JPH06109018A - スクィズフィルムダンパ - Google Patents

スクィズフィルムダンパ

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JPH06109018A
JPH06109018A JP4259738A JP25973892A JPH06109018A JP H06109018 A JPH06109018 A JP H06109018A JP 4259738 A JP4259738 A JP 4259738A JP 25973892 A JP25973892 A JP 25973892A JP H06109018 A JPH06109018 A JP H06109018A
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豊秋 古川
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仁朗 江崎
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岩男 松本
Isahiko Shoda
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転機械の軸受等の外側に制振のために設け
られるスクィズフィルムダンパの作動油の漏洩による環
境汚染を防止すること。 【構成】 ダンパ可動部材(5)とダンパ支持部材(3
0)との隙間(8a),(8b)を、弾性体の隔膜
(6)によって、外部から完全に遮蔽する。作動油は外
部に漏洩しないから環境を汚す恐れはなく、また油を補
給する給油システムも不要である。また油溜め室(2
9)に放熱フィン(34)を設けることにより、作動油
の冷却を促進する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は回転機械の軸受や構造物
の取付部に適用されるスクィズフィルムダンパに関す
る。
【0002】
【従来の技術】スクィズフィルムダンパはガスタービン
の軸受やコンプレッサの軸受の外側などに設置されてお
り、制振の機能を果たしている。
【0003】図4はそのような従来のスクィズフィルム
ダンパの一例を示す縦断面図である。この図に示すよう
に、駆動回転する回転軸(101)の周囲には円弧状を
なす複数個の軸受パッド(102)が隙間(103)を
へだてて配設されており、これら軸受パッド(102)
には円弧状をなすダンパブロック(104)がそれぞれ
ピボット(105)を介して重ね合わされている。これ
ら軸受パッド(102)とダンパブロック(104)と
を収納する環状の軸受ハウジング(106)の内周に
は、油路(107)を形成した環状の支持スリーブ(1
08)が一体的に嵌着されており、前記ダンパブロック
(104)はこの支持スリーブ(108)にそれぞれ弾
性ピン(109)を介して支持されている。図示しない
圧油供給源に接続された給油管(110)が、軸受ハウ
ジング(106)内に形成された油路(111)に連通
していて、支持スリーブ(108)とダンパブロック
(104)との隙間(112)およびダンパブロック
(104)に形成された油路(113)を介して回転軸
(101)と軸受パッド(102)との隙間(103)
に、それぞれ圧油を供給し、これら隙間(103),
(112)に油膜を形成させる。なお、余剰の油は軸受
ハウジング(106)の下端部に連結された排油管(1
14)から外部へ導き出されるようになっている。
【0004】したがって、隙間(103)に形成される
軸受としての油膜の外側に、ダンパとして機能する油膜
が隙間(112)に形成されるので、回転軸(101)
に発生するラジアル方向の振動が減衰し易くなり、安定
した回転を維持することができる。また弾性ピン(10
9)は、回転軸(101)に負荷されるラジアル荷重に
より弾性変形し、隙間(112)の油膜を回転軸(10
1)と同心に保持する。
【0005】このようにスクィズフィルムダンパは、油
のスクィズ効果、すなわち2つの面の間にある粘性を持
った非圧縮性の油が2つの面間の隙間を増減させる方向
に相対速度を持って運動した時に、速度に応じて減衰力
を発生する効果を出すのを利用した振動減衰器である。
この減衰は面間の隙間を狭くすると強まるので、比較的
小型でも大きい減衰を得られる特徴がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記スクィズ効果を発
生させるためには、粘性を持った非圧縮性の流体、例え
ば油が必要であるが、油を供給するには給油システムが
必要である。また油を通常のシール装置でシールしよう
としても完全にはシールできないため、環境を汚すとい
う欠点があり、適用範囲が制限される。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記従来の課題
を解決するために、ころがり軸受けの外輪またはすべり
軸受の軸受パッドの外周に固着された環状のダンパ可動
部材と、上記ダンパ可動部材の外周を隙間をへだてて取
囲み、その隙間にダンパ油を供給するダンパ支持部材
と、上記隙間を外部から遮蔽する弾性体の隔膜とを具え
たことを特徴とするスクィズフィルムダンパ;ならびに
上記要件に加えて、上記ダンパ支持部材の内部に形成さ
れた油室の内部にフィン状の突起が設けられ、かつ上記
隙間を上記油室に連通する絞り孔が開けられたことを特
徴とするスクィズフィルムダンパを提案するものであ
る。
【0008】
【作用】本発明においては、スクィズフィルムダンパ部
の隙間を外部から遮蔽する弾性体の隔膜を設けるので、
振動による動きを阻害することなく、隙間に封入された
作動油の漏出が防止され、環境汚染が抑止される。
【0009】また、上記隙間に油溜めから絞り孔を介し
て作動油を供給することにより、振動減衰効果が高めら
れる。更に油溜め内にフィン状の突起を設けることによ
り、作動油からの放熱が促進される。
【0010】
【実施例】図1は本発明の第1実施例を示す縦断面図で
ある。図中(1)は玉軸受の内輪,(2)は同じく玉,
(3)が同じく外輪をそれぞれ示す。この軸受外輪
(3)の外周に環状の内ダンパ可動部材(4)が固着さ
れ、その内ダンパ可動部材(4)の外周に、弾性体の隔
膜(6)を挟みこんで、2つ割りの外ダンパ可動部材
(5)がねじ(7)で固定されている。その外ダンパ可
動部材(5)の外周を隙間(8a),(8b)をへだて
てダンパ支持部材(10)が取囲み、その隙間(8a)
の一部は油溜め(9)を形成している。
【0011】ダンパ支持部材(10)の一端部には、シ
ールリング(12)を介在させてスラスト受け(11)
がねじ込まれている。ダンパ支持部材(10)の他端部
およびスラスト受け(11)の端部には、前記隔膜
(6)の両側縁部を挟みこんで、押さえ部材(13
a),(13b)がねじ込まれており、隔膜(6)が隙
間(8a),(8b)および油溜め(9)を外部から遮
蔽するようになっている。隙間(8a),(8b)およ
び油溜め(9)には作動油が封入される。
【0012】ダンパ支持部材(10)と外ダンパ可動部
材(5)との間の隙間(8a),(8b)の部分に油溜
め(9)に溜められた油が供給される。玉軸受の内輪
(1)の内側に支えられ図示しない回転体で発生した振
動力は、内輪(1),玉(2),外輪(3),内ダンパ
可動部(4),外ダンパ可動部(5),隙間(8a),
ダンパ支持部(10)と伝達されるが、伝達途中に隙間
(8a),(8b)の部分の油によるスクィズ効果で振
動が減衰される。なお、本実施例の玉軸受部分は、固体
潤滑剤のみで潤滑されており、油は用いられていない。
【0013】本実施例では、油溜め(9)および隙間
(8a),(8b)が隔膜(6)によって外部から完全
に遮蔽された密閉構造となっているので、作動油が外部
に漏れることはなく、また玉軸受でも潤滑油を用いない
ので、環境を汚すことはない。したがってまた、給油シ
ステムも必要ない。しかし、振動減衰に要するエネルギ
が大きくて伝熱のみでは放熱できない場合は、外部から
油を供給するための油孔をダンパ支持部材(10)に設
ければ、強制給油することもできる。
【0014】なお、弾性体の隔膜(6)には適度なたる
みを持たせて振動による動きを阻害しないようにする。
弾性体の種類によってはあらかじめ波状に変形させて変
形を容易にする。ダンパ支持部材(10)にネジ込まれ
たスラスト受け(11)がスラストを受けるが、このネ
ジ込みによる油漏れはシールリング(12)でシールす
る。
【0015】スクィズフィルムダンパは振動を減衰させ
るために用いるので、スクィズ面間のすきまは発生する
振動の10倍程度あれば充分である。つまり可動範囲は
振動の10倍程度と非常に狭いので、本実施例では、振
動をさまたげずにこの間を自由に変形する弾性膜を用い
て、油のシールを行なうのである。
【0016】次に図2は本発明の第2実施例を示す縦断
面図である。この図において、前記図1により説明した
第1実施例と同様の部分については、冗長になるのを避
けるため、同一の符号を付け詳しい説明を省く。
【0017】本実施例においては、ダンパ支持部の内部
に油溜めが形成される。すなわち、ダンパ支持部材(3
0)とこれにねじ込まれたスラスト受け(31)とによ
ってダンパ支持部を構成し、且つ油溜め室(29)が形
成される。そして、その油溜め室(29)に溜められた
油は、絞り孔(35)を通して隙間(8a),(8b)
に供給されるようになっている。本実施例ではまた、油
溜め室(29)の内部に、密閉時の放熱を容易にするた
め、放熱フィン(34)が設けられる。
【0018】本実施例においては、玉軸受の内輪(1)
の内側で発生した振動力は、玉(2),外輪(3),内
ダンパ可動部(4),外ダンパ可動部(5),隙間(8
a),スラスト受(31),ダンパ支持部材(30)と
伝達される途中で、隙間(8a),(8b)の部分の油
によるスクィズ効果と絞り孔(35)を油が移動する時
の流動損失によって、振動が減衰される。
【0019】スクィズフィルムダンパは振動エネルギを
熱エネルギに変換する機構でもあるので、作動油を密閉
する場合には、その冷却を考慮する必要がある。本実施
例では、油溜め室(29)内にフィン状の突起(放熱フ
ィン)(34)が設けられているので、熱交換が促進さ
れ、作動油の冷却効果が高められる。
【0020】本実施例においては、スクィズフィルムダ
ンパ部と油溜め室(29)とを連通する絞り孔(35)
を設け、この絞り孔(35)の数および孔径を適切にす
ることにより、減衰効果を高め且つ最適状態に調節する
ことができる。この絞り孔は、スクィズフィルムのばね
作用と減衰作用を、被支持体の振動特性に合わせてチュ
ーニングする場合に、スクィズ面間の隙間の寸法の自由
度を広げ、且つ絞り孔を作動油が通過する際に減衰作用
を重畳して発生させる。
【0021】次に図3は本発明の第3実施例を示す全体
配置図である。配管(41)は隔壁(42)に支えられ
ており、その途中でスクィズフィルムダンパ(40)を
介して仕切板(43)でも支えられている。配管(4
1)には管内や管外を流れる流体によって振動が発生す
るが、この発生した振動をスクィズフィルムダンパ(4
0)で減衰させる。なお、配管(41)のかわりに振動
を発生している構造体を置き換えても同様の効果が得ら
れる。
【0022】
【発明の効果】本発明においては、スクィズフィルムダ
ンパ部の隙間を外部から遮蔽する弾性体の隔膜を設ける
ので、振動による動きを阻害することなく、隙間に封入
された作動油の漏出が防止され、環境汚染が抑止され
る。
【0023】また、上記隙間に油溜めから絞り孔を介し
て作動油を供給することにより、振動減衰効果が高めら
れる。更に油溜め内にフィン状の突起を設けることによ
り、作動油からの放熱が促進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施例を示す縦断面図であ
る。
【図2】図2は本発明の第2実施例を示す縦断面図であ
る。
【図3】図3は本発明の第3実施例を示す全体配置図で
ある。
【図4】図4は従来のスクィズフィルムダンパの一例を
示す縦断面図である。
【符号の説明】
(1) 玉軸受の内輪 (2) 玉軸受の玉 (3) 玉軸受の外輪 (4) 内ダンパ可動部材 (5) 外ダンパ可動部材 (6) 隔膜 (7) ねじ (8a),(8b) 隙間 (9) 油溜め (10) ダンパ支持部材 (11) スラスト受け (12) シールリング (13a),(13b) 押さえ部材 (29) 油溜め室 (30) ダンパ支持部材 (31) スラスト受け (34) 放熱フィン (35) 絞り孔 (40) スクィズフィルムダンパ (41) 配管 (42) 隔壁 (43) 仕切板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正田 功彦 長崎市深堀町5丁目717番1号 三菱重工 業株式会社長崎研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ころがり軸受の外輪またはすべり軸受の
    軸受パッドの外周に固着された環状のダンパ可動部材
    と、上記ダンパ可動部材の外周を隙間をへだてて取囲
    み、その隙間にダンパ油を供給するダンパ支持部材と、
    上記隙間を外部から遮蔽する弾性体の隔膜とを具えたこ
    とを特徴とするスクィズフィルムダンパ。
  2. 【請求項2】 上記ダンパ支持部材の内部に形成された
    油室の内部にフィン状の突起が設けられ、かつ上記隙間
    を上記油室に連通する絞り孔が開けられたことを特徴と
    する請求項1記載のスクィズフィルムダンパ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3228886A1 (en) * 2016-02-25 2017-10-11 United Technologies Corporation Bearing assembly with a squeeze film damper for a gas turbine engine having textured damper surfaces
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WO2023217797A1 (fr) * 2022-05-10 2023-11-16 Safran Aircraft Engines Palier à roulement comprenant un amortisseur à compression de film d'huile ayant une longueur modifiable

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