * | 2016-01-29 | 2016-06-22 | 赵宽学 | 铝型材加热炉 |
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