JPH06110841A - 名前管理方法 - Google Patents

名前管理方法

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JPH06110841A
JPH06110841A JP25614992A JP25614992A JPH06110841A JP H06110841 A JPH06110841 A JP H06110841A JP 25614992 A JP25614992 A JP 25614992A JP 25614992 A JP25614992 A JP 25614992A JP H06110841 A JPH06110841 A JP H06110841A
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JP
Japan
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name
context
resource
server
computer
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Application number
JP25614992A
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Inventor
Naoki Utsunomiya
直樹 宇都宮
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、コンテキストを使って、全
く同じ並列計算プログラムで計算を行う方法と、ネーム
サーバの保持するデータの一貫性を高速に保持する方法
を提供することにある。 【構成】 プロセスサーバから得た隣接プログラムアク
セス用の名前とその物理PE番号をあらかじめコンテキ
スト変換テーブル7に登録し、プロセス生成時に7に登
録されたPEにのみプロセスのIDを通知する。計算中
にその名前でアクセスが起こったときは、コンテキスト
名とその名前からテーブル7、8、13、14を検索す
ることによりその名前の示す資源の情報を得る。 【効果】 本発明により、並列計算を行う場合、アプリ
ケーション・プログラムを分散するだけで、各計算機毎
にプログラムを書き換える手間を省くことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】分散システムの資源の名前の解決
と名前とIDとの対応表の一貫性制御に係わり、特に、
分散システム上で並列計算を行うときの相手のプロセス
の名前の解決とその場合の対応表の一貫性制御に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、複数の計算機が通信回線で結ばれ
ている分散システム上で、科学技術計算に代表される数
値計算を並列に実行する技術が重要になってきている。
【0003】現在の研究用の分散オペレーティングシス
テム(OS)においては、分散システムを構成する複数
の計算機上に物理的に分散する資源の分散システム中で
の位置(これをロケーションと呼ぶ)とは無関係な名前
で、その資源を識別する名前付け方法が一般的である。
(共立出版株式会社刊、”分散オペレーティングシステ
ム UNIXの次にくるのも”、1991、PP142
−PP158を参照。)特開平1−166158や特開
平1−166159では、仮想的な資源の名前からその
資源の位置情報と実際の名前とに変換するためのテーブ
ルを持ち、仮想的な資源の名前で資源にアクセスする機
構を与える。この様に、名前自体にその名前の示す資源
のロケーション情報を挿入することを避けることによっ
て、資源の名前とその資源のロケーションとの独立性を
保っている。従って、資源の名前と資源のロケーション
との対応関係が変わっても、ユーザは同じ名前で資源に
アクセスすることが可能である。このように、ユーザ
が、資源のロケーションを意識しないで資源にアクセス
できるという性質を、位置透過性という(エム・アイ・
ティー・プレス、”ザ ローカス ディストリビューテ
ィッド システム アーキテクチャ”、ジェラルド・ポ
ペック、ブルース・J・ワーカー著、1985、PP1
4)。
【0004】ユーザにサービスを提供するOS自身が、
資源にアクセスする場合は、物理的な計算機番号のよう
なロケーションが必要である。従って、OSはユーザが
指定する資源の名前から、その資源のロケーションへの
変換機構を提供する必要がある。この変換を名前の解決
と呼び、名前の解決機構、資源への名前付け機構、およ
び、名前と資源との対応の管理機構を提供するプログラ
ムをネームサーバと呼ぶ。
【0005】ネームサーバは、通常、階層的に変換され
る名前を提供する。この階層的な変換には、コンテキス
トによる変換、大域的な名前からIDへの変換、IDか
らロケーションへの変換がある。
【0006】コンテキスト、あるいは、ネーミングコン
テキストとは、名前を変更する写像を定義した時の、変
換の権限を持った論理的実体である(上述書”分散オペ
レーティングシステム UNIXの次にくるのも”のP
P142〜143)。コンテキストによって、コンテキ
ストを含む名前からコンテキストを含まない大域的な名
前、あるいはIDへの変換が定まる。
【0007】大域的な名前とは、分散システム全体で一
意に定まる名前である。ユーザは、ある資源と自ら定め
た大域的な名前との対応の登録をネームサーバに依頼す
る。依頼を受けたネームサーバは、名前の重複を検査
し、重複がない場合にのみ、それを登録する。ネームサ
ーバに登録された大域的な名前をユーザが指定した場
合、異なる計算機上のユーザから指定されたとしても、
指定した大域的な名前が同じであれば、その名前は同じ
資源を指す。
【0008】IDは、OSが資源作成時に割り当てる分
散システム全体で一意な識別子である。OSの内部で
は、IDによって資源を識別する。大域的な名前は、ユ
ーザが指定した資源にのみ付加されるのに対して、ID
は全ての資源に付加される。ネームサーバに資源のID
を登録すると、全ての計算機上のユーザからIDで資源
にアクセスすることが可能となる。
【0009】大域的な名前以外に、コンテキストが必要
なのは、ユーザが指定する名前が常に同じ資源を示すこ
とが、ユーザにとって不都合な場合に対処するためであ
る。例えば、ある情報をファイルに出力するプログラム
において、そのファイル名は同じではあるが、デバッグ
の時と、実際に計算させる時とでは、物理的には異なる
ファイルに出力する必要がある場合である。同じ名前で
も、デバッグ時かどうかでコンテキストを切り換えるこ
とにより、元のファイル名を変更することなく、場合に
より異なる物理的ファイルにそのファイル名を対応させ
ることが可能となる。
【0010】このように、コンテキスト導入により、分
散システム上で一意である大域的な名前を、あるコンテ
キスト内で有効な相対名に変えることが可能となる。
【0011】ネームサーバは、上述の名前の解決に必要
なテーブルを管理している。そのテーブルの1つに、資
源を表すIDとその資源のロケーションとの対応表であ
るロケーションテーブルがある。IDと資源の対応(こ
れを、ロケーションテーブルの1エントリに保持する)
の1つが複数の計算機上のロケーションテーブルに保持
される可能性がある。各計算機上のネームサーバは、資
源をアクセスするユーザが存在する計算機と同じ計算機
上に、その資源に関するロケーションテーブルのエント
リを保持しようとするからである。この複数の計算機に
分散した同じ内容のロケーションテーブルのエントリの
ことを、ロケーションテーブルのエントリの複製と呼
ぶ。従って、この複数の複製のうちのどれかひとつが更
新された場合、ネームサーバは他に複製を保持している
ネームサーバへ更新要求を出して、他の複製の内容も更
新する必要がある。この処理をロケーションテーブルの
一貫性制御と呼ぶ。このロケーションテーブルの一貫性
制御に必要なメッセージの数は、複製の数、即ち、同じ
内容を持ったロケーションテーブルのエントリ数に比例
するので、一貫性制御処理の負荷は、全ての計算機上で
同じ内容のロケーションテーブルを保持した場合、最大
になる。この負荷削減のために、通常のシステムでは、
複製の数を減らす工夫を行っている(上述書”分散オペ
レーティングシステム UNIXの次にくるのも”のP
P248−PP255)。
【0012】数値計算を上述のネームサーバが動作する
分散システム上で並列実行(これを並列数値計算と呼
ぶ)する場合、通常、扱うデータを分割し、それを複数
の計算機に分配し、各プロセッサ上で同じアルゴリズム
を用いて計算を行う(パラソフト社刊、エクスプレス
ユーザズガイドPP25〜27)。通常、この計算機は
仮想的な計算機である。この分割したデータを分配する
仮想的な計算機を論理計算機と呼ぶ。論理計算機番号と
は、論理計算機を識別するために付けられた番号であ
る。論理計算機導入の理由は次の節でのべる。論理計算
機上では、1つのプログラムが動作すると仮定する。実
際にプログラムが並列に動作するときに、論理計算機は
物理計算機に割り付けられる。割り付けられたプログラ
ムは、物理計算機上でプロセスとして動作する。従っ
て、論理計算機と並列数値計算用のプロセスは1対1に
対応する。複数の論理計算機が1つの物理計算機に割り
付けられた場合は、論理計算機番号で並列に動作するプ
ログラムを識別することは可能であるが、物理計算機番
号ではプログラムを識別するには不十分である。
【0013】並列数値計算を行うアプリケーション・プ
ログラムで典型的な資源の指定は、このプログラム間の
通信時における通信相手の指定である。通常、通信相手
を指定するのに論理計算機番号で指定する。これは、ア
プリケーション・プログラムの実行環境、例えば、全体
の計算機の数、記憶装置の有無、実際にプログラムが走
る計算機の集合などは、プログラムを実行する度に変化
する可能性があるので、通信相手を指定するのに、実行
環境に依存した物理計算機番号を使用することは不可能
であるからである。典型的な数値計算においては、各論
理計算機上のプログラムは、数個の他の論理計算機上の
プログラムとしか通信を行わない。この数個のプログラ
ムを論理的に隣接するプログラム、あるいは一般的に、
論理的に隣接する資源と呼ぶ。論理的に隣接するプログ
ラムが動作する論理計算機を隣接計算機と呼ぶ。プログ
ラム上では、論理計算機番号を使った計算によって、隣
接計算機を決定する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術のごとく、
データを各計算機上に分配して、全く同じアルゴリズム
で並列数値計算を行う場合は、通信相手を決定するため
に論理計算機番号に適当な演算を施し、その隣接計算機
の番号を決定していた。これに対して、分散システムで
通常用いられる、大域的な名前を並列数値計算に新たに
用いる場合は、全く同じプログラムを分配するだけでは
不十分である。各計算機上のアプリケーション・プログ
ラム中で指定されている名前が同じ資源を指すからであ
る。例えば、並列数値計算で行うべきことは、送信命令
send(”left”,data)を含むプログラム
が、論理計算機番号3上で動作するときには、”lef
t”で左隣の論理計算機番号2上のプログラムを指し、
論理計算機番号4上で動作するときには論理計算機番号
3上のプログラムを指すということである。ところが、
従来のシステムでは、”left”で指し示される資源
(プログラム)はシステム全体で一意に決定されるた
め、どのプログラム上でも同じ論理計算機上のプログラ
ムを指し示すことになる。
【0015】この解決のために、従来は、コンテキスト
を導入した。しかし、並列計算の場合、並列計算を行う
各プログラム毎に異なるコンテキストを指定する必要が
あるので、非常に多くのコンテキストを指定する必要が
あるという問題点がある。
【0016】また、従来の技術で述べたように、並列数
値計算を分散システム上で行う場合、ロケーションテー
ブルの一貫性制御処理の負荷が大きいという問題点があ
る。本発明の目的は、分散システム上で、名前で資源を
指定するように記述された全く同じアプリケーション・
プログラムを、各物理計算機上で並列に実行させるため
に必要な名前管理方法を提供することである。他の目的
は、ネームサーバ中の名前とその名前が示す資源の情報
との対応表の一貫性制御を高速化する名前管理方法を提
供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明では、アプリケー
ション・プログラムが使用する資源を表す、アプリケー
ション・プログラム内でユニークな名前と、資源の存在
する位置とで構成される組の集合をコンテキストと定義
し、このコンテキストを動的に変化させる要因である選
択子を設定し、アプリケーション・プログラムは資源を
アクセスする時に、そのアプリケーション・プログラム
に対応して定義されたコンテキストの名前と、使用する
資源の名前をネームサーバに指定し、ネームサーバは指
定されたコンテキストの名前からコンテキストのIDを
検索し、複数の対応表の中からそのコンテキストを表す
対応表を、コンテキストのIDと選択子から構成される
キーで検索して求め、その表を用いて資源の名前をその
資源を表すIDに変換し、IDと資源の位置との対応表
であるロケーションテーブルで、そのIDからその資源
の位置を検索して、名前の解決を行なう。
【0018】さらに、分散システムにおいて、アプリケ
ーション・プログラムが使用する資源の名前と、その資
源の存在する位置とで構成される組の集合をコンテキス
トと定義し、ある計算機上のネームサーバのロケーショ
ンテーブル中の情報が更新された場合、そのコンテキス
トで定義された資源の位置で示される計算機上のネーム
サーバにのみ更新の通知を制限し、ロケーションテーブ
ルの一貫性制御を行う。
【0019】
【作用】並列計算用のアプリケーション・プログラムを
実行するとき、アプリケーション・プログラム中で使用
する資源の名前とその資源の位置をあらかじめコンテキ
ストとして登録し、コンテキストの選択子として論理計
算機番号を指定しておく。個々の物理計算機上のアプリ
ケーション・プログラムが、同じコンテキストの名前
と、同じ資源の名前で目的の資源をアクセスした場合、
ネームサーバはそのコンテキストの名前と選択子が示す
論理計算機番号を利用して、論理計算機毎に異なる資源
に対応させるので、全く同じアプリケーション・プログ
ラムを分散させるだけで、並列計算を行うことが可能と
なる。
【0020】さらに、コンテキストを利用してロケーシ
ョンテーブルの一貫性制御の負荷を削減することが可能
となる。並列数値計算用のアプリケーション・プログラ
ムは、通常、論理的に隣接する資源とのみしかお互いに
アクセスしない。従って、ある計算機上で、そのアプリ
ケーション・プログラムに関する資源の情報が更新、あ
るいは、生成される場合、その情報を管理するネームサ
ーバは、論理的に隣接する資源アクセス用のコンテキス
トで示される論理的に隣接する資源が存在する計算機上
のネームサーバにのみ更新内容を通知する。これによ
り、全てのネームサーバに通知する場合に比べて、少な
い通信コストでIDと資源の情報との対応表であるロケ
ーションテーブルの一貫性制御を行うことができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の1実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明を分散システム上の並列数値計算に適用
時の構成を表す図である。まず始めに、図1を用いて、
本実施例の構成と、用語の定義を述べる。
【0022】このシステムは、高速通信回線(1)で接
続された複数の計算機(2)で構成される。以下では、
計算機をプロセッサエレメント(略してPE)と呼ぶ。
各PE(2)上には数値計算を実行するアプリケーショ
ン・プログラム(3)がある。この複数のアプリケーシ
ョン・プログラム(3)が並列に動作することにより、
並列数値計算を行う。
【0023】本実施例のユーザとは、並列計算用のアプ
リケーション・プログラムを書き、その並列計算を本シ
ステムに依頼するエンドユーザを意味する。数値計算を
行うユーザはPE1(2−1)に接続された端末(1
2)から分散システムにアクセスする。
【0024】アプリケーション・プログラム(3)は、
従来の技術で述べた論理計算機上で1つ動作する。この
論理計算機を論理PEと呼ぶ。論理PEが割り付けられ
た物理計算機を、物理PEと呼ぶ。以降、どちらの意味
で使用しても混乱がない場合は、単にPEと呼ぶ。隣接
計算機は、隣接PEと呼ぶ。
【0025】図1では、4つの論理PE、即ち、1.
1、1.2、2.1、2.2上のアプリケーション・プ
ログラムが、2つの物理PE、2−1と2−2上に割り
付けられたときの構成である。
【0026】注目しているサーバやアプリケーション・
プログラムに関して、それが動作するPEと同じPE上
に存在するということを、ローカルPEに存在すると呼
ぶ。異なるPE上に存在する場合は、リモートPE上に
存在すると呼ぶ。
【0027】このアプリケーション・プログラム(3)
にサービスを提供するオペレーティングシステム(O
S)のプログラムには、OSカーネル(15)、プロセ
スサーバ(6)、ネームサーバ(9)、ネットワーク通
信サーバ(10)がある。各々のプログラムは、全ての
物理PE上に存在する。
【0028】プロセスサーバ(6)は、アプリケーショ
ン・プログラム(3)実行用のプロセスを生成する処理
を行う。
【0029】ネットワーク通信サーバ(10)は、アプ
リケーション・プログラムとサーバ間、あるいは、サー
バとサーバ間で発生する通信を処理する。このサーバ
は、同じ物理PE内の通信に関しては、ポートベースの
通信を提供する。ポートベースの通信とは、通信相手を
指定するために、ポートを指定する方式の通信であ
る(”分散オペレーティングシステム UNIXの次に
くるのも”のPP63〜64)。ポートはネットワーク
通信サーバ(10)によって管理されている。
【0030】OSカーネル(15)は、プロセス生成に
関して基本的な処理を行う。この処理は、forkとe
xecである。forkは新たにプロセスを生成する。
execは現在実行中のプロセスにプログラムをロード
して、そのプログラムをそのプロセス上で実行する機能
を提供する。
【0031】ネームサーバ(9)は、本発明における課
題を解決する名前管理方法を提供する。このネームサー
バ(9)は、4つのテーブルを管理している。コンテキ
ストテーブル(7)はコンテキストに固有の名前とID
との対応を保持する。コンテキストテーブルを使用し
て、ネームサーバはコンテキストに固有の名前をその名
前の示す資源のIDに変換する。
【0032】PE1(2−1)上のネームサーバは、P
E1上のアプリケーション・プログラム(3−1A、3
−1B)に対応した2つのコンテキストテーブルを保持
する。コンテキストテーブルを使用した変換を行うため
には、2つのうちから名前の解決を依頼したアプリケー
ション・プログラムに対応するコンテキストテーブルを
選択する必要がある。このことをコンテキストテーブル
の検索と呼ぶ。220はこれを行うネームサーバ中のル
ーチンである。コンテキストテーブルの検索で得たコン
テキストテーブルの中を、コンテキストに固有の名前で
検索し目的のエントリを得ることを、コンテキストテー
ブルエントリの検索と呼ぶ。
【0033】ユーザ定義名テーブル(14)はユーザが
定義した大域的な名前(これをユーザ定義名と呼ぶ)と
IDとの対応を保持する。本実施例では、コンテキスト
名がユーザ定義名であり、どのPEのアプリケーション
・プログラムが参照しても、ネームサーバにより同じI
D(コンテキストのID)に変換される。
【0034】ロケーションテーブル(8)とは、IDか
らそのIDが示す資源のロケーションとの対応を保持す
る。ネームサーバは最終的にロケーションテーブルを検
索して、目的のロケーションと、その他の情報を得る。
【0035】選択子情報テーブル(13)とは、選択子
とコンテキストのIDとの対応を取るためのテーブルで
ある。分散された各物理計算機上のアプリケーション・
プログラムが同一の名前で識別するコンテキストを、ネ
ームサーバは環境の変化にしたがって切り替える。この
環境は、例えば、論理PE番号、物理PE番号、ユーザ
名などである。撰択子はコンテキストが環境の中の何に
よって切り替わるかを示す。
【0036】本実施例のネームサーバは、上述のテーブ
ルを用いて、アプリケーション・プログラムが参照する
名前をロケーションに変換する。この時、撰択子を論理
PE番号に設定することにより、並列に動作する各アプ
リケーション・プログラムが同一の名前で識別するコン
テキストを、ネームサーバ内では論理PE番号に応じて
切り替える。これにより、同一のアプリケーション・プ
ログラムを分散させるだけで並列数値計算プログラムを
並列実行させることが可能となる。
【0037】図2は、本発明の一実施例の構成を示す機
能ブロック図である。全体は大きく2つの過程に分かれ
る。1つはアプリケーション・プログラムを各物理PE
に分散させて並列動作させる過程である。これは、ユー
ザ(42)とプロセスサーバ(6)、及び、ネームサー
バ(9)によって処理される。1つは、アプリケーショ
ン・プログラムが依頼した名前の解決をネームサーバが
処理する過程である。これは、ネットワーク通信サーバ
(10)とネームサーバ(9)により処理される。
【0038】ユーザ(42)は端末(12)を用いてア
プリケーション・プログラムと、そのプログラムの配置
を表す接続情報を作成する。そして、接続情報とコンテ
キスト名とプログラム名を引き数として、ユーザはプロ
セスサーバに並列実行の要求(11)を行う。
【0039】この実施例におけるアプリケーション・プ
ログラムは数値計算プログラムで、図3(a)が示すよ
うに、メッシュ状に接続した各論理PE(160)上に
分散していると仮定する。即ち、各論理PE上のアプリ
ケーション・プログラムは、その論理PEに直接接続し
ている論理PE上のアプリケーション・プログラムとし
か通信を行わない。例えば、論理PE2.2上のアプリ
ケーション・プログラムは、論理PE1.2、2.1、
3.2、2.3上のアプリケーション・プログラムとし
か通信を行わない。161は物理PEの境界を示す。物
理PEのPE1からPE4にはそれぞれ論理PEが2つ
割り付けられている。物理PEのPE5とPE6には4
つの論理PEが割り付けられている。
【0040】ユーザ(42)は、ある論理PE上での処
理をアプリケーション・プログラムとして記述する。こ
の時に、図3(b)で示されるように、隣接PE上のア
プリケーション・プログラムにアクセスするために、”
para1”というコンテキスト名と、”top”、”
bottom”、”left”、”right”(16
3、166、164、165)というコンテキストに固
有の名前を使用するとユーザは決定する。
【0041】次に、ユーザ(42)は、このプログラム
が仮定する論理PEの接続状況を記述する。即ち、図3
(a)の構造を記述する。これは、図7(a)に示すテ
ーブルの形で記述する。始めの行(177)は、このテ
ーブル全体を識別するための識別子である。これは、論
理PE番号(170)と物理PE番号(171)とから
成る。識別は、論理PE番号だけで可能である。2番目
以降の行には、このテーブルが表す論理PE内で有効な
名前と、その名前が示す資源の位置との対応のエントリ
(178)が複数並ぶ。このエントリは、論理PE内で
有効な名前(172)とこの名前が示す資源の存在する
論理PE番号(173)と、その物理PE番号(17
4)から成る。
【0042】図9(b)の175の列は、図3(a)の
論理PE1.1に対応しており、その論理PE内で有効
な名前”right”と”bottom”はそれぞれ論
理PE1.2と2.1のプログラムを示す。”top”
と”left”に関しては、共に接続されている論理P
Eはないので、論理PE番号フィールドにはnullと
記述する。物理PE番号フィールドは、プロセスサーバ
によって物理ネットワーク上への割り付けが完了した後
に設定される。
【0043】接続状況を作成したユーザ(52)は、ロ
ーカルPE上のプロセスサーバ(6−1)に並列実行要
求(11)を発行する。図2において、ユーザからの並
列実行要求(11)を受けたプロセスサーバ(6−1)
は、環境設定(45)を行って、全PE上のプロセスサ
ーバに接続情報を伝達し、並列実行ルーチン(46)に
より、アプリケーション・プログラムの並列実行を行
う。環境の設定は、ユーザがログインしているPE1
(2−1)上のプロセスサーバのみが実行する。環境設
定(45)における接続情報の伝達を接続状況登録ルー
チン(44)で受けたプロセスサーバ(6−2)は、ロ
ーカルPEに関する接続情報をコンテキストとして登録
した後、アプリケーション・プログラムの並列実行を行
う。この際に、プロセスサーバ(6)は、ネームサーバ
(9)に、コンテキスト作成(50)、選択子追加(5
1)、コンテキスト登録(52)、ID登録(53)の
サービスを依頼する。
【0044】図4は環境の設定(45)を示すフローチ
ャートである。プロセスサーバ(6−1)は、132で
図7(a)の接続情報のテーブルをユーザ(42)から
受け取る。このときは、図7(a)の表174が示す物
理PE番号のフィールドは、空の状態である。次に、論
理PEの物理PEへの割り付けを決定し、その対応表を
作成する(133)。この時に、プロセスサーバは各物
理PEの負荷の状況などを参考にして割り付けを決定す
る。図3(a)では、物理PEのPE1〜6へ論理PE
を割り付けた図である。各論理PEは最終的に各物理P
E上でプロセスとして実現される。
【0045】割り付けの決定により、物理PE番号フィ
ールド(174)が埋まる。図7(b)の各エントリの
中の物理PE番号フィールドは、図3(a)における論
理PE1.1、2.2の物理PEへの割り付けを表して
いる。これを、全ての論理PEについて作成することに
より、論理PE上での接続情報が完成する。
【0046】次に、このアプリケーション・プログラム
に対応するコンテキストを作成する。並列計算を行う各
PE上のプロセスは全て、このコンテキスト下で動作す
る。ユーザは、このコンテキストを表すコンテキスト名
を1つ指定するだけでよいので、各プロセスに対して、
別々にコンテキストを指定する必要はない。
【0047】ユーザから受け取ったコンテキスト名で識
別されるコンテキストを作成するために、ネームサーバ
(9−1)にコンテキストの作成を依頼する。返事とし
て、ネームサーバ(9−1)からコンテキストのID
(CID)を受ける(134)。IDは図16のよう
に、拡張部(262)を持ったIDデータ(260)を
単位として扱われる。134におけるコンテキストのI
Dの拡張部(262)は後述するように選択子のキャッ
シュとして使用するので、ここでは未使用のままとす
る。135では、ネームサーバ(9−1)に、コンテキ
ストの選択子として、論理PE番号を付加することを通
知するために、選択子追加サービスを要求する。これに
より、コンテキストテーブルを、コンテキストのIDと
選択子によって一意に検索することが可能となる。
【0048】この結果として、プロセスサーバは、ネー
ムサーバ(9−1)からCIDを受け取る(136)
が、この拡張部には、CIDが選択子として論理PE番
号を持つことを示す情報が格納されている。これによ
り、テーブルを参照することなく選択子を得ることが可
能となる。
【0049】137で、プロセスサーバ(6−2)は、
ユーザ(42)から受け取った接続情報を各物理PE上
のプロセスサーバに通知する。次に、接続情報から、ロ
ーカルPE上に割り付けた論理PEの情報を得る(13
8)。即ち、物理PE、PE1のプロセスサーバの場合
は、この物理PEに論理PE1.1と2.1を割り付け
たので、図7(b)からは、論理PE番号が1.1であ
る175の列を撰択する。論理PE1.1に対応するコ
ンテキストテーブルを作成するために、論理PE内で有
効な名前をコンテキストに固有の名前とする。次に、そ
の名前と、その名前が示す資源のロケーションを示す物
理PE番号を組として、対応関係の登録(コンテキスト
の登録(52))をネームサーバ(9−1)に依頼する
(139)。
【0050】図4の134でプロセスサーバ(6−1)
が発行したコンテキスト作成の依頼を、ネームサーバ
(9−1)は、図9(b)のコンテキスト作成サービス
ルーチン(50)で処理する。まず、渡されたコンテキ
スト名をネームサーバ(9−1)は112で受け取る。
113でこのコンテキストのID(CID)を生成し、
そのIDが示すコンテキストを表わすコンテキストテー
ブル(7)を割り付ける(114)。
【0051】コンテキストテーブル(7)は図14
(a)で示されるように、コンテキストのIDと選択子
が示す環境のリスト(20)から成る、このテーブルの
識別用の行(20)と、複数のエントリ(32)から成
る。このエントリは、コンテキストに固有の名前(2
1)と、その名前でアクセスされる資源のID(2
2)、コンテキスト付随情報(23)とから成る。コン
テキスト付随情報は、そのコンテキストの使用目的によ
って内容が決まる。本実施例では、物理PE番号が入
る。
【0052】例えば、図14(b)のコンテキストテー
ブル7−1Aは論理PE1.1上のアプリケーション・
プログラムのコンテキストを表す。このコンテキストの
下で、コンテキストに固有の名前”right”、”b
ottom”は物理PEであるPE2とPE1上のアプ
リケーション・プログラムを示す。
【0053】コンテキスト名は全てのPE上からアクセ
スされるので、図9(b)の115で、113で生成し
たCIDをコンテキスト名と共に、ユーザ定義名テーブ
ルに登録する。ユーザ定義名テーブルのエントリは、図
15に示す構造を有す。これは、ユーザ定義名(25
0)とこのユーザ定義名が示す資源のタイプ(25
1)、ID(252)から構成される。具体的には、”
para1”というユーザ定義名が登録されている。タ
イプ(251)により、このユーザ定義名で示される資
源は、コンテキストを表していることが分かる。252
のCID(”para1”)は、”para1”が示す
コンテキストのIDを表す。117で、登録したユーザ
定義名テーブルのエントリの内容をブロードキャストし
て、PE上の全てのネームサーバに通知する。これによ
り、全てのPEからこのコンテキスト名をアクセスする
ことが可能となる。
【0054】ブロードキャストの完了後、ネームサーバ
はコンテキスト作成サービスを要求したプロセスサーバ
(6−1)にコンテキストのIDを返す(118)。
【0055】次に、選択子追加サービスについて説明す
る。ネームサーバ(9−1)は、プロセスサーバ(6−
1)から図4の135で選択子追加サービスの依頼を受
ける。選択子追加サービスのフローチャートを図11に
示す。ネームサーバ(9−1)は、コンテキストの選択
子と、CIDを受ける(120)と、渡されたCIDに
対応する選択子情報テーブル(13)の空きエントリを
作成する(122)。選択子情報テーブルのエントリ
(232)は、図17に示すように、CID(230)
と選択子(231)のリストからなる。このエントリ
は、230のCIDが示すコンテキストが、231上の
選択子が示す環境によって切り替えられることを意味す
る。123では、作成したエントリに、コンテキスト”
para1”用の選択子が論理PE番号であることを登
録する。これにより、ネームサーバ(9−1)はこのC
IDについては、キーとして選択子が示す環境、即ち、
論理PE番号が必要なことが分かる。キーとして選択子
が追加されたことを反映させるために、ネームサーバは
選択子に対応した整数値を、渡されたCIDの拡張部に
記入する(124)。これにより、IDデータを調べる
だけで、何が選択子であるかを知ることが可能となる。
次に、追加されたエントリの内容をブロードキャストし
て全てのPE上のネームサーバに通知する(125)。
その後、変更されたCID(126)をプロセスサーバ
に結果として返す。
【0056】コンテキスト登録サービスルーチンは、図
9(a)に従って、コンテキストに固有の名前と、その
名前で示されるプログラムの存在する物理PE番号の組
を登録する。このルーチンは引数としてCID、コンテ
キストに固有の名前、その名前でアクセスされるプログ
ラムが動作する物理PE番号を受け取る(100)。9
−1のネームサーバの場合は、次に、CIDをキーとし
て用いて、コンテキスト変換テーブルの検索ルーチン
(220)を呼んで、対応するコンテキスト変換テーブ
ルを得る。そのコンテキスト変換テーブルにコンテキス
トに固有の名前と、物理PE番号を登録する(10
3)。論理PE1.1の場合は、図14(b)の7−1
Aのコンテキストに固有の名前のフィールドに”rig
ht”、”left”、”top”、”botto
m”、コンテキスト付随情報のフィールドにPE2、n
ull、null、PE1を登録する。
【0057】コンテキストテーブルの検索ルーチン(2
20)はネームサーバ内のサブルーチンで、そのフロー
チャートを図10に示す。このルーチンはコンテキスト
テーブル(7)を選択子の情報によって適切に検索する
機能を提供する。まず、221でコンテキストのIDを
受け取る。コンテキストのIDの拡張部によって、選択
子が有効であるかどうか、即ち、撰択子で示される環境
もCIDと共にキーとして検索する必要があるかどうか
調べる(222)。選択子が有効である場合は、選択子
で示される環境を得るために、プロセスサーバに要求を
出す(224)。次に、CIDと224で得た環境の値
をキーとしてコンテキストテーブルを検索する(22
5)。この選択子とCIDとをあわせて、キーとしてコ
ンテキストテーブルを選択するために、コンテキストに
固有の名前を検索する場合、複数の論理PEが同じ物理
PE上に割り付けられていても、論理PE番号を選択子
として指定することにより、論理PE番号によって異な
るコンテキストを実現することができる。例えば、図1
のアプリケーション・プログラム3−1Aの場合、ネー
ムサーバは図14(b)の複数のコンテキストテーブル
の中から、コンテキストのIDがCID(”para
1”)であり、選択子が示す環境がPE1.1であるテ
ーブル7−1Aを探し出す。
【0058】最後に、見つけたコンテキストテーブルを
返す(226)。222で、選択子が有効でなかった場
合は、CIDのみをキーとしてコンテキストテーブルを
検索する。
【0059】図4の137で発行された通知を受け取っ
たプロセスサーバ(6−2)は、ローカルPE上のアプ
リケーション・プログラム(3−2Aと3−2B)用の
接続状態を設定する(44)。図5は、接続状況登録
(44)のフローチャートを示す。環境設定サービスル
ーチン(45)の137で配布された物理PEと論理P
Eの接続情報、及び、CID(140)は44の接続状
況登録ルーチンにより142で受理される。その後は、
143−144において45の138−139と同じよ
うに、コンテキストに固有の名前とIDとの対応を、コ
ンテキストに登録する。
【0060】次に、プロセスサーバ(6)の並列実行サ
ービスについて説明する。並列実行サービスは、アプリ
ケーション・プログラムを各物理PE上でプロセスとし
て動作させる機能を提供する。
【0061】図6はプロセスサーバ(6)による並列実
行サービスルーチン(46)のフローチャートを示す。
プロセスサーバ(6)は、150でプログラム名を受け
取ると、その名前が示すアプリケーション・プログラム
用のプロセスのID(PID)をネームサーバから得る
(152)。次に、そのプロセス用に、空のプロセステ
ーブルを作り、受け取ったPIDをそこに記録する(1
53)。そして、このPIDと新たに生成するプロセス
のロケーションをネームサーバに依頼して登録する(1
55)。以上で、アプリケーション・プログラム実行の
準備が整ったので、プロセスサーバ(6)はプロセスを
生成し(156)、そのプロセスにアプリケーション・
プログラムをロードして実行させる(157)。
【0062】155でID登録の依頼を受けたネームサ
ーバは、ID登録サービス(53)を行う。図12はI
D登録サービスルーチンのフローチャートを示す。ネー
ムサーバ(9)は、82で引き数としてコンテキストの
IDと登録するID(本実施例の場合はPID)、ロケ
ーション情報、属性を受け取る。そして、ロケーション
テーブルエントリを作成し、登録するIDとロケーショ
ン情報、属性を登録する(83)。ロケーションテーブ
ルのエントリは、図18(a)がで示すように、ID
(270)、ロケーション(271)、属性(272)
から成る。登録の際、ロケーション(271)には物理
PE番号が、属性にはアクセス制御情報(278)が記
録される。
【0063】登録しているIDを隣接PE上のネームサ
ーバに通知するために、ネームサーバ(9)は、コンテ
キストテーブルの検索ルーチン(220)を呼ぶ。得た
コンテキストテーブルのコンテキスト付随情報フィール
ド(図14の23)に格納されている物理PE番号が、
隣接PEが割り付けられた物理PEの番号である。従っ
て、この物理PE番号で示される物理PE上のネームサ
ーバに、登録するID、ロケーション情報、属性を通知
する(85)。
【0064】例えば、図14(b)においては、3−1
Aのアプリケーション・プログラム用のコンテキストテ
ーブル7−1Aを検索し、コンテキスト付属情報にある
物理PE番号PE1とPE2上のネームサーバに、登録
するID、ロケーション情報、属性を通知する。これに
より、登録するIDを、隣接PEが割り付けられた物理
PE上のネームサーバにのみ分配したことになる。ここ
で登録するIDは、隣接PE上のアプリケーション・プ
ログラムからしか参照されないので、他の物理PE上の
ネームサーバに分配する必要はない。
【0065】図12の85で分配される情報は、分配を
受けるネームサーバ(例えば6−2)中のID登録通知
受け付けルーチン(54)で処理される。このルーチン
は、92でコンテキストのID、53で登録されたI
D、ロケーション情報、属性、論理PE番号を受け取
る。受け取ったコンテキストのIDを使用して、コンテ
キストテーブルを検索する(220)。次に、このコン
テキストテーブルのコンテキスト付随情報フィールド
(図14の23)に記録された物理PE番号と、ID登
録の通知を発したネームサーバの存在する物理PE番号
とを比較して(94)、この番号が等しいエントリを検
索し、見つけたエントリのIDフィールドを調べる(9
5)。隣接PEが同じ物理PEに割り付けられている時
には、既にエントリにIDが記録されている場合があ
る。例えば、”left”と”bottom”が示すア
プリケーション・プログラムが同じ物理PE上で動作す
る場合である。このときは、94に戻って、次の物理P
E番号が等しいエントリを探す。最終的に見つけたエン
トリに、受け取ったIDを登録する(96)。次に、ロ
ケーションテーブルの空きエントリを割り付け、このエ
ントリにロケーションと属性を登録する(97)。最終
的にコンテキストテーブルのエントリが見つからなかっ
た場合、エラーを報告する(98)。
【0066】図8は、並列実行サービスルーチン(4
6)におけるプロセスの生成と、アプリケーション・プ
ログラムの実行を示す図である。アプリケーション・プ
ログラムがサーバに対して要求を出すときは、ポートベ
ースである同じ物理PE内の通信を使用する。従って、
アプリケーション・プログラム用のプロセスは、生成
時、サーバに対して要求を行うときに発生する通信のた
めのポートを少なくとも1つは保持している必要があ
る。このポートをデフォルトポートという。従って、プ
ロセスサーバ(6)は新たに生成するアプリケーション
・プログラムを実行するプロセス用のデフォルトポート
(306)を獲得する必要がある。そのために、ネット
ワーク通信サーバ(10)にポート300を介してポー
ト要求(301)を行う。ネットワーク通信サーバ(1
0)は割り付けたポートをプロセスサーバ(6)に返答
する(302)。次に、プロセスサーバ(6)は、下位
のOSカーネル(15)の機能fork(307)を使
用して、新たなプロセス(305A)を生成する。環境
(304)として、新たに作成したポート(306
A)、プロセスのID(PID)、論理PE番号をプロ
セステーブル(305)に設定する。最後に、下位のO
Sカーネル(15)の機能exec(308)を使用し
て、アプリケーション・プログラムをロードし、実行さ
せる。
【0067】次に、アプリケーション・プログラムの実
行開始後、アプリケーション・プログラム間で発行され
る通信処理の中で発生する、名前の解決について説明す
る。
【0068】図2で、PE1(2−1)上のアプリケー
ション・プログラム(3−1A)はデータをPE2(2
−2)上のアプリケーション・プログラム(3−2A)
に送る。まず、アプリケーション・プログラム(3−1
A)は、送信要求をネットワーク通信サーバ(10−
1)に発する(43−1)。PE2(2−2)上のアプ
リケーション・プログラム(3−2A)はデータの受信
をネットワーク通信サーバ(10−2)に要求する(4
3−2)。
【0069】図19は、ネットワーク通信サーバ(1
0)による送信受信要求の処理のフローチャートを示
す。ネットワーク通信サーバ(10)は、47で、要求
を受理する。その要求が、送信要求か受信要求か判断し
(190)、送信要求の時は191で、送信データ、コ
ンテキスト名、コンテキストに固有の名前を要求から取
り出す。受信要求の場合は、コンテキスト名、コンテキ
ストに固有の名前を取り出す(192)。コンテキスト
名とコンテキストに固有の名前を使って、ネームサーバ
(9)に名前の解決を依頼する(48)。
【0070】名前解決のサービス依頼を受けたネームサ
ーバ(9)は、それを図13の名前解決サービスルーチ
ン(55)でサービスを行なう。まず、コンテキスト名
とコンテキストに固有の名前、環境指定子を受け取る
(211)。212で、ユーザ定義名テーブル(14)
を検索し、コンテキスト名をコンテキストのIDに変換
する。次に、コンテキストテーブルの検索ルーチン(2
20)により、コンテキストのIDによって示されるコ
ンテキストテーブルを得る。このルーチンにより、アプ
リケーション・プログラム、即ち、論理PE毎に固有の
コンテキストテーブルを得ることが可能となる。このコ
ンテキストテーブルをコンテキストに固有の名前で検索
し、渡されたコンテキストに固有の名前が示すエントリ
を得る。そのエントリから、コンテキストに固有の名前
で示される通信相手のプログラムのID(このプログラ
ム用のPID)を得る(214)。次に、このIDでロ
ケーションテーブルを検索し、ロケーション情報と、属
性を得る(215)。最後に、得たIDとロケーション
情報、属性(216)を返す。
【0071】以上により、ネットワーク通信サーバ(1
0)は、コンテキストに固有の名前が示すプログラムの
ID、そのロケーション情報、属性を得る(193)。
得られた属性中のアクセス制御情報を調べて(19
5)、アプリケーション・プログラムが要求した通信が
許されない場合は、要求したアプリケーション・プログ
ラムへエラーを返す。許される場合は、送信要求か受信
要求か調べる(196)。送信要求の時は、193で得
られたIDとロケーション情報を用いて送信処理を行
う。受信要求の時は、193で得られたIDとロケーシ
ョン情報を用いて、受信処理を行なう(198)。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、アプリケーション・プ
ログラムにとっての論理的接続関係が決まっていれば、
各物理計算機上に分配されるこのアプリケーション・プ
ログラムが全く同じプログラムであっても、論理的に隣
接する計算機上のアプリケーション・プログラムをアク
セスすることができる。
【0073】また、並列計算プログラム開発中に、アプ
リケーション・プログラム用のプロセスのIDが変わっ
ても、変更情報を全ての計算機上のネームサーバに通知
する必要はないので、高速に並列計算プログラムを初期
化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の1実施例の構成を示す機能ブロック図
である。
【図3】本発明の1実施例において、アプリケーション
・プログラムが動作する論理計算機の接続関係を示す図
である。
【図4】本発明の1実施例における、プロセスサーバの
環境設定処理のフローチャートである。
【図5】本発明の1実施例における、プロセスサーバの
接続状況登録処理のフローチャートである。
【図6】本発明の1実施例における、プロセスサーバの
並列実行処理のフローチャートである。
【図7】本発明の1実施例において、ユーザが作成する
論理計算機の接続関係を示す表である。
【図8】本発明の1実施例における、プロセスサーバの
プロセス生成とアプリケーション・プログラム実行を示
す図である。
【図9】本発明の1実施例における、ネームサーバのコ
ンテキスト作成処理と、コンテキスト登録処理のフロー
チャートである。
【図10】本発明の1実施例において、ネームサーバの
コンテキストテーブルの検索処理のフローチャートであ
る。
【図11】本発明の1実施例において、ネームサーバの
選択子追加処理のフローチャートである。
【図12】本発明の1実施例において、ネームサーバの
ID登録処理と、ID登録通知受付処理のフローチャー
トである。
【図13】本発明の1実施例における、ネームサーバの
名前解決処理のフローチャートである。
【図14】本発明の1実施例における、コンテキストテ
ーブルの構造を示す図である。
【図15】本発明の1実施例における、ユーザ定義名テ
ーブルの構造を示す図である。
【図16】本発明の1実施例における、IDデータの構
造を示す図である。
【図17】本発明の1実施例における、選択子情報テー
ブルの構造を示す図である。
【図18】本発明の1実施例における、ロケーションテ
ーブルの構造を示す図である。
【図19】本発明の1実施例における、ネットワーク通
信サーバの送受信処理のフローチャートである。
【符合の説明】
1……ネットワーク、2……計算機、3……アプリケー
ション・プログラム、6……プロセスサーバ、7……コ
ンテキストテーブル、8……ロケーションテーブル、9
……ネームサーバ、10……ネットワーク通信サーバ、
11……ユーザからシステムへ渡る情報、12……端
末、13……選択子情報テーブル、14……ユーザ定義
名テーブル、15……OSカーネル、220……コンテ
キストテーブルの検索処理ルーチン。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通信回線で結ばれた複数の計算機を有し、
    各計算機上に資源の名前とその資源の位置との対応を管
    理するネームサーバが動作している分散システムにおい
    て、 アプリケーション・プログラムが使用する資源を表す、
    アプリケーション・プログラム内でユニークな名前と、
    資源の存在する計算機を示す位置とで構成される組の集
    合をコンテキストとアプリケーション・プログラムに対
    応して定義し、 このコンテキストを動的に変化させる要因である撰択子
    を設定し、 アプリケーション・プログラムは資源をアクセスする時
    に、そのアプリケーション・プログラムに対して定義さ
    れたコンテキストの名前と、使用する資源の名前をネー
    ムサーバに指定し、 ネームサーバはその指定されたコンテキストの名前から
    コンテキストのIDを検索し、 複数の対応表の中からコンテキストを表す対応表を、コ
    ンテキスト名とあらかじめユーザにより指定された選択
    子から構成されるキーで検索し、 その表を用いて資源の名前をその資源を表すIDに変換
    し、 IDと資源の位置との対応表であるロケーションテーブ
    ルで、そのIDからその資源の位置を検索して、名前の
    解決を行なうことを特徴とする名前管理方法。
  2. 【請求項2】通信回線で結ばれた複数の計算機を有し、
    各計算機上に資源の名前とその資源の位置との対応を管
    理するネームサーバが動作し、各ネームサーバは各資源
    を表すIDと、IDの示す資源の位置の対応表であるロ
    ケーションテーブルの複製を持つような分散システムに
    おいて、 アプリケーション・プログラムが使用する資源の名前
    と、その資源の存在する位置とで構成される組の集合を
    コンテキストとして定義し、 ある計算機上のネームサーバのロケーションテーブル中
    の情報が更新された場合、そのコンテキストで定義され
    た資源の位置で示される計算機上のネームサーバにのみ
    更新の通知を制限し、 それらのネームサーバの持つロケーションテーブルに対
    してだけ一貫性制御を行うことを特徴とする名前管理方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09171501A (ja) * 1995-10-19 1997-06-30 Fuji Xerox Co Ltd 資源管理装置
US6092098A (en) * 1997-07-25 2000-07-18 Nec Corporation Method and computer program product for controlling distributed-memory multiprocessor system

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