JPH06116577A - 機械構成部材の減摩方法、および、機械構造用減摩材料 - Google Patents

機械構成部材の減摩方法、および、機械構造用減摩材料

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JPH06116577A
JPH06116577A JP26869392A JP26869392A JPH06116577A JP H06116577 A JPH06116577 A JP H06116577A JP 26869392 A JP26869392 A JP 26869392A JP 26869392 A JP26869392 A JP 26869392A JP H06116577 A JPH06116577 A JP H06116577A
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friction
ultrafine
powder
diamond
machine component
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JP26869392A
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Katsuzo Okada
勝蔵 岡田
Shigetaka Iwata
重剛 岩田
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TAIRIKU BOEKI KK
Original Assignee
TAIRIKU BOEKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械構造材料の摩擦部分の摩擦係数を、給油
脂の必要無く、格段に減少せしめるとともに、摩擦相手
部材の摩耗を抑制し得る技術を提供する。 【構成】 基材2の中に、ダイヤモンド超微粉末1を分
散させる。上記ダイヤモンド超微粉末の一部(1a)は
摩擦面に露出し、一部(1b)は基材2から剥脱されて
遊離して「ころ」として作用し、一部(1c)は遊離し
た後に相手部材4の摩擦面に半ば埋没してこれを保護す
る。さらに、流体(例えば大気)3の存在によって吸着
層5が形成され、一層の減摩効果が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば軸受や、軸受で
支持された摺動軸,回転軸や、平面軸受などのように、
摩擦面を有する機械構造用部材において、その摩擦係数
を著しく減少させる方法、及び、摩擦係数を著しく減少
させた機械構造用材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ころ等のころがり部材を用いることなく
摩擦を減少させる技術としては、給油によって潤滑油膜
を形成することが最も一般的であり、液体潤滑剤を用い
難い場合には二硫化モリブデン,二硫化タングステン,
黒鉛などの層状固体潤滑剤が用いられる。また、固体潤
滑の応用として、上記の固体潤滑剤若しくはテフロン粒
子などを基材中に分散させる技術も公知である。固体潤
滑の代表例である黒鉛や二硫化モリブデンは、原子配列
が多層状をなし、層間結合が弱いので層間滑りを生じ、
自己犠牲型の潤滑効果を果たす。この種の固体潤滑剤は
摩擦の相手部材よりも低硬度であることが必要条件であ
ると信じられていた。その理由は、相手部材よりも高硬
度であると、相手部材の摩擦面を削り込んでしまうから
である。上記の固体潤滑剤を用いた乾燥摩擦における摩
擦係数は0.05〜0.4程度である。
【0003】潤滑剤を供給しなくても減摩効果が得られ
るように工夫されたオイルレスベアリングも公知である
が、日刊工業新聞社発行の「オイルレスベアリング」に
も定義されているごとく多孔性材料に油性潤滑剤を含浸
させたものであって、潤滑油の蒸発,劣化などの問題を
有しており、文字通りの無給油性能を有しているもので
はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の事情に
鑑みて為されたものであって、 a.給油,給脂の必要が無く(給油による、一層の性能
向上は可能)、 b.従来技術に比して格段に摩擦係数を減少せしめ得る
減摩技術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的原理について、その実施例
に対応する図1を参照して略述すると次のごとくであ
る。基材2の中にダイヤモンド超微粉末1を分散させ、
摩擦相手部材4と対向せしめる。この図1は模式図であ
って、断面を拡大した実形を描いたものではない。この
例では流体3(例えば空気)を介して対向しているが、
本発明を実施する場合、水,その他各種の流体中であっ
ても良く、また真空中であっても良い。図示の1aは、
分散された多数のダイヤモンド超微粉末の中で摩擦面に
露出したダイヤモンド超微粒子、1bは基材2から遊離
したダイヤモンド超微粉末であり、1cは遊離した後に
相手部材中に半ば埋没したダイヤモンド超微粉末であ
る。ダイヤモンド超微粉末が流体3に触れているとき
は、その接触面に吸着層5が形成されて減摩効果を助長
する。上記のダイヤモンド超微粉末については、本発明
者らが発明して本出願人によって別途出願中の「含油軸
受の潤滑方法および含油軸受ならびに含油軸受用潤滑
油」(特願平3−211989号・末公開)に開示され
ている。ただし、上記の先願に係る発明においては、ダ
イヤモンド超微粉末を潤滑油の添加剤に準じて認識して
おり、これを固体材料中に分散させるという技術的思想
には到達していない。
【0006】
【作用】図1に示した模式図において、基材2から遊離
したダイヤモンド超微粉末1bは、ころがり作用によっ
て減摩機能を果たし、相手部材4に半ば埋没したダイヤ
モンド超微粉末1cは該相手部材4を覆ってその摩耗を
減少させる。さらに、流体(例えば空気)3の中で吸着
層5が形成されているときは、この吸着層5の滑り作用
によって一層の減摩機能が得られる。
【0007】
【実施例】衝撃法で作られた、粒径5〜10nmのダイヤ
モンド超微粉末と、平均粒度 10μmのアルミニウム
粉末とを混合し、加圧成形した後、焼結して、アルミニ
ウム基材の中にダイヤモンド超微粒子が分散している複
合材を作成し、上記の複合材を試料として、図2(A)
に示す公知のピン・オン・プレート式摩擦試験機を用
い、空気中および真空中のそれぞれについて摩擦試験を
行った。上記の試料10を回転台上に固定してモータ1
1で回転させつつ、摺動子(サファイヤ又はスティー
ル)9に荷重8を加え、板バネ6に貼着された歪ゲージ
で摩擦抵抗を測定して摩擦係数を算出した。摩擦条件は
次のごとくである。 回転速度 : 2rpm すべり速度: 1cm/秒 荷重 : 5〜50g 真空度 : 0.005Pa 摩擦時間 : 60分 摩耗量は、摩擦前,後の重量をマイクロバランスで測定
して算出した。
【0008】図2(B)は、前記の試験機によって、ダ
イヤモンド超微粉末の含有率10%(重量比)の試料
を、真空中で、直径5mmのサファイヤ球と摩擦させた
ときの成績であり、(C)は同じく大気中で摩擦させた
ときの成績である。摩擦開始後の20分間は摩擦係数が
変動し、20分経過後はほぼ一定となり、真空中(B)
では摩擦係数が0.7、大気中(C)では摩擦係数が
0.2である。このように、摩擦係数が安定するまでに
約20分間を要するので、以下に挙げる測定数値は摩擦
開始後30〜60分間のものである。
【0009】ダイヤモンド超微粉末の含有率(重量比)
と摩擦係数との関係を図3に示す。大気中,真空中、と
もに含有率の増加に伴って摩擦係数が減少すること、お
よび、真空中よりも大気中の方が摩擦係数が小さいこと
を読み取ることができる。摩擦痕を検鏡すると、空気中
で摩擦された面には多数のダイヤモンド多超微粉末が遊
離して(摩耗粉として)散在しているのが認められる。
しかし、真空中で摩擦された面にはほとんど認められな
い。この超微粉末は極めて小さい(径5〜10nm)の
で、真空排気の流れに乗って排除されたものと考えられ
る。こうした観察結果を勘案すると、本図3に表わされ
ているように大気中で摩擦した場合に摩擦係数が小さい
という事実について、摩耗粉である遊離ダイヤモンド超
微粉末のころがり作用が関与しているものと推定され
る。
【0010】図4は、ダイヤモンド超微粉末の含有率
(重量比)と比摩耗率との関係を示す図表である。ここ
に比摩耗率とは、単位荷重における単位長さのすべり距
離で得られる摩耗体積量である。本図4により、空気中
での摩耗は真空中での摩耗よりも少ないことが分かる。
【0011】図3,図4について説明した上述の試験結
果はサファイヤ球を用いた場合のものである。次に、直
径5mm鋼球を用いた場合について述べる。図5は、ダ
イヤモンド超微粉末の含有率(重量比)と摩擦係数との
関係を示す図表であって、サファイヤ球を用いた場合の
図3に対応する図である。全般的傾向として大気中では
真空中よりも摩擦係数が小さいこと、および、ダイヤモ
ンド超微粉末の含有量増加に伴って摩擦係数が減少する
ことはサファイヤ球の場合(図3)と同様であるが、大
気中における摩擦係数が、ダイヤモンド超微粉末の含有
率10%(重量比)付近で極小値を示していることが特
徴的である(このような極小値が現われる理由について
は後述する)。
【0012】図5は前述したようにアルミニウム基材中
にダイヤモンド超微粉末を分散させたものである。アル
ミニウム以外の金属性基材や非金属性基材中にダイヤモ
ンド超微粒子を分散させた場合も、それぞれの基材の種
類に応じた含有率で空気中摩擦係数の極小点が認めら
れ、その範囲は含有率2〜30%である。基材とする物
質が例えば銅である場合と合成樹脂である場合とでは、
基材の比重が約1〜9の差を有していることからも、摩
擦係数の極小値を示すダイヤモンド超微粉末含有率が2
〜30%程度の幅を有することは頷かれる。
【0013】摩擦試験における荷重を変化させた場合の
摩擦係数の変化を図6に示す。従来技術に比して摩擦係
数の絶対値が0.01〜0.023と非常に小さいこと
が分かるが、更に、荷重変化によって摩擦係数が著しく
変化していることからも、本発明材料における摩擦が基
礎力学における摩擦と異なる挙動を示し、従来考えられ
ていなかったメカニズムの摩擦態様であることが推察さ
れる。
【0014】次に、摩擦相手部材の変化について考察す
る。図7は、摩擦試験に用いた鋼球の、試験後における
硬度とダイヤモンド超微粉末含有率(重量比)との関係
を示す図表である。ダイヤモンド含有率が0の場合の鋼
球硬度に比して、ダイヤモンド超微粉末を分散させた試
料と摩擦した場合の鋼球硬度(Hv)が7倍以上に増加
しているという現象は、加工硬化などの従来理論では説
明できず、基材から遊離したダイヤモンド超微粉末の一
部が鋼球(摩擦相手部材)の表面に付着し、半ば埋没し
て鋼球の表面を覆っているものと考えられる。
【0015】上記の仮設(ダイヤモンド超微粉末の付着
による硬化)を裏付けるため、アルミニウム基材中に1
0Wt%のダイヤモンド超微粉末を分散させた試料につい
て、相手部材として各種の材料を用いて同様の試験を行
い、摩擦係数および相手部材の比摩耗率を測定したとこ
ろ、次のごとくであった。試験条件は、荷重30g、室
温の空気中である。 摩擦係数 比摩耗率(単位:mm3/kg・mm) 鋼 0.02 8/1000000 鉄 0.03 10/1000000 プラチナ 0.05 20/1000000 パラジウム 0.05 20/1000000 ニッケル 0.07 30/1000000 銀 0.3 400/1000000 アルミニウム 0.7 1000/1000000 金 0.2 200/1000000 黄銅 0.1 300/1000000 サファイヤ 0.2 40/1000000 上記試験結果において摩擦係数が0.1よりも小さい金
属は、鉄,ニッケル,プラチナ,パラジウムといった、
気体を化学吸着しやすい金属であり、摩擦係数が0.1
よりも大きい金属は、アルミニウム,銀,金,といっ
た、気体(水素,酸素,水蒸気)を化学吸着しにくい金
属である。また、比摩耗率の大小関係も、上記摩擦係数
の大小関係と対応しており、化学吸着しやすい金属の比
摩耗率は化学吸着しにくい金属の比摩耗率よりも小さい
ことが分かる。図8は、アルミニウム基材中に10Wt%
のダイヤモンド超微粉末を分散せしめた試料と鋼とを、
水中で摩擦した場合の摩擦係数と荷重との関係を示す図
表である。摩擦係数は荷重が小さいほど減少し、その値
はいずれも図6に示した空気中の摩擦係数よりも小さ
い。特に、荷重5グラムでは摩擦係数が0.005であ
って非常に小さい。
【0016】以上に説明した試験結果および考察から、
次のような摩擦メカニズムが考えられる(大気中の場
合)。摩擦開始後、当初の不安定期に、基材中に分散し
ているダイヤモンド超微粉末の一部は基材から剥脱さ
れ、遊離した超微粉末は摩擦面の間に散在する。また、
一部は基材から遊離しないで摩擦面に露出する。空気中
に含まれる水素,酸素,水蒸気などの気体は、金属とダ
イヤモンドとからなるゼオライト状に混合した摩耗粉
(遊離したダイヤモンド超微粉末と金属粉との混合物)
に解離吸着され、次いでダイヤモンド超微粉末の表面に
吸着される。その結果、吸着気体で覆われたダイヤモン
ド超微粉末が、すべり接触の界面においてころの役割を
果たす。このダイヤモンド超微粉末は相手部材に直接接
触することなく前記の吸着気体の薄層を介して接触する
ので摩擦は極めて小さくなる。一方、接触界面における
遊離したダイヤモンド超微粒子の分布の疎密は摩擦の大
小に影響する。ダイヤモンド超微粉末の分布が過疎であ
ると「ころ」としての作用が不充分であり、過密である
とダイヤモンド超微粉末同士の接触によって「ころ」と
しての作用が妨げられる。従って、摩擦係数を最小なら
しめるための適正な含有率が存在し、例えば前掲の図5
においては10%である。以上に説明した摩擦および減
摩作用のメカニズムを模式図として示すと図1のように
なる。この模式図はダイヤモンド超微粉末1を分散させ
た基材2を、流体(例えば空気)3の中で相手部材4に
対向、摺触せしめた状態を描いてある。基材の表面に露
出したダイヤモンド超微粉末1a、基材から遊離したダ
イヤモンド超微粉末1b、および、分離した後に相手部
材4に半ば埋没したダイヤモンド超微粉末1cのそれぞ
れが流体(空気)3に接触している面には、水素,酸
素,水蒸気などよりなる吸着層5が形成されている。基
材2が相手部材4に対して摺動する際、遊離したダイヤ
モンド超微粉末1bのころがり作用と、吸着層5のすべ
り作用とによって、摩擦係数を減少させる。
【0017】上記図1の模式図は流体2の中での摩擦を
描いてある。真空中においては吸着層5が形成されない
が、遊離したダイヤモンド超微粉末1bのころがり作用
による減摩効果が得られる。
【0018】以上に説明した試験結果および考察に基づ
いて機械構造部材同士の摩擦係数を減少せしめるには、
摩擦面を有する機械構成部材中にダイヤモンドの超微粉
末を分散させておき、上記機械構成部材が摩擦を受けた
とき、該ダイヤモンド超微粉末を上記機械構成部材の基
材から遊離せしめるとともに、遊離したダイヤモンド超
微粉末の一部を摩擦の相手材料中に少なくとも半ば埋没
させて自動的にダイヤモンド超微粉末で被覆し、前記の
遊離されたダイヤモンド超微粉末を機械構成部材と摩擦
相手部材との間に介在せしめることが有効である。この
減摩方法は、雰囲気流体の存在によって一層の優れた効
果を奏するが、実際問題として大気を介在せしめること
は極めて容易である。従って、本発明方法の実用的効果
に着目するならば、給油を必要とせずに極めて優れた減
摩効果が得られ、真空中においても相当の減摩効果が得
られるという認識で把握される。
【0019】前述した試験においては試料を作る際、ダ
イヤモンド超微粉末とアルミニウム粉末とを混合して加
圧成形し、焼結した。ダイヤモンドは耐熱性が充分でな
いから、基材とする金属の融解温度が600℃以上の場
合は焼結技術を利用することが適切である。また、融解
温度が600℃未満の場合は溶融した金属中にダイヤモ
ンド超微粉末を混合し、冷却固化させることも可能であ
る。これらの場合の金属材料としては、アルミニウム,
銅,マグネシウム,亜鉛,錫,鉛の単体金属若しくは合
金、又は、これらの混合物が好適である。
【0020】また、合成樹脂は一般にダイヤモンドの耐
熱温度以下で溶融せしめ得るので、溶融合成樹脂中にダ
イヤモンド超微粉末を混合,固化させて分散状態の複合
材を得ることも推奨される。
【0021】従来技術における固体潤滑剤を基材中に分
散させると、該基材である機械構造材料の機械的性質を
低下させ、特に衝撃値を抵下させるという問題が有っ
た。しかしダイヤモンド超微粉末は著しく小さい(ナノ
メートルオーダー)ので、基材に応力集中を生じさせる
ことが少なく、その上、混合率が比較的低くて足りるの
で、素材に与える機械的性質の低下は大きくない。特に
機械的性質の低下を抑制したい場合は、当該機械構成部
材の摩擦面に沿ってダイヤモンド超微粉末の分散してい
る層を形成すれば良い。このように、ダイヤモンド超微
粉末の分布を制御することは、焼結技法を利用すれば容
易に行い得る。例えば軸受裏金の場合は内周面に沿わせ
てダイヤモンド超微粉末を分散させ、また例えば、すべ
り軸受で支承される回転軸の場合は、軸受に対向摺触す
る面に沿わせてダイヤモンド超微粉末を分散させるなど
の手段を用いれば、当該機械構造部材の物理的強度にほ
とんど悪影響を与えることなく減摩効果を発揮させるこ
とができる。
【0022】以上に述べた本発明方法を実施するための
機械構造用減摩材料の基本的構成は、基材中にダイヤモ
ンド超微粉末が分散されていることである。上記の機械
構造用減摩材料の基材として、金属若しくは合成樹脂が
好適である。セラミックスを基材にすると、焼成温度が
ダイヤモンドの耐熱上限を越えるので適用が困難であ
る。前記の合成樹脂とは、例えばカーボン繊維やガラス
繊維などの補強材料を埋設されているものも含む意であ
る。また、金属基材としてはアルミニウム,銅,マグネ
シウム,亜鉛,錫,鉛,若しくは銀,又はこれらの混合
物ないし合金が好適である。上記ダイヤモンド超微粉末
は当該機械構造材料の全体に一様に分布していても良
く、また、摩擦面付近に密に分布していても良いが、い
ずれの場合にも摩擦面付近におけるダイヤモンド超微粉
末の含有率が適正値(2〜30Wt%)であることを要す
る。特に、軸受面に沿ってダイヤモンド超微粉末を分散
させた軸受部材は実用価値が高く、従来技術におけるオ
イルレスベアリングの用途範囲に代替し得るものと期待
される。
【0023】
【発明の効果】以上に説明したように本発明を適用する
と、給油脂の必要無しに著しく低い摩擦係数が得られる
とともに、摩擦面の摩耗を著しく抑制することができ
る。この発明の方法および材料は真空中で使用すること
もでき、また、空気などの流体中で使用すれば一層優れ
た減摩効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的原理、および本発明における摩
擦のメカニズムを説明するための模式図である。
【図2】(A)は摩擦試験機の構造を示す模式図、
(B),(C)は試験結果を示す図表である。
【図3】本発明に係る減摩材料の摩擦係数と、ダイヤモ
ンド含有率との関係を示す図表である。
【図4】本発明に係る減摩材料の比摩耗率と、ダイヤモ
ンド含有率との関係を示す図表である。
【図5】本発明に係る減摩材料の摩擦係数と、ダイヤモ
ンド含有率との関係を示す図表である。
【図6】本発明に係る減摩材料の空気中における摩擦係
数と、摩擦試験の接触荷重との関係を示す図表である。
【図7】本発明に係る減摩材料の摩擦試験後の相手部材
の硬度と、ダイヤモンド含有率との関係を示す図表であ
る。
【図8】本発明に係る減摩材料の水中における摩擦係数
と、摩擦試験の接触荷重との関係を示す図表である。
【符号の説明】
1…ダイヤモンド超微粉末,2…基材,3…流体,4…
相手部材,5…吸着層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 50:08

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摩擦面を有する機械構成部材中にダイヤ
    モンドの超微粉末を分散させておき、上記機械構成部材
    が摩擦を受けたとき、該ダイヤモンド超微粉末を上記機
    械構成部材の基材から遊離せしめるとともに、遊離した
    ダイヤモンド超微粉末の一部を摩擦の相手材料中に少な
    くとも半ば埋没させて自動的にダイヤモンド超微粉末で
    被覆し、 前記の遊離されたダイヤモンド超微粉末を機械構成部材
    と摩擦相手部材との間に介在せしめて、摩擦を減少せし
    めることを特徴とする、機械構成部材の減摩方法。
  2. 【請求項2】 前記機械構成部材と摩擦相手材料とを流
    体中で対向せしめて、前記のダイヤモンド超微粉末が流
    体に接触している面に該流体の吸着層を成形させ、前記
    機械構成部材と摩擦相手部材とを上記吸着層を介して摺
    触せしめることを特徴とする、請求項1に記載した機械
    構成部材の減摩方法。
  3. 【請求項3】 前記機械構成部材と摩擦相手部材とを真
    空中で対向せしめて、機械構成部材から遊離されて摩擦
    相手部材との間に介在するダイヤモンド超微粉末のころ
    がり効果によって摩擦を減少せしめることを特徴とす
    る、請求項1に記載した機械構成部材の減摩方法。
  4. 【請求項4】 前記のダイヤモンド超微粉末を金属粉末
    と混合して焼結し、若しくは溶融した金属中にダイヤモ
    ンド超微粉末を混合し、冷却・凝固させることにより機
    械構成部材を成形して該ダイヤモンド超微粉末を機械構
    成部材中に分散せしめることを特徴とする、請求項1に
    記載した機械構成部材の減摩方法。
  5. 【請求項5】 前記の金属を、アルミニウム,銅,マグ
    ネシウム,亜鉛,錫,鉛若しくは銀、又はこれらの合金
    ないし混合物とすることを特徴とする、請求項4に記載
    した機械構成部材の減摩方法。
  6. 【請求項6】 前記のダイヤモンド超微粉末を、合成樹
    脂材料中に混合し、機械構成部材を形成して該ダイヤモ
    ンド超微粉末を機械構成部材中に分散せしめることを特
    徴とする、請求項1に記載した機械構成部材の減摩方
    法。
  7. 【請求項7】 前記のダイヤモンド超微粉末を機械構成
    部材の全体にほぼ均一に分散せしめて、その混合率を重
    量比2%ないし30%とすることを特徴とする、請求項
    1に記載した機械構成部材の減摩方法。
  8. 【請求項8】 前記のダイヤモンド超微粉末を、摩擦面
    近傍で密に、摩擦面から離間した区域で疎に分散せしめ
    るとともに、摩擦面近傍におけるダイヤモンド超微粉末
    の混合率を重量比2%ないし30%とすることを特徴と
    する、請求項1に記載した機械構成部材の減摩方法。
  9. 【請求項9】 摩擦面を有する機械構成用部材の材料で
    あって、ダイヤモンド超微粉末が分散されていることを
    特徴とする、機械構造用減摩材料。
  10. 【請求項10】 金属性基材中にダイヤモンド超微粉末
    が分散されていることを特徴とする、請求項9に記載し
    た機械構造用減摩材料。
  11. 【請求項11】 前記の金属性基材は、アルミニウム,
    銅,マグネシウム,亜鉛,錫,鉛,若しくは銀、又はこ
    れらの混合物ないし合金であることを特徴とする、請求
    項9に記載した機械構造用減摩材料。
  12. 【請求項12】 合成樹脂基材中にダイヤモンド超微粉
    末が分散されていることを特徴とする、請求項9に記載
    した機械構造用減摩材料。
  13. 【請求項13】 前記のダイヤモンド超微粉末は、基材
    中にほぼ一様に分布していて、その含有率が重量比2%
    ないし30%であることを特徴とする、請求項9に記載
    した機械構造用減摩材料。
  14. 【請求項14】 前記のダイヤモンド超微粉末は、機械
    構成用部材の摩擦面近傍で密に、摩擦面から離間した区
    域で疎に分布していて、摩擦面近傍における含有率が重
    量比2%ないし30%であることを特徴とする、請求項
    9に記載した機械構造用減摩材料。
  15. 【請求項15】 軸受面に沿って、ダイヤモンド超微粉
    末が分散されている層を有する軸受部材。
JP26869392A 1992-10-07 1992-10-07 機械構成部材の減摩方法、および、機械構造用減摩材料 Pending JPH06116577A (ja)

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