JPH06113686A - 稲作方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 稲の成長を良好にして米の増収を図る。 【構成】 稲田の灌漑と排水を数日周期で繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、米の増収を図ること
ができる稲作方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術とその課題】従来の稲作は、灌漑を重視
し、稲田を湿潤状態に保って行っているが、この発明
は、このような従来の稲作方法を見直して、さらに米の
増収を図ろうとするものである。

【０００３】

【課題を解決するための手段】この発明は、稲田の灌漑
と排水を数日周期で繰り返すというものである。

【０００４】灌漑と排水を繰り返す方法としては、例え
ば、二枚の田を畦で仕切り、一方の田に灌漑を行い、他
方の田はそのまま乾燥状態に保ち、数日後に、一方の田
の用水を他方の田に移して一方の田を乾燥状態にし、他
方の田を湿潤状態にするということを繰り返せばよい。

【０００５】上記灌漑と排水を繰り返す周期としては、
２〜５日間位が適当であり、その周期の継続は田植によ
り苗が定着した後、５０〜６０日間位が適当である。

【０００６】

【作用】上記灌漑と排水を数日周期で繰り返すと、田の
表面が数日周期で乾燥と湿潤を繰り返すので、稲が乾湿
交互の刺激を受け、分けつ成長が盛んになる。

【０００７】また、乾燥期に太陽が地表に当たって地温
が上昇すると共に、稲の根に酸素が補給されるため、稲
の成長が良好となる。

【０００８】

【実験例】縦横９０cm、高さ６０cmの試験ポットを３個
用意し、それぞれの試験ポットに稲の苗を植え、１０日
間湿潤状態を保った後、第一の試験ポットＡについては
６０日間灌漑と排水を２日の間隔で繰り返し、第二の試
験ポットＢについては６０日間灌漑と排水を３日の間隔
で繰り返し、第三の試験ポットＣについては６０日間連
日湿潤状態に保ち、試験ポットＡ、Ｂ、Ｃについて一株
当りの出穂の分けつ数と、根の発達状態を調査したとこ
ろ、灌漑と排水を繰り返した試験ポットＡ、Ｂは、出穂
の分けつ数が２０〜２１であり、根が６５cm以上伸びた
のに対し、連日湿潤状態に保った試験ポットＣは、出穂
の分けつ数が１１〜１２であり、根も４０cmの伸びに留
まった。

【０００９】この実験から、灌漑と排水を繰り返すこと
によって稲の成長が極めて良くなるということが確認さ
れた。

【００１０】また、試験ポットＡ、Ｂ、Ｃに実った穂の
数は、試験ポットＡが５６９本、試験ポットＢが５８３
本、試験ポットＣが４６２本であった。この結果から
も、灌漑と排水を繰り返した試験ポットＡ、Ｂは、連日
湿潤状態を保った試験ポットＣよりも米の増収を図れる
ことが確認された。

【００１１】

【発明の効果】この発明によれば、上記のように、米の
増収を図ることができるという効果がある。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 稲田の灌漑と排水を数日周期で繰り返す
   ことを特徴とする稲作方法。