JPH06108040A - 摩擦材 - Google Patents

摩擦材

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JPH06108040A
JPH06108040A JP26252492A JP26252492A JPH06108040A JP H06108040 A JPH06108040 A JP H06108040A JP 26252492 A JP26252492 A JP 26252492A JP 26252492 A JP26252492 A JP 26252492A JP H06108040 A JPH06108040 A JP H06108040A
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JP
Japan
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friction material
latex
rubber
friction
binder
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Pending
Application number
JP26252492A
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English (en)
Inventor
Nagao Ogiwara
長雄 荻原
Katsushi Seki
克司 関
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Akebono Research and Development Centre Ltd
Original Assignee
Akebono Research and Development Centre Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の摩擦材製造時における粉塵や有機溶剤
による作業環境上の問題を解消すると共に、ラテックス
使用時の混合物の分散性及び他の結合材の結合性を向上
し得る摩擦材を提供する。 【構成】 結合材、繊維基材、摩擦調整剤を主原料とす
る摩擦材において、結合材の少なくとも一部に、加硫
剤、加硫促進剤及び増粘剤を添加したゴム系ラテックス
を含有する。前記ゴム系ラテックスの使用により摩擦材
の摩擦特性、強度が安定化し、特に耐フェード性Mが向
上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車、鉄道、産業機械
等に使用されるブレーキやクラッチ用の摩擦材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ブレーキやクラッチの摩擦材(ブレーキ
パッド、ブレーキライニング等)の製造方法には、フェ
ノール樹脂等の結合材、ガラス繊維等の繊維基材及びゴ
ム等の摩擦調整剤を主原料とする粉末混合物を摩擦材と
して用いる乾式法と、溶剤で湿潤化した原料混合物を摩
擦材として用いる湿式法があることはよく知られている
が、いずれの方法も作業環境上の問題を残しているのが
現状である。
【0003】即ち、乾式法では摩擦材製造時に粉塵飛散
を伴い、また湿式法ではゴム又は樹脂の溶剤としてトル
エン、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン等、
作業環境上好ましくない有害物質である有機溶剤が使用
されている。
【0004】このような問題を解決するため、溶剤とし
て水を用いると共に、結合材の一部に、加硫剤及び加硫
促進剤を添加したゴム系ラテックスを用いた摩擦材も提
案されているが、ラテックスはもともと、ゴムの粒子が
アルカリ性の水中に分散、懸濁した懸濁液であるから、
原料の混合時などで液のpHが酸性側に変化すると、粒
子が凝集したり、フィルムが形成されたりする問題があ
る。実際にラテックスを他の摩擦材原料と混合すると、
瞬時に凝集が起きたり、フィルムが形成される結果、混
合物が分散不良を起こしたり、他の結合材であるフェノ
ール樹脂等の結合性を阻害し、成形物である摩擦材の強
度や摩擦特性を低下させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたもので、従来の摩擦材製造時における粉塵や
有機溶剤による作業環境上の問題を解消すると共に、ラ
テックス使用時の混合物の分散性及び他の結合材の結合
性を向上し得る摩擦材を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するため、以下のような構成とした。即ち本発明の摩擦
材は、結合材として、加硫剤、加硫促進剤及び増粘剤を
添加したゴム系ラテックスを含有することを特徴とする
ものである。
【0007】本発明者らはゴム系ラテックスを結合材の
一部として用いた摩擦材の製造法が溶剤として無公害の
水を使用していることに着目し、この方法における粒子
の凝集及びフィルム形成の問題を解決するため、種々検
討した結果、加硫剤及び加硫促進剤を添加したゴム系ラ
テックスに更に増粘剤を添加したところ、ラテックスが
クリーム状に増粘され、こうして増粘されたラテックス
を他の原料と混合しても湿潤状態で安定して混合するこ
とができ、しかもこのラテックス自体が結合材として働
くので、摩擦材として安定した性能を発揮することを見
出し、本発明に到達した。
【0008】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発
明の摩擦材は結合材、繊維基材及び摩擦調整剤を主原料
として構成される。結合材は硫黄、加硫促進剤及び増粘
剤を添加したゴム系ラテックス(以下、この硫黄、加硫
促進剤及び増粘剤を添加したゴム系ラテックスを添加ラ
テックスという)を含有する。
【0009】この添加ラテックスの主成分であるゴム系
ラテックスとしてはNBR(ニトリルゴム)、SBR
(スチレンブタジエンゴム)、ポリアクリル酸エステル
系、多硫化物系合成ゴム、ブチルゴム、及びそれらの混
合物等が挙げられる。
【0010】増粘剤としては通常、アンモニアカゼイ
ン、硼砂カゼイン、カルボキシメチルセルローズ、ポリ
ビニルアルコール、ポリビニルオキサイド、アルギン酸
ソーダ及びそれらの混合物等の水溶性高分子電解質が使
用され、その添加量はゴム系ラテックスがクリーム状に
なるまででよく、ゴム系ラテックスの固形分に対し0.
2〜5重量%程度が適当である。
【0011】加硫剤としては通常、硫黄が使用され、そ
の添加量はゴム系ラテックスの固形分に対し5〜40重
量%程度が適当である。加硫促進剤としては通常のも
の、即ちグアニジン類、アルデヒドアンモニア類、アル
デヒドアミン類、アルキルアミン類、ニトロソ化合物、
チアゾール類、イミダゾリン類、チオ尿素類、チオ酸塩
類、カルビチオ酸塩類、イソチオ尿素類及びそれらの混
合物等が使用され、その添加量はゴム系ラテックスの固
形分に対し0.5〜3重量%程度が適当である。
【0012】なおゴム系ラテックスには、必要に応じて
改質剤としてアクリレート系ラテックス、スチレン系ラ
テックス、ビニール系テックス等の樹脂系ラテックスを
30重量%以下程度添加することができる。
【0013】摩擦材中のゴム系ラテックスの含有量は固
形分で2〜15重量%程度が適当である。このゴム系ラ
テックスは結合材の一部として使用しても全部に使用し
てもよい。ゴム系ラテックスが結合材の一部を構成する
場合、残りの他の結合剤としてはフェノール樹脂、メラ
ミン樹脂、エポキシ樹脂、及びそれらの変性品、並びに
それらの混合物等の熱硬化性樹脂が使用できる。この場
合の他の結合材の使用量は摩擦材に対し10重量%以下
が適当である。
【0014】摩擦材に使用される結合材以外の繊維基
材、摩擦調整剤等の原料は従来通りでよい。例えば、繊
維基材としては銅、ステンレス、真ちゅう、アラミド、
カーボン、ガラス、チタン酸カリ、ロックウール、セラ
ミック等の無機又は有機繊維が、また摩擦調整剤として
はカシューダスト、ゴムダスト等のフリクションダス
ト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化マグネシウ
ム、黒鉛、セラミック、二硫化モリブデン、銅粉、真ち
ゅう粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、発泡バーミキュライ
ト等が挙げられる。これら原料の使用量は従来通りでよ
い。
【0015】以上のような原料を用いてブレーキパッ
ド、ブレーキライニング等の摩擦材を造る方法は基本的
には従来法と同様でよく、例えば添加ラテックスを除く
全原料を乾式混合しながら添加ラテックスを添加、混合
し、この混合物を造粒または予備成形し、乾燥後加熱・
加圧成形後、アフターキュアーする。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例によって説明する。
【0017】
【実施例1〜5、比較例1】表1に示す添加ラテックス
以外の原料を撹拌機中、同表の実施例に記載する配合割
合で均一に乾式混合しながら、添加ラテックスを適下、
混合した後、撹拌機から取り出し、この原料を予備成形
し、水分が0.5%以下になるまで60℃で乾燥しなが
ら予備成形し、150℃、400Kg/cm2で加熱・
加圧成形し、更に250℃でアフターキュアを行って摩
擦材を作った。
【0018】一方、比較のため表1に示す比較例の配合
割合で添加ラテックスを含まない全原料を乾式混合し
て、以下実施例と同様にして摩擦材を作った。なお比較
例の処方は従来の摩擦材の基本的なものである。
【0019】表1中の添加ラテックスは、ゴム系ラテッ
クスとしてNBRラテックス(日本ゼオン社製ハイカー
1551、固形分51%)に、このラテックスの固形分
に対し硫黄20%(重量%、以下同様)及び加硫促進剤
としてノセクラ−EZ(大内新興化学社製)2%を添
加、撹拌後、増粘剤としてポリアクリル酸ソーダ(東亜
合成化学工業社製T−40、固形分43%、粘度732
cps)4%を添加し、クリーム状になるまで混合する
ことにより調製した。
【0020】
【表1】 注:表中の数字は重量%を示す。
【0021】注:フリクションダストはゴムダストとカ
シューダストとを2:1の割合で使用した。
【0022】摩擦調整剤は、この調整剤に対し黒鉛20
%、セラミック5%、四三酸化鉄30%、発泡バーミ
キュライト35%、二硫化モリブデン10%からなる。
次に以上の摩擦材についてJASOテストコードC40
6−82に規定されたフルサイズダイナモテスターで摩
擦特性を評価した。その結果を図1に示す。なお図1は
各種摩擦特性の中、実施例と比較例間で顕著な差として
認められた耐フェード性F及び耐摩耗性Mのみについて
示したものである。
【0023】この図から判るように、ゴム系ラテックス
はフェノール樹脂に比べて耐熱性が劣るため、使用量が
多くなると、耐摩耗性に関しては不利な方に傾くが、耐
フェード性については比較例の摩擦材よりも優れたもの
となる。
【0024】
【発明の効果】本発明の摩擦材は、結合材の少なくとも
一部に増粘剤添加ゴム系ラテックスを含有するので、従
来の摩擦材製造時における粉塵や有機溶剤による作業環
境上の問題を解消すると共に、ラテックス使用時の混合
物の分散性及び他の結合材の結合性を向上し、これによ
り安定した摩擦特性、特に耐フェード性、及び強度を有
する摩擦材に成形することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜5及び比較例1の摩擦材の耐フェ
ード性及び耐摩耗性のグラフを示す。
【符号の説明】
F………耐フェード性(フェード量)曲線 M………耐摩耗性(摩耗量)曲線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加硫剤、加硫促進剤及び増粘剤を添加し
    たゴム系ラテックスを結合材の少なくとも一部として含
    有することを特徴とする摩擦材。
  2. 【請求項2】 増粘剤が水溶性高分子電解質である請求
    項1記載の摩擦材。
  3. 【請求項3】 ゴム系ラテックスがNBR又はSBRで
    ある請求項1記載の摩擦材。
  4. 【請求項4】 増粘剤、加硫剤及び加硫促進剤の含有量
    がそれぞれラテックスの固形分に対し0.2〜5重量
    %、5〜40重量%、0.5〜3重量%である請求項1
    記載の摩擦材。
  5. 【請求項5】 前記添加したゴム系ラテックスの含有量
    が摩擦材に対し固形分で2〜15重量%である請求項1
    記載の摩擦材。
JP26252492A 1992-09-30 1992-09-30 摩擦材 Pending JPH06108040A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007063802A1 (ja) * 2005-11-30 2007-06-07 Advics Co., Ltd. ブレーキシュー及びその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007063802A1 (ja) * 2005-11-30 2007-06-07 Advics Co., Ltd. ブレーキシュー及びその製造方法

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