JPH06114260A - 集塵機用粒状気体清浄材 - Google Patents

集塵機用粒状気体清浄材

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JPH06114260A
JPH06114260A JP29392692A JP29392692A JPH06114260A JP H06114260 A JPH06114260 A JP H06114260A JP 29392692 A JP29392692 A JP 29392692A JP 29392692 A JP29392692 A JP 29392692A JP H06114260 A JPH06114260 A JP H06114260A
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JP
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gas cleaning
dust collector
cleaning material
present
granular gas
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Masaru Meguro
勝 目黒
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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、刺激臭または粘性物質等を含有す
る悪臭複合気体を清浄化する集塵機用粒状気体清浄材に
関する。 【構成】 微粉炭燃焼ボイラーから選択的に抽出した石
炭灰を基材料として、アルカリ水溶液中で加熱反応させ
て生成した反応物であって、該反応物を構成する粒子の
平均粒径が5〜30μmφの球形で、塩基置換容量が2
50〜350meq/100g,炭素分5〜15%であ
る集塵機用粒状気体清浄材である。 【効果】 悪臭を安価かつ容易に吸着除去可能とし、資
源の有効活用,脱臭コストの低減,脱臭効率の向上等の
目的が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の生産活動あるい
は生活の過程で発生する悪臭,刺激臭または粘性物質等
を含有する悪臭複合気体を清浄化する集塵機用粒状気体
清浄材に関し、充填層式集塵機やバグフィルター式集塵
機等においてそのまま層状に適用するものである。
【0002】
【従来の技術】各種の生産活動、例えば鋳鉄やアルミニ
ュウム等の鋳造工場,石炭・石油化学工場,塗装,印刷
等を行う作業所,廃棄物等の焼却,し尿処理等を行う事
業所,大量の食用生物の飼育場、あるいは生活に身近な
ところでは、焼肉屋等その他調理場,大人数が集まる会
議場とか喫煙所等の種々の場所において、色々の臭気物
質,刺激臭,粘性物質,または塵埃等の固体物質を含ん
だ悪臭複合気体が常時発生している。
【0003】有害ガス含有気体の処理法としては、各種
の燃焼装置やガス洗浄装置,化学処理装置等を用いて、
その低減や発生防止が図られている。しかし汚染された
大気から簡易な設備を用いて有害ガスを効率よく除去す
る方法は、あまり一般化されていない。
【0004】従来これら有害ガスを除去する方法とし
て、活性炭や合成ゼオライト等の脱臭剤を用いる吸着
法,他の香料を用いるマスキング法,臭気ガスを化学反
応させる化学分解法等は、悪臭の処理によく用いられて
いる。しかし従来の脱臭剤は高価であり、また脱臭力が
短期間で劣化するという欠点を有している。
【0005】このうちマスキング法では、香料が新たな
不快感を与えることがある。また化学的処理法では、例
えばオゾンによる酸化分解法があるが、過剰なオゾンは
人体に有害であり、処理操作も煩雑で、新たな化学物質
を発生する等根本的な解決と成り難い場合が多い。
【0006】また例えば、特開昭48−101358
号,特開昭58−163437号公報等に開示されてい
るように、燃焼排ガスを処理する方法としては、これを
酸化触媒層,熱交換器及び活性炭やゼオライト等のガス
吸着層を順次通過させて処理するとか、またイオン交換
樹脂とゼオライト,アルミナ,シリカゲル等の吸着性物
資の混合物を成形加工した数mmの粒子を用いる乾式処
理が知られている。
【0007】また特開昭52−044775号,特開平
03−038212号公報に開示されているように、合
成ゼオライトを繊維等のフィルターとか、不織布に接着
剤を用いて固定したフィルターを電気式あるいは機械式
集塵装置に適用する処理法、あるいは活性炭,ゼオライ
ト,アルミナ等の吸着剤とイオン交換樹脂,金属系固体
塩基,燐酸系固体塩基、及び抗菌剤の混合物をシート状
に加工したり、シート素材に付着させたフィルターとす
る技術も知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記のような悪
臭複合気体は、その発生条件によって異なるが、ガス状
悪臭物質のみならず煤,燃焼分解した油脂,タンパク質
のタール状のミスト,あるいはヒューム及び塵埃等を単
独あるいは複合して含有しており、吸着剤,処理剤の活
性表面を覆ってしまうため、その寿命を著しく短くして
いる。
【0009】ここで使用される吸着剤である活性炭,合
成ゼオライトは高価な物質であるうえに、合成ゼオライ
トは製法上の制約から10μm以下の微粉末であり、こ
れを数mmに造粒するとか、シート状に加工する等加工
を必要とするのみならず、接着剤で覆われた部位は吸着
に機能しないという欠点も有している。
【0010】この内価格の問題を解決する方法として、
天然ゼオライトの使用が考えられている。天然ゼオライ
トは地球上に広く分布し、比較的安価でかつ入手が容易
な脱臭材料であるが、産地によって性状のバラツキが大
きく、吸着性能もバラついて一定しないという欠点があ
る。また使用に際しては破砕加工が必要となり、その破
砕物は形状的に多角形状の不定型を呈すると共にその粒
度分布が広がるため、使用は低機能の用途に制限されて
いた。
【0011】一方わが国には、現在ほぼ40数基の大型
石炭火力発電所が存在し、ここから排出される石炭灰の
量は年間約400万トンにも達している。また発電所以
外にも、石炭を燃料としている工場からの排出量も加え
れば、年間約550万トンの石炭灰が排出されることに
なる。
【0012】これらの石炭灰は、一部はセメント原料な
どに用いられる他、適切な処理法がないため大部分が利
用されることなく、他の固体廃棄物と一緒に埋め立て処
分されている。しかし最近ではセメント需要の頭打ちや
埋め立て地確保の困難性から、積極的な再資源化や有効
利用法の開発が切望されている。
【0013】かかる石炭灰の機能化法の一つとして、こ
の石炭灰をアルカリ水溶液中で加熱反応させることによ
り、ゼオライト状物質を生成することが特開昭56−1
49313号公報で提案されている。
【0014】悪臭複合気体は、上述のようにそれぞれ規
模,基盤の異なる多種多様の個所から発生しており、従
ってその清浄材や脱臭材等は簡便に取り扱えること、ま
たその脱臭材が安価に入手できることが要求されてい
る。
【0015】さらには脱臭材等は、悪臭原因物質の吸着
性はもとより、吸水性,吸油性をも備え、比表面積が大
きく、塩基置換容量が大きく、pHとしてはアルカリ性
であり、これら脱臭材は、充填層式集塵機とかバグフィ
ルター式集塵機等においてそのまま層状に適用されるの
で、層状においてその充填密度があまり大きくないこ
と、即ちその形状が球状で粒子径分布が狭いことも望ま
れている。
【0016】本発明は、上記課題に鑑みなされたもの
で、既設の装置を使用して悪臭等を安価かつ容易に処理
し得る集塵機用粒状気体清浄材を提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者は石炭灰のゼオ
ライト状物質について種々検討,試験した結果、ある種
の石炭灰を選択使用することにより、得られた粒状のゼ
オライト状物質は上記脱臭機能,性状特性を具備し、こ
の粒状のゼオライト状物質をそのまま層状に適用する充
填層式集塵機,バグフィルター式集塵機等において、取
扱操作性に優れた粒状処理材であることを確認したもの
である。
【0018】即ち本発明は、微粉炭燃焼ボイラーから選
択的に抽出した石炭灰を基材料として、アルカリ水溶液
中で加熱反応させて生成した反応物であって、該反応物
を構成する粒子の平均粒径が5〜30μmφの球形で、
塩基置換容量が250〜350meq/100g,炭素
分5〜15%であることを特徴とする集塵機用粒状気体
清浄材である。
【0019】また上記集塵機用粒状気体清浄材におい
て、水浸漬液pH値を9〜12とするものである。
【0020】さらに上記それぞれの集塵機用粒状気体清
浄材において、水分を5〜15%とするものである。
【0021】
【作用】ボイラー等で石炭を燃焼すると、主成分が非晶
質珪酸アルミニュウムである石炭灰を生成する。この石
炭灰をpHを管理したアルカリを用いて所定の時間熱水
処理すると、一部ないし全部が、多孔質で比表面積が大
きく、かつ吸着性と高いイオン交換機能を発現する性質
を有する結晶質物質に変化する。
【0022】また石炭種等によっては、珪酸質,アルミ
ナ質に若干の過不足が見られる場合があるが、例えば珪
酸分として珪藻土等、アルミナ分としてアルミ灰等を添
加してアルカリ処理することにより、一部ないし全てを
収率良く結晶質物質に変化させることが出来る。
【0023】上記結晶質物質の形状,粒度は、素材であ
る石炭灰の形状に依存している。この石炭灰の形状につ
いて考察したところ、石炭の燃焼方法によって差異が見
られる。石炭灰の種類としては、微粉炭(乾式)燃焼
灰,ストーカ式燃焼灰,サイクロン式(湿式)燃焼灰,
流動床式燃焼灰があり、本発明では球形形状を呈してい
る微粉炭燃焼灰を使用するものである。
【0024】上記微粉炭燃焼灰は、その採取過程,例え
ばボイラー炉底に落下するクリンカーアッシュ,エコノ
マイザー下部で採取されるシンダアッシュ、電気集塵機
で採取されるEP灰によってそれぞれ粒度が異なってお
り、本発明では、上記シンダアッシュ及びEP灰から選
択的に抽出した所謂フライアッシュを使用するものであ
る。
【0025】上記選択的に抽出するフライアッシュと
は、系内の上記部位の特定箇所に設置した容器等に堆積
した石炭灰をいう。例えば系内で発生した全ての石炭灰
を取り出し、これを篩い分けする方式によって特定平均
粒度,粒度分布の石炭灰とすることは可能であるが、篩
い分け費用が膨大となるので、本発明ではこれは採用し
ない。
【0026】上記微粉炭燃焼灰の中には、石炭の未燃焼
炭として炭素分が5〜15%の範囲で残留しており、こ
の炭素分は上記燃焼時に高温雰囲気によって揮発性成分
が逸散した活性炭状態となったものである。
【0027】この石炭灰の炭素分は燃焼条件によって変
動するものであり、上記したように石炭灰を選択的に抽
出した際に、その石炭灰中の炭素分毎に仕分け保管して
おくと、用途,機能特性に応じて選択的に炭素分の含有
量の多いものを使用するとか、配合して炭素分を調整す
ることができる。
【0028】上記選択的に抽出した微粉炭燃焼灰をアル
カリ水溶液中で熱水処理すると、粒子の平均粒径が5〜
30μmφの球形で、かつ塩基置換容量が250〜35
0meq/100g以上,炭素分5〜15%である粒状
気体清浄材が得られる。
【0029】本発明の粒状気体清浄材は球形を呈してい
るので、粉体の特性としてゆるみ比重が小さく、安息角
と崩壊角が大きく、圧縮度が小さくなる。即ち粒状気体
清浄材を層状に配置する場合、例えばバグフィルター集
塵機に適用するために気流中に添加すると、ろ材表面に
均一に分布して付着し、しかも適度な気体の流路を確保
し、小さな圧損で層を形成するので、臭気物質を効率よ
く吸着することが可能になる。
【0030】特に粒状気体清浄材が瀘材に偏在した場
合、気流は当然その部分からより疎な部分を通って流れ
る。この場合球形粒子であると、上記のような粉体の性
質から容易にその気流に従い粉体が流れ、疎な部分を埋
め均一に分布することになるのである。
【0031】本発明の粒状気体清浄材の粒度は5〜30
μmである。粒子径が小さいほど吸着性能が向上する
が、脱臭層を形成する際に瀘材からの吹抜け、目詰まり
を引き起こす。また使用時の取扱が困難となる。一方粒
子径が大きいほど粉体の取扱は容易となる。しかし吸着
性能が低下するので好ましくない。
【0032】従って5〜30μmの粒度内でしかも出来
るだけ狭い範囲に揃っていることが好ましい。粒度が揃
うほど粉体の特性としては圧縮度が小さくなり、圧損が
小さい状態で吸着が行われることになる。
【0033】本発明の粒状気体清浄材の塩基置換容量
は、250〜350meq/100gである。この塩基
置換容量は大きいほど好ましく、大きくなるほど臭気物
質の吸着能が大きくなるとともに、吸水率,吸油率も大
きいことから使用量の原単位も低下し、臭気物質の除去
率も向上する。しかし必要以上の塩基置換容量は、石炭
灰のアルカリ処理時のコスト増を招くので好ましくな
い。
【0034】本発明の粒状気体清浄材は炭素分を5〜1
5%含有している。この炭素分はアンモニア,硫化水素
等をよく吸着するほか、メチルメルカプタン等の有機性
の悪臭物質の吸着能を有している。この現象について詳
細に調査したところ、未燃焼炭が多孔質の微粉となり、
この炭素分が活性炭と同じ様な吸着能を有し、本発明の
粒状気体清浄材の大部分を占めるゼオライト状物質のみ
では、その吸着能力が小さいが、この炭素分がメチルメ
ルカプタン等の有機性の悪臭物を吸着しているものであ
る。
【0035】本発明の粒状気体清浄材は、石炭灰をアル
カリ処理して製造するという製造上の特徴から、製造工
程中の洗浄を調整することによりpHを調節できるもの
であって、その水浸漬液pHは9〜12とするものであ
る。
【0036】工場等で発生する悪臭の大方は硫化水素,
亜硫酸ガス,アンモニアであり、アンモニアを除きこれ
らの臭気物質は酸性を示し、脱臭材としてはアルカリ性
が高いほど中和,除去可能である。しかしpHが12超
となると、アンモニア等アルカリ性臭気物の吸着能が低
下する。
【0037】次に本発明の粒状気体清浄材に水分を予め
添加することにより、アセトアルデヒド等の中性臭気物
質を吸着除去可能であることを見出した。反応成生物に
取り込まれた水分中にこれら中性臭気物質が溶解し除去
されるものと考えられる。
【0038】水分は5%未満ではこの効果は小さく、ま
た水分が30%を越えると臭気ガス中の水分により成生
物の表面に水膜が形成されて濡れた状態となり、また層
状に配置した場合、圧損が著しく大きくなるので適当で
ない。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて具体的に
説明する。
【0040】表1は微粉炭燃焼ボイラーのエコノマイザ
ー下部に設置した容器から抽出した原料石炭灰の組成の
一例を示している。
【0041】
【表1】
【0042】上記石炭灰をアルカリ処理して得たゼオラ
イト状物質の特性を表2に示す。本発明材Aは原料であ
る石炭灰をそのままアルカリ処理したもの、BはAl源
を添加してアルカリ処理したものである。また両者の炭
素分は7.5%であった。比較材として天然ゼオライト
を示した。
【0043】
【表2】
【0044】乾燥状態の本発明材に8%の水分を添加
し、層状にした状態での圧損の測定結果(mmH2 O)
を表3に示す。本発明材は、従来の天然ゼオライトに比
較して圧損は約1/2となっている。これは本発明材を
瀘材に付着させ、集塵をよび脱臭するエネルギーが、従
来材に比較して1/2となることを示している。
【0045】さらに流量を大きくした場合は、圧損の従
来材との差はより大きくなり、天然ゼオライトに比較し
て1/3となる。これは表2から判るように、本発明材
が球形で粉体の性状が最密充填状態になり難いためと考
えられる。
【0046】
【表3】
【0047】また本発明材は、吸水率および吸油率が大
きいため、処理気体に水あるいは油ミスト,また湿分が
高くとも、それらを吸収する性能に優れている。表4
に、悪臭物質の代表としてアンモニア,硫化水素,メチ
ルメルカプタンおよびアセトアルデヒドについての測定
結果を示した。アンモニアの除去率が若干天然ゼオライ
トに劣るが、他はすべて優れた除去率を示した。アンモ
ニアが劣るのは本発明材のpHが高かったためである。
【0048】
【表4】
【0049】被処理気体がアンモニア主体の臭気物質を
含むものであれば、本発明材の製造過程での洗浄を調節
することによって、pHを低めに調整することでアンモ
ニア等アルカリ性の臭気物に対応可能である。
【0050】天然ゼオライトではメチルメルカプタンの
除去が全く不能であるが、本発明材では90%の除去率
を示した。これは既に述べたように、未燃焼炭から由来
する炭素分のためと考えられ、これが活性炭の様な吸着
作用をなし、有機性の悪臭材であるメチルメルカプタン
を吸着したものと推察できる。また本発明材はアセトア
ルデヒドの様な中性臭気物質にも吸着除去能を有する。
これは本発明材の保有する水分に溶解、除去されたもの
であると考えられる。
【0051】表5は本発明材の製造条件と塩基置換容量
の関係を示しており、原料配合および薬液条件で、大気
圧下,反応温度100℃で5時間反応させた。ついでp
Hが9になるよう洗浄後十分脱水し、105℃の乾燥炉
中で乾燥して粉末材を得た。生成物の塩基置換容量はそ
れぞれ240,280および310meq/100gで
あり、その他の性状については表1に示した例とほぼ同
じ特性を示した。これに10%の水分添加を行い本発明
材とした。
【0052】このように廃棄物である石炭灰あるいはそ
れに若干の添加物を補ったものを大気圧下でアルカリ処
理することにより、容易に本発明材に必要な塩基置換容
量および特性を持った物質に変えることが出来る。
【0053】
【表5】
【0054】自硬性樹脂鋳型を用いて鋳鉄鋳物を鋳造し
ている鋳物工場で、本発明材例1を使用して脱臭試験を
行った。脱臭装置としては50m3 /分能力のバグフィ
ルターが使用された。臭気ガスの除去率の比較は鋳型へ
の注湯後の周囲ガスの臭気物質濃度とバグフィルター処
理後のガスの臭気濃度をガスマトグラフで分析した。
【0055】処理条件は吸着負荷量2l/0.01g,
吸引流量1.01/分,吸着層厚約2mmである。表6
に従来材の天然ゼオライトと消石灰から構成した除去材
と比較した試験結果を示した。
【0056】
【表6】
【0057】鋳型に注湯後有機自硬性鋳型から発生する
ガスで、一番大きな問題となる硫化水素あるいは硫化炭
素等は完全に除去できる。また従来材では除去が困難で
あった有機溶媒起因のガスもかなり除去でき、これは本
発明材中の未燃焼炭が活性炭と同じ吸着作用を行ったた
めと考えられる。
【0058】またこの脱臭のための集塵機の電力消費量
は、本発明材を使用した場合圧損が小さく、従来材を使
用した場合に比較して、約1/2であった。またこの工
場の生産量で本発明除去材一回の補充で約2週間の操業
が可能であった。
【0059】電機製造工場に於ける絶縁塗料の塗布の際
に発生する臭気ガスを対象に、本発明材例2を適用し
た。脱臭装置としては50m3 /分のバグフィルターを
使用した。臭気ガスの除去率の比較は、脱臭処理前の周
囲ガスの臭気物質濃度と、バグフィルター処理後のガス
の臭気濃度をガスマトグラフで分析した。処理条件は吸
着負荷量21/g,吸引流量0.11/分,吸着層厚約
2mmである。表7に試験結果を示した。
【0060】
【表7】
【0061】この場合、有機溶媒系の臭気物質もよく吸
着除去することが可能な上に、この脱臭のための集塵機
の電力消費量は、本発明材を使用した場合圧損が小さ
く、従来材の天然ゼオライトと消石灰からなる除去材を
使用した場合に比較して、約1/2であった。またこの
工場の生産量で本発明除去材一回の補充で約1週間の操
業が可能であった。
【0062】次に油脂工場に於けるオイルミストおよび
付随する不快臭を除去するために、本発明材例3を適用
した。脱臭装置としては、50m3 /分のバグフィルタ
ーを使用した。臭気の評価については臭気官能試験法に
よった。処理条件は吸着負荷11/0.1g,吸引流量
1.01/分,吸着層厚は約2mmである。
【0063】
【表8】
【0064】結果は表8の通りで、ミストは本発明材お
よび天然ゼオライトと消石灰から構成される従来材とも
完全に除去することが出来たが、臭気除去能力について
は本発明材の方が優れていた。また処理に要するエネル
ギーコストは本発明材が天然ゼオライトと消石灰からな
る従来材に比較して1/2であった。またこの工場の生
産量で本発明除去材一回の補充で約1週間の操業が可能
であった。
【0065】ウレタン工場に於けるトリレンジイソシア
ネート(TDI)の不快臭を除去するための本発明材例
1を適用した。脱臭装置としては50m3 /分のバグフ
ィルターを使用した。臭気の評価については臭気官能試
験法によった。処理条件は吸着負荷量11/0.1g,
吸引流量1.01/分,吸着層厚は約2mm,測定は2
0分間である。
【0066】
【表9】
【0067】表9に示した結果のように、TDIは完全
に問題のない臭気レベルまで低下している。この試験結
果から本発明材は、最低でも1700×2m3 /gのT
DI吸着能力を有していることが判る。また処理に要す
るエネルギーコストは、本発明材が天然ゼオライトと消
石灰からなる従来材に比較して1/2であった。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように本発明による気体清
浄材は、既設の装置を用い、かつ現在大量に発生しつつ
あり、処分に困難を来している石炭灰という廃棄物をア
ルカリ処理して得られる生成物を使用して、悪臭を安価
かつ容易に吸着除去可能にするもので、資源の有効活
用,脱臭コストの低減,脱臭効率の向上等の目的が達成
されるなど、極めて有効かつ実用性の高い気体清浄材で
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粉炭燃焼ボイラーから選択的に抽出し
    た石炭灰を基材料として、アルカリ水溶液中で加熱反応
    させて生成した反応物であって、該反応物を構成する粒
    子の平均粒径が5〜30μmφの球形で、塩基置換容量
    が250〜350meq/100g,炭素分5〜15%
    であることを特徴とする集塵機用粒状気体清浄材。
  2. 【請求項2】 水浸漬液pH値を9〜12としたことを
    特徴とする請求項1記載の集塵機用粒状気体清浄材。
  3. 【請求項3】 水分を5〜15%としたことを特徴とす
    る請求項1または2記載の集塵機用粒状気体清浄材。
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